JP2012248332A - 色素増感型光電変換素子、色素増感型太陽電池及び色素増感型太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】実用的な発電性能を得ることができ、かつ意匠性の高い色素増感型太陽電池を効率よく製造することができる色素増感型光電変換素子の製造方法を提供すること、及び、上記効果を奏する色素増感型太陽電池や色素増感型太陽電池モジュールの製造方法を提供すること。
【解決手段】支持体上に、多孔質の半導体層を形成する工程と、水溶性又は水膨潤性の基材シート上に色素を含む色素層を形成した水圧転写フィルムを、基材シート側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、支持体上に形成された多孔質の半導体層を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって多孔質の半導体層上に色素層を転写する工程と、多孔質の半導体層上に転写された色素層を流動化させて、色素層に含まれる色素を多孔質の半導体層内に吸着させる工程を含むことで上記課題を解決する。
【選択図】図4
【解決手段】支持体上に、多孔質の半導体層を形成する工程と、水溶性又は水膨潤性の基材シート上に色素を含む色素層を形成した水圧転写フィルムを、基材シート側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、支持体上に形成された多孔質の半導体層を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって多孔質の半導体層上に色素層を転写する工程と、多孔質の半導体層上に転写された色素層を流動化させて、色素層に含まれる色素を多孔質の半導体層内に吸着させる工程を含むことで上記課題を解決する。
【選択図】図4
Description
本発明は、色素増感型光電変換素子、色素増感型太陽電池及び色素増感型太陽電池モジュールの製造方法に関する。
色素増感型光電変換素子は、光増感剤として色素を吸着させた半導体層に光を照射することで得られる光起電力を利用して、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子であり、フォトダイオード、太陽電池、及び光充電キャパシタなどに用いられている。特に、色素増感型光電変換素子が用いられた色素増感型太陽電池は、高い光電変換効率を有し、真空装置等の大掛かりな設備や高純度シリコン等の高価な材料を必要とせずに低コストで製造し得る点で優れている。
図5は、色素増感型太陽電池の一般的な構成例を示している。図5の色素増感型太陽電池において、色素増感型光電変換素子203と対向電極205とは向かい合って配置され、色素増感型光電変換素子203と対向電極205との間には、電解質層204が形成されている。色素増感型光電変換素子203は、導電性支持体201と色素を吸着させた多孔質の半導体層202とから構成されている。
この色素増感型太陽電池に太陽光が照射されると、半導体層202の色素の電子が励起される。その励起された色素の電子は、半導体層202の導電帯へ注入され、導電性支持体201及び外部回路を通じて対向電極205に移動する。対向電極205に移動した電子は、電解質層204中のイオンによって運ばれて、色素に戻る。このような過程が繰返されて、太陽光から電気エネルギーを取り出することができる。
ところで、色素増感型光電変換素子において、半導体層への色素の吸着量を多くすることで、発電性能が向上することが知られており、半導体層を多孔質構造とし、多孔質の半導体層に色素を吸着させる試みが広く行われている。多孔質の半導体層に色素溶液を吸着させる方法としては、例えば、特許文献1に開示がされているように、(i)色素を所定の溶媒に溶解した色素溶液中に多孔質の半導体層を浸漬する方法や、(ii)色素溶液を多孔質の半導体層上に各種印刷法を用いて塗工する方法が一般的である。(ii)の方法としては、例えば、インクジェット方式による印刷法等を挙げることができる。
ところで、近時、複数色の色素を多孔質の半導体層に吸着せしめることで意匠性を高めた多色の色素増感型太陽電池に対する注目が高まりつつある。この多色の色素増感型太陽電池によれば、従来の利用分野に加え、例えば、看板や、各種容器などへの利用が可能となる点で好ましい。しかしながら、上記の(i)の方法では、多孔質の半導体層に複数色の色素を吸着させることができず、意匠性の高い色素増感型太陽電池を製造することはできない。
一方で、上記の(ii)の方法、例えば、インクジェット方式を用いた場合には、多孔質の半導体層に複数色の色素を吸着させることができるものの、多孔質の半導体層の形状が曲面形状である場合には、インクの拡散距離が異なることに起因し、インク濃度の分布にばらつきが生ずることとなる。そうすると、曲面形状の多孔質の半導体層に意匠性高く色素を吸着させることができず、曲面形状の多孔質の半導体層に色素を吸着させる場合には、インクジェット方式は適さない。また、これ以外の塗工による各種印刷法を用いた場合であっても、曲面形状に意匠性高く色素を吸着させることは困難である。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、意匠性の高い色素増感型太陽電池を効率よく製造することができる色素増感型光電変換素子の製造方法を提供すること、及び、上記効果を奏する色素増感型太陽電池や色素増感型太陽電池モジュールの製造方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、支持体上に、色素が吸着された多孔質の半導体層が設けられてなる色素増感型光電変換素子の製造方法であって、支持体上に、多孔質の半導体層を形成する工程と、水溶性又は水膨潤性の基材シート上に色素を含む色素層を形成した水圧転写フィルムを、基材シート側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、前記支持体上に形成された多孔質の半導体層を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって前記多孔質の半導体層上に色素層を転写する工程と、前記多孔質の半導体層上に転写された色素層を流動化させて、色素層に含まれる色素を多孔質の半導体層内に吸着させる工程と、を含むことを特徴とする。
