JP2012222116A - 太陽電池モジュールおよび太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、採光性および発電効率の両立を図るとともに、自然光の色調で採光していると視認できる太陽電池モジュールおよび太陽電池を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、平行に配置された第1透明基板および第2透明基板と、上記第1透明基板および上記第2透明基板の間に、上記第1透明基板に対して受光面が交差するように配置され、上記第1透明基板に対して平行な方向に所定の間隔をあけて配置された複数個の太陽電池セルと、隣接する上記太陽電池セルの間にそれぞれ配置され、上記第1透明基板側から入射した光の一部を透過して上記第2透明基板側から出射させ、一部を反射して上記太陽電池セルに入射させるビームスプリッターとを有することを特徴とする太陽電池モジュールを提供することにより上記課題を解決するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、ビームスプリッターを有する採光性に優れた太陽電池モジュール、および太陽電池に関するものである。
近年、二酸化炭素の増加が原因とされる地球温暖化等の環境問題が深刻となり、世界的にその対策が進められている。中でも環境に対する負荷が小さく、クリーンなエネルギー源として、太陽光エネルギーを利用した太陽電池に関する積極的な研究開発が進められている。このような太陽電池としては、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池等のシリコン系太陽電池、化合物半導体系太陽電池、および色素増感型太陽電池、有機薄膜太陽電池等の有機系太陽電池等が挙げられる。
近年、発電機能を有する建築材料として、低コストかつ建築機能性に優れた建築物一体型太陽電池モジュールが注目され、建造物の壁面や屋根面、外壁等への適用が検討されている。その中でも、建築物との調和や意匠性の観点から、採光性を有する太陽電池モジュールおよび太陽電池が注目を集めている。このような採光性を有する太陽電池モジュールおよび太陽電池は、特に発電可能な建築材料として窓等への設置需要が大きくなっている。
例えば、シリコン系太陽電池モジュールでは、2枚のガラスの間に、複数個のセルを平面的に配列し、各セルを間隙をおいて配置することで、採光することが提案されている。この場合には、セルの配置により採光性を調整することができる。また、2枚のガラスの間にセルを挟み、シリコン薄膜にスリット等の開口部を設けることで、採光することが提案されている。この場合には、開口部により採光性を調整することができる。
しかしながら、シリコン系太陽電池モジュールでは、2枚のガラスの間に、複数個のセルが平面的に配列されているため、太陽電池モジュール全体に占めるセルの総面積の割合および透過部の総面積の割合が制限されるので、高い発電効率を得ようとすると、採光性が低下してしまうといった課題がある。
また、有機系太陽電池モジュールでは、カソードおよびアノードの両電極に透明電極層を用いることで、採光の機能を付与し、シースルー型とすることが提案されている(非特許文献1)。
しかしながら、有機系太陽電池モジュールでは、有色の有機系太陽電池セルを透過して採光される光が、有機系太陽電池セルの吸収色に対する補色となるため、自然光の色調での採光が困難となる。
Adv.Mater.2008,20,415−419
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、採光性および発電効率の両立を図るとともに、自然光の色調で採光していると視認できる太陽電池モジュールおよび太陽電池を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、平行に配置された第1透明基板および第2透明基板と、上記第1透明基板および上記第2透明基板の間に、上記第1透明基板に対して受光面が交差するように配置され、上記第1透明基板に対して平行な方向に所定の間隔をあけて配置された複数個の太陽電池セルと、隣接する上記太陽電池セルの間にそれぞれ配置され、上記第1透明基板側から入射した光の一部を透過して上記第2透明基板側から出射させ、一部を反射して上記太陽電池セルに入射させるビームスプリッターとを有することを特徴とする太陽電池モジュールを提供する。
本発明においては、各太陽電池セルの間にビームスプリッターを配置することで、第1透明基板から入射した光が、反射光および透過光に分割される。太陽電池セルは、第1透明基板に対して太陽電池セルの受光面が交差するように配置されているので、上記反射光は、上記太陽電池セルへ入射し、発電に寄与する。また、上記透過光は、第2透明基板を透過して放たれる。したがって本発明においては、高い発電効率および優れた採光性を有する太陽電池モジュールとすることができる。
さらに、本発明における太陽電池セルは、第1透明基板に対して太陽電池セルの受光面が交差するように配置されるため、平面視したときに太陽電池モジュール全体において、太陽電池セル1個当たりが占める面積を縮小させることが可能となった。これにより、優れた採光性を有する太陽電池モジュールとすることができる。また、これまでに比べ、より広い領域から光を採り込めて、その光をビームスプリッターにより分割して太陽電池セルに入射させることで、高い発電効率を有する太陽電池モジュールとすることができる。
また、シースルー型の有色の有機系太陽電池セルを用いた場合には、上記有機系太陽電池セルを透過して着色された光の一部が、直接あるいはビームスプリッターで反射して第2透明基板から出射することがあり得るが、第1透明基板より入射し、ビームスプリッターを透過した自然光も採光されるので、自然光により近い色調で採光していると視認することができる。
本発明の太陽電池モジュールは、上記第1透明基板に対して受光面が垂直になるように上記太陽電池セルが配置されていることが好ましい。上記太陽電池セルが第1透明基板に対して受光面が垂直になるように配置されていることにより、シースルー型の有色の有機系太陽電池セルを用いた場合には、上記有機系太陽電池セルを透過して着色された光はビームスプリッターへと入射する。場合によっては、上記有機系太陽電池セルを透過して着色された光の一部が、ビームスプリッターで反射して第2透明基板から出射することがあり得るが、採光される光のほとんどが第1透明基板からの上記透過光であり、自然光であるため、自然光により近い色調で採光していると視認することができる。
また、本発明における太陽電池セルは、第1透明基板に対して太陽電池セルの受光面が垂直になるように配置されるため、平面視したときに太陽電池モジュール全体において、太陽電池セル1個当たりが占める面積をより一層縮小させることが可能となった。これにより、優れた採光性を有する太陽電池モジュールとすることができる。また、これまでに比べ、さらに広い領域から光を採り込めて、その光をビームスプリッターにより分割して太陽電池セルに入射させることで、高い発電効率を有する太陽電池モジュールとすることができる。
本発明の太陽電池モジュールは、上記第2透明基板上に配置され、上記ビームスプリッターを透過した光を拡散する拡散板を有することが好ましい。ビームスプリッターを透過して拡散板へと入射した光が、拡散板によって拡散されることにより、太陽電池モジュール全面で明るさを均一にすることが可能となる。
本発明の太陽電池モジュールは、上記太陽電池セルの受光面側、または受光面と反対側の面に、上記太陽電池セルの光電変換機能層と吸収波長領域が異なる着色層が配置されていることが好ましい。有色の有機系太陽電池セルを用いた場合には、有機系太陽電池セルに入射した光の一部が光電変換機能層に吸収され、光電変換機能層を透過した残りの光が着色光となり、採光する光の色調に影響を与える場合があるが、太陽電池セルの受光面または受光面と反対側の面に着色層が配置されていることにより、着色光が上記有機系太陽電池セルに配置された着色層に吸収され、採光する光を自然光の色調に維持することが可能となる。
本発明においては、平行に配置された第1透明基板および第2透明基板と、上記第1透明基板および上記第2透明基板の間に、上記第1透明基板に対して受光面が交差するように配置された太陽電池セルと、上記太陽電池セルに隣接して配置され、上記第1透明基板側から入射した光の一部を透過して上記第2透明基板側から出射させ、一部を反射して上記太陽電池セルに入射させるビームスプリッターとを有することを特徴とする太陽電池を提供する。
本発明においては、各太陽電池セルと隣接してビームスプリッターを配置することで、第1透明基板から入射した光が、反射光および透過光に分割される。太陽電池セルは、第1透明基板に対して太陽電池セルの受光面が交差するように配置されているので、上記反射光は、上記太陽電池セルへ入射し、発電に寄与する。また、上記透過光は、第2透明基板を透過して放たれる。したがって本発明においては、高い発電効率および優れた採光性を有する太陽電池とすることができる。
また、上記太陽電池セルが第1透明基板に対して受光面が交差するように配置されていることにより、本発明の太陽電池が複数個接続された場合であって、シースルー型の有色の有機系太陽電池セルを用いた場合には、上記有機系太陽電池セルを透過して着色された光の一部が、直接あるいはビームスプリッターで反射して第2透明基板から出射することがあり得るが、第1透明基板より入射し、ビームスプリッターを透過した自然光も採光されるので、自然光により近い色調で採光していると視認することができる。
本発明の太陽電池は、上記第1透明基板に対して受光面が垂直になるように上記太陽電池セルが配置されていることが好ましい。上記太陽電池セルが第1透明基板に対して受光面が垂直になるように配置されていることにより、シースルー型の有色の有機系太陽電池セルを用いた場合には、上記有機系太陽電池セルを透過して着色された光はビームスプリッターへと入射する。場合によっては、上記有機系太陽電池セルを透過して着色された光の一部が、ビームスプリッターで反射して第2透明基板から出射することがあり得るが、採光される光のほとんどが第1透明基板からの上記透過光であり、自然光であるため、自然光により近い色調で採光していると視認することができる。
また、本発明における太陽電池セルは、第1透明基板に対して太陽電池セルの受光面が垂直になるように配置されるため、平面視したときに太陽電池全体において、太陽電池セル1個当たりが占める面積をより一層縮小させることが可能となった。これにより、優れた採光性を有する太陽電池とすることができる。また、これまでに比べ、さらに広い領域から光を採り込めて、その光をビームスプリッターにより分割して太陽電池セルに入射させることで、高い発電効率を有する太陽電池とすることができる。
本発明の太陽電池は、上記第2透明基板上に配置され、上記ビームスプリッターを透過した光を拡散する拡散板を有することが好ましい。ビームスプリッターを透過して拡散板へと入射した光が、拡散板によって拡散されることにより、太陽電池全面で明るさを均一にすることが可能となる。
本発明の太陽電池は、上記太陽電池セルの受光面側、または受光面と反対側の面に、上記太陽電池セルの光電変換機能層と吸収波長領域が異なる着色層が配置されていることが好ましい。これにより、本発明の太陽電池が複数個接続された場合であって、有色の有機系太陽電池セルを用いた場合には、上記有機系太陽電池セルに入射した光の一部が光電変換機能層に吸収され、残りの光が着色光となり、採光する光の色調に影響を与える場合があるが、太陽電池セルの受光面または受光面と反対側の面に着色層が配置されていることにより、着色光が上記有機系太陽電池セルに配置された着色層に吸収され、採光する光を自然光の色調に維持することが可能となる。
本発明によれば、複数個の太陽電池セルを、第1透明基板および第2透明基板の間に、一定の間隔をあけて、上記第1透明基板に対して太陽電池セルの受光面が交差するように配置し、各太陽電池セルの間にビームスプリッターを設けることにより、上記第1透明基板から入射した光の一部は透過し、一部は反射されて太陽電池セルに入射するので、発電効率および採光性の両立を図ることができるという効果を奏する。また、有色の太陽電池セルを用いた場合においても、自然光の色調で採光していると視認することができるという効果を奏する。
