JP2012248430A - 二次電池用集電体及び二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、高い導電性を備え、充放電容量の低下を抑制できる二次電池用樹脂集電体を提供することである。
【解決手段】ポリエーテルエーテルケトン及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と、ケッチェンブラック及び多層カーボンナノチューブよりなる群から選択される少なくとも1種の導電性フィラーとを含有する導電性樹脂層を有する樹脂集電体は、体積抵抗率が低く高い導電性を備えることができ、しかも電解質と接触しても膨潤し難いことに加え、通電前後で体積抵抗率の変化が少なく、二次電池の充放電容量の低下を抑制できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、充放電容量の低下を抑制できる二次電池用集電体、及び当該二次電池用集電体を利用した二次電池に関する。
Liイオン二次電池を始めとする充放電可能な電源装置は近年めざましく発展を遂げており、携帯可能な電子媒体や電力をエネルギー源とする自動車など様々な用途に向けての開発が進められている。特に、出力性能の向上及び安全性の確保についての開発が精力的に行われており、構成要素である活性物質・バインダー・電解液・セパレーター・外装など様々な面から性能向上へのアプローチが続けられている。これらの構成要素のうちの一つである集電体についても、出力性能向上、安全性向上、ハンドリング性、コスト面において従来の銅箔やアルミニウム箔を始めとする金属箔の代替として、体積抵抗率が低く、高い導電性を有する樹脂を母材とする樹脂集電体の開発が進められている。
しかしながら、樹脂集電体は、母材が樹脂であるために、高い酸化還元電位で電気化学反応を繰り返す環境に曝されると、性能劣化が不可避的に生じ、充放電を繰り返すにつれて集電機能が低下するという欠点がある。
そこで、近年、樹脂集電体の集電機能の低下を抑制するための技術が検討されている。例えば、特許文献1では、低密度ポリエチレンに導電剤を添加することで二次電池用電極、とりわけ鉛蓄電池の集電体として好適に用いることができることが報告されている。また、特許文献2では環状オレフィン系の樹脂またはエラストマーにガラス繊維を添加することにより、機械的強度を保ったまま高い導電性を発揮できることが報告されている。また、特許文献3では、双極型リチウムイオン二次電池の樹脂集電体として、母材に結晶性の樹脂を採用することにより、樹脂集電体間のリチウムイオンの透過を低減できることが報告されている。また、特許文献4では、異なるリチウムイオン吸蔵能を示す2つの樹脂層を積層させた樹脂集電体を採用することにより、リチウムイオン吸蔵を低減し、充放電容量の低下を抑制できることを報告している。また、特許文献4では、樹脂集電体の表面にイオン遮断層を設けることにより、樹脂集電体間のリチウムイオンの透過及び樹脂集電体内部でのリチウムイオン吸蔵を抑制できることが報告されている。また、特許文献6では、アルミニウム箔をフッ素系エラストマーで被覆することにより、正極電位範囲を広げても集電体の腐食が進行せず、リチウムイオンの高電圧化することができることが報告されている。
特開2002−124265号公報 特開2010−77235号公報 特開2010−170833号公報 特開2010−218764号公報 国際公開第2010/117060号パンフレット 特開2010−238588号公報
しかしながら、特許文献1に代表されるような従来の樹脂集電体に関しては、リチウムイオン二次電池に用いる場合、導電剤である炭素材料がLiイオン吸蔵を伴う副反応を生じたり、導電性無機物を用いると正極電位においてイオンとして溶出したりするため、結果として電池性能が劣化するという問題点を有していた。
また、特許文献2に代表されるような従来の樹脂集電体に関しては、樹脂基材にガラス繊維を添加しても充放電時に樹脂集電体内部において導電材へのリチウムイオン吸蔵を伴う副反応が生じ、それに伴う電解液の分解反応により生成される絶縁被膜が導電性の低下を招くという問題点を有していた。
また、特許文献3に代表されるような従来の樹脂集電体に関しては、結晶性樹脂を使用しても電気化学的にリチウムイオン吸蔵が生じ得るために、二次電池自体の充放電容量が低下し、十分な性能を発揮できないという問題点を有していた。
また、特許文献4に代表されるような従来の樹脂集電体に関しては、前記積層構造であっても、樹脂母材がリチウムイオンの透過を抑制できない場合には、充放電時に樹脂集電体内部において導電材へのリチウムイオン吸蔵を伴う副反応が生じ、それに伴う電解液の分解反応により生成される絶縁被膜が導電性の低下を招くという問題点を有していた。
また、特許文献5に代表されるような従来の樹脂集電体に関しては、イオン遮断層が充放電時にリチウムイオンを吸蔵・放出するために体積膨張を起こし、充放電を繰り返すとイオン遮断層の剥離を起こすという問題点を有していた。また、イオン遮断層が一定以上の大きさのピンホールを有すると充放電時に該ピンホール部からリチウムイオンの拡散が起こるために、ピンホールが発生しないよう厚い表面層を形成する必要がある。しかしながら、樹脂集電体上に形成されるイオン遮断層が厚くなると、クラックが発生しやすい、または密着力が低下するという問題点を有していた。更に、有機物に比べて密度が大きい無機被膜をイオン遮断相として形成することは、軽量であるという樹脂集電体の特性を損なうためにリチウムイオン二次電池としてのエネルギー密度の観点から好ましくない。