また、水圧転写フィルムに用いられる前記色素層が、複数色の色素を含む色素層であってもよい。また、前記支持体上に形成される前記多孔質の半導体層が、曲面を有する形状であってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、電解質層を介して互いに対向する一対の電極の一方に色素増感型光電変換素子を用いた色素増感型太陽電池の製造方法であって、前記色素増感型光電変換素子が、支持体上に、多孔質の半導体層を形成する工程と、水溶性又は水膨潤性の基材シート上に色素を含む色素層を形成した水圧転写フィルムを、基材シート側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、前記支持体上に形成された多孔質の半導体層を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって前記多孔質の半導体層上に色素層を転写する工程と、前記多孔質の半導体層上に転写された色素層を流動化させて、色素層に含まれる色素を多孔質の半導体層内に吸着させる工程と、を含む製造方法によって製造されたことを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、色素増感型太陽電池が複数個直列又は並列に接続されてなる色素増感型太陽電池モジュールの製造方法であって、前記色素増感型太陽電池が、支持体上に、多孔質の半導体層を形成する工程と、水溶性又は水膨潤性の基材シート上に色素を含む色素層を形成した水圧転写フィルムを、基材シート側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、前記支持体上に形成された多孔質の半導体層を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって前記多孔質の半導体層上に色素層を転写する工程と、前記多孔質の半導体層上に転写された色素層を流動化させて、色素層に含まれる色素を多孔質の半導体層内に吸着させる工程と、を含む製造方法によって製造された色素増感型光電変換素子を用いたことを特徴とする。
本発明の色素増感型光電変換素子の製造方法によれば、意匠性の高い色素増感型太陽電池を効率よく製造することができる。また、本発明の色素増感型太陽電池、及び色素増感型太陽電池モジュールの製造方法によれば、上記効果を奏する色素増感型太陽電池や色素増感型太陽電池モジュールを製造することができる。
「色素増感型光電変換素子の製造方法」
本発明における色素増感型光電変換素子の製造方法は、支持体上に、多孔質の半導体層を形成する工程(第1工程)と、水溶性又は水膨潤性の基材シート上に色素を含む色素層を形成した水圧転写フィルムを、基材シート側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、支持体上に形成された多孔質の半導体層を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって多孔質の半導体層上に色素層を転写する工程(第2工程)と、多孔質の半導体層上に転写された色素層を流動化させて、色素層に含まれる色素を多孔質の半導体層内に吸着させる工程(第3工程)と、を含むことを特徴とする。本発明の色素増感型光電変換素子の製造方法は、この要件を具備するものであれば、他の要件について特に限定されることはない。以下、本発明の色素増感型光電変換素子の製造方法における各工程について図面を用いて具体的に説明する。
本発明における色素増感型光電変換素子の製造方法は、支持体上に、多孔質の半導体層を形成する工程(第1工程)と、水溶性又は水膨潤性の基材シート上に色素を含む色素層を形成した水圧転写フィルムを、基材シート側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、支持体上に形成された多孔質の半導体層を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって多孔質の半導体層上に色素層を転写する工程(第2工程)と、多孔質の半導体層上に転写された色素層を流動化させて、色素層に含まれる色素を多孔質の半導体層内に吸着させる工程(第3工程)と、を含むことを特徴とする。本発明の色素増感型光電変換素子の製造方法は、この要件を具備するものであれば、他の要件について特に限定されることはない。以下、本発明の色素増感型光電変換素子の製造方法における各工程について図面を用いて具体的に説明する。
(第1工程)
第1工程は、図1に示すように支持体1上に、多孔質の半導体層2を形成する工程である。支持体としては、その表面が導電性を有し、かつその表面上に形成される多孔質の半導体層2を支持し得る強度を有するものを用いることができる。支持体の材料としては、例えば、チタン、アルミニウム、又はステンレス鋼などの金属を挙げることができる。支持体としては、例えば、ガラス、又はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンサルファイド(PES)、ポリオレフィン(PO)、若しくはポリイミド(PI)等のプラスチックの基体上に、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、フッ素を添加した酸化スズ(FTO)、スズを添加した酸化インジウム(ITO)、又は亜鉛を添加した酸化インジウム(IZO)等の導電層を形成したものを挙げることができる。基体上に導電層を形成する方法としては、スパッタリング法等の物理的蒸着法、化学的蒸着法、ゾル・ゲル法又は印刷法等が挙げられる。基体の厚みは15〜500μm程度が好ましく、導電層の膜厚は1nm〜300μmが好ましい。支持体1が色素増感型太陽電池において受光面側に配置される場合は、支持体1は、光の透過性に優れることが好ましい。
第1工程は、図1に示すように支持体1上に、多孔質の半導体層2を形成する工程である。支持体としては、その表面が導電性を有し、かつその表面上に形成される多孔質の半導体層2を支持し得る強度を有するものを用いることができる。支持体の材料としては、例えば、チタン、アルミニウム、又はステンレス鋼などの金属を挙げることができる。支持体としては、例えば、ガラス、又はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンサルファイド(PES)、ポリオレフィン(PO)、若しくはポリイミド(PI)等のプラスチックの基体上に、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、フッ素を添加した酸化スズ(FTO)、スズを添加した酸化インジウム(ITO)、又は亜鉛を添加した酸化インジウム(IZO)等の導電層を形成したものを挙げることができる。基体上に導電層を形成する方法としては、スパッタリング法等の物理的蒸着法、化学的蒸着法、ゾル・ゲル法又は印刷法等が挙げられる。基体の厚みは15〜500μm程度が好ましく、導電層の膜厚は1nm〜300μmが好ましい。支持体1が色素増感型太陽電池において受光面側に配置される場合は、支持体1は、光の透過性に優れることが好ましい。
