JP2012219239A - 従来の固形燃料の外周を廃プラスチックで含浸コーティングする事により、初期火力の安定と、燃焼特性の安定、製造時または保管時の性状の安定が可能となる固形燃料の製造技術 - Google Patents
従来の固形燃料の外周を廃プラスチックで含浸コーティングする事により、初期火力の安定と、燃焼特性の安定、製造時または保管時の性状の安定が可能となる固形燃料の製造技術 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】従来の固形燃料の形状のもろさと、火力燃焼効率の不安定さを解消するため、成形機または造粒機10のダイス30出口孔を覆うように設置する「廃プラスチック溶解槽」40により、固形燃料の外周を金太郎飴の断面ように含浸コーティングする事により、初期火力の安定および燃焼維持と、性状および取扱い時の安定が可能となり、更に、地域から排出される廃棄物を利活用し製造された固形燃料は、また地域の熱源需要者で使用することが可能となる。
【選択図】図1−A
Description
(1)回収した廃プラスチックを高炉において原料成分として用いる方法(高炉原料化)
(2)廃プラスチックをコークス炉において原料成分として用いる方法(コークス炉化学原料化)
(3)廃プラスチックをモノマー状態まで分解して得られたモノマーを用いて、再びプラスチック化する方法(原料、モノマー化)
(4)廃プラスチックから水素、メタノール等のガスを取り出し有効利用する方法(ガス化)
(5)廃プラスチックを油化し、ナフサとして再利用する方法(油化等のケミカルリサイクル)
(6)廃プラスチックを用いて固形燃料を調製する方法、または廃プラスチックをそのまま燃料とする熱利用焼却方法等(サーマルリサイクル)
(7)廃ラスチックを回収して、リサイクル工場において洗浄工程および選別工程を経た後、同一材質のプラスチック毎に再資源化され、再び加工して 再生プラスチック製品として再利用される方法(マテリアルリサイクル)
本発明では、(6)のサーマルリサイクル技術の応用に関する。
1つ目は、家庭から排出される一般廃棄物から製造されるRDF(Refuse Derived Fuel)であり、
2つ目は、業務上により排出される産業廃棄物から製造されるRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)である。
本発明では、従来の固形燃料(RPFまたはRDF)の外周に溶解した廃プラスチックを含浸コーティングする製造方法であり、製造作業工程を簡素化しているにも係わらず、製品の発熱量では、既に石炭・コークス並の6,500〜8,500kcal/kgの熱量設定が原料調整により可能である。
本発明では、従来のRPFの外周に廃プラスチックで含浸コーティングしているため、物理的な曲げ強度にも強く、初期火力や燃焼維持、または製造時・保管時においては性状等が安定しており、その熱エネルギーへの平均発熱量は、6,500〜8,500kcal/kg以上と、RPFの配合ながら、C−RPF(炭化物とプラスチックを固形化したもの)に匹敵する性能を発揮している。
本発明では、特許文献2と同様、従来のRPFの外周に廃プラスチックを含浸コーティングする技術により物理的な強度を高め、かつ、特許文献3では成形体に至るまでにはバージン材を使用せず、含浸コーティングの原材料は使用済み農業用マルチシート等を利活用する等、すべて廃棄物由来による再生資源を活用し、当然ながら残渣の発生はせず、新たな廃棄物は生まない製造方法である。
本発明では、特殊な波長を用いたレーザー溶着法による、高い接合強度で一体化するまでの物理的評価は必要が無く、それであっても物理的な曲げ強度は、特許文献4に類似する超音波溶着法、熱板工法、接着工法、ネジ止め工法等の各種接着コーティング方法に引けを取らない物理的強度を実現している。
