JP2012229403A - 原油スラッジ中の油分回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原油フラッジを直接処理するものであって、回収油分に水の混入がほとんどない原油スラッジの油分回収装置を提供すること。
【解決手段】原油スラッジを真空蒸発処理する真空蒸発槽1と、真空蒸発槽1で得られる蒸発物質を冷却する凝縮器2と、凝縮器2から得られる凝縮物を軽質油分と水に分離する第1分離器3と、蒸発残渣取り出し弁を有し、一端が該真空蒸発槽に接続する配管と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、原油タンク底部等に堆積した原油スラッジ中の油分を回収する装置に関するものである。
原油タンク等に堆積する原油スラッジに含まれる油分は通常、30〜80重量%程度であり、油分の回収ニーズは大きい。原油スラッジの処理方法及び処理技術としては、COW(Crude Oil Washing)法、温水洗浄法、薬品処理法、マニュアル法及び遠心分離法等が挙げられる。
COW法は、原油を概ね60℃程度に加熱し、加圧して噴射ノズルによりタンク底部に堆積するスラッジを粉砕、溶解させて他のタンクに移送するものである。短期間に原油スラッジを処理でき実績も多いものの、移送先で再度スラッジの堆積が生じる。このため、原油スラッジのたらい回し的な処方ともいえる。COW法は、根こそぎスラッジ分を強制攪拌して一時的に流動性を持たせて他のタンクに回収する方法のため、タンク外にスラッジを搬出しないメリットはあるものの、前述のごとくスラッジの再沈降の問題が発生して本質的に問題解決していない。なお、実開平6−81649号公報には、COW法で使用する液体噴射装置が開示されている。
温水洗浄法は、温水で原油スラッジを溶解、浮上させる工法で、比較的安全な処理法であるが、大量の温水を必要とするためコストが嵩み、温水では溶解しない油分が回収できず、攪拌により生じるエマルジョン、大量の廃水処理が必要となるなど種々の問題があり、最近ではあまり用いられない。
薬品処理法は、スラッジを溶解させる薬剤(ケミカル)を使用するものであるが、加温や攪拌操作などが必要になること、溶解効果が限定的であること、費用が嵩むこと等の理由により最近ではほとんどおこなわれない。
マニュアル法は、作業員がタンク内に入り、人力あるいは自動ショベルカーのようなものでタンク外に排出する方法で古くからおこなわれており、現在でも実施しているところも多い。近年の健康、安全及び地球環境保全(HSE)、とりわけ安全性の問題がある。また排出した原油スラッジの油分を回収されるものではないという問題がある。
上記のいずれの方法も、原油スラッジ中の油分の回収という点では、大きな問題を抱えており、有効な方法とは言い難い。この点、遠心分離法は、例えばデカンター型の3相(固形物、水、油分)分離機を用いるもので、固形分や水分の混在が少ない油分を回収できる点で有望な方法である。SEPTEMBER 2009/STORAGE TERMINALS;第27頁〜第30頁には、デカンター型の3相分離機を使用して、原油スラッジから油分を回収することが開示されている。また、特開2004−243300号公報には、原油タンク等に蓄積した、油水混合スラッジの処理方法に関して、スラッジを遠心分離機で、固形分と液体分に分離した後、液体分に有機系の高分子凝集剤を添加し、液体中に懸濁状態で浮遊している油分を凝集沈殿させる方法が開示されている。
実開平6−81649号公報 特開2004−243300号公報(請求項1)
STORAGE TERMINALS;2009年9月号、第27頁〜第30頁
しかしながら、デカンター型の3相分離機を使用した遠心分離法は、大型のものでも処理速度は10kl/時程度であり、大型タンクに堆積する大量(通常は2000m以上)の処理には時間がかかる。また、原油タンクから遠心分離機にフィードする方法が難しく、多くの場合、フレッシュ原油などで攪拌混合させるため、スラッジ量の2倍以上の量をフィードしなければならない。また、加温やエマルジョンブレーカーの注入等の前処理が必要であり、且つ運転が難しく安定した品質で油分を回収することが難しいという問題がある。また、固形スラッジ、油分及び水分の完全分離が困難であり、回収した油分には固形分や多くの場合少なくとも2%程度の水が残存するという問題がある。このため、簡易な方法であって、原油スラッジの希釈等やエマルジョンブレーカーの注入等の前処理を必要とせず、直接の処理が可能であって、回収油分に水の混入がほとんどない原油スラッジの油分回収方法を実施する装置の開発が望まれていた。
