JP2012237856A - 光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度に防振群をセンタリングすること
【解決手段】カメラは、光学防振時にメカ端700aで規制された可動範囲700内で機械的に移動可能に構成された第3レンズ群L3と、第3レンズ群L3の位置を検出するホール素子84を有する磁気検出センサと、第4レンズ群L4を保持する4群ユニット4と、4群ユニットに設けられ、第3レンズ群L3の可動範囲を可動範囲700よりも狭い可動範囲4Aに機械的に規制するメカ端4aと、非撮影状態にメカ端4aを使用して磁気検出センサの出力から第3レンズ群L3のセンタリングを行うマイコン53と、を有する。
【選択図】図13

Description

本発明は、光学機器に関する。
特許文献1は、沈胴構造を有するレンズ鏡筒において、光軸と垂直に移動する防振可動群の移動量を沈胴時は固定し、WIDE時はTELE時に比べて可動量を制限するレンズシフト式光学防振機構を開示している。
近年では、ブレ補正量(可動群移動量)の増加が求められ、高倍化に伴って防振群のセンター位置調整の高精度化が益々要求されている。また、従来のセンタリングは、光位置センサ(PSD)やホール素子などの磁気検出センサの出力を検出しながら、可動群をメカ端に突き当て両メカ端のセンサ出力差から中心位置を割り出していた。
特開平10−3103号公報
しかしながら、可動群がメカ端付近に近づくとセンサ出力の線形性が劣化し、可動群移動量を増加と防振群のセンターセンタリングの高精度化の要請の下では、線形性の劣化が無視できなくなってきた。
本発明は、高精度に防振群をセンタリングすることが可能な光学機器を提供することを例示的な目的とする。
本発明のレンズ鏡筒は、光学防振を行う際に移動される補正光学系と、前記補正光学系が移動する範囲を第1の可動範囲に機械的に規制する第1の規制部と、を有するユニットと、前記補正光学系の位置を検出する検出手段と、前記補正光学系とは異なる光学要素を支持する支持部材と、前記支持部材に設けられ、前記補正光学系の可動範囲を前記第1の可動範囲よりも狭い第2の可動範囲に機械的に規制する第2の規制部と、非撮影状態に前記第2の規制部を使用して前記補正光学系のセンター調整を行う制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、高精度に防振群をセンタリングすることが可能な光学機器を提供することができる。
本実施形態のレンズ鏡筒の分解斜視図である。 図1に示すレンズ鏡筒の沈胴時の断面図である。 図1に示すレンズ鏡筒の広角端(WIDE端)における断面図である。 図1に示すレンズ鏡筒の望遠端(TELE端)における断面図である。 図1に示す駆動カム環の平面図と断面図である。 図1に示す2群ユニット、絞りシャッターユニット、シフトユニット、4群ユニットの支持機構を異なる角度から見た斜視図である。 図1に示す駆動カム環のカム溝の展開図である。 図1に示す2群ユニット、絞りシャッターユニット、シフトユニット、4群ユニットのカム溝の展開図である。 図1に示す固定カム環のカム溝の展開図である。 図1に示す撮影装置のブロック図である。 沈胴状態と撮影状態における図1に示すシフトユニットの断面図である。 図1に示す出力ギヤ、ナルトギヤ、移動ギヤ、カムギヤの輪列を示した斜視図である。 図1に示すホール素子の特性と可動群の可動領域の模式図である。
図1は、本実施形態のレンズ鏡筒の分解斜視図である。本実施形態のレンズ鏡筒は、5群構成の変倍光学系を有し、非使用状態では各レンズ群間隔を通常使用時に対して縮めてレンズ全長を短縮する沈胴式レンズ鏡筒である。
図2はレンズ鏡筒の主要部分の沈胴時の断面図、図3はレンズ鏡筒の主要部分の広角端(WIDE端)の断面図、図4はレンズ鏡筒の主要部分の望遠端(TELE端)の断面図、図5(a)は駆動カム環7の平面図、図5(b)は図5(a)のA−A断面図である。
図6(a)と(b)は2群ユニット2、絞りシャッターユニット6、シフトユニット3、4群ユニット4の支持機構を異なる角度から見た斜視図である。図7は駆動カム環7の外面に設けられたカム溝21の展開図である。
