JP2012234025A - 光電気混載基板およびその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光導波路ユニットのコアと電気回路ユニットの光学素子との調芯精度に優れ、かつ、量産性に優れている光電気混載基板およびその製法を提供する。
【解決手段】光導波路ユニットWは、先端のコネクタCに位置決めピン嵌合用の孔部6を備え、その孔部6は、コア2の一端面2aに対して所定位置に位置決め形成されている。電気回路ユニットEは、位置決めピン嵌合用の貫通孔16を備え、その貫通孔16は、同一のフォトマスクを利用して光学素子実装用の電極パッド13と枠状配線14とを形成し、その枠状配線14の中空部を目印として形成されており、上記電極パッド13に実装された光学素子10に対して所定位置に位置決め形成されている。そして、位置決めピンPを、光導波路ユニットWの孔部6に嵌合させるとともに、電気回路ユニットEの貫通孔16に嵌通させた状態で、光導波路ユニットWと電気回路ユニットEとが結合している。
【選択図】図1

Description

本発明は、光導波路ユニットと、光学素子が実装された電気回路ユニットとを備えた光電気混載基板およびその製法に関するものである。
最近の電子機器等では、伝送情報量の増加に伴い、電気配線に加えて、光配線が採用されている。すなわち、電気配線が形成された電気回路基板に、電気信号を光信号に変換する発光素子や光信号を電気信号に変換する受光素子等の光学素子が実装された電気回路ユニットと、上記光信号を伝送する光配線として光導波路が形成された光導波路ユニットとを備えた光電気混載基板が、上記電子機器等に組み込まれている。
上記光電気混載基板では、上記発光素子から発光された光を、上記光導波路ユニットのコア(光配線)の一端面(光入口)に入射させ、また、上記コアの他端面(光出口)から出射した光を、上記受光素子に受光させる必要がある。そのため、上記光学素子(発光素子,受光素子)とコアとを調芯する必要がある。
そこで、上記光学素子とコアとの調芯方法が、従来より提案されている。その一例として、位置決め用の孔部が形成されたコネクタを光導波路の端部に取り付けてなる光導波路ユニットを作製し、上記孔部に対応する位置決め用の孔部を電気回路ユニットに形成し、上記光導波路ユニットのコネクタの孔部と、光学素子が実装された上記電気回路ユニットの孔部とに、位置決め用のピンを嵌合することにより、光学素子と光導波路ユニットのコアとを自動的に調芯する方法がある(特許文献1参照)。
特開2003−131080号公報
しかしながら、上記特許文献1の調芯方法では、孔部とピンとの嵌合という簡単な方法で位置合わせが可能であるものの、上記孔部の形成が、一般的なエッチング,レーザ,ドリル等によるものであり、寸法精度や量産性に欠ける。すなわち、例えば、ウエットエッチングでは、基板上にレジスト層を形成した後、露光・現像を行うことにより、エッチング部と非エッチング部とのパターニングを行うが、露光時のフォトマスクのアライメント公差により孔部の位置ずれが発生したり、液浸法であるためにエッチング量の精密な制御が難しく、孔部の直径にばらつきが発生したりする。このように孔部の寸法精度が悪いと、調芯精度が悪化する。また、レーザ,ドリル等の物理的加工では、1点1点加工する必要があるため、加工精度にばらつきが発生するだけでなく、量産性に欠ける。しかも、ドライエッチングでは、上記レーザやドリル以上に量産性に欠ける。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、光導波路ユニットのコアと電気回路ユニットの光学素子との調芯精度に優れ、かつ、量産性に優れている光電気混載基板およびその製法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、光導波路の端部にコネクタが取り付けられた光導波路ユニットと、光学素子が実装された電気回路ユニットとを、上記コネクタを介して結合させてなる光電気混載基板であって、上記光導波路ユニットのコネクタが、先端面に位置決め用の、孔部および突部のいずれか一方を備え、上記電気回路ユニットが、基板と、同一のフォトマスクを利用して上記基板上に形成された、光学素子実装用の電極パッドおよび枠状配線と、この枠状配線の中空部に対応する上記基板の部分に形成された貫通孔と、上記電極パッドに実装された光学素子とを備え、上記光導波路ユニットの上記位置決め用の、孔部および突部のいずれか一方が、上記光導波路の光路用のコアの端面に対して所定位置に位置決め形成され、上記電気回路ユニットの上記貫通孔が、上記電極パッドに対して所定位置に位置決め形成され、上記光導波路ユニットと上記電気回路ユニットとの結合が、下記の(A)または(B)の状態でなされている光電気混載基板を第1の要旨とする。
(A)上記光導波路ユニットの位置決め用の孔部と、上記電気回路ユニットの上記貫通孔とに、位置決めピンを嵌合させた状態。
(B)上記光導波路ユニットの位置決め用の突部を、上記電気回路ユニットの上記貫通孔に嵌合させた状態。
