JP2012250877A - 水素生成装置及び燃料電池システム - Google Patents

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誠二 藤原
Chie Harada
千絵 原田
Tomoyuki Nakajima
知之 中嶋
Hidenobu Wakita
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Abstract

【課題】水添脱硫に使用されている脱硫剤の温度は、下流側の温度が低くなるよう構成されている場合がある。このような場合、下流側の脱硫剤の吸着容量は低下してしまうという問題があるが、従来の水素生成装置は、この点について考慮していない。
【解決手段】原料を改質反応させ水素含有ガスを生成する改質触媒を備える改質器1と、原料中の硫黄化合物を除去する水添脱硫器7とを備え、水添脱硫器7は、上流側よりも下流側が温度が低くなるよう構成され、かつ、水添脱硫器7の上流側よりも下流側が、単位断面積当たりの流速が速くなるように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、原料を改質反応させ水素含有ガスを生成する水素生成装置及び燃料電池システムに関する。
燃料電池発電システムの発電時の燃料ガスであるアノードガスには、水素含有ガスが用いられることが多く、燃料電池には、改質法を利用して水素含有ガスを生成する水素生成装置が併設されるのが一般的である。
改質法を利用する水素生成装置は、原料ガスから改質反応により水素含有ガスを生成する改質器と、その改質反応に必要な熱を供給する加熱器とを有する。改質器は、白金、ルテニウム、ロジウム等の貴金属系触媒またはNi系触媒などの改質触媒を含んでおり、改質器に、天然ガス、LPG、ナフサ、ガソリン、灯油等の炭化水素系の原料やメタノール等のアルコール系の原料と水を供給し、加熱器によって改質反応に適する温度まで改質器を加熱すると、改質触媒の働きにより水素含有ガスが生成する。
原料ガスには硫黄化合物が含まれており、特に、改質触媒を被毒し劣化させるため、原料を改質触媒に供給する前に除去することが必要である。
このため吸着脱硫方式や水素を添加して除去する水添脱硫方式が提案されている。吸着脱硫では硫黄吸着量が少ないため、長期間の運転を考慮すると、膨大な吸着剤量または定期的な交換が必要となる。
一方、水添脱硫とは原料に水素を添加し、硫黄化合物を水素化して硫化水素にし、硫化水素を吸着することによって除去する方法である。硫黄化合物を硫化水素にする触媒として、Ni−Mo系、Co−Mo系の触媒、硫化水素を吸着する触媒としてはZnOおよびCuZn系触媒を使用する3段方式をとることがある。また、硫黄化合物を硫化水素にするとともに、硫化水素を吸着する機能を有するCuZn系触媒を1段で構成することもある。
水添脱硫方式は、使用する触媒を加熱することで使用し、硫黄化合物を吸着する容量が多いため、吸着脱硫方式に比べ、長期間運転における脱硫器の交換回数が低減するという利点がある。
ここで、水添脱硫方式では、水添脱硫触媒への効率的な熱供給および省スペース化を考慮して、改質器の外周に水添脱硫器を設置する水素生成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−58995号公報
上記特許文献1記載の水素生成装置では、水添脱硫に使用される脱硫剤の温度は、下流側の方が温度が低くなるよう構成されている。脱硫剤の温度が低くなると、脱硫剤の吸着容量は低下してしまうという問題があるが、従来の水素生成装置は、この点について考慮していない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、水添脱硫器の下流側の温度が上流側よりも低い水素生成装置において、従来よりも水添脱硫器の吸着容量が増加する水素生成装置及び燃料電池システムを提供する。
