JP2012225322A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の制御装置に関し、異常燃焼が発生したときに、内燃機関本体、排気系、および吸気系がダメージを受けることを確実に回避することを目的とする。
【解決手段】本発明は、複数の気筒の排気ポートから出た排気ガスが合流する合流部を有する内燃機関を制御する装置であって、各気筒でサイクル毎に異常燃焼の開始を検出する検出操作を実行可能な異常燃焼検出手段と、異常燃焼検出手段により異常燃焼の開始が検出された場合に、その検出された気筒である異常検出気筒の排気弁を強制的に開弁させるように排気可変動弁装置を制御する第1の弁制御手段と、第1の弁制御手段により異常検出気筒の排気弁が強制的に開弁された場合に、吸気行程を迎える他の気筒である未燃ガス流入気筒の吸気行程で排気弁を開弁させて吸気弁を閉弁させるように排気可変動弁装置および吸気可変動弁装置を制御する第2の弁制御手段と、を備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関、特に過給型内燃機関において、プレイグニション等の異常燃焼が発生することがある。プレイグニションとは、正常な着火タイミング(点火プラグによる着火)よりも前に、筒内の混合気が自着火する現象である。このような現象が生ずると、異常に高い筒内圧が発生し、機関がダメージを受けるおそれがある。
特許文献1には、異常燃焼の開始が検出された場合に、吸気弁と排気弁との一方を開くことにより、筒内圧を低下させる方法が開示されている。
特開2007−231948号公報 特開2009−103122号公報
しかしながら、異常燃焼が開始した場合に筒内圧を低下させるために排気弁を開いた場合には、未燃燃料を含む排気ガス(未燃ガス)が排気系に流出する。このため、未燃燃料が排気浄化触媒に流入して酸化反応し、排気浄化触媒を異常に高温にしてダメージを与えるおそれがある。更に、排気空燃比がずれることによってエミッションが悪化する。また、異常燃焼が開始した場合に筒内圧を低下させるために吸気弁を開いた場合には、高温の未燃ガスが吸気系に流入するが、一般に吸気系は高温に耐えるように設計されていないため、吸気系がダメージを受けるおそれがある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、異常燃焼が発生したときに、内燃機関本体、排気系、および吸気系がダメージを受けることを確実に回避することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
複数の気筒の排気ポートから出た排気ガスが合流する合流部を有する内燃機関を制御する装置であって、
各気筒でサイクル毎に異常燃焼の開始を検出する検出操作を実行可能な異常燃焼検出手段と、
排気弁を気筒毎に任意のタイミングで開閉可能な排気可変動弁装置と、
吸気弁を気筒毎に任意のタイミングで開閉可能な吸気可変動弁装置と、
前記異常燃焼検出手段により異常燃焼の開始が検出された場合に、その検出された気筒である異常検出気筒の排気弁を強制的に開弁させるように前記排気可変動弁装置を制御する第1の弁制御手段と、
前記第1の弁制御手段により前記異常検出気筒の排気弁が強制的に開弁された場合に、吸気行程を迎える他の気筒である未燃ガス流入気筒の吸気行程で排気弁を開弁させて吸気弁を閉弁させるように前記排気可変動弁装置および前記吸気可変動弁装置を制御する第2の弁制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
気筒内に直接に燃料を噴射する直噴インジェクタと、
前記未燃ガス流入気筒において前記直噴インジェクタから燃料を噴射する燃料噴射制御手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記異常検出気筒から前記合流部を通って前記未燃ガス流入気筒に流入する未燃ガスに含まれる燃料量を推定する未燃燃料流入量推定手段と、
前記未燃ガス流入気筒で異常燃焼が発生する可能性の有無を予測する可能性予測手段と、
を更に備え、
前記未燃ガス流入気筒で異常燃焼が発生する可能性が無いと予測された場合には、前記燃料噴射制御手段は、前記未燃燃料流入量推定手段により推定された未燃燃料流入量に基づいて燃料噴射量を減量補正し、
前記未燃ガス流入気筒で異常燃焼が発生する可能性が有ると予測された場合には、前記燃料噴射制御手段は、前記減量補正を行わないことを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
気筒内に直接に燃料を噴射する直噴インジェクタと、
前記未燃ガス流入気筒で異常燃焼の開始が検出された場合に、前記未燃ガス流入気筒の前記直噴インジェクタに直ちに燃料を噴射する指令を出す追加噴射手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記異常燃焼検出手段は、前記未燃ガス流入気筒においてクランク角θAまでの期間、前記検出操作を実行し、
気筒内に直接に燃料を噴射する直噴インジェクタと、