図8は駆動カム環7の内面に設けられた2群ユニット2、絞りシャッターユニット6、シフトユニット3、4群ユニット4のカム溝の展開図である。図9は固定カム環15のカム溝の展開図である。図12はズームモータユニット17、出力ギヤ17a、ナルトギヤ16、移動ギヤ19、カム環ギヤ7aの輪列を示す斜視図である。
図1において、L1は第1レンズ群(光学要素)、L2は第2レンズ群(光学要素)である。L3は撮影時に光学防振を行う際に補正光学系として光軸と垂直な成分を有する方向に移動して光学防振を行う第3レンズ群である。ここで、「光軸と垂直な成分を有する方向」とは光軸と垂直な方向でもよいが、光軸と垂直な成分と光軸方向の成分を有する斜め方向も含む概念である。また、L4は第4レンズ群(光学要素)、L5は光軸方向に移動して合焦動作を行なう第5レンズ群(光学要素)である。
1は第1のレンズ群L1を保持する1群ユニット(支持部材)、2は第2レンズ群L2を保持する2群ユニット(支持部材)、3は第3レンズ群L3を光軸と垂直な平面内で移動可能とするシフトユニットである。4は第4レンズ群L4を保持する4群ユニット(支持部材)、5は第5レンズ群L5を保持する5群ユニット(支持部材)である。6は光量を調節する絞りシャッターユニット(光学要素)である。
11は光学像を光電変換するCCDやCMOS等の撮像素子(光学素子)、ズームモータなどを取り付けるCCDホルダ(支持部材)である。8は5群ユニット5を光軸方向に移動可能に支持するガイドバーである。ガイドバー8は5群ユニット5のU溝部と係合し、不図示のもう1本のガイドバーに5群ユニット5のスリーブ部が係合する。
16は5群ユニット5を光軸方向に沿って進退移動させる駆動源となるVCM(ボイスコイルモータ)のマグネット−ヨークユニットである。5群ユニット5に接着固定されたコイル5aがマグネット−ヨークユニット16内部で通電され、磁束との関係でローレンツ力を発生し、5群ユニット5を光軸に沿って直進移動させる。
35は磁気センサであるGMRセンサであり、メカ端による基準位置出しと合わせ5群ユニット5の絶対位置の検出を行う。13はCCDホルダに固定された後部鏡筒であり、GMRセンサ35がビス止めされている。また、マグネット−ヨークユニット16は後部鏡筒13とCCDホルダ11に挟まれて固定されている。ガイドバー8はCCDホルダ11と後部鏡筒13とに両端を支持されて固定されている。不図示ではあるが、5群ユニット5を支持するバーはもう1本有り、これら2本のガイドバーによって、5群ユニット5を進退可能に支持している。
15は固定カム環(支持部材)であり、CCDホルダ11とビス4本で固定されている(内、1本は不図示)。固定カム環15の内側には駆動カム環7を光軸方向へ進退させるためのカム溝15aが設けられている。カム溝15aは、図9に示すように、同軌跡のカム溝が3本有り、カムピン7をカム溝へ導入するカム挿入口15cが固定カム環15の端面に配置されている。
駆動カム環7は、図12に示すように、ズームモータユニット17から出力ギヤ17aに螺合するナルトギヤ16、ナルトギヤ16に螺合する移動ギヤ19、移動ギヤ19に駆動カム環7に設けられたカム環ギヤ7aが螺合することで回転動力を伝達する。そして、カムピン7aがカム溝15aに沿って沈胴、WIDE、TELEの順に移動し、駆動カム環7の光軸方向の位置を決定する。
駆動カム環7の回転は直進案内筒(支持部材)9を軸として行われる。直進案内筒9に固定されたバーホルダ(支持部材)10に設けられた直進キー10aと固定カム環15の内径に設けられた直進溝15bが3ヵ所120°等分で係合し、バーホルダ10および直進案内筒9の光軸に対する偏芯位置を決めている。
駆動カム環7は直進案内筒9とキーリング(支持部材)12によって狭持され、直進案内筒9を軸として回転しながら、直進案内筒9、バーホルダ10、キーリング12と一体となって、カム溝15aによって決められる光軸位置へ直進移動する。
移動ギヤ19はバーホルダ10に対して、移動ギヤ押え板20で押えられ、回転自在に設けられている。移動ギヤ19もバーホルダと一体となって直進移動し、レンズ鏡筒の繰り出し、繰り込み作動において、常にナルトギヤ16と螺合し、ギヤ輪列を成立させている。ナルトギヤ16は上記動作において、常に移動ギヤ19と螺合し続けるに足る長さとなっている。