多孔質の半導体層2の材料としては、例えば、チタン、バナジウム、マンガン、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、インジウム、スズ、タンタル、又はタングステン等の酸化物が挙げられる。中でも、微細な多孔質が得やすい点から、酸化チタンを好ましく用いることができる。また、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等のペロブスカイト系酸化物を用いてもよい。また、半導体層の材料のうち、いずれか一種を用いても良く、2種以上を混合して用いてもよい。半導体層の材料の粒径としては、所望の表面積を得ることができる範囲内であれば特に限定はされず、通常、微粒子ないし超微粒子として、一次粒子の平均粒子径が1nm〜10μmの範囲内が好ましく、特に10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。
支持体上に半導体層を形成する方法としては、印刷法、ゾル−ゲル法、化学的蒸着法、又は物理的蒸着法等を用いることができ、特に限定はされないが、印刷法により形成することが好ましい。印刷法においては、まず、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミル、又はプラネタリーミキサー等の公知の分散機を用いて、半導体層の材料が溶媒に分散又は溶解した半導体層用塗工液を調製する。次に、公知の印刷法を用いて、半導体層用塗工液を支持体の上に塗布し、乾燥させる。塗布は、所望のパターン状におこなってもよい。このような印刷法を用いて、単数回又は複数回の塗布及び乾燥を繰り返すことにより所望の層厚に調整し、支持体上に半導体層を形成する。
半導体層の層厚としては、1μm〜100μmの範囲内、その中でも、5μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲内であれば、半導体層の膜抵抗を小さくすることができ、また、半導体層で光吸収を十分におこなわせることができるからである。
半導体層は、焼結させることが好ましい。半導体層の材料どうしを電気的に結合させ、膜強度を強化し、支持体と密着させるためである。焼成温度は、通常、300℃〜700℃の範囲内であることが好ましく、特に、350℃〜600℃の範囲内であることが好ましい。
本発明で用いられる半導体層は多孔質の半導体層である。本発明では、多孔質の半導体層を用いることにより、半導体層の実質の表面積を大きくすることができる。そして、後述する第3工程によって、多孔質の半導体層内に多量の色素を吸着させることで発電性能の向上を図っている。これに加え、多孔質の半導体層とすることで後述する電解質層との接触面積も大きくすることができ、更なる発電性能の向上を図ることができる。多孔質の半導層は、微粒子ないし超微粒子を膜化することで形成されるが、例えば、上記の半導体層用塗工液にポリエチレングリコール等の有機物を添加し、その有機物が熱分解する温度で焼結することで、効率的に好適な多孔質の半導体層とすることができる。
多孔質の半導体層2は、平坦な形状であってもよく、曲面を有する形状であってもよい。特に本発明によれば、水圧転写法によって、多孔質の半導体層2に色素層12が転写されることから、曲面を有する形状においても精度よく、色素層12を多孔質の半導体層2の表面に転写することができる。これにより、本発明で製造される色素増感型光電変換素子の形状の選択の幅を広げ、意匠性の高い色素増感型太陽電池を製造することができる。
(第2工程)
第2工程は、図3に示すように水溶性又は水膨潤性の基材シート11上に色素を含む色素層12を形成した水圧転写フィルム20を、基材シート11側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、前記支持体1上に形成された多孔質の半導体層2を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって前記多孔質の半導体層2上に色素層12を転写する工程である。
第2工程は、図3に示すように水溶性又は水膨潤性の基材シート11上に色素を含む色素層12を形成した水圧転写フィルム20を、基材シート11側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、前記支持体1上に形成された多孔質の半導体層2を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって前記多孔質の半導体層2上に色素層12を転写する工程である。
<水圧転写フィルム>
図2に示す水圧転写フィルム20に用いられる基材シート11は、水溶性又は水膨潤性を有するものであればよく、水圧転写の分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができる。このような基材シート11としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白質、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸との共重合体、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、アルギン酸ソーダ等を挙げることができる。基材シート11の厚さは10〜100μm程度が好ましい。
図2に示す水圧転写フィルム20に用いられる基材シート11は、水溶性又は水膨潤性を有するものであればよく、水圧転写の分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができる。このような基材シート11としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白質、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸との共重合体、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、アルギン酸ソーダ等を挙げることができる。基材シート11の厚さは10〜100μm程度が好ましい。