本発明の太陽電池モジュールの一例を示す概略斜視図である。 本発明の太陽電池モジュールの他の例を示す概略斜視図である。 本発明の太陽電池モジュールの他の例を示す概略斜視図である。 本発明の太陽電池モジュールの他の例を示す概略斜視図である。 本発明の太陽電池モジュールにおけるビームスプリッターの一例を示す概略斜視図である。 本発明の太陽電池モジュールにおけるビームスプリッターの他の例を示す概略斜視図である。
I.太陽電池モジュール
本発明の太陽電池モジュールについて説明する。
本発明の太陽電池モジュールは、平行に配置された第1透明基板および第2透明基板と、上記第1透明基板および上記第2透明基板の間に、上記第1透明基板に対して受光面が交差するように配置され、上記第1透明基板に対して平行な方向に所定の間隔をあけて配置された複数個の太陽電池セルと、隣接する上記太陽電池セルの間にそれぞれ配置され、上記第1透明基板側から入射した光の一部を透過して上記第2透明基板側から出射させ、一部を反射して上記太陽電池セルに入射させるビームスプリッターとを有するものである。
本発明の太陽電池モジュールについて図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の太陽電池モジュールの一例を示す概略斜視図であり、図2は本発明の太陽電池モジュールの他の例を示す概略斜視図である。図1および図2に示すように、本発明の太陽電池モジュール100は、平行に配置された第1透明基板4aおよび第2透明基板4bと、上記第1透明基板4aおよび第2透明基板4bの間に、上記第1透明基板4aに対して受光面が交差する(図1、図2においては垂直)ように配置され、上記第1透明基板4aに対して平行な方向に所定の間隔をあけて配置された複数個の太陽電池セル10と、上記各太陽電池セル10の間にそれぞれ配置されたビームスプリッター5とを有するものである。
図1および図2に示すように上記太陽電池セル10は、平行に配置された上記第1透明基板4aおよび第2透明基板4bの間に、上記第1透明基板4aに対して受光面が交差するように配置され、透光性を有する第1電極層1と、上記第1電極層1上に形成された光電変換機能層2と、上記光電変換機能層2上に形成された第2電極層3とを有するものである。
太陽電池セル10は、透光性を有する第1電極層1が、ビームスプリッター5の反射光40の出射面と対向するように配置されている。
図1および図2に示す太陽電池モジュール100においては、第1透明基板4aから入射した光(入射光)30は、反射光40および透過光50に分割される。上記ビームスプリッター5により反射された光(反射光)40は太陽電池セル10へ入射して発電する。一方、ビームスプリッター5により透過された光(透過光)50は、上記太陽電池モジュール100の光出射側に配置された第2透明基板4bを透過する。そのため、より広い領域から光を採り込むことができ、発電しながら採光することができる。
このように本発明においては、各太陽電池セルの間にビームスプリッターを配置することで、第1透明基板から入射した光が、反射光および透過光に分割される。上記反射光は、上記太陽電池セルへ入射し、発電に寄与する。また、上記透過光は、第2透明基板を透過して放たれる。
従来では、2枚の透明基板の間に複数個の太陽電池セルを平面的に配列し、各太陽電池セル間に設けた間隙から採光しているため、太陽電池モジュール全体に占めるセルの総面積の割合および透過部の総面積の割合が制限されるので、高い発電効率を得ようとすると、採光性が低下してしまうといった課題があった。
本発明における太陽電池セルは、第1透明基板に対して太陽電池セルの受光面が交差するように配置されるため、平面視したときに太陽電池モジュール全体において、太陽電池セル1個当たりが占める面積を縮小させることが可能となった。これにより、優れた採光性を有する太陽電池モジュールとすることができる。また、これまでに比べ、より広い領域から光を採り込めて、その光をビームスプリッターにより分割して太陽電池セルに入射させることで、高い発電効率を有する太陽電池モジュールとすることができる。
図3に示す太陽電池モジュール100は、太陽電池セル10として、シースルー型の有色の有機系太陽電池セル20を用いたものである。上記シースルー型の有色の有機系太陽電池セル20を用いた場合には、上記有機系太陽電池セル20を透過して着色された光(着色光)60がビームスプリッター5へと入射する。場合によっては、上記有機系太陽電池セル20を透過して着色された光(着色光)60の一部が、ビームスプリッター5で反射して第2透明基板4bから出射する。また、図示しないが、シースルー型の有色の有機系太陽電池セルが第1透明基板に対して受光面が交差するように配置されているので、有機系太陽電池セルを透過して着色された光が直接第2透明基板から出射する場合がある。この場合、第2透明基板4bから出射する光は第1透明基板4aからの透過光50と着色光60とが混ざった光となる。第1透明基板4aからの透過光50は、自然光であるため、自然光により近い色調で採光していると視認することができる。
したがって本発明においては、シースルー型の有色の有機系太陽電池セルを用いた場合には、自然光の色調で採光していると視認できる太陽電池モジュールとすることができる。
よって、優れた採光性を有し、発電効率が高く、かつ自然光の色調で採光していると視認できる太陽電池モジュールとすることができる。
また、本発明における太陽電池モジュールは、上記第2透明基板上に配置され、上記ビームスプリッターを透過した光を拡散する拡散板を有することが好ましい。
図4に示す太陽電池モジュール100は、第2透明基板4b上に配置され、上記ビームスプリッター5を透過した光(透過光)50を拡散する拡散板9を有するものである。ビームスプリッター5を透過して拡散板9へと入射した光が、上記拡散板9によって拡散される効果が得られる。これにより、太陽電池モジュール100全面で明るさを均一にすることが可能となる。
これまでに、太陽電池へ拡散板を適用する技術は開示されているが、いずれも太陽電池セルへの光入射側に拡散板を設け、効率的に受光することで高い光電効率を得ようとするものであった。これに対して本発明は、光入射側とは逆の光出射側に拡散板を設けることで、ビームスプリッターを透過して上記拡散板へ入射した光を拡散し、太陽電池モジュールの全面で均一な明るさで採光していると視認することが可能となる。
以下、本発明の太陽電池モジュールの各構成について説明する。
A.ビームスプリッター
まず、本発明に用いられるビームスプリッターについて説明する。
本発明に用いられるビームスプリッターは、隣接する太陽電池セルの間にそれぞれ配置され、上記第1透明基板側から入射した光の一部を透過して上記第2透明基板側から出射させ、一部を反射して上記太陽電池セルに入射させるものである。
太陽電池セルは第1電極層および第2電極層の少なくともいずれか一方が透光性を有している。ビームスプリッターの反射光の出射面と、太陽電池セルの透光性を有する電極層とが対向するように、ビームスプリッターは配置される。
上記ビームスプリッターと太陽電池セルとは密着していてもよいし、ある程度の空隙を有するように配置されていてもよい。上記ビームスプリッターと上記太陽電池セルの配置は、光電変換効率、採光性、ビームスプリッターの種類等に応じて適宜調整されるものである。
このようなビームスプリッター5は、一般的に図5および図6に示すように、光学薄膜7が入射光130に対して所定の角度、好ましくは45°の角度で傾斜して配置された構造をなしている。そのため、本発明においては、図1および図2に示すように、ビームスプリッター5は、第1透明基板4aに対して光学薄膜(図示なし)面が所定の角度、好ましくは45°の角度になるように配置される。
本発明に用いられるビームスプリッターは光束を分割するために用いられる光学素子であり、その光束分割比が1:1であるものがハーフミラーと呼ばれている。本発明に用いられるビームスプリッターは光束を分割する用途で用いられるものであり、第1透明基板側から入射した光の一部を透過して第2透明基板側から出射させ、一部を反射して太陽電池セルに入射させるものである。ビームスプリッターは、入射光を透過および反射させて分割し、優れた採光性、高い発電効率を有する太陽電池モジュールを作製できるものであれば特に限定されるものではない。
上記ビームスプリッターの種類としては、例えば、プレート型ビームスプリッター、キューブ型ビームスプリッター、ペリクル型ビームスプリッター等が挙げられ、本発明においては、プレート型ビームスプリッターおよびキューブ型ビームスプリッターが好ましく、特にキューブ型ビームスプリッターが好ましい。
一般的なビームスプリッターとしては、図5に示すようなプレート状の光学基板6の片面に光学薄膜7を形成したプレート型ビームスプリッター5Aと、図6に示すように2個のプリズム8を光学薄膜7を介して斜面で相互接着したキューブ型ビームスプリッター5Bとがある。本発明においては、図6に示すキューブ型ビームスプリッター5Bが特に好ましい。入射光路に対する透過光路の光軸のずれがなく、立方体形状の各面を基準に出来るので位置調整および固定がしやすく、かつビームスプリッターの内側面での反射が発生しにくいからである。
また、上記ビームスプリッターの光束分割性能の種類としては、例えば、NDフィルター、無偏光ビームスプリッター、偏光ビームスプリッター、レーザーラインビームスプリッター、波長選択ビームスプリッター等が挙げられる。本発明においては、NDフィルターがより好ましい。光の波長によらずに、一定の割合で光を弱めることができるため、透過光を自然光の色調で維持することができるからである。
以下、プレート型ビームスプリッターとキューブ型ビームスプリッターに分けて説明する。
1.プレート型ビームスプリッター
図1はプレート型ビームスプリッター5Aを有する本発明の太陽電池モジュール100の一例を示す概略斜視図であり、図5は、プレート型ビームスプリッター5Aの一例を示す概略斜視図である。本発明に用いられるプレート型ビームスプリッター5Aは、太陽電池セル10に含まれる透光性を有する第1電極層1の受光面と、上記プレート型ビームスプリッター5Aの反射光40が出射する面とが、対向するように配置されるものである。このようなプレート型ビームスプリッター5Aは、光学基板6と、上記光学基板6の片面に成膜された光学薄膜7とを有するものである。
上記プレート型ビームスプリッター5Aに入射した光(入射光)30(130)は、光学基板6に成膜された光学薄膜7により反射光40(140)と透過光50(150)に分割され出射される。
本発明に用いられるプレート型ビームスプリッター5Aは、後述する光学薄膜7の光学特性等により光束分割比は適宜調整される。この光束分割比が1:1であるものがハーフミラーと呼ばれている。
上記プレート型ビームスプリッターにおける入射光の透過率は、特に限定されるものではないが、20%〜80%の範囲内であることが好ましい。
なお、上記プレート型ビームスプリッターにおける入射光の透過率は、プレート型ビームスプリッターの種類や材料等によって異なるものである。
上記プレート型ビームスプリッターによる入射光の反射率は、特に限定されるものではないが、80%〜20%の範囲内であることが好ましい。
なお、上記プレート型ビームスプリッターにおける入射光の反射率は、プレート型ビームスプリッターの種類や材料、角度等によって異なるものである。
上記プレート型ビームスプリッターを本発明に用いられる複数個の太陽電池セルの間に固定する方法としては、上記光学薄膜が第1透明基板に対して所定の角度、好ましくは45°の角度に配置されるものであれば特に限定されるものではなく、任意の治具を用いて固定する方法等が挙げられる。
以下、プレート型ビームスプリッターに用いられる各部材について説明する。
(1)光学基板
本発明に用いられる光学基板の材料としては、光学部品用の各種硝材や、プラスチック(例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン)等が挙げられる。
このような光学基板の厚みとしては、特に限定されるものではないが、0.5mm〜50mmの範囲内であることが好ましく、中でも1mm〜20mmの範囲内であることが好ましい。
(2)光学薄膜
本発明に用いられる光学薄膜7は、図5に示すように、上述した光学基板6の片面に成膜されたものである。
上記光学薄膜は、単層であってもよく、また複数層からなるものであってもよいが、本発明においては複数の薄膜が積層してなるものが好ましい。各薄膜の組成(屈折率)、膜厚、積層数、積層順等の組合せによって、所望の光学特性を得ることができるからである。