ナルトギヤ16は固定カム環15とCCDホルダ11によって挟み込まれたナルトギヤシャフト18を軸として定位置回転を行う。ズームモータユニット17はCCDホルダに不図示のビス3本によって固定される。
ズームの初期位置検出は、駆動カム環7に設けられた不図示の遮光ヒレとCCDホルダに設けられたフォトインタラプタ26によって行われる。遮光ヒレがフォトインタラプタ26内を通過することで発生するHi/Lo信号と、ズームモータユニット17の内部に構成された不図示のパルス発生機構からのパルス信号によってズーム位置制御を行う。
駆動カム環7には、外面に1群ユニット1、内面に2群ユニット2、絞りシャッターユニット6、シフトユニット3、4群ユニット4をそれぞれ光軸に沿って進退させるカム溝22、23、24、25が設けられている。
固定カム環15に設けられたカム溝15aには、駆動カム環7に設けられたカムピン7bが係合し、光軸に沿った進退移動及び光軸を中心とした回転運動を行う。これにより、1群ユニット1、2群ユニット2、絞りシャッターユニット、6、シフトユニット3、4群ユニット4が相対的に光軸に沿って進退移動する。そして、図3のWIDE状態から図4のTELE状態の間での変倍動作を行うと共にレンズ鏡筒全体を図2の沈胴状態にさせている。
この時の2群ユニット2、絞りシャッターユニット6、シフトユニット3、4群ユニット4の支持構造について説明する。
図5(a)、(b)に示すように、直進案内筒9の前端部付近に設けられたバー受け9a〜9dに一端を、バーホルダ10に設けられたバー受け10b〜10eに他端を保持されたガイドバー14a〜14dに直進移動可能に支持されている。
図6(a)、(b)に示すように、2群ユニット2のスリーブ2cはガイドバー14dに、U溝2bはガイドバー14bに係合し、絞りシャッターユニット6のスリーブ6cはガイドバー14bに、U溝6bは14dに係合している。これにより、各ユニットの偏芯位置決めを行い、かつ、進退可能に支持されている。
シフトユニット3のスリーブ3cはガイドバー14cに、シフトユニット3のU溝(不図示)はガイドバー14aに係合し、4群ユニット4のスリーブ4cはガイドバー14aに、U溝4bはガイドバー14cに係合している。これにより、各ユニットの偏芯位置決めを行い、かつ進退可能に支持されている。
本実施形態では、隣接する2群ユニット2と絞りシャッターユニット6、シフトユニット3と4群ユニット4で、各ユニットのスリーブ、U溝を互いに2本のガイドバーに係合し合う構成となっている。
2群ユニット2のスリーブ近傍にカムピン2aが設けられている。絞りシャッターユニット6のスリーブ近傍にカムピン6aが設けられている。シフトユニット3のスリーブ近傍にカムピン3aが設けられている。4群ユニット4のスリーブ近傍にカムピンが設けられている。それぞれが対応する直進案内筒の切欠き9eを貫通し、図8のカム溝22、23、24、25に係合する。
カム溝22は2群ユニット2用であり、カム溝23は絞りシャッターユニット6用であり、カム溝24はシフトユニット3用であり、カム溝25は4群ユニット4用である。駆動カム環7が直進案内筒9を軸に回転すると、これらのカム溝の軌跡に沿って各ユニットが光軸方向へ移動する。スリーブ、U溝、ガイドバーの係合構成は、各群のストローク、レンズ群間隔が成り立つ範囲で、係合する組み合わせを限るものではなく、例えば、2群ユニット2のスリーブ2cと4群ユニット4のスリーブ4cを同じガイドバーに係合することも可能である。
次に、1群ユニット1の支持方法を、図5を参照して説明する。12はキーリングであり、キーリング12に設けられたキー12aと1群筒内径に設けられた不図示の直進溝が係合し、1群ユニット1の偏芯位置を決めている。その上で、1群ユニット1の内径後端部に設けられたカムピン1aが、駆動カム環7の外径に設けられた同軌跡のカム溝21に係合し、他ユニットと同様、駆動カム環7が直進案内筒9を軸に回転することで、このカム溝の軌跡に沿って光軸方向へ移動する。
1群ユニット1と2群ユニット2のTELE時の間隔が非常に広く、例えば1群ユニット1にガイドバーを固定し、2群ユニット2を支持する構成だと、非常に長いガイドバーが必要となる。よって、1群ユニット1を直進溝とキー12aで支持し、他のユニットはガイドバーで支持している。