上記課題を解決するため、本発明の水素生成装置は、原料を改質反応させ水素含有ガスを生成する改質触媒を備える改質器と、原料中の硫黄化合物を除去する水添脱硫器とを備え、前記水添脱硫器は、上流側よりも下流側が温度が低くなるよう構成され、かつ、前記脱硫器の上流側よりも下流側が、単位断面積当たりの流速が速くなるように構成されている。
本発明によれば、水添脱硫器の下流側の温度が上流側よりも低い水素生成装置において、従来よりも水添脱硫器の吸着容量が増加する。
実施の形態1の水素生成装置の概略構成の一例を示す図 実施の形態1の水素生成装置のA−A’断面図を示す図 実施例の出口ガス中の硫黄化合物濃度の分析結果を示す図 実施例の反応管の内径と吸着容量との関係を示す図 実施例の各制御温度における脱硫剤の吸着容量の相対比を示す図 変形例2の水素生成装置の概略構成の一例を示す図 実施の形態2の水素生成装置の概略構成の一例を示す図 実施の形態3の水素生成装置の概略構成の一例を示す図 実施の形態4の燃料電池システムの概略構成の一例を示す図
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1の水素生成装置は、原料を改質反応させ水素含有ガスを生成する改質触媒を備える改質器と、原料中の硫黄化合物を除去する水添脱硫器とを備え、水添脱硫器は、上流側よりも下流側が温度が低くなるよう構成され、かつ、脱硫器の上流側よりも下流側が、単位断面積当たりの流速(線流速)が速くなるように構成されている。
かかる構成により、従来の水素生成装置に比べ、下流側の脱硫剤の脱硫容量が向上する。
図1は、実施の形態1の水素生成装置100の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、水素生成装置100は、改質器1と、燃焼器2と、水添脱硫器7とを備える。
改質器1は、原料を用いて改質反応により水素含有ガスを生成する。原料は、少なくとも炭素及び水素を構成元素とする有機化合物を含み、具体的には、天然ガス、都市ガス、LPG、LNG等の炭化水素、及びメタノール、エタノール等のアルコールが例示される。改質反応は、いずれの改質反応でもよく、具体的には、水蒸気改質反応、オートサーマル反応及び部分酸化反応が例示される。本例では、水蒸気改質反応が用いられている。改質器1で生成された水素含有ガスは、水素供給路を介して水素利用機器へと供給される。水素利用機器としては、水素容器、燃料電池等が例示される。
なお、本実施の形態の水素生成装置100は、改質器1の下流に反応器を設けない形態であるが、改質器1の下流に水素含有ガス中の一酸化炭素を低減するCO低減器を設ける形態であっても構わない。なお、CO低減器は、シフト反応により水素含有ガス中の一酸化炭素を低減する変成器と、メタン化反応及び酸化反応の少なくともいずれか一方により水素含有ガス中の一酸化炭素を低減するCO除去器との少なくともいずれか一方を備える。
燃焼器2は、改質器1を加熱する。燃焼器2の燃料は、いずれの燃料であってもよいが、例えば、改質器1より排出される水素含有ガスが用いられる。
水添脱硫器7は、原料中に含まれる硫黄化合物を水添脱硫により除去する。水添脱硫器7は、改質器1と熱交換するように改質器1に隣接する。ここで、「熱交換するように隣接する」とは、直接的に熱交換するように隣接する場合及び間接的に熱交換するように隣接する場合の少なくともいずれか一方を意味する。「直接的に熱交換するように隣接する」とは、具体的には、改質器1の外殻と水添脱硫器7の外殻とが直接接触するよう構成されていることを意味する。また、「間接的に熱交換するように隣接する」とは、改質器1の外殻と水添脱硫器7の外殻とがガス流路及び空間の少なくともいずれか一方を介して隣接するよう構成されていることを意味する。
