JP2012242695A - 光ファイバ用ソケット - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバ用ソケットにおいて、光ファイバと光電変換素子の光軸合わせ作業を簡単化し、しかも光軸合わせ精度を向上し、ソケット取付対象への固定プロセスを減らす。
【解決手段】ソケット1は、同時成形された回路基板31、スリーブブロック受け部材32及びソケット固定用端子34と、スリーブブロック4とを備える。スリーブブロック4の嵌合突起42をスリーブブロック受け部材32の嵌合穴32aに嵌合することにより、光ファイバ10と光電変換素子2の光軸は一致する。よって、嵌合と挿入だけで光軸合わせができる。また、成形技術による最高成形精度は寸法誤差が1μm以下であるので、嵌合突起42及び嵌合穴32aの寸法及び位置の各精度を同程度にすることで光軸合わせ精度を向上できる。また、ソケット固定用端子34によりソケット取付対象に直接固定できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバの先端部を保持するフェルールが嵌挿され、光ファイバと光電変換素子とを光学的に結合する光ファイバ用ソケットに関する。
従来から、光電変換素子が実装された基板と、その基板に取り付けられるスリーブとを備え、その取付け後にフェルールがスリーブに嵌挿されると、光ファイバと光電変換素子とが集光レンズを介して光結合される光ファイバ用ソケットが知られている。このソケットにおいては、基板に2つの嵌合穴が穿設されており、また、スリーブの基板との対向面に2本の嵌合軸が設けられており、それら2本の嵌合軸がそれぞれ上記2つの嵌合穴に嵌め込まれる。そして、この嵌込みにより、スリーブが基板に当接する。その当接状態で、光電変換素子がスリーブにより中空封止され、かつ光ファイバの光軸と光電変換素子の光軸とが一致するように、嵌合穴と嵌合軸とは位置決めされている。このソケットによれば、嵌合軸を嵌合穴に合わせてスリーブを基板に嵌合するだけで、光ファイバと光電変換素子の光軸を合わせることができ、光軸合わせの作業が簡単になる。また、上記嵌合により、光電変換素子を中空封止でき、その結果、光電変換素子を外部の異物から保護したり、外気の光電変換素子への影響を抑制したりすることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−5872号公報
ところで、上記ソケットにおいて、基板に嵌合穴を穿設する方法としては各種の方法があるが、例えば、パンチングにより基板の一部を抜いて嵌合穴を形成する場合、その加工精度は40μm程度である。従って、その加工誤差に、光電変換素子の位置決め誤差が重なると、たとえスリーブが光学部品に要求される寸法精度を有していたとしても、光ファイバと光電変換素子の光軸合わせの精度が50μm程度になってしまう。そのため、光軸合わせの精度向上が望まれていた。
また、ソケット取付対象にソケットを固定する方法としては各種の方法があり、例えば、ソケットが固定用ケースに嵌め込まれ、そのケースがソケット取付対象に固定されるという方法がある。この方法においては、少なくとも2つの工程が必要になるが、さらに工程数を減らしたい、との要望があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、光ファイバと光電変換素子の光軸合わせ作業を簡単化でき、しかも光軸合わせ精度を向上でき、ソケット取付対象への固定プロセスの工程数を削減できる光ファイバ用ソケットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の光ファイバ用ソケットは、光電変換素子と、前記光電変換素子と外部装置との間で信号を伝送するための信号伝送用端子と、前記光電変換素子及び前記信号伝送用端子が実装された回路基板と、複数の位置決め用の嵌合穴が形成された樹脂製のスリーブブロック受け部材とが同時成形された回路ブロックと、前記スリーブブロック受け部材と対向する