更に、特許文献6に代表されるような集電体保護層については、例えば上記構成を樹脂集電体に適用しようとする場合正極電位においてはより安定化を図れるが、負極電位においてはフッ素を含有する材料であっても、フッ化ビニリデンに代表される非パーフルオロエラストマー及び樹脂は電解液と接触することで著しく膨潤する。その結果、導電剤へのリチウムイオン吸蔵を伴う副反応が生じるために、好ましくない。
そこで、本発明は、前述する従来技術の問題点を鑑み、高い導電性を備え、充放電容量の低下を抑制できる二次電池用樹脂集電体、及び当該樹脂集電体を利用した二次電池を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、ポリエーテルエーテルケトン及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と、ケッチェンブラック及び多層カーボンナノチューブよりなる群から選択される少なくとも1種の導電性フィラーとを含有する導電性樹脂層を有する樹脂集電体は、体積抵抗率が低く高い導電性を備えることができ、しかも電解質と接触しても膨潤し難いことに加え、通電前後で体積抵抗率の変化が少なく、二次電池の充放電容量の低下を抑制できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の集電体及び二次電池を提供する。
項1.ポリエーテルエーテルケトン及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と、ケッチェンブラック及び多層カーボンナノチューブよりなる群から選択される少なくとも1種の導電性フィラーとを含有する導電性樹脂層を有することを特徴とする、二次電池用集電体。
項2.テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の重量平均分子量が500000〜10000000である、項1に記載の二次電池用集電体。
項3.前記導電性樹脂層の総質量当たり、前記樹脂を85〜94質量%、及び前記導電材を6〜15質量%含有する、項1又は2に記載の二次電池用集電体。
項4.双極型リチウム二次電池用の集電体である、項1〜3のいずれかに記載の二次電池用集電体。
項5.正極集電体及び負極集電体のいずれか少なくとも一方に、項1〜4のいずれかに記載の集電体が使用されている、二次電池。
項6.項1〜4のいずれかに記載の集電体と、
前記集電体の一方の面に形成される正極活性物質層と、
前記集電体の他方の面に形成される負極活性物質層と、
を有する双極型二次電池。
本発明の集電体は、体積抵抗率が低く高い導電性を備えており、優れた集電応力を有している。更に、本発明の樹脂集電体は、電解液に対して膨潤し難く、炭素材料へのLiイオンの吸蔵及びそれに伴う絶縁被膜の生成が少ないため、通電前後で体積抵抗率の変化が低減され、樹脂集電体中の導電性の損失が極めて小さく、充放電を繰り返しても、二次電池の充放電容量の低下を抑制することができる。更に、本発明の集電体は、母材として樹脂を使用しているため、軽量でフレキシブルという特性をも備えている。従って、本発明の樹脂集電体を使用することにより、二次電池のエネルギー密度を高めつつ、サイクル寿命を向上させることが可能になる。
1.集電体
本発明の集電体は、ポリエーテルエーテルケトン及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と、ケッチェンブラック及び多層カーボンナノチューブよりなる群から選択される少なくとも1種の導電性フィラーとを含有する導電性樹脂層を備えることを特徴とする。以下、本発明の集電体について詳細に説明する。
[母材樹脂]
前記導電性樹脂層において、母材となる樹脂として、ポリエーテルエーテルケトン及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種が含まれる。
ポリエーテルエーテルケトンは、下記式で表される繰り返し単位を有するポリマーである。
Figure 2012248430
本発明で使用されるポリエーテルエーテルケトンは、本発明の効果に影響を及ぼさない限り、前記繰り返し単位を構成する原子又は基が他のものに置換されていてもよい。本発明において、ポリエーテルエーテルケトンの分子量については、特に制限されないが、電解質に対する膨潤抑制、通電前後で体積抵抗率の変化低減などの効果を一層有効に奏させるという観点から、重量平均分子量が、例えば10000〜500000、好ましくは20000〜400000、更に好ましくは50000〜200000が挙げられる。当該重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー: Gel Permeation Chromatography)法により測定される。
