JP2012233932A - 光サブアセンブリ - Google Patents

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和典 田中
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正信 川村
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Abstract

【課題】光モジュールとスリーブ部材とをJスリーブにより連結してなるもので、スリーブ部材とJスリーブとを接着する樹脂接着剤の固化時に調心状態が損なわれず且つせん断応力に対する耐性の高いOSAの提供。
【解決手段】TOSAは、光電変換素子を内蔵する光モジュールと、光コネクタのフェルールをガイドし光モジュールに対して上記フェルールを整列させるスリーブ部材と、をJスリーブ4により連結してなる。Jスリーブ4は、スリーブ部材との接着面が、紫外線硬化型樹脂接着剤が塗布される平坦な凸部4cと、熱硬化型樹脂接着剤が塗布される凹部4dで形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、光信号を送信及び/又は受信する光通信用の光サブアセンブリに関する。
光通信に用いられる光サブアセンブリ(OSA:Optical Sub-Assembly)は、例えば、光コネクタのフェルールをガイドし後述の光モジュールに対して上記フェルールを整列させるスリーブ部材と、電気信号を光信号に変換しスリーブ部材に挿入される上記フェルール内の光ファイバへ送信する光モジュールと、スリーブ部材と光モジュールを連結するジョイントスリーブ(Jスリーブ)と、を備える(例えば特許文献1参照)。なお、スリーブ部材とJスリーブとは位置合わせすなわち調芯された後、紫外線硬化型接着剤により固定される。紫外線硬化型接着剤としては、硬化した時に調芯状態が損なわれないよう、硬化時の収縮量が小さいものが使用される。
特開2006−106680号公報
しかし、紫外線硬化型接着剤の収縮量を小さくするには、樹脂材料にフィラーを多く混入する必要があるが、フィラー含有率の高い接着剤は、接着強度が一般的には低い。
接着強度が低いと、OSAに対してせん断応力が加わったときに、スリーブ部材とJスリーブとの接着固定部分にダメージが加わりスリーブ部材が外れてしまう虞がある。
本発明は、上述のような実情を鑑み、光モジュールとスリーブ部材とをJスリーブにより連結してなるもので、スリーブ部材とJスリーブとを接着する樹脂接着剤の固化時に調心状態が損なわれず、且つ、せん断応力に対する耐性の高いOSAを提供することをその目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の光サブアセンブリは、光電変換素子を内蔵する光モジュールと、光コネクタのフェルールをガイドし光モジュールに対して上記フェルールを整列させるスリーブ部材と、をジョイントスリーブにより連結してなるものであって、該ジョイントスリーブにおけるスリーブ部材との接着面が、紫外線硬化型樹脂接着剤が塗布される平坦な凸部と、熱硬化型樹脂接着剤が塗布される凹部で形成されていることを特徴とする。
なお、ジョイントスリーブの凸部は、該凸部の先端の平面がスリーブ部材との接着面の半分以下になるよう形成されているとよい。
また、本発明は、光電変換素子を内蔵する光モジュールと、光コネクタのフェルールをガイドし光モジュールに対して上記フェルールを整列させるスリーブ部材と、をジョイントスリーブにより連結してなる光サブアセンブリの組立方法であって、該ジョイントスリーブが、スリーブ部材との接着面が平坦な凸部と凹部で形成されており、該凸部に紫外線硬化型樹脂接着剤を塗布してスリーブ部材を該凸部の先端面上を摺動することによりフェルールの光ファイバ軸と垂直方向の位置合わせを行い、該位置合わせ後に、ジョイントスリーブとスリーブ部材とを仮固定し、上記凹部により形成されるジョイントスリーブとスリーブ部材の互いの接着面間の隙間に形成される隙間に熱硬化型樹脂接着剤を充填して本固定することを特徴とする。
