JP2012244450A - 表示装置、表示方法、並びにプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】正しい視位置で立体像を提供できるようにする。
【解決手段】立体像を表示する立体像表示部と、立体像表示部の外周よりも外側に、立体像の視位置を確認するための視位置確認情報を表示する情報表示部とを設ける。このうち、立体像表示部は、所定の視位置から見たときの左目から見た像を表示する左目用画素と、右目から見た像を表示する右目用画素とが交互に配列してなる表示部と、左目用画素および右目用画素からの光をそれぞれ左目および右目に照射するための照射方向制限部とから構成され、情報表示部は、立体像表示部と同じ照射方向制限部を備える構成とされる。本技術は、立体像を表示するテレビジョン受像機などに適用できる。
【選択図】図1

Description

本技術は、表示装置、表示方法、並びにプログラムに関する。詳しくは、裸眼方式により、立体像画像を表示する際、ユーザに適切な視位置を確認させることができる表示装置、表示方法、並びにプログラムに関する。
近年、映像を立体像的に視認できる3次元立体像映像コンテンツが注目されている。3次元立体像映像の鑑賞方式としては、視差を設けた左眼用映像と右眼用映像を鑑賞者に鑑賞させる両眼視差方式が普及しつつある。この両眼視差方式には、メガネを用いるメガネ方式とメガネを用いない裸眼方式の大きく2種類の方式が挙げられる。
裸眼方式には、レンチキュラースクリーン方式、パララックスバリア方式などがある。レンチキュラースクリーン方式は、かまぼこ型の細かなレンズ(レンチキュラーレンズ)を配列させることによって左眼用映像と右眼用映像の光路を分離する方式である。パララックスバリア方式は、縦のスリット(パララックスバリア)により左眼用映像と右眼用映像の光路を分離する方式である。
裸眼方式は、メガネの装着が不要であることから鑑賞者に対する負担が少ない点がメリットとなるが、観察位置や視域が制限されるという側面がある。すなわち、裸眼方式の立体像表示装置の立体像の視聴においては、正しく立体像を視認できる視位置は限られるため、正しく立体像を視認するためには、表示装置と視聴者の位置により適切な映像の表示切替えが可能な手段を立体像表示装置に備える、もしくは適切な視位置を確認する手段が必要となる。
適切な映像の表示切替えが可能な手段を備えた立体像表示装置の場合、立体像表示装置と視聴者との位置関係を測定するための手段と、その測定結果に応じた映像表示の切り替え手段が必要となり表示装置のコストが高くなってしまう。また、視聴者が複数の場合はそれぞれに適した映像を表示するための手段を備える必要がある。
一方、適切な視位置を確認する手段を備えた立体像表示装置の場合、固定された立体像表示装置から最適な視位置を予め計測し、視位置を指示する必要がある。例えば、立体像表示装置が設置される場所の床面に、視位置を示す目印を付けることが考えられるが、設置した後に、計測し、正しい視位置をマーキングするといった処理が必要となり、一般家庭においては受け入れがたい方法となる。また、特許文献1では、表示装置の表示部に視位置を認識可能な情報を表示することにより、正しく立体像を視認可能な位置に視聴者を導く方法が提案されている。
特開2005−223495号公報
特許文献1に記載の方法では、表示部に表示される画像の一部分に、位置確認用の情報が表示される。よってユーザには、一部分が欠けた立体像が提供され、完全な形での立体像を提供することができない。また、裸眼で視聴したときに立体像を提供する表示装置においては、立体像をユーザに提供するための加工が表示部に施されているため、位置確認用の情報を表示する部分にだけ、そのような加工を施さないようにするか、他の部分と同じく加工を施した状態にしておく必要がある。
位置確認用の情報を表示する部分だけ加工を施さないためにコストアップし、加工を施さない部分には、仮に位置確認用の情報を表示しないときでも立体像を提供することができない。また、加工を他の部分と同じく施すことにより、立体像として提供されていない位置確認用の情報が、立体像を提供するための加工が施されている部分に表示されることにより、ユーザに適切にかたちで表示されずに、適切な情報として提供されない可能性がある。
また、一部分にのみ、位置確認用の情報を表示することで、その表示されている部分の近傍では正しく立体像が視聴できても、離れた位置では正しく視聴できない可能性もある。例えば、近年、表示装置の大画面化が進んでいるが、このような大画面において、右下の一部分に、位置確認用の情報が表示されている場合、左側から、この表示されている情報に基づいて位置合わせを行っても、正しい位置にユーザが導かれない可能性が高く、ユーザとしても正しい位置であるのか否かを判断しづらい状態になってしまう可能性がある。
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、正しい視位置をユーザに正しく提供することで、適切な立体像を提供することができるようにするものである。
本技術の一側面の表示装置は、立体像を表示する立体像表示部と、前記立体像表示部の外周よりも外側に、前記立体像の視位置を確認するための視位置確認情報を表示する情報表示部とを備える。
前記立体像表示部は、所定の視位置から見たときの左目から見た像を表示する左目用画素と、右目から見た像を表示する右目用画素とが交互に配列してなる表示部と、前記左目用画素と前記右目用画素からの光を、それぞれ左目および右目に照射するための照射方向制限部とを備え、前記情報表示部は、前記立体像表示部と同じ前記照射方向制限部を備えるようにすることができる。
前記立体像表示部と前記情報表示部は、独立した構成とされるようにすることができる。
前記情報表示部には、数字が表示され、左目で見える数字と右目で見える数字との組み合わせにより、正しい視位置が示されるようにすることができる。
前記情報表示部には、画が表示され、左目で見える画と右目で見える画の組み合わせにより、正しい視位置が示されるようにすることができる。
本技術の一側面の表示方法は、立体像の表示を制御し、前記立体像を表示する立体像表示部の外周よりも外側に、前記立体像の視位置を確認するための視位置確認情報を表示するステップを含む。
本技術の一側面のプログラムは、立体像の表示を制御し、前記立体像を表示する立体像表示部の外周よりも外側に、前記立体像の視位置を確認するための視位置確認情報を表示するステップを含む処理を実行するためのコンピュータ読み取り可能なプログラムである。
本技術の一側面の表示装置、表示方法、並びにプログラムにおいては、立体像が表示され、その立体像を表示する立体像表示部の外周よりも外側に、立体像の視位置を確認するための視位置確認情報が表示される。
本技術の一側面によれば、立体像を提供するときに、正しい視位置をユーザに正しく提供することができるようになる。よって、ユーザが、適切な位置で、適切な立体像の提供を受けることが可能となる。