水圧転写フィルム20に用いられる色素層12は、色素を含む層であり、色素としては、光を吸収し起電力を生じさせることが可能なものであれば特に限定はされない。このような色素としては、有機色素または金属錯体色素を挙げることができる。有機色素としては、アクリジン系、アゾ系、インジゴ系、キノン系、クマリン系、メロシアニン系、フェニルキサンテン系の色素が挙げられる。これらの有機色素の中でも、クマリン系色素を用いることが好ましい。また、金属錯体色素としては、ルテニウム系色素が好ましく、特にルテニウム錯体であるルテニウムビピリジン色素およびルテニウムターピリジン色素が好ましい。このようなルテニウム錯体は、吸収する光の波長範囲が広いため、光電変換できる光の波長領域を大幅に広げることができるからである。
また、色素層12には、バインダーが含有されていてもよい。色素層12に含有されるバインダーは、色素を保持することが可能なものであれば特に限定はないが、本発明においては、有機溶剤に可溶な樹脂や、熱溶融性の樹脂等を特に好適に使用することができる。有機溶剤に可溶な樹脂を色素層12中にバインダーとして含有させた場合には、後述する第3工程において、有機溶剤を吹き付ける等によって容易に色素層12を流動化させることができる。また、熱溶融性の樹脂を含有させた場合には、加熱等により容易に色素層12を流動化させることができる。このような好ましいバインダーとしては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、熱溶融性ワックス等を挙げることができる。
色素層12の形成方法についても特に限定はないが、上記に例示したバインダー等を、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させ、これに色素を加えた色素層用塗工液を調製し、これを、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはオフセット印刷法等の適当な手段により、塗布、乾燥することで形成可能である。色素層12の厚さについて限定はないが、1〜10μm程度が好ましい。
また、色素層12をゲル状の色素層12としてもよい。ゲル状の色素層12とすることで、ゲル状の色素層12を冷却又は加熱によってゾル化させることで、色素層12を容易に流動化させることができるからである。
ゲル状の色素層12は、例えば、ゲル化剤を含む溶媒中に色素を加えた塗工液を調製し、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはオフセット印刷法等の適当な手段により、塗工した後に、ゲル化温度まで冷却又は加熱することで形成することができる。
ゲル化剤としては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ペクチン、無機微粒子等の冷却することでゲル化し、加熱することでゾル化するゲル化剤を挙げることができる。また、ゲル化剤が加熱することでゲル化し、冷却することでゾル化するものであっても同様に使用可能である。
なお、上記ではゲル化剤を用いて色素層12をゲル化させる方法について説明を行ったが、本発明では、ゲル化剤を用いることなく色素層12をゲル化させることができる従来公知の方法、例えば、バインダーの粘度を調整しゲル化させる方法等も使用可能である。
また、色素層12に含まれる色素は、図2(a)に示すように1種を単独で用いてもよく、複数の種類を用いてもよい。例えば、図2(b)に示すように各色素を含む塗工液を、基材シート11上にパターン状に印刷することで、複数の色素(色素12A,12B,12C,12D)が含まれるパターン状の色素層12とすることができる。特に、色がそれぞれ異なる複数の色素が含まれる色素層12とすることで、本発明で製造される色素増感型光電変換素子に高い意匠性を付与することができる。
<水圧転写>
水圧転写は、まず、図3(a)に示すように上記で説明した水圧転写フィルム20を、基材シート11側が下側を向くように水面に浮遊させる。水圧転写に用いられる水には、親水性有機溶剤や界面活性剤などの添加物質が含まれていてもよい。水圧転写フィルム20を、水面に浮遊させるには、枚葉状の水圧転写フィルムを1枚ずつ水面に浮遊させてもよく、水を一方向から流しながら、連続シートとして形成されたロール状の水圧転写フィルムを、連続的に水面に浮遊させてもよい。
水圧転写は、まず、図3(a)に示すように上記で説明した水圧転写フィルム20を、基材シート11側が下側を向くように水面に浮遊させる。水圧転写に用いられる水には、親水性有機溶剤や界面活性剤などの添加物質が含まれていてもよい。水圧転写フィルム20を、水面に浮遊させるには、枚葉状の水圧転写フィルムを1枚ずつ水面に浮遊させてもよく、水を一方向から流しながら、連続シートとして形成されたロール状の水圧転写フィルムを、連続的に水面に浮遊させてもよい。
次に、図3(b)に示すように上記第1工程で支持体上に形成された多孔質の半導体層を、水面の上方から水圧転写フィルムに押圧し、多孔質の半導体層2が下方となるように下降させる。次いで、多孔質の半導体層2の一部あるいは全部を水中に沈降させると共に、水圧転写フィルム20と支持体1上に形成された多孔質の半導体層2との間に気泡が入らないように維持しながら、水圧転写フィルムを、多孔質の半導体層2の表面形状に沿って延展させ、水圧によって、多孔質の半導体層2の表面の所要部分に、色素層12を被覆密着させる。
水圧転写フィルム20を水面に浮遊させると、基材シート11は水と接して、水膨潤性の場合には膨潤し、水溶性の場合は溶解する。基材シート11が水膨潤性の場合には、該基材シート11は色素層12と一緒に多孔質の半導体層2の表面に密着する。また、基材シート11が水溶性の場合、材質によっては完全に水に溶解してしまって、色素層12のみが水面上に存在する状態になる場合と、基材シート11の一部が溶解し一部が残存している場合とがある。基材シート11が完全に溶解してしまっている場合、多孔質の半導体層2には色素層12のみが被覆密着した状態となる。また、図3(c)に示すように、色素層12は、多孔質の半導体層2の表面に存在している。また、パターン状の色素層12である場合には、そのパターンを維持した状態で多孔質の半導体層2の表面に存在している。