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体は、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとを共重合させることにより得られるポリマーである。本発明で使用されるテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体は、本発明の効果に影響を及ぼさない限り、モノマー単位の一部がフッ化ビニリデンなどの他のモノマー単位に置換されていてもよい。本発明において、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の分子量については、二次電池の充放電容量の低下を一層有効に抑制するという観点から、重量平均分子量が、例えば500000〜10000000、好ましくは500000〜7500000、更に好ましくは500000〜5000000が挙げられる。当該重量平均分子量は、Macromolecules 1985,“Dynamic rheology and molecular weight distribution of insoluble polymers: Tetrafluoroethylene-hexafluoropropylene copolymers”, Vol.18, p.2023-30に示されている方法に従い、動的粘弾性の周波数依存性を測定し、下記計算式に基づいて算出される。
Figure 2012248430
前記導電性樹脂層において、母材となる樹脂として、ポリエーテルエーテルケトン及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体のいずれか1種を単独で使用してもよく、これらを組み合わせて使用してもよい。
前記導電性樹脂層において、前記樹脂の含有量としては、特に制限されないが、前記導電性樹脂層の質量当たり、例えば85〜94質量%、好ましくは86〜93質量%、更に好ましくは87〜92質量%が挙げられる。
[導電材]
前記導電性樹脂層において、導電材として、ケッチェンブラック及び多層カーボンナノチューブよりなる群から選択される少なくとも1種が含まれる。導電性樹脂層の構成素材として、前記特定の樹脂と当該特定の導電材との組み合わせを採用することにより、集電体に対して高い導電性を備と共に電解液に対して膨潤し難い特性を備えさせ、且つ通電前後で体積抵抗率の変化を抑制させることが可能になる。
ケッチェンブラックは、ファーネスブラックに分類される中空シェル状構造のカーボンブラックであり、他のカーボンブラックに比して空隙率が高いという特徴がある。本発明で使用されるケッチェンブラックの特性として、例えば、空隙率60〜80容量%、BET比表面積700〜1300m/g、一次粒子径30〜50μmが挙げられる。本発明において、ケッチェンブラックは、「ケッチェンブラックEC300J」、「カーボンECP」、ケッチェンブラックEC600JD」、「カーボンECP600JD」(以上、ライオン株式会社製)などの市販品を使用することができる。
多層カーボンナノチューブは、炭素によって作られる六員環ネットワーク(グラフェンシート)が同心円筒状又は渦巻き状に積層した多層チューブ構造の炭素材料である。
本発明で使用される多層カーボンナノチューブの層数については、特に制限されないが、例えば3〜200、好ましくは5〜100、更に好ましくは(10〜50が挙げられる。また、多層カーボンナノチューブの直径についても、特に制限されないが、5〜200nm、好ましくは10〜100nm、更に好ましくは20〜50nmが挙げられる。
前記導電性樹脂層において、導電材として、ケッチェンブラック及び多層カーボンナノチューブのいずれか1種を単独で使用してもよく、これらを組み合わせて使用してもよい。
前記導電性樹脂層において、前記導電材の含有量としては、特に制限されないが、導電性樹脂層の質量当たり、例えば6〜15質量%、好ましくは7〜14質量%、更に好ましくは8〜13質量%が挙げられる。このような含有量を充足することにより、体積抵抗率が低く高い導電性を備えさせつつ、導電性樹脂層に微小なクラックが生じるのを抑制して炭素材料へのLiイオンの吸蔵を低減させることが可能になる。
[他の含有成分]
前記導電性樹脂層は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、撥水剤、前記以外の樹脂、前記以外の伝導剤などの他の成分を含んでいてもよい。
[導電性樹脂層の特性]
前記導電性樹脂層の厚さについては、特に制限されないが、導電性や強度の確保、軽量化による二次電池の出力密度の向上などの観点から、例えば1〜100μm、好ましくは5〜75μm、更に好ましくは10〜50μmが挙げられる。
また、前記導電性樹脂層の体積抵抗率としては、公知の体積抵抗率が適用できる。例えば1.0×10−2〜1.0×10Ω・cm、好ましくは3.0×10−2〜7.0×10Ω・cm、更に好ましくは5.0×10−2〜5.0×10Ω・cmが挙げられる。前記体積抵抗率は、JIS K7194に規定の方法に準じて、抵抗率計を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにて測定される値である。
[集電体の構造及び特性]
本発明の集電体は、前記導電性樹脂層を少なくとも1つ備えていればよい。即ち、本発明の集電体は、前記導電性樹脂層1層のみから構成される単層構造;前記導電性樹脂層の2層以上が積層された多層構造;前記導電性樹脂層の少なくとも1層と、導電性を示す他の層(以下、第二導電層と表記する)の少なくとも1層が積層された多層構造であってもよい。本発明の集電体において、本発明の効果をより有効に奏させるという観点からは、前記導電性樹脂層1層のみからなる単層構造が好ましい。また、前記導電性樹脂層1層のみからなる単層構造である場合には、軽量化、生産性、経済性などの点でも利点がある。
また、本発明の集電体が、前記導電性樹脂層の少なくとも1層と、第二導電層の少なくとも1層を積層させた多層構造である場合、前記導電性樹脂層は、正極活性物質層又は負極活性物質層と接する最表面に配置されていることが望ましい。即ち、本発明の集電体を双極型二次電池に使用する場合、第二導電層の少なくとも1層を前記導電性樹脂層の2層で挟み、集電体の両方の表面が前記導電性樹脂層で形成されていることが望ましい。