前記未燃ガス流入気筒の前記直噴インジェクタに対する燃料噴射指示を前記クランク角θAより前のクランク角θBのときに出す噴射指示手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第5の発明において、
前記異常燃焼検出手段が前記未燃ガス流入気筒において前記クランク角θAまでの期間に異常燃焼の開始を検出しなかった場合に、前記噴射指示によって開始された前記未燃ガス流入気筒の前記直噴インジェクタに対する通電を中止する通電中止手段を更に備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、異常燃焼の開始が検出された気筒(異常検出気筒)の排気弁を強制的に開弁させ、筒内圧の異常上昇を防止することにより、内燃機関本体のダメージを確実に回避することができる。更に、異常検出気筒から排出される未燃ガスを他の気筒(未燃ガス流入気筒)に流入させることができるので、排気系、特に排気浄化触媒へのダメージを確実に回避することができる。また、吸気系にダメージが及ばないことは言うまでもない。
第2の発明によれば、未燃ガス流入気筒の筒内温度を低下させることができ、未燃ガス流入気筒で異常燃焼が発生することを抑制することができる。
第3の発明によれば、未燃ガス流入気筒で異常燃焼が発生する可能性が無いと予測された場合には、未燃ガス流入気筒の燃料噴射量を減量補正することにより、未燃ガス流入気筒内の空燃比が目標空燃比より燃料過多の状態となることを抑制することができる。このため、燃費、エミッション、ドライバビリティに悪影響が出ることを抑制することができる。一方、未燃ガス流入気筒で異常燃焼が発生する可能性が有ると予測された場合には、未燃ガス流入気筒の燃料噴射量を減量補正を行わないことにより、未燃ガス流入気筒で異常燃焼が発生することを確実に抑制することができる。
第4の発明によれば、未燃ガス流入気筒で異常燃焼の開始が検出された場合に、未燃ガス流入気筒の直噴インジェクタから追加噴射を行うことにより、未燃ガス流入気筒の筒内圧の異常上昇を抑制することができる。
第5の発明によれば、未燃ガス流入気筒の追加噴射を確実に遅滞なく行うことができる。このため、未燃ガス流入気筒で異常燃焼が発生した場合の筒内圧の異常上昇をより確実に抑制することができる。
第6の発明によれば、未燃ガス流入気筒で異常燃焼の開始が検出されなかった場合に、追加噴射を中止することにより、燃料を節約することができ、空燃比のズレも抑制することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 プレイグニションが発生した場合のPVκの値の変化の例を示す図である。 プレイグニションが発生した場合のd(PVκ)/dθの値の変化の例を示す図である。 内燃機関の圧縮行程および膨張行程での筒内圧を示すグラフである。 内燃機関の圧縮行程および膨張行程での筒内圧を示すグラフである。 内燃機関のクランク角と各気筒の各行程との関係を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 内燃機関の圧縮行程および膨張行程での筒内圧を示すグラフである。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、本発明の実施の形態1のシステムは、火花点火式の内燃機関10を備えている。本実施形態の内燃機関10は、直列4気筒型であり、#1〜#4の4個の気筒を有しているものとする。図1では、そのうちの一つの気筒の断面のみが現れている。
内燃機関10の各気筒には、ピストン12と、吸気弁14と、排気弁16と、点火プラグ18と、筒内(燃焼室内)に直接に燃料を噴射する直噴インジェクタ20とが設けられている。
内燃機関10の#1〜#4の4個の気筒は、合流部21を有する排気マニホールド(図示せず)を共用する。#1〜#4の各気筒の排気ポート19から出た排気ガスは、合流部21で合流し、排気通路24に流入する。また、吸気通路22から供給される新気は、図示しない吸気マニホールドにより分配されて#1〜#4の各気筒に吸入される。
本実施形態の内燃機関10は、過給機としてのターボチャージャ26を有している。ターボチャージャ26は、コンプレッサ26aとタービン26bとを有している。コンプレッサ26aは、吸気通路22の途中に配置されており、タービン26bは、排気通路24の途中に配置されている。
コンプレッサ26aより上流側の吸気通路22には、エアクリーナ28と、吸入空気量を検出するエアフローメータ30とが設置されている。コンプレッサ26aより下流側の吸気通路22には、インタークーラ32と、スロットル弁34とが設けられている。
タービン26bの近傍には、タービン26bの上流側の排気通路24と下流側の排気通路24とを連通するバイパス通路38と、このバイパス通路38を開閉することのできるバイパス弁40(ウェイストゲート弁)とが設置されている。バイパス弁40が開くと、排気ガスの一部は、タービン26bを通らずにバイパス通路38を通って流れる。タービン26bより下流側の排気通路24には、排気ガスを浄化する排気浄化触媒42(触媒コンバータ)が設置されている。排気浄化触媒42は、流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比の近傍にあるとき、高い浄化率が得られる。