なお、従来、真空蒸発槽は、廃食品や余剰汚泥など水分を多量に含む廃物の乾燥、あるいは乾燥食品を得るためなどに使用されている。また、減圧蒸留装置などで石油類を減圧下で蒸留するなどの減圧処理も知られている。いずれも減圧下で水や油分の沸点を下げた効率的な蒸発を目的にしている。しかしながら、原油スラッジ中のエマルジョン破壊を目的とした真空蒸発槽は知られていないし、更に後段に、油分の回収を目的とした2つの分離器を有する原油スラッジの油分回収装置は知られていない。
従って、本発明の目的は、原油フラッジを直接処理するものであって、回収油分に水の混入がほとんどない原油スラッジの油分回収装置を提供することにある。
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、原油スラッジには、油中水滴型エマルジョン相を含むため、従来の遠心分離法等では、どうしても回収油分中に水が混入してしまうこと、原油スラッジ中の油中水滴型エマルジョンは、真空蒸発槽を使用した真空蒸発により、容易に破壊できること、真空蒸発槽から得られる蒸発物質と蒸発残渣は簡易な分離装置により水分を含まない油分としてそれぞれ回収できること等を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、原油スラッジを真空蒸発処理する真空蒸発槽と、該真空蒸発槽で得られる蒸発物質を冷却する凝縮器と、該凝縮器から得られる凝縮物を軽質油分と水に分離する第1分離器と、蒸発残渣取り出し弁を有し、一端が該真空蒸発槽に接続する配管と、を備えることを特徴とする原油スラッジ中の油分回収装置を提供するものである。
本発明の装置によれば、原油スラッジを真空蒸発槽で真空蒸発させるため、薬剤を使用することなく、強固な油中水滴型エマルジョンを破壊でき、蒸発物質から軽質油分を、蒸発残渣から重質油分をそれぞれ効率よく回収できる。また、これらの回収油分は、いずれも水分をほとんど含まないため、そのまま原油等にブレンドして回収することができると共に、環境負荷を大きく低減できる。また、油分の回収率が高いため、近年の原油高騰の折り、油分回収ニーズを満足することができる。また、重質油分は回収して固形物と共に、あるいは重質油と固形分に分離して各々個別に工業燃料として使用できる。
原油スラッジから油分を回収する装置である。
本発明において、原油スラッジとしては、屋外の原油タンク底部に堆積したスラッジ、原油タンカーの原油タンク底部に堆積したスラッジ、野外に野晒しの原油スラッジまたは海洋を漂流する原油スラッジ、または海洋を漂流後、着岸した原油スラッジが挙げられる。屋外の原油タンク底部に堆積したスラッジとしては、例えば5年〜10年の長期間使用した後の定期点検の際、タンク底部に500〜2000mmの厚さで堆積したものが挙げられる。野外に野晒しの原油スラッジとしては、従来のマニュアル法により原油タンクより広大な砂漠等に排出されたものであり、特にカスピ海沿岸や中東などの産油国で多く見られるものである。海洋を漂流する原油スラッジ又は漂流後、着岸した原油スラッジとしては、例えば、海底油田事故やタンカー事故により海洋に流出又は着岸した原油と海水が混合した油濁汚染物質が挙げられる。このような油濁汚染物質は、一般的には原油と海水が混合して生成するエマルジョンであるため、原油ムースと称される環境汚染物質であり、原油タンクに堆積した原油スラッジと比べると、同じ又は類似組成ではあるが、油分が多く、固形分が少ない。
原油スラッジは、アスファルテン、コーク状物質、油分及び水を含有するものである。原油スラッジに含まれる油分としては、特に制限されず、通常、20〜80重量%である。原油スラッジは原油で希釈されたものであってもよい。コーク状物質は、コーク前駆体とも称されるもので、アスファルテンが縮合した固形物である。また、原油スラッジに含まれる水分としては、通常、10〜30重量%である。原油スラッジ中に含まれる他の物質としては、原油中のワックス分が温度低下などで結晶化して沈降したもの、あるいは鉄や砂等の無機物が挙げられる。原油スラッジ中、アスファルテンとコーク状物質を含む固形分の量は、油分と水分を除く残部となる。
アスファルテンは、n-ヘキサンに不溶でトルエンに可溶な石油成分の総称であり、原油中、単体では固体成分である。アスファルテンは、固体粒子として沈降し、スラッジ化するものと、レジンなどの重質分と水分と共にエマルジョンを形成して沈降し、スラッジ化するものがある。