第二導電層は、従来の樹脂集電体に使用されている素材、例えば、導電性カーボン、金属、金属塩、合金などの導電材を添加した導電性樹脂;銅、ニッケル、錫、アルミニウム、チタン、ステンレス、銀、金、白金などの金属箔などが挙げられる。
本発明の集電体の好適な一態様として、ジエチルカーボネート10kPa蒸気圧で144時間保持した後の体積膨潤率が、0.05〜1.50%、好ましくは0.05〜1.00%、更に好ましくは0.05〜0.50%を示すものが挙げられる。ジメチルカーボネートはイオン源であるLi塩を安定的に溶解する溶媒の中でも沸点が低く高い蒸気圧を有しているが、本発明の集電体によれば、このように高い蒸気圧を示すジメチルカーボネートに対しても体積膨潤率が低く抑えることができるため、電解液の透過に伴うLiイオンの拡散を低減でき、ひいては前記樹脂集電体が含有する導電材がLiイオンを吸蔵することにより生じる電気化学反応を抑制することが可能になっている。
また、本発明の集電体の好適な一態様として、下記電気化学反応条件Aにて、半反応セルが初回の開回路電圧から0V(vs Li/Li+)になるまでに要する電気化学容量が、1.0×10−4〜1.0×10mAh/g、好ましくは1.0×10-3〜7.0×10mAh/g、更に好ましくは1.0×10-2〜5.0×10mAh/gが挙げられる。
<電気化学反応条件A>
本発明の集電体を作用極、リチウム金属を対極及び参照極、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比1:1混合溶媒に1mol/LのLiClOを溶解した電解液として用いて半反応セルを構築する。作用極に−0.1mA/gの一定電流密度で通電する。
また、本発明の集電体の好適な一態様として、前記電気化学反応条件Aにて、半反応セルが初回の開回路電圧から0V(vs Li/Li+)になるまで通電し、通電前の体積抵抗率のLog値Aに対する通電後の体積抵抗率のLog値Bの増加率が、0〜15%、好ましくは0〜12%、更に好ましくは0〜10%が挙げられる。このように、本発明の集電体は、通電による体積抵抗率の変化を抑制できるので、電極間を移動する金属イオンの電気化学的トラップが大幅に低減され、結果として二次電池としての容量低下を抑制することができる。
なお、前記増加率は、下記式に従って算出される。また、体積抵抗率は、JIS K7194に規定の方法に準じて、抵抗率計を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにて測定される値である。
増加率(%)={(B−A)/B}×100
[集電体の製造方法]
本発明の集電体の製造方法としては、特に制限されないが、例えば、前記樹脂と、前記伝導剤と、必要に応じて他の成分とを含む混合原料を、押出成型、射出成型、圧縮成型などにより所望形状に成型する方法が挙げられる。前記混合原料としては、例えば、前記樹脂の紛体又はペレットと、前記伝導剤と、必要に応じて他の成分とを混合、混練したもの;前記樹脂の製造時(重合時)に、前記伝導剤と、必要に応じて他の成分とを添加して得られたもの;必要に応じて他の成分を含む樹脂で前記伝導剤の表面を被覆したものなどが挙げられる。
2.二次電池
本発明は、前記集電体を使用した二次電池を提供する。以下、本発明の二次電池について詳細に説明する。
本発明の二次電池において、前記集電体は、正極及び負極のいずれか少なくとも一方に使用されていればよいが、双極型電極の集電体として使用されていることが好ましい。
本発明の二次電池の形状については、特に制限されず、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池などのいずれであってもよい。
また、本発明の二次電池に使用される電解質の形態についても特に制限されず、非水電解質、高分子ゲル電解質、固体高分子電解質などのいずれであってもよい。
本発明の二次電池において、正極と負極間を移動する金属イオンの種類についても特に制限されない。本発明の二次電池は、例えば、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、カリウムイオン二次電池、カルシウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池などが挙げられる。これらの中でも、リチウムイオン二次電池、とりわけ双極型リチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度及び高出力密度を達成できるため好適である。
本発明の二次電池の構造については、前記集電体を使用する限り、特に制限されず、従来公知の構造であればよい。以下、双極型二次電池を例に挙げて、二次電池の構造について説明する。
双極型二次電池の場合であれば、前記集電体と、前記集電体の一方の面に形成される正極活性物質層と、前記集電体の他方の面に形成される負極活性物質層とを備えた双極型電極を複数有し、各双極型電極が電解質を介して積層させた構造(以下、「発電要素」と表記することもある)を備えていればよい。この際、一の双極型電極の正極活性物質層と他の双極型電極の負極活性物質層とが電解質を介して向き合うように、各双極型電極及び電解質層が交互に積層されていればよい。