本実施形態のシステムは、内燃機関10のクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサ44と、筒内圧を検出する筒内圧センサ46と、吸気弁14を駆動する吸気可変動弁装置47と、排気弁16を駆動する排気可変動弁装置48と、内燃機関10の運転状態を制御するECU(Electronic Control Unit)50とを更に備えている。ECU50には、上述した各種のセンサおよびアクチュエータが電気的に接続されている。筒内圧センサ46は、#1〜#4の各気筒にそれぞれ設けられている。吸気可変動弁装置47は、気筒毎に設けられており、吸気弁14を任意のタイミングで開閉させることのできる方式(例えば、電磁駆動式あるいは油圧駆動式)のもので構成されている。排気可変動弁装置48は、気筒毎に設けられており、排気弁16を任意のタイミングで開閉させることのできる方式(例えば、電磁駆動式あるいは油圧駆動式)のもので構成されている。
ECU50は、各センサにより検出した情報に基いて各アクチュエータを駆動することにより、内燃機関10の運転を制御する。例えば、クランク角センサ44により検出される機関回転速度とエアフローメータ30により検出される吸入空気量とに基いて燃料噴射量を算出し、クランク角に基いて燃料噴射時期、点火時期等を決定した後に、直噴インジェクタ20および点火プラグ18を駆動する。本実施形態の内燃機関10では、直噴インジェクタ20からの主たる燃料噴射(通常の燃料噴射)は、通常、吸気行程で行われる。あるいは、吸気行程から圧縮行程前半に渡って行われてもよい。この燃料噴射によって筒内に混合気が形成され、この混合気が点火プラグ18により点火され、燃焼する。
また、ECU50は、筒内圧センサ46で検出される筒内圧に基づいて、プレイグニションの発生(異常燃焼の開始)をリアルタイムに検出可能な操作(以下、「プレイグニション検出操作」と称する)を実行することができる。
プレイグニションは、正常な着火タイミング(点火プラグ18による点火)よりも前に筒内の混合気が自着火する現象である。プレイグニションが発生する原理の全容は必ずしも明らかではないが、例えば、燃焼室の壁に堆積したデポジット(カーボン)が剥離し、その剥離片が火種となってプレイグニションが発生するような場合があると考えられる。プレイグニションは、特定の運転領域で発生し易い傾向がある。過給機を備えた本実施形態の内燃機関10の場合には、機関回転速度が低く、且つ機関負荷の高い領域において、プレイグニションが発生し易い傾向がある。
プレイグニションによって燃焼が開始し、本来よりも早期に混合気が燃焼してしまうと、異常燃焼となる。異常燃焼となった場合、筒内圧が異常に高く上昇し、内燃機関10がダメージを受けるおそれがある。
以下、本実施形態におけるプレイグニション検出操作について説明する。ECU50は、筒内圧センサ46で検出される筒内圧をP、筒内容積をV、筒内ガスの比熱比をκとしたとき、発熱量指標値としてのPVκを演算することができる。なお、筒内容積Vの値は、クランク角θの関数であり、ECU50に予め記憶されている。比熱比κの値もECU50に予め記憶されている。PVκの値は、筒内で発生した熱量と相関する。プレイグニションによって混合気が着火すると、筒内で熱が発生するので、PVκの値が上昇する。
ECU50は、PVκの値を単位クランク角毎または単位時間毎に繰り返し演算する。そして、算出されたPVκの値が所定の閾値を超えた場合には、プレイグニションが発生したと判定する。図2は、プレイグニションが発生した場合のPVκの値の変化の例を示す図である。図2に示す例では、丸で囲った位置で、プレイグニションが発生したと判定される。
上述したPVκのような発熱量指標値は、プレイグニションが発生する前はほぼ一定に維持され、プレイグニションが発生した瞬間から急上昇する。それゆえ、本実施形態では、このような発熱量指標値に基づいてプレイグニション検出操作を行うことにより、プレイグニションの発生を早い段階(燃え始めの時点)で精度良く検出することができる。
また、本実施形態のプレイグニション検出操作では、発熱量指標値として、PVκに代えて、PVκをクランク角θで微分した値であるd(PVκ)/dθを用いてもよい。ECU50は、PVκの変化量をクランク角θの変化量で除することにより、d(PVκ)/dθを算出することができる。この場合、ECU50は、d(PVκ)/dθの値を単位クランク角毎または単位時間毎に繰り返し演算する。そして、算出されたd(PVκ)/dθの値が所定の閾値を超えた場合には、プレイグニションが発生したと判定する。図3は、プレイグニションが発生した場合のd(PVκ)/dθの値の変化の例を示す図である。図3に示す例では、丸で囲った位置で、プレイグニションが発生したと判定される。
