JP2012225744A - 物体の体積変化計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】体積変化度合いやその分布が未知の物体の体積変化及びその分布を的確に計測することが出来る方法を提供する。
【解決手段】基準ブリルアン計測又は基準レイリー計測によって、基準部材についての体積変化と単位圧力当たりの周波数シフト量との関係が把握される。この結果から、キャリブレーションデータとなるブリルアン計測用係数α、レイリー計測用係数α及び共通係数β′が求められる。そして、体積変化が未知の供試部材に対して同様な供試ブリルアン計測又は供試レイリー計測を実行してブリルアン周波数シフト量Δν及び圧力Pとレイリー周波数シフト量Δνを求める。この実測値と上記係数α、α及びβ′を所定の数式に代入することで、供試部材10の体積歪みeや体積弾性率K等の体積変化を求めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバのブリルアン周波数シフト又はレイリー周波数シフト現象を利用して、物体の体積変化及びその分布を計測する方法に関する。
光ファイバのブリルアン散乱現象及びレイリー散乱現象を利用した各種の計測手法が知られている(例えば特許文献1)。その一つとして、光ファイバに歪み(圧力)が加えられることにより生じるブリルアン周波数シフト及びレイリー周波数シフトを利用した分布型圧力センサが挙げられる。これら周波数シフトは、光ファイバに加わる歪みに依存するため、その周波数シフト量を計測することで、印加された圧力を計測することができる。
この光ファイバを用いた圧力測定技術は、物体の体積変化の計測に適用し得る。例えば、ポーラスな砂岩は、流体が充填される前と充填された後とでは体積が変化するので、前記圧力測定技術の適用分野の一つとなる。近年、地球温暖化対策として、地中に二酸化炭素を貯留する技術が開発されつつあるが、上掲の圧力測定技術は、二酸化炭素地中貯留が実行される場合における、砂岩に対する二酸化炭素の貯留状況をモニターするシステム、並びにその上位層であるキャップロック層(泥質岩等)の力学的安定性や安全性をモニターするシステムの構築に寄与できる。
国際公開第2006/001071号パンフレット
しかしながら、例えば地中に存在する未知の組成からなる砂岩の体積変化を的確に検知する方法は未だ提案されていない。電気的な圧力センサを用いれば、スポット的な圧力変化を検知することは可能である。しかし、その圧力変化が、砂岩に流体が圧入されたことに伴うものか否か、つまり、砂岩の体積変化に依存するものか否かを特定することはできない。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたもので、体積変化度合いやその分布が未知の物体の体積変化及びその分布を的確に計測することが出来る物体の体積変化計測方法を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る物体の体積変化計測方法は、体積変化が既知の基準部材に、この基準部材に対して外部から圧力が加えられたことに伴う当該基準部材の変形に追従するよう、光ファイバを固定するステップと、前記光ファイバが固定された基準部材に外部から既知の圧力を加えた状態で、前記光ファイバに試験光を入射させて、ブリルアン散乱現象に基づく基準ブリルアン周波数シフト量を求める基準ブリルアン計測、又は、レイリー散乱現象に基づく基準レイリー周波数シフト量を求める基準レイリー計測の少なくとも一方を行うステップと、前記基準ブリルアン計測又は基準レイリー計測の結果から、それぞれの計測における体積変化と単位圧力当たりの周波数シフト量との関係に基づく、ブリルアン計測用係数又はレイリー計測用係数を求めるステップと、体積変化が未知の供試部材に、この供試部材に対して外部から圧力が加えられたことに伴う当該供試部材の変形に追従するよう、光ファイバを固定するステップと、前記光ファイバが固定された供試部材に外部から既知の圧力を加えた状態で、前記光ファイバに試験光を入射させて、ブリルアン散乱現象に基づく供試ブリルアン周波数シフト量を求める供試ブリルアン計測、又は、レイリー散乱現象に基づく供試レイリー周波数シフト量を求める供試レイリー計測の少なくとも一方を行うステップと、前記供試ブリルアン周波数シフト量又は供試レイリー周波数シフト量と、ブリルアン計測用係数又はレイリー計測用係数とから、前記供試部材の体積変化を求めるステップと、を含む(請求項1)。
この計測方法によれば、基準ブリルアン計測又は基準レイリー計測によって、基準部材についての体積変化と単位圧力当たりの周波数シフト量との関係が把握される。この結果から、キャリブレーションデータとなるブリルアン計測用係数又はレイリー計測用係数が求められる。そして、供試部材に対して同様な供試ブリルアン計測又は供試レイリー計測を実行して周波数シフト量を求め、これにブリルアン計測用係数又はレイリー計測用係数を適用することで、供試部材の体積変化を求めることができる。
上記構成において、前記基準ブリルアン計測及び前記基準レイリー計測を行うステップは、前記基準部材に固定されていない状態の光ファイバに試験光を入射させて、基準ブリルアン周波数シフト量又は基準レイリー周波数シフト量を計測する第1計測と、異なる材料からなる少なくとも2種の基準部材にそれぞれ固定された光ファイバについて、前記基準ブリルアン周波数シフト量又は基準レイリー周波数シフト量を計測する第2計測と、を含み、前記ブリルアン計測用係数又はレイリー計測用係数を求めるステップは、前記第1計測及び第2計測で得られた前記基準ブリルアン周波数シフト量又は基準レイリー周波数シフト量についての単位圧力当たりの周波数シフト量を、体積変化の軸上にプロットして得た一次関数の傾き及び切片を求めるステップであることが望ましい(請求項2)。
この構成によれば、基準部材に固定されていない状態の光ファイバと、少なくとも2種の異なる基準部材に固定された光ファイバとから、少なくとも3種の基準ブリルアン周波数シフト量又は基準レイリー周波数シフト量が求められる。従って、体積変化と単位圧力当たりの周波数シフト量との関係を一次関数化することが可能となり、ブリルアン計測用係数又はレイリー計測用係数を前記一次関数の傾き及び切片として求めることができる。これにより、係数の導出を容易且つ確実に行うことができる。
