JP2012225181A - 過給エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェイストゲートバルブ開度を正確に推定することのできる過給エンジンの制御装置を提供する。
【解決手段】予め定義された対応関係に従いウェイストゲートバルブの操作量に対応するウェイストゲートバルブ開度の推定値(wgv)を取得する。そして、その推定値(wgv)と吸気流量の計測値(mafm)とに基づいてターボ回転数モデルM1を用いてターボ回転数の推定値(Ntbest)を計算する。次に、その推定値(Ntbest)とスロットル上流圧力の計測値(Picact)とに基づいてコンプレッサモデルM2を用いてコンプレッサ流量の推定値(mcpest)を計算する。そして、その推定値(mcpest)と吸気流量の計測値(mafm)とを比較し、その比較結果に基づいてウェイストゲートバルブ開度の推定値(wgv)とウェイストゲートバルブの操作量との対応関係を調整する。
【選択図】図5

Description

本発明は、ウェイストゲートバルブを有する過給エンジンの制御装置に関する。
現在注目されている過給エンジンの制御技術の一つが、E−VRV(Electronic Vacuum Regulating Valve)等の電動式アクチュエータを用いたウェイストゲートバルブのアクティブ制御である。このアクティブ制御では、ECUからの操作信号によってウェイストゲートバルブを任意の開度に動かし、それによりターボ回転数を能動的に制御することが行われる。これによれば過給圧を任意に調整することが可能であり、燃費性能や排気ガス性能のさらなる向上が期待できる。
ただし、このようなアクティブ制御の実現のためには、ウェイストゲートバルブが実際にどれだけ開いているのかを正しく把握することが必要である。ウェイストゲートバルブを能動的に動作させたとしても、その開度が本来予定している開度からずれている場合にはエンジンの運転に支障が生じてしまうからである。例えば、高負荷状態においてウェイストゲートバルブが予定よりも閉じすぎていると、過剰な過給によってプレイグニッションが発生してしまう。逆に、ウェイストゲートバルブが予定よりも開きすぎていると、過給圧の不足によって所望の加速性能を得ることができなくなる。また、情報としてのウェイストゲートバルブ開度は、筒内空気量を正確に推定するための重要な情報でもある。
ところが、センサ等の計測手段によってウェイストゲートバルブ開度を精度良く実測することは現実的に容易ではない。このため、ウェイストゲートバルブ開度が情報として必要であるならば、ECUがウェイストゲートバルブを操作するときの操作量からウェイストゲートバルブ開度を推定せざるを得ない。具体的には、予め定義された対応関係を用いてウェイストゲートバルブの操作量からウェイストゲートバルブ開度が推定されることになる。しかし、ウェイストゲートバルブの個体差や経時変化により、実際の対応関係と定義されている対応関係との間にずれが生じる可能性がある。その場合、ウェイストゲートバルブ開度の推定値は実際値とは異なったものとなり、ウェイストゲートバルブ開度の推定値を参照して行われるエンジン制御に悪影響を与えてしまう。このようなことから、ウェイストゲートバルブのアクティブ制御を実施する場合には、ウェイストゲートバルブ開度の正確な推定値を得ることのできる技術が併せて必要とされている。
なお、本発明に関連する先行技術としては、以下に列挙する各特許文献に記載の技術を挙げることができる。しかし、これらの公報にはウェイストゲートバルブ開度の正確な推定値を得るための方法については記載されていない。
特開2010−059794号公報 特開2010−174710号公報 特開2006−274831号公報
以上述べたように、ウェイストゲートバルブ開度を正確に推定できるようにすることは、ウェイストゲートバルブのアクティブ制御を実施する上での重要な課題として位置づけられる。
上述の課題を達成するためのアプローチとして、本発明では、過給エンジンにおける空気の挙動をモデル化した物理モデルを利用する。そのような物理モデルは、過給エンジンの制御装置において筒内空気量を推定するための計算に用いられている。過給エンジンの物理モデルにより計算される物理量の中には、ウェイストゲートバルブ開度によって値が決まり、かつ、過給エンジンに搭載されるセンサによって計測可能な物理量が含まれている。そのような物理量の計測値と、ウェイストゲートバルブ開度の推定値に基づき物理モデルを用いて計算した当該物理量の推定値とを比較することで、ウェイストゲートバルブ開度の推定値と実際値とのずれを間接的に把握することができる。そして、前記物理量の計測値と推定値との差が無くなるようにウェイストゲートバルブ開度の推定値とウェイストゲートバルブの操作量との対応関係を調整することにより、ウェイストゲートバルブ開度の推定値を実際値に合うように修正することが可能となる。