固体粒子として沈降するアスファルテンは、原油中において、アスファルテン粒子がレジン(重質油)で覆われて、コロイド状で安定的に存在したものが、軽質油分等のような異なる油種と混合されたり、あるいは熱的履歴を受けたりして、アスファルテンの周囲からレジンが離脱し、固体粒子として沈降したものである。
一方、前記の通り、原油スラッジには、原油種にかかわらず、10〜30重量%程度の水分が含まれている。このため、アスファルテンは、レジンなどの重質分、水分と共に、安定で相分離しない油中水滴(W/O)型エマルジョンを形成する。この油中水滴(W/O)型エマルジョンが安定で相分離しないのは、水滴まわりに形成された膜が安定だからである。この膜は、アスファルテンが3次元的に架橋し、それにレジンが溶媒和しているためである。このエマルジョン相は極めて安定であり原油スラッジを処理する上で最もやっかいな成分であり、遠心分離などでは消滅しない。
このように、原油スラッジは、アスファルテン粒子、コーク状物質、油中水滴型エマルジョン、ワックス結晶化物などが複雑に混合し、凝集、エマルジョン、ゲル化などの相互作用を及ぼしあっている。また、原油スラッジは、例えばタンク底部に堆積しているとはいえ、油分と混在しているため、原油スラッジをタンク外に排出する場合には、どのような方法を採ろうが油分と分離させた状態では不可能であり、むしろ流動性を持たせるために油分とスラッジが混合しており、油分が概ね最大で80重量%のように大量に含まれることになる。参考までに各社の原油タンクに堆積した原油スラッジの性状を表1に示す。表1中、ヘプタン不溶分は、レジンまでの留分(油分)は可溶であり、アスファルテンは不溶のものである。ベンゼン不溶分は、アスファルテンまでの留分は可溶であり、不溶分は泥水分、無機質及びコーク状物質である。コーク状物質は、ベンゼン不溶分の主成分をなす。なお、トルエン不溶分とベンゼン不溶分は両溶媒がほぼ同じ溶解性を有することからほぼ同じ物質と考えられる。油分は計算値であり、100−(ヘプタン不溶分)−(水分)であり、アスファルテンは計算値であり、(ヘプタン不溶分)−(ベンゼン不溶分)である。
Figure 2012229403
次に、本発明の原油スラッジ中の油分回収装置の一例を図1を参照して説明する。原油スラッジ中の油分回収装置(以下、単に「油分回収装置」とも言う。)10は、原油スラッジを真空蒸発処理する真空蒸発槽1と、真空蒸発槽1で得られる蒸発物質を冷却する凝縮器2と、凝縮器2から得られる凝縮物を軽質油分と水に分離する第1分離器3と、蒸発残渣取り出し弁17を有し、一端が該真空蒸発槽に接続する配管(蒸発残渣流入配管)18と、真空蒸発槽1で得られる蒸発残渣を重質油分と固形残渣に分離する第2分離器4と、を備える。油分回収装置10は固定式又は可搬式のいずれであってもよい。
真空蒸発槽1は、真空蒸発槽1内の原油スラッジを一定温度に加熱する加熱手段を有する。このような加熱手段としては、スチーム及び電熱ヒータ等が挙げられる。本例では、真空蒸発槽1は外側加熱空間(ジャケット)12を有し、これにボイラーで発生した蒸気9を蒸気配管91を通して加熱するようになっている。蒸気配管91の蒸気供給源側の先端は、外部蒸気を採り入れる公知のカップリング構造の接続口となっている。なお、油分回収装置10が固定式の場合、カップリング構造の接続口は不要であり、蒸気配管91の先端は直接、ボイラーに接続される。スチームの圧力は、0.1〜0.3MPa程度、スチームの温度は飽和温度を少し上回る程度が好ましい。ボイラーの燃料には、本発明の油分回収装置10の第2分離器4から得られる固形分と重質油分の混合物、あるいは分離後の重質油と固形物の各々を別個に使用すれば、運転コストを低減できる。
真空蒸発槽1は槽内を減圧にする真空ポンプ5などの減圧手段を有する。真空ポンプ5は公知のものが使用でき、水封式又はドライ式のいずれであってもよい。減圧手段は真空ポンプが代表的なものであるが、これに限定されず、例えばエジェクターも使用できる。エジェクターは、加圧水、あるいはスチーム等の圧縮気体を駆動用流体としてノズルを通過させて吸引減圧するものである。また、減圧系を減圧にするための真空蒸発槽1の入り口弁16、蒸発残渣取り出し弁17、第1分離器3の排水弁34及び第1分離器3の軽質油分取り出し弁35を備えている。真空蒸発槽1を減圧にする場合、これらの弁を閉止する。すなわち、減圧系は、真空蒸発槽1、凝縮器4及び第1分離器3までである。