本発明に用いられる光学薄膜の組成としては、例えば、MgF2、CaF2、SiO2、ThF4、Al23、CeF3、PbF2、Yb23、ZrO2、TaO2、Ta23、Pr611、HfO2、Nd23、CeO2、TiO2、Bi23、ZnS、Cr、インコーネル、Alのような各種酸化物、フッ化物、硫化物、金属、合金を主成分とするもの、またはこれらのうちの任意の成分を混ぜ合わせた混合物を挙げることができる。
上記光学薄膜の膜厚としては、所望の透過率および反射率を得られるものであれば特に限定されるものではなく、光学薄膜の組成や種類等により適宜調整されるものである。
本発明における上記光学薄膜の積層数としては、上述したように所望の光学特性を得られる程度の積層数であれば、特に限定されるものではない。なお、本発明においては単層よりも複数層からなるものが好ましい。
また、図5に示すように、上記光学薄膜7による入射光130の光軸と反射光140の光軸とのなす角度θについては、入射光130の光軸と反射光140の光軸とが一致しないものであれば、特に限定されるものではないが、θ=90°であることが好ましい。第1透明基板の受光面に対して垂直に入射した光を、ビームスプリッターに反射させて、その光を、第1透明基板に対して受光面が交差するように配置された太陽電池セルに入射させる場合に、太陽電池セルに入射する光量が最大になるからである。
このような光学薄膜の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の気相成膜法により行うことができ、成膜条件の設定により上記膜組成および膜厚を適宜調整することができる。
(3)その他の構成
図5に示すように、プレート型ビームスプリッター5Aの光学基板6を透過光150が透過する際に、透過光150の一部が光学基板6の透過光150の出射面により反射されて反射光hとなる場合がある。このようなプレート型ビームスプリッター5Aの光学基板6の透過光150の出射面における反射を防止するために、必要に応じて光学基板6の透過光150の出射面を研磨し、その上に反射防止膜をコーティングしてもよい。
2.キューブ型ビームスプリッター
図2はキューブ型ビームスプリッター5Bを有する本発明の太陽電池モジュール100の一例を示す概略斜視図であり、図6は、キューブ型ビームスプリッター5Bの一例を示す概略斜視図である。本発明に用いられるキューブ型ビームスプリッター5Bは、太陽電池セル10に含まれる透光性を有する第1電極層1と、上記キューブ型ビームスプリッター5Bの反射光40が出射する面とが、対向するように配置されるものである。このようなキューブ型ビームスプリッター5Bは、2個のプリズム8を光学薄膜7を介して斜面で相互接着したものである。
上記キューブ型ビームスプリッター5Bに入射した光(入射光)30(130)は、2個のプリズム8の接合面に配置された光学薄膜7により、反射光40(140)と透過光50(150)に分割され出射される。
上記キューブ型ビームスプリッターにおける入射光の透過率は、特に限定されるものではないが、20%〜80%の範囲内であることが好ましい。
なお、上記キューブ型ビームスプリッターにおける入射光の透過率は、キューブ型ビームスプリッターの種類や材料等によって異なるものである。
上記キューブ型ビームスプリッターによる入射光の反射率は、特に限定されるものではないが、80%〜20%の範囲内であることが好ましい。
なお、上記キューブ型ビームスプリッターにおける入射光の反射率は、キューブ型ビームスプリッターの種類や材料等によって異なるものである。
上記キューブ型ビームスプリッターを、本発明に用いられる複数個の太陽電池セルの間に配置する方法としては、上記光学薄膜が第1透明基板に対して所定の角度、好ましくは45°の角度に配置されるものであれば特に限定されるものではなく、任意の治具を用いて固定する方法等が挙げられる。
以下、キューブ型ビームスプリッターに用いられる各部材について説明する。
(1)プリズム
本発明に用いられるプリズムの材料としては、光学部品用の各種硝材や、プラスチック(例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン)等が挙げられる。
(2)光学薄膜
本発明に用いられる光学薄膜は、上述したように2つのプリズムの接合面に形成されるものであり、単層であってもよく、また複数層からなるものであってもよいが、本発明においては複数の薄膜が積層してなるものが好ましい。各薄膜の組成(屈折率)、膜厚、積層数、積層順等の組合せによって、所望の光学特性を得ることができるからである。
本発明に用いられる光学薄膜の組成としては、例えば、MgF2、CaF2、SiO2、ThF4、Al23、CeF3、PbF2、Yb23、ZrO2、TaO2、Ta23、Pr611、HfO2、Nd23、CeO2、TiO2、Bi23、ZnSのような各種酸化物、フッ化物、硫化物を主成分とするもの、またはこれらのうちの任意の成分を混ぜ合わせた混合物を挙げることができる。
上記光学薄膜の膜厚としては、所望の透過率および反射率を得られるものであれば特に限定されるものではなく、光学薄膜の組成や種類等により適宜調整されるものである。
本発明における上記各光学薄膜の積層数としては、上述したように所望の光学特性を得られる程度の積層数であれば、特に限定されるものではない。なお、本発明においては単層よりも複数層からなるものが好ましい。
また、図6に示すように、上記光学薄膜7による入射光130の光軸と反射光140の光軸とのなす角度θについては、入射光130の光軸と反射光140の光軸とが一致しないものであれば、特に限定されるものではないが、θ=90°であることが好ましい。第1透明基板の受光面に対して垂直に入射した光を、ビームスプリッターに反射させて、その光を、第1透明基板に対して受光面が交差するように配置された太陽電池セルに入射させる場合に、太陽電池セルに入射する光量が最大になるからである。
このような光学薄膜の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の気相成膜法により行うことができ、成膜条件の設定により上記膜組成および膜厚を適宜調整することができる。
(3)その他の構成
図6に示すように、キューブ型ビームスプリッター5Bのプリズム8を透過光150が透過する際に、透過光150の一部がプリズム8における透過光150の出射面により反射されて反射光hとなる場合がある。このようなキューブ型ビームスプリッター5Bのプリズム8の透過光150の出射面における反射を防止するために、必要に応じてプリズム8における透過光150の出射面を研磨し、その上に反射防止膜をコーティングしてもよい。
B.拡散板
本発明に用いられる拡散板は、第2透明基板上に配置されたものである。
以下、本発明に用いられる拡散板について説明する。
上記拡散板9は図4に示したように第2透明基板4b上に配置されているものであるが、上記拡散板9の配置については、用途等に応じて適宜調整される。
また、図示はしないが、例えば、図4に示す第2透明基板4bが拡散板9を兼ねたものであってもよい。
本発明に用いられる上記拡散板は、隣接する太陽電池セルの間のビームスプリッターを透過した光を、散乱による光の反射・屈折作用により拡散するので、太陽電池モジュール全面で、明るさが均一となる。散乱による光の反射・屈折は、例えば、上記拡散板に含まれる光拡散粒子や拡散板の厚さ等に応じて調整される。
このような光を散乱させる上記拡散板の種類には、具体的には、光拡散粒子を含有するもの、表面に凹凸形状を有するものを挙げることができる。
以下、光拡散粒子を含有する拡散板と、表面に凹凸形状を有する拡散板に分けてそれぞれ説明する。
1.光拡散粒子を含有する拡散板
本発明において、上記拡散板に用いられる材料としては拡散板の種類に応じて選択される。上記光拡散粒子を含有する拡散板は、透明樹脂に光拡散粒子が分散されて形成される。このような拡散板は、好適な拡散性能を容易に得ることができる。透明樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができ、具体的には、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、アクリルニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルポリスチレン共重合体等を挙げることができる。
光拡散粒子としては、無機酸化物または樹脂からなる透明粒子を用いることができるが、特に限定されない。無機酸化物からなる透明粒子としては、例えば、シリカ、アルミナなどを用いることができる。また、樹脂からなる透明粒子としては、アクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子およびその架橋体、メラミン・ホルマリン縮合物の粒子、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、およびETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)等のフッ素ポリマー粒子、シリコーン樹脂粒子などを挙げることができる。上述した透明粒子から2種類以上の透明粒子を組み合わせて使用してもよい。
光拡散粒子の形状は特に限定されるものではないが、特に球状であることが好ましい。高い光拡散性能を得ることができるからである。
また、上記光拡散粒子の平均粒径は、0.5μm〜10μm程度であることが好ましい。可視光の波長に対して1〜1000倍程度に相当する粒子径の光拡散粒子を用いることにより、光損失が少ないミー散乱による光拡散の効果を得ることができるからである。
本発明に用いられる拡散板において、上記透明樹脂100重量部に対する光拡散粒子は、0.01重量部〜50重量部の範囲内であることが好ましい。光拡散粒子が上記範囲より少ない場合には光拡散効果が得られず、また上記範囲より多い場合には光透過性が低下してしまうからである。
本発明に用いる拡散板が上述したような光拡散粒子および透明樹脂からなる場合には、上記光拡散粒子と上記透明樹脂との屈折率比が1.000超過1.020未満の範囲内であることが好ましい。上記光拡散粒子と上記透明樹脂との屈折率比が上記範囲以上であると、透過率が低下して輝度性能が落ちてしまい、また上記範囲以下であると、充分な拡散性能を得ることが出来ない。
なお、光拡散粒子と透明樹脂との屈折率比とは、光拡散粒子および透明樹脂のうち、屈折率の小さいものに対する屈折率の大きいものの比をいう。
このように、光拡散粒子を含有する拡散板の光拡散性能は、光拡散粒子の粒径、光拡散粒子の拡散板における量、および透明樹脂と光拡散粒子の屈折率差により調整されるものである。
上記光拡散粒子を含有する上記拡散板の厚さとしては、0.05mm〜5mmの範囲内であることが好ましい。
上記拡散板の厚みが上記範囲内である場合には、最適な拡散性能と光透過率を得ることができる。これに対して、0.05mm未満の場合には拡散性能が足りず、5mmを超える場合には吸収による光透過率低下が生じる。
また、本発明に用いられる拡散板は、第2透明基板上に直接形成しても良いし、また拡散シートを形成し第2透明基板上に貼付しても良い。上記拡散シートとしては、液晶ディスプレイの光源に用いられる市販の拡散シート等を適用することができる。
2.表面に凹凸形状を有する拡散板
表面に凹凸形状を有する拡散板としては、凹凸形状を形成できるものであれば特に限定されるものではない。凹凸の形状としては、例えば、多角錐状、略円錐状、略半球状、略楕円状等が挙げられる。変形や傷の発生をより防ぐ観点からは、略円弧状をなすことが好ましい。
上記凹凸形状のピッチとしては、光拡散性能を付与することができれば特に限定されるものではないが、例えば、10μm〜100μmの範囲内が好ましい。
表面に凹凸形状を有する上記拡散板の材料としては、「1.光拡散粒子を含有する拡散板」の項に記載した透明樹脂の材料と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
本発明に用いられる上記拡散板に凹凸形状をつけるには、例えば、押出形成法、または射出成形法にて上記拡散板を形成中に、凹凸形状を賦型するための金型に圧力をかけて密着させ、凹凸形状を転写する方法を挙げることができる。
また、本発明に用いられる上記拡散板の光入射面または光出射面に、UV硬化樹脂のような放射線硬化樹脂を用いて成形してもよい。具体的には、押出法により上記拡散板を板状部材として成形した後に、上記拡散板の光入射面または光出射面に凹凸形状をUV成形して形成してもよい。
凹凸形状を有する上記拡散板の厚さとしては、0.05mm〜5mmの範囲内であることが好ましい。