一方、1群ユニット1と他のユニットとの偏芯・倒れに対し一定の精度が必要であるため、1群ユニット1内の光学調整によって、その性能を確保できるようにしている。また、ガイドバーで支持された2群ユニット2、シフトユニット3、4群ユニット4にも互いに非常に高い偏芯・倒れ精度が要求されるが、ガイドバーを支持する部品は直進案内筒9とバーホルダ10の2部品と少なく、非常に高精度に支持することが可能である。
次に2群ユニット2、絞りシャッターユニット6、シフトユニット3、4群ユニット4のカム溝22、23、24、25について説明する。
2群ユニット2のカム溝22は駆動カム環7の端面にカムピン2aを導入するカム導入口22aがあり、そこから導入されたカムピン2aは駆動カム環の回転によってTELE、WIDE、沈胴と移動する。
絞りシャッターユニット6、4群ユニット4のカム溝23、25もカム導入口23a、25aがあり、2群ユニット2のカム溝22と同様にTELE、WIDE、沈胴の軌跡を辿る。シフトユニット3のカム溝24も同様な軌跡である。
シフトユニット3のカムピン3aのカム導入口は駆動カム環7の端面ではなく、沈胴側に設けられた駆動カム環7を貫通する穴である。シフトユニット3が駆動カム環7内径に組み込まれた跡に、この貫通穴24aからカムピン3aをシフトユニット3に設けられた穴に圧入する。
各ユニットのカムピン、それに対応するカム溝は駆動カム環7の周方向において、45°均等に配置されている。駆動カム環7が回転駆動する際には、各カムピンが、カム溝の沈胴、WIDE、TELEの同じ位置に配置されるようになっている。
図7に示すように、1群ユニット1には6本のカム溝が設けられているが、そのうち、120°均等に配置された3ヵ所のカム溝21が通常の沈胴動作やズーム作動を行うカム溝である。残りの3ヵ所は、1群ユニット1が強い衝撃を受けた時の衝撃保持を行うためのカム溝であり、通常動作時は対応するカムピン1と一定のクリアランスがある。
1群ユニット1のカムピン1aは駆動カム環の前側端面に配置されたカム導入口21aから導入され、カム軌跡は、カム導入口側からTELE、WIDE、沈胴の順となる。駆動カム環7の回転駆動に対し、全てユニットのカムピンがTELE、WIDE、沈胴位置にくるタイミングは同じになる。
図8において、カム溝15aの内、1本のカムは移動ギヤ19が移動する切り欠き部を通過するため、カム溝15aが沈胴〜WIDEの間で欠損する。この欠損区間を脱落部15dとする。脱落部15dにおいて、駆動カム環7のカムピン7aは作動中にカム溝15aから脱落する。
脱落中は、駆動カム環の倒れが一時的に不定となる。このため、直進キー10aと直進溝15bとで駆動カム環7後端部付近の偏芯位置を決めるだけでなく、図2〜図4に示す固定カム環15の先端内径付近に設けられた植毛紙15eによって1群ユニット1の外径を支持する。これによって、駆動カム環7の前端部の偏芯位置を決め、前後の位置決めにより倒れを防止することができる。
植毛紙15eは、固定カム環15の先端内径に周方向に長く3ヵ所に設けられ、製品として外観となる1群ユニット1の外面を擦るため、キズなどが発生しないようにクッション性の高い材質から構成されている。クッション性により、たとえカムピン7aがカム溝15aに復帰しても多重篏合によってズーム作動を損ねることもない。
1群ユニット1、2群ユニット2、絞りシャッターユニット6、シフトユニット3、4群ユニット4の沈胴及び光学位置は、固定カム環15のカム溝15aとの合成カムによって決められ、所望の光学位置へ、また、沈胴位置へ進退可能に構成されている。
1群ユニット1、2群ユニット2、絞りシャッターユニット6、4群ユニット4に設けられたカムピンはそれぞれ、各鏡筒モールドと一体的に成形されてもいいし、鏡筒に設けられた穴に金属などの別部材を圧入もしくは接着等により固定してもよい。シフトユニット3のカムピン3aは別部材から構成される。
本実施形態のように5つのレンズユニットによって構成される変倍光学系は変倍率が大きく、各レンズユニットに求められる位置精度の要求が特に高い。そのため各部品には非常に高精度な寸法精度が要求されるが、要求精度によっては第1のレンズ群L1を光軸直交方向に偏芯させるなど、光学的に調節可能な構成としてもよい。