本発明では、特許文献5におけるダイスの温度上昇を融点未満の温度に低減させる手段として、含浸コーティングを行う廃プラスチック溶解槽において、その構造素材を遠赤外線ヒーター内臓(IH)セラミック製、または鋼質合金製とする事により、被対象廃棄物が溶解する適切な温度管理を検知・計測するシーケンサーを組み込むことにより、溶解した廃プラスチックの粘度を制御する事ができる。
本発明の固形燃料製造方法は、従来の成形機や造粒機のダイス部分以降に、追加機能として取り付ける事が可能な、遠赤外線ヒーター内臓の廃プラスチック溶解装置および冷却放射機能を備える事を特徴とする。
(1)紙屑類
古紙、新聞紙・雑誌類、紙管、乾燥したペーパースラッジ、その他容器包装リサイクル法における分別基準適応物
(2)廃プラスチック類
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンレテフタレート、ポリカーボネート、アクリルブタジエンスチレン、ポリウレタン 、発泡スチロール、発泡ポリプロピレン、ポリスチレンペーパー、FRP樹脂、フェノール樹脂、可塑性樹脂、生分解性プラスチック樹脂、混合 合成樹脂、その他容器包装リサイクル法における分別基準適応物
但し、ポリ塩化ビニール(PVC)、不飽和ポリエステル(FRP)樹脂、フェノール樹脂は原則として使用しない。
建設廃材に伴う木片、ベニア・合板・化粧版、集成材・ボード類、おが屑・おが粉、雑草・枝木、い草・稲穂、他
(4)繊維屑類
ナイロン布、アクリル布、ビニロン布、ポリエステル布、木綿、羊毛、他
(5)ゴム屑類
タイヤ、合成ゴム、他
(6)その他
廃油、皮革類、雑芥一般廃棄物、焼成炭化物、塩素・特定有害物質が溶出しない廃棄物、他
他にも、従来の農業用マルチシートはポリ塩化ビニールを採用されていたが、近年では生分解性プラスチック樹脂製のものや、ポリエチレン製(PE)、ポリプロピレン製(PP)、ポリスチレン製(PS)等の原料から製造されているものがあるため、ポリ塩化ビニール製以外の使用済み農業用マルチシートの有効利活用方法として再資源化が可能である事を特徴とする。
技術的な効果としては、
廃棄物の減容化、臭気の抑制
製造工程で、水分除去・圧縮・成形が行われるため、容量が大幅に削減され、運搬・保管等が容易になる。更に、もとの廃棄物と比較して腐敗性が少なくなるため、臭気が抑えられる。
製造工程において含水量の高い廃棄物は乾燥により水分を減少させるため、焼却時の熱効率が高くなる。このため、廃棄物をそのまま焼却し熱回収するよりも、効率的な熱エネルギーの回収が可能となる。
ボイラー等のスペックまたは、必要火力に応じ、古紙や木屑、廃プラスチック類の配合比率を変えるだけで容易に熱量変更が可能となる。
高温による完全燃焼を行いやすいため、適正な設備で燃焼管理を行えば、ダイオキシン類の排出抑制対策にも資すると考えられ、かつ、地球温暖化防止に繋がる温室効果ガスを抑制する。
本発明により追加装置として改良される場合が多いため、成形機または造粒機は、設備の初期投資額を抑えられ、長期間にわたりメンテナンスも軽減し、かつ、熱効率の優れた固形燃料として販売が可能なため、如いてはランニングコストも抑えられる。
新しく製造する固形燃料は、可能な限り廃棄物を再利用することで、現在の廃棄物最終処分場での埋立率の削減を図ると共に、本発明の取組みにより、地域社会の循環型社会の形成に貢献することが出来る。
「実施例1」
実施例1では、本発明により固形燃料を製造する成形機または造粒機本体および、本発明による追加設備並びに、廃棄物の投入から製品の出来上がるまでの製品製造事例について説明する。
実施例2では、従来の成形機のダイス出口孔を正面から示した図であるが、その機能事例について説明する。