面に設けられ、前記複数の嵌合穴にそれぞれ嵌合される複数の位置決め用の嵌合突起と、光ファイバの先端部を保持するフェルールが嵌挿されるスリーブと、前記スリーブに前記フェルールが嵌挿された状態で前記光ファイバと前記光電変換素子とを光学的に結合させる集光機能を有したレンズとが一体的に形成されたスリーブブロックと、を備え、前記複数の嵌合突起がそれぞれ前記複数の嵌合穴に嵌合された状態で、前記光電変換素子が前記スリーブブロックにより中空封止され、かつ前記光ファイバの光軸と該光電変換素子の光軸とが一致するように、各嵌合突起及び各嵌合穴の位置決めがなされており、前記回路ブロックは、前記信号伝送用端子とは別体に設けられ、かつ前記回路基板及び前記スリーブブロック受け部材と同時成形されたソケット固定用部材を有し、前記ソケット固定用部材は、ソケットをソケット取付対象に固定するためのものであることを特徴とする。
この発明において、前記ソケット固定用部材は、前記回路基板を含む平面とソケット取付対象の表面とに対して垂直な方向に延設され、該回路基板をソケット取付対象に対して立たせた姿勢で支持するソケット固定用片により構成され、前記固定用片は、そのソケット取付対象側の端部に、ソケット取付対象に固定される足部を有することが望ましい。
この発明において、前記固定用片は、前記スリーブに前記フェルールが嵌挿された状態で、該フェルールの抜け方向への移動を規制することにより、該フェルールを前記スリーブブロックに固定するためのフェルール固定部を有することが望ましい。
本発明によれば、スリーブブロックの嵌合突起をスリーブブロック受け部材の嵌合穴に嵌合させ、スリーブブロックにフェルールを嵌合するだけで、フェルール内の光ファイバと回路基板上の光電変換素子との光軸合わせを行うことができる。従って、光軸合わせの作業が簡単になる。
また、スリーブブロック受け部材の嵌合穴は、当該部材と回路基板との同時成形時に形成することができ、成形技術で実現可能な最高成形精度は、寸法誤差が1μm以下の精度であることから、嵌合穴の寸法及び位置の各精度を同程度とすることができる。従って、従来のように回路基板をパンチング加工して嵌合穴を形成する場合と比べ、嵌合穴の寸法及び位置精度を高くすることができ、それにより、嵌合穴と嵌合突起との嵌合精度を向上することができ、結果として、光軸合わせの精度向上を図ることができる。
また、ソケット固定用部材が回路ブロックと同時成形されているので、ソケット固定用部材を用いてソケットをソケット取付対象に直接、固定することができる。そのため、従来のように、ソケットを固定用ケースに嵌め込み、それからそのケースをソケット取付対象に固定する場合と比べ、ソケット取付対象への固定プロセスの工程数を減らすことができる。
本発明の第1の実施形態に係る光ファイバ用ソケットの分解斜視図。 上記ソケットの斜視図。 上記ソケットにおける端子の折曲げ加工前の斜視図。 (a)は上記ソケットのフェルール嵌挿前の断面図、(b)はそのフェルール挿入後の断面図。 本発明の第2の実施形態に係る光ファイバ用ソケットの分解斜視図。 上記ソケットにおけるソケット固定用部材の折曲げ加工前の斜視図。 本発明の第3の実施形態に係る光ファイバ用ソケットの使用時の斜視図。
(第1の実施形態)
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る光ファイバ用ソケット(以下、単にソケットという)の構成を示す。そのソケット1は、光電変換素子2と、光電変換素子2が実装された回路ブロック3と、回路ブロック3に取り付けられるスリーブブロック4とを備えた横置き型である。スリーブブロック4には、光ファイバ10の先端部を保持するフェルール11が嵌挿され、それにより、光ファイバ10と光電変換素子2とが光学的に結合される。
光電変換素子2は、発光素子と受光素子のいずれであっても構わず、回路基板31にベアチップ実装されている。回路ブロック3は、光電変換素子2が実装された回路基板31と、樹脂製のスリーブブロック受け部材(以下、受け部材という)32とを有し、それらは、例えばインサート成形により同時成形されている。