本発明の光サブアセンブリによれば、ジョイントスリーブを、スリーブ部材との接着面が、紫外線硬化型樹脂接着剤が塗布される平坦な凸部と、熱硬化型樹脂接着剤が塗布される凹部で形成されている為、高い接着強度が得られるだけでなく、スリーブとジョイントスリーブとを固定させた際における段差形状の効果により、光サブアセンブリに付与されるせん断応力でスリーブ部材等が脱落するのを防止することができる。
本発明のOSAの一例の側面図である。 図1のOSAのJスリーブの斜視図である。 比較例のJスリーブの斜視図である。 他の比較例のJスリーブの斜視図である。
本発明のOSAは、光コネクタが接続されるレセプタクル部材と、光電変換を行う光モジュールと、これらを連結するJスリーブとを備える。本OSAは、例えば、レーザダイオード(LD:Laser Diode)を有する送信用光サブアセンブリ(TOSA:Transmitting OSA)やフォトダイオード(PD:Photo Diode)を有する受信用光サブアセンブリ(ROSA:Receiving OSA)等として構成されるが、以下の説明では、TOSAとして構成されたものとする。
図1は、本発明のTOSAの一例を説明する側面図、図2は、図1のTOSAに用いられるJスリーブの斜視図である。
図1のTOSA1は、光モジュール2とスリーブ部材3とJスリーブ4とを備える。
光モジュール2は、電気信号を光信号に変換しスリーブ部材3に挿入される上記フェルール内の光ファイバへ送信するもので、光電変換を行うLDをCANパッケージ2a内にLDを有する。CANパッケージ2aとは、LDが載置される金属ステム2bを、キャップ2cで覆って成る筺体である。キャップ2cは、LDからの送信光を透過する光学レンズ等の光学窓を、金属製で円筒形状のフレームで支持して成る。CANパッケージ2a内のLDへの電気信号はステム3bに設けられているリードピン2dを介して入力される。なお、金属ステム2bの直径は例えば3.8mmである。
スリーブ部材3は、光コネクタのフェルール(不図示)をガイドし光モジュール2に対して上記フェルールを整列させるもので、金属材料や樹脂部材等で形成される。
本発明の特徴部に関わるJスリーブ4は、スリーブ部材3と光モジュール2を連結するもので、スリーブ部材3同様に、金属材料や樹脂部材等から形成される。
なお、スリーブ部材3とJスリーブ4に用いる樹脂材料は、剛性の観点から、フィラーが高充填されたポリフェニレンスルファイド(PPS)等のエンジニアリングプラスチックが好ましい。また、スリーブ部材3とJスリーブ4を金属材料(ステンレス合金等)で形成してもよい。
Jスリーブ4は、スリーブ部材3に挿着されるフェルールの光ファイバの軸方向すなわち光軸方向から光モジュール2が挿入され固定されるモジュール固定部4aを一方に有する。モジュール固定部4aと光モジュール2とは、光モジュール2の周囲に塗布された紫外線硬化型樹脂接着剤により固定する。
また、Jスリーブ4は、モジュール固定部4aとは反対側にスリーブ部材3が固定されるスリーブ固定部4bを有し、該スリーブ固定部4bは、図2に示すように、スリーブ部材3との接着面に、先端面が平面である凸部4cと、凹部4dとを有する。OSA1では、凸部4cの先端平面とスリーブ部材3の底面とを接触させた状態で、スリーブ部材3を凸部4cの先端平面上を摺動することにより、光軸と垂直方向の調芯を行う。凸部4cとスリーブ部材3とは、調芯後、凸部4cの先端平面上に塗布済みの紫外線硬化型樹脂接着剤Bにより固定する。この固定を仮固定という。仮固定後は、凹部4dにより形成されるJスリーブ4のスリーブ固定部4bとスリーブ部材3の互いの接着面間の隙間G(図1参照)を熱硬化型樹脂接着剤で充填し、該接着剤で、Jスリーブ4とスリーブ部材3とを固定する。この固定を本固定という。
このようにTOSA1では、Jスリーブ4とスリーブ部材3との固定は、紫外線硬化型樹脂接着剤のみで行うのではなく、Jスリーブ4のスリーブ固定部4bの凸部4cの先端面と光モジュール2の底面との間に塗布された紫外線硬化型樹脂接着剤と、凹部4dにより形成されるJスリーブ4のスリーブ固定部4bとスリーブ部材3の互いの接着面間の隙間Gを充填する熱硬化型樹脂接着剤とで固定する。特に、紫外線硬化型接着剤を用いた精密固定を実施した後に、熱硬化型接着剤を用いて本固定を行い、更に、後者の接着面積が前者に比べて広くなる為、Jスリーブ4とスリーブ部材3との間の接着強度は一般的に高くなる。その結果、TOSA1はせん断応力に対する耐性が高い。尚、仮固定には、硬化時の収縮量が小さい紫外線硬化型樹脂接着剤を用いているので、硬化時に調芯状態が維持することが出来る。