実施例3では、本発明による遠赤外線ヒーター内臓の廃プラスチック溶解槽について説明する。
加えて、図3は、図2において複数孔のダイス出口孔のある場合、その全体の出口孔を覆うような構造を想定しているが、例えばダイスの出口孔が1箇所のみの場合には、当然含浸コーティングする量が少なくなるため、廃プラスチックの溶解槽は、いわゆる通常の成形機または造粒機ダイスから固形燃料が出てくる出口孔の大きさに相当したソケット程度の大きさとなり、含浸コーティングが可能な隙間があれば良い事となる。この金太郎飴のように含浸コーティングされた形状が、より固形燃料の強度と性能を安定向上させると共に、製造時または保管時においては残渣の発生を抑えて安定した性状を確保する事となる。
実施例4では、本発明により生産された固形燃料が出てくる正面から見た様子について説明する。
実施例5では、本発明による遠赤外線ヒーター内臓の廃プラスチック溶解槽の部分詳細について、より詳しく説明する。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限らず、この他にも種々の形態で実施することが出来る。
例えば、食品分野での利用の場合では、例えばあんこを包む餅(ゼリー)等の製造装置に応用できる。
更に、陶磁器製品の製造過程での釉薬の塗り付け等にも応用が可能である。
日本国内の今後の需要量については、以下のとおりと予測される。
しかし、昨今の原油の高騰や、石炭排出の抑制等を考慮すると、太陽光発電、風力発電等に並び、循環型社会環境の整備が進むにつれて、本発明の固形燃料需要は拡大の一途にあり、その技術提供が可能な利用範囲は急速な利用普及が見込まれる製品である。
11・・・廃棄物投入口
12・・・被対象廃棄物
20・・・スクリュー
30・・・ダイス
40・・・遠赤外線ヒーター内臓、廃プラスチック溶解槽
41・・・含浸コーティング用ペレット投入口
42・・・可熱センサー機能付き遠赤外線ヒーター
43・・・溶解槽RPFガイド
44・・・ドレインコック
50・・・冷却放射板付き冷却装置
51・・・第二ダイス
60・・・ナイフカッター
70・・・本発明により生産された製品
80・・・ベルトコンベアー
90・・・製品ストックヤード
Claims (12)
- 本発明の固形燃料製造方法は、従来の固形燃料の外周に廃プラスチックを含浸コーティングする機能を備えているため、
量産製品は、従来の形状および質量には変わりはないが、製品の初期燃焼カロリーが安定しており、燃焼維持特性にも優れ、かつ、物理的強度に優れている
ことを特徴とする固形燃料の製造方法。 - 本発明の固形燃料製造方法は、従来の固形燃料の外周に廃プラスチックを含浸コーティングする機能を備えているため、
量産製品は、製品の製造時または保管時の管理環境中に含水する事も抑えられ性状が安定しており、製品残渣が発生しない方式である
ことを特徴とする固形燃料の製造方法。 - 請求項1または請求項2の固形燃料の原材料には、
(1)紙屑類
古紙、新聞紙・雑誌類、紙管、乾燥したペーパースラッジ、その他容器包装リサイクル法における分別基準適応物
(2)廃プラスチック類
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンレテフタレート、ポリカーボネート、アクリルブタジエンスチレン、ポリウレタン 、発泡スチロール、発泡ポリプロピレン、ポリスチレンペーパー、FRP樹脂、フェノール樹脂、可塑性樹脂、生分解性プラスチック樹脂、混合 合成樹脂、その他容器包装リサイクル法における分別基準適応物
但し、ポリ塩化ビニール(PVC)、不飽和ポリエステル(FRP)樹脂、フェノール樹脂は原則として使用しない。
(3)木屑類
建設廃材に伴う木片、ベニア・合板・化粧版、集成材・ボード類、おが屑・おが粉、雑草・枝木、い草・稲穂、他
(4)繊維屑類