真空蒸発槽1は、撹拌羽根11を有するものが、原油スラッジを均一に撹拌できる点で好ましい。撹拌羽根11の撹拌速度(回転速度)としては、特に制限されないが、2回転/分〜30回転/分程度でよい。このような撹拌速度であれば、原油スラッジ中の蒸発物質の蒸発を十分に促進することができる。また、攪拌羽根を回転させるシャフト(軸)を中空構造として空間部にスチームを通して伝熱面積を増やすこともある。この外側加熱空間などにスチームを通すことで、原油スラッジの温度をより均一にすることができる。
油分回収装置10は、真空蒸発槽1で得られる蒸発物質を冷却する凝縮器2を備える。凝縮器2は、公知の凝縮器が使用できる。凝縮器2の冷却用冷媒としては、特に制限されず、海水、工業用水等の水及び水以外の公知の冷媒が挙げられる。凝縮器2には蒸発物質流出配管22と凝縮物質流出配管23が接続されている。すなわち、真空蒸発槽1で得られる蒸発物質は、蒸発物質流出配管22を通って凝縮器2に流入し、凝縮器2により凝縮された凝縮物質は、凝縮物質流出配管23を通って第1分離器3に送られる。また、油分回収装置10が可搬式の場合、冷却用冷媒が通る配管21の冷媒供給源側の先端は、外部冷媒を採り入れる公知のカップリング構造の接続口となっている。なお、油分回収装置10が固定式の場合、カップリング構造の接続口は不要であり、配管21の先端は直接、冷媒供給源に接続される。
油分回収装置10は、凝縮器2から得られる凝縮物質を軽質油分と水に分離する第1分離器3を備える。第1分離器3は、重力式油水分離器であることが、凝縮物質を軽質油分と水に容易に且つ確実に分離することができる点で好ましい。重力式油水分離器は、例えば内部が内部高さより低い所定高さの邪魔板31により、2つ室に分割されており、一方の室32には凝縮物質流入配管23及び水分排出配管36が、他方の室には軽質油分流出配管37がそれぞれ接続されているものが使用できる。凝縮物質321は、凝縮物質流入配管23により一方の室32に流入する。室32に流入した凝縮物質321は、軽質油分と水の混合物であり、エマルジョンになることはなく、上下に完全分離する。他方の室33には、一方の室32で静置分離した、比重が水より軽い軽質油分が室32から溢れることで流れ込む。このため、他方の室33に回収された軽質油分には水分の混入はほとんどない。なお、一方の室32に残留する分離後の水は、水切り弁34を開くことで排水される。第1分離器3は、邪魔板のない1室構造のものであってもよい。第1分離器3が1室の場合、軽質油分分離器3の高さ方向の中央部近傍に、軽質油分回収配管などを設置すればよい。
第1分離器3には、油水界面の界面レベルを観察する不図示の液面計が設置されている。第1分離器3の液面計を観察することで、原油スラッジ中の水分の蒸発が止まったことを知ることができる。また、第1分離器3の気相部には、一端が真空ポンプ5に接続される配管38が接続されている。また、配管38には減圧解除弁51を備えた配管52が接続されている。配管52の他端は大気に開放されている。これにより、減圧解除弁51を開とすることで、減圧された系内を大気圧にすることができる。
油分回収装置10は、真空蒸発槽1で得られる蒸発残渣を重質油分と固形残渣に分離する第2分離器4を備える。すなわち、第2分離器4と真空蒸発槽1は、蒸発残渣流入配管18で接続されている。第2分離器4は、重力式固液分離器であることが、流動状の蒸発残渣を固形分と重質油分に容易に分離することができる点で好ましい。第2分離器4は、内部が内部高さより低い高さの異なる複数の邪魔板41、42により、上流側から下流側に向けて高さが低くなる3つの室に分割されており、最上流側の室43には蒸発残渣流入配管18及び固形分排出配管48が、最下流側の室45には重質油分流出配管49がそれぞれ接続されている。蒸発残渣431は、重力落下により、蒸発残渣流入配管18を通して、第2分離器4の最上流側の室43に流入する。室43に流入した蒸発残渣は、重質油分と固形分の混合物であり、水分がないため、エマルジョンはなく、上下に分離する。隣接する室44には、室43で静置分離した重質油分と一部の固形分が室43から溢れることで流れ込む。また、隣接する室45には、室44で静置分離した重質油分が室44から溢れることで流れ込む。最下流側の室45に回収された重質油分には水分の混入はほとんどない。なお、室43に残留する分離後の固形分は、排出弁86を開くことで排出し廃棄物処理される。
第2分離器4は、上記の3室に限定されず、1室、2室または4室以上であってもよい。第2分離器4が1室の場合、第2分離器4の高さ方向の中央部近傍に、重質油分回収配管などを設置すればよい。また、第2分離器4が2室の場合、内部が内部高さより低い所定高さの邪魔板により、2つ室に分割されており、一方の室には蒸発残渣流入配管及び固形分排出配管が、他方の室には重質油分流出配管がそれぞれ接続されることになる。