本実施形態においては、トラッキング調整と倒れ調整が行われる。トラッキング調整は、図2〜4の1群鏡筒26を保持するトラッキングリング27を1群ユニット1に対して定位置回転させ、1群ユニット1に設けられた光軸方向の高さが異なる不図示の受け面を選択的に切替えることで行われる。倒れ調整では、トラッキングリング21上で1群ユニットを光軸に対して倒すことで光学性能を得る。1群ユニット1の組立においては、上記光学調整を行い、その後、図2〜4におけるフロントマスク28と化粧リング29を1群ユニット1にビス締めもしくは接着固定される。
図11(a)と(b)は沈胴状態と撮影状態におけるシフトユニット3と4群ユニット4の光軸方向の相対位置関係を示す断面図である。
シフトユニット3において、第3レンズ群L3は可動鏡筒87に保持され、可動鏡筒87に同じく保持されたマグネット81、バックヨーク80と、固定のシフトベース86に保持されたコイル82、アッパーヨーク83によって磁気回路(駆動手段)が形成される。
シフトFPC85(図1)を通じてコイルに通電し、可動鏡筒87および第3レンズ群L3を光軸と垂直な面上で移動させる駆動力を磁気回路によって発生する。この際、可動鏡筒87はシフトベース86上に転動可能に配置された不図示の3つの鋼球に対し、マグネット81とアッパーヨーク83によって発生する吸着力によって押し付けられているため、光軸に垂直な平面上で偏芯動作可能となっている。
上記のような磁気回路は、もう1組用意されており、それによって上記の偏芯動作を実現している。ブレ補正を行う際には、シフトFPC上に実装され、コイル82の内部に固定された磁気検出手段であるところのホール素子84によって偏芯動作による磁気回路の磁束変化を電気変換し、後述の制御によって、所望のブレ補正を行う。
また、可動鏡筒87の中心位置出し(センタリング)は、4群ユニットに設けられた第1の規制部であるところのメカ端4aに突き当てることで行われるが、詳細は以下で述べる。85はシフトプレートであり、前述の吸着力を上回る衝撃を可動鏡筒87が受けた場合、可動鏡筒87が脱落するのを防止する機能を果たす。
図10はレンズ鏡筒を搭載した撮影装置500のブロック図である。本実施形態のレンズユニットに対して、51は被写体の空間周波数の高域成分を除去する為の光学ローパスフィルタである。50はピント面に配置された光学像を電気信号に変換するための撮像素子であるCCD、CCD50から読み出された電気信号aはカメラ信号処理回路52により画像信号bとなる。53はレンズ駆動を制御するマイコン(制御手段)である。
電源投入時、マイコン53はフォーカスリセット回路54およびズームリセット回路55の出力に基づいて、フォーカスモータ駆動回路56およびズームモータ駆動回路57によりそれぞれのモータを回転させて、各レンズ群を光軸方向に移動させる。
フォーカスリセット回路54及びズームリセット回路55の出力は各可動部材が設定位置に到達すると(可動部材に設けられた遮光部材が固定部に設けられたフォトインタラプタの発光部を遮光する。もしくは透過する境界部に来たとき)反転する。その位置を基準として以後、フォーカスはステッピングモータの駆動ステップ数をマイコン53内で計数する。またズームは内蔵のパルス板とフォトインタラプタ(不図示)によるパルス出力をマイコン53で計数する。これらにより、マイコン53は各レンズ群の絶対位置を知ることができ、これにより正確な焦点距離情報が得られる。この一連の動作をズームおよびフォーカスのリセット動作と名づける。
58は絞りシャッターユニット5を駆動する絞り駆動回路であり、マイコン53に取り込まれた映像信号の明るさ情報bに基づいて絞りの開口径の面積が絞りFPC88(図1)を通じて制御される。なお、撮像素子はCMOSでもよい。
59および60は光学装置のPITCH(縦方向の傾き角)およびYAW(横方向の傾き角)角度検出回路であり、角度の検出は例えば撮影装置500に固定された振動ジャイロ等の角速度センサの出力を積分して行われる。
両角度検出回路59、60の出力、すなわち、撮影装置500の傾き角度の情報はマイコン53に取り込まれる。61および62はぶれ補正を行なうために第3レンズ群L3を光軸に対して垂直に移動させるための、PITCH(縦方向)およびYAW(横方向)コイル駆動回路である。