また、本発明は、光導波路の端部にコネクタが取り付けられた光導波路ユニットと、光学素子が実装された電気回路ユニットとを、上記コネクタを介して結合させる上記光電気混載基板の製法であって、上記光導波路ユニットの作製が、光導波路を準備する工程と、この光導波路の端部に取り付けた状態において、その先端面の、上記光導波路の光路用のコアの端面に対して位置決めされた所定位置に、位置決め用の、孔部および突部のいずれか一方が形成されたコネクタを準備する工程と、このコネクタを光導波路の端部に取り付ける工程とを備え、上記電気回路ユニットの作製が、基板を形成する工程と、この基板上に、同一のフォトマスクを利用して、光学素子実装用の電極パッドおよびその電極パッドに対して位置決めされた所定位置に枠状配線を形成する工程と、その枠状配線の中空部に対応する上記基板の部分をエッチングにより貫通孔に形成する工程とを備え、上記光導波路ユニットと上記電気回路ユニットとを結合させ光電気混載基板にすることが、下記の(C)または(D)の方法により行われる光電気混載基板の製法を第2の要旨とする。
(C)上記光導波路ユニットの位置決め用の孔部と、上記電気回路ユニットの上記貫通孔とに、位置決めピンを嵌合させる方法。
(D)上記光導波路ユニットの位置決め用の突部を、上記電気回路ユニットの上記貫通孔に嵌合させる方法。
なお、本発明において、光導波路は、光ファイバを含む意味である。
本発明の光電気混載基板は、光導波路の端部にコネクタが取り付けられた光導波路ユニットと、光学素子が実装された電気回路ユニットとを、上記コネクタの先端面の位置決め用の孔部または突部を利用して、位置決めした状態で結合させたものとなっている。
すなわち、上記コネクタとして、先端面に位置決め用の孔部を備えているものを用いる場合〔上記(A)参照〕、本発明の光電気混載基板は、上記光導波路ユニットと、上記電気回路ユニットとが、位置決めピンにより結合されている。そして、上記光導波路ユニットでは、コアの端面と、上記コネクタの先端面に形成された位置決めピン嵌合用の孔部とが、互いに位置決めされた位置関係になっている。また、上記電気回路ユニットでは、光学素子実装用の電極パッドと、位置決めピン嵌合用の貫通孔とが、互いに位置決めされた位置関係になっている。そのため、上記位置決めピンを、上記光導波路ユニットのコネクタの上記孔部に嵌合させるとともに、上記電気回路ユニットの上記貫通孔に嵌合させた状態、すなわち、光導波路ユニットと電気回路ユニットとが結合した状態では、光導波路ユニットのコアと、電気回路ユニットの上記電極パッドに実装された光学素子とが、自動的に調芯された状態になる。しかも、上記電気回路ユニットの上記貫通孔は、光学素子実装用の電極パッドの形成に利用したフォトマスクと同一のものを利用して形成された枠状配線の中空部に対応するものであるため、上記電極パッドと上記枠状配線(位置決めピン嵌合用の貫通孔)との位置関係にずれがない。このため、光導波路ユニットのコアと電気回路ユニットの上記電極パッドに実装された光学素子との上記調芯を、高精度にすることができる。このように、本発明の光電気混載基板は、上記位置決めピンを、上記光導波路ユニットのコネクタの上記孔部に嵌合させるとともに、上記電気回路ユニットの上記貫通孔に嵌合させるという簡単な作業により、コアと光学素子とが自動的に高精度に調芯される構造となっていることから、手間と時間とを要する調芯作業が不要になり、量産性に優れている。
一方、上記コネクタとして、先端面に位置決め用の突部を備えているものを用いる場合〔上記(B)参照〕、その突部は、コアの端面に対して所定位置に位置決め形成されている。そして、本発明の光電気混載基板は、上記突部が、上記電気回路ユニットの枠状配線の中空部に対応する貫通孔に嵌合することにより、光導波路ユニットと電気回路ユニットとが結合している。そのため、この場合〔上記(B)の場合〕も、上記の場合〔上記(A)の場合〕と同様、本発明の光電気混載基板は、光導波路ユニットのコアと電気回路ユニットの光学素子との調芯が高精度になっており、また、量産性に優れている。
特に、上記電気回路ユニットの基板が、ステンレス層と、このステンレス層の表面に形成された絶縁層とからなり、その絶縁層の表面に、上記電極パッドおよび枠状配線が形成されている場合には、上記ステンレス層が、熱に対する伸縮耐性に優れていることから、本発明の光電気混載基板を製造する過程において、様々な寸法の精度を高くすることができる。そのため、本発明の光電気混載基板は、上記調芯がより高精度になっている。
また、本発明の光電気混載基板の製法では、光導波路の端部にコネクタが取り付けられた光導波路ユニットと、光学素子が実装された電気回路ユニットとを、上記コネクタの先端面の位置決め用の孔部または突部を利用して、位置決めした状態で結合させることにより行われる。
すなわち、上記コネクタとして、先端面に位置決め用の孔部を備えているものを用いる場合〔上記(C)参照〕、本発明の光電気混載基板の製法では、上記光導波路ユニットと、上記電気回路ユニットとを、位置決めピンにより結合させることにより行われる。そして、上記光導波路ユニットの作製では、コアの端面と、上記コネクタの先端面に形成された位置決めピン嵌合用の孔部とが、互いに位置決めされた位置関係に形成される。また、上記電気回路ユニットを作製する工程では、光学素子実装用の電極パッドに対して位置決めされた所定位置に、位置決めピン嵌合用の貫通孔が形成される。そのため、上記位置決めピンを、上記光導波路ユニットのコネクタの上記孔部に嵌合させるとともに、上記電気回路ユニットの上記貫通孔に嵌合させ、上記光導波路ユニットと上記電気回路ユニットとを結合させると、光導波路ユニットのコアと、電気回路ユニットの上記電極パッドに実装された光学素子とを、自動的に調芯することができ、調芯を容易に行うことができる。