水添脱硫器7は、第1の流路3と第2の流路4とを備える。第2の流路4は、第1の流路3を流れる原料が流れの向きを転回後に流れる流路である。第2の流路4は、第2の脱硫剤4aが第1の脱硫剤3aと熱交換するように第1の流路3に隣接している。
本実施の形態の水素生成装置は、改質器1が筒体内部に形成され、水添脱硫器7が、改質器1の外周に設けられている。具体的には、図1に示すように第1の流路3が改質器1の外周に設けられ、第2の流路4が第1の流路3の外周に配設されている。
なお、上記構成は、一例であり、水添脱硫器7が、改質器1と熱交換可能なように隣接されていれば、いずれの構成であっても構わない。例えば、改質器1が中空構造を有しており、改質器1の内周に水添脱硫器7が隣接するよう構成されていても構わない。この場合、改質器1の内周に第1の流路3が設けられ、第1の流路3の内周に第2の流路4が設けられる。
第1の脱硫剤3aと第2の脱硫剤4aは、同一の脱硫剤である。具体的には、第1の脱硫剤3a及び第2の脱硫剤4aが共に、硫黄化合物の水素化機能と硫化水素の吸着機能とを有する同一の脱硫剤(例えば、CuZn系脱硫剤)であってもよい。または、第1の脱硫剤3aと第2の脱硫剤4aが、共に同一の硫化水素の吸着剤(例えば、酸化銅、または酸化亜鉛)であってもよい。この場合、第1の脱硫剤の上流には、水素化触媒が配設される。なお、上記構成は、一例であり、第1の脱硫剤3a及び第2の脱硫剤4aは、水添脱硫に用いられる脱硫剤であれば、いずれの脱硫剤でもよく、また、互いに異なる種類の脱硫剤であっても構わない。
図2は、水添脱硫器7を含む水素生成装置のA−A’断面図を示す。
第2の流路4を流れる原料の単位断面積当たりの流速が、第1の流路3を流れる原料の単位断面積当たりの流速よりも速くなるよう構成される。具体的には、図2に示すように第2の流路4の断面積が、第1の流路3の断面積よりも小さくなるよう構成されている。
ここで、水添脱硫器7について上記のように構成した理由について以下の実施例で説明する。
[実施例]
一般的に、水添脱硫器7の流路断面積が小さくなると、単位断面積当たりの原料の流速が速くなる。原料の線流速が速くなると、脱硫剤へのガス拡散性が向上し、水素化反応及び吸着反応の少なくともいずれか一方の反応性が向上し、吸着容量が増加する。
ここで、水添脱硫器7を通過する原料の単位断面積当たりの流速と脱硫剤と吸着容量との関係について検討した結果について説明する。
内径が、13mm、17mm、21mmの3種類の反応管に、それぞれペレット型のCuZn系脱硫剤を13g充填した。それぞれの反応管に脱硫剤を充填し、原料に改質器1で生成した水素含有ガスを添加したガスを模擬した模擬ガスを供給した。
模擬ガスは、メタン=100ml/分、H=10ml/分、CO=10ml/分、水蒸気=10ml/分を含み、さらに、硫黄化合物としてDMSとTBMを各50ppmを含む。
電気炉を用いて反応管を加熱し、脱硫剤を250℃になるように制御する。次に、反応管に模擬ガスの供給を開始し、反応管から排出されるガス(以下、出口ガス)に含まれる硫黄化合物の濃度を分析した。
反応管への模擬ガスの供給開始当初は、出口ガス中の硫黄化合物は検出限界以下であるが、時間が経過すると、硫黄化合物が検出される。
図3は、出口ガス中の硫黄化合物濃度の分析結果を示す図である。横軸は模擬ガス供給時間、縦軸は出口ガス中の全硫黄濃度を示している。
図3に示すように、反応管の内径が小さくなるにつれて、出口ガスの硫黄濃度が検出されるまでの模擬ガスの供給時間が長いことが分かる。
図4は、反応管の内径と吸着容量との関係を示す図である。