また、前記発電要素の外周部には絶縁部が設置されていてもよい。当該絶縁部により、電池内で隣り合う集電体同士の接触を防止し、電解質の漏れによる液絡を防止することができる。また、双極型二次電池において、前記発電要素の負極側の最外層に位置する集電体は、片面のみに負極活性物質層が形成されていればよいが、両面に負極活性物質層が形成されていてもよい。また、同様に、前記発電要素の正極側の最外層に位置する集電体は、片面のみに正極活性物質層が形成されていればよいが、両面に正極活性物質層が形成されていてもよい。
双極型二次電池において、前記発電要素の最外層に位置する集電体には、集電板が隣接するように設置され、当該正極集電板を介して正負極で発生する電気を集め、外部に取り出すように構成される。
本発明の二次電池は、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、燃料電池車、ハイブリッド燃料電池自動車、ハイブリッド鉄道などの大容量電源として、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
以下、本発明の二次電池に関し、双極型リチウムイオン二次電池における集電体以外の主要な構成部材について説明する。
[正極活性物質層及び負極活性物質層]
正極活性物質層(正極)には、リチウムイオン二次電池の正極に使用される活性物質(正極活性物質)を含む。正極活性物質としては、具体的には、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、リン酸鉄リチウムなどのリチウム金属酸化物が挙げられる。正極活性物質の粒子径については、特に制限されないが、例えば、3〜25μm程度であればよい。
負極活性物質層(負極)は、リチウムイオン二次電池に使用される活性物質(負極活性物質)を含む。負極活性物質としては、具体的には、活性炭、黒鉛などの炭素材料;LiTi12などのリチウム−遷移金属複合酸化物;リチウム合金;アモルファスシリコン等のケイ素材料等が挙げられる。負極活性物質の粒子径については、特に制限されないが、例えば、1〜50μm程度であればよい。
正極活性物質層及び負極活性物質層は、バインダを含んでいてもよい。バインダとしては、リチウムイオン二次電池に一般的に使用されているものを用いることができ、具体的には、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ビニリデンフルオロライド系フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。正極活性物質層及び負極活性物質層におけるバインダの含有量については、特に制限されないが、例えば、各活性物質層当たり、0.5〜15質量%程度が挙げられる。
正極活性物質層及び負極活性物質層には、必要に応じて、導電助剤、リチウム塩、イオン電導性ポリマーなどを含有してもよい。導電助剤としては、具体的には、カーボンブラック、黒鉛などの炭素材料が挙げられる。また、リチウム塩としては、具体的には、過塩素酸リチウム(LiClO)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〔LiN(CFSO〕、リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド〔LiC(CFSO〕などが挙げられる。イオン電導性ポリマーとしては、具体的には、ポリエチレンオキシド系ポリマー、ポリプロピレンオキシド系ポリマーなどが挙げられる。
[電解質]
電解質については、液体電解質及びポリマー電解質のいずれであってもよい。
液体電解質としては、リチウム塩が溶解した有機溶媒が用いられる。有機溶剤としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ブチレンカーボネートなどの炭酸エステル;テトラヒドロヒラン、1,3−ジオキソランなどの環状エーテル;1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどの鎖状エーテル、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;酢酸メチルなどの鎖状エステルなどを挙げられる。リチウム塩としては、例えば、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドなどが挙げられる。
ポリマー電解質としては、電解液を含むゲル電解質であってもよく、また電解液を含まない真性ポリマー電解質であってもよい。ゲル電解質としては、イオン電導性ポリマーから構成されるマトリックスポリマーに、上記液体電解質が注入させているものが挙げられる。イオン電導性ポリマーとしては、具体的には、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及びこれらの共重合体などが挙げられる。真性ポリマー電解質は、前記有機溶媒を含むことなく、前記マトリックスポリマーに前記リチウム塩が溶解しているものである。
ゲル電解質及び真性ポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなど)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合などの重合処理を施せばよい。
[最外層集電体]
発電要素の最外層に位置する集電体は、前記「1.集電体」の欄に記載するものを使用してもよいが、電気の取り出し易さの観点から、金属材料を使用することが望ましい。金属材料としては、具体的には、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、銅、これらの合金、これらのクラッド材などが挙げられる。