しかも、上記電気回路ユニットの上記貫通孔は、光学素子実装用の電極パッドの形成に利用したフォトマスクと同一のものを利用して形成された枠状配線の中空部に対応して形成されているため、上記電極パッドと上記枠状配線(位置決めピン嵌合用の貫通孔)との位置関係にずれがない。このため、光導波路ユニットのコアと電気回路ユニットの上記電極パッドに実装された光学素子との上記調芯が、高精度になる。このように、本発明の光電気混載基板の製法は、上記位置決めピンを、上記光導波路ユニットのコネクタの上記孔部に嵌合させるとともに、上記電気回路ユニットの上記貫通孔に嵌合させるという簡単な作業により、コアと光学素子とが自動的に高精度に調芯されることから、手間と時間とを要する調芯作業が不要であるため、量産性に優れている。
一方、上記コネクタとして、先端面に位置決め用の突部を備えているものを準備する場合〔上記(D)参照〕、その突部は、コアの端面に対して所定位置に位置決め形成されている。そして、本発明の光電気混載基板の製法は、上記突部を、上記電気回路ユニットの枠状配線の中空部に対応する貫通孔に嵌合させることにより、光導波路ユニットと電気回路ユニットとを結合させる。そのため、この場合〔上記(D)の場合〕も、上記の場合〔上記(C)の場合〕と同様、本発明の光電気混載基板の製法は、光導波路ユニットのコアと電気回路ユニットの光学素子との調芯を高精度にすることができ、また、量産性に優れている。
特に、上記電気回路ユニットの基板が、ステンレス層と、このステンレス層の表面に形成された絶縁層とからなり、その絶縁層の表面に、上記電極パッドおよび枠状配線を形成する場合には、上記ステンレス層が、熱に対する伸縮耐性に優れていることから、本発明の光電気混載基板の製法において、様々な寸法の精度を高くすることができる。そのため、本発明の光電気混載基板の製法は、上記調芯をより高精度にすることができる。
本発明の光電気混載基板の一実施の形態を模式的に示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 上記光電気混載基板の分解断面図である。 上記光電気混載基板を構成する光導波路ユニットの光導波路を模式的に示し、(a)はその縦断面図であり、(b)はその横断面図である。 上記光電気混載基板を構成する光導波路ユニットのコネクタを模式的に示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のB−B断面図である。 上記光電気混載基板を構成する電気回路ユニットを模式的に示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のC−C断面図である。 (a)〜(e)は、上記光電気混載基板の製法における光導波路ユニットの作製工程を模式的に示す説明図である。 (a)〜(g)は、上記光電気混載基板の製法における電気回路ユニットの作製工程を模式的に示す説明図である。 本発明の光電気混載基板の他の実施の形態を模式的に示し、(a)はその平面図であり、(b)は(a)のD−D断面図である。 本発明の光電気混載基板のさらに他の実施の形態を模式的に示す縦断面図である。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
図1(a)は、本発明の光電気混載基板の一実施の形態を模式的に示す平面図であり、図1(b)は、そのA−A断面図であり、図2は、その分解断面図である。この光電気混載基板は、位置決めピン嵌合用の孔部6を先端面に有するコネクタCが光導波路Gの端部に取り付けられてなる光導波路ユニットWと、位置決めピン嵌合用の貫通孔16を有する電気回路ユニットEと、位置決めピンPとを、個別に作製し、上記位置決めピンPを、上記光導波路ユニットWのコネクタCの上記孔部6に嵌合させるとともに上記電気回路ユニットEの上記貫通孔16に嵌合させることにより、上記光導波路ユニットWと上記電気回路ユニットEとを結合して一体化している。ここで、光導波路ユニットWにおいて、上記孔部6は、コア2の一端面(光透過面)2aに対して所定位置(両ユニットW,Eの結合時に光導波路ユニットWのコア2の一端面2aが電気回路ユニットEの光学素子10と光伝達可能となるよう予め設定された位置)に位置決め形成されている。また、上記電気回路ユニットEにおいて、上記貫通孔16は、同一のフォトマスクM〔図7(b)参照〕を利用して光学素子実装用の電極パッド13と枠状配線14とを形成し、その枠状配線14の中空部を目印として形成されている。これにより、上記貫通孔16は、上記電極パッド13に実装された光学素子10に対して所定位置(両ユニットW,Eの結合時に電気回路ユニットEの光学素子10が光導波路ユニットWのコア2の一端面2aと光伝達可能となるよう予め設定された位置)に位置決め形成されている。このため、上記光電気混載基板では、上記位置決めピンPを、上記光導波路ユニットWの上記孔部6に嵌合させるとともに上記電気回路ユニットEの上記貫通孔16に嵌合させることにより、コア2の一端面2aと光学素子10とが、自動的に、適正に位置決めされ、調芯された状態になっている。なお、図1(b)において、一点鎖線Lは、光路を示しており、上記調芯により、光伝達が損失なくなされていることを示している。