回路基板31には、光電変換素子2と外部装置との間で信号を伝送するための信号伝送用端子33と、ソケット1をソケット取付対象に固定するためのソケット固定用端子34(ソケット固定用部材)とが実装されている。端子33、34は、図3に示されるように、元々、回路基板31と平行に延びているが、ソケット取付対象の表面に沿うように折り曲げられ、それらの先端部が、ソケット取付対象の表面に、例えば半田付けによって固定される。
また、回路基板31には、位置決め用の嵌合穴32aを例えば2つ樹脂成形するために2つの貫通孔31aが予め設けられている。各貫通孔31aには、受け部材32を構成する樹脂材が入り込んでおり、各貫通孔31aの中に、嵌合穴32aが1つずつ樹脂成形されている。嵌合穴32aは、上記の数に限定されず、複数であればよい。回路基板31において、光電変換素子2が実装された面(以下、素子実装面という)31bには、制御IC5がさらに実装されている。制御IC5は、光電変換素子2が発光素子である場合、光電変換素子2の発光制御を行い、光電変換素子2が受光素子である場合、光電変換素子2により受信され光電変換された信号の増幅等の信号処理を実行する。
受け部材32は、回路基板31を全体的に覆うように形成されているが、回路基板31のうち、少なくとも光電変換素子2の実装箇所と、その周囲の素子実装面31bと、貫通孔31aとを含む領域を露出させるように形成されている。以下、その露出した領域を露出領域という。嵌合穴32aは、円柱状の貫通孔であるが、一端が閉塞された穴であってもよい。光電変換素子2の実装位置は、2つの嵌合穴32aの各々の中心を結ぶ線分の中点である。嵌合穴32aの開口周縁と素子実装面31bとの間に、誤差により高低差があったとしても、それは1mm以内であることが好ましく、0.5mm以内であることが特に望ましい。
受け部材32は、上記の露出領域を囲むように形成されており、スリーブブロック4が挿入される枠32bを有する。枠32bは、スリーブブロック4が挿入された状態でスリーブブロック4の外周を囲むように、その穴がスリーブブロック4の外周に沿う形状とされている。スリーブブロック4が円筒状である場合、枠32bの穴は円状である。
受け部材32の基材は、例えばアクリル等の熱可塑性樹脂又はエポキシ等の熱硬化性樹脂であり、強度を高めるため、例えばガラス繊維を含むことが望ましい。このような材料により作製される光学部品は、非常に高精度に成形することができ、最も高精度なものは、いわゆるサブミクロンの精度、すなわち寸法誤差が1μm以下の精度であり、受け部材32はその成形精度で形成されている。
スリーブブロック4は、スリーブ41と、後述のレンズ(図1では不図示)と、位置決め用の嵌合突起42とが一体的に形成されている。スリーブ41には、使用時に、フェルール11が嵌挿される。嵌合突起42は、嵌合穴32aに嵌合される位置決め用のピンで構成される。
嵌合突起42は、嵌合穴32aと同数であり、これらの嵌合突起42は、スリーブ41において受け部材32と対向する面41aに設けられている。嵌合突起42は、嵌合穴32aに嵌合可能な形状であって、例えば円柱状であり、その先端は、嵌合穴32aに挿入し易いように丸みを帯びていることが望ましい。2つの嵌合突起42は、2つの嵌合穴32aにそれぞれ嵌合される。嵌合突起42は、その長さが枠32bの厚みよりも長い。従って、スリーブブロック4を回路ブロック3に取り付けるとき、最初に嵌合突起42を嵌合穴32aに挿入でき、次いでスリーブブロック4を枠32bに挿入できるようにされている。
スリーブブロック4は、例えば熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を材料とする光学材料により形成されており、その光学材料は、特定波長、例えば850nmのレーザ光を透過させるものである。スリーブブロック4の成形精度は、受け部材32と同程度とする。