上記構成において、前記基準部材に光ファイバを固定するステップは、1本の光ファイバの一部を円筒状の基準部材に巻回すると共に、前記光ファイバの他の一部を前記基準部材から離間させたフリーファイバ部分を形成するステップを含み、前記基準ブリルアン計測又は前記基準レイリー計測を行うステップは、圧力容器内に、前記光ファイバの基準部材への巻回部分と、前記フリーファイバ部分とを封入するステップを含むことが望ましい(請求項3)。
この構成によれば、上記第1計測及び第2計測を一度の計測で実行することが可能となり、計測効率を向上させることができる。
上記構成において、前記供試部材が、不均質で多孔性の部材であり、前記供試部材の体積変化を求めるステップが、当該供試部材の体積弾性率及び体積膨張率を求めるステップであることが望ましい(請求項4)。
本発明によれば、体積変化度合いやその分布が未知の物体の体積変化及びその分布を的確に計測することが出来る物体の体積変化計測方法を提供することができる。従って、例えばポーラスな砂岩等に対する流体の充填率やその分布を求めることが可能となり、二酸化炭素地中貯留が実行される場合における、砂岩に対する二酸化炭素の貯留状況をモニターするシステムの構築に寄与することができ、さらには、シール層として機能するキャップロック層の体積変化分布も測定することができる。
本発明に係る体積変化計測方法の手順を概略的に示すフローチャートである。 キャリブレーション工程において実行される、基準部材についての計測システムを示す模式図である。 図2の計測システムにおける圧力印加パターンを示す図である。 基準ブリルアン計測の結果を示すグラフである。 基準レイリー計測の結果を示すグラフである。 基準ブリルアン計測により求められるブリルアン計測用係数を説明するためのグラフである。 基準レイリー計測により求められるレイリー計測用係数を説明するためのグラフである。 実測工程において実行される、供試部材についての計測システムを示す模式図である。 供試部材への光ファイバの固定状況を示す模式図である。 図8の計測システムにおける圧力印加パターンを示す図である。 供試ブリルアン計測における、圧力と周波数シフトとの関係を示すグラフである。 供試レイリー計測における、圧力と周波数シフトとの関係を示すグラフである。 供試ブリルアン計測における、圧力と体積歪みとの関係を示すグラフである。 供試レイリー計測における、圧力と体積歪みとの関係を示すグラフである。 供試ブリルアン計測における、圧力と体積弾性率との関係を示すグラフである。 供試レイリー計測における、圧力と体積弾性率との関係を示すグラフである。 砂岩試料に、超臨界状態の二酸化炭素を注入する試験装置を示す模式的な図である。 体積変化の測定点を示す砂岩試料の周面展開図である。 各測定点の体積変化を示すグラフである。 超臨界二酸化炭素と純水との界面の進展速度を評価したグラフである。 二酸化炭素地中貯留及び貯留状況のモニターシステムの概要図である。 図21の矢印F部の拡大図である。 センサケーブルの断面図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る体積変化計測方法の手順全体を概略的に示すフローチャートである。本実施形態の体積変化計測方法は、大略的に、体積変化が既知の基準部材に光ファイバを固定してブリルアン計測及びレイリー計測を行い、計測用係数を求める「キャリブレーション工程」と、上記計測用係数を用いて体積変化が未知の供試部材に光ファイバを固定してブリルアン計測及びレイリー計測を行い、供試部材の体積変化を導出する「供試部材の実測工程」とを備えている。
上記キャリブレーション工程は、基準部材へ光ファイバを固定するステップ(ステップS1)、基準ブリルアン計測及び基準レイリー計測を実行するステップ(ステップS2)、基準ブリルアン周波数シフト量及び基準レイリー周波数シフト量を求めるステップ(ステップS3)、及び、ブリルアン計測用係数又はレイリー計測用係数を求めるステップ(ステップS4)を含む。また、供試部材の実測工程は、供試部材へ光ファイバを固定するステップ(ステップS5)、供試ブリルアン計測及び供試レイリー計測を実行するステップ(ステップS6)、供試ブリルアン周波数シフト量及び供試レイリー周波数シフト量を求めるステップ(ステップS7)、及び、供試部材の体積変化を導出すステップ(ステップS8)を含む。以下、本実施形態の体積変化計測方法の測定原理、並びに、上掲の各ステップについて詳細に説明する。
<測定原理>
光ファイバに光を入射し、その散乱光を周波数分析すると、入射光とほぼ同じ周波数をもつレイリー散乱光、入射光と大きく周波数が異なるラマン散乱光、及び、入射光と数〜数十GHz程度周波数が異なるブリルアン散乱光が観測される。ブリルアン散乱現象は、光が光ファイバへ入射された場合に光ファイバ中の音響フォノンを介してパワーが移動する現象である。入射光とブリルアン散乱光との周波数の差はブリルアン周波数シフトと呼ばれ、このブリルアン周波数シフトは、光ファイバ中の音速に比例し、そして、この音速が光ファイバの歪み及び温度に依存する。このため、ブリルアン周波数シフトを測定することによって、光ファイバに加えられる歪み及び/又は温度を測定することができる。
レイリー散乱現象は、光ファイバ中の屈折率のゆらぎによって、光が散乱するために生ずる散乱現象である。入射光とレイリー散乱光との周波数の差がレイリー周波数シフトである。このレイリー周波数シフトも、光ファイバに加えられる歪み及び/又は温度により変化する。
(キャリブレーション工程)
温度が一定の条件下で、圧力変化ΔPを受ける光ファイバのブリルアン周波数シフト量Δν、及び、レイリー周波数シフト量Δνは、次の(1)式、(2)式で与えられる。
Figure 2012225744