吸着容量は、出口ガス中の硫黄化合物濃度が200ppbを超えるまでに反応管に供給した累積硫黄量を反応管に充填した脱硫剤の量で割った値である。図4に示すように、内径が小さくなるにつれて、つまり、反応管の断面積が小さくなるにつれて、原料が通過する硫黄化合物の吸着容量が増加している。つまり、反応管の内径を小さくして、反応管を通過する原料の単位面積当たりの流速を速くすることによって、吸着容量が増加しているということが言える。これは、脱硫剤への原料の拡散速度が増加しているかであると推定される。
次に、反応管に脱硫剤としてCuZn系脱硫剤を用いて、脱硫剤の吸着容量の温度依存性を測定した実験結果について説明する。
ペレット型のCuZn系触媒を破砕し、内径が8mmの反応管に充填し、原料に改質器1で生成した水素含有ガスを添加したガスを模擬した模擬ガスを供給した。
模擬ガスは、メタン=100ml/分、H=10ml/分、CO=10ml/分、水蒸気=10ml/分を含み、硫黄化合物としてDMSとTBMを各50ppmを含む。
電気炉を用いて反応管を加熱し、脱硫剤がそれぞれ200℃、250℃、300℃、350℃になるように制御する。次に、反応管に模擬ガスの供給を開始し、出口ガスに含まれる硫黄化合物の濃度を分析した。
反応管への模擬ガスの供給開始当初は、出口ガス中の硫黄化合物は検出限界以下であるが、時間が経過すると、硫黄化合物が検出される。硫黄化合物が200ppbを超えたときまでの模擬ガスの供給時間を測定した。
図5は、各制御温度における脱硫剤の吸着容量の相対比を示す図である。なお、吸着容量の相対比は、制御温度200℃において、出口ガス中の硫黄化合物濃度が200ppbを超えるまでの時間を1としたときの他の制御温度において200ppbを超えるまでの時間の相対比である。
図5に示すように脱硫剤の温度が高いほど吸着容量が高く、温度が低いほど吸着容量が低い。
そこで、第1の流路3が改質器1の外周に設けられ、第2の流路4が第1の流路3の外周に配設されることが好ましい。第1の流路3は、改質器1に隣接しているため、第1の脱硫剤3aは、改質器1の熱を受けやすく高温になりやすい。
第1の流路3は、水添脱硫器7の上流側で、原料ガス中の硫黄化合物濃度が比較的高いため、吸着容量の大きい高温条件において、硫黄化合物を除去することが望ましい。
一方、第2の脱硫剤4aは、第1の脱硫剤3aに比べ低温であるため、吸着容量が小さくなってしまう。そこで、第2の流路4の断面積を第1の流路3の断面積よりも小さくし、第1の流路3を流れる原料の線速度よりも線速度を速くする。これによって、第2の脱硫剤の脱硫反応性を向上し、低温化に伴う吸着容量の低下が低減される。
なお、本実施の形態の水素生成装置100では、水添脱硫器7を第1の流路3と第2の流路4の2層の流路構成としたが、さらに、その外周に脱硫剤が充填された流路を設け、3層、4層と増やしても構わない。その場合においても、より外の流路ほど、流路断面積を小さくしてもよい。
[変形例1]
変形例の水素生成装置は、水添脱硫器の下流側の脱硫剤の形状を小さくする。
流路断面積が小さい水添脱硫器の下流側は、脱硫剤の形状が大きいと、充填密度が小さくなり、デッドボリュームが増加し、脱硫剤が充填されない無駄な空間が生じる。ここで、上記のように下流側に充填する脱硫剤の形状を小さくすることで、デッドボリュームが低下し、水添脱硫器をより小型化することが可能となる。
[変形例2]
変形例2の水素生成装置は、水素含有ガス中の一酸化炭素をシフト反応により低減する変成器を備え、水添脱硫器は、変成器と熱交換するように変成器に隣接している。
かかる構成により、実施の形態1と同様に、従来の水素生成装置に比べ、下流側の脱硫剤の脱硫容量が向上する。
上記特徴以外は、実施の形態1及び変形例のいずれかと同様に構成されていてもよい。
次に、本変形例の水素生成装置の詳細について説明する。
図6は、変形例2の水素生成装置の概略構成の一例を示す図である。