本技術を適用した表示装置の一実施の形態の構成を示す図である。 表示部について説明するための図である。 表示部とパララックスバリアの関係について説明するための図である。 視差像について説明するための図である。 正しい視位置について説明するための図である。 視位置情報の表示について説明するための図である。 視位置情報の表示について説明するための図である。 視位置情報の見え方について説明するための図である。 視位置情報の見え方について説明するための図である。 視位置情報の見え方について説明するための図である。 視位置情報の見え方について説明するための図である。 視位置情報の見え方について説明するための図である。 視位置情報の見え方について説明するための図である。 視位置情報の見え方について説明するための図である。 記録媒体について説明するための図である。
以下に、本技術の実施の形態について図面を参照して説明する。
[表示装置の構成について]
図1は、本技術を適用した表示装置の一実施の形態の構成を示す図である。以下に説明する表示装置は、立体像を表示する装置である。立体像は、動画像、静止画像のどちらであっても良い。また、本実施の形態においては、裸眼で視聴したときに、立体像を提供する表示装置を例に挙げて説明する。また、裸眼で立体像を提供する方法として、以下の説明ではパララックスバリアの例を挙げて説明を行う。また、裸眼で立体像を視聴するときには、その視位置が適切でないと、適切な立体像を視聴しづらいため、本実施の形態においては、適切な視位置の情報をユーザに確実に提供することができる方式について説明する。
なお、パララックスバリア以外の方式、例えば、レンチキュラースクリーンを用いた方式などにも、以下に説明する本実施の形態を適用することができる。また、裸眼ではなく、メガネなどを用いることで立体像を提供する表示装置もあり、そのような装置においても、適切に視聴できる範囲などをユーザに認識させる場合などに、本技術を適用できる。
図1に示した表示装置10は、制御部11、映像処理ブロック12、複数視点映像生成ブロック13、照射方向制限制御ブロック14、視位置確認用情報表示制御部15、複数視点映像表示制御部16、および照射方向制限部17から構成される。
制御部11、映像処理ブロック12、複数視点映像生成ブロック13、照射方向制限制御ブロック14、複数視点映像表示制御部16、および照射方向制限部17は、立体像をユーザに提供するための処理を行う機能である。視位置確認用情報表示制御部15は、表示される立体像を、適切に視聴できる視位置を、ユーザに認識させるための処理を行う機能である。
制御部11は、表示装置10内の各部を制御する。映像処理ブロック12は、図示していない入力部により入力された映像(静止画像、動画像)のデータを処理し、立体像を提供するときには、その映像データを、複数視点映像生成ブロック13に供給する。複数視点映像生成ブロック13は、異なる視点で立体像が見えるように、それぞれの視点に対応する映像を生成し、その映像データを複数視点映像表示制御部16に出力する。
複数視点映像表示制御部16は、複数視点映像生成ブロック13からの映像データに基づく複数視点映像の表示を制御する。また、複数視点映像表示制御部16から出力される光学情報が、照射方向制御部17により、左目、右目それぞれに制限された光学情報も照射される。照射方向制限制御ブロック14は、照射方向制限部17の照射方向を制限する。例えば、立体像表示と非立体像表示を切り替える、などの場合に、照射方向が制限されるが、特に照射方向を制御する必要がない場合、照射方向制限制御ブロック14を省略した構成することも可能である。
視位置確認用情報表示制御部15は、ユーザが正しい位置で立体像を視聴できるように、視位置情報を表示する際の制御を行う。視位置情報とは、詳細は後述するが、ユーザが正しい位置で立体像を見るために、ユーザに提供する情報である。ユーザは、この視位置情報を見ることで、正しい位置であるか否かを容易に判断することができる。視位置確認用情報表示制御部15は、複数視点映像表示制御部16とは、独立して設けられる。すなわち、図2を参照して後述するように、立体像を表示する部分と、視位置情報を表示する部分は、別々に設けられている。
また、視位置確認用情報表示制御部15に表示される視位置情報は、制御部11により変更することも可能とされている。視位置情報を変更する必要がない場合など、視位置確認用情報表示制御部15を単独で表示装置10に備えることも可能である。換言すれば、表示装置10とは別体として、視位置確認用情報表示制御部15が設けられるように構成することも可能である。なお、複数視点映像表示制御部16に表示される映像に依存し、例えば、表示される映像の視点を切り替える場合などに、視位置確認用情報表示制御部15に表示される視位置情報も切り換えられる。
[視位置情報の表示する部分について]
図2は、表示装置10の立体像や視位置情報を表示する表示制御部を示した図である。表示装置10の表示部31は、立体像を表示する立体像表示部32と、視位置情報を表示する視位置情報表示部33とから構成されている。立体像表示部32は、複数視点映像表示制御部16による制御の基、立体像(複数視点映像)を表示する。この立体像表示部32とは別に視位置情報表示部33が設けられている。この視位置情報表示部33は、視位置確認用情報表示制御部15による制御の基、視位置情報を表示する。
図2に示したように、視位置情報表示部33は、立体像表示部32の外周より外側で、立体像表示部32の周りに配置される。換言すれば、立体像表示部32と視位置情報表示部33は、重なり合う部分などなく互いに配置される。よって、立体像表示部32に表示される立体像の一部が、視位置情報が表示されることで欠落するようなことがないように構成されている。視位置情報表示部33は、図2に示したように立体像表示部32の4辺の外側に、それぞれ配置されることが好まし形態である。
視位置情報の表示について説明する前に、立体像の表示について説明する。図3は、表示部31のさらに詳細な構成を示す図である。表示部31は、図2に示したように、立体像表示部32と視位置情報表示部33から構成されている。そして、立体像表示部32と同形状のパララックスバリア(視差バリア)42が、立体像表示部32の表示面に装着されている。同様に、視位置情報表示部33と同形状のパララックスバリア(視差バリア)43が、視位置情報表示部33の表示面に装着されている。
パララックスバリア42,43は、垂直方向のスリットを有する。ユーザは、立体像表示部32に表示された画像を、パララックスバリア42を介して視聴する。同様に、ユーザは、視位置情報表示部33に表示された視位置情報を、パララックスバリア43を介して視聴する。パララックスバリア42とパララックスバリア43は、同じ構造なので、1枚のパララックスバリアとして構成し、立体像表示部32と視位置情報表示部33を覆う構成としても良い。
立体像表示部32は、所定の視位置から見たときの左目から見た像を表示する左目用画素と、右目から見た像を表示する右目用画素とが交互に配列されている。よって、図5を参照して説明するように、列毎に、左目用画像と右目用画像とが交互に配列されて表示される。また、パララックスバリア42は、左目用画素および右目用画素からの光をそれぞれ左目および右目に照射するための照射方向を制限する機能を有する。そして、視位置情報表示部33は、立体像表示部32に装着されているパララックスバリア42と同じ構造を有するパララックスバリア43が装着されている。
[パララックスバリア方式について]