上記(1)式、(2)式において、添え字「B」、「R」は、それぞれブリルアン計測、レイリー計測を示している。Δeは体積歪み(体積膨張率)の増分を示す。また、αはブリルアン計測用係数、αはレイリー計測用係数、β′はブリルアン計測及びレイリー計測の双方で共通に適用される係数であって、体積弾性率が既知の材料に対するキャリブレーション試験により決定される係数である。さらに、C11はブリルアン計測の歪み感度係数(=0.0507MHz/με)、C21はレイリー計測の歪み感度係数(=−0.155GHz/με)である。
圧力変化ΔPに対して体積弾性率Kが一定に保たれる線形な材料に対しては、次の(3)式が成立する。
Figure 2012225744
この場合、上記(1)式及び(2)式で示したブリルアン周波数シフト量Δν、及び、レイリー周波数シフト量Δνは、次の(4)式及び(5)式の通りに変形することができる。
Figure 2012225744
そこで、上記キャリブレーション試験として、体積弾性率Kが既知の複数の材料に対して圧力負荷試験を行う。そして、体積弾性率の逆数1/Kに対し、Δν/ΔP及びΔν/ΔPの値をプロットする。それらの結果を線形近似し、該近似線の傾きと切片とから、ブリルアン計測用係数α、レイリー計測用係数α、及び共通係数β′を決定する。
ここで、体積歪みの増分Δe及び体積弾性率Kは、光ファイバが固定される基材(後述する基準部材または供試部材)の物性である。光ファイバに圧力が加えられる前提として、光ファイバは前記基材に追従変動可能に固定され、基材が圧力変動環境に置かれて当該基材が収縮又は膨張変形したときに、その変形に伴い光ファイバも追従変形することを想定している。
(供試部材の実測工程)
上記のキャリブレーション試験によってブリルアン計測用係数α、レイリー計測用係数α、及び共通係数β′を予め求めておけば、体積弾性率が未知の基材(供試部材)の体積変化、すなわち体積歪みの増分Δe及び体積弾性率Kを、ブリルアン計測及び/又はレイリー計測を行うことで求めることができる。なお、体積弾性率Kが未知の材料については、圧力変化ΔPに対して体積弾性率Kが一定に保たれるとは限らないので、以下の通り導出される式を用いる。
上記(1)式〜(5)式より、体積歪みの増分Δeは、次の(6)式で表すことができる。
Figure 2012225744
基準状態の圧力をPとし、このPから、ある圧力Pまで変化することを想定する。上記(6)式を圧力Pから圧力Pまで積分すると、次の(7)式の通りとなる。
Figure 2012225744
体積歪みの定義は、K=−(dP/de)であるので、体積弾性率Kは次の(8)式で与えられる。
Figure 2012225744
上記(7)式において、dν/dP及びdν/dPの計算は、供試部材へ加える圧力とレイリー及びブリルアン周波数シフトの計測結果とを関数フィッティング(例えば3次多項式)し、その関数を微分することにより求めることができる。
例えばポーラスな砂岩等は、その砂岩内に流体が充填されている場合と、されていない場合とで体積弾性率が変化する。また、一般に砂岩は不均質な材料であるので、実際の二酸化炭素の貯留状況にはムラが生じると考えられる。このムラは、砂岩の体積弾性率の空間的な分布として現れる。従って、二酸化炭素の貯留地層に光ファイバを配設し、その光ファイバについてブリルアン計測及び/又はレイリー計測を行うことで、前記貯留地層における、二酸化炭素の貯留状況をモニターすることが可能となる。
<ステップS1>
図2は、キャリブレーション工程において実行される、基準部材1についての計測システムM1を示す模式図である。ステップS1では、体積変化が既知の基準部材1に、測定用光ファイバ2を固定する。基準部材1としては、円筒状の金属部材を用いることができる。本実施形態では、アルミニウム(Al)円管とステンレス(SUS)円管とを用いる。光ファイバ2としては、コアとクラッドを備えた石英ファイバ素線上にUVコート層を備えたファイバ心線が用いられる。
測定用光ファイバ2の一部は、基準部材1の周上に螺旋状に巻回され、他の一部は、基準部材1から圧力の影響を受けないよう基準部材1から離間させた状態とされる。これにより、測定用光ファイバ2には、巻回部21と、基準部材1に拘束されていないフリーファイバ部22とが形成される。測定用光ファイバ2の第1端部23には第1リード光ファイバ25が、第2端部24には第2リード光ファイバ26が、それぞれ融着部2Aにおいて融着されている。
巻回部21において測定用光ファイバ2は、基準部材1に対して外部から圧力が加えられたことに伴う当該基準部材1の変形に追従するよう、基準部材1の周面に所定の張力をもって巻回されると共に、エポキシ系接着剤等を用いて強固に接着される。また、基準部材1の外径は、測定用光ファイバ2の外径に対して十分大きいものとされる。これにより、基準部材1が高圧力下に置かれての外径が収縮した場合、巻回部21も同様に収縮し、巻回内径が収縮後の基準部材1の外径に等しくなる。このような巻回部21を形成することで、基準部材1の体積変化に伴う圧力が的確に測定用光ファイバ2に作用するようになり、正確に圧力変化がブリルアン計測及びレイリー計測に反映されるようになる。一方で、フリーファイバ部22は、純粋に測定用光ファイバ2に作用する外部圧力に伴うブリルアン周波数シフト量及びレイリー周波数シフトを計測できるよう、張力が与えられない状態とされる。
基準部材1及び測定用光ファイバ2は、円筒状の圧力容器3の内部に封入される。圧力容器3は、例えば1〜50MPaの範囲で圧力環境を形成できるチャンバーであり、そのチャンバーの圧力を制御する圧力制御装置3Pが付設されている。また、圧力容器3の開口部には圧力隔壁31が備えられている。この圧力隔壁31には、第1、第2リード光ファイバ25、26を保持するフィードスルー32が貫通されている。
<ステップS2>
圧力容器3内に、基準部材1及びこれに一部(巻回部21)が固定された測定用光ファイバ2を密封し、これらに既知の圧力を加えた状態で、測定用光ファイバ2に試験光を入射させて、ブリルアン散乱現象に基づく基準ブリルアン周波数シフト量を求める基準ブリルアン計測、及び、レイリー散乱現象に基づく基準レイリー周波数シフト量を求める基準レイリー計測を実行する。温度は30℃で一定とする。
図2に示すように、基準ブリルアン計測及び基準レイリー計測のために、第1リード光ファイバ25の端部に、サーキュレータ251を介してポンプ光源27及び検出器29が接続され、第2リード光ファイバ26の端部に、プローブ光源28が接続される。測定用光ファイバ2は、基準ブリルアン計測及び基準レイリー計測の双方に共用される。