また、水圧転写フィルム20の色素層12が、多孔質の半導体層2の表面に十分密着した後に、基材シート11の少なくとも一部が溶解せず残存している場合には、水圧転写フィルム20の基材シート11を除去することが好ましい。基材シート11の除去方法としては、水を用いたシャワー洗浄が好ましい。洗浄により、多孔質の半導体層2の表面に付着している基材シート11を、完全に除去することができ、かつ転写の際に生ずる汚れ等も除去することができる。シャワー洗浄を行う場合の条件について特に限定はないが、通常、水温が15〜60℃、洗浄時間1〜10分程度が好ましい。
(第3工程)
第3工程は、多孔質の半導体層上2に転写された色素層12を流動化させて、色素層12に含まれる色素15を多孔質の半導体層内2に吸着させる工程である。第3工程を行うことで、図4に示すように、多孔質の半導体層2の表面に存在する色素層12を流動化させ、該色素層12に含まれる色素15を多孔質の半導体層2内へ吸着させることができる。これにより、半導体層への色素の吸着量を増大させることができ、発電性能の向上を図ることができる。
第3工程は、多孔質の半導体層上2に転写された色素層12を流動化させて、色素層12に含まれる色素15を多孔質の半導体層内2に吸着させる工程である。第3工程を行うことで、図4に示すように、多孔質の半導体層2の表面に存在する色素層12を流動化させ、該色素層12に含まれる色素15を多孔質の半導体層2内へ吸着させることができる。これにより、半導体層への色素の吸着量を増大させることができ、発電性能の向上を図ることができる。
多孔質の半導体層2の表面に存在する色素層12に含まれる色素15の全てが多孔質の半導体層内に吸着されていてもよく、図4に示すように一部は表面に吸着していてもよい。
(色素層の流動化)
多孔質の半導体層2の表面に存在している色素層12を流動化させる方法については特に限定はなく、色素層12を流動化させ、多孔質の半導体層2内に侵入させる各種の方法を適宜選択して採用することができる。色素層を流動化させる方法としては、(I)色素層12に含まれるバインダーを溶解させる方法、(II)色素層12に含まれるバインダーを溶融させる方法、(III)ゲル状の色素層12をゾル化させる方法等を挙げることができるが、これらの方法以外にも各種の方法を選択可能である。
多孔質の半導体層2の表面に存在している色素層12を流動化させる方法については特に限定はなく、色素層12を流動化させ、多孔質の半導体層2内に侵入させる各種の方法を適宜選択して採用することができる。色素層を流動化させる方法としては、(I)色素層12に含まれるバインダーを溶解させる方法、(II)色素層12に含まれるバインダーを溶融させる方法、(III)ゲル状の色素層12をゾル化させる方法等を挙げることができるが、これらの方法以外にも各種の方法を選択可能である。
具体的に、(I)色素層12に含まれるバインダーを溶解させる方法は、色素層12に含まれるバインダーが、例えば、上記で例示した有機溶剤に可溶なバインダーである場合に好ましく適用可能である。より具体的には、多孔質の半導体層2の表面に存在する色素層12に有機溶剤等を接触、例えば、有機溶剤を吹き付ける等により色素層12を流動化させ、多孔質の半導体層2内に色素を吸着させることができる。
なお、色素層12が、複数の色素が含まれるパターン状の色素層12である場合には、パターンが流れないように、有機溶剤の接触量等を調整するように留意する。有機溶剤についても特に限定はないが、例えば、メタノール、エタノール、アセトニトリル、トルエン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の有機溶剤を挙げることができる。
(II)色素層12に含まれるバインダーを溶融させる方法は、色素層12に含まれるバインダーが熱溶融性である場合に好ましく適用可能である。具体的には、バインダーが熱溶融性ワックスや、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱溶融性のバインダーである場合には、該バインダーが溶融する以上の温度で多孔質の半導体層2の表面に存在する色素層12を加熱することで、色素層12を流動化させ、多孔質の半導体層2内に色素を吸着させることができる。加熱温度については、バインダーの成分に応じて適宜設定することができる。また、加熱手段についても従来公知の方法を適宜選択して用いることができる。
(III)色素層12が、ゲル状の色素層12である場合には、該ゲル状の色素層12がゾル化する温度まで、加熱又は冷却させることで、色素層12を流動化させ、多孔質の半導体層2内に色素を吸着させることができる。
上記の各方法により多孔質の半導体層に色素を浸入させた後、未吸着の色素、バインダー、ゲル化剤などを洗浄により除去することが好ましい。未吸着の色素、バインダー、ゲル化剤などが残存すると性能低下が生じるおそれがあるが、洗浄をおこなうことにより、その性能低下を防止することができるからである。洗浄は、水や低級アルコールを用いて行うことが好ましい。
また、第3工程終了後に多孔質の半導体層2を乾燥させることとしてもよい。多孔質の半導体層2を乾燥させる方法としては、半導体層中に残存している有機溶剤などを蒸発させることができる方法であれば、特に制限はなく、単に放置して自然蒸発させてもよいが、乾燥効率の観点からドライヤー等で熱風を当てて蒸発を促進することが好ましい。
「色素増感型太陽電池の製造方法」
本発明における色素増感型太陽電池の製造方法は、電解質層を介して互いに対向する一対の電極の一方に色素増感型光電変換素子を用いた色素増感型太陽電池の製造方法であって、色素増感型光電変換素子が、支持体上に、多孔質の半導体層を形成する工程と、水溶性又は水膨潤性の基材シート上に色素を含む色素層を形成した水圧転写フィルムを、基材シート側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、支持体上に形成された多孔質の半導体層を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって多孔質の半導体層上に色素層を転写する工程と、多孔質の半導体層上に転写された色素層を流動化させて、色素層に含まれる色素を多孔質の半導体層内に吸着させる工程を含む製造方法によって製造されたことを特徴とする。