図4(a)(b)は、ソケット1の内部構造を示す。回路基板31は、両面に配線パターン31cが形成された基板であり、その基板は、配線パターン31cを表面に形成しても配線パターンが剥離し難い材料から成る。配線パターン31cは、光電変換素子2への信号送信又は光電変換素子2からの信号受信のための信号ライン等を含む。素子実装面31bの配線パターン31cは、信号を伝送する信号ラインとし、素子実装面31bの裏面31dの配線パターン31cはグランドラインとする。
スリーブブロック4のレンズ43は、スリーブ41の回路ブロック3側の開口端よりも内方に設けられており、スリーブ41にフェルールが嵌挿されるとき、その嵌挿状態で光ファイバと光電変換素子2とを光学的に結合させる集光機能を有する。
嵌合突起42が嵌合穴32aに嵌合された状態で、スリーブブロック4の面41aは、回路ブロック3の素子実装面31b及び嵌合穴32aの開口周縁の表面に当接する。その当接によって、光電変換素子2及び制御IC5がレンズ43とスリーブ41の内壁41bとにより中空封止されるように、各嵌合突起42及び各嵌合穴32aは、予め位置決めがなされている。
嵌合突起42が嵌合穴32aに嵌合された状態で、スリーブ41にフェルール11が嵌挿されたとき、光ファイバ10の光軸と光電変換素子2の光軸とが一致するように、各嵌合突起42と各嵌合穴32aとは、予め位置決めがなされている。従って、スリーブ41にフェルール11が嵌挿されると、光ファイバ10と光電変換素子2との光軸合わせが行われ、それにより、パッシブアライメントが実行され、結果として、両者の光軸(図2(b)の破線で示す)が一致する。
次に、図1及び図2を参照して、ソケット1の組立て方法を説明する。本実施形態では、測定装置で光信号のレベルをモニタしながら光ファイバと光電変換素子の光軸合わせを行うアクティブアラインメントを実行せず、各部品の寸法精度と位置決め精度だけで所定の組立て精度を確保する。
まず、2つの嵌合穴32aの各々の開口周縁形状と位置とが測定される。この測定は、例えば、チップマウンタの撮像装置を用いて、回路ブロック3の嵌合穴32aを含む領域を撮像し、その撮像された領域の画像を基に、周知の画像特徴抽出技術を用いて各嵌合穴32aの開口周縁形状と位置とを抽出することより行われる。ここで、各部の寸法を例示する。光電変換素子2の平面寸法は□0.3(0.3mm×0.3mm)程度であり、また、2つの嵌合穴32aの間隔は4mm程度である。従って、チップマウンタの撮像装置は微小領域を撮像すればよいので、レンズの撮像倍率を高くすることにより、各嵌合穴32aの開口周縁形状及び位置の測定精度を高くすることができる。例えば、10μm程度の精度まで位置決め精度を上げることができ、本実施形態ではそのようにする。
各嵌合穴32aの開口周縁形状及び位置の測定後、その測定された開口周縁形状及び位置を基に、画像特徴抽出技術を用いて各嵌合穴32aの中心位置が求められる。そして、それらの中心位置を基準として、光電変換素子2の位置決めがなされる。この位置決めにおいては、例えば、各嵌合穴32aの中心を結ぶ線分が求められ、その線分の中点が光電変換素子2の実装位置に決められる。その後、回路基板31におけるその決められた実装位置に光電変換素子2が実装される。
光電変換素子2の実装後、素子実装面31bと受け部材32の露出領域とにおいて、スリーブ41の面41aが当接する部位に、接着剤が塗布される。接着剤の塗布位置は、接着剤が光電変換素子2等に付かないようにするため、上記当接部位の隅付近とされる。接着剤の塗布後、嵌合突起42が嵌合穴32aに嵌合され、スリーブ41が枠32bに挿入される。なお、スリーブブロック4及びフェルール11は、光学部品として要求されるレベルの嵌合精度を満たしている。
上記のように構成された本実施形態のソケット1では、スリーブブロック4の嵌合突起42を受け部材32の嵌合穴32aに嵌合させ、フェルール11をスリーブブロック4に嵌合するだけで、光電変換素子2と光ファイバ10の光軸合わせを行うことができる。従って、光軸合わせ作業が簡単になる。