具体的には、本発明が提供する過給エンジンの制御装置は、物理モデルとしてターボ回転数モデルとコンプレッサモデルとを備えている。ターボ回転数モデルは、吸気弁流量とウェイストゲートバルブ開度とターボ回転数との間に成り立つ関係がモデル化されたものである。定常状態における吸気弁流量はタービンに流入するガスの流量と等価であるから、吸気弁流量とウェイストゲートバルブ開度が決まれば、過給機の動作特性からターボ回転数を一義的に特定することができる。一方、コンプレッサモデルは、ターボ回転数とスロットル上流圧力とコンプレッサ流量との間に成り立つ関係がモデル化されたものである。コンプレッサによって送り出される空気の流量は、主としてその前後の圧力差とコンプレッサの回転数とによって決まることが知られている。コンプレッサの上流の圧力は大気圧に略等しく、コンプレッサの回転数はターボ回転数に等しい。これらの物理モデルは何れも数式で表すことが可能であり、何れも処理プログラムの形で本制御装置の記憶部に記憶されている。
また、本制御装置は、ウェイストゲートバルブ開度をウェイストゲートバルブの操作量から推定する機能を備えている。その推定のためには、予め定義されているウェイストゲートバルブの操作量とウェイストゲートバルブ開度との対応関係が用いられる。対応関係はマップデータの形で本制御装置の記憶部に記憶されている。さらに、本制御装置は、スロットル上流圧力及び吸気流量の各計測値を取得する機能を備えている。吸気流量とは過給エンジンの吸気通路に吸入される空気の流量を意味する。これらの物理量は過給エンジンに搭載のセンサによって計測することができる。そして、これらの計測値とウェイストゲートバルブ開度の推定値とに基づき、本制御装置は、前述の各物理モデルを用いて以下の計算を実施する。
本制御装置は、まず、ウェイストゲートバルブ開度の推定値、及び、吸気流量の計測値に基づいて、ターボ回転数モデルを用いてターボ回転数の推定値を計算する。定常状態であれば吸気弁流量と吸気流量とは一致することから、吸気流量の計測値はターボ回転数モデルにおいて吸気弁流量の実際値として扱うことができる。次に、本制御装置は、ターボ回転数モデルを用いて計算されたターボ回転数の推定値、及び、スロットル上流圧力の計測値に基づいて、コンプレッサモデルを用いてコンプレッサ流量の推定値を計算する。
そして、本制御装置は、上述のようにして得られたコンプレッサ流量の推定値を吸気流量の計測値と比較する。定常状態であればコンプレッサ流量と吸気流量とは一致することから、コンプレッサ流量の推定値と吸気流量の計測値とを比較することは、コンプレッサ流量の推定値と計測値、すなわち、実際値とを比較することと等価である。コンプレッサ流量の推定値と実際値との間に誤差がある場合、その誤差はウェイストゲートバルブ開度の推定値と実際値との間にずれが生じていることを意味する。ターボ回転数モデル及びコンプレッサモデルによれば、ウェイストゲートバルブ開度の推定値に応じてターボ回転数の推定値が決まり、ターボ回転数の推定値によってコンプレッサ流量の推定値が決まるからである。そこで、本制御装置は、コンプレッサ流量の推定値と吸気流量の計測値との比較結果に基づいて、具体的には、コンプレッサ流量の推定値と吸気流量の計測値とが一致するように、ウェイストゲートバルブ開度の推定値とウェイストゲートバルブの操作量との対応関係を調整する。コンプレッサ流量の推定値と吸気流量の計測値とが一致するようになれば、ウェイストゲートバルブ開度の推定値の実際値に対するずれも解消されるようになる。
本発明によれば、ウェイストゲートバルブ開度の推定値が実際値に一致するように、ウェイストゲートバルブ開度の推定値とウェイストゲートバルブの操作量との対応関係が調整されるので、ウェイストゲートバルブの操作量からウェイストゲートバルブ開度を正確に推定することができる。
本発明の実施の形態の制御装置が適用される過給エンジンの構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態の制御装置で用いられている空気量推定モデルを示すブロック図である。 本発明の実施の形態で採られるウェイストゲートバルブ開度の推定値と実際値とのずれの判定の方法について説明するための図である。 本発明の実施の形態で採られるウェイストゲートバルブ開度の推定値と実際値とのずれの判定の方法について説明するための図である。 本発明の実施の形態の制御装置が有するウェイストゲートバルブ開度の推定値の修正のための機能を示すブロック図である。