d(PVκ)/dθを用いた場合には、PVκを用いた場合と比べて、以下のような追加の利点がある。プレイグニションが発生したときには、PVκが上昇し始めるよりも早くにd(PVκ)/dθが上昇し始める傾向がある。このため、プレイグニションの発生をより早い段階で精度良く判定することができる。更に、筒内圧センサ46の出力のオフセットドリフトの影響を受けないという利点もある。筒内圧センサ46は、内蔵されている回路の温度特性の影響により、その出力がオフセットする場合があることが知られている。図2および図3では、筒内圧センサ46の出力が正常な場合のグラフを(1)として示し、出力がオフセットした場合のグラフを(2)として示している。図2に示すように、筒内圧センサ46の出力がオフセットした場合には、PVκの値にもズレが生ずる。このため、PVκを用いた場合、筒内圧センサ46の出力がオフセットした場合の誤検出を防止するため、プレイグニションを判定する閾値を大きめに設定する必要がある。これに対し、図3に示すように、筒内圧センサ46の出力がオフセットした場合であっても、d(PVκ)/dθの値にはズレが生じにくい。このため、d(PVκ)/dθを用いた場合には、筒内圧センサ46の出力がオフセットした場合の誤検出の心配がないので、プレイグニションを判定する閾値を小さめに設定することができる。このことからも、プレイグニションの発生をより早い段階で判定することが可能となる。
ECU50は、上述したようなプレイグニション検出操作を各気筒でサイクル毎に実行可能になっている。
図4は、内燃機関10の圧縮行程および膨張行程での筒内圧を示すグラフである。図4中の実線で示す筒内圧は、プレイグニションが発生して異常燃焼した場合の筒内圧を示す。破線で示す筒内圧は、正常燃焼の場合(点火プラグ18での点火によって燃焼が始まった場合)の筒内圧を示す。図4に示す例において、点火時期は圧縮上死点より後である。このため、正常燃焼の場合、圧縮上死点を過ぎて筒内圧が低下に転じた後に燃焼が開始して筒内圧が再上昇する。
図4に示すように、プレイグニションが発生して異常燃焼した場合には、正常燃焼の場合と比べて、筒内圧が異常に高く上昇する。このため、筒内圧が、内燃機関10が破損しないことを確実に保証することのできる圧力(以下、「許容圧力」と称する)を超えて上昇する場合があるので、内燃機関10がダメージを受けるおそれがある。内燃機関10のダメージを確実に防止するためには、筒内圧が許容圧力を超えることは1サイクルであってもできる限り回避することが望まれる。したがって、プレイグニションの発生をリアルタイムに検出した場合、その検出したサイクルと同じサイクルにおいて、筒内圧の異常上昇を回避できるようにすることが理想である。換言すれば、その検出したプレイグニション自体による筒内圧の異常上昇を回避できるようにすることが理想である。
本実施形態では、上記の理想を実現するため、プレイグニションの発生が検出された場合に、その気筒の排気弁16を直ちに強制的に開弁させるように排気可変動弁装置48を制御することとした。図5は、内燃機関10の圧縮行程および膨張行程での筒内圧を示すグラフである。図5中の破線で示す筒内圧は、プレイグニションが発生して異常燃焼した場合の筒内圧であり、図4中の実線の筒内圧と同じである。図5中の実線で示す筒内圧は、プレイグニションの発生を検出した後に排気弁16を強制的に開弁させるように制御した場合の筒内圧である。この例では、図中の「EVO」で示すクランク角で排気弁16が開弁している。図5に示すように、プレイグニションの発生を検出した場合に排気弁16を強制的に開弁させるように制御することにより、圧力を排気弁16から逃すことができるので、筒内圧が許容圧力を超えることを回避し、内燃機関10の破損を確実に防止することができる。
しかしながら、プレイグニションの発生が検出された気筒(以下、「異常検出気筒」と称する)の排気弁16を強制的に開弁させる制御を行った場合、次のような問題がある。排気弁16が強制的に開弁された異常検出気筒内のガスは、燃焼が中断し、未燃燃料を含んだ排気ガスとして排気ポート19へ排出される。このようにして異常検出気筒から排出された、未燃燃料を含む排気ガス(以下、「未燃ガス」と称する)が排気通路24へ流れて排気浄化触媒42に流入した場合、未燃燃料が排気浄化触媒42で酸化反応し、その反応熱により排気浄化触媒42を異常に高温にしてダメージを与えるおそれがある。また、排気空燃比がずれることによってエミッションが悪化する。
本実施形態では、上記の問題を解決するため、異常検出気筒から排出された未燃ガスを他の気筒に流入させ、排気通路24に流さないようにする制御を行うこととした。この制御においては、異常検出気筒の排気弁16が強制的に開弁されて未燃ガスが排出された場合に、吸気行程を迎える他の気筒(以下、「未燃ガス流入気筒」と称する)の吸気行程で排気弁16を開弁させて吸気弁14を閉弁させるように排気可変動弁装置48および吸気可変動弁装置47を制御する。
図6は、内燃機関10のクランク角と各気筒の各行程との関係を示す図である。本実施形態では、各気筒の燃焼順序は、#1→#3→#4→#2の順であるものとする。図6に示すように、#1気筒が排気行程にあるとき、#2気筒は吸気行程にある。#1気筒が異常検出気筒である場合には、#2気筒を未燃ガス流入気筒とする。すなわち、#2気筒の吸気行程で排気弁16を開弁させて吸気弁14を閉弁させる。これにより、#1気筒(異常検出気筒)から排出された未燃ガスは、合流部21および#2気筒の排気弁16を通って、#2気筒内に吸入される。この未燃ガスは、#2気筒内で圧縮行程および膨張行程を経て燃焼し、排気行程で排気弁16から排出される。