ここで、パララックスバリア方式について説明を加える。図4は、4視点について説明するための図である。4視点とは、図4において、視点P1、視点P2、視点P3、視点P4のことである。4視点のそれぞれの視点において、被視物体111の見え方は異なる。複数視点映像表示制御部16(図1)は、このような複数の視点(この場合、4視点)のそれぞれの映像の表示を制御する。また、立体像表示部32には、それぞれの視点における映像が表示される。
図4に示した4視点のうち、視点P1を左目の視点とした場合、視点3が右目の視点となる。よって、通常、人は左目と右目で同一の物体(この場合、被視物体111)を見るので、映像としては、視点P1から見たときの映像と、視点P3から見たときの映像が、ユーザに提供されることが好ましい。同じく、図4に示した4視点のうち、視点P2を左目の視点とした場合、視点4が右目の視点となる。よってこの場合、映像としては、視点P2から見たときの映像と、視点P4から見たときの映像が、ユーザに提供されることが好ましい。
このように、複数の視点の映像がユーザに提供される場合、同時にユーザが視聴する映像の組み合わせは重要である。ユーザは、異なる組み合わせの映像を視聴すると、立体像が正しく認識できない。このことについてさらに図5A乃至Cを参照して説明を加える。
図5Aは、ユーザが正しい視位置で映像を視聴したときの状況について説明するための図である。立体像表示部32には、視点の数に応じた視差像が、上下方向に長く切って交互に並べられる。図5およびこれ以降の図においては、立体像表示部32などを上から見た場合を例示する。パララックスバリア42は、立体像表示部32の手前側(ユーザ側)に設置されている。
図5Aにおいては、4視点の例を示しているため、それぞれの視点に対する視差像が、立体像表示部32に表示される。図5Aにおいて、立体像表示部32の1、2、3、4という数字は、それぞれ、視点P1用の視差像、視点P2の視差像、視点P3用の視差像、視点P4の視差像を示す。以下、適宜、視点P1用の視差像を視差像1と記述し、視点P2用の視差像を視差像2と記述し、視点P3用の視差像を視差像3と記述し、視点P4用の視差像を視差像4と記述する。
図5Aに示すように、立体像表示部32に表示されている視差像を、適切な距離だけ離れ、適切な左右方向における位置から見ると、左右の目に別々の画像が分離されてユーザに提示されるため、両眼視差が発生し、ユーザは立体像を見ていると感じられる。図5Aに示した状態は、ユーザが適切な距離、左右方向の位置で視聴しているため、左目で視差像1を見て、右目で視差像3を見ている状態である。この視差像の組み合わせは、図4を参照して説明したように正しい組み合わせである。
図5Bは、図5Aにおける状態から、ユーザの視点が、左方向に移動した状態を示している。図5Bにおいて、立体像表示部32に表示されている視差像と、パララックスバリア42の状態は、図5Aに示した状態と同じである。図5Bに示したユーザの状態は、視点P1の位置に、右目が位置しており、その視点P1より図中左側の視点P3’に左目が位置している状態である。図5Bにおいて、点線で示した眼球を模写した絵は、図5Aにおける右目の位置である視点P3を示している。
図5Bに示した状態では、左目で視差像3を見て、右目で視差像1を見ている状態である。この視差像の組み合わせは、図4を参照して説明した正しい組み合わせには該当しない。視差像3は、右目に提供される絵であり、視差像1は、左目に提供される絵である。よって、このような、正しくない組み合わせの視差像がユーザに提供されると、ユーザは、立体像を見ることができない。このような、左目に右目用の視差像が提供され、右目に左目用の視差像が提供されると、立体像の奥行き方向で、位置が逆転してしまっている立体像がユーザに認識される。このような状態は、逆視と称される。
図5Cは、図5Aにおける状態から、ユーザの視点が、後ろ方向に移動した状態を示している。図5Cにおいて、立体像表示部32に表示されている視差像と、パララックスバリア42の状態は、図5Aに示した状態と同じである。図5Cに示したユーザの状態は、視点P1より、立体像表示部32から離れる方向で後方の視点P1’の位置に、左目が位置しており、視点P3より後方の視点P3’の位置に、右目が位置している状態である。図5Cにおいて、点線で示した眼球を模写した絵は、図5Aにおける左目の位置である視点P1と右目の位置である視点P3をそれぞれ示している。
図5Cに示した状態では、左目で視差像1を見ている部分もあれば同時に、他の部分では、視差像1と視差像4を見ている部分もあるといった状態である。また、右目で視差像3を見ている部分もあれば同時に、他の部分では、視差像3と視差像4を見ている部分もあるといった状態である。この場合、ユーザは、視差像1、視差像3、視差像4を同時に見ていることになる。この視差像の組み合わせは、図4を参照して説明した正しい組み合わせには該当しない。このような、片眼に複数の視差像が提供される状態(両眼に対して3以上の視差像が提供される状態)は、複数視点の映像が混ざることになり、ユーザは、正しく立体像を認識することが困難な状態となる。
図5A乃至Cを参照して説明したように、立体像を表示する立体像表示部32からの距離と、左右方向の位置が正しくないと、ユーザは、正しい立体像を見ることができない。また図示はしないが、立体像表示部32が左右に大きい場合、中央部分と周辺部では、左目と右目に小差される視点が異なるため、全体として正しく立体像を認識することは困難となる。このようなことから、ユーザが常に正しい距離と左右方向の位置を認識し、その位置で閲覧することが容易にできることが好ましい。そこで、本実施の形態においては、視位置情報をユーザに提供する。そしてユーザは、提供された視位置情報を用いて、簡単に距離や位置を調整することで、常に正しい位置で立体像を視聴できる。
[視位置情報の表示について]
まず、立体像表示部32に表示される立体像の視差像と、視位置情報表示部33に表示される視位置情報との関係について図6を参照して説明する。図6は、図2に示した立体像表示部32と視位置情報表示部33の一部分、具体的には、下側、中央部分を拡大した図である。1つの四角形は1画素を表すとする。また、図6においては、6視点の場合を例示している。
行61−1は、視差像1を構成する画像を表示する行であり、この行61−1に隣接する行62−1は、視差像2を構成する画像を表示する行であり、この行62−1に隣接する行63−1は、視差像3を構成する画像を表示する行である。同様に、行63−1に隣接する行64−1は、視差像4を構成する画像を表示する行であり、この行64−1に隣接する行65−1は、視差像5を構成する画像を表示する行であり、この行65−1に隣接する行66−1は、視差像6を構成する画像を表示する行である。
さらに、行66−1の右隣には視差像1を構成する画像を表示する行61−2が設けられ、この行61−2の右隣には視差像2を構成する画像を表示する行62−2が設けられといったように、視差像が縦方向に並べられる。このように1つの視差像は、複数の行から構成される。例えば、視差像1は、6行毎に配置されている行61から構成され、視差像2は、行62から構成される。