より詳しく説明すると、上記光導波路ユニットWの光導波路Gは、その縦断面図を図3(a)に、その横断面図を図3(b)に示すように、アンダークラッド層1と、このアンダークラッド層1の表面に所定パターンの線状に形成された光路用のコア2と、このコア2を被覆した状態で上記アンダークラッド層1の表面に形成されたオーバークラッド層3とを備えている。
また、上記光導波路ユニットWのコネクタCは、その平面図を図4(a)に、そのB−B断面図を図4(b)に示すように、略四角柱状になっており、その中央部に、上記光導波路Gの先端部を位置決め固定する貫通孔5が四角柱状に形成され、その両側に、上記位置決めピン嵌合用の孔部6が円柱状に形成されている。このようなコネクタCは、樹脂を形成材料として型成形により作製してもよいし、金属加工により作製してもよいし、上記光導波路固定用の貫通孔5および位置決めピン嵌合用の孔部6の配置および大きさが規格された市販品(PMTコネクタ等)を用いてもよい。
一方、上記電気回路ユニットEは、その平面図を図5(a)に、そのC−C断面図を図5(b)に示すように、基材層11と絶縁層12とが積層されてなる基板と、その絶縁層12の表面に形成された光学素子実装用の電極パッド13を含む電気回路(図示せず)と、その電極パッド13に対して所定位置に位置決め形成された円環状の枠状配線14と、この枠状配線14の円柱状の中空部に対応する上記基板の部分に形成された位置決めピン嵌合用の円柱状の貫通孔16と、上記電極パッド13に実装された光学素子10と、この光学素子10の光路に対応する上記基板の部分に形成された光路用の貫通孔15とを備えている。そして、上記枠状配線14の中空部およびそれに対応する上記位置決めピン嵌合用の貫通孔16は、上記コネクタCの位置決めピン嵌合用の孔部6〔図4(a),(b)参照〕に対応する配置および大きさに形成されている。このように、電気回路ユニットEにおいて、上記枠状配線14を、光学素子実装用の電極パッド13に対して所定位置に位置決め形成し、その枠状配線14の中空部を目印として、上記基板に上記位置決めピン嵌合用の貫通孔16を形成することが、本発明の大きな特徴である。
なお、上記光学素子10は、この実施の形態では、フリップチップタイプの素子が用いられており、その発光部または受光部は、光学素子10の実装側の面〔図5(b)では下面〕に形成されている。
さらに、上記位置決めピンPは、図1(a),(b)および図2に示すように、この実施の形態では、円柱状に形成されており、その外径は、上記光導波路ユニットWの孔部6および上記電気回路ユニットEの貫通孔16の内径と同値である。また、上記位置決めピンPの形成材料としては、例えば、樹脂,金属等があげられる。
そして、上記光電気混載基板は、図1(a),(b)に示すように、上記位置決めピンPが、上記光導波路ユニットWのコネクタCの上記孔部6に嵌合されているとともに、上記電気回路ユニットEの上記貫通孔16に嵌合されている状態で、光導波路ユニットWと電気回路ユニットEとが結合され一体化されている。ここで、先に述べたように、光導波路ユニットWのコネクタCに形成された上記孔部6は、予め、コア2の一端面2aに対して所定位置に位置決め形成されている。また、電気回路ユニットEに形成された貫通孔16は、予め、光学素子10に対して所定位置に位置決め形成されている。そのため、上記位置決めピンPの、上記孔部6への嵌合および上記貫通孔16への嵌合により、上記孔部6と貫通孔16とが同軸的に位置決めされ、それにより、コア2の一端面2aと光学素子10とは、適正に位置決めされ、自動的に調芯された状態になる。
上記光電気混載基板は、下記の(1)〜(3)の工程を経て製造される。
(1)上記光導波路ユニットWを作製する工程〔図6(a)〜(e)参照〕。
(2)上記電気回路ユニットEを作製する工程〔図7(a)〜(g)参照〕。
(3)上記光導波路ユニットWと上記電気回路ユニットEとを位置決めピンPにより結合する工程(図2参照)。
〔(1)光導波路ユニットWの作製工程〕
上記(1)の光導波路ユニットWの作製工程について説明する。まず、上記コネクタCを、作製または準備する。すなわち、先に述べたように、樹脂を形成材料として型成形によりコネクタCを作製するか、金属加工によりコネクタCを作製するか、または市販の規格品(PMTコネクタ等)を購入する等する。
つぎに、光導波路Gの作製工程について説明する。まず、アンダークラッド層1を形成する際に用いる平板状の基台20〔図6(a)参照〕を準備する。この基台20の形成材料としては、例えば、ガラス,石英,シリコン,樹脂,金属等があげられる。なかでも、ステンレス製基板が好ましい。ステンレス製基板は、熱に対する伸縮耐性に優れ、上記光電気混載基板の製造過程において、様々な寸法が設計値に略維持されるからである。また、基台20の厚みは、例えば、20μm〜1mmの範囲内に設定される。
ついで、図6(a)に横断面図で示すように、上記基台20の表面の所定領域に、フォトリソグラフィ法により、アンダークラッド層1を形成する。このアンダークラッド層1の形成材料としては、感光性エポキシ樹脂等の感光性樹脂が用いられる。アンダークラッド層1の厚みは、例えば、5〜50μmの範囲内に設定される。