本発明における色素増感型太陽電池の製造方法は、電解質層を介して互いに対向する一対の電極の一方に色素増感型光電変換素子を用いた色素増感型太陽電池の製造方法であって、色素増感型光電変換素子が、支持体上に、多孔質の半導体層を形成する工程と、水溶性又は水膨潤性の基材シート上に色素を含む色素層を形成した水圧転写フィルムを、基材シート側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、支持体上に形成された多孔質の半導体層を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって多孔質の半導体層上に色素層を転写する工程と、多孔質の半導体層上に転写された色素層を流動化させて、色素層に含まれる色素を多孔質の半導体層内に吸着させる工程を含む製造方法によって製造されたことを特徴とする。
本発明の製造方法で用いられる色素増感型光電変換素子については、上記「色素増感型光電変換素子の製造方法」で説明した製造方法をそのまま用いることができ、ここでの説明は省略する。
色素増感型光電変換素子、電解質層、及び対向電極を設ける順番については、特に限定はない。例えば、色素増感型光電変換素子に電解質層と対向電極とを順次設ける方法、対向電極に電解質層と色素増感型光電変換素子とを順次設ける方法、あるいは色素増感型光電変換素子と対向電極とを張り合わせた後で色素増感型光電変換素子と対向電極との間に電解質層を設ける方法が挙げられる。
対向電極には、上記の支持体として挙げたものに、導電性触媒層を形成させたものを使用することができる。導電性触媒としては、白金又は炭素等を挙げることができる。導電性触媒層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法等の物理的蒸着法、化学的蒸着法、又は印刷法が挙げられる。
電解質層は、電子の輸送に寄与する酸化還元電解質を有する層であり、液体状、ゾル・ゲル状、又は固体状のいずれでもよい。好適な例として、溶媒としてニトリル系溶剤を用いて、酸化還元電解質としてヨウ素とヨウ化物との組合せを用いたものが挙げられる。電解質層を形成する方法としては、色素増感型光電変換素子又は対向電極上に電解質材料を公知の印刷法で層形成する方法、又は色素増感型光電変換素子と対向電極とを所定の間隙を有するように張り合わせた後に、その間隙に電解質層材料を注入する方法などを挙げることができる。電解質層の厚みは、2〜50μm程度とすることが好ましい。
「色素増感型太陽電池モジュールの製造方法」
本発明における色素増感型太陽電池モジュールの製造方法は、色素増感型太陽電池が複数個直列又は並列に接続されてなる色素増感型太陽電池モジュールの製造方法であって、色素増感型太陽電池が、支持体上に、多孔質の半導体層を形成する工程と、水溶性又は水膨潤性の基材シート上に色素を含む色素層を形成した水圧転写フィルムを、基材シート側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、支持体上に形成された多孔質の半導体層を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって多孔質の半導体層上に色素層を転写する工程と、多孔質の半導体層上に転写された色素層を流動化させて、色素層に含まれる色素を多孔質の半導体層内に吸着させる工程を含む製造方法によって製造された色素増感型光電変換素子を用いて製造されたことを特徴とする。
本発明における色素増感型太陽電池モジュールの製造方法は、色素増感型太陽電池が複数個直列又は並列に接続されてなる色素増感型太陽電池モジュールの製造方法であって、色素増感型太陽電池が、支持体上に、多孔質の半導体層を形成する工程と、水溶性又は水膨潤性の基材シート上に色素を含む色素層を形成した水圧転写フィルムを、基材シート側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、支持体上に形成された多孔質の半導体層を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって多孔質の半導体層上に色素層を転写する工程と、多孔質の半導体層上に転写された色素層を流動化させて、色素層に含まれる色素を多孔質の半導体層内に吸着させる工程を含む製造方法によって製造された色素増感型光電変換素子を用いて製造されたことを特徴とする。
つまり、本発明の色素増感型太陽電池モジュールの製造方法は、本発明に用いられる色素増感型太陽電池が、上記「色素増感型太陽電池の製造方法」で説明した製造方法によって製造されている点に特徴を有する。本発明に用いられる色素増感型太陽電池は、上記「色素増感型太陽電池の製造方法」で説明した製造方法をそのまま用いることができ、ここでの説明は省略する。
以下に、実施例を示して、本発明の実施態様の一例を説明する。
(実施例1)
透明なガラス板上に透明なFTOの導電層が形成された支持体(日本板硝子株式会社製)を準備した。酸化チタン粒子を含むペースト(日本アエロジル株式会社製、P25)を、支持体の導電層上にワイヤーバーによる印刷法によって塗布した後、約40℃のドライヤーで乾燥させ、550℃で焼成することで、厚さ10μmの多孔質の半導体層を形成した。
透明なガラス板上に透明なFTOの導電層が形成された支持体(日本板硝子株式会社製)を準備した。酸化チタン粒子を含むペースト(日本アエロジル株式会社製、P25)を、支持体の導電層上にワイヤーバーによる印刷法によって塗布した後、約40℃のドライヤーで乾燥させ、550℃で焼成することで、厚さ10μmの多孔質の半導体層を形成した。
アセトニトリルとエタノールの重量比1:1の混合溶剤100gにルテニウム錯体(Solaronix社製RuL2(NCS)2、L=4,4'−ジカルボキシ−2,2'−ピリジン、NCS=チオシアネート)0.5gとポリビニルブチラール樹脂(積水化学株式会社製、エスレック(登録商標)BL‐10)5gを添加した塗工液を、ポリビニルアルコール樹脂と澱粉を主成分とする厚さ40μmの水膨潤性の基材シート上にスクリーン印刷法によって一様に塗布した後、約40℃のドライヤーで乾燥させることで、厚さ4μmの色素層を形成し、水圧転写フィルムを作製した。この水圧転写フィルムを用いて水圧転写法をおこなうことで、支持体の半導体層上に色素層を転写させた。
色素層を転写後、アセトニトリルとエタノールの重量比1:1の混合溶剤を支持体の半導体層上の色素層に向かって吹き付けて、色素層を流動化させた。そのまま24時間放置した後、アセトニトリルに浸けて洗浄し、約40℃のドライヤーで乾燥させることで、色素増感型光電変換素子を製造した。