このように、立体像表示部32には、スライスされた視差像が連続的に配列されている。視差像1を左目用としたとき、視差像2は右目用となり、視差像3は左目用となる。同じく、視差像4は右目用となり、視差像5は左目用となり、視差像6は右目用となる。このように立体像表示部32は、所定の視位置から見たときの左目から見た像を表示する左目用画素と、右目から見た像を表示する右目用画素とが交互に配列されている。
視位置情報表示部33は、立体像表示部32のそれぞれの行の延長上に設けられる。すなわち、行61−1の延長上に、視位置情報表示部33の表示領域71−1が設けられ、行62−1の延長上に、視位置情報表示部33の表示領域72−1が設けられ、行63−1の延長上に、視位置情報表示部33の表示領域73−1が設けられる。同様に、行64−1の延長上に、視位置情報表示部33の表示領域74−1が設けられ、行65−1の延長上に、視位置情報表示部33の表示領域75−1が設けられ、行66−1の延長上に、視位置情報表示部33の表示領域76−1が設けられる。
このように表示領域71乃至76が設けられる。図3を参照して説明したように、立体像表示部32と視位置情報表示部33には、パララックスバリア42とパララックスバリア43がそれぞれ備え付けられている。よって例えば、視差像1を表示する行61−1がユーザにより視認されているときには、ユーザは、視位置情報表示部33の表示領域71−1に表示されている視位置情報を視認できる。換言すれば、例えば、視差像1を表示する行61−1をユーザが視認できないときには、視位置情報表示部33の表示領域71−1に表示されている視位置情報も視認できない。
例えば、視位置情報表示部33には、図6に示したように、1から6の数字が表示されるとする。図4、図5を参照して説明したように、左目と右目のそれぞれに提供される視差像の正しい組み合わせがあるが、その正しい組み合わせ例として、ここで、視差像1と視差像3を挙げる。図5Aの場合と同じく(ただし、図5Aは4視点であり、図6は6視点との違いはある)、左目用の視差像が、視差像1であり、右目用の視差像が、視差像3であるとする。
視差像1は、図6において行61で表示され、視差像3は、行63で表示される。よって、ユーザが視位置情報表示部33に表示されている数字として、“1”が視認できた場合、行61に表示されている視差像1を視認できる位置にいることになる。さらに、ユーザが視位置情報表示部33に表示されている数字として、“3”も視認できた場合、行63に表示されている視差像3を視認できる位置にいることになる。
このような“1”と“3”が視認できている状態のときには、ユーザは、視差像1と視差像3を視認していることになる。さらに、このような状態のときに、視差像1が図5Aの場合と同じく、左目の用の視差像であった場合、例えば、左目だけを開けている状態(右目をつぶった状態)で見たときに、“1”が見えていれば、正しく視差像1と視差像3が、それぞれ左目と右目で視認していることになる。よって、ユーザは、視位置情報表示部33に表示されている情報の見え方、この場合、どの数字が見えているかにより、正しい視位置であるか否かの確認ができる。
このように、視位置情報表示部33の表示領域71乃至76には、それぞれの対応する行に表示される視差像に関する情報が表示される。例えば、図6に示した例では、視差像1を表示する行61に対応する表示領域71には、“1”といった情報が表示される。以下の説明においても、このように、行と表示領域は、1対1として説明を続けるが、実際に構成されときには、複数の表示領域で1つの情報が表示される。
立体像表示部32に表示される、例えば、視差像1は、複数の行61に表示される複数の画像から表現される。換言すれば、複数の行61に表示されている各画像が組み合わされることにより、ユーザは、1枚の視差像1を視認するように構成されている。これと同じように、視位置情報表示部33の表示領域も、複数組み合わされたときに1つの情報が提示されるように構成されており、1つ表示領域で1つの情報が提供されるわけではない。換言すれば、例えば、ユーザが“1”と視認できる表示は、複数の表示領域71の表示で実現され、例えば、図7を参照して後述するように、同一の数字が、複数個所に表示される。
よって図6では、視位置情報表示部33の表示領域は、1行に1つとして図示したが、縦方向に複数の領域で、1行に対する表示領域が構成される。
[第1の実施の形態について]
以下に説明するように、視位置情報表示部33に表示される視位置情報として複数の例を挙げて説明をする。まず第1の実施の形態として、視位置情報表示部33に数字が表示される例について説明を続ける。
図7乃至図10は、図6と同じく6視点のときであり、視位置情報表示部33に視位置情報として数が表示されるときである。そして、図7は正しい視位置の場合を示し、図8は、図5Bと同じく、正しい視位置から左側にずれた場合を示し、図9は、図5Cと同じく、正しい視位置から後方にずれた場合を示し、図10は、正しい視位置から右側にずれた場合を示す。
また、図7乃至図10において、視位置情報表示部33に表示されている数字を図示してある。例えば、図7Aにおいて、視位置情報表示部33に、図中左側から4、5、6、1、2、3、4、5、6、1、2、3という数字列が、表示されているとして説明する。
ここで、図7乃至図10における正しい視位置でユーザに提供される視差像の組み合わせについて記載する。
左目 1 2 3 4
右目 3 4 5 6
また逆視位置の視差像の組み合わせも記載する。
左目 5 6
右目 1 2
図7Aを参照するに、正しい視位置のときであり、左目が視点P3の位置にあると、視差像3が左目から見え、右目が視点P5の位置にあると、視差像5が右目から見える。このような状態のときには、視位置情報表示部33に表示されている情報(この場合、数字)として、左目で“3”という数字が見える状態であり、右目で“5”という数字が見える状態である。
すなわち、図7Bに示すように、左目からは、立体像表示部22の周りに数字の“3”が複数表示されている状態が見え、図7Cに示すように、右目からは、立体像表示部32の周りに数字の“5”が複数表示されている状態が見える。ユーザは、3と5という組み合わせから正しい視位置であることを確認することができる。
図7Bや図7Cに示したように、立体像表示部32の周りに配置された視位置情報表示部33には、同一の数字、例えば、“3”が、所定の間隔をあけて複数表示される。例えば、大画面において、左側に座って視聴するようなときには、左側に表示される数字を見て視位置の確認を行い、中央に座って視聴するときには、中央に表示される数字を見て視位置の確認を行うといったことができる。このようなことが可能となるように、どのような位置に座っても、視位置の確認ができるように、立体像表示部32の周りに、視位置情報は表示される。
次に、図8を参照し、正しくない視位置で視聴されたときの、視位置情報表示部33に表示されている視位置情報の見え方について説明する。図8Aに示した状態は、図5Bに示した状態と同じく、正しい視位置から、ユーザの視点が、左方向に移動した状態を示している。図8Aに示したユーザの状態は、視点P1の位置に、右目が位置しており、その視点P1より図中左側の視点P5’に左目が位置している状態である。図8Aにおいて、視点P3と視点P5の位置に点線で示した眼球を模写した絵は、正しい視位置を示している。