油分回収装置10において、第2分離器4の設置は省略できる。すなわち、真空蒸発槽1には、蒸発残渣取り出し弁17を有し、一端が真空蒸発槽1に接続する蒸発残渣流入配管18を付設するものであってもよい。これにより、蒸発残渣流入配管18の他端が自由端となり、真空蒸発槽1で得られる蒸発残渣を回収する回収容器(不図示)や原油タンクに接続することができる。このため、原油ムースなど固形分が少ない原油スラッジの場合、真空蒸発槽内の蒸発残渣を、そのまま、真空蒸発槽外に取り出すことができる。原油ムースは、油分が多く、固形分が少ないため、固形分と重質油を分離することなく回収するのが効率的である。回収された少量の固形分を含む重質油分は、例えば原油タンクに戻せば回収効率が高まる。
油分回収装置10は、原油スラッジを真空蒸発槽に導入する原油スラッジ供給配管17を備える。油分回収装置10が可搬式の場合、原油スラッジが通る原油スラッジ供給配管17の供給側の先端は、原油スラッジを採り入れる公知のカップリング構造の接続口となっている。油分回収装置10が固定式の場合、原油スラッジ供給配管17は、原料ポンプ63を介して原油タンク又は原油スラッジ貯留槽6に接続されている。原油スラッジ貯留槽6は、例えば陸上又は船舶の原油タンクに堆積した原油スラッジ61や野外に放置された原油スラッジや海洋に漂流したり着岸した油濁汚染物質(原油ムース)などを油分回収のために移送した原料タンクである。原油タンク又は原油スラッジ貯留槽6には、原油スラッジ61を加熱する加熱手段62を有する。これにより、加熱された原油スラッジ61の流動性が高まり原料ポンプ63による自動搬送ができる。
次に、油分回収装置10を使用して原油スラッジ中の油分を回収する方法の一例について説明する。先ず、原油スラッジ61を真空蒸発槽1に導入する。原油スラッジ61を真空蒸発槽1に導入する方法としては、特に制限されないが、加熱器62で加熱して流動性を持たせた原油スラッジ61をスクリューポンプ63などで自動搬送すればよい。
次いで、真空蒸発槽1内の原油スラッジを加熱及び真空下にて撹拌して、原油スラッジ61中の軽質油分と水を蒸発させ、蒸発物質を冷却して軽質油分と水とに分離する真空蒸発工程を行う。真空蒸発工程は、真空蒸発槽1の入り口弁16及び蒸留残渣取り出し弁17をそれぞれ閉止すると共に、凝縮器2及び第1分離器3までを系内密閉し、真空ポンプ5を稼働して系内を減圧とする。また、真空蒸発槽1の外側加熱空間12及び必要に応じて、撹拌羽根の軸の外側加熱空間に蒸気を流して、原油スラッジ61を加熱する。図1中、符号Eは真空ポンプの排気を示す。
真空蒸発工程において、加熱及び真空条件は、原油スラッジ61の蒸発物質中に水分と一部の油分が含まれるような条件とする。一部の油分とは、水分の蒸発と共に蒸発する軽質油分である。軽質油分は、沸点が大気圧下で250℃留分までのものであり、特に大気圧下で200℃留分までのものである。加熱及び真空条件の具体例としては、加熱温度70〜150℃、好ましくは70〜130℃であり、真空度(ゲージ圧)−80〜−100KPa、好ましくは真空度(ゲージ圧)−90〜−100KPaである。このような、加熱及び真空条件であれば、原油スラッジ中の水分を確実に蒸発させることができ、エマルジョンを消滅させることができる。また、蒸発物質として水分以外に軽質油分を同伴させたのは、水分を確実に蒸発させることと、エマルジョンを形成しない水と軽質油分は、凝縮後、静置等の手段により容易に且つ確実に分離できるからである。一方、原油スラッジから水分のみを蒸発させることはデリケートな運転が必要となり、例え水分のみを蒸発させたとしても、不可避に混入する微量の軽質油分の除去は容易ではない。
真空蒸発工程において、蒸発させる軽質油分の量は、原油スラッジ中に含まれる軽質油分の量により異なり一概に決定できないものの、原油スラッジの油分に対して、概ね5重量%以上、好ましく10重量%〜50重量%である。蒸発させる軽質油分の量が少なく過ぎると、水分の蒸発が不十分となり、エマルジョンを完全に消滅させることができない恐れがある。また、多過ぎると、加熱温度や真空度を必要以上に高めることになり、効率的ではない。一方、蒸発させる軽質油分の量の下限値が、上記の値であれば、水分の蒸発が十分となり、エマルジョンを完全に消滅させることができる。