このように、異常検出気筒の排気行程と同時期に吸気行程となる気筒を未燃ガス流入気筒とすればよい。すなわち、#2気筒が異常検出気筒である場合には#4気筒を未燃ガス流入気筒とし、#3気筒が異常検出気筒である場合には#1気筒を未燃ガス流入気筒とし、#4気筒が異常検出気筒である場合には#3気筒を未燃ガス流入気筒とする。
図7は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、本ルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行されるものとする。図7に示すルーチンによれば、まず、前述したプレイグニション検出操作を気筒毎に実行し、何れかの気筒でプレイグニションの発生が検出されたか否かが判断される(ステップ100)。その結果、何れかの気筒でプレイグニションの発生が検出された場合には、その気筒(異常検出気筒)の排気弁16を直ちに開弁させる指令を排気可変動弁装置48に対して発する(ステップ102)。そして、次に吸気行程を迎える他の気筒(未燃ガス流入気筒)の排気弁16を開弁させて吸気弁14を閉弁させる指令を排気可変動弁装置48および吸気可変動弁装置47に対して発する(ステップ104)。
以上説明した本実施形態の制御によれば、プレイグニションが発生した気筒(異常検出気筒)の筒内圧が許容圧力を超えることを確実に回避し、内燃機関10の破損を確実に防止することができる。また、異常検出気筒の排気弁16を強制的に開弁させることによって排出された未燃ガスを他の気筒(未燃ガス流入気筒)に流入させることができる。このため、未燃ガスが排気浄化触媒42に流入することを抑制することができ、排気浄化触媒42が異常に高温になったり、エミッションが悪化したりすることを確実に回避することができる。
上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ100の処理を実行することにより前記第1の発明における「異常燃焼検出手段」が、上記ステップ102の処理を実行することにより前記第1の発明における「第1の弁制御手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第1の発明における「第2の弁制御手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図8および図9を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に、後述する図8に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
一つの気筒でプレイグニションが発生した場合には、他の気筒もプレイグニションが発生し得る状態になっていると考えられる。プレイグニションが発生した気筒(異常検出気筒)の排気弁16が強制的に開弁されることによって排出された未燃ガスは高温であるので、その未燃ガスが流入した未燃ガス流入気筒では、プレイグニションが発生し易い。本実施形態では、未燃ガス流入気筒でプレイグニションが発生することを予防するため、未燃ガス流入気筒に対して他の気筒と同量の燃料を直噴インジェクタ20から噴射する。この場合、未燃ガス流入気筒内の燃料量は、他の気筒と同じ燃料噴射量に、未燃ガスに含まれる燃料量が加算された値になる。このため、未燃ガス流入気筒内は、目標空燃比より燃料過多の状態となるので、筒内温度が低下し、プレイグニションの発生を予防することができる。
更に、本実施形態では、上記の予防措置にもかかわらず未燃ガス流入気筒でプレイグニションが発生した場合には、未燃ガス流入気筒の直噴インジェクタ20から追加の燃料噴射(以下、「追加噴射」と称する)を行う。追加噴射を行うことにより、筒内温度が更に低下する。また、追加噴射により、プレイグニションの火炎の周囲が、燃料が濃過ぎて燃焼できない状態となるので、火炎を消火あるいは減衰させることができる。このような追加噴射により、未燃ガス流入気筒でプレイグニションが発生した場合であっても、筒内圧の上昇を抑制することができるので、筒内圧が許容圧力を超えることを確実に抑制することができる。
図8は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図8において、図7に示すルーチンのステップと同様のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
図8に示すルーチンによれば、ステップ100〜104までは図7のルーチンと同様の処理が行われる。その後、未燃ガス流入気筒の直噴インジェクタ20から他気筒と同量の燃料噴射を実行する(ステップ106)。この噴射のタイミングは、他気筒と同じ通常のタイミングでよい。続いて、未燃ガス流入気筒のプレイグニション検出操作を実行し、プレイグニションの発生が検出されたか否かが判断される(ステップ108)。その結果、プレイグニションの発生が検出された場合には、未燃ガス流入気筒の直噴インジェクタ20から追加噴射を実行する(ステップ110)。
上述した実施の形態2においては、ECU50が、上記ステップ106の処理を実行することにより前記第2の発明における「燃料噴射制御手段」が、上記ステップ108,110の処理を実行することにより前記第4の発明における「追加噴射手段」が、それぞれ実現されている。