本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
本実施の形態の制御装置が適用されるエンジンは、ウェイストゲートバルブを有する過給エンジンであり、より詳しくは、スロットルによる空気量の調整によってトルクを制御することのできる4サイクルレシプロエンジンである。図1は、本実施の形態の制御装置が適用される過給エンジンの構成を示す概略図である。本実施の形態にかかる過給エンジンは、吸気通路10に設けられたコンプレッサ32と排気通路20に設けられたタービン34とからなるターボ過給機30を備えている。吸気通路10はエンジン本体2に取り付けられた吸気マニホールド18に接続されている。吸気通路10の入口にはエアクリーナ12が設けられ、その下流であってコンプレッサ32よりも上流には吸気流量を計測するためのエアフローメータ42が配置されている。吸気通路10におけるコンプレッサ32とスロットル16との間にはインタークーラ14が設けられている。インタークーラ14の出口には、スロットル16の上流部の圧力、すなわち、過給圧を測定するための過給圧センサ44が取り付けられている。また、吸気通路10には、コンプレッサ32の下流側から上流側へコンプレッサ32をバイパスして空気を再循環させるためのエアバイパスバルブ36が設けられている。排気通路20はエンジン本体2に取り付けられた排気マニホールド22に接続されている。排気通路20には、タービン34をバイパスして排気ガスを流すためのウェイストゲートバルブ38が設けられている。このウェイストゲートバルブ38はE−VRVによって駆動されるアクティブ制御対応のウェイストゲートバルブである。
本実施の形態の制御装置は、過給エンジンを制御するECU(Electronic Control Unit)40の機能の一部として実現される。ECU40には、エアフローメータ42や過給圧センサ44の他にもスロットル開度センサ46や大気圧センサ48等の各種のセンサから、エンジンの運転状態や運転条件に関する様々な情報や信号が入力される。ECU40は、それら情報や信号に基づいてスロットル16やウェイストゲートバルブ38等の各種のアクチュエータを操作する。ウェイストゲートバルブ38に関しては、ECU40からE−VRVに操作量信号が供給される。その信号に従いE−VRVが作動することにより、ウェイストゲートバルブ38は任意の開度に動かされる。ECU40には、ウェイストゲートバルブ38の操作量であるデューティ比とウェイストゲートバルブ開度の推定値との対応関係を示すマップが記憶されている。
制御装置としてのECU40は、筒内の空気量を推定する機能を有している。ECU40による筒内の空気量の推定には、プログラムされている空気量推定モデルが用いられる。空気量推定モデルは、過給エンジンにおける空気の挙動を物理的にモデル化したものであって、その概要は図2の機能ブロック図によって表される。
図2に示すように、本実施の形態で用いられる空気量推定モデルは、ターボ回転数モデルM1、コンプレッサモデルM2、インタークーラモデルM3、スロットルモデルM4、吸気マニホールドモデルM5、吸気弁モデルM6、及び、ABVモデルM7を含んでいる。以下、空気量推定モデルに含まれる各サブモデルの内容について説明する。ただし、これらのサブモデルに用いることができる数式の例については公知であり、また、それ自体は本発明における特徴点ではないことから、各サブモデルのための具体的な数式については記載を省略する。
ターボ回転数モデルM1は、ターボ過給機30の回転挙動のモデルであって、吸気弁流量とウェイストゲートバルブ開度とターボ回転数との間に成り立つ関係がモデル化されている。ターボ回転数モデルM1は、数式或いは実験データに基づくマップによって構成されている。ターボ回転数モデルM1では、ウェイストゲートバルブ38の操作量から推定されたウェイストゲートバルブ開度(wgv)と、後述する吸気弁モデルM6で算出された吸気弁流量(mc)とが入力され、それらの入力情報からターボ回転数(Ntb)が算出される。
コンプレッサモデルM2は、ターボ過給機30のコンプレッサ32のモデルであって、ターボ回転数と過給圧とコンプレッサ流量との間に成り立つ関係がモデル化されている。コンプレッサモデルM2は、数式或いは実験データに基づくマップによって構成されている。コンプレッサモデルM2では、ターボ回転数モデルM1で算出されたターボ回転数(Ntb)と、後述するインタークーラモデルM3で算出された過給圧(Pic)等の情報が入力され、それらの入力情報からコンプレッサ流量(mcp)が算出される。