つぎに、図6(b)に横断面図で示すように、上記アンダークラッド層1の表面に、フォトリソグラフィ法により、所定パターンのコア2を形成する。このコア2の形成材料としては、例えば、上記アンダークラッド層1と同様の感光性樹脂があげられ、上記アンダークラッド層1およびオーバークラッド層3〔図6(c)参照〕の形成材料よりも屈折率が大きい材料が用いられる。この屈折率の調整は、例えば、上記アンダークラッド層1,コア2,オーバークラッド層3の各形成材料の種類の選択や組成比率を調整して行うことができる。コアの数は、1本でも複数本でもよい〔図6(b)では1本〕。コア2のパターンは、例えば、直線状,分岐状,交差状等があげられ、それらが混在していてもよい〔図6(b)では直線状〕。コア2の厚みは、例えば、20〜100μmの範囲内に設定される。コア2の幅は、例えば、20〜100μmの範囲内に設定される。
そして、図6(c)に横断面図で示すように、上記コア2を被覆するよう、上記アンダークラッド層1の表面に、上記コア2を基準としたフォトリソグラフィ法により、オーバークラッド層3を形成する。このオーバークラッド層3の形成材料としては、例えば、上記アンダークラッド層1と同様の感光性樹脂があげられる。上記オーバークラッド層3の厚み(アンダークラッド層1の表面からの厚み)は、例えば、コア2の厚みを上回り1000μm以下の範囲内に設定される。
ついで、図6(d)に横断面図で示すように、上記アンダークラッド層1を基台20〔図6(c)参照〕から剥離する。これにより、光導波路Gを得る。この光導波路Gの厚みは、例えば、30〜1150μmの範囲内に設定される。
この光導波路Gの作製において、アンダークラッド層1およびオーバークラッド層3の形成を、上記のようにフォトリソグラフィ法により行うことにより、前記コネクタC〔図6(e)参照〕に形成された光導波路固定用の貫通孔5の大きさに対応した光導波路Gを、寸法精度よく作製することができる。しかも、その光導波路Gを、上記のように、基台20から剥離することにより得ることができ、寸法精度が不安定な切断工程を不要とすることができる。
そして、図6(e)に縦断面図で示すように、上記コネクタCに形成された光導波路固定用の貫通孔5に、上記光導波路Gの先端部を挿入して固定し、光導波路ユニットWを得る。ここで、コア2の一端面2aと上記コネクタCに形成された位置決めピン嵌合用の孔部6とは、互いに位置決めされた位置関係になっている。このようにして、上記(1)の光導波路ユニットWの作製工程が完了する。
〔(2)電気回路ユニットEの作製工程〕
つぎに、上記(2)の電気回路ユニットEの作製工程について説明する。まず、前記基材層11〔図7(a)参照〕を準備する。この基材層11の形成材料としては、例えば、金属等があげられる。なかでも、加工容易性および寸法安定性の観点から、ステンレスが好ましい。また、上記基材層11の厚みは、例えば、0.02〜0.1mmの範囲内に設定される。
ついで、図7(a)に縦断面図で示すように、上記基材層11の表面の所定領域に、絶縁層12を形成する。この絶縁層12の形成は、例えば、感光性ポリイミド樹脂等の、絶縁層形成用の感光性樹脂が溶媒に溶解しているワニスを塗布した後、必要に応じて、それを加熱処理して乾燥させ、絶縁層形成用の感光性樹脂層を形成する。そして、その感光性樹脂層を、フォトマスクを介して紫外線等の照射線により露光することにより、所定形状の絶縁層12に形成する。絶縁層12の厚みは、例えば、5〜15μmの範囲内に設定される。
つぎに、上記絶縁層12の表面に、スパッタリングまたは無電解めっき等により金属層(図示せず)を形成する(厚み60〜260nm程度)。この金属層は、後の電解めっきを行う際のシード層(電解めっき層形成の素地となる層)となる。
そして、図7(b)に縦断面図で示すように、上記シード層の表面に、感光性レジスト30をラミネートした後、その感光性レジスト30に、1枚のフォトマスクMを用いたフォトリソグラフィ法により、上記光学素子実装用の電極パッド13を含む電気回路,枠状配線14のパターンの孔部31を同時に形成し、その孔部31の底に上記シード層の表面部分を露呈させる。
ついで、図7(c)に縦断面図で示すように、電解めっきにより、上記孔部31の底に露呈した上記シード層の表面部分に、電解めっき層40を積層形成する(厚み5〜20μm程度)。
そして、図7(d)に縦断面図で示すように、上記感光性レジスト30を水酸化ナトリウム水溶液等により剥離する。その後、上記電解めっき層40が形成されていないシード層部分をソフトエッチングにより除去し、残存した電解めっき層40とその下のシード層とからなる積層部分を上記電気回路,枠状配線14に形成する。これにより(セミアディティブ法により)、上記絶縁層12の表面に、光学素子実装用の電極パッド13を含む電気回路(図示せず)と、枠状配線14とを、同時に形成する。このようにして、上記基材層11,絶縁層12、光学素子実装用の電極パッド13を含む電気回路,および枠状配線14からなる電気回路基板を得る。
そして、その電気回路基板を露光機にセットし、表面側(電気回路側)と裏面側(基材層11側)とをカメラで撮影し、その画像を基に、上記表面側の枠状配線14の中空部を目印として、位置決めピン嵌合用の貫通孔形成予定部の裏面側の位置を適正に位置決めするとともに、上記光学素子実装用の電極パッド13を目印として、光路用の貫通孔形成予定部の裏面側の位置を適正に位置決めする。ついで、その裏面側のうち、上記2種類の貫通孔形成予定部を除く部分を、ドライフィルムレジスト(図示せず)で覆う。つぎに、図7(e)に縦断面図で示すように、露呈している上記2種類の貫通孔形成予定部の基材層11の部分を、塩化第2鉄水溶液を用いてエッチングすることにより除去する。これにより、その除去部分11a,11bから上記絶縁層12の部分が露呈する。