図6に示すように本変形例の水素生成装置は、変成器5を備えている。これ以外の図1と同一の符号を付している構成は、実施の形態1と同様であるのでその説明を省略する。
変成器5は、水素含有ガス中の一酸化炭素をシフト反応により低減する。水添脱硫器7は、変成器5と熱交換するように変成器5に隣接している。ここで、「熱交換するように隣接する」とは、直接的に熱交換するように隣接する場合及び間接的に熱交換するように隣接する場合の少なくともいずれか一方を意味する。「直接的に熱交換するように隣接する」とは、具体的には、変成器5の外殻と水添脱硫器7の外殻とが直接接触するよう構成されていることを意味する。また、「間接的に熱交換するように隣接する」とは、変成器5の外殻と水添脱硫器7の外殻とがガス流路及び空間の少なくともいずれか一方を介して隣接するよう構成されていることを意味する。
なお、本変形例においては、水添脱硫器7が変成器5のみと熱交換するように隣接されているが、さらに、改質器1とも熱交換するように隣接されていても構わない。
(実施の形態2)
実施の形態2の水素生成装置は、水添脱硫器内に螺旋流路を設け、水添脱硫器の上流側よりも下流側が螺旋流路の断面積が小さくなるよう構成した。
かかる構成により、実施の形態1と同様に、従来の水素生成装置に比べ、下流側の脱硫剤の脱硫容量が向上する。
上記特徴以外は、実施の形態1及び変形例1−2のいずれかの水素生成装置と同様に構成されていてもよい。
図7は、実施の形態2の水素生成装置の概略構成の一例を示す図である。図6に示すように、本実施の形態の水素生成装置は、水添脱硫器7内に螺旋状の流路規定部材7bを設け、水添脱硫器7の外殻と上記流路規定部材7bとにより螺旋流路が形成される。
流路規定部材7bの螺旋ピッチは原料流れの上流側よりも下流側が狭くなるよう構成されている。これにより、水添脱硫器7の上流側よりも下流側の方が螺旋流路の断面積が小さくなる。これにより、水添脱硫器7は、下流側の方が断面積当りの速度が速くなり、従来よりも下流側の吸着剤の吸着容量の増加が見込まれる。
水添脱硫器7の上流側は、改質器1の下流側に接触している。改質器1は下流側ほど温度が高くなるよう構成されているため、水添脱硫器7においては、上流側が高温になり、下流側へ行くにつれて、温度が低下する傾向となる。
実施例で記載の通り、脱硫剤は低温であるほど吸着容量が低下する傾向にあるため、本実施の形態のように水添脱硫器7の下流側において、流路断面積を小さくして、単位断面積当りの流速を速くすることで、下流側の脱硫剤の吸着容量の低下が低減される。
(実施の形態3)
実施の形態3の水素生成装置は、水添脱硫器の上流側よりも下流側の断面積が小さくなるよう構成されている。
かかる構成により、実施の形態1と同様に、従来の水素生成装置に比べ、下流側の脱硫剤の脱硫容量が向上する。
上記特徴以外は、実施の形態1−2及び変形例1−2のいずれかの水素生成装置と同様に構成されていてもよい。
図8は、実施の形態3の水素生成装置の概略構成の一例を示す図である。
図8に示すように本実施の形態の水素生成装置は、水添脱硫器7の上流側よりも下流側の流路断面積が小さくなるよう構成されている。具体的には、水添脱硫器7の流路幅が狭くないよう構成されている。
本実施の形態においても実施の形態2と同様に、水添脱硫器7の下流側へ行くほど温度が低下する傾向にあるため、下流側の流路断面積を小さくすることで、温度低下に伴う吸着容量の低下を抑制している。
(実施の形態4)
実施の形態4の燃料電池システムは、実施の形態1−3及び変形例1−2のいずれかの水素生成装置と、水素生成装置より供給される水素含有ガスを用いて発電する燃料電池とを備える。
図9は、実施の形態4の燃料電池システムの概略構成の一例を示す図である。
図9に示す例では、本実施の形態の燃料電池システム200は、実施の形態1の水素生成装置100と、燃料電池10とを備える。