また、受け部材32の嵌合穴32aは、受け部材32と回路基板31との同時成形時に形成することができ、成形技術で実現可能な最高成形精度は、寸法誤差が1μm以下の精度であることから、嵌合穴32aの寸法及び位置の各精度を同程度とすることができる。従って、従来のように回路基板をパンチング加工して嵌合穴を形成する場合と比べ、嵌合穴32aの寸法及び位置精度を高くすることができ、それにより、嵌合穴32aと嵌合突起42との嵌合精度を向上することができる。その結果、光軸合わせの精度向上を図ることができる。
また、光電変換素子2の実装位置を決めるのに、撮像装置が用いられ、その撮像装置による撮像範囲は回路基板31全体ではなく、位置決めの基準となる各嵌合穴32aを含む微小範囲で済む。そのため、撮像装置のレンズの撮像倍率を高くすることにより、各嵌合穴32aの測定精度を高くすることができ、従って、位置決め精度は、寸法誤差が10μm程度の精度にまで上げることができる。さらに、スリーブブロック4は光学部品に要求される成形精度を有することから、嵌合突起42と嵌合穴32aとの嵌合精度を数μm程度にすることができる。従って、スリーブブロック4とフェルール11とが、光学部品として要求されるレベルの嵌合精度を有していれば、上記各種精度から、光電変換素子2と光ファイバ10を十数μm程度の精度で光結合させることができる。そのため、光軸合わせの精度をさらに向上することができる。
また、光軸合わせにおいて、光信号の測定装置の接続及びスリーブブロックの位置の微調整が必要なアクティブアライメントと比べ、それらが不要なので、光軸合わせに要する時間を大幅に短縮することができる。
また、各嵌合穴32aが撮像され、その撮像された各嵌合穴32aの画像を基に、画像特徴抽出技術により各嵌合穴32aの中心位置が求められるので、各嵌合穴32aの開口周縁形状に係らず、高精度に各嵌合穴32aの中心位置を求めることができる。従って、その求められた各嵌合穴32aの中心位置を基準にして、光電変換素子2の位置を高精度に決めることができる。
また、素子実装面31bと嵌合穴32aの開口周縁とが同一平面に在るので、撮像装置によって撮像したそれらの平面視画像を基に、嵌合穴32a間、及び各嵌合穴32aと光電変換素子2の実装位置との間の距離を正確に測定することができる。従って、光電変換素子2の位置決め精度がさらに高まる。
また、ソケット固定用端子34が回路ブロック3と同時成形により一体的に形成されているので、その端子34を用いてソケット1をソケット取付対象に直接固定することができる。従って、従来のように、ソケットを、別途設けた固定用ケースに嵌め込み、それからケースをソケット取付対象に固定する場合と比べ、ソケット取付対象への固定プロセスの工程数を減らすことができる。また、ソケット固定用端子34が回路ブロック3に一体的に設けられることから、部品管理が容易になる。
また、光電変換素子2は、スリーブブロック4により中空封止されるので、光電変換素子2を、外部からの力及び異物から保護し、かつ外部からのガスの影響を受け難くすることができる。そのため、光電変換素子2の故障を減らし、かつその劣化を抑制することができる。従って、光電変換素子2の信頼性向上と長寿命化とを図ることができる。
また、回路基板31の配線は、高周波信号を伝送することから、その配線については、信号の反射等を防ぐためインピーダンス整合を図ることが重要である。その点で、回路基板31は、両面配線基板であることから、配線自由度が高く、インピーダンス整合の設計自由度が高いので、インピーダンス整合を高精度に行うことができる。従って、高周波信号の反射等を防いで通信品質の向上を図ることできる。しかも、高精度なインピーダンス整合に必要とされるグランドライン等の配線は、回路基板31とは別に用意しなくて済み、従って、ソケット1の小型化を図ることができる。
ところで、嵌合突起42の長さが枠32bの厚みよりも短い場合、スリーブブロック4を回路ブロック3に取り付ける際に、嵌合突起42を嵌合穴32aに挿入しようとしても、まずスリーブブロック4を枠32bに挿入する必要が生じる。そのため、挿入時に嵌合突起42の位置がずれてしまい、結果として、嵌合突起42を嵌合穴32aに挿入し難くなって組立てに時間が掛かったりする虞がある。