上記拡散板の厚みが上記範囲内である場合には、最適な拡散性能と光透過率を得ることができる。これに対して、0.05mm未満の場合には拡散性能が足りず、5mmを超える場合には吸収による光透過率低下が生じる。
また、本発明に用いられる拡散板は、第2透明基板上に直接形成しても良いし、また拡散シートを形成し第2透明基板上に貼付しても良い。上記拡散シートとしては、液晶ディスプレイの光源に用いられる市販の拡散シート等を適用することができる。
C.着色層
本発明においては、後述する太陽電池セルの受光面側、または受光面の反対側の面に、光電変換機能層と吸収波長領域が異なる着色層が配置されていることが好ましい。
このような着色層は、有色の有機系太陽電池セルに好適に用いられる。
以下、本発明に用いられる着色層について説明する。
着色層が配置される位置としては、ビームスプリッターからの反射光が太陽電池セルへと入射し、その光が光電変換機能層を透過することで生じる着色された光(着色光)を吸収できる位置であれば特に限定されるものではない。例えば、図4に示したように、着色層11は太陽電池セル10において、ビームスプリッター5からの反射光40を受光する側の面に配置されていてもよく、図示はしないが、着色層は太陽電池セルにおいて、ビームスプリッターからの反射光を受光する面の反対側の面に配置されていてもよい。
以下、本発明に用いられる着色層が太陽電池セルの受光面側の面に配置されている態様(以下、第1態様とする。)と、上記着色層が太陽電池セルの受光面の反対側の面に配置されている態様(以下、第2態様とする。)とに分けて説明する。
1.第1態様
本発明に用いられる着色層が、太陽電池セルの受光面側の面に配置されている場合について説明する。
図4に示すように、本態様では、第1透明基板4aから入射した光(入射光)30がビームスプリッター5により反射光40と透過光50とに分かれ、反射光40は着色層11を介して太陽電池セル10へと入射される。本態様においては、自然光である反射光40の一部の光が着色層11に吸収されて、吸収されなかった光だけが太陽電池セル10へと入射し、光電変換機能層2によって吸収され、発電する。上記着色層11および上記光電変換機能層2は吸収波長領域が異なるので、着色層11と光電変換機能層2によって可視領域に発光波長を有する光のほとんどを吸収することができ、着色された光が第2透明基板4bより出射することを防止することができる。これにより、採光する光を自然光の色調に維持することが可能となる。
このような効果は、太陽電池セルの第2電極層が、透光性を有する場合であっても、また遮光性を有する場合であっても得ることができる。したがって、シースルー型の有色の有機系太陽電池セルを用いた場合においても、自然光の色調で採光することができる。
本発明に用いられる着色層が有する吸収波長領域は、光電変換機能層が有する吸収波長領域と異なるものであり、光電変換機能層が有する吸収波長領域に応じて適宜調整されるものである。
本態様においては、着色層は可視領域に極大吸収波長および吸収波長領域を有し、光電変換機能層の吸収波長領域にほとんど吸収をもたず、光電変換機能層の極大吸収波長よりも短波長および/または長波長に極大吸収波長および吸収波長領域を有することが好ましい。例えば、光電変換機能層が赤色波長領域に極大吸収波長および吸収波長領域を有する場合、着色層は赤色波長領域にほとんど吸収をもたず、青色波長領域および緑色波長領域にそれぞれ極大吸収波長および吸収波長領域を有することが好ましい。
上述したように、本態様においては、自然光の色調で採光することが好ましい。すなわち、採光された光のスペクトルが太陽光スペクトルと類似していることが好ましい。このためには、光電変換機能層の透過スペクトルと着色層の透過スペクトルとを足し合わせたスペクトルが、太陽光スペクトルに類似していることが好ましい。そのため、光電変換機能層が有する光透過スペクトルおよび着色層が有する光透過スペクトルを合計したスペクトルにおける各波長領域の強度と、太陽光スペクトルにおける各波長領域の強度とが等しくなるように、着色層が有する吸収波長領域および吸収強度を調整することが好ましい。なお、着色層が有する吸収強度は、着色層の膜厚に比例する。
2.第2態様
本発明に用いられる着色層が、太陽電池セルの受光面の反対側の面に配置されている場合について説明する。本態様については、第2電極層が透光性を有する場合と遮光性を有する場合に分けて説明する。
(第2電極層が透光性を有する場合)
本態様では、図示はしないが、太陽電池セルの第2電極層が透光性を有し、シースルー型の有色の有機系太陽電池セルを用いた場合、第1透明基板から入射した光がビームスプリッターにより反射光と透過光に分かれ、反射光は太陽電池セルへ入射し、その後太陽電池セルを透過した光が着色層へと入射される。本態様においては、自然光である反射光の一部の光が太陽電池セルの光電変換機能層により吸収されて、吸収されなかった光(光電変換機能層を透過して着色された光)だけが太陽電池セルを透過して着色層へと入射し、吸収される。上記着色層および上記光電変換機能層は吸収波長領域が異なるので、着色層と光電変換機能層によって可視領域に発光波長を有する光のほとんどを吸収することができ、着色された光が第2透明基板より出射することを防止することができる。これにより、採光する光を自然光の色調に維持することが可能となる。
(第2電極層が遮光性および反射性を有する場合)
本態様では、図示はしないが、太陽電池セルの第2電極層が遮光性および反射性を有し、有色の有機系太陽電池セルを用いた場合、第1透明基板から入射した光がビームスプリッターにより反射光と透過光に分かれ、反射光は太陽電池セルへ入射し、太陽電池セルの第2電極層で反射した光が再度ビームスプリッターへと入射し、その後ビームスプリッターを透過した光が、当該太陽電池セルの受光面側にビームスプリッターを介して配置された着色層に入射し、吸収される。本態様においては、自然光である反射光の一部の光が太陽電池セルの光電変換機能層により吸収されて、吸収されなかった光(光電変換機能層を透過して着色された光)だけが太陽電池セルの第2電極層で反射し、太陽電池セルの第1電極層(受光面)から出射した着色光は、再度ビームスプリッターへと入射する。その後、着色光はビームスプリッターにより反射光と透過光に分かれ、透過光は、当該太陽電池セルの受光面側に、ビームスプリッターを介して隣接して配置された太陽電池セルの受光面の反対側の面に配置されている着色層に入射して吸収される。上記着色層および上記光電変換機能層は吸収波長領域が異なるので、着色層と光電変換機能層によって可視領域に発光波長を有する光のほとんどを吸収することができ、着色された光が第2透明基板より出射することを防止することができる。これにより、採光する光を自然光の色調に維持することが可能となる。
本発明に用いられる着色層が有する吸収波長領域は、光電変換機能層が有する吸収波長領域と異なるものであり、光電変換機能層が有する吸収波長領域に応じて適宜調整されるものである。
本態様においては、着色層は可視領域に極大吸収波長および吸収波長領域を有し、光電変換機能層の極大吸収波長よりも短波長および/または長波長に極大吸収波長および吸収波長領域を有することが好ましい。例えば、光電変換機能層が赤色波長領域に極大吸収波長および吸収波長領域を有する場合、着色層は青色波長領域および緑色波長領域にそれぞれ極大吸収波長および吸収波長領域を有することが好ましい。
着色層は光電変換機能層の吸収波長領域に吸収をもっていてもよく、ほとんど吸収をもっていなくてもよい。
上述したように、本態様においては、自然光の色調で採光することが好ましい。すなわち、採光された光のスペクトルが太陽光スペクトルと類似していることが好ましい。このためには、光電変換機能層の透過スペクトルと着色層の透過スペクトルとを足し合わせたスペクトルが、太陽光スペクトルに類似していることが好ましい。そのため、光電変換機能層が有する光透過スペクトルおよび着色層が有する光透過スペクトルを合計したスペクトルにおける各波長領域の強度と、太陽光スペクトルにおける各波長領域の強度とが等しくなるように、着色層が有する吸収波長領域および吸収強度を調整することが好ましい。なお、着色層が有する吸収強度は、着色層の膜厚に比例する。
上述したように、本発明の太陽電池モジュールに着色層を用いる場合、太陽電池セルにおける第2電極層は、透光性を有していてもよく、また遮光性を有していてもよい。
3.着色層
本発明に用いられる着色層の形成材料としては、所定の吸収波長領域を有する着色層を形成することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタに用いられる顔料、染料やバインダー樹脂を用いることができる。
このような着色層の形態としては、所望の機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、自己支持性を有するものであってもよく、また自己支持性を有さないフィルム状等であってもよい。
着色層の配置としては、着色層が太陽電池セルの受光面側または受光面と反対側の面に配置されていれば特に限定されるものではなく、太陽電池セルの受光面側または受光面と反対側の面に直接形成されていてもよく、また、着色層がフィルム状である場合には、着色フィルムを形成し、太陽電池セルの受光面側または受光面と反対側の面に貼り付けられていてもよい。また、キューブ型ビームスプリッターを用いる場合には、着色層がキューブ型ビームスプリッターの太陽電池セルと対向する面に直接形成されていてもよく、キューブ型ビームスプリッターの太陽電池セルと対向する面に貼り付けられていてもよい。着色層を直接形成する場合には、色材を塗布する方法等が挙げられる。
また、着色層の膜厚としては、光の色調を調整することができる厚みであれば特に限定されるものではないが、具体的には500nm〜5μmの範囲内で設定することができ、好ましくは1μm〜3μmの範囲内である。着色層の膜厚が厚すぎると、透過性が低下したり、また太陽電池セル等からの剥離が生じたりする可能性があるからである。一方、着色層の膜厚が薄すぎると、十分な色調の調整を行うことができない可能性があるからである。
D.第1透明基板および第2透明基板
本発明に用いられる第1透明基板および第2透明基板は、平行に配置されるものであり、第1透明基板および第2透明基板の間には太陽電池セルとビームスプリッターとが交互に配置される。太陽電池セルは、上記第1透明基板に対して受光面が交差するように配置され、上記第1透明基板に対して平行な方向に所定の間隔をあけて複数個配置される。ビームスプリッターは、複数個の太陽電池セルと、隣接する上記太陽電池セルの間にそれぞれ配置され、上記第1透明基板側から入射した光の一部を透過して上記第2透明基板側から出射されるように配置される。
本発明においては、便宜上、本発明の太陽電池モジュールを使用する際に光入射側に配置される透明基板を第1透明基板、光出射側に配置される透明基板を第2透明基板としている。
以下、本発明に用いられる第1透明基板および第2透明基板について説明する。
上記第1透明基板4aおよび上記第2透明基板4bは図1〜図4に示したように、複数個の太陽電池セル10および各太陽電池セル10の間に配置されたビームスプリッター5を挟み込むように平行に配置されるものである。
本発明の太陽電池モジュール100において、第1透明基板4aは上記太陽電池モジュール100の光入射側の面に配置されたものであり、第2透明基板4bは上記太陽電池モジュール100の光出射側の面に配置されたものである。
このような第1透明基板および第2透明基板に用いられる材料としては、太陽光の透過性を有していれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス板、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂(各種のナイロン)、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等の各種の樹脂基板が挙げられる。第1透明基板および第2透明基板としては、フレキシブルな基板、またはリジッドな基板を用いることができるが、上記第1透明基板および上記第2透明基板によって太陽電池セルと、上記太陽電池セルの間に配置されるビームスプリッターを固定するという観点より、リジットな基板がより好ましい。
本発明に用いられる上記第1透明基板および上記第2透明基板の光透過率としては、85%以上であることが好ましく、なかでも90%以上、特に92%以上であることが好ましい。上記第1透明基板および上記第2透明基板の光透過率が上記範囲であることにより、第1透明基板にて光を十分に透過させ、さらに第2透明基板にてビームスプリッターを透過した光を十分に出射させることができるからである。