ABVモデルM7は、エアバイパスバルブ36によってコンプレッサ32の下流側から上流側に戻される空気の流量を算出するためのモデルである。エアバイパスバルブ36の流量は、その前後の差圧と、エアバイパスバルブ36を動作させるデューティ比から計算することができる。このため、ABVモデルM7では、大気圧センサ48によって計測された大気圧(Pa)、後述するインタークーラモデルM3で算出された過給圧(Pic)、及びECU40からエアバイパスバルブ36に出されるデューティ比(Dabv)が入力され、それらの入力情報からエアバイパスバルブ流量(mabv)が算出される。
インタークーラモデルM3は、吸気通路10におけるインタークーラ14内の空気に関する保存則に基づいて構築された物理モデルである。インタークーラモデルM3としては、具体的にはエネルギー保存則の式と流量保存則の式とが用いられている。インタークーラモデルM3では、コンプレッサモデルM2で算出されたコンプレッサ流量(mcp)、後述するスロットルモデルM4で算出されたスロットル流量(mt)、及びABVモデルM7で算出されたABV流量(mabv)等の情報が入力され、それらの入力情報から過給圧(Pic)が算出される。
スロットルモデルM4は、スロットル16を通過する空気の流量を算出するためのモデルであって、具体的には、スロットル16の前後の差圧、スロットル開度により決まる流路面積、及び流量係数を基本とするオリフィスの流量式が用いられている。スロットルモデルM4では、スロットル開度センサ46で計測されたスロットル開度(TA)、インタークーラモデルM3で算出されたスロットル上流圧力としての過給圧(Pic)、及び後述する吸気マニホールドモデルM5で算出されたスロットル下流圧力としての吸気マニホールド圧(Pm)等の情報が入力され、それらの入力情報からスロットル流量(mt)が算出される。
吸気マニホールドモデルM5は、吸気マニホールド18内の空気に関する保存則に基づいて構築された物理モデルである。吸気マニホールドモデルM5としては、具体的にはエネルギー保存則の式と流量保存則の式とが用いられている。吸気マニホールドモデルM5では、スロットルモデルM4で算出されたスロットル流量(mt)、及び後述する吸気弁モデルM6で算出された吸気弁流量(mc)等の情報が入力され、それらの入力情報から吸気マニホールド圧(Pm)が算出される。
吸気弁モデルM6は、吸気弁流量と吸気マニホールド圧との関係について調べた実験ベースのモデルである。実験で得られた経験則により、吸気弁モデルM6においては吸入空気量と吸気マニホールド圧との関係が直線で近似されている。ただし、その直線の方程式の係数は定数ではなく、ウェイストゲートバルブ38の開度によって決まる変数である。ウェイストゲートバルブ38の開度は背圧に影響し、背圧が変化すれば筒内への空気の入り易さも変化するためである。吸気弁モデルM6では、吸気マニホールドモデルM5で算出された吸気マニホールド圧(Pm)、及びウェイストゲートバルブ38の操作量から推定されたウェイストゲートバルブ開度(wgv)等の情報が入力され、それらの入力情報から吸気弁流量(mc)が算出される。
ECU40は、以上のように構成される空気量推定モデルを用いて吸気弁流量を計算し、吸気弁流量に基づいて筒内空気量を計算する。その計算の過程においては、スロットル開度や過給圧の計測値とともにウェイストゲートバルブ開度の推定値が用いられている。センサによって得られた計測値は、センサが正しく較正されている限りにおいて実際値に等しいとみなすことができる。しかし、ウェイストゲートバルブ開度の推定値に関しては、必ずしも実際値に等しいとは言えない。ウェイストゲートバルブ38の個体差や経時変化によって、マップにおいて定義されているウェイストゲートバルブ開度と操作量との対応関係が実際のものと違ってしまう場合があるからである。この点に関し、ECU40には、以下に述べるように、ウェイストゲートバルブ開度の推定値を実際値に合わせて修正する機能が設けられている。
まず、本実施の形態で採られるウェイストゲートバルブ開度の推定値と実際値とのずれの判定の方法について図3及び図4を用いて説明する。なお、ここでは、ウェイストゲートバルブ開度の推定値が実際値よりも小さく見積もられているケースを例にとって説明する。