図11のマグネット81、ヨーク80、84を含む磁気回路のギャップにコイル82を配置し、いわゆるムービングマグネットの構成によりシフトユニット3をシフトさせる駆動力を発生させる。
63および64は第3レンズ群L3の光軸に対するシフト量を検出するためのPITCH(縦方向)およびYAW(横方向)位置検出回路であり、マイコン53に取り込まれる。
第3レンズ群L3が光軸に垂直に移動すると、通過光束が曲げられて、CCD50上に結像している被写体の像の位置が移動する。このときの像の移動量を実際に撮影装置500が傾いたことによって像が移動する方向と逆に同じ大きさだけ移動するようにマイコン53で制御することによって撮影装置500が傾いても(ぶれしても)結像している像が動かないブレ補正を実現できる。
マイコン53内では、PITCH角度検出回路59およびYAW角度検出回路60により得られた撮影装置500の傾き信号とPITCH位置検出回路63およびYAW位置検出回路64から得られた第3レンズ群L3のシフト量信号をそれぞれ差し引く。それぞれの差信号を増幅および適当な位相補償を行なった信号でPITCHコイル駆動回路61およびYAWコイル駆動回路62によりそれぞれ第3レンズ群L3を駆動する。
この制御により上記の差信号がより小さくなるように位置決め制御が行なわれ、目標位置に保たれる。本実施形態では第1〜第4レンズ群の相対移動により変倍動作を行っているので第3レンズ群L3のシフト量に対する像の移動量が焦点距離によって変化してしまう。そこで、PITCH角度検出回路59およびYAW角度検出回路60によって得られる撮影装置500の傾き信号でそのまま第3レンズ群L3のシフト量を決定せずに、焦点距離情報により補正を行なう。これにより、撮影装置500の傾きによる像の動きを第3レンズ群L3のシフトによりキャンセルする。
ここで、図11、図13を参照して、シフトユニット3の可動鏡筒87のセンタリング(センター調整)方法について説明する。図13(a)は、可動鏡筒87に設けられたメカ端3dの円形の可動領域を示した模式図である。図13(b)、(c)はホール素子の出力変化図であり、図13(b)のx軸はPITCHの移動量、y軸はホール素子の出力変化を表している。図13(c)のx軸はYAWの移動量、y軸はホール素子の出力変化を表している。
可動鏡筒87のセンター位置出し(光軸合わせ)を行うため、可動領域端のホール素子84の出力値を用いる。このセンター調整は沈胴状態(図2)で行われる。図11(a)に示すように、沈胴状態では、シフトユニット3の可動鏡筒87に設けられたメカ端3bと4群ユニット4に設けられたメカ端(第2の規制部)4aの光軸方向の位置が重なる(ほぼ等しくなる)。即ち、第3レンズ群L3の可動範囲は、メカ端700aによって機械的に規制された第3レンズ群L3の可動領域(第1の可動範囲)700からメカ端4aによって機械的に規制された可動領域(第2の可動範囲)4Aに狭められる。また、図13(b)(c)に示すように、メカ端4aによって機械的に規制された可動領域4Aは、電気的に可動範囲を規制する制御端(電気端)の可動領域(第3の可動範囲)701よりも狭い。
この非撮影状態で、撮像装置500の電源がONされると、可動鏡筒87のセンター調整モードに入る。そして、図13(d)に示すように、可動鏡筒87がPITCH/YAWそれぞれの4方の各メカ端に突き当たる。この時、マイコン53は、図13(a)のメカ端時のホール素子出力値n、mを読み取り、その中点の電位位置を中心位置として算出し、可動鏡筒87のセンターとして設定する。
その後、撮影状態になると、メカ端3bとメカ端4aの光軸方向の位置は重ならなくなり(離れ)、メカ端(第1の規制部)700aによって規制されたより広い可動領域700内で可動鏡筒87は動作可能となる。撮影時に実際に光学防振を行う際には、図13(b)(c)に示すように、可動領域4Aよりも広く可動領域700より狭い、電気端の可動領域701の内部で行われる。
可動領域700を使ってセンター調整を行ってもよいが、可動領域が広くなるほどホール素子出力理想線84aに対し、ホール素子実機線84bに示すようにメカ端付近でホール素子出力の線形性が損なわれる傾向がある。