Jスリーブ4とスリーブ部材3との固定及びJスリーブ4と光モジュール2との固定に用いられる紫外線硬化型樹脂接着剤は、例えば、ベース樹脂100重量部に対して、シリカ・炭酸カルシウム等のフィラーの充填率が40〜80重量部と高い接着剤である。ここで、ベース樹脂としては、ビスフェノールA/Fに官能基(グリシジルエーテル)が縮重合されたプレポリマー、アミン系硬化剤及びカチオン系光重合開始剤等から成る、樹脂粘度が5000〜10000cpsでガラス転移温度が概ね90℃以上のエポキシ樹脂を採用することが好ましく、中でも、ガラス転移温度が100℃以上のエポキシ樹脂を採用することがより好ましい。
一方、Jスリーブ4とスリーブ部材3との固定に用いられる熱硬化型樹脂接着剤は、例えば、ベース樹脂100重量部に対して、シリカ・炭酸カルシウム等のフィラーの充填率が10〜30重量部な接着剤である。ここで、ベース樹脂としては、ビスフェノールA/Fに官能基(グリシジルエーテル)が縮重合されたプレポリマー、アミン系硬化剤等から成る、樹脂粘度が1000〜10000cpsであるエポキシ樹脂を採用することが好ましい。
また、Jスリーブ4のモジュール固定部4aは、光モジュール2挿入側の端部にスリット4dを有する。該スリット4dがあることにより、光モジュール2とモジュール固定部4aとの固定に用いる紫外線硬化型樹脂接着剤に効果的に紫外線を照射することができる。スリット4dは、図2の例のように、複数でU字形状であっても良く、また、1つであっても良く、V字形状等他の形状であっても良い。
次に、TOSA1の組立て方法の一例を説明する。
(第一工程)
Jスリーブ4の3つの凸部3cの先端平面に、一定量の紫外線硬化型樹脂接着剤(概ね、0.05〜0.5mg程度)を塗布する。また、光モジュール外周に、一定量の紫外線硬化型樹脂接着剤(概ね、1.0〜5.0mg程度)を周状に塗布する。
(第二工程)
スリーブ部材3に光ファイバ付フェルールを挿入した状態で、調心設備の所定位置に固定、同時に光モジュール2を調心設備の通電ソケット内に挿入する。そして、一定量の電流(Iop≒25mA)を光モジュール2内部のLDに通電する。
(第三工程)
紫外線硬化型樹脂接着剤が周状に塗布された光モジュール2にJスリーブ4を軽く乗せ、これにより構成される構造体上でスリーブ部材3を摺動させ、LDからの光結合効率が最大になるように位置合わせすなわち調芯を行う。
(第四工程)
これまでの工程によりスリーブ部材3・Jスリーブ4・光モジュール2の3部品が一体になった構造体に対して、外部から一定強度(200mW)を有する紫外線を一定時間(〜2分)照射し、紫外線硬化型樹脂接着剤を硬化させ、上記3部品を互いに固定する。なお、紫外線光源としては、ハロゲンランプ・水銀ランプ等を使用することができる。
(第五工程)
上記のように固定された上記構造体を調芯設備から取り外し、スリーブ部材3とJスリーブ4の界面に開いた隙間から熱硬化型樹脂接着剤を塗布した後、所定時間(例えば〜3時間程度)にわたって高温環境下(例えば120〜180℃程度)に置いて、熱硬化型樹脂接着剤を硬化することによりTOSA1が完成する。
(実施例)
上述の方法の第三工程を終了した時点でのLDからの光出力(Pi)を計測し、また、完成した時点でのLDからの光出力(Po)を計測した。図2のJスリーブ4を用いたTOSA1では、第三工程から完成までにおける損失量(10×Log(Po/Pi))すなわちデバイスの組立て時のPf変動が0.5dB未満であり良好であった。
また、上述の方法で作製したTOSA1のスリーブ部材3のフランジ3aとフランジ3bとの間を横荷重試験装置の冶具で固定し、リードピン2dを0.3kgf程度の力で引っ張り、スリーブ部材3とJスリーブ4との間にせん断応力が付与されるようにし、この状態で高温高湿(85℃85%RH)環境下に2000時間投入した。投入後に、スリーブ部材が外れて欠損することがなく、また、投入前後での光結合損失を計測したところ、0.5dB未満であり良好であった。