集電板の構成材料は、導電性を示すことを限度として特に制限されないが、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、銅、これらの合金などが挙げられる。
[絶縁部]
絶縁部の構成材料は、絶縁性、密封性、耐食性、耐熱性などを備えることを限度として特に制限されないが、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴムなどが挙げられる。
以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されて解釈されるものではない。
1.二次電池用集電体の作製
実施例1
重量平均分子量80000のポリエーテルエーテルケトン樹脂とケッチェンブラックを重量比87:13の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を1mmとした状態で押出し、更に両側から380℃に設定した棒ヒーター付き真鍮板を上下に介し40MPaで5分保持した後に取り出し膜厚30〜40μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は5.7×10−2Ω・cmであった。
実施例2
重量平均分子量80000のポリエーテルエーテルケトン樹脂と多層カーボンナノチューブを重量比88:12の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を1mmとした状態で押出し、更に両側から380℃に設定した棒ヒーター付き真鍮板を上下に介し40MPaで5分保持した後に取り出し膜厚30〜40μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は6.3×10−2Ω・cmであった。
実施例3
重量平均分子量5000000のテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体とケッチェンブラックを重量比90:10の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を0.7mmとした状態で押出し、更に両側から300℃に設定した棒ヒーター付き真鍮板を上下に介し40MPaで5分保持した後に取り出し膜厚50〜60μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は7.2×10−2Ω・cmであった。
実施例4
重量平均分子量5000000のテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体と多層カーボンナノチューブを重量比91:9の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を0.7mmとした状態で押出し、更に両側から300℃に設定した棒ヒーター付き真鍮板を上下に介し40MPaで5分保持した後に取り出し膜厚50〜60μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は6.5×10−2Ω・cmであった。
実施例5
重量平均分子量500000のテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体とケッチェンブラックを重量比88:12の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を0.7mmとした状態で押出し、更に両側から300℃に設定した棒ヒーター付き真鍮板を上下に介し40MPaで5分保持した後に取り出し膜厚50〜60μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は6.4×10−2Ω・cmであった。
実施例6
重量平均分子量500000のテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体と多層カーボンナノチューブを重量比89:11の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を0.7mmとした状態で押出し、更に両側から300℃に設定した棒ヒーター付き真鍮板を上下に介し40MPaで5分保持した後に取り出し膜厚50〜60μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は6.1×10−2Ω・cmであった。
実施例7
重量平均分子量80000のポリエーテルエーテルケトン樹脂とケッチェンブラックを重量比91:9の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を1mmとした状態で押出し、膜厚30〜40μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は2.2×10Ω・cmであった。
実施例8
重量平均分子量5000000のテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体とケッチェンブラックを重量比92:8の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を0.7mmとした状態で押出し、膜厚50〜60μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は1.9×10Ω・cmであった。
実施例9