ポンプ光源27は、半導体レーザ等を光源とし、パルス光からなるポンプ光を発生する。このポンプ光は、第1リード光ファイバ25を介して測定用光ファイバ2の第1端部23に入射される。プローブ光源28は、同様に半導体レーザ等を光源とし、連続光からなるプローブ光を発生する。このポンプ光は、第2リード光ファイバ26を介して測定用光ファイバ2の第2端部24に入射される。
検出器29は、受光素子を備え、測定用光ファイバ2内において誘導ブリルアン散乱現象の作用を受けた光(誘導ブリルアン散乱光)、若しくはレイリー散乱現象の作用を受けた光(レイリー後方散乱光)を受光する。また、検出器29は、演算処理装置を備え、誘導ブリルアン散乱光及びレイリー後方散乱光のスペクトルを分析することで、基準ブリルアン周波数シフト量を求める演算、及び基準レイリー周波数シフト量を求める演算を行う。なお、サーキュレータ251は、測定用光ファイバ2側から第1リード光ファイバ25への戻り光を分離して検出器29に入射させる。
計測システムM1によって基準ブリルアン計測を行う場合、ポンプ光源27は、メイン光パルス及びサブ光パルスを発生し、これら光パルスをポンプ光として測定用光ファイバ2の第1端部23に入射させる。また、プローブ光源28は連続光からなるプローブ光を、測定用光ファイバ2の第2端部24に入射させる。なお、前記メイン光パルスは、測定用光ファイバ2において音響フォノンで散乱されたエネルギーをプローブ光に渡すように機能し、サブ光パルスは、メイン光パルスのために、音響フォノンを励起するように機能する。この場合、検出器29は、誘導ブリルアン散乱光を検出する。
一方、計測システムM1によって基準レイリー計測を行う場合、ポンプ光源27は1種類のパルス光を発生し、測定用光ファイバ2の第1端部23に入射させる。なお、プローブ光源28は使用されない。この場合、検出器29は、レイリー後方散乱光を検出する。
基準ブリルアン計測及び基準レイリー計測が行われる際、圧力制御装置3Pによって、圧力容器3の内部圧力が操作される。図3は、圧力操作の一例を示しており、図3(A)は圧力変化パターンを、図3(B)は各期間において印加される圧力を示している。図3(A)に示すように、好ましい圧力操作の一例は、低圧力期間A、中圧力期間B及び高圧力期間Cを定め、各単位期間を90分とし、順次、低圧力期間A→中圧力期間B→高圧力期間C→中圧力期間B→低圧力期間Aと変化させるパターンである。そして、図3(B)に示すように、低圧力期間Aの圧力は1MPaとし、中圧力期間B及び高圧力期間Cは、1日目、2日目及び3日目で各々異なる圧力水準とする。これにより、1MPa〜30MPaの間において、5MPa刻みで基準ブリルアン計測及び基準レイリー計測を行うことができる。なお、各単位期間において90分の維持時間を取るのは、光ファイバ2の圧力応答を安定させるためである。
以上の基準ブリルアン計測及び基準レイリー計測は、基準部材1として、異なる素材のものを用いて複数回実施することが望ましい。本実施形態では、アルミニウム円管及びステンレス円管の2種類を用いて、上記の基準ブリルアン計測及び基準レイリー計測を行った。
<ステップS3>
検出器29は、各々の既知の圧力下の基準ブリルアン計測において、前記誘導ブリルアン散乱光を検出することによって、測定用光ファイバ2の長手方向における各領域部分のブリルアンスペクトルをそれぞれ求める。そして、各領域部分のブリルアンスペクトルに基づいて、各領域部分のブリルアン周波数シフト量をそれぞれ求める。また、検出器29は、各圧力下の基準レイリー計測において、前記レイリー後方散乱光に基づき、測定用光ファイバ2の長手方向における各領域部分のレイリースペクトルをそれぞれ求める。そして、各領域部分のレイリースペクトルに基づいて、各領域部分のレイリー周波数シフト量をそれぞれ求める。
図4は、基準ブリルアン計測において得られた、1MPa〜30MPaの間のブリルアン周波数シフト量を示している。図4において、「Al」のプロットは、基準部材1としてアルミニウム円管を用いた場合の、測定用光ファイバ2の巻回部21におけるブリルアン周波数シフト量である。また、「SUS」のプロットは、基準部材1としてステンレス円管を用いた場合の、測定用光ファイバ2の巻回部21におけるブリルアン周波数シフト量である。さらに、「free」のプロットは、測定用光ファイバ2のフリーファイバ部22のブリルアン周波数シフト量である。図4から明らかな通り、アルミニウム円管への巻回部21、ステンレス円管への巻回部21及びフリーファイバ部22共、ブリルアン周波数シフト量の圧力に対する反応は「負」の線形に変化する。また、フリーファイバ部22が圧力に対する反応が最も大きいことが分かる。
図5は、基準レイリー計測において得られた、1MPa〜30MPaの間のレイリー周波数シフト量を示している。図5において、「Al」、「SUS」及び「free」のプロットは、図4の場合と同じである。図5から明らかな通り、フリーファイバ部22及びアルミニウム円管への巻回部21は、レイリー周波数シフト量の圧力に対する反応は「正」の線形に変化する一方で、ステンレス円管への巻回部21は、レイリー周波数シフト量の圧力に対する反応は「負」の線形に変化している。この基準レイリー計測においても、フリーファイバ部22が圧力に対する反応が最も大きいことが分かる。基準部材1の材料によって、圧力とレイリー周波数シフトとの関係が「正」に変化する挙動を示す場合と、「負」に変化する挙動を示す場合とが存在することは、ブリルアン周波数シフト量及びレイリー周波数シフト量の双方を検出することにより、様々な物体の体積変化が特定可能であることを示唆している。
<ステップS4>
上記ステップ3の基準ブリルアン計測及び基準レイリー計測の結果から、それぞれの計測における体積変化と単位圧力当たりの周波数シフト量との関係に基づく、ブリルアン計測用係数又はレイリー計測用係数が求められる。本実施形態では、アルミニウム円管への巻回部21、ステンレス円管への巻回部21及びフリーファイバ部22の、3種の圧力とブリルアン及びレイリー周波数シフトとの関係を利用して係数を求める。