図3に示すグラフの横軸はターボ回転数(Ntb)であり、縦軸は吸気流量(GA)である。このグラフに示す曲線Aは、ウェイストゲートバルブ開度の推定値をターボ回転数モデルM1に入力することで得られるターボ回転数(Ntb)と吸気流量(GA)との関係を示す曲線である。この曲線Aを表す方程式に吸気流量の計測値(mafm)を代入することによってターボ回転数の推定値(Ntbest)が計算される。定常状態であれば吸気弁流量と吸気流量とは一致することから、吸気流量の計測値はターボ回転数モデルM1において吸気弁流量の実際値として扱うことができる。一方、曲線Bは、ウェイストゲートバルブ開度の実際値をターボ回転数モデルM1に入力したならば得られるはずのターボ回転数(Ntb)と吸気流量(GA)との関係を示す曲線である。この曲線Bと吸気流量の計測値(mafm)とによって特定されるターボ回転数が真のターボ回転数である。ただし、ウェイストゲートバルブ開度の実際値は直接計測できないことから、グラフに示す曲線Bはあくまでも仮想であって、現実的に導出可能なのは曲線Aのみである。
次に、ターボ回転数モデルM1から算出したターボ回転数の推定値(Ntbest)を過給圧と大気圧の各計測値とともに、コンプレッサモデルM2に入力する。図4に示すグラフの横軸は過給圧(Pic)と大気圧(Pa)との比であり、縦軸はコンプレッサ流量(mcp)である。このグラフに示す曲線Cは、ターボ回転数の推定値(Ntbest)をコンプレッサモデルM2に入力することで得られる圧力比(Pic/Pa)とコンプレッサ流量(mcp)との関係を示す曲線である。この曲線Cを表す方程式に過給圧の計測値(Picact)と大気圧の計測値(Paact)との比を代入することによって、ウェイストゲートバルブ開度の推定値のもとでの推定コンプレッサ流量(mcpest)を得ることができる。
そして、コンプレッサモデルM2から得られたコンプレッサ流量の推定値(mcpest)と、エアフローメータ42による吸気流量の計測値(mafm)とを比較する。定常状態であればコンプレッサ流量と吸気流量とは一致することから、コンプレッサ流量の推定値(mcpest)と吸気流量の計測値(mafm)とを比較することは、コンプレッサ流量の推定値(mcpest)とその実際値とを比較することと等価である。コンプレッサ流量の推定値(mcpest)とその実際値との間に誤差がある場合、その誤差はウェイストゲートバルブ開度の指示値と実際値との間にずれが生じていることを意味する。ターボ回転数モデルM1及びコンプレッサモデルM2によれば、ウェイストゲートバルブ開度の推定値に応じてターボ回転数の推定値(Ntbest)が決まり、ターボ回転数の推定値(Ntbest)によってコンプレッサ流量の推定値(mcpest)が決まるからである。このことから、コンプレッサ流量の推定値(mcpest)と吸気流量の計測値(mafm)との間に誤差(グラフにはEで示している)がある場合には、その誤差の存在をもってウェイストゲートバルブ開度の推定値と実際値との間にずれが生じていると判断することができる。
なお、図4においてグラフに示す曲線Dは、ターボ回転数の実際値をコンプレッサモデルM2に入力したならば得られるはずの圧力比(Pic/Pa)とコンプレッサ流量(mcp)との関係を示す曲線である。圧力比の計測値(Picact/Paact)と吸気流量の計測値(mafm)とで定まる座標はこの曲線Dの上に位置している。ただし、本実施の形態にかかる過給エンジンはターボ回転数の実際値を実測する手段を有していないことから、実際には曲線Dを特定することはできない。
次に、本実施の形態で採られるウェイストゲートバルブ開度の推定値の修正の方法について説明する。ウェイストゲートバルブ開度の推定値は、マップにおいてウェイストゲートバルブ38の操作量に対応付けられている。本実施の形態では、そのマップのデータを修正することにより、ウェイストゲートバルブ開度と操作量との対応関係の調整が行われる。その調整においては、図4のグラフに示すようにコンプレッサ流量の推定値(mcpest)が吸気流量の計測値(mafm)よりも大きいのであれば、ターボ回転数モデルM1で算出されるターボ回転数の推定値(Ntbest)を減少させるように、操作量に対してウェイストゲートバルブ開度はプラス側に修正される。逆に、コンプレッサ流量の推定値(mcpest)が吸気流量の計測値(mafm)よりも小さいのであれば、ターボ回転数モデルM1で算出されるターボ回転数の推定値(Ntbest)を増大させるように、操作量に対してウェイストゲートバルブ開度はマイナス側に修正される。