重量平均分子量500000のテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体とケッチェンブラックを重量比92:8の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を0.7mmとした状態で押出し、膜厚50〜60μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は1.3×10Ω・cmであった。
実施例10
重量平均分子量80000のポリエーテルエーテルケトン樹脂とケッチェンブラックを重量比89:11の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を1mmとした状態で押出し、膜厚30〜40μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は4.4×10Ω・cmであった。
実施例11
重量平均分子量5000000のテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体とケッチェンブラックを重量比90:10の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を0.7mmとした状態で押出し、膜厚50〜60μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は7.5×100Ω・cmであった。
比較例1
重量平均分子量100000のエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体とケッチェンブラックを重量比90:10の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を0.7mmとした状態で押出し、更に両側から300℃に設定した棒ヒーター付き真鍮板を上下に介し40MPaで5分保持した後に取り出し膜厚50〜60μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は6.4×10−2Ω・cmであった。
比較例2
重量平均分子量1200000のシンジオクチック−ポリスチレン樹脂とケッチェンブラックを重量比87:13の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を1mmとした状態で押出し、更に両側から250℃に設定した棒ヒーター付き真鍮板を上下に介し40MPaで5分保持した後に取り出し膜厚30〜40μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は6.0×10−2Ω・cmであった。
比較例3
重量平均分子量200000の12−ナイロン樹脂とケッチェンブラックを重量比88:12の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を1mmとした状態で押出し、更に両側から250℃に設定した棒ヒーター付き真鍮板を上下に介し40MPaで5分保持した後に取り出し膜厚30〜40μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は5.3×10−2Ω・cmであった。
比較例4
重量平均分子量100000のポリエーテルサロフォン樹脂とケッチェンブラックを重量比92:12の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を1mmとした状態で押出し、更に両側から250℃に設定した棒ヒーター付き真鍮板を上下に介し40MPaで5分保持した後に取り出し膜厚30〜40μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は2.2×10−1Ω・cmであった。
比較例5
N−メチルピロリドン溶媒にビフィニルテトラカルボン酸と4,4−ジアミノジフェニルエーテルとの略等モル量を溶融したナイロン塩型モノマー溶液に、ポリアミドイミド溶液を混合して混合溶液を調製し、重量平均分子量50000のポリアミドイミドとケッチェンブラックとが重量比87:13の割合になるように添加し、ボールミルを用いて混合した。次いで、ドクターブレード法を用いてギャップを200μmとした状態でステンレス基盤に塗布し、315℃で3時間加熱し、基盤上に形成された層を剥がして、膜厚30〜40μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は8.8×10−1Ω・cmであった。
比較例6
重量平均分子量500000のポリフェニレンサルファイドとケッチェンブラックを重量比88:12の割合で秤量し、高回転型ミキサーを用いて紛体のまま混合した。その後、二軸押出機にて溶融混練を行った後、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペレットに対して、単軸押出機を用いてTダイのリップ幅を0.8mmとした状態で押出し、膜厚30〜40μmの二次電池用集電体を作製した。得られた二次電池用集電体について、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定したところ、体積抵抗率は7.3×10−2Ω・cmであった。
2.体積膨潤率の測定