図8Aに示した状態では、左目が視点P5’の位置に位置しているため、左目では視差像5を見ている状態である。このとき右目は、視点P1の位置に位置しているため、右目では視差像1を見ている状態である。このような状態のときには、図8Bに示すように、左目で見ている視位置情報表示部33の視位置情報は、数字の“5”となる。また同様に、図8Cに示すように、右目で見ている視位置情報表示部33の視位置情報は、数字の“1”となる。この左目が“5”、右目が“1”という組み合わせは、正しい組み合わせではなく、逆視位置の組み合わせである。すなわち、このような視位置では、立体像の奥行き方向で、位置が逆転してしまっている立体像がユーザに認識されてしまう。
立体像の奥行き方向で、位置が逆転してしまっている立体像、すなわち逆視の状態であるか否かをユーザが立体像表示部32に表示されている立体像を見て認識できなくとも、視位置情報表示部33で視認できている数字の組み合わせにより、逆視の状態であることを認識することができる。このように、誤った視位置であることをユーザが認識できることで、正しい視位置に導くことが可能となる。
さらに、図9を参照し、正しくない視位置で視聴されたときの、視位置情報表示部33に表示されている視位置情報の見え方について説明する。図9Aに示した状態は、図5Cに示した状態と同じく、正しい視位置から、ユーザの視点が、後ろ方向に移動した状態を示している。図9Aに示したユーザの状態は、視点P3より、立体像表示部32から離れる方向で後方の視点P3’の位置に、左目が位置しており、視点P5より後方の視点P5’の位置に、右目が位置している状態である。図9Aにおいて、視点P3と視点P5の位置に点線で示した眼球を模写した絵は、正しい視位置を示している。
図9Aに示した状態では、左目が視点P3’の位置に位置しているため、ユーザは、左目で視差像1、視差像2、視差像3など複数の視差像を見ている状態である。また、ユーザは、右目で視差像4、視差像5、視差像6などの複数の視差像を見ている状態でもある。この場合、ユーザは、両目で、場合によっては、視差像1乃至6の全ての視差像(その一部分を組み合わせた像)を同時に見ていることになる。このような2以上の視差像の組み合わせは、正しい組み合わせには該当しない。このような、片眼に複数の視差像が提供される状態は、複数視点の映像が混ざることになり、ユーザは、正しく立体像を認識することが困難な状態となる。
このような状態のときには、図9Bに示すように、左目で見ている視位置情報表示部33の視位置情報は、数字の“1”、“2”、“3”、“4”といったように複数の数字がユーザに提供される。また同様に、図9Cに示すように、右目で見ている視位置情報表示部33の視位置情報も、数字の“4”、“5”、“6”といったように複数の数字がユーザに提供される。このように、片眼で複数の数字が読み取れるような場合、換言すれば、両眼で2個より多い個数の数字が読み取れるような場合、ユーザは、視位置が正しくないと認識することができる。このように、誤った視位置であることをユーザが認識できることで、正しい視位置に導くことが可能となる。
さらに、図10を参照し、正しくない視位置で視聴されたときの、視位置情報表示部33に表示されている視位置情報の見え方について説明する。図10Aに示した状態は、図5Bや図8に示した状態と同じく、正しい視位置から、ユーザの視点が、左右方向に移動した状態であるが、さらに大きく移動した状態を示している。図10Aに示したユーザの状態は、図10Aに示したユーザの状態は、視点P3’の位置に左目が位置しており、視点P5’に右目が位置している状態である。図10Aにおいて、視点P3と視点P5の位置に点線で示した眼球を模写した絵は、正しい視位置を示している。この正しい視位置よりも大きく右側にずれた位置で視聴している状態である。
図10Aに示した状態では、左目が視点P3’の位置に位置しているため、左目で視差像1や視差像2といった複数の視差像をユーザは見ている状態である。また、右目で視差像4や視差像5といった複数の視差像を見ている状態である。この場合も図9を参照して説明したような状況と同じく、ユーザは、両目で、場合によっては、視差像1乃至6の全ての視差像(その一部分を組み合わせた像)を同時に見ているような状態となる可能性がある。このような2以上の視差像の組み合わせは、正しい組み合わせには該当しない。このような、片眼に複数の視差像が提供される状態は、複数視点の映像が混ざることになり、ユーザは、正しく立体像を認識することが困難な状態となる。
このような状態のときには、図10Bに示すように、左目で見ている視位置情報表示部33の視位置情報は、数字の“2”、“3”、“4”といったように複数の数字がユーザに提供される。また同様に、図10Cに示すように、右目で見ている視位置情報表示部33の視位置情報も、数字の“4”、“5”、“6”といったように複数の数字がユーザに提供される。このように、片眼で複数の数字が読み取れるような場合、換言すれば、両眼で2個より多い個数の数字が読み取れるような場合、ユーザは、視位置が正しくないと認識することができる。このように、誤った視位置であることをユーザが認識できることで、ユーザを正しい視位置に導くことが可能となる。
このように、視位置情報表示部33に、正しい視位置で視聴しているか否かを確認できる視位置情報を表示することで、ユーザが、誤った視位置で視聴しているときには、そのことを即座に認識し、正しい視位置に移動することができる。この正しい視位置に移動する際にも、ユーザは、視位置情報表示部33に表示されている視位置情報を見ながら、正しい数字の組み合わせとなる位置に移動すれば良く、容易に正しい視位置を探しだし、視聴できる状態にすることができる。
[視位置情報表示部33の構成について]
このように、視位置情報表示部33には、上記した第1の実施の形態においては、視位置情報として数字が表示される例を挙げて説明した。この表示される数字が、立体像表示部32に表示される立体像(視差像)により変わる場合(視点数が変わることにより立体像自体も変わるような場合)や、数字だけではなく後述するようなマークや画像を何らかの条件の基、切り換えて表示するような場合、視位置情報表示部33は、液晶デバイスや有機ELデバイスなどの表示デバイスが用いられた表示部とされる。すなわち、視位置情報表示部33は、表示されている数字や画像などを適宜切り換えられるような表示デバイスで構成される。
また視位置情報表示部33が、表示デバイスで構成される場合、立体像表示部32と視位置情報表示部33が同じ表示デバイスで構成されるようにしても良いし、異なる表示デバイスで表示されるようにしても良い。立体像表示部32と視位置情報表示部33が同じ表示デバイスで構成されるようにした場合、立体像表示部32と視位置情報表示部33を一体構造とすることも可能である。立体像表示部32と視位置情報表示部33が異なる表示デバイスで構成されるようにした場合であっても、図6を参照して説明したように、立体像表示部32と視位置情報表示部33の画素配列は同一の配列とされる。
視位置情報表示部33に表示される視位置情報が固定の場合、視位置情報表示部33に、視位置情報が印刷されているように構成することができる。第1の実施の形態の場合、視位置情報表示部33に表示される数字が、常に同じ位置に同じ数字が表示されているのであれば、予めその表示される位置に、表示される数字を印刷しておいても良い。このようにした場合、透明の板の上に、数字を印刷し、バックライトなどで、必要に応じて照らし出されるような構成としても良い。