真空蒸発工程における原油スラッジの撹拌は、加温を均一に行うと共に、原油スラッジ中の蒸発物質の蒸発を促進するために行なわれる。その撹拌速度(回転速度)としては、特に制限されないが、2回転/分〜30回転/分程度でよい。このような撹拌速度であれば、原油スラッジ中の蒸発物質の蒸発を十分に促進することができる。
真空蒸発工程において、真空蒸発槽1の加熱と減圧に伴い、原油スラッジ中のガソリン等の軽質油分の蒸発が始まり、更にはエマルジョンを形成している水分も蒸発する。水分の蒸発離脱により、エマルジョンは消滅する。
真空蒸留で得られる蒸発物質は凝縮器2に通して冷却する。凝縮器2により凝縮された凝縮物質は、第1分離器3で、静置分離により、軽質油分と水に分離され、軽質油分が回収される。すなわち、凝縮物質321は、凝縮物質流出配管23により室32に流入させる。室32に流入した凝縮物質321は、軽質油分と水の混合物であり、エマルジョンになることはなく、上下に完全分離する。他方の室33には、一方の室32で静置分離した、比重が水より軽い軽質油分が室32から溢れることで流れ込むようになっている。このため、他方の室33に回収された軽質油分には水分の混入はほとんどなく、通常は0.5重量%以下、特に0.3重量%以下、更には0.1重量%以下の水分量である。室33に溜まった軽質油分322は、軽質油分流出配管37から回収される(図1中の符号P)。なお、一方の室32に残留する分離後の水は、水切り弁34を開くことで排水(図1中の符号P)すればよい。
真空蒸発工程は、原油スラッジ中の水分の蒸発がほぼ止まり、真空ポンプ5の運転を停止することで終了する。原油スラッジ中の水分の蒸発が止まったか否かは、第1分離器3の液面計を観察することで判断できる。すなわち、液面計の油水界面(水面レベル)が時間経過と共に変化しなくなれば、水分の蒸発が止まったと判断できる。また、真空蒸発槽1内の温度の上昇傾向を観察することで、水分の蒸発が止まったと判断できる。すなわち、真空蒸発工程の終了近傍においては、真空蒸発槽1内の蒸発物質が少なくなる一方で加熱が進行するため、真空蒸発槽1の内部温度が上昇するからである。
真空ポンプ5の運転を停止した後、更に減圧解除弁51を開放して大気を系内に送り、系内を大気圧にする。真空蒸発槽1内の蒸発残渣は、アスファルテンやコーク状物質を含む固形分及び重質油分からなり、該蒸発残渣中のエマルジョンは消滅し、水分をほとんど含まないものである。重質油分とは、蒸発物質中の軽質油分を除くそれより重質の油分である。また、真空蒸発工程後の蒸発残渣は高温であり、十分な流動性を有している。
次いで、真空蒸発槽1内の蒸発残渣を、真空蒸発槽1外に取り出し、好ましくは、取り出された蒸発残渣を重質油分と固形残渣に分離する。真空蒸発槽1内の蒸発残渣を真空蒸発槽1外に取り出すには、真空蒸発槽1と第2分離器4を接続する配管18途中に設置される弁17を開にすればよい。これにより、真空蒸発槽1内の蒸発残渣は、重力落下により第2分離器4に流入する。すなわち、真空蒸発槽1内の蒸発残渣は、流動状態で真空蒸発槽外に取り出される。
蒸発残渣431は、第2分離器4の最上流側の室43に流入する。室43に流入した蒸発残渣は、重質油分と固形分の混合物であり、水分がないため、エマルジョンはなく、上下に完全分離する。隣接する室44には、室43で静置分離した重質油分と一部の固形分が室43から溢れることで流れ込むようになっている。また、隣接する室45には、室44で静置分離した重質油分が室44から溢れることで流れ込むようになっている。最下流側の室45に回収された重質油分には水分の混入はほとんどなく、通常は1.5重量%以下、特に1.0重量%以下、更には0.5重量%以下の水分量である。室45に溜まった重質油分は、重質油分流出配管49から回収される(図1中の符号P)。なお、室43に残留する分離後の固形分は、排出弁46を開くことで排出し(図1中の符号P)、例えば燃料として回収される。なお、重質油分中の固形分残量が微少となることが要求される場合、重質油分と固形分の混合物を金属フィルター等を使用した濾過器や遠心分離器などにより更に分離処理してもよい。
本発明の油分回収装置を使用した油分回収方法において、原油スラッジからの全油分の回収率、すなわち、真空蒸発槽に充填された原料中の油分に対する全油分は、ほぼ100%、実際には真空ポンプで吸引される回収できない油分などがあるため、概ね98%程度で回収することができる。回収された軽質油分と重質油分の合計である全油分中の水分量は、通常は1.0重量%未満、好ましくは0.5重量%以下である。回収油分は、軽質油分と重質油分の混合油分として回収してもよく、また、重質油分は固形分と共に混合物として回収してもよい。重質油分と固形分の混合物、あるいは分離後の重質油と固形物は各々工業用燃料として使用できる。このような油分回収方法であれば、薬剤などを使用することがないため、薬剤回収などの処理が不要であり、環境負荷を大きく低減できる。また、近年の原油高騰の折り、油分回収ニーズを満足することができる。