図6は、基準ブリルアン計測の結果から得られた、ブリルアン計測用係数を求めるためのグラフである。図6のグラフの横軸は体積弾性率Kの逆数、縦軸は、図4のグラフから導かれる単位圧力当たりの周波数シフト量である。ちなみに、アルミニウムの体積弾性率は、75.5[GPa]、ステンレスは160[GPa]、測定用光ファイバ2の構成材料である石英は36.9[GPa]である。従って、図6のプロットP11はステンレス円管への巻回部21、P12はアルミニウム円管への巻回部21、P13はフリーファイバ部22に各々対応するプロットである。
図7は、基準レイリー計測の結果から得られた、レイリー計測用係数を求めるためのグラフである。図7のグラフの横軸は体積弾性率の逆数、縦軸は、図5のグラフから導かれる単位圧力当たりの周波数シフト量である。図6と同様に、図7のプロットP21はステンレス円管への巻回部21、P22はアルミニウム円管への巻回部21、P23はフリーファイバ部22に各々対応するプロットである。
図6及び図7の結果から、ブリルアン計測用係数α、レイリー計測用係数α、及び共通係数β′が導出される。図6に示す単位圧力当たりの基準ブリルアン周波数シフト量と体積弾性率Kの逆数との相関を示す近似線R1は、次の(9)式で、図7に示す単位圧力当たりの基準レイリー周波数シフト量と体積弾性率Kの逆数との相関を示す近似線R2は、次の(10)式で、一次関数として表すことができる。
y=−9.719x−0.475 ・・・(9)
y=31.606x−0.205 ・・・(10)
ブリルアン計測用係数αは、上記(9)式の切片=−0.475、また、レイリー計測用係数αは、上記(9)式の切片=−0.205となる。共通係数β′は、それぞれ、上記(10)式の傾き=−9.719をブリルアン計測の歪み感度係数C11(=0.0507MHz/με)で除して、上記(10)式の傾き=31.606をレイリー計測の歪み感度係数C21(=0.155GHz/με)で除して求めることができる。算出すると、
ブリルアン計測の共通係数β′=0.192×10
レイリー計測の共通係数β′=0.204×10
となる。なお上記共通係数β′の「10」は、単位合わせのための乗数で、近似的には両者共「0.2」と扱うことができる。
共通係数β′は、測定用光ファイバ2が基準部材1から感受する歪みの比率である。上記算出例によれば、基準部材1の体積歪みの20%を、測定用光ファイバ2は感受しているということになる。体積歪みeは、x軸、y軸、z軸の3軸の歪みの和(e=εx+εy+εz)で表される。一方、石英ガラス系光ファイバは、その長手方向に沿う方向の歪みにしか反応しない。従って、基準部材1が等方性材料であり、測定用光ファイバ2も等方的に変形するのであれば、理論的には基準部材1の体積歪みeの1/3を測定用光ファイバ2が感受するはずである(β′=0.333)。しかし、本発明者らの実験に依れば、感受する歪みの比率は1/3ではなく1/5であり、また、ブリルアン計測及びレイリー計測の双方でほぼ同じ値となることが判明した。これらの要因については、現在のところは確定できていない。
以上より、上記(8)式の定数は全て求められたことになる。すなわち、
ブリルアン計測用係数α=−0.475[MHz/MPa]
レイリー計測用係数α=−0.205[GHz/MPa]
共通係数β′=0.2×10
ブリルアン計測の歪み感度係数C11=0.0507[MHz/με]
レイリー計測の歪み感度係数C21=−0.155[GHz/με]
となる。従って、既知の圧力Pを印加して、ブリルアン周波数シフト量Δν、及び、レイリー周波数シフト量Δνを求めれば、体積変化が未知の供試部材についての体積歪みe及び体積弾性率Kを求めることができる。
<ステップS5>
続いて、供試部材の実測工程に移行する。図8は、実測工程において実行される、供試部材10についての計測システムM2を示す模式図である。ここでは、体積変化が未知の供試部材10に、この供試部材10に対して外部から圧力が加えられたことに伴う当該供試部材10の変形に追従するよう、測定用光ファイバ4が固定される。用いられる光ファイバ4は、上記のキャリブレーション工程で用いた測定用光ファイバ2と同じものである。本実施形態では供試部材10は、円柱状に切り出された、内部にボイドを有する砂岩試料を用いた。
測定用光ファイバ4の一部は、供試部材10の周上に螺旋状に巻回され、これにより巻回部41が形成されている。図9は、供試部材10への測定用光ファイバ4の固定状況を示す模式図であり、円柱状の供試部材10を平面状に展開して図示している。本実施形態では、光ファイバ4のターンピッチは25mm、ターンエッジと供試部材10の軸方向端縁との距離は10mmとした。巻回部41において測定用光ファイバ4は、供試部材10の周面にエポキシ系接着剤等を用いて強固に固定される。固定の態様は、供試部材10が高圧力下に置かれての外径が収縮した場合、巻回部41も同様に収縮し、巻回内径が収縮後の供試部材10の外径に等しくなるような態様である。
測定用光ファイバ4の他の一部は、供試部材10から圧力の影響を受けない位置において束取りされ、第1束取部42が形成されている。この第1束取部42は、図2で示したフリーファイバ部22と同様に、純粋に測定用光ファイバ4に作用する外部圧力に伴うブリルアン周波数シフト量及びレイリー周波数シフトを計測できるよう、張力が与えられない状態とされる。測定用光ファイバ4の第1端部43には第1スルー光ファイバ451が、第2端部44には第2スルー光ファイバ452が、それぞれ融着部4Aにおいて融着されている。
供試部材10及び測定用光ファイバ4は、圧力試験器5の内部に収容される。圧力試験器5は、油圧を利用して例えば1〜50MPaの範囲で圧力環境を形成できるチャンバーであり、チャンバー内にはオイルが充填されている。圧力試験器5内の圧力は、圧力制御装置5Pによって制御される。圧力試験器5の開口部には圧力隔壁51が備えられている。この圧力隔壁51には、第1、第2スルー光ファイバ451、452を保持するフィードスルー52が貫通されている。