色素増感型光電変換素子で用いたものと同じ支持体(日本板硝子株式会社製)の導電層上に、白金の導電性触媒層を、厚さ300nmとなるようにスパッタリング法により形成することで、対向電極を作成した。また、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース樹脂(ダイセル化学株式会社製、ジェルナー(登録商標)QH200)2.9gをメタノール57gに溶解させた溶液に、ヨウ化リチウム0.86g、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレート(EMIm−TCB)3.6g、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイド(PMIm−I)5.0g、及びヨウ素(I2)0.5gを加えることで液状の電解質層材料を作成した。電解質層材料を、色素増感型光電変換素子の半導体層上にワイヤーバーによる印刷法によって塗布した後、約40℃のドライヤーで乾燥させて、厚み4μmの固体状の電解質層を形成した。半導体層および電解質層を0.4cm×0.4cmの大きさにトリミングした後、半導体層および電解質層の周囲にアイオノマー樹脂を塗布して、電解質層と対向電極の導電性触媒層とを向かい合わせて貼り合わせた。これにより、実施例1の色素増感型太陽電池を製造した。
擬似太陽光(AM1.5、入射光強度100mW/cm2)を光源として、色素増感型光電変換素子側から入射させ、ソースメジャーユニット(ケースレー社製、2400型)を用いて、電圧印加により電流電圧特性を測定して、実施例1の色素増感型太陽電池が発電することを確認した。
(実施例2)
曲面を有するコップ状に成形加工された透明な硬化アクリル樹脂の外面上に、ITOの導電層が形成された支持体を準備した。酸化チタン粒子を含むペースト(日本アエロジル株式会社製、P25)を、支持体の導電層上にインクジェット印刷法によって塗布した後、約40℃のドライヤーで乾燥させ、150℃で焼成することで、厚さ10μmの多孔質の半導体層を形成した。
曲面を有するコップ状に成形加工された透明な硬化アクリル樹脂の外面上に、ITOの導電層が形成された支持体を準備した。酸化チタン粒子を含むペースト(日本アエロジル株式会社製、P25)を、支持体の導電層上にインクジェット印刷法によって塗布した後、約40℃のドライヤーで乾燥させ、150℃で焼成することで、厚さ10μmの多孔質の半導体層を形成した。
アセトニトリルとエタノールの重量比1:1の混合溶剤100gに赤色のN719色素(Dyesol社製)0.5gとエチレン酢酸ビニルコポリマー(日本ユニカー株式会社製、DQDJ−3269、融点69℃)5gを添加した塗工液、および黄色のD131色素(三菱製紙株式会社製)0.5gとエチレン酢酸ビニルコポリマー(日本ユニカー株式会社製、DQDJ−3269、融点69℃)5gを添加した塗工液を、ポリビニルアルコール樹脂と澱粉を主成分とする厚さ40μmの水膨潤性の基材シート上のそれぞれ別々の領域にインクジェット印刷法によってパターン状に塗布した後、約40℃のドライヤーで乾燥させることで、厚さ4μmの2色のパターン状の色素層を形成し、水圧転写フィルムを作製した。この水圧転写フィルムを用いて水圧転写法をおこなうことで、上記の支持体の半導体層上に色素層を転写させ、水のシャワー洗浄により残留していた基材シートを除去した。
色素層が形成された支持体を80℃のオーブンに入れて色素層を流動化させ、そのまま24時間放置した後、アセトニトリルに浸けて洗浄し、約40℃のドライヤーで乾燥させることで、2色の色素増感型光電変換素子を製造した。
色素増感型光電変換素子で用いた支持体を外側から覆えるような形状に成形加工された透明な硬化アクリル樹脂の内面上に、ITOの導電層が形成された支持体を準備し、その支持体の導電層上に、白金の導電性触媒層を厚さ300nmとなるようにスパッタリング法により形成し、対向電極を作成した。また、メトキシアセトニトリルに、ヨウ化リチウム0.1mol/L、ヨウ素0.05mol/L、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド0.3mol/L、及びtert−ブチルピリジン0.5mol/Lを加えることで、液状の電解質層材料を調製した。半導体層および電解質層を0.4cm×0.4cmの大きさにトリミングした後、半導体層および電解質層の周囲に隙間を設けてアイオノマー樹脂を塗布し、色素増感型光電変換素子の半導体層と対向電極の導電性触媒層とを向かい合わせて貼り合わせた。貼り合わせられた色素増感型光電変換素子および対向電極を電解質層材料に浸けた後、隙間をアイオノマー樹脂でふさいだ。これによって、実施例2の色素増感型太陽電池を製造した。
擬似太陽光(AM1.5、入射光強度100mW/cm2)を光源として、対向電極側から入射させ、ソースメジャーユニット(ケースレー社製、2400型)を用いて、電圧印加により電流電圧特性を測定して、実施例2の色素増感型太陽電池が発電することを確認した。
(実施例3)
圧延してドーム状に湾曲させた厚さ50μmのチタン箔の支持体を準備した。酸化チタン粒子を含むペースト(日本アエロジル株式会社製、P25)を支持体の凸面上にインクジェット印刷法によって塗布した後、約40℃のドライヤーで乾燥させ、550℃で焼成することで、厚さ10μmの多孔質の半導体層を形成した。
圧延してドーム状に湾曲させた厚さ50μmのチタン箔の支持体を準備した。酸化チタン粒子を含むペースト(日本アエロジル株式会社製、P25)を支持体の凸面上にインクジェット印刷法によって塗布した後、約40℃のドライヤーで乾燥させ、550℃で焼成することで、厚さ10μmの多孔質の半導体層を形成した。
N−メチルピロリドン20gに、界面活性剤(大日精化工業株式会社製、ダイノール(登録商標)604)0.1g、ルテニウム錯体(Solaronix社製RuL2(NCS)2、 L=4,4'−ジカルボキシ−2,2'−ピリジン、NCS=チオシアネート)0.1gを添加した後、その溶液にカルナバワックス40gを添加して85℃で加温してカルナバワックスを溶解させた塗工液を、ポリビニルアルコール樹脂と澱粉を主成分とする厚さ40μmの水膨潤性の基材シート上に、85℃加温下のインクジェット印刷法によって塗布領域と非塗布領域が混在するパターン状に塗布した後、5℃で冷却することで、厚さ4μmの色素層を形成し、水圧転写フィルムを作製した。この水圧転写フィルムを用いて水圧転写法をおこなうことで、支持体の半導体層上に色素層を転写させた。
色素層が形成された支持体を85℃のオーブンに入れて色素層を流動化させ、そのまま24時間放置した後、アセトニトリルに浸けて洗浄し、約40℃のドライヤーで乾燥させることで、色素増感型光電変換素子を製造した。