それに対して、本実施形態では、嵌合突起42が枠32bの厚みよりも長いことから、スリーブブロック4を回路ブロック3に取り付けるとき、最初に嵌合突起42を嵌合穴32aに嵌合でき、次いでスリーブブロック4を枠32bに挿入できる。従って、スムーズな取付けが可能になり、組立て時間を短縮できる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係るソケットの構成を示す。同図において、上記第1の実施形態と同一の部材に、同一の符号を付す(以下、同様)。本実施形態のソケット1は、縦置き型であり、ソケット固定用部材として、ソケット固定用端子34の代わりに、ソケット固定用片(以下、固定用片という)35を有する。
固定用片35は、回路基板31を含む平面とソケット取付対象の表面とに対して垂直な方向に延設されており、回路基板31をソケット取付対象に対して立たせた姿勢で支持する。固定用片35は、銅片等の金属片であって、回路基板31及び受け部材32と例えばインサート成形により同時成形されており、スリーブ41を挟んで互いに向かい合うように、受け部材32の対向する側面に対として配設されている。
また、固定用片35は、そのソケット取付対象側の端部に足部35aを有し、足部35aは、ソケット取付対象の表面に沿うように形成されており、ソケット取付対象に半田付けにより固定される。信号伝送用端子33は、回路ブロック3の底面から延出しており、ソケット取付対象の表面に沿うように折曲げ加工が施されている。
図6に示されるように、固定用片35は、元々、その根元部分が受け部材32の側面に埋め込まれて固定された平板であって、受け部材32の側方に延びており、その平板が折り曲げ加工により上記形状を形成している。足部35a及び信号伝送用端子33は、折り曲げられずにソケット取付対象の穴に挿入されて固定されてもよい。
本実施形態においては、足部35aを用いて直接、ソケット取付対象にソケット1を固定できることから、上記第1の実施形態と同様に、ソケット取付対象への固定プロセスの工程数を減らすことができる。しかも、固定用片35は金属片により構成されることから、固定用片35によって、光信号へのノイズの重畳を抑制することができ、いわゆるシールド効果が得られる。そのため、シール部材を別途設けなくて済み、製造コストの低減及び小型化を図ることができる。
(第2の実施形態の一変形例)
図7は、上記第2の実施形態の一変形例に係るソケットの構成を示す。本変形例の固定用片35は、フェルール固定部35bをさらに有する。このフェルール固定部35bは、フェルール11がスリーブ41に嵌挿された状態で、フェルール11の抜け方向への移動を規制することにより、フェルール11をスリーブブロック4に固定するためのものである。
フェルール固定部35bは、元々、固定用片35の本体先端部からスリーブ41の軸方向と平行に延びるように形成されている(破線で示す)。フェルール固定部35bは、フェルール11がスリーブ41に嵌挿された状態で、スリーブ41に向かって略直角に折り曲げられることによりフェルール11に当接し、フェルール11の抜け方向の移動を規制する。
本変形例においては、上記第2の実施形態と同等の効果が得られる。また、フェルール11はフェルール固定部35bによりスリーブブロック4に固定されるので、スリーブ41への嵌合による摩擦力だけでフェルール11を固定する場合と比べ、フェルール11の抜け防止効果を向上できる。しかも、フェルール固定部35bは、回路ブロック3と同時成形された固定用片35に設けられていることから、上記の抜け防止効果を向上するための部品を別途設けなくて済む。従って、そのような部品を装着する作業はなくて済み、作業が簡単なものになる。また、部品管理が容易になる。