第1、第2スルー光ファイバ451、452の他端部には、それぞれ第1、第2参照光ファイバ461、462の一端部が、それぞれ融着部4Bにおいて融着されている。第1参照光ファイバ461の中間部には、光ファイバを束取りすることにより形成された第2束取部47が備えられている。さらに、第1、第2参照光ファイバ461、462の他端部には、第1、第2リード光ファイバ481、482の一端部が、それぞれ融着部4Cにおいて融着されている。なお、第1束取部42及び第2束取部47は、供試部材10の体積変化の測定には直接的に関与せず、温度計測等の目的で設けられるものであるため、これら束取部については形成を省いても良い。
第1、第2リード光ファイバ481、482の他端部は、測定装置6に接続されている。測定装置6は、先に図2で示した、ポンプ光源27、プローブ光源28及び検出器29の機能を備えた測定装置である。測定装置6は、第1リード光ファイバ481の側から測定用光ファイバ4の第1端部43にポンプ光を入射する。また、第2リード光ファイバ482の側から、ブリルアン計測のために測定用光ファイバ4の第2端部44にプローブ光を入射する。
<ステップS6>
図8に示した計測システムM2を用い、測定用光ファイバ4に既知の圧力を加えた状態で、測定用光ファイバ4に試験光を入射させて、供試部材10について、ブリルアン散乱現象に基づく供試ブリルアン周波数シフト量を求める供試ブリルアン計測、及び、レイリー散乱現象に基づく供試レイリー周波数シフト量を求める供試レイリー計測を実行する。温度は40℃で一定とする。供試ブリルアン計測及び供試レイリー計測の測定手法自体は、上述の基準ブリルアン計測及び基準レイリー計測の場合と同じである。
供試ブリルアン計測及び供試レイリー計測が行われる際、圧力制御装置5Pによって、圧力試験器5の内部圧力が操作される。図10は、本実施形態で実行した圧力変化パターン(圧力プロファイル)を示している。ここでは、0.5MPaを基準データとして、2MPa〜12MPaまで、2MPa刻みで圧力を変化させた。各圧力水準において維持時間を確保し、測定用光ファイバ4の圧力応答が安定したことを確認してから、供試ブリルアン計測及び供試レイリー計測を実行した。
<ステップS7>
測定装置6は、各々の圧力水準の供試ブリルアン計測において、誘導ブリルアン散乱光を検出することによって、測定用光ファイバ4の長手方向における各領域部分のブリルアンスペクトルをそれぞれ求める。そして、各領域部分のブリルアンスペクトルに基づいて、各領域部分(特に巻回部41)のブリルアン周波数シフト量をそれぞれ求める。また、測定装置6は、各圧力下の供試レイリー計測において、レイリー後方散乱光に基づき、測定用光ファイバ4の長手方向における各領域部分のレイリースペクトルをそれぞれ求める。そして、各領域部分のレイリースペクトルに基づいて、各領域部分のレイリー周波数シフト量をそれぞれ求める。
図11は、供試部材10に対する測定用光ファイバ4の巻回部41について観測された、供試ブリルアン計測における圧力とブリルアン周波数シフト量との相関を示すグラフ、図12は、供試レイリー計測における圧力とレイリー周波数シフト量との相関を示すグラフである。供試部材10がボイドを有する砂岩試料のためか、供試ブリルアン計測及び供試レイリー計測の双方とも、圧力と周波数シフトとの関係は非線形なものとなっている。なお、図示は省いているが、第1束取部42について観測されたブリルアン周波数シフト量及びレイリー周波数シフト量は、いずれも線形のものであった。
<ステップS8>
ステップS7で求めた供試ブリルアン周波数シフト量及び供試レイリー周波数シフト量と、ステップS4で求めたブリルアン計測用係数又はレイリー計測用係数とから、供試部材10の体積変化を求める。図11及び図12に示した通り、供試ブリルアン計測及び供試レイリー計測によって、供試部材10について、圧力Pとブリルアン周波数シフト量Δνとの関係、圧力Pとレイリー周波数シフト量Δνとの関係が求められている。これらの値を、上記(7)式に、先のキャリブレーション工程で求めたブリルアン計測用係数α、レイリー計測用係数α、共通係数β′、ブリルアン計測の歪み感度係数C11、及びレイリー計測の歪み感度係数C21と共に代入することによって、供試部材10の体積歪みeを求めることができる。
図13は、供試ブリルアン計測の結果に基づいて算出された、圧力(横軸)と体積歪み(縦軸)との関係を示すグラフである。また、図14は、供試レイリー計測の結果に基づいて算出された、圧力と体積歪みとの関係を示すグラフである。供試部材10は、内部にボイドを有する砂岩試料であるので、圧力の上昇と共に体積は減少する。砂岩中のボイドが十分に存在している間は体積歪みの減少率は大きいが、ボイドが減少すると体積歪みの減少も低下すると推定される。その傾向を、図13及び図14の結果は良く表している。
また、圧力Pとブリルアン周波数シフト量Δν、又は圧力Pとレイリー周波数シフト量Δνの値を、上記(8)式に、先のキャリブレーション工程で求めたブリルアン計測用係数α、レイリー計測用係数α、共通係数β′、ブリルアン計測の歪み感度係数C11、及びレイリー計測の歪み感度係数C21と共に代入することによって、供試部材10の体積弾性率Kを求めることができる。
図15は、供試ブリルアン計測の結果に基づいて算出された、圧力(横軸)と体積弾性率(縦軸)との関係を示すグラフである。また、図16は、供試レイリー計測の結果に基づいて算出された、圧力と体積弾性率との関係を示すグラフである。供試部材10は、内部にボイドを有する砂岩試料であるので、圧力の上昇と共に砂岩中のボイドが圧潰され、次第に剛性が高くなる、つまり体積弾性率が大きくなると推定される。その傾向を、図15及び図16の結果は良く表している。
以上の通り、本実施形態に係る体積変化計測方法によれば、基準ブリルアン計測又は基準レイリー計測によって、基準部材1についての体積変化と単位圧力当たりの周波数シフト量との関係が把握される。この結果から、キャリブレーションデータとなるブリルアン計測用係数α、レイリー計測用係数α及び共通係数β′が求められる。そして、供試部材10に対して同様な供試ブリルアン計測又は供試レイリー計測を実行してブリルアン周波数シフト量Δν及び圧力Pとレイリー周波数シフト量Δνを求め、この実測値と上記係数α、α及びβ′を上記(7)式、(8)式に代入することで、供試部材10の体積歪みe及び体積弾性率K(体積変化)を求めることができる。