なお、上記光透過率は、可視光領域において、スガ試験機株式会社製 SMカラーコンピュータ(型番:SM−C)を用いて測定した値である。
E.太陽電池セル
本発明に用いられる太陽電池セルは、上記第1透明基板および上記第2透明基板の間に、上記第1透明基板に対して受光面が交差するように配置され、上記第1透明基板に対して平行な方向に所定の間隔をあけて複数個配置されるものである。
上記第1透明基板に対する太陽電池セルの受光面がなす角度としては、第1透明基板から入射し、ビームスプリッターで反射された光を太陽電池セルの受光面に入射させることができれば特に限定されないが、70°〜110°の範囲内であることが好ましく、特に垂直であることが好ましい。なお、本発明における垂直とは、第1透明基板と太陽電池セルの受光面とのなす角度が、90°±5°程度の範囲内であることを示す。上記範囲内であれば、平面視したときに太陽電池全体において、太陽電池セル1個当たりが占める面積をより一層縮小させることができるからである。また、シースルー型の太陽電池セルを用いた場合に、太陽電池セルを透過して直接第2透明基板から出射される着色光を減らすことができ、自然光により近い色調で採光することが可能となる。
このように、上記第1透明基板に対して受光面が交差するように配置される複数個の太陽電池セルにおいて、各太陽電池セルの間に設けられる所定の間隔としては、本発明の太陽電池モジュールが所望の採光性および発電効率を得られるものであれば特に限定されるものではない。
本発明に用いられる太陽電池セルの種類としては、特に限定されるものではなく、例えば、有機薄膜太陽電池セル、色素増感型太陽電池セル、化合物半導体系太陽電池セル、シリコン系太陽電池セル等を挙げることができる。化合物半導体系太陽電池セルとしては、具体的に、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体系太陽電池セル、カドミウムテルル(CdTe)等のII−VI族化合物半導体系太陽電池セル、CIS(CuInSe)やCIGS(Cu(In、Ga)Se)等のI-III-VI族化合物半導体系太陽電池セル等が挙げられる。シリコン系太陽電池セルとしては、具体的に、単結晶シリコン太陽電池セル、多結晶シリコン太陽電池セル、シングル接合型もしくはタンデム構造型等のアモルファスシリコン太陽電池セル等が挙げられる。また、薄膜多結晶性シリコン太陽電池セル、薄膜微結晶性シリコン太陽電池セル、薄膜結晶シリコン太陽電池セルとアモルファスシリコン太陽電池セルとのハイブリット太陽電池セルを挙げることもできる。
中でも、本発明に用いられる太陽電池セルは、薄型であるという観点から、有機薄膜太陽電池セルや、色素増感型太陽電池セルの有機系太陽電池セルが好適である。これらの太陽電池セルは他の太陽電池セルに比べて厚みが薄いため、上記太陽電池セルを、上記太陽電池セルの受光面が第1透明基板に対して特に垂直になるように配置した際に、上記太陽電池セルが配置されることで形成される遮光領域が、わずかな領域で済み、採光性を向上させることができるからである。
また、採光される光を自然光の色調に維持するという観点から、可視領域に対応した吸収波長領域を有するシリコン系太陽電池セルを好適に用いることができる。また、吸収波長領域が異なる複数層の光電変換機能層が積層され、可視領域に対応した吸収波長領域を有する有機薄膜太陽電池セルも、好適に用いることができる。さらに、吸収波長領域が異なる増感色素が担持された金属酸化物半導体微粒子を含む複数層の半導体層が積層された光電変換機能層を有し、可視領域に対応した吸収波長領域を有する色素増感太陽電池セルも好適に用いることができる。これらの太陽電池セルは、可視領域の光をほとんど吸収することができるので、第2透明基板から着色光が出射されるのを防ぎ、採光される光を自然光の色調に維持することができるからである。
以下、本発明に用いられる太陽電池セルが有する各部材について、具体例として本発明に用いられる有機薄膜太陽電池セル(以下、第1態様とする。)と色素増感型太陽電池セル(以下、第2態様とする。)とに分けてそれぞれ説明する。
1.第1態様
本発明に用いられる太陽電池セルが有機薄膜太陽電池セルである場合について説明する。
図1〜図4に示すように、本発明に用いられる太陽電池セル10は、上記太陽電池セル10の受光面が第1透明基板4aに対して交差するように配置されるものである。
上記第1透明基板4aおよび第2透明基板4bの間に所定の間隔をあけて配置された複数個の太陽電池セル10の間には、ビームスプリッター5が上記太陽電池セル10と隣接して配置されている。
本発明に用いられる太陽電池セル10は、上記ビームスプリッター5の反射光40の出射側の面より順に第1電極層1、光電変換機能層2、第2電極層3が積層されたものである。なお、上記太陽電池セル10に用いられる上記第1電極層1は透光性を有するものである。
第2電極層3については透光性を有していてもよいし、遮光性を有していてもよいが、有色の光電変換機能層2を用いる場合であって、着色層11を有さない場合には、第2電極層3は遮光性を有するものであることがより好ましい。光電変換層を透過して着色された光が直接、第2透明基板から出射されるのを防止することができ、自然光により近い色調で採光することが可能となるからである。また、第2電極層3が透光性を有する場合に比べて、第2電極層3が遮光性および反射性を有する場合の方が、光電変換機能層2を透過して着色された光(着色光)が第2透明基板4bより出射されるまでの光路が長く、ビームスプリッターに入射する回数が多い。つまり、着色層がビームスプリッターに入射する回数が多いほど、光量が少なくなるので、第2透明基板4bより出射され、採光される着色光の光量は、第2電極層が遮光性および反射性を有している場合の方が少なく、自然光により近い色調にすることができる。
第2電極層3が遮光性および反射性を有する場合には、第1透明基板4aから入射し、ビームスプリッター5で反射された光(反射光)40は太陽電池セル10に入射し、有色の光電変換機能層2を透過して着色された光(着色光)が、第2電極層3を透過せず、反射されて第1電極層1から出射される。その後着色光はビームスプリッター5に入射し、透過光と反射光に分けられる。このとき、反射光は第1透明基板4aから出射される。ビームスプリッター5を透過した着色光は、当該太陽電池セル10の受光面側にビームスプリッター5を介して配置された太陽電池セル10の第2電極層3に反射して、再度ビームスプリッター5へと入射し、透過光と反射光に分かれる。この時の反射光は、第2透明基板4bより出射されるが、上述したように光量が少なく、第2透明基板4bから出射される光のほとんどは第1透明基板4aからの透過光50となり、自然光となるので、自然光により近い色調で採光していると視認することができる。
一方、第2電極層3が透光性を有する場合においては、図3に示すように、第2電極層3を透過した着色光60の一部の光がビームスプリッター5によって反射され、第2透明基板4bより出射される。この場合も、着色光60はビームスプリッター5で分割されており、光量は減るので、上記第2透明基板4bより出射されるほとんどの光は、第1透明基板4aから入射して、ビームスプリッター5を透過した透過光50であり、自然光であるため、自然光により近い色調で採光していると視認することが可能である。また、着色光60の一部は、ビームスプリッター5を透過し、再び太陽電池セル10に入射するので、光の利用効率を高めることができる。
以下、本態様における各部材について説明する。
(1)第1電極層
本態様に用いられる第1電極層は、平行に配置された上記第1透明基板および上記第2透明基板の間に、上記第1透明基板に対して交差するように配置され、上記ビームスプリッターの反射光の出射側の面を向くように配置されるものである。
本発明に用いられる第1電極層は、上記ビームスプリッターにより反射された光を受光するため、透光性を有するものである。以下、本態様における第1電極層について説明する。
第1電極層は、受光側の電極となるものであれば特に限定されるものではなく、透明電極であってもよく、また透明電極とパターン状の補助電極とが積層されたものであってもよい。
第1電極層がパターン状の補助電極と透明電極とが積層されたものである場合には、透明電極のシート抵抗が比較的高い場合であっても、補助電極のシート抵抗を十分に低くすることで、第1電極層全体としての抵抗を低減することができる。したがって、発生した電力を効率良く集電することができる。
以下、透明電極および補助電極について説明する。
(a)透明電極
本態様に用いられる透明電極は、平行に配置された第1透明基板および第2透明基板の間に、上記第1透明基板に対して交差するように配置されたものである。
本態様に用いられる上記透明電極の構成材料としては、導電性および透明性を有するものであれば特に限定されなく、In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、ZnO−Al、Zn−Sn−O等を挙げることができる。中でも、後述する第2電極層の構成材料の仕事関数等を考慮して適宜選択することが好ましい。例えば第2電極層の構成材料を仕事関数の低い材料とした場合には、上記透明電極の構成材料は仕事関数の高い材料であることが好ましい。導電性および透明性を有し、かつ仕事関数の高い材料としては、ITOが好ましく用いられる。
上記透明電極の全光線透過率は、85%以上であることが好ましく、中でも90%以上、特に92%以上であることが好ましい。上記透明電極の全光線透過率が上記範囲であることにより、透明電極にて光を十分に透過することができ、光電変換機能層にて光を効率的に吸収することができるからである。
なお、上記全光線透過率は、可視光領域において、スガ試験機株式会社製 SMカラーコンピュータ(型番:SM−C)を用いて測定した値である。
本態様に用いられる上記透明電極は、単層であってもよく、また異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
上記透明電極の膜厚としては、単層である場合はその膜厚が、複数層からなる場合は総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、中でも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄いと、透明電極のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より厚いと、全光線透過率が低下し、光電変換効率を低下させる可能性があるからである。
(b)補助電極
本態様に用いられる補助電極は、通常、透明電極よりも抵抗値が低い。
上記補助電極の形成材料としては、通常、金属が用いられる。補助電極に用いられる金属としては、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ステンレス系金属、アルミニウム合金、銅合金、チタン合金、鉄−ニッケル合金およびニッケル−クロム合金(Ni−Cr)等の導電性金属を挙げることができる。
また、補助電極は、上述のような導電性金属からなる単層であってもよく、また透明基材や透明電極との密着性向上のために、導電性金属層とコンタクト層とを適宜積層したものであってもよい。コンタクト層の形成材料としては、例えば、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、ニッケルクロム(Ni−Cr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)等が挙げられる。コンタクト層は所望の補助電極と透明基材や透明電極との密着性を得るために導電性金属層に積層されるものであり、導電性金属層の片側にのみ積層してもよく、導電性金属層の両側に積層してもよい。
また、補助電極の形成材料には、第2電極層の形成材料の仕事関数等に応じて、好ましい金属を選択してもよい。例えば、第2電極層の形成材料の仕事関数等が低い場合には、補助電極に用いられる金属は仕事関数の高いものであることが好ましい。
本態様に用いられる上記補助電極の形状としては、パターン状であれば特に限定されるものではなく、所望の導電性、透過性、強度等により適宜選択される。例えば、上記補助電極は、メッシュ状のメッシュ部と、このメッシュ部の周囲に配置されたフレーム部とを有するものであってもよく、メッシュ状のメッシュ部からなるものであってもよい。