なお、本発明は、上記の各実施形態の構成に限定されるものでなく、使用目的に応じ、様々な変形が可能である。例えば、回路基板31は、配線パターン31cが積層された多層配線基板であってもよい。また、そのような場合に、回路基板31の裏面31dに実装された電子部品と、その電子部品が接続された配線パターン31cとを、受け部材32と回路基板31との同時成形により封止しても構わない。この構成によれば、裏面31dにおいて、実装された電子部品と配線との間、電子部品間、及び配線間が異物及び結露等により短絡することを防ぐことができ、回路の故障を防止することができる。
また、嵌合穴32aの形状が四角柱状であり、これに対応して、嵌合突起42が四角柱状のピンであってもよい。このような場合の組立て工程における光電変換素子2の位置決めは、平面視で各嵌合穴32aの中心、又は各嵌合穴32aの所定の1点の頂点を基準としてなされる。頂点を用いる場合、各嵌合穴32aにおいて他方の嵌合穴32aに対向する辺が選ばれ、その選ばれた各辺につき、その辺の一端を他方の辺の他端と結ぶ対角線が求められ、求められた2本の対角線の交点が光電変換素子2の位置とされる。また、上記第2の実施形態とその変形例とにおいて、固定用片35は、金属片ではなく、受け部材32に一体的に形成された樹脂片であってもよい。
1 光ファイバ用ソケット
2 光電変換素子
3 回路ブロック
31 回路基板
32 スリーブブロック受け部材
32a 嵌合穴
32b 枠
33 信号伝送用端子
34 ソケット固定用端子(ソケット固定用部材)
35 ソケット固定用片(ソケット固定用部材)
35a 足部
35b フェルール固定部
4 スリーブブロック
41 スリーブ
41a スリーブブロック受け部材と対向する面
42 嵌合突起
43 レンズ
10 光ファイバ
11 フェルール

Claims (3)

  1. 光電変換素子と、
    前記光電変換素子と外部装置との間で信号を伝送するための信号伝送用端子と、
    前記光電変換素子及び前記信号伝送用端子が実装された回路基板と、複数の位置決め用の嵌合穴が形成された樹脂製のスリーブブロック受け部材とが同時成形された回路ブロックと、
    前記スリーブブロック受け部材と対向する面に設けられ、前記複数の嵌合穴にそれぞれ嵌合される複数の位置決め用の嵌合突起と、光ファイバの先端部を保持するフェルールが嵌挿されるスリーブと、前記スリーブに前記フェルールが嵌挿された状態で前記光ファイバと前記光電変換素子とを光学的に結合させる集光機能を有したレンズとが一体的に形成されたスリーブブロックと、を備え、
    前記複数の嵌合突起がそれぞれ前記複数の嵌合穴に嵌合された状態で、前記光電変換素子が前記スリーブブロックにより中空封止され、かつ前記光ファイバの光軸と該光電変換素子の光軸とが一致するように、各嵌合突起及び各嵌合穴の位置決めがなされており、
    前記回路ブロックは、前記信号伝送用端子とは別体に設けられ、かつ前記回路基板及び前記スリーブブロック受け部材と同時成形されたソケット固定用部材を有し、
    前記ソケット固定用部材は、ソケットをソケット取付対象に固定するためのものであることを特徴とする光ファイバ用ソケット。
  2. 前記ソケット固定用部材は、前記回路基板を含む平面とソケット取付対象の表面とに対して垂直な方向に延設され、該回路基板をソケット取付対象に対して立たせた姿勢で支持するソケット固定用片により構成され、
    前記固定用片は、そのソケット取付対象側の端部に、ソケット取付対象に固定される足部を有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用ソケット。
  3. 前記固定用片は、前記スリーブに前記フェルールが嵌挿された状態で、該フェルールの抜け方向への移動を規制することにより、該フェルールを前記スリーブブロックに固定するためのフェルール固定部を有することを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ用ソケット。
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