(比較例1)
図3は比較例のJスリーブの斜視図である。
図3のJスリーブ10は、スリーブ部材3に挿着されるフェルールの光ファイバの軸方向すなわち光軸方向から光モジュール2が挿入され固定されるモジュール固定部10aを一方に有する。モジュール固定部10aには、図2のJスリーブ4と異なり、スリットが形成されていない。
また、Jスリーブ10は、モジュール固定部10aとは反対側にスリーブ部材3が固定されるスリーブ固定部10bを有し、該スリーブ固定部10bは、スリーブ部材3との接着面10cに凸部が形成されておらず平面となっている。
図2のJスリーブ4の代わりにこのJスリーブ10を用いて、上述の方法と同様に、TOSAを作製した。なお、Jスリーブ10とスリーブ部材3との間には、熱硬化性樹脂接着剤を用いず紫外線硬化型接着剤を用いた。そのため、上述の第五工程は省略された。作製したTOSAのデバイスの組立て時のPf変動は、紫外線硬化型接着剤の塗布状況に応じて変わり、0.1〜1.0dBであり、0.5dB以上となる時、すなわち不良となる場合がある。また、デバイスの組立て時のPf変動が0.5dB未満と良好であった場合でも、せん断応力を付与した状態で高温高湿(85℃85%RH)環境下に2000時間投入すると、スリーブ部材3が外れてしまった。
(比較例2)
図4は他の比較例のJスリーブの斜視図である。なお、図2のJスリーブと同様の部分については同じ参照符号を付すことによりその説明を省略する。
図4のJスリーブ20は、モジュール固定部4aとは反対側にスリーブ部材3が固定されるスリーブ固定部20bを有し、該スリーブ固定部20bは、図4のJスリーブ4と同様に、スリーブ部材3との接着面に、先端面が平面である凸部20cと凹部20dを有するが、図4のJスリーブ4とは異なり、凸部20cの先端の平面の総面積がスリーブ部材3との接着面の半分以下となっており、言い換えれば、凸部20cの総面積が凹部20dの総面積より大きくなっている。
図2のJスリーブ4の代わりにこのJスリーブ20を用いて、上述の方法と同様に、TOSAを作製した。作製したTOSAのデバイスの組立て時のPf変動は0.5dB未満であり良好であったが、せん断応力を付与した状態で高温高湿(85℃85%RH)環境下に2000時間投入すると、スリーブ部材3が外れてしまった。
1…TOSA、2…光モジュール、3…スリーブ部材、4…Jスリーブ、4a…モジュール固定部、4b…スリーブ固定部、4c…凸部、4d…スリット。

Claims (3)

  1. 光電変換素子を内蔵する光モジュールと、光コネクタのフェルールをガイドし前記光モジュールに対して上記フェルールを整列させるスリーブ部材と、をジョイントスリーブにより連結してなる光サブアセンブリであって、
    前記ジョイントスリーブにおける前記スリーブ部材との接着面が、紫外線硬化型樹脂接着剤が塗布される平坦な凸部と、熱硬化型樹脂接着剤が塗布される凹部で形成されていることを特徴する光サブアセンブリ。
  2. 前記ジョイントスリーブの前記凸部は、該凸部の先端の平面が前記スリーブ部材との接着面の半分以下になるよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光サブアセンブリ。
  3. 光電変換素子を内蔵する光モジュールと、光コネクタのフェルールをガイドし前記光モジュールに対して上記フェルールを整列させるスリーブ部材と、をジョイントスリーブにより連結してなる光サブアセンブリの組立方法であって、
    前記ジョイントスリーブは、前記スリーブ部材との接着面が平坦な凸部と凹部で形成されており、
    前記凸部に紫外線硬化型樹脂接着剤を塗布して前記スリーブ部材を該凸部の先端面上を摺動することによりフェルールの光ファイバ軸と垂直方向の位置合わせを行い、該位置合わせ後に、前記ジョイントスリーブと前記スリーブ部材とを仮固定し、
    前記凹部により形成される前記ジョイントスリーブと前記スリーブ部材の互いの接着面間の隙間に熱硬化型樹脂接着剤を充填して本固定することを特徴とする光サブアセンブリの組立方法。
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