メッシュ部の形状としては、メッシュ状であれば特に限定されるものではなく、所望の導電性、透過性、強度等により適宜選択される。例えば、三角形、四角形、六角形等の多角形や円形の格子状等が挙げられる。なお、多角形や円形の「格子状」とは、多角形や円形が周期的に配列されている形状をいう。多角形や円形の格子状としては、例えば多角形の開口部がストレートに配列されていてもよく、ジグザグに配列されていてもよい。
補助電極自体は基本的に光を透過しないので、補助電極のメッシュ部の開口部から光電変換機能層に光が入射する。そのため、補助電極のメッシュ部の開口部は比較的大きいことが好ましい。具体的には、補助電極のメッシュ部の開口部の比率は、50%〜98%程度であることが好ましく、より好ましくは70%〜98%の範囲内、さらに好ましくは80%〜98%の範囲内である。
補助電極のメッシュ部の開口部のピッチおよびメッシュ部の線幅は、補助電極全体の面積等に応じて適宜選択される。
また、フレーム部の線幅は、補助電極全体の面積等に応じて適宜選択される。
補助電極の厚みは、第1電極層と第2電極層との間で短絡が生じない厚みであれば限定されるものではなく、光電変換機能層等の厚みに応じて適宜選択される。具体的には、第1電極層と第2電極層との間に形成される層(光電変換機能層)の総膜厚を1とすると、補助電極の厚みは、5以下であることが好ましく、中でも3以下、さらには2以下、特に1.5以下であることが好ましく、1以下であることが最も好ましい。補助電極の厚みが上記範囲より厚いと、電極間で短絡が生じるおそれがあるからである。より具体的には、補助電極の厚みは、100nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、中でも200nm〜800nmの範囲内、さらには200nm〜500nmの範囲内、特に200nm〜400nmの範囲内であることが好ましい。補助電極の厚みが上記範囲より薄いと、また補助電極のシート抵抗が大きくなりすぎたりする場合があるからである。また、補助電極の厚みが上記範囲より厚いと、電極間で短絡が生じるおそれがあるからである。
補助電極のシート抵抗としては、透明電極のシート抵抗よりも低ければよい。
補助電極の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、金属薄膜を全面に成膜した後に網目状にパターニングする方法、網目状の導電体を直接形成する方法等が挙げられる。これらの方法は、補助電極の形成材料や構成等に応じて適宜選択される。
(2)光電変換機能層
本態様における光電変換機能層は、上記第1電極層上に形成され、かつ第1透明基板に対して交差するように配置されたものである。以下、本態様における光電変換機能層について説明する。
本態様に用いられる光電変換機能層は、第1電極層および第2電極層の間に形成されるものであり、電子供与性材料と電子受容性材料とを含有するものである。光電変換機能層は、有機薄膜太陽電池の電荷分離に寄与し、生じた電子および正孔を各々反対方向の電極に向かって輸送する機能を有する。
光電変換機能層は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であってもよく(第1態様)、また電子受容性の機能を有する電子受容性層と電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものであってもよい(第2態様)。
以下、各態様について説明する。
(a)第1態様
本発明における光電変換機能層の第1態様は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であり、電子供与性材料および電子受容性材料を含有するものである。この光電変換機能層では、光電変換機能層内で形成されるpn接合を利用して電荷分離が生じるため、単独で光電変換機能層として機能する。
電子供与性材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子はいわゆるπ共役高分子であり、炭素−炭素またはヘテロ原子を含む二重結合または三重結合が、単結合と交互に連なったπ共役系から成り立っており、半導体的性質を示すものである。導電性高分子材料は、高分子主鎖内にπ共役が発達しているため主鎖方向への電荷輸送が基本的に有利である。また、導電性高分子材料は、導電性高分子材料を溶媒に溶解もしくは分散させた塗工液を用いることで湿式塗工法により容易に成膜可能であることから、大面積の有機薄膜太陽電池を高価な設備を必要とせず低コストで製造できるという利点がある。
電子供与性の導電性高分子材料としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリシラン、ポリチオフェン、ポリカルバゾール、ポリビニルカルバゾール、ポルフィリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフルオレン、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの共重合体、あるいは、フタロシアニン含有ポリマー、カルバゾール含有ポリマー、有機金属ポリマー等を挙げることができる。
また、電子受容性材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子受容性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。
電子受容性の導電性高分子材料としては、例えば、ポリフェニレンビニレン、ポリフルオレン、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの共重合体、あるいは、カーボンナノチューブ、フラーレン誘導体、CN基またはCF基含有ポリマーおよびそれらの−CF置換ポリマー等を挙げることができる。
また、電子供与性化合物がドープされた電子受容性材料や、電子受容性化合物がドープされた電子供与性材料等を用いることもできる。中でも、電子供与性化合物もしくは電子受容性化合物がドープされた導電性高分子材料が好ましく用いられる。導電性高分子材料は、高分子主鎖内にπ共役が発達しているため主鎖方向への電荷輸送が基本的に有利であり、また、電子供与性化合物や電子受容性化合物をドープすることによりπ共役主鎖中に電荷が発生し、電気伝導度を大きく増大させることが可能であるからである。
電子供与性化合物がドープされる電子受容性の導電性高分子材料としては、上述した電子受容性の導電性高分子材料を挙げることができる。ドープされる電子供与性化合物としては、例えばLi、K、Ca、Cs等のアルカリ金属やアルカリ土類金属のようなルイス塩基を用いることができる。なお、ルイス塩基は電子供与体として作用する。
また、電子受容性化合物がドープされる電子供与性の導電性高分子材料としては、上述した電子供与性の導電性高分子材料を挙げることができる。ドープされる電子受容性化合物としては、例えばFeCl(III)、AlCl、AlBr、AsFやハロゲン化合物のようなルイス酸を用いることができる。なお、ルイス酸は電子受容体として作用する。
電子供与性材料および電子受容性材料の混合比は、使用する材料の種類により最適な混合比に適宜調整される。
光電変換機能層の膜厚としては、一般的にバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、0.2nm〜3000nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜600nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、光電変換機能層における抵抗が高くなる場合があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
光電変換機能層を形成する方法としては、所定の膜厚に均一に形成することができ、連続膜が得られる方法であれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法が好ましく用いられる。湿式塗工法であれば、大気中で光電変換機能層を形成することができ、コストの削減が図れるとともに、大面積化が容易だからである。
(b)第2態様
本発明における光電変換機能層の第2態様は、電子受容性の機能を有する電子受容性層と電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものである。以下、電子受容性層および電子供与性層について説明する。
(電子受容性層)
本態様に用いられる電子受容性層は、電子受容性の機能を有するものであり、電子受容性材料を含有するものである。
電子受容性材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子受容性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。具体的には、上記第1態様の光電変換機能層に用いられる電子受容性の導電性高分子材料と同様のものを挙げることができる。
電子受容性層の膜厚としては、一般的にバイレイヤー型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、0.1nm〜1500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜300nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、電子受容性層における抵抗が高くなる可能性があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子受容性層の形成方法としては、上記第1態様の光電変換機能層の形成方法と同様とすることができる。
(電子供与性層)
本発明に用いられる電子供与性層は、電子供与性の機能を有するものであり、電子供与性材料を含有するものである。
電子供与性層の膜厚としては、一般的にバイレイヤー型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、0.1nm〜1500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜300nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、電子供与性層における抵抗が高くなる可能性があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子供与性層の形成方法としては、上記第1態様の光電変換機能層の形成方法と同様とすることができる。
(c)その他
本発明においては、有機薄膜太陽電池セルの場合、上述したように吸収波長領域が異なる光電変換機能層が2層以上積層されていてもよい。本態様の有機薄膜太陽電池セルに着色層が配置されていない場合には、吸収波長領域が異なる光電変換機能層が2層以上積層されていることが好ましい。吸収波長領域が異なる光電変換機能層が2層以上形成されている場合には、複数層の光電変換機能層によって可視領域の光のほとんどを吸収することができ、採光される光の色調を維持することができるからである。また、光電変換機能層に入射した光のほとんどが吸収され、広範囲の波長領域の光エネルギーを吸収し、電気エネルギーに変換することが可能なため、発電に寄与し、高い発電効率を達成することもできる。
以下、本態様における光電変換機能層について説明する。
この場合、吸収波長領域が異なる上記光電変換機能層が少なくとも2層以上積層されたものであればよいが、中でも2層〜10層程度、特に2層〜5層程度積層されていることが好ましい。これにより、自然光の色調を維持して採光できる有機薄膜太陽電池セルとすることができ、また、より広範囲にわたる波長領域の光エネルギーを利用して発電することが可能である。また、上記範囲内であれば、安定して各光電変換機能層を積層することが可能となるからである。
上記各光電変換機能層が有するそれぞれの吸収波長領域における吸収極大波長は、最も近くて50nm以上異なることが好ましい。また、上記各光電変換機能層が有するそれぞれの吸収波長領域における吸収極大波長は、最も離れていて50nm〜500nm程度、特に50nm〜400nm程度異なるものとされていることが好ましい。