油分回収装置10は、ベース盤に、真空蒸発槽1、凝縮器2、第1分離器3及び第2分離器4、必要に応じてボイラーを設置し、配管接続などして可搬式とすることが、原油タンク又は原油スラッジ貯留槽にアクセスが容易となる点で好ましい。また、ベース盤には車輪をつけたものでよく、また車輪を付けることなく、改良したトラックの荷台に載置するものであってもよい。真空蒸留槽1の加熱が蒸気であって、ボイラーを装填しない可搬式の場合、外部ボイラーからスチームを、外部冷媒供給源から冷媒をそれぞれ貰い受けることになる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
試験用真空蒸発槽として下記仕様のものを使用し、第1分離器として1室構造の重力式油水分離器を使用し、第2分離器として1室構造の重力式固液分離器を使用した以外は、図1の油分回収装置と同様の装置を使用し、下記運転条件で原油スラッジA中の油分の回収を行った。すなわち、原油スラッジAを真空蒸発槽Aに導入し、加熱及び真空下にて撹拌し、原油スラッジA中の軽質油分と水分を蒸発させた。次いで、蒸発物質を冷却して軽質油分と水に分離し、軽質油分を回収した。一方、凝縮液体の発生終焉に伴い、真空蒸発槽Aの運転を停止し、真空状態を大気圧に戻して真空蒸発槽の下部から残渣を第2分離器に排出した。そして、第2分離器で分離した重質油を回収した。
その結果、第1分離器から比重0.770の軽質油分8.2重量%を回収した。この軽質油分中には水分が検出されなかった。一方、第2分離器から比重0.950〜0.990の重質油分20.6重量%を回収し、分離残渣48.1重量%を回収した。この重質油分中の水分量は0(ゼロ)重量%であった。なお、分離残渣はほとんどが固形分であり、重質油分を少量含むものであった。原油スラッジAからの油分回収量は98%(28.8重量%/29.3重量%)であった。
(真空蒸発槽及び運転条件)
・図1に示す真空蒸発槽A
・撹拌羽根の平均回転速度;20回転/分
・真空度;−96kPa、加熱温度(原料温度);80〜120℃
・蒸発物質温度(凝縮器入り口温度);50〜85℃
・バッチ処理;原料47.8kg、2時間処理
・原油スラッジA;水分22.9重量%、油分29.3重量%、固形分47.8重量%
(関連装置)
・加熱手段;外部からスチーム加熱するジャケット方式
・真空ポンプ;水封式
・凝縮器:冷却水使用
下記真空蒸発槽及び運転条件とした以外は、実施例1と同様の方法により行った。その結果、第1分離器から比重0.790の軽質油分5.1重量%を回収した。この軽質油分中の水分量は0.1重量%以下であった。一方、第2分離器から重質油分の一部である13.1重量%を回収し、分離残渣60.1重量%を回収した。この重質油分中の水分量は1.0重量%であった。原油スラッジBからの液状油分としての回収率は58重量%(18.2重量%/31.6重量%)であった。なお、分離残渣には一部の重質油分が含まれており、固形分、あるいは固形分と重質油の混合物を燃料として利用すれば、エネルギー源としての回収率は100%近くになる。
(真空蒸発槽及び運転条件)
・図1に示す真空蒸発槽B
・撹拌羽根の平均回転速度;20回転/分
・真空度;−100kPa、加熱温度(原料温度);75〜97℃
・蒸発物質温度(凝縮器入り口温度);45〜50℃
・バッチ処理;原料41.2kg、5時間処理
・原油スラッジB;水分20.4重量%、油分31.6重量%、固形分48.0重量%
下記真空蒸発槽及び運転条件とした以外は、実施例1と同様の方法により行った。その結果、軽質油分分離器から軽質油分9.2重量%を回収した。この軽質油分中の水分量は0.1重量%以下であった。一方、重質油分分離器から重質油分13.4重量%を回収し、分離残渣56.2重量%を回収した。この重質油分中の水分量は1.0重量%であった。原油スラッジCからの液状油分としての回収率は64重量%(22.6重量%/35.3重量%)であった。なお、分離残渣には一部の重質油分が含まれており、固形分、あるいは固形分と重質油の混合物を燃料として利用すれば、エネルギー源としての回収率は100%近くになる。
(真空蒸発槽及び運転条件)
・図1に示す真空蒸発槽A
・撹拌羽根の平均回転速度;20回転/分