ついで、図7(f)に縦断面図で示すように、上記露呈した絶縁層12の部分を、ケミカルエッチング液を用いてエッチングすることにより除去する。これにより、上記2種類の貫通孔形成予定部を、それぞれ位置決めピン嵌合用の貫通孔16,光路用の貫通孔15に形成する。上記貫通孔16は、上記セミアディティブ法により光学素子実装用の電極パッド13と同時に形成した枠状基板の中空部を目印に形成されているため、上記貫通孔16は、上記光学素子実装用の電極パッド13に対して所定位置に位置決め形成される。上記位置決めピン嵌合用の貫通孔16は、上記光導波路ユニットWのコネクタCの位置決めピン嵌合用の孔部6(図1参照)に対応する配置および大きさに設定される。このようにして、上記枠状配線14を、光学素子実装用の電極パッド13に対して所定位置に位置決め形成し、その枠状配線14の中空部を目印として、上記位置決めピン嵌合用の貫通孔16を形成することが、先に述べたように、本発明の大きな特徴である。
つぎに、必要に応じて、電解めっき処理を施すことにより、上記光学素子実装用の電極パッド13を含む電気回路,および枠状配線14の表面に、めっき層を形成する。そのめっき層の成分としては、金,ニッケル等があげられる。また、そのめっき層の厚みは、通常、0.2〜0.5μmの範囲内に設定される。その後、上記ドライフィルムレジストを水酸化ナトリウム水溶液等により剥離する。
そして、図7(g)に縦断面図で示すように、光学素子実装用の電極パッド13の表面に、上記光学素子10を実装する。その後、必要に応じて、上記光学素子10およびその周辺部を、樹脂封止(図示せず)する。これにより、上記位置決めピン嵌合用の貫通孔16を有する電気回路ユニットEを得る。ここで、先に述べたように、図7(f)の工程で形成された貫通孔16が、上記光学素子実装用の電極パッド13に対して所定位置に位置決め形成されているため、その光学素子実装用の電極パッド13に実装した光学素子10と上記貫通孔16とは、互いに位置決めされた位置関係になっている。このようにして、上記(2)の電気回路ユニットEの作製工程が完了する。
〔(3)光導波路ユニットWと電気回路ユニットEとの結合工程〕
つぎに、光導波路ユニットWと電気回路ユニットEとの結合工程について説明する。この結合は、図2に示すように、前記位置決めピンPを予め作製しておき、その位置決めピンPを、上記光導波路ユニットWのコネクタCの上記孔部6に嵌合させるとともに、上記電気回路ユニットEの上記貫通孔16に嵌合させ、上記光導波路ユニットWと上記電気回路ユニットEとを一体化する。その後、必要に応じて、上記光導波路ユニットWと上記電気回路ユニットEとを接着剤等により固定してもよい。このようにして、上記(3)の光導波路ユニットWと電気回路ユニットEとの結合工程が完了し、目的とする光電気混載基板が完成する。
ここで、先に述べたように、上記光導波路ユニットWでは、コア2の一端面2aと位置決めピン嵌合用の孔部6とが互いに位置決めされた位置関係になっている。また、上記光学素子10が実装された電気回路ユニットEでは、光学素子10と位置決めピン嵌合用の貫通孔16とが互いに位置決めされた位置関係になっている。そのため、上記のように、上記位置決めピンPを上記貫通孔16に嵌合させるとともに上記孔部6に嵌合させて、上記光電気混載基板を作製すると、コア2の一端面2aと光学素子10とが、自動的に調芯される。その結果、上記光電気混載基板の作製には、手間と時間とを要する調芯作業が不要となる。すなわち、上記光電気混載基板は、量産性に優れたものとなっている。
なお、この実施の形態では、位置決めピンPを円柱状とし、その位置決めピンPを2本用いたが、位置決めピンPを三角柱状,四角柱状等の多角柱状とし、それに対応して、コネクタCの孔部6および電気回路ユニットEの貫通孔16の開口形状も多角形状としてもよい。このようにすると、光導波路ユニットWおよび電気回路ユニットEは、位置決めピンPに対し、その位置決めピンPを軸として回動しなくなるため、位置決めピンPを1本とすることができる。
図8(a)は、本発明の光電気混載基板の他の実施の形態を模式的に示す平面図であり、図8(b)は、そのD−D断面図である。この実施の形態では、光導波路ユニットWのコネクタCの片面の四隅に、位置決め用の突部7が円錐台状に形成されている。そして、電気回路ユニットEには、上記突部7に対応して、その突部7が嵌合する円柱状の貫通孔16が4個形成されている。それ以外の部分は、図1(a),(b)に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には、同じ符号を付している。そして、その実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
さらに、この実施の形態では、コネクタCの上記突部7が円錐台状に形成されているため、その突部7の外径やその突部7が嵌合する貫通孔16の内径に寸法収縮等が発生しても、上記突部7と貫通孔16とは、同軸的に嵌合し、その軸に直角な平面方向の、光導波路ユニットWと電気回路ユニットEとの位置ずれが防止される。