ところで、追加噴射を効果的なものとするためは、プレイグニションによる異常燃焼が大きく進行しないうちに追加噴射を実行することが必要である。プレイグニションによる異常燃焼が大きく進行してしまった後に追加噴射を実行しても、手遅れであり、筒内圧の異常上昇を回避することができないからである。この点に関しては、ECU50が噴射信号をオンし、直噴インジェクタ20に通電されてプランジャが動いて開弁し、燃料が実際に噴射されるまでには、遅れ時間(以下、「開弁遅れ時間」と称する)があることに留意する必要がある。未燃ガス流入気筒では、筒内に未燃ガスが含まれていることの影響により、通常時よりも燃焼速度が低下する傾向がある。このため、未燃ガス流入気筒において異常燃焼が進行する速度は比較的遅いので、追加噴射が有効に作用する。
なお、未燃ガス流入気筒における追加噴射の効果をより確実なものとする必要がある場合には、未燃ガス流入気筒でプレイグニションの発生が検出される前に追加噴射の噴射指示を出すようにしてもよい。この点に関し、図9を参照して説明する。図9は、内燃機関10の圧縮行程および膨張行程での筒内圧を示すグラフである。図9中、A,B,Cは、それぞれ、プレイグニションが発生して異常燃焼した場合(追加噴射をしなかった場合)の筒内圧の態様を示す。図9中の破線は、正常燃焼の場合の筒内圧を示す。
図9に示す例において、ECU50は、所定のクランク角θBにおいて追加噴射の噴射指示を出す。クランク角θBから開弁遅れ時間だけ遅れた時点から、追加噴射の燃料が実際に噴射され始める。
また、ECU50は、クランク角θBより後の所定のクランク角θAまでの期間、プレイグニション検出操作を実行する。クランク角θAは、点火時期より前のクランク角、あるいは正常燃焼による筒内圧の上昇が開始するクランク角より前のクランク角となるように設定される。クランク角θAまでの期間にプレイグニションの発生が検出された場合には、クランク角θBで噴射指示の出された追加噴射が、予定通り実行される。この追加噴射により、プレイグニションの火炎を確実に消火または減衰させ、筒内圧の異常上昇を確実に防止することができる。このように、プレイグニションの発生が検出される前に追加噴射の噴射指示を出すことにより、追加噴射を遅滞なく開始することができるので、異常燃焼による筒内圧の異常上昇をより確実に抑制することができる。
クランク角θBは、最も早くプレイグニションが発生し得る時点から、直噴インジェクタ20の開弁遅れ時間だけ遡った時点の付近となるように設定されることが望ましい。このようにクランク角θBを設定することにより、プレイグニションの燃え始めの時点に確実に間に合うように追加噴射を開始することができるので、プレイグニションの火炎を初期の時点で確実に消火または減衰させることができる。これにより、図9中のA〜Cのような筒内圧の異常上昇を防止することができ、筒内圧が許容圧力を超えることを確実に防止することができる。
一方、ECU50は、クランク角θAまでの期間にプレイグニションの発生が検出されなかった場合には、クランク角θAの時点で直噴インジェクタ20への通電を中止する。この通電中止により、追加噴射は、実際の噴射が既に開始している場合には途中で終了されることとなり、実際の噴射がまだ開始していない場合には未然に中止されることとなる。
図9から分かるように、プレイグニションは、燃え始めの時点が遅いものほど、最大筒内圧が低くなる傾向がある。このため、クランク角θAを過ぎた後に検出されるようなプレイグニションは、発生したとしても、筒内圧が許容圧力を超えるおそれはないとみなすことができる。したがって、クランク角θAまでの期間にプレイグニションの発生が検出されなかった場合には、追加噴射が途中で終了されても、あるいは追加噴射が未然に中止されても、筒内圧が許容圧力を超えることはなく、問題はない。
図9に示す例では、クランク角θAの時点は、追加噴射の燃料噴射が実際に開始する時点、すなわち直噴インジェクタ20が開弁する時点より後になっている。このような場合には、プレイグニションが発生すると否とにかかわらず、追加噴射が開始する。そして、クランク角θAまでの期間にプレイグニションの発生が検出されなかった場合には、追加噴射が途中で終了されることになる。所定量の追加噴射を行った場合の予定終了時点をクランク角θCとすると、追加噴射を途中で終了することにより、図9中のαの期間(クランク角θAからクランク角θCまで)に噴射される燃料の分だけ、燃料を節約することができる。
ただし、図9に示す例と異なり、クランク角θBからクランク角θAまでの時間が直噴インジェクタ20の開弁遅れ時間以下となるように設定してもよい。クランク角θBからクランク角θAまでの時間が直噴インジェクタ20の開弁遅れ時間以下となるように設定した場合には、クランク角θAの時点で追加噴射がまだ開始していない。したがって、クランク角θAまでの期間にプレイグニションの発生が検出されなかった場合に直噴インジェクタ20への通電を中止することにより、追加噴射を未然に中止することができる。これにより、更なる低燃費化および低エミッション化が図れる。
実施の形態3.