燃料電池10は、水素生成装置100より供給される水素含有ガスを用いて発電する燃料電池である。燃料電池10は、いずれの種類の燃料電池であってもよく、例えば、高分子電解質形燃料電池(PEFC)、固体酸化物形燃料電池またはりん酸形燃料電池等を用いることができる。
発電運転時において、燃料電池システム200は、水素生成装置100から供給される水素含有ガスを用いて発電する。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明は、水添脱硫器の下流側の温度が上流側よりも低い水素生成装置において、従来よりも水添脱硫器の吸着容量が増加するので、水素生成装置及び燃料電池システムとして有用である。
1 改質器
2 燃焼器
3 第1の流路
3a 第1の脱硫剤
4 第2の流路
4a 第2の脱硫剤
5 変成器
7 水添脱硫器
10 燃料電池
100 水素生成装置
200 燃料電池システム

Claims (11)

  1. 原料を改質反応させ水素含有ガスを生成する改質触媒を備える改質器と、
    原料中の硫黄化合物を除去する水添脱硫器とを備え、
    前記水添脱硫器は、上流側よりも下流側が温度が低くなるよう構成され、かつ、
    前記脱硫器の上流側よりも下流側が、単位断面積当たりの流速が速くなるように構成されている水素生成装置。
  2. 前記水添脱硫器は、前記改質器と熱交換するように前記改質器に隣接している請求項1記載の水素生成装置。
  3. 水素含有ガス中の一酸化炭素をシフト反応により低減する変成器を備え、前記水添脱硫器は、前記変成器と熱交換するように前記変成器に隣接している請求項1記載の水素生成装置。
  4. 前記水添脱硫器は、原料が流れる第1の流路と、前記第1の流路に設けられた第1の脱硫剤と、前記第1の流路を流れる原料が流れの向きを転回後に流れる第2の流路と、前記第2の流路に設けられた第2の脱硫剤とを備え、
    前記改質器の外周に、前記第1のガス流路が配設され、前記第2のガス流路は、前記第2のガス流路の外周に配設され、
    前記第2の流路を流れる原料ガスの単位断面積当たりの流速が、前記第1の流路を流れる原料ガスの単位断面積当たりの流速よりも速くなるよう構成される請求項2記載の水素生成装置。
  5. 前記水添脱硫器は、原料が流れる第1の流路と、前記第1の流路に設けられた第1の脱硫剤と、前記第1の流路を流れる原料が流れの向きを転回後に流れる第2の流路と、前記第2の流路に設けられた第2の脱硫剤とを備え、
    前記変成器の外周に、前記第1のガス流路が配設され、前記第2のガス流路は、前記第2のガス流路の外周に配設され、
    前記第2の流路を流れる原料ガスの単位断面積当たりの流速が、前記第1の流路を流れる原料ガスの単位断面積当たりの流速よりも速くなるよう構成される請求項3記載の水素生成装置。
  6. 前記水添脱硫器内に螺旋流路を設け、前記脱硫器の上流側よりも下流側が螺旋流路の断面積が小さくなるよう構成した請求項1−3のいずれかに記載の水素生成装置。
  7. 前記水添脱硫器の上流側よりも下流側の断面積が小さくなるよう構成された請求項1−3のいずれかに記載の水素生成装置。
  8. 前記水添脱硫器の下流側に充填された触媒は上流側の触媒よりも形状が小さい請求項1−7のいずれかに記載の水素生成装置。
  9. 前記脱硫剤が、Cuを構成元素として含む請求項1−8のいずれかに記載の水素生成装置。
  10. 前記脱硫剤が、Cuを構成元素して含む触媒で構成されている請求9記載の水素生成装置。
  11. 請求項1−10に記載の水素生成装置と、前記水素生成装置より供給される水素含有ガスを用いて発電する燃料電池とを備える燃料電池システム。
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