ナイロン布、アクリル布、ビニロン布、ポリエステル布、木綿、羊毛、他
(5)ゴム屑類
タイヤ、合成ゴム、他
(6)その他
廃油、皮革類、雑芥一般廃棄物、焼成炭化物、塩素・特定有害物質が溶出しない廃棄物、他
を含むことを特徴とする固形燃料の製造方法。 - 請求項1または請求項2の固形燃料を製造するための原材料の配合には、
ボイラー等の使用状況、スペック、必要火力、耐用時間等に応じて配合比率を変える場合があるが、固形燃料の外周(表面)に含浸コーティングされた廃プラスチックの火力見込み性能には変わりがないため、中心部の原材料となる古紙や複合紙屑、または包装容器類の種別が変わっても、初期火力には影響を及ぼさない構造になる
ことを特徴とする固形燃料の製造方法。 - 更に、請求項1または請求項2の固形燃料を製造するための、含浸コーティング用の廃プラスチックには、
例えば地域の農家等で通年発生する、使用済み農業用マルチシートやビニールハウス用シート等の廃材の再資源化および、利活用方法として特に有効である
ことを特徴とする固形燃料の製造方法。 - 本発明の固形燃料製造方法において、従来の固形燃料の外周に廃プラスチックを含浸コーティングする機能を備えるため、
従来の成形機または造粒機のダイス出口孔を包み込むようにして、廃プラスチックを外周に流し込みながら、固形燃料の外周に廃プラスチックを含浸コーティングさせる機構を備えた溶解槽である
ことを特徴とする固形燃料の製造方法。 - 本発明の固形燃料製造方法において、従来の固形燃料の外周に廃プラスチックを含浸コーティングする機能を備えた溶解槽は、
水平方向または垂直方向に駆動する成形機または造粒機のダイスに応用が可能であり、より詳しくはフラットダイス方式または、スクリュー方式のダイスに対応して装着が可能である
ことを特徴とする固形燃料の製造方法。 - 本発明の固形燃料製造方法において、従来の固形燃料の外周に廃プラスチックを含浸コーティングする機能を備えた溶解槽は、
従来の成形機または造粒機のダイスの出口孔が1箇所であっても、複数箇所であっても対応する事が可能な
ことを特徴とする固形燃料の製造方法。 - 本発明の固形燃料製造方法において、従来の固形燃料の外周に廃プラスチックを含浸コーティングする機能を備えた溶解槽は、
遠赤外線ヒーターを内蔵しており、外周コーティング用の廃プラスチック投入口から溶解槽全体を覆うようにヒーターおよび温度感知・制御センサーが、サーモスタットまたはシーケンサーで仕込まれており、これにより固形燃料の外周を含浸コーティングする際に、適切な温度管理と流動状況の把握が可能である
ことを特徴とする固形燃料の製造方法。 - 本発明の固形燃料製造方法において、従来の固形燃料の外周に廃プラスチックを含浸コーティングする機能を備えた溶解槽を構成する装置の素材は、
遠赤外線ヒーターを内蔵しており、セラミックス製、または鋼質合金製である
ことを特徴とする固形燃料の製造方法。 - 本発明の固形燃料製造方法において、従来の固形燃料の外周に廃プラスチックを含浸コーティングする機能を備えた溶解槽は、
従来の成形機または造粒機のダイスから出てくる加工途中の固形燃料の変形を防止するため、溶解槽内にはガイドが設置され、また、廃プラスチック洗浄時用のために、溶解槽の下部にドレインコックを備えている
ことを特徴とする固形燃料の製造方法。 - 本発明の固形燃料製造方法においての、製品の冷却方法では、
廃プラスチック溶解槽から通過した固形燃料が、冷却放射板付きの冷却装置を通過し、その出口孔ではナイフカッターで切断される構造であり、この冷却装置は特に水冷装置や触媒等は組み込まれてはおらず、環境内の気温により自然な放射冷却(空気冷却)により整粒する
ことを特徴とする固形燃料の製造方法。
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