図5は、このような修正の方法をECU40により実現するための構成を示している。このブロック図に示すように、ECU40は、ターボ回転数モデルM1とコンプレッサモデルM2を利用する。また、ECU40には、操作量から推定されたウェイストゲートバルブ開度(wgv)が取り込まれるとともに、エアフローメータ42により計測された吸気流量(mafm)、過給圧センサ44により計測された過給圧(Picact)、及び、大気圧センサ48により計測された大気圧(Paact)が取り込まれる。
取り込まれたウェイストゲートバルブ開度(wgv)は吸気流量(mafm)とともにターボ回転数モデルM1に入力される。ターボ回転数モデルM1では、ウェイストゲートバルブ開度(wgv)と吸気流量(mafm)とに基づいてターボ回転数の推定値(Ntbest)が算出される。ターボ回転数モデルM1で算出されたターボ回転数の推定値(Ntbest)は、過給圧(Picact)と大気圧(Paact)とともにコンプレッサモデルM2に入力される。コンプレッサモデルM2では、それら入力情報に基づいてコンプレッサ流量の推定値(mcpest)が算出される。
次に、ECU40は、コンプレッサ流量の推定値(mcpest)と吸気流量(mafm)との差分を算出する。そして、その差分値(mcpest−mafm)はゼロより大きいかどうか判定される。差分値がゼロより大きい場合、すなわちコンプレッサ流量の推定値(mcpest)が吸気流量(mafm)より大きいときには、ウェイストゲートバルブ開度(wgv)の修正量としてゼロより大きい所定値(dwgv)が設定される。一方、差分値がゼロより小さい場合、すなわちコンプレッサ流量の推定値(mcpest)が吸気流量(mafm)より小さいときには、ウェイストゲートバルブ開度(wgv)の修正量としてゼロより小さい所定値(-dwgv)が設定される。これらの修正量は、差分値の絶対値が所定値(dGA)よりも大きい場合に、ウェイストゲートバルブ開度(wgv)に加算される。差分値の絶対値が所定値(dGA)以下である場合には、差分の有無に係らず修正量はゼロとされる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、ウェイストゲートバルブ開度とウェイストゲートバルブの操作量との対応関係の調整の方法としては、その対応関係を定義しているマップのデータを修正するのではなく、マップから得られたウェイストゲートバルブ開度の推定値に調整分の補正量を加えることでもよい。
本発明の制御装置が適用される過給エンジンにおいては、インタークーラやエアバイパスバルブは必須ではない。逆に、本発明の制御装置が適用される過給エンジンにはEGR装置や可変動弁機構が設けられていてもよい。その場合、省略する装備や追加する装備に応じて、図2に示す空気量推定モデルの構成を変えればよい。例えば、エアバイパスバルブを有しない過給エンジンであれば、空気量推定モデルからABVモデルを省略すればよい。また、EGR装置を有する過給エンジンであれば、空気量推定モデルにEGRモデルを追加すればよい。
M1 ターボ回転数モデル
M2 コンプレッサモデル
M3 インタークーラモデル
M4 スロットルモデル
M5 吸気マニホールドモデル
M6 吸気弁モデル
M7 ABVモデル

Claims (1)

  1. ウェイストゲートバルブを有する過給エンジンの制御装置において、
    吸気弁流量とウェイストゲートバルブ開度とターボ回転数との間に成り立つ関係がモデル化されたターボ回転数モデルと、
    ターボ回転数とスロットル上流圧力とコンプレッサ流量との間に成り立つ関係がモデル化されたコンプレッサモデルと、
    予め定義された対応関係に従い前記ウェイストゲートバルブの操作量に対応するウェイストゲートバルブ開度の推定値を取得する手段と、
    スロットル上流圧力の計測値を取得する手段と、
    吸気流量の計測値を取得する手段と、
    ウェイストゲートバルブ開度の前記推定値と吸気流量の前記計測値とに基づいて前記ターボ回転数モデルを用いてターボ回転数の推定値を計算する手段と、
    ターボ回転数の前記推定値とスロットル上流圧力の前記計測値とに基づいて前記コンプレッサモデルを用いてコンプレッサ流量の推定値を計算する手段と、
    コンプレッサ流量の前記推定値と吸気流量の前記計測値とを比較し、その比較結果に基づいてウェイストゲートバルブ開度の推定値と前記ウェイストゲートバルブの操作量との対応関係を調整する手段と、
    を備えることを特徴とする過給エンジンの制御装置。
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