例えば、赤色波長領域(600nm〜800nmの範囲内、好ましくは610nm〜720nmの範囲内)に吸収極大波長を有する光電変換機能層、緑色波長領域(500nm〜600nmの範囲内、好ましくは530nm〜560nmの範囲内)に吸収極大波長を有する光電変換機能層、および青色波長領域(400nm〜500nmの範囲内、好ましくは440nm〜480nmの範囲内)に吸収極大波長を有する光電変換機能層が積層されていることが好ましい。これにより、自然光の色調を維持して採光できる有機薄膜太陽電池セルとすることができ、また、より広範囲にわたる波長領域の光エネルギーを利用して発電することが可能である。
(3)第2電極層
本態様に用いられる第2電極層は、上記光電変換機能層上に形成され、かつ第1透明基板に対して交差するように配置されるものである。上述したように、上記第2電極層は、透光性を有するものであってもよく、遮光性を有するものであってもよいが、有色の光電変換機能層を用いる本態様においては、遮光性を有するものが好ましい。
また、第2電極層は反射性を有することが好ましい。反射性を有する第2電極層を用いることにより、光電変換機能層を透過した光が第2電極層で反射され、再び光電変換機能層に入射するので、光の利用効率を高めることができる。
以下、本態様における第2電極層について説明する。
第2電極層が遮光性を有する場合、本態様に用いられる上記第2電極層の構成材料は、導電性および遮光性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、反射性を有するものが好ましい。また、第1電極層を仕事関数が高い材料を用いて形成した場合には、第2電極層は仕事関数が低い材料を用いて形成することが好ましい。具体的に仕事関数が低い材料としては、Li、In、Al、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、LiF等を挙げることができる。
また、第2電極層が透光性を有する場合、第2電極層としては、上記第1電極層と同様とすることができる。
第2電極層は、単層であってもよく、また、異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
第2電極層の膜厚は、単層である場合にはその膜厚が、複数層からなる場合には各層を合わせた総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内、中でも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、第2電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性がある。
第2電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができる。
(4)透明基材
本発明においては、第1電極層が透明基材上に形成されていてもよい。なお、透明基材については、上記第1透明基板および第2透明基板と同様とすることができる。
2.第2態様
本発明に用いられる太陽電池セルが色素増感型太陽電池セルである場合について説明する。
図1〜図4に示すように、本発明に用いられる太陽電池セル10は、太陽電池セル10の受光面が第1透明基板4aに対して交差するように配置されるものである。
上記第1透明基板4aおよび第2透明基板4bの間に所定の間隔をあけて配置された複数個の太陽電池セル10の間には、ビームスプリッター5が上記太陽電池セル10と隣接して配置されている。
本発明に用いられる太陽電池セル10は、上記ビームスプリッター5の反射光40の出射側の面より順に第1電極層1、光電変換機能層2、第2電極層3が積層されたものである。なお、上記太陽電池セル10に用いられる上記第1電極層1は透光性を有するものである。
第2電極層3については透光性を有していてもよいし、遮光性を有していてもよいが、上記第1態様の有機薄膜太陽電池セルの場合と同様に、有色の光電変換機能層2を用いる場合であって、着色層11を有さない場合には、第2電極層3は遮光性を有するものであることがより好ましい。
以下、本態様における各部材について説明する。
(1)第1電極層
本態様に用いられる第1電極層は、上記第1透明基板に対して交差するように配置され、上記ビームスプリッターの反射光の出射側の面を向くように配置されるものである。
本発明に用いられる第1電極層は、上記ビームスプリッターにより反射された光を受光するため、透光性を有するものである。以下、本態様における第1電極層について説明する。
本態様に用いられる第1電極層は、透明導電膜を有するものである。以下、本態様に用いられる透明導電膜について説明する。
本態様に用いられる透明導電膜としては、透明性を有し、所定の導電性を有するものであれば特に限定されるものではない。このような透明導電膜に用いられる材料としては、金属酸化物、導電性高分子化合物材料等を挙げることができる。
上記金属酸化物としては、例えば、SnO、ZnO、酸化インジウムにSnOを添加した化合物(ITO)、フッ素ドープしたSnO(FTO)、酸化インジウムにZnOを添加した化合物(IZO)、を挙げることができる。
一方、上記導電性高分子化合物材料としては、例えば、ポリチオフェン、ポリスチレンスルフォン酸(PSS)、ポリアニリン(PA)、ポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等を挙げることができる。また、これらを2種以上混合して用いることもできる。
本態様に用いられる透明導電膜は、単一の層からなる構成であってもよく、また、複数の層が積層された構成であってもよい。複数の層が積層された構成としては、例えば、仕事関数が互いに異なる材料からなる層が積層された態様や、互いに異なる金属酸化物からなる層が積層された態様を挙げることができる。
(2)光電変換機能層
本態様における光電変換機能層は、第1電極層上に形成され、かつ第1透明基板に対して交差するように配置されたものである。以下、本態様における光電変換機能層について説明する。
本態様に用いられる光電変換機能層は、表面に増感色素が担持された金属酸化物半導体微粒子と、電解質層とを有するものであり、上述した第1電極層上に形成されるものである。以下、本態様における金属酸化物半導体微粒子、増感色素、および電解質層について説明する。
(a)金属酸化物半導体微粒子
本態様に用いられる金属酸化物半導体微粒子としては、半導体特性を備える金属酸化物からなるものであれば特に限定されるものではない。本態様に用いられる金属酸化物半導体微粒子を構成する金属酸化物としては、例えば、TiO、ZnO、SnO、ITO、ZrO、MgO、Al、CeO、Bi、Mn、Y、WO、Ta、Nb、La等を挙げることができる。なかでも本態様においては、TiOからなる金属酸化物半導体微粒子を用いることが最も好ましい。TiOは特に半導体特性に優れるからである。
(b)増感色素
本態様に用いられる増感色素としては、光を吸収して起電力を生じさせることが可能なものであれば特に限定はされない。このような増感色素としては、有機色素または金属錯体色素を挙げることができる。上記有機色素としては、アクリジン系、アゾ系、インジゴ系、キノン系、クマリン系、メロシアニン系、フェニルキサンテン、インドリン、カルバゾール系の色素が挙げられる。本態様においてはこれらの有機色素の中でも、クマリン系色素を用いることが好ましい。また、上記金属錯体色素としてはルテニウム系色素を用いることが好ましく、特にルテニウム錯体であるルテニウムビピリジン色素およびルテニウムターピリジン色素を用いることが好ましい。このようなルテニウム錯体は吸収する光の波長範囲が広いため、光電変換できる光の波長領域を大幅に広げることができるからである。
(c)電解質層
本態様に用いられる電解質層について説明する。本態様に用いられる電解質層は、酸化還元対を含むものである。
本態様における電解質層に用いられる酸化還元対としては、一般的に色素増感型太陽電池の電解質層に用いられているものであれば特に限定はされるものではない。なかでも本態様に用いられる酸化還元対は、ヨウ素およびヨウ化物の組合せ、臭素および臭化物の組合せであることが好ましい。
上記酸化還元対として本態様に用いられるヨウ素およびヨウ化物の組合せとしては、例えば、LiI、NaI、KI、CaI等の金属ヨウ化物と、Iとの組合せを挙げることができる。さらに、上記臭素および臭化物の組合せとしては、例えば、LiBr、NaBr、KBr、CaBr等の金属臭化物と、Brとの組合せを挙げることができる。
本態様における電解質層には、上記酸化還元対以外のその他の化合物として、架橋剤、光重合開始剤、増粘剤、常温融解塩等の添加剤を含有していてもよい。
電解質層は、ゲル状、固体状または液体状のいずれの形態からなる電解質層であってもよい。電解質層をゲル状とした場合には、物理ゲルと化学ゲルのいずれであってもよい。ここで、物理ゲルは物理的な相互作用により室温付近でゲル化しているものであり、化学ゲルは架橋反応等により化学結合でゲルを形成しているものである。また、電解質層を液体状とした場合には、例えば、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、炭酸プロピレン等を溶媒とし、酸化還元対を含んだものや、同じくイミダゾリウム塩をカチオンとするイオン性液体を溶媒とすることができる。さらに、電解質層を固体状とした場合には、酸化還元対を含まずにそれ自身が正孔輸送剤として機能するものであればよく、例えばCuI、ポリピロール、ポリチオフェン等を含む正孔輸送剤であってもよい。
(d)任意の成分
本態様に用いられる光電変換機能層には、上記の他に任意の成分が含まれていてもよい。本態様に用いられる任意の成分としては、例えば、樹脂を挙げることができる。上記光電変換機能層に樹脂が含有されることにより、本態様に用いられる光電変換機能層の脆性を改善することができるからである。
(e)その他
本発明においては、色素増感型太陽電池セルの場合、光電変換機能層では、吸収波長領域が異なる増感色素が担持された金属酸化物半導体微粒子を含む2層以上の半導体層が積層されていてもよい。本態様の色素増感型太陽電池セルに着色層が配置されていない場合には、吸収波長領域が異なる増感色素が担持された金属酸化物半導体微粒子を含む2層以上の半導体層が積層されていることが好ましい。吸収波長領域が異なる増感色素が担持された金属酸化物半導体微粒子を含む半導体層が2層以上形成されている場合には、複数層の吸収波長領域が異なる増感色素が担持された金属酸化物半導体微粒子を含む上記半導体層によって、可視領域の光のほとんどを吸収することができ、採光される光の色調を維持することができるからである。また、上述したような光電変換機能層に入射した光のほとんどが吸収され、広範囲の波長領域の光エネルギーを吸収し、電気エネルギーに変換することが可能なため、発電に寄与し、高い発電効率を達成することもできる。
以下、本態様における光電変換機能層について説明する。
この場合、吸収波長領域が異なる増感色素が担持された金属酸化物半導体微粒子を含む2層以上の半導体層が積層されたものであればよいが、中でも2層〜10層程度、特に2層〜5層程度積層されていることが好ましい。これにより、自然光の色調を維持して採光できる色素増感型太陽電池セルとすることができ、また、より広範囲にわたる波長領域の光エネルギーを利用して発電することが可能である。また、上記範囲内であれば安定して、吸収波長領域が異なる増感色素が担持された金属酸化物半導体微粒子を含む各半導体層を積層することが可能となるからである。
吸収波長領域が異なる増感色素が担持された金属酸化物半導体微粒子を含む各半導体層が有する、それぞれの吸収波長領域における吸収極大波長は、最も近くて50nm以上異なることが好ましい。また、吸収波長領域が異なる増感色素が担持された金属酸化物半導体微粒子を含む各半導体層が有するそれぞれの吸収波長領域における吸収極大波長は、最も離れていて50nm〜500nm程度、特に50nm〜400nm程度異なるものとされていることが好ましい。
例えば、赤色波長領域(600nm〜800nmの範囲内、好ましくは610nm〜720nmの範囲内)に吸収極大波長を有する増感色素が担持された金属酸化物半導体微粒子を含む半導体層、緑色波長領域(500nm〜600nmの範囲内、好ましくは530nm〜560nmの範囲内)に吸収極大波長を有する増感色素が担持された金属酸化物半導体微粒子を含む半導体層、および青色波長領域(400nm〜500nmの範囲内、好ましくは440nm〜480nmの範囲内)に吸収極大波長を有する増感色素が担持された金属酸化物半導体微粒子を含む半導体層が積層されていることが好ましい。これにより、自然光の色調を維持して採光できる色素増感型太陽電池セルとすることができ、また、より広範囲にわたる波長領域の光エネルギーを利用して発電することが可能である。