・真空度;−94.3kPa、加熱温度(槽内温度);124.9℃
・蒸発物質温度(凝縮器入り口温度);58〜80℃
・バッチ処理;原料44.7kg、2時間処理
・原油スラッジC;水分21.0重量%、油分35.3重量%、固形分43.7重量%
本発明の油分回収装置を用いれば、回収油分は、いずれも水分をほとんど含まないため、そのまま原油等にブレンドして回収することができる。巨大な原油タンクに長期間に亘り堆積した原油スラッジの量は大量であり、これから回収される油分は、近年の原油高騰の状況下、貴重な資源となる。また、薬剤を使用しないため、薬剤処理などの二次処理が不要となり、環境負荷を低減できる。
海洋に流出した原油や重質油は、海洋に漂流中、風と波の影響を受けてアスファルテン等の重質分が海水と混ざってエマルジョンを形成し、ムースと称される油濁汚染物質となって、海洋及び沿岸周辺に多大な環境汚染を引き起こす。従来、海洋に漂流あるいは着岸した油濁汚染物質は、多くの場合、油分を回収することなく、廃棄物として処理したり、甚だしい場合は、漂流している油濁汚染物質を薬剤により海底に沈降させていたため、長期間に亘り、甚大な環境汚染を引き起こしていた。これに対して、本願発明の油分回収方法は、このような油濁汚染物質を薬剤を使用することなく、そのまま処理して、油分と固形分に分離できるため、廃棄物処理負担が軽減でき、地球環境保全に大きく貢献できる。
1 真空蒸発槽
2 凝縮器
3 第1分離器
4 第2分離器
5 真空ポンプ
6 原油タンク又は原油スラッジ貯留槽
10 原油スラッジ中の油分回収装置

Claims (11)

  1. 原油スラッジを真空蒸発処理する真空蒸発槽と、
    該真空蒸発槽で得られる蒸発物質を冷却する凝縮器と、
    該凝縮器から得られる凝縮物を軽質油分と水に分離する第1分離器と、
    蒸発残渣取り出し弁を有し、一端が該真空蒸発槽に接続する配管と、を備えることを特徴とする原油スラッジ中の油分回収装置。
  2. 該真空蒸発槽で得られる蒸発残渣を重質油分と固形残渣に分離する第2分離器を更に備え、該配管は該真空蒸発槽と該第2分離器を接続するものであることを特徴とする請求項1記載の原油スラッジ中の油分回収装置。
  3. 該真空蒸発槽で得られる蒸発残渣を回収する回収容器を更に備え、該配管は該真空蒸発槽と該回収容器を接続するものであることを特徴とする請求項1記載の原油スラッジ中の油分回収装置。
  4. 該第1分離器が、重力式油水分離器であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の原油スラッジ中の油分回収装置。
  5. 該重力式油水分離器は、内部が内部高さより低い所定高さの邪魔板により、2つ室に分割されており、一方の室には凝縮物質流入配管及び水分排出配管が、他方の室には軽質油分流出配管がそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項4記載の原油スラッジ中の油分回収装置。
  6. 該重力式油水分離器には、油水界面の界面レベルを観察する液面計が設置されていることを特徴とする請求項4又は5記載の原油スラッジ中の油分回収装置。
  7. 該第2分離器は、真空蒸発槽より下方位置に設置されることを特徴とする請求項2記載の原油スラッジ中の油分回収装置。
  8. 該第2分離器が、重力式固液分離器であることを特徴とする請求項7記載の原油スラッジ中の油分回収装置。
  9. 該重力式固液分離器は、内部が内部高さより低い所定高さの邪魔板により、2つ室に分割されており、一方の室には蒸発残渣流入配管及び固形分排出配管が、他方の室には重質油分流出配管がそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項8記載の原油スラッジ中の油分回収装置。
  10. 該重力式固液分離器は、内部が内部高さより低い高さの異なる複数の邪魔板により、上流側から下流側に向けて高さが低くなる3つ以上の室に分割されており、最上流側の室には蒸発残渣流入配管及び固形分排出配管が、最下流側の室には重質油分流出配管がそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項9記載の原油スラッジ中の油分回収装置。
  11. 該真空蒸発槽、該凝縮器、該第1分離器及び該第2分離器をベース盤上に配置して、可搬式としたことを特徴とする請求項2記載の原油スラッジ中の油分回収装置。
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