次に、図10を参照して、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態1および2との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に、後述する図10に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
前述した実施の形態2では、未燃ガス流入気筒に対して他気筒と同量の燃料を直噴インジェクタ20から噴射しているので、未燃ガス流入気筒内は、異常検出気筒から流入した未燃ガスに含まれる燃料の分だけ、目標空燃比より燃料過多の状態となる。その結果、燃費、エミッション、ドライバビリティに悪影響が出る可能性がある。本実施形態では、この悪影響を抑制するため、未燃ガス流入気筒でプレイグニションが発生する可能性があるかどうかを予測し、プレイグニションが発生する可能性がないと予測された場合には、未燃ガス流入気筒の燃料噴射量を減量補正することとした。
図10は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図10において、図8に示すルーチンのステップと同様のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。図10のルーチンは、ステップ105および107が追加されていること以外は、図8のルーチンと同様である。
図10に示すルーチンによれば、ステップ100〜104までは図7および図8のルーチンと同様の処理が行われる。その後、未燃ガス流入気筒でプレイグニションが発生する可能性があるかどうかを予測する処理が以下のようにして行われる(ステップ105)。
まず、異常検出気筒内で燃焼により発生した熱量を筒内圧センサ46の検出値に基づいて算出する。熱力学によれば、発熱量をQ、筒内圧をP、筒内容積をV、クランク角をθ、筒内ガスの比熱比をκとすると、熱発生率dQ/dθは、次式により算出することができる。
Figure 2012225322
ECU50は、異常検出気筒の筒内圧センサ46で検出された筒内圧Pに基づいて上記(1)式で表される熱発生率dQ/dθを所定クランク角毎に算出し、その算出された熱発生率dQ/dθを積算することにより、異常検出気筒の発熱量Q1を算出することができる。
異常検出気筒の発熱量Q1が大きいほど、異常検出気筒から未燃ガス流入気筒に流入する未燃ガスの温度は高くなる。ECU50には、この未燃ガス温度と発熱量Q1との関係を示すマップが予め記憶されている。ECU50は、そのマップと、異常検出気筒の発熱量Q1とに基づいて、未燃ガス流入気筒に流入する未燃ガスの温度を算出する。
プレイグニションは、気筒内に吸入されるガスの温度(以下、「吸気温」と称する)が高いほど、発生確率が高くなる。ECU50には、プレイグニションが発生する可能性が生ずる吸気温の閾値(以下、「プレイグニション発生閾値」と称する)を機関運転領域毎に定めたマップが予め記憶されている。ECU50は、そのマップと、現在の機関運転状態とに基づいて、プレイグニション発生閾値を算出する。
ステップ105では、上記のようにして、未燃ガス流入気筒に流入する未燃ガスの温度と、プレイグニション発生閾値とを算出し、両者を比較することによって、未燃ガス流入気筒でプレイグニションが発生する可能性があるかどうかを予測する。すなわち、未燃ガス温度がプレイグニション発生閾値を超えている場合には、プレイグニションが発生する可能性があると予測し、未燃ガス温度がプレイグニション発生閾値以下である場合には、プレイグニションが発生する可能性がないと予測する。
上記ステップ105で、未燃ガス流入気筒でプレイグニションが発生する可能性があると予測された場合には、プレイグニションの発生を予防するために、未燃ガス流入気筒の直噴インジェクタ20から他気筒と同量の燃料噴射を実行する(ステップ106)。
これに対し、上記ステップ105で、未燃ガス流入気筒でプレイグニションが発生する可能性がないと予測された場合には、未燃ガス流入気筒内の空燃比が目標空燃比となるように、未燃ガス流入気筒の燃料噴射量を減量補正した上で、未燃ガス流入気筒の直噴インジェクタ20から燃料噴射を実行する(ステップ107)。上記減量補正は、以下のようにして実行される。まず、異常検出気筒内で燃焼した燃料の量F1を次式に基づいて算出する。次式中、qFは、燃料の低位発熱量であり、ECU50に予め記憶された値である。
1=Q1/qF …(2)
次いで、未燃ガス流入気筒に流入する未燃ガスに含まれる燃料の量F2を算出する。未燃ガス流入気筒に流入する未燃ガスに含まれる燃料の量F2は、異常検出気筒に供給された燃料のうち、燃焼せずに残った分に相当する。したがって、異常検出気筒に供給された燃料の量F0とすると、未燃ガス流入気筒に流入する未燃ガスに含まれる燃料の量F2は、次式により算出することができる。
2=F0−F1 …(3)
ステップ107では、上記のようにして未燃ガス流入気筒に流入する未燃ガスに含まれる燃料の量F2を算出し、その算出されたF2を他気筒と同じ燃料噴射量から減じた量の燃料を未燃ガス流入気筒の直噴インジェクタ20から噴射すればよい。