なお、この実施の形態では、コネクタCに突部7を4個形成したが、3個以下でもよい。特に、上記突部7を三角柱状,四角柱状等の多角柱状、または三角錐台状,四角錐台状等の多角錘台状等の断面多角形状のものとし、それに対応して、電気回路ユニットEの貫通孔16の開口形状も多角形状とすると、光導波路ユニットWおよび電気回路ユニットEは、上記突部7に対し、その突部7を軸として回動しなくなるため、突部7を1本とすることができる。
そして、上記各実施の形態では、光学素子10として、フリップチップタイプの素子を用いたが、ワイヤーボンディングタイプの素子を用いてもよい。このワイヤーボンディングタイプの素子を用いる場合は、発光部または受光部が、光学素子10の表面(上面)に形成されているため、図9に示すように、光導波路ユニットWは、光学素子10が実装されている側から電気回路ユニットEに嵌合される。なお、図9において、一点鎖線Lは、光路を示しており、上記調芯により、光伝達が損失なくなされていることを示している。また、この場合、光路が基板側と反対側になるため、その基板に、光路用の貫通孔15〔図1(b)参照〕は、形成されない。
また、上記各実施の形態では、光電気混載基板の一端部について説明したが、他端部においても、上記各実施の形態と同様の構成としてもよい。この場合は、上記光学素子10として、例えば、一端部側に発光素子、他端部側に受光素子を実装することにより、その発光素子からの光を、コア2を介して、上記受光素子で受光するようにすることができる。
さらに、上記各実施の形態では、電気回路ユニットEの枠状配線14の枠状形状は、完全に連続しているが、その中空部に孔部形状が認識されれば、断続的であってもよい。
また、上記各実施の形態では、電気回路ユニットEの電極パッド13および枠状配線14を形成する際の電解めっきを、同一材料で同時に行ったが、その電解めっきにより形成される電解めっき層40の位置は、感光性レジストに対する1枚のフォトマスクMを用いたフォトリソグラフィ法により、既に位置決めされているため、上記電極パッド13と枠状配線14とは、別の材料で時間をずらして形成してもよい。
つぎに、実施例について説明する。但し、本発明は、実施例に限定されるわけではない。
〔アンダークラッド層,オーバークラッド層の形成材料〕
成分A(固形エポキシ樹脂):芳香環骨格を含むエポキシ樹脂(三菱化学社製、エピコート1002)70重量部。
成分B(固形エポキシ樹脂):脂環骨格を含むエポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製、EHPE3150)30重量部。
成分C(光酸発生剤):トリアリールスルホチニウム塩の50%プロピオンカーボネイト溶液(サンアプロ社製、CPI−200K)2重量部。
これら成分A〜Cを乳酸エチル(武蔵野化学研究所社製)55重量部に撹拌溶解(温度80℃、撹拌250rpm×3時間)させ、アンダークラッド層およびオーバークラッド層の形成材料(感光性樹脂組成物)を調製した。この感光性樹脂組成物の粘度は、デジタル粘度計(ブルックフィールド社製、HBDV−I+CP)で測定すると、1320mPa・sであった。
〔コアの形成材料〕
成分D:O−クレゾールノボラックグリシジルエーテル(新日鐡化学社製、YDCN−700−10)100重量部。
この成分Dと上記成分C1重量部とを乳酸エチル(武蔵野化学研究所社製)60重量部に撹拌溶解(温度80℃、撹拌250rpm×3時間)させ、コアの形成材料(感光性樹脂組成物)を調製した。この感光性樹脂組成物の粘度は、上記デジタル粘度計で測定すると、1900mPa・sであった。
〔実施例1〕
〔光導波路ユニットの作製〕
まず、PMTコネクタ(NTTアドバンステクノロジ社製)を準備した。
ついで、上記アンダークラッド層,コア,オーバークラッド層の各形成材料を用い、上記実施の形態と同様にして、上記PMTコネクタに対応する光導波路を作製した。光導波路の長さは10cmとし、アンダークラッド層の厚みは27.5μm、コアの厚みは45μm、オーバークラッド層の厚み(コアの上面からの厚み)は27.5μmとした。また、コアのチャンネル数を4chとした(上記PMTコネクタに固定する光導波路の12chのコアのうち、5〜8chに相当する位置に上記4chのコアを形成した)。
そして、上記光導波路の両端部に、上記PMTコネクタを取り付けた。
〔電気回路ユニットの作製〕
上記実施の形態と同様にして、ステンレス製基材層(厚み55μm),絶縁層(厚み10μm),電極パッド(厚み12.5μm),円環状の枠状配線(厚み12.5μm),位置決めピン嵌合用の貫通孔(内径0.7mm),光路用の貫通孔を有する電気回路ユニットを作製した。上記位置決めピン嵌合用の貫通孔は、上記光路用の貫通孔を挟んで2個所に形成し、その中心間の間隔を、上記PMTコネクタの位置決めピン嵌合用の孔部に対応して、4.6mmとした。上記電極パッドには、高精度フリップチップボンダにより光学素子を実装した。電気回路ユニットは、光学素子として、発光素子(ULM Photonics社製、ULM850−10−TT−C0104U)を実装したもの、および受光素子(Albis社製、PDCA04−70−GS)を実装したものの2種類を作製した。また、その光学素子を実装した後、その光学素子を透明樹脂(日東電工社製、LED封止用樹脂NT−8038)によりアンダーフィル封止した。
〔位置決めピン〕
位置決めピンは、上記PMTコネクタに使用する金属ピンを流用した。
〔光電気混載基板の製造〕