そこで、本実施形態では、シフトユニット3と隣接する4群ユニット4との沈胴〜撮影状態での相対位置関係の変化を利用し、沈胴状態で可動鏡筒87の可動領域を狭くし、より線形性の高いセンサ出力で高精度なセンター調整を行っている。なお、補正光学系の(光軸からの)位置と検出手段の出力との関係は検出手段の出力が安定していれば直線に限られず曲線などでもよい。
本実施形態は、可動鏡筒87のセンター調整を行うメカ端を第3レンズ群L3の光路に沿って隣の第4レンズ群L4を支持する4群ユニット4に設けているが、撮像素子を含むその他の光学要素を保持する移動群、固定部品を利用してもよい。また、メカカムの設計条件や防振性能によっては、所定の撮影時に、メカ端3bとメカ端4aがオーバーラップしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
レンズ鏡筒は撮像装置(光学機器)に適用することができる。
L3…第3レンズ群(補正光学系)、L4…第4レンズ群(光学要素)、3…シフトユニット、4…4群ユニット(支持部材)、4a…メカ端(第2の規制部)、4A…可動領域(第2の可動範囲)、53…マイコン(制御手段)、84…ホール素子(検出手段)、700…可動領域(第1の可動範囲)、700a…メカ端(第1の規制部)、

Claims (8)

  1. 光学防振を行う際に移動される補正光学系と、前記補正光学系が移動する範囲を第1の可動範囲に機械的に規制する第1の規制部と、を有するユニットと、
    前記補正光学系の位置を検出する検出手段と、
    前記補正光学系とは異なる光学要素を支持する支持部材と、
    前記支持部材に設けられ、前記補正光学系の可動範囲を前記第1の可動範囲よりも狭い第2の可動範囲に機械的に規制する第2の規制部と、
    非撮影状態に前記第2の規制部を使用して前記補正光学系のセンター調整を行う制御手段と、
    を有することを特徴とする光学機器。
  2. 前記制御手段は、撮影時に光学防振を行う際に前記補正光学系を前記第1の可動範囲よりも狭い、電気的に規制された第3の可動範囲で移動させ、
    前記第2の可動範囲は前記第3の可動範囲よりも狭いことを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
  3. 前記検出手段は、前記第2の可動範囲においては前記補正光学系の移動に対して線形の出力を与えることを特徴とする請求項1または2に記載の光学機器。
  4. 前記光学機器は前記非撮影状態で沈胴し、前記第1の規制部と前記第2の規制部との前記補正光学系の光軸方向の位置がほぼ等しくなり、前記補正光学系の可動範囲は前記第2の規制部によって規制され、撮影状態では前記第1の規制部と前記第2の規制部との前記補正光学系の光軸方向の位置が離れ、前記補正光学系の可動範囲は前記第1の規制部によって規制されることを特徴とする請求項1乃至3の1項に記載の光学機器。
  5. 光学防振を行う際に移動される補正光学系と、
    前記補正光学系とは異なる光学要素を支持する支持部材と、
    前記支持部材に設けられ、前記補正光学系の可動範囲を機械的に規制する規制部と、
    前記補正光学系の位置を検出し、前記規制部によって規制された可動範囲においては前記補正光学系の移動に対して線形の出力を与える検出手段と、
    非撮影状態に前記規制部を使用して前記補正光学系のセンター調整を行う制御手段と、
    を有することを特徴とする光学機器。
  6. 前記検出手段はホール素子を有する磁気検出手段であることを特徴とする請求項1乃至5の1項に記載の光学機器。
  7. 前記光学要素は、光路に沿って前記補正光学系の隣の光学系であることを特徴とする請求項1乃至6の1項に記載の光学機器。
  8. 前記光学要素は、光学像を光電変換する撮像素子であることを特徴とする請求項1乃至6の1項に記載の光学機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10404920B2 (en) 2016-09-06 2019-09-03 Canon Kabushiki Kaisha Image stabilization apparatus, lens barrel, and imaging apparatus

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