(3)第2電極層
本態様に用いられる第2電極層は、上記光電変換機能層上に形成され、かつ第1透明基板に対して交差するように配置されるものである。上述したように、上記第2電極層は、透光性を有するものであってもよく、遮光性を有するものであってもよいが、有色の太陽電池セルを用いる本態様においては、遮光性を有するものが好ましい。
また、第2電極層は反射性を有することが好ましい。反射性を有する第2電極層を用いることにより、光電変換機能層を透過した光が第2電極層で反射され、再び光電変換機能層に入射するので、光の利用効率を高めることができる。
以下、本態様における第2電極層について説明する。
第2電極層が遮光性を有する場合、本態様に用いられる上記第2電極層の構成材料は、導電性および遮光性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、反射性を有するものが好ましい。また、第1電極層を仕事関数が高い材料を用いて形成した場合には、第2電極層は仕事関数が低い材料を用いて形成することが好ましい。具体的に仕事関数が低い材料としては、Li、In、Al、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、LiF等を挙げることができる。
また、第2電極層が透光性を有する場合、第2電極層としては、第1電極層と同様とすることができる。
第2電極層は、単層であってもよく、また、異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
第2電極層の膜厚は、単層である場合にはその膜厚が、複数層からなる場合には各層を合わせた総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内、中でも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、第2電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性がある。
第2電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができる。
(4)透明基材
本発明においては、第1電極層が透明基材上に形成されていてもよい。なお、透明基材については、上記第1透明基板および第2透明基板と同様とすることができる。
II.太陽電池
本発明の太陽電池について説明する。
本発明の太陽電池は、平行に配置された第1透明基板および第2透明基板と、上記第1透明基板および上記第2透明基板の間に、上記第1透明基板に対して受光面が交差するように配置された太陽電池セルと、上記太陽電池セルに隣接して配置され、上記第1透明基板側から入射した光の一部を透過して上記第2透明基板側から出射させ、一部を反射して上記太陽電池セルに入射させるビームスプリッターとを有するものである。
本発明においては、太陽電池セルと隣接してビームスプリッターを配置することで、第1透明基板から入射した光が、反射光および透過光に分割される。上記反射光は、上記太陽電池セルへ入射し、発電に寄与する。また、上記透過光は、第2透明基板を透過して放たれる。
従来では、太陽電池セルの受光面が透明基板に対して平行になるように太陽電池セルを配置し、太陽電池セルが配置されていない領域から採光している。このため、高い発電効率を得ようと受光面の面積が大きい太陽電池セルを配置した場合、太陽電池セルの配置により遮光部となる領域が増え、採光性が低下してしまう。このように、高い発電効率を得ようとすると、採光性が低下してしまうといった課題があった。
本発明における太陽電池セルは、第1透明基板に対して太陽電池セルの受光面が交差するように配置されるため、高い発電効率および優れた採光性を有する太陽電池とすることができる。
また、シースルー型の有色の有機系太陽電池セルを用いた場合であって、本発明の太陽電池が複数個接続された場合には、太陽電池セルが第1透明基板に対して受光面が交差するように配置されていることにより、有色の有機系太陽電池セルを透過して着色された光はビームスプリッターへと入射する。場合によっては、上記有機系太陽電池セルを透過して着色された光の一部が、ビームスプリッターで反射して第2透明基板から出射する。また、シースルー型の有色の有機系太陽電池セルが第1透明基板に対して受光面が交差するように配置されているので、有機系太陽電池を透過して着色された光が直接第2透明基板から出射する場合がある。この場合、第2透明基板から出射する光は第1透明基板からの透過光と着色光とが混ざった光となる。第1透明基板からの透過光は、自然光であるため、自然光により近い色調で採光していると視認することができる。
以下、本発明の太陽電池の各部材について説明する。
A.ビームスプリッター
本発明に用いられるビームスプリッターの詳しい説明については「I.太陽電池モジュール A.ビームスプリッター」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
中でも、本発明の太陽電池は、ビームスプリッターとして上述したキューブ型ビームスプリッターを用いることが好ましい。キューブ型ビームスプリッターを、第1透明基板および第2透明基板の間にて、太陽電池セルと隣接して配置した際に、キューブ型ビームスプリッターに含まれる光学薄膜の角度等にズレが生じにくいからである。
B.拡散板
本発明の太陽電池は、上記第2透明基板上に配置され、上記ビームスプリッターを透過した光を拡散する拡散板を有することが好ましい。
これまでに、太陽電池へ拡散板を適用する技術は開示されているが、いずれも太陽電池セルへの光入射側に拡散板を設け、効率的に受光することで高い光電効率を得ようとするものであった。これに対して本発明は、光入射側とは逆の光出射側に拡散板を設けることで、ビームスプリッターを透過して上記拡散板へ入射した光を拡散し、太陽電池の全面で均一な明るさで採光していると視認することが可能となる。
本発明に用いられる拡散板の詳しい説明については、「I.太陽電池モジュール B.拡散板」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
C.着色層
本発明においては、本発明の太陽電池が複数個接続される場合、後述する太陽電池セルの受光面側、または受光面の反対側の面に、光電変換機能層と吸収波長領域が異なる着色層が配置されていることが好ましい。
このような着色層は、有色の有機系太陽電池セルに好適に用いられる。
光電変換機能層と異なる吸収波長領域を有する着色層を用いることにより、光電変換機能層で吸収されない着色光を着色層が吸収し、第2透明基板より着色光が出射されるのを防止することができるからである。
本発明に用いられる着色層の詳しい説明については、上述した「I.太陽電池モジュール C.着色層」の項で記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
D.第1透明基板および第2透明基板
本発明に用いられる第1透明基板および第2透明基板については、「I.太陽電池モジュール D.第1透明基板および第2透明基板」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
E.太陽電池セル
本発明に用いられる太陽電池セルについて説明する。
本発明の太陽電池に用いられる太陽電池セルは、第1透明基板および第2透明基板の間に、第1透明基板に対して受光面が交差するように配置されるものであり、透光性を有する第1電極層と、上記第1電極層上に形成された光電変換機能層と、上記光電変換機能層上に形成された第2電極層とを有するものである。
なお、上記太陽電池セルについては、「I.太陽電池モジュール E.太陽電池セル」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
横30mm、縦300mmのガラス製の透明基板上にスパッタ法により銅層を成膜した後に、フォトリソグラフィー工程およびエッチング工程を経て集電用パターン電極を形成した。
上記の各集電用パターン電極の中央部に横26mm、縦296mmの矩形パターンでスパッタ法によりITO電極層を形成した。
上記ITO電極層と同じ形状でダイコート法により導電性高分子溶液(ポリ−(3,4−エチレンジオキシチオフェン)分散品)を塗工した後に100℃で10分間乾燥させバッファー層を形成した。
ポリチオフェン(P3HT:poly(3−hexylthiophene−2,5−diyl))とC60PCBM([6,6]−phenyl−C61−butyric acid mettric ester:Nano−C社製)をブロモベンゼンに溶解させ、固形分濃度1.4wt%の光電変換機能層用塗工液を調製した。
同溶液を上記バッファー層と同じ形状でダイコート法により塗工した後に100℃で10分間乾燥させて光電変換機能層を形成した。
上記光電変換機能層と同じ形状でカルシウムおよびアルミニウムを真空蒸着法にて形成し有機薄膜太陽電池セルを作製した。
図1に示すように、2枚の透明基板(4a、4b)と任意の冶具(図示なし)を用いて、太陽電池セル10とビームスプリッター5(プレート型)を固定した。
[実施例2]
実施例1と同様にして有機薄膜太陽電池セルを作製した。
図2に示すように、2枚の透明基板(4a、4b)を用いて、太陽電池10とビームスプリッター5(キューブ型)とを固定した。
1 … 第1電極層
2 … 光電変換機能層
3 … 第2電極層
4a … 第1透明基板
4b … 第2透明基板
5 … ビームスプリッター
6 … 光学基板
7 … 光学薄膜
8 … プリズム
9 … 拡散板
10 … 太陽電池セル
11 … 着色層
20 … シースルー型の有機系太陽電池セル
30 … 入射光
40 … 反射光
50 … 透過光
60 … 着色光
100 … 太陽電池モジュール
θ … 入射光と反射光とのなす角度
h … 反射光

Claims (8)

  1. 平行に配置された第1透明基板および第2透明基板と、
    前記第1透明基板および前記第2透明基板の間に、前記第1透明基板に対して受光面が交差するように配置され、前記第1透明基板に対して平行な方向に所定の間隔をあけて配置された複数個の太陽電池セルと、
    隣接する前記太陽電池セルの間にそれぞれ配置され、前記第1透明基板側から入射した光の一部を透過して前記第2透明基板側から出射させ、一部を反射して前記太陽電池セルに入射させるビームスプリッターと
    を有することを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記第1透明基板に対して受光面が垂直になるように前記太陽電池セルが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記第2透明基板上に配置され、前記ビームスプリッターを透過した光を拡散する拡散板を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記太陽電池セルの受光面側、または受光面と反対側の面に、前記太陽電池セルの光電変換機能層と吸収波長領域が異なる着色層が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  5. 平行に配置された第1透明基板および第2透明基板と、
    前記第1透明基板および前記第2透明基板の間に、前記第1透明基板に対して受光面が交差するように配置された太陽電池セルと、
    前記太陽電池セルに隣接して配置され、前記第1透明基板側から入射した光の一部を透過して前記第2透明基板側から出射させ、一部を反射して前記太陽電池セルに入射させるビームスプリッターと
    を有することを特徴とする太陽電池。
  6. 前記第1透明基板に対して受光面が垂直になるように前記太陽電池セルが配置されていることを特徴とする請求項5に記載の太陽電池。
  7. 前記第2透明基板上に配置され、前記ビームスプリッターを透過した光を拡散する拡散板を有することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の太陽電池。
  8. 前記太陽電池セルの受光面側、または受光面と反対側の面に、前記太陽電池セルの光電変換機能層と吸収波長領域が異なる着色層が配置されていることを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれかに記載の太陽電池。
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