また、視位置情報表示部33に表示されている視位置情報は、常にユーザに提供されているように構成することも可能であるが、必要なときだけ提供されるように構成することも可能である。すなわち例えば、立体像表示部32が、立体像とそうでない画像を表示できるような表示部である場合、換言すれば、3Dと2Dの切り換えができるような表示部である場合、3Dのときだけ、視位置情報表示部33に視位置情報が表示されるように構成することができる。
また、ユーザが一度、正しい視位置を認識し、その位置で視聴を開始すれば、その後も継続して、視位置情報表示部33で視位置情報を表示する必要性はないので、例えば、立体像の表示が開始されてから、所定の時間が経過後、視位置情報の表示は終了されるように構成しても良い。勿論、ユーザの指示により再度、視位置情報が表示されるように構成することも可能である。また、ユーザの指示があったときだけ、視位置情報が表示されるようにしても良い。
[第2の実施の形態について]
第1の実施の形態においては、視位置情報表示部33に表示される視位置情報は、数字である場合を例に挙げて説明した。数字である場合、ユーザは、正しい数字の組み合わせの表を参照しながら、正しい数字の組み合わせを把握し、正しい視位置を確認するといったことを行う。そのようなことが容易にできるように、正しい数字の表を、表示装置10の必要に応じて見られるような位置に印刷しておいてもよい。
一方で、このような表を閲覧しなくとも、正しい視位置を確認できるように、他の視位置情報がユーザに提示されるようにしてもよい。図11乃至図14を参照し、他の視位置情報について、第2の実施の形態として説明する。
図11乃至図14は、図6乃至図10と同じく6視点のときであり、視位置情報表示部33に視位置情報として画が表示されるときである。そして、図11は、図7に示した状態と同じ状態であり、正しい視位置の場合を示し、図12は、図8に示した状態と同じ状態であり、正しい視位置から左側のずれた場合を示している。また、図13は、図9に示した状態と同じ状態であり、正しい視位置から後方にずれた場合を示し、図14は、図10に示した状態と同じ状態であり、正しい視位置から右側に大きくずれた場合を示す。
また、図11乃至図14において、視位置情報表示部33に表示されている画を図示し、説明のために、その画に対応するところに数字を記載してある。例えば、図11Aにおいて、4、5、6、1、2、3、4、5、6、1、2、3という数字列は、視差像の番号を表し、例えば、“4”という数字が記載されているところには、視差像4が表示されることを意味する。
視位置情報表示部33には、画が表示されるが、ここでは、例えば、図中“4”という数字が記載されているところに対応する視位置情報表示部33の画を、“画4”と記述する。換言すれば、視差像4が表示される位置に表示される視位置情報を、画4と記述する。また視位置情報表示部33には、画が表示されるが、ここで画とは、グレースケールを構成する一部分の画であるとする。すなわち、画1から画6の順で、白から黒に色が段階的に変化するような画である。
例えば、ここでは、画1を白色とし、画6を黒色とし、画2から画5までを白から黒までを均等に割り振った灰色とする。ただし、図11乃至図14においては、細かな色を再現することができないため、ドットの数の違いにより白、灰色、黒といった色を表している。
ここで、図11乃至図14における正しい視位置でユーザに提供される視差像の組み合わせは、図7乃至10と同じく以下の通りである。また、ここでは、視位置情報表示部33に表示される視位置情報として、正しい視位置でユーザに提供される画の組み合わせについても記載しておく。
左目(視差像) 1 2 3 4 左目(画) 画1 画2 画3 画4
右目(視差像) 3 4 5 6 右目(画) 画3 画4 画5 画6
また逆視位置の視差像の組み合わせも記載する。
左目(視差像) 5 6 左目(画) 画5 画6
右目(視差像) 1 2 右目(画) 画1 画2
図11Aを参照するに、正しい視位置のときであり、左目が視点P3の位置にあると、視差像3が左目から見え、右目が視点P5の位置にあると、視差像5が右目から見える。このような状態のときには、視位置情報表示部33に表示されている情報(この場合、画)として、左目で“画3”が見える状態であり、右目で“画5”が見える状態である。
すなわち、図11Dに示すように、左目からは、立体像表示部22の周りに“画3”が所定の色の濃さ(白に近い灰色)で複数表示されている状態が見え、右目からは、“画5”が所定の色の濃さ(黒に近い灰色)で複数表示されている状態が見える。ユーザは、画3と画5という組み合わせから正しい視位置であることを確認することができる。このような場合、左目から見える灰色と右目から見える灰色の差が小さい状態のため、ユーザは違和感を感じづらく、そのような違和感が小さいときには正しい視位置であることを認識することができる。
図11Bは、正しい視聴の組み合わせである視差像1と視差像3をユーザが見ているときに提示される視位置情報の組み合わせを示している。すなわち、左目では、“画1”が、立体像表示部22の周りに配置された視位置情報表示部33に、複数表示された状態が見え、右目には、“画3”が、視位置情報表示部33に、複数表示された状態が見える。
同じく、図11Cは、正しい視聴の組み合わせである視差像2と視差像4をユーザが見ているときに提示される視位置情報の組み合わせを示している。すなわち、左目では、“画2”が、立体像表示部22の周りに配置された視位置情報表示部33に、複数表示された状態が見え、右目には、“画4”が、視位置情報表示部33に、複数表示された状態が見える。
同じく、図11Eは、正しい視聴の組み合わせである視差像4と視差像6をユーザが見ているときに提示される視位置情報の組み合わせを示している。すなわち、左目では、“画4”が、立体像表示部22の周りに配置された視位置情報表示部33に、複数表示された状態が見え、右目には、“画6”が、視位置情報表示部33に、複数表示された状態が見える。
このように、正しい視位置で視聴しているときには、視位置情報表示部33に表示されている画の組み合わせが正しい画の組み合わせで、ユーザに提示される。また、グレースケールで視位置情報を提供するようにした場合、左目から見える色と右目から見える色の差が小さい状態のとき、換言すれば、ユーザが違和感を感じないときには、正しい視位置であることを認識することができ、直感的に視位置を探索することができるようになる。
次に、図12を参照し、正しくない視位置で視聴されたときの、視位置情報表示部33に表示されている視位置情報の見え方について説明する。図12Aに示した状態は、図8Aに示した状態と同じく、正しい視位置から、ユーザの視点が、左方向に移動した状態を示している。図12Aに示したユーザの状態は、視点P1の位置に、右目が位置しており、その視点P1より図中左側の視点P5’に左目が位置している状態である。図12Aにおいて、視点P3と視点P5の位置に点線で示した眼球を模写した絵は、正しい視位置を示している。