<体積変化の分布の計測例>
続いて、上記で説明した体積変化計測方法を、砂岩試料への二酸化炭素の封入に伴う当該砂岩試料の体積変化の分布計測に適用した例を示す。図17は、円柱状に切り出されたボイドを有する砂岩試料10Aに、地中を模擬した状態において、超臨界状態の二酸化炭素を注入する試験装置を示す模式的な図である。
円柱状砂岩試料10Aの外周面には、測定用光ファイバ61が螺旋状に巻回されている。図示は省いているが、この測定用光ファイバ61には、レイリー計測及びブリルアン計測が可能な測定装置が接続されている。測定用光ファイバ61が巻回された砂岩試料10Aは、封圧オイル621が満たされた圧力容器62内に収容されている。なお、砂岩試料10Aの外周面には、封圧オイル621が砂岩試料10A内に侵入することを防止するためにシリコンコート層622が設けられている。また、圧力容器62の外面には、圧力容器62の温度を一定に保つためのヒータ63が取り付けられている。
圧力容器62には、封圧(静水圧)負荷用の第1シリンジポンプ64、純水注入用の第2シリンジポンプ65及び二酸化炭素注入用の第3シリンジポンプ66が接続されている。第1シリンジポンプ64は、砂岩試料10Aの外部から圧力を与えるために、圧力容器62内に封圧オイルを注入するためのポンプである。第2シリンジポンプ65は、ポーラスな砂岩試料10Aの内部に純水を注入するためのポンプである。第3シリンジポンプ66は、純水が貯留された状態の砂岩試料10Aの内部に二酸化炭素を注入し、前記純水の一部を二酸化炭素に置換させるためのポンプである。
上記試験装置を用いた試験条件の一例を示す。圧力容器62内の温度は、ヒータ63により40℃の一定に維持する。先ず、第1シリンジポンプ64を稼働させ、圧力容器62内の砂岩試料10Aに12MPaの静水圧を加える。次に、第2シリンジポンプ65を稼働させ、注水圧10MPaで砂岩試料10Aのボイド内に純水を注入する。これにより、高圧力下で砂岩試料10Aのボイドが純水で満たされた状態となり、あたかも、地中において二酸化炭素の貯留が予定される砂岩層が模擬されることになる。
上記12MPaの静水圧、及び純水の注水圧10MPaを維持したまま、第3シリンジポンプ66を稼働させ、10.05MPaの圧力で砂岩試料10A内へ超臨界二酸化炭素を注入する。この注入により、砂岩試料10A内の上記純水の一部が、超臨界状態の二酸化炭素に置換されることになる。この状態は、前記砂岩層に二酸化炭素が注入された状態を模擬した状態である。
上記のような注入動作の傍ら、測定用光ファイバ61及びその測定装置により、砂岩試料10Aの体積変化分布を測定する。図18は測定点を示す砂岩試料10Aの周面展開図、図19は各測定点の体積変化を示すグラフである。図18において、丸数字の1〜8は、測定点を示している。これら測定点1〜8は、周方向に90度のピッチで設定されている。測定用光ファイバ61は砂岩試料10Aの周面に螺旋状に巻回されているので、測定点1〜8を砂岩試料10Aの軸方向で見ると、測定点1が最も超臨界二酸化炭素の注入方向の上流側であり、測定点8が最も下流側となる。
図19に示すように、超臨界二酸化炭素の注入前の時間帯Tにおいては、砂岩試料10Aに約−0.12%の体積歪み(圧縮)が生じていることが、測定点1〜8で等しく検出されている。時間帯T以降は、二酸化炭素の注入によって体積歪みは増加する。すなわち、砂岩試料10Aは膨張する(圧縮状態が緩和される)。体積歪みが増加を開始する時刻は、測定点1〜8によって異なっていることが判る。つまり、二酸化炭素の注入方向の最上流の測定点1の体積歪み増加の立ち上がりが最も早く、以下、下流の測定点ほど立ち上がりが遅くなっている。このことから、超臨界二酸化炭素と純水との界面が、砂岩試料10A中を下流側に向けて移動している様子が判る。
図20は、超臨界二酸化炭素と純水との界面の進展速度を評価したグラフである。図20の縦軸は、二酸化炭素の注入端から各測定点までの距離zを示し、横軸は体積歪みが増加を開始する時刻を示している。測定点ごとに、3種の閾値を設定してプロットしている。このプロットから近似直線Lが導出できる。この近似直線Lの傾きから、前記界面の進展速度を求めることができる(約41mm/hour)。
<ブリルアン計測とレイリー計測とを併用する意義>
上記実施形態では、ブリルアン計測とレイリー計測とを併用する形態を例示した。ここに示したように、実験室レベルでは圧力が既知で温度も一定に保つことが容易であるから、本発明の体積変化計測方法においては、基準ブリルアン計測及び供試ブリルアン計測、若しくは基準レイリー計測及び供試レイリー計測の少なくとも一方を実行すれば、供試部材10の体積変化を導出することが可能である。
しかしながら、例えば地中内で組成が未知の砂岩について体積変化を計測するような場合、上記で例示した圧力制御装置5Pのような試験機器を用いた理想環境での計測は期待できない。すなわち、圧力発生要因が一義的で環境温度が一定というような環境は期待できない。そこで、ブリルアン計測とレイリー計測とを併用し、各々の計測方式で体積変化に関するデータを取得しておけば、測定対象砂岩に作用する膨張収縮以外の圧力要因や、温度変化の要因を除外できる可能性が高くなる。この点で、ブリルアン計測とレイリー計測とを併用しておくことが望ましい。以下、この併用の利点について具体的に説明する。
計測値において圧力P、歪みε及び温度Tの影響を分離するためには、3個以上の独立した計測量が必要となる。この場合、圧力P、歪みε及び温度Tに対する感度が異なる2種類のファイバ系が用意できれば良い。かかる要請は、ブリルアン計測とレイリー計測とを併用することで満足できる。ブリルアン計測及びレイリー計測によって得られる4つの周波数シフトと、圧力P・歪みε・温度Tの変化量との間には、次の(11)式の関係が成り立つ。
Figure 2012225744
上記(11)式の連立方程式を解くことにより、圧力P、歪みε及び温度Tの影響を分離することができる。室内実験では、温度Tを一定に保つことが可能であり、しかも圧力Pは圧力容器内において自在に設定することができる。このため、上記(11)式を解くまでもない。しかしながら、実際に地中での計測を行う場合、圧力P、歪みε及び温度Tの全てが未知である。従って、ブリルアン計測及びレイリー計測のハイブリッド計測を行い、上記の連立方程式を解く手法に基づかないと、体積変化を求めることができない。