上記光導波路ユニットの両端部において、上記位置決めピンを、上記光導波路ユニットのコネクタの上記孔部に嵌合させるとともに、上記電気回路ユニットの上記貫通孔に嵌合させ、上記光導波路ユニットと上記電気回路ユニットとを一体化した。その後、上記位置決めピンの嵌合部を接着剤で固定した。
〔実施例2〕
〔光導波路ユニットの作製〕
上記実施例1の光導波路ユニットにおいて、一方の端部の上記PMTコネクタに代えて、図6(b)に示す、四隅に突部が形成されたコネクタを用いた。他方の端部は上記PMTコネクタのままとした。それ以外は、上記実施例1と同様にした。
〔電気回路ユニットの作製〕
上記光導波路ユニットの一方の端部の、四隅に突部が形成されたコネクタに対応して、一方の電気回路ユニットを、上記突部が嵌合する貫通孔が4個形成されたものとした。それ以外は、上記実施例1と同様にした。
〔光電気混載基板の製造〕
上記光導波路ユニットの一方の端部では、上記コネクタの突部を、上記電気回路ユニットのの上記貫通孔に嵌合させ、他方の端部では、実施例1と同様にして、上記位置決めピンを、上記光導波路ユニットのコネクタの上記孔部に嵌合させるとともに、上記電気回路ユニットの上記貫通孔に嵌合させ、両端部において、上記光導波路ユニットと上記電気回路ユニットとを一体化した。その後、上記突部の嵌合部および位置決めピンの嵌合部を接着剤で固定した。
〔信号伝送試験〕
上記実施例1,2の光電気混載基板において、発光素子が実装された電気回路ユニットに10Gbpsの高周波信号を入力した。そして、受光素子が実装された電気回路ユニットで、10Gbpsの高周波信号が受信されたことを確認した。
上記実施例1,2の結果から、上記製法では、光導波路ユニットのコアと電気回路ユニットの光学素子(発光素子,受光素子)との調芯作業をしなくても、得られた光電気混載基板は、適正に光伝播することがわかる。
本発明の光電気混載基板は、音声や画像等のデジタル信号を高速で伝送,処理する情報通信機器,信号処理装置等に用いることができる。
W 光導波路ユニット
C コネクタ
E 電気回路ユニット
P 位置決めピン
2 コア
2a 一端面
6 孔部
10 光学素子
13 電極パッド
14 枠状配線
16 貫通孔

Claims (4)

  1. 光導波路の端部にコネクタが取り付けられた光導波路ユニットと、光学素子が実装された電気回路ユニットとを、上記コネクタを介して結合させてなる光電気混載基板であって、上記光導波路ユニットのコネクタが、先端面に位置決め用の、孔部および突部のいずれか一方を備え、上記電気回路ユニットが、基板と、同一のフォトマスクを利用して上記基板上に形成された、光学素子実装用の電極パッドおよび枠状配線と、この枠状配線の中空部に対応する上記基板の部分に形成された貫通孔と、上記電極パッドに実装された光学素子とを備え、上記光導波路ユニットの上記位置決め用の、孔部および突部のいずれか一方が、上記光導波路の光路用のコアの端面に対して所定位置に位置決め形成され、上記電気回路ユニットの上記貫通孔が、上記電極パッドに対して所定位置に位置決め形成され、上記光導波路ユニットと上記電気回路ユニットとの結合が、下記の(A)または(B)の状態でなされていることを特徴とする光電気混載基板。
    (A)上記光導波路ユニットの位置決め用の孔部と、上記電気回路ユニットの上記貫通孔とに、位置決めピンを嵌合させた状態。
    (B)上記光導波路ユニットの位置決め用の突部を、上記電気回路ユニットの上記貫通孔に嵌合させた状態。
  2. 上記電気回路ユニットの基板が、ステンレス層と、このステンレス層の表面に形成された絶縁層とからなり、その絶縁層の表面に、上記電極パッドおよび枠状配線が形成されている請求項1記載の光電気混載基板。
  3. 光導波路の端部にコネクタが取り付けられた光導波路ユニットと、光学素子が実装された電気回路ユニットとを、上記コネクタを介して結合させる請求項1記載の光電気混載基板の製法であって、上記光導波路ユニットの作製が、光導波路を準備する工程と、この光導波路の端部に取り付けた状態において、その先端面の、上記光導波路の光路用のコアの端面に対して位置決めされた所定位置に、位置決め用の、孔部および突部のいずれか一方が形成されたコネクタを準備する工程と、このコネクタを光導波路の端部に取り付ける工程とを備え、上記電気回路ユニットの作製が、基板を形成する工程と、この基板上に、同一のフォトマスクを利用して、光学素子実装用の電極パッドおよびその電極パッドに対して位置決めされた所定位置に枠状配線を形成する工程と、その枠状配線の中空部に対応する上記基板の部分をエッチングにより貫通孔に形成する工程とを備え、上記光導波路ユニットと上記電気回路ユニットとを結合させ光電気混載基板にすることが、下記の(C)または(D)の方法により行われることを特徴とする光電気混載基板の製法。
    (C)上記光導波路ユニットの位置決め用の孔部と、上記電気回路ユニットの上記貫通孔とに、位置決めピンを嵌合させる方法。
    (D)上記光導波路ユニットの位置決め用の突部を、上記電気回路ユニットの上記貫通孔に嵌合させる方法。
  4. 上記電気回路ユニットの基板が、ステンレス層と、このステンレス層の表面に形成された絶縁層とからなり、その絶縁層の表面に、上記電極パッドおよび枠状配線を形成する請求項3記載の光電気混載基板の製法。
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