図12Aに示した状態では、左目が視点P5’の位置に位置しているため、左目では視差像5を見ている状態である。このとき右目は、視点P1の位置に位置しているため、右目では視差像1を見ている状態である。このような状態のときには、図12Bに示すように、左目で見ている視位置情報表示部33の視位置情報は、“画5”となり、右目で見ている視位置情報表示部33の視位置情報は、“画1”となる。この左目が“画5”、右目が“画1”という組み合わせは、正しい組み合わせではなく、逆視位置の組み合わせである。すなわち、このような視位置では、立体像の奥行き方向で、位置が逆転してしまっている立体像がユーザに認識されてしまう。
また図12Cに示すように、左目で見ている視位置情報表示部33の視位置情報が、“画6”であり、右目で見ている視位置情報表示部33の視位置情報が、“画2”である場合、正しい組み合わせではなく、逆視位置の組み合わせである。すなわち、このような視位置の場合も、立体像の奥行き方向で、位置が逆転してしまっている立体像がユーザに認識されてしまう。
立体像の奥行き方向で、位置が逆転してしまっている立体像、すなわち逆視の状態であるか否かをユーザが認識できなくとも、視位置情報表示部33で視認できている画の組み合わせにより、逆視の状態であることを認識することができる。このように、誤った視位置であることをユーザが認識できることで、ユーザを正しい視位置に導くことが可能となる。
このように、誤った視位置で視聴しているときには、視位置情報表示部33に表示されている画の組み合わせが誤った画の組み合わせで、ユーザに提示される。グレースケールで視位置情報を提供するようにした場合、誤った視位置から視聴していると、左目から見える色と右目から見える色の差が大きい状態となり、ユーザが違和感を感じる状態となる。このようにユーザが違和感を感じるような状態のときには、ユーザは、誤った視位置であることを直感的に認識することができる。そして、違和感のない状態になる位置を探索することで、正しい視位置を探索することができるようになる。
さらに、図13を参照し、正しくない視位置で視聴されたときの、視位置情報表示部33に表示されている視位置情報の見え方について説明する。図13Aに示した状態は、図9に示した状態と同じく、正しい視位置から、ユーザの視点が、後ろ方向に移動した状態を示している。図13Aに示したユーザの状態は、視点P3より、立体像表示部32から離れる方向で後方の視点P3’の位置に、左目が位置しており、視点P5より後方の視点P5’の位置に、右目が位置している状態である。図13Aにおいて、視点P3と視点P5の位置に点線で示した眼球を模写した絵は、正しい視位置を示している。
図13Aに示した状態では、左目が視点P3’の位置に位置しているため、左目で視差像1、視差像2、視差像3など複数の視差像を見ている状態である。また、右目で視差像4、視差像5、視差像画6などの複数の視差像を見ている状態である。このような状態のときには、図13Bに示すように、左目で見ている視位置情報表示部33の視位置情報は、“画1”乃至“画6”のうちの複数の画がユーザに提供される状態となる。このような状態のときには、グラデーションのような徐々に濃さが変わるような画や、複数の濃さの色(白、黒、灰色といった複数の色)が無秩序に配列されたような画がユーザに提供される状態となる。
同様に、右目においても、“画1”乃至“画6”のうちの複数の画がユーザに提供される状態となるため、グラデーションのような徐々に濃さが変わるような画や、複数の濃さの色が無秩序に配列されたような画がユーザに提供される状態となる。
このように、片眼で複数の濃さの色が見られるような場合、換言すれば、グラデーションや色の濃さに配列があるような場合、ユーザは、視位置が正しくないと認識することができる。このように、誤った視位置であることをユーザが認識できることで、ユーザを正しい視位置に導くことが可能となる。
さらに、図14を参照し、正しくない視位置で視聴されたときの、視位置情報表示部33に表示されている視位置情報の見え方について説明する。図14Aに示した状態は、図10に示した状態と同じく、正しい視位置から、ユーザの視点が、大きく右側に移動した状態を示している。図14Aに示したユーザの状態は、視点P3’の位置に左目が位置しており、視点P5’に右目が位置している状態である。図14Aにおいて、視点P3と視点P5の位置に点線で示した眼球を模写した絵は、正しい視位置を示している。この正しい視位置よりも大きく右側にずれた位置で視聴している状態である。
図14Aに示した状態では、左目が視点P3’の位置に位置しているため、左目で視差像1や視差像2といった複数の視差像を見ている状態である。また、右目で視差像4や視差像5といった複数の視差像を見ている状態である。この場合も図13を参照して説明したような状況と同じく、ユーザは、両目で、場合によっては、視差像1乃至6の全ての視差像(その一部分を組み合わせた像)を同時に見ているような状態となる可能性がある。
このような状態のときも、図14Bや図14Cに示すように、グラデーションや、複数の濃さの色(白、黒、灰色といった複数の色)が配列された画が見える状態となる。この状態は、図13に示した状態と同じような状態である。このように、片眼で複数の濃さの色が見られるような場合、換言すれば、グラデーションや色の濃さに配列があるような場合、ユーザは、視位置が正しくないと認識することができる。このように、誤った視位置であることをユーザが認識できることで、ユーザを正しい視位置に導くことが可能となる。
このように、視位置情報表示部33に、正しい視位置で視聴しているか否かを確認できる視位置情報を表示することで、ユーザが、誤った視位置で視聴しているときには、そのことを即座に認識し、正しい視位置に移動することができる。この正しい視位置に移動する際にも、視位置情報表示部33に表示されている視位置情報を見ながら、正しい画の組み合わせとなる位置に移動すれば良く、容易に正しい視位置を探しだし、視聴できる状態にすることが可能である。
また第2の実施の形態のように、視位置情報を画でユーザに提供することで、例えば、図13や図14を参照して説明したように、片眼で見える色の濃さが複数あった場合、視位置は正しくないと見ただけで確認することが可能となる。よって簡単に視位置の確認を行うことが可能となる。また、図12に示したような逆視の状態のときは、“画1”と“画5”、“画2”と“画6”といった比較的濃さが大きく異なる2つの画がユーザに提供される状態である。このように、色の濃淡が大きいと感じるときには、その視位置は正しくないということを、ユーザは認識することが容易にできるようになる。
このように、第2の実施の形態のように、色の濃淡で視位置の確認を行うことができるようにすることで、ユーザは、直感的に、容易に、視位置の確認を行うことができるようになる。
[第3の実施の形態について]
上述した第1、第2の実施の形態においては、数字や色の濃淡(グレースケール)で、視位置情報をユーザに提供する場合を例に挙げて説明した。本技術の適用範囲は、これらの実施の形態に限定されることを示す記載ではない。例えば、視位置情報として文字が用いられてもよい。文字の場合、正しい視位置のときには、正しいことがわかるような文字、例えば、“正”といった文字が表示されるようにしてもよい。また文章が表示されるようにしてもよい。