図21は、二酸化炭素地中貯留及び貯留状況のモニターシステムの概要図、図22は、図21の矢印F部の拡大図である。ここでは、地中に二酸化炭素の貯留層となる砂岩層が存在し、その上にシール層として機能するキャップロック層が存在するものとする。地上に設営された貯留サイト70から地下の砂岩層に向けて、圧入井71が垂直に設置される。圧入井71は、円筒状のケーシング711と、その内部に配置された二酸化炭素の注入チューブ712とを含む。圧入井71は、予め掘削されたボーリング孔73に挿入され、その周囲にセメンチング713が施されて地中地層に固定化される。
圧入井71に沿って地中の圧力P、歪みε及び温度T分布を計測するために、上記のセメンチング713の層内にセンサケーブル72が埋設される。図23は、センサケーブル72の断面構造を示している。センサケーブル72は、圧力の影響を受ける第1光ファイバ721と、圧力の影響から遮断された第2光ファイバ722とを含む。第2光ファイバ722は、前記圧力遮断のため、金属細管723内にルーズに収容されている。第1光ファイバ721及び金属細管723は、センサケーブル72の最外層に位置するケーブルシース724で覆われており、その内部には介在層725が装填されている。
センサケーブル72はセメンチング713の層内に埋設されているので、周囲の地層が体積変化を生じた場合、その影響を受ける。例えば、砂岩層が二酸化炭素の封入により膨張した場合、センサケーブル72はセメンチング713の層を介して圧力を受けることになる。この場合、第1光ファイバ721はその圧力の影響を受けるが、金属細管723内に収容されている第2光ファイバ722は影響を受けない。
このような第1光ファイバ721及び第2光ファイバ722の各々について、地上に設置された測定装置74によりブリルアン計測及びレイリー計測が行われ、ブリルアン周波数シフト及びレイリー周波数シフトが求められる。当該センサケーブル72を使用する場合において、圧力P、歪みε及び温度Tの影響を分離するための連立方程式は、次の(12)式となる。第2光ファイバ722が圧力の影響から遮断されているので、上記の(11)式より簡素化される。
Figure 2012225744
上記(12)式の連立方程式を解くことにより、地層の体積変化以外の要因を除外することが可能となり、砂岩層の二酸化炭素の封入に伴う体積変化及びその分布、キャップロック層の健全性のモニタリングを行うことができる。
1 基準部材
2 測定用光ファイバ
21 巻回部
22 フリーファイバ部
3 圧力容器
3P 圧力制御装置
4 測定用光ファイバ
41 巻回部
5 圧力試験器
5P 圧力制御装置
6 測定装置

Claims (4)

  1. 体積変化が既知の基準部材に、この基準部材に対して外部から圧力が加えられたことに伴う当該基準部材の変形に追従するよう、光ファイバを固定するステップと、
    前記光ファイバが固定された基準部材に外部から既知の圧力を加えた状態で、前記光ファイバに試験光を入射させて、ブリルアン散乱現象に基づく基準ブリルアン周波数シフト量を求める基準ブリルアン計測、又は、レイリー散乱現象に基づく基準レイリー周波数シフト量を求める基準レイリー計測の少なくとも一方を行うステップと、
    前記基準ブリルアン計測又は基準レイリー計測の結果から、それぞれの計測における体積変化と単位圧力当たりの周波数シフト量との関係に基づく、ブリルアン計測用係数又はレイリー計測用係数を求めるステップと、
    体積変化が未知の供試部材に、この供試部材に対して外部から圧力が加えられたことに伴う当該供試部材の変形に追従するよう、光ファイバを固定するステップと、
    前記光ファイバが固定された供試部材に外部から既知の圧力を加えた状態で、前記光ファイバに試験光を入射させて、ブリルアン散乱現象に基づく供試ブリルアン周波数シフト量を求める供試ブリルアン計測、又は、レイリー散乱現象に基づく供試レイリー周波数シフト量を求める供試レイリー計測の少なくとも一方を行うステップと、
    前記供試ブリルアン周波数シフト量又は供試レイリー周波数シフト量と、ブリルアン計測用係数又はレイリー計測用係数とから、前記供試部材の体積変化を求めるステップと、
    を含む物体の体積変化計測方法。
  2. 前記基準ブリルアン計測及び前記基準レイリー計測を行うステップは、
    前記基準部材に固定されていない状態の光ファイバに試験光を入射させて、基準ブリルアン周波数シフト量又は基準レイリー周波数シフト量を計測する第1計測と、
    異なる材料からなる少なくとも2種の基準部材にそれぞれ固定された光ファイバについて、前記基準ブリルアン周波数シフト量又は基準レイリー周波数シフト量を計測する第2計測と、を含み、
    前記ブリルアン計測用係数又はレイリー計測用係数を求めるステップは、前記第1計測及び第2計測で得られた前記基準ブリルアン周波数シフト量又は基準レイリー周波数シフト量についての単位圧力当たりの周波数シフト量を、体積変化の軸上にプロットして得た一次関数の傾き及び切片を求めるステップである、請求項1に記載の物体の体積変化計測方法。
  3. 前記基準部材に光ファイバを固定するステップは、1本の光ファイバの一部を円筒状の基準部材に巻回すると共に、前記光ファイバの他の一部を前記基準部材から離間させたフリーファイバ部分を形成するステップを含み、
    前記基準ブリルアン計測又は前記基準レイリー計測を行うステップは、圧力容器内に、前記光ファイバの基準部材への巻回部分と、前記フリーファイバ部分とを封入するステップを含む、請求項2に記載の物体の体積変化計測方法。
  4. 前記供試部材が、不均質で多孔性の部材であり、
    前記供試部材の体積変化を求めるステップが、当該供試部材の体積弾性率及び体積膨張率を求めるステップである、請求項1〜3のいずれかに記載の物体の体積変化計測方法。
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