容積1.8Lのステンレス製容器にジエチルカーボネート400mLを添加し、ジエチルカーボネート中に、上記集電体(5cm角)を浸漬させ、圧力計の付いた天板を用いて、フッ素ゴムリングを介して密閉した。その後、80℃の温浴中に前記ステンレス製容器を浸漬させ、圧力が80MPaになるように保持しながら144時間経過させた後に、集電体を取り出した。取り出した集電体の面方向及び厚さ方向の長さを測定し、体積膨潤率を求めた。体積膨潤率は、ジエチルカーボネートを用いた前記処理前の集電体の体積に対して、前記処理後の集電体の体積が増加した割合(%)を算出することにより求めた。
3.電気化学容量、体積抵抗率の測定
上記集電体をAl環境下でφ16mmに切り出した。次いで、各集電体を、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比1:1混合溶媒に1mol/LのLiClOを溶解した電解液に12時間以上、室温で浸漬した後に、作用極として三極式ステンレス製セル(宝泉株式会社製)内に設置した。次いで、作用極上にセパレーターとしてポリプロピレン製の多孔質膜を介在させ、天板にリチウム金属を貼り付けたものを対極とし、作用極に対向しないリチウム金属を巻きつけたステンレス棒を参照極として挿入した。その後、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比1:1混合溶媒に1mol/LのLiClOを溶解した電解液でセル内を満たし、三極式半反応セルとした。一連の操作は、室温のアルゴン雰囲気下で行った。
上記で構築した半反応セルを、ポテンショスタット−ガルバノスタット(北斗電工製、HA−151A)に接続し、作用極と対極の開回路電圧を測定した。その後、両極間の電位差が開回路電圧から0V(vs Li/Li+)になるまで1mAgの電流密度で電気化学反応を進行させた。その際に流れた電流密度の時間積を電気化学容量として算出した。
また、上記電気化学反応の終了後に、アルゴン雰囲気で上記半反応セルの作用極を取り出し、ジメチルカーボネートで洗浄した。次いで、大気中で80℃1時間加熱することにより乾燥させた。その後、JIS K7194の方法に準じて、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスタGP(MCP−T610型)を用いて四探針法にて、印加電圧10Vにおける体積抵抗率を測定した。なお、予め、電気化学反応前に、各集電体(作用極)の体積抵抗率を上記と同様に測定しておいた。電気化学反応前に測定した体積抵抗率のLog値に対する電気化学反応後に測定した体積抵抗率のLog値の増加率を下記式に従って算出した。
増加率(%)={(B−A)/B}×100
A:電気化学反応前の体積抵抗率のLog値
B:電気化学反応後の体積抵抗率のLog値
4.結果
得られた結果を表1に示す。表1に示すように、ポリエーテルエーテルケトン及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の何れか一方の樹脂と、ケッチェンブラック及び多層カーボンナノチューブの何れか一方の導電材とを含む集電体(実施例1−4)では、体積膨潤率及び体積抵抗率が低く、しかも電気化学反応前後の体積抵抗率の変化も非常に少なく、二次電池において電極間を移動する金属イオンを吸蔵し難い特性を備えていた。これに対して、ポリエーテルエーテルケトン及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体以外の樹脂とケッチェンブラックとを組み合わせた集電体(比較例1−6)では、体積膨潤率と、電気化学反応前後の体積抵抗率の変化について、双方とも低い値を示すものは存在しておらず、二次電池において電極間を移動する金属イオンを吸蔵し易い傾向があることが確認された。
以上の結果から、特定の樹脂(ポリエーテルエーテルケトン及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)と特定の導電材(ケッチェンブラック及び多層カーボンナノチューブ)との特有の組み合わせを採用した集電体において、高い導電性を備え、且つ充放電容量の低下を抑制できることが明らかとなった。
Figure 2012248430

Claims (6)

  1. ポリエーテルエーテルケトン及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と、ケッチェンブラック及び多層カーボンナノチューブよりなる群から選択される少なくとも1種の導電性フィラーとを含有する導電性樹脂層を有することを特徴とする、二次電池用集電体。
  2. テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の重量平均分子量が500000〜10000000である、請求項1に記載の二次電池用集電体。
  3. 前記導電性樹脂層の総質量当たり、前記樹脂を85〜94質量%、及び前記導電材を6〜15質量%含有する、請求項1又は2に記載の二次電池用集電体。
  4. 双極型リチウム二次電池用の集電体である、請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池用集電体。
  5. 正極集電体及び負極集電体のいずれか少なくとも一方に、請求項1〜4のいずれかに記載の集電体が使用されている、二次電池。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の集電体と、
    前記集電体の一方の面に形成される正極活性物質層と、
    前記集電体の他方の面に形成される負極活性物質層と、
    を有する双極型二次電池。
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