またマークなどでもよい。例えば、半円のマークであり、正しい視位置からみると、左目からは左半分の半円が見え、右側からは右半分の半円が見えるようにし、それぞれのマークを合わせると、1つの円となるといったように、組み合わせると他の1つの図形になるようなマークが視位置情報として用いられてもよい。
また、色の濃淡ではなく、異なる色が用いられるようにしてもよい。例えば、上述した6視点の場合、6色用いて、視位置情報が提供されるようにしてもよい。
このように、視位置情報としては、ユーザが見える情報で、正しい視位置であるのか否かを容易に判断でき、正しい視位置ではないと判断したときには、容易に正しい位置に移動できるようにするための視位置情報であれば良い。
本技術を適用することで、映像(立体像)を表示する表示部分の外側に、視位置を確認するための視位置情報をユーザに提供することができる。また、このように視位置情報をユーザに提供することで、ユーザに提供する映像(立体像)自体が欠落してしまうようなことを防ぐことが可能となる。換言すれば、ユーザに提供する映像内に視位置情報を表示するのではないため、ユーザには映像を欠落がない状態で楽しませることが可能となる。
また、映像を表示する外側の複数の箇所に、視位置情報を提示するようにすることで、映像を表示する部分全体が、正しく立体像映像と認識できる視位置を確認することが可能となる。さらに、本技術によれば、映像を表示する部分と視位置情報を表示する部分を異なる表示装置とすることが可能である。このことにより、視位置情報を表示する部分は、映像を表示する部分よりも解像度などは必要ないため、視位置情報を表示する部分のコストを落とすといったことなども可能となる。
[記録媒体について]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
図15は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003は、バス1004により相互に接続されている。バス1004には、さらに、入出力インタフェース1005が接続されている。入出力インタフェース1005には、入力部1006、出力部1007、記憶部1008、通信部1009、及びドライブ1010が接続されている。
入力部1006は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部1007は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部1008は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部1009は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ1010は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インタフェース1005を介して、記憶部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記憶部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記憶部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
立体像を表示する立体像表示部と、
前記立体像表示部の外周よりも外側に、前記立体像の視位置を確認するための視位置確認情報を表示する情報表示部と
を備える表示装置。
(2)
前記立体像表示部は、
所定の視位置から見たときの左目から見た像を表示する左目用画素と、右目から見た像を表示する右目用画素とが交互に配列してなる表示部と、
前記左目用画素と前記右目用画素からの光を、それぞれ左目および右目に照射するための照射方向制限部と
を備え、
前記情報表示部は、前記立体像表示部と同じ前記照射方向制限部を備える
前記(1)に記載の表示装置。
(3)
前記立体像表示部と前記情報表示部は、独立した構成とされる
前記(1)または前記(2)のいずれかに記載の表示装置。
(4)
前記情報表示部には、数字が表示され、左目で見える数字と右目で見える数字との組み合わせにより、正しい視位置が示される
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の表示装置。
(5)
前記情報表示部には、画が表示され、左目で見える画と右目で見える画の組み合わせにより、正しい視位置が示される
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の表示装置。
(6)
立体像の表示を制御し、
前記立体像を表示する立体像表示部の外周よりも外側に、前記立体像の視位置を確認するための視位置確認情報を表示する
ステップを含む表示方法。
(7)
立体像の表示を制御し、
前記立体像を表示する立体像表示部の外周よりも外側に、前記立体像の視位置を確認するための視位置確認情報を表示する
ステップを含む処理を実行するためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
10 表示装置, 11 制御部, 12 映像処理ブロック, 13 複数視点映像生成ブロック, 14 照射方向制限制御ブロック, 15 視位置確認用情報表示部, 16 複数視点映像表示部,17 照射方向制限部

Claims (7)

  1. 立体像を表示する立体像表示部と、
    前記立体像表示部の外周よりも外側に、前記立体像の視位置を確認するための視位置確認情報を表示する情報表示部と
    を備える表示装置。
  2. 前記立体像表示部は、
    所定の視位置から見たときの左目から見た像を表示する左目用画素と、右目から見た像を表示する右目用画素とが交互に配列してなる表示部と、
    前記左目用画素と前記右目用画素からの光を、それぞれ左目および右目に照射するための照射方向制限部と
    を備え、
    前記情報表示部は、前記立体像表示部と同じ前記照射方向制限部を備える
    請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記立体像表示部と前記情報表示部は、独立した構成とされる
    請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記情報表示部には、数字が表示され、左目で見える数字と右目で見える数字との組み合わせにより、正しい視位置が示される
    請求項1に記載の表示装置。
  5. 前記情報表示部には、画が表示され、左目で見える画と右目で見える画の組み合わせにより、正しい視位置が示される
    請求項1に記載の表示装置。
  6. 立体像の表示を制御し、
    前記立体像を表示する立体像表示部の外周よりも外側に、前記立体像の視位置を確認するための視位置確認情報を表示する
    ステップを含む表示方法。
  7. 立体像の表示を制御し、
    前記立体像を表示する立体像表示部の外周よりも外側に、前記立体像の視位置を確認するための視位置確認情報を表示する
    ステップを含む処理を実行するためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
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