色素増感型光電変換素子で用いた支持体を外側から覆えるような形状に成形加工された透明な硬化アクリル樹脂の内面上に、ITOの導電層が形成された支持体を準備し、その支持体の導電層上に、白金の導電性触媒層を厚さ300nmとなるようにスパッタリング法により形成し、対向電極を作成した。また、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース樹脂(ダイセル化学株式会社製、ジェルナー(登録商標)QH200)2.9gをメタノール57gに溶解させた溶液に、ヨウ化リチウム0.86g、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレート(EMIm−TCB)3.6g、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイド(PMIm−I)5.0g、及びヨウ素(I2)0.5gを加えることで液状の電解質層材料を作成した。電解質層材料を、色素増感型光電変換素子の半導体層上にインクジェット印刷法によって塗布した後、約40℃のドライヤーで乾燥させて、厚み4μmの固体状の電解質層を形成した。半導体層および電解質層を0.4cm×0.4cmの大きさにトリミングした後、半導体層および電解質層の周囲にアイオノマー樹脂を塗布して、電解質層と対向電極の導電性触媒層とを向かい合わせて貼り合わせた。これにより、実施例3の色素増感型太陽電池を製造した。
擬似太陽光(AM1.5、入射光強度100mW/cm2)を光源として、対向電極側から入射させ、ソースメジャーユニット(ケースレー社製、2400型)を用いて、電圧印加により電流電圧特性を測定して、実施例3の色素増感型太陽電池が発電することを確認した。
(比較例)
支持体の半導体層上に色素層を転写させた後に、色素層に向かってアセトニトリルとエタノールの重量比1:1の混合溶剤を吹き付けることなく、乾いた布で強く擦り、色素層を半導体層上から擦り落としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例の色素増感型光電変換素子および色素増感型太陽電池を製造した。各実施例と同様の方法で、比較例の色素増感型太陽電池の発電について評価を行ったところ、比較例の色素増感型太陽電池は発電しないことが確認された。
支持体の半導体層上に色素層を転写させた後に、色素層に向かってアセトニトリルとエタノールの重量比1:1の混合溶剤を吹き付けることなく、乾いた布で強く擦り、色素層を半導体層上から擦り落としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例の色素増感型光電変換素子および色素増感型太陽電池を製造した。各実施例と同様の方法で、比較例の色素増感型太陽電池の発電について評価を行ったところ、比較例の色素増感型太陽電池は発電しないことが確認された。
1:支持体
2:多孔質の半導体層
11:基材シート
12:色素層
15:色素
20:水圧転写フィルム
201:導電性支持体
203:色素増感型光電変換素子
204:電解質層
205:対向電極
2:多孔質の半導体層
11:基材シート
12:色素層
15:色素
20:水圧転写フィルム
201:導電性支持体
203:色素増感型光電変換素子
204:電解質層
205:対向電極
Claims (5)
- 支持体上に、色素が吸着された多孔質の半導体層が設けられてなる色素増感型光電変換素子の製造方法であって、
支持体上に、多孔質の半導体層を形成する工程と、
水溶性又は水膨潤性の基材シート上に色素を含む色素層を形成した水圧転写フィルムを、基材シート側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、前記支持体上に形成された多孔質の半導体層を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって前記多孔質の半導体層上に色素層を転写する工程と、
前記多孔質の半導体層上に転写された色素層を流動化させて、色素層に含まれる色素を多孔質の半導体層内に吸着させる工程と、
を含むことを特徴とする色素増感型光電変換素子の製造方法。 - 水圧転写フィルムに用いられる前記色素層が、複数色の色素を含む色素層であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型光電変換素子の製造方法。
- 前記支持体上に形成される前記多孔質の半導体層が、曲面を有する形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の色素増感型光電変換素子の製造方法。
- 電解質層を介して互いに対向する一対の電極の一方に色素増感型光電変換素子を用いた色素増感型太陽電池の製造方法であって、
前記色素増感型光電変換素子が、
支持体上に、多孔質の半導体層を形成する工程と、
水溶性又は水膨潤性の基材シート上に色素を含む色素層を形成した水圧転写フィルムを、基材シート側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、前記支持体上に形成された多孔質の半導体層を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって前記多孔質の半導体層上に色素層を転写する工程と、
前記多孔質の半導体層上に転写された色素層を流動化させて、色素層に含まれる色素を多孔質の半導体層内に吸着させる工程と、
を含む製造方法によって製造されたことを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。 - 色素増感型太陽電池が複数個直列又は並列に接続されてなる色素増感型太陽電池モジュールの製造方法であって、
前記色素増感型太陽電池が、
支持体上に、多孔質の半導体層を形成する工程と、
水溶性又は水膨潤性の基材シート上に色素を含む色素層を形成した水圧転写フィルムを、基材シート側が下側を向くように水面に浮遊させた後に、前記支持体上に形成された多孔質の半導体層を水面の上方から水中に向かって押し入れる水圧転写によって前記多孔質の半導体層上に色素層を転写する工程と、
前記多孔質の半導体層上に転写された色素層を流動化させて、色素層に含まれる色素を多孔質の半導体層内に吸着させる工程
と、を含む製造方法によって製造された色素増感型光電変換素子を用いたことを特徴とする色素増感型太陽電池モジュールの製造方法。
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