ステップ106または107の後は、ステップ108以下を実行する。ステップ108以下は、実施の形態2と同様である。
以上説明した本実施形態の制御によれば、未燃ガス流入気筒でプレイグニションが発生する可能性があるかどうかを精度良く予測することができ、プレイグニションが発生する可能性がないと予測された場合には、未燃ガス流入気筒の燃料噴射量を減量することにより、未燃ガス流入気筒内の空燃比が目標空燃比より燃料過多の状態となることを抑制することができる。このため、燃費、エミッション、ドライバビリティに悪影響が出ることを抑制することができる。
上述した実施の形態3においては、ECU50が、上記ステップ105の処理を実行することにより前記第3の発明における「可能性予測手段」が、上記ステップ107の処理を実行することにより前記第3の発明における「未燃燃料流入量推定手段」が、それぞれ実現されている。
以上説明した実施の形態では、直列4気筒機関を例に説明したが、本発明における内燃機関の気筒数および気筒配置はこれに限定されるものではない。本発明では、排気マニホールドを共用する気筒群が複数ある内燃機関の場合には、その気筒群毎に制御すればよい。例えば、二つのバンクを有するV型6気筒機関やV型8気筒機関の場合には、そのバンク毎に本発明の制御を行えばよい。
10 内燃機関
12 ピストン
14 吸気弁
16 排気弁
18 点火プラグ
19 排気ポート
20 直噴インジェクタ
21 合流部
22 吸気通路
24 排気通路
26 ターボチャージャ
46 筒内圧センサ
47 吸気可変動弁装置
48 排気可変動弁装置
50 ECU

Claims (6)

  1. 複数の気筒の排気ポートから出た排気ガスが合流する合流部を有する内燃機関を制御する装置であって、
    各気筒でサイクル毎に異常燃焼の開始を検出する検出操作を実行可能な異常燃焼検出手段と、
    排気弁を気筒毎に任意のタイミングで開閉可能な排気可変動弁装置と、
    吸気弁を気筒毎に任意のタイミングで開閉可能な吸気可変動弁装置と、
    前記異常燃焼検出手段により異常燃焼の開始が検出された場合に、その検出された気筒である異常検出気筒の排気弁を強制的に開弁させるように前記排気可変動弁装置を制御する第1の弁制御手段と、
    前記第1の弁制御手段により前記異常検出気筒の排気弁が強制的に開弁された場合に、吸気行程を迎える他の気筒である未燃ガス流入気筒の吸気行程で排気弁を開弁させて吸気弁を閉弁させるように前記排気可変動弁装置および前記吸気可変動弁装置を制御する第2の弁制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 気筒内に直接に燃料を噴射する直噴インジェクタと、
    前記未燃ガス流入気筒において前記直噴インジェクタから燃料を噴射する燃料噴射制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記異常検出気筒から前記合流部を通って前記未燃ガス流入気筒に流入する未燃ガスに含まれる燃料量を推定する未燃燃料流入量推定手段と、
    前記未燃ガス流入気筒で異常燃焼が発生する可能性の有無を予測する可能性予測手段と、
    を更に備え、
    前記未燃ガス流入気筒で異常燃焼が発生する可能性が無いと予測された場合には、前記燃料噴射制御手段は、前記未燃燃料流入量推定手段により推定された未燃燃料流入量に基づいて燃料噴射量を減量補正し、
    前記未燃ガス流入気筒で異常燃焼が発生する可能性が有ると予測された場合には、前記燃料噴射制御手段は、前記減量補正を行わないことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 気筒内に直接に燃料を噴射する直噴インジェクタと、
    前記未燃ガス流入気筒で異常燃焼の開始が検出された場合に、前記未燃ガス流入気筒の前記直噴インジェクタに直ちに燃料を噴射する指令を出す追加噴射手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記異常燃焼検出手段は、前記未燃ガス流入気筒においてクランク角θAまでの期間、前記検出操作を実行し、
    気筒内に直接に燃料を噴射する直噴インジェクタと、
    前記未燃ガス流入気筒の前記直噴インジェクタに対する燃料噴射指示を前記クランク角θAより前のクランク角θBのときに出す噴射指示手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記異常燃焼検出手段が前記未燃ガス流入気筒において前記クランク角θAまでの期間に異常燃焼の開始を検出しなかった場合に、前記噴射指示によって開始された前記未燃ガス流入気筒の前記直噴インジェクタに対する通電を中止する通電中止手段を更に備えることを特徴とする請求項5記載の内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113323758A (zh) * 2020-02-28 2021-08-31 纬湃汽车电子(长春)有限公司 预防发动机早燃的控制系统及控制方法

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