JP2012218721A - 雪上自転車 - Google Patents

Abstract

【課題】比較的平坦な積雪路面や凍結路面などの滑り易い積雪路面、又は地面が露出している積雪路面や凹凸のある積雪路面などの積雪悪路面でも安定した状態で円滑に走行できる雪上自転車を提供する。
【解決手段】車体と、車体後部に設けられたベダル踏力によるチェーン駆動によって回転する前後駆動ホイールと、前後駆動ホイールに装着された突条付エンドレスベルトと、車体前部に設けられた前後受動ホイールと、前後受動ホイールに装着された突条なしエンドレスベルトと、突条なしエンドレスベルトが装着された前後受動ホイールに突き出して設けられた雪除けを備えた。
【選択図】図１

Description

本発明は、積雪路面や凍結路面などの雪上（氷上でもよい）を走行する雪上自転車に関するものである。

雪上を走行する雪上自転車として、特開２００６−１６０２２１号公報に開示されたものがある。それには、図４に示すような車体３０の後前に無限軌道帯（エンドレスベルト）３１，３２を装着した雪上自転車が提案されている。
この雪上自転車は、車体３０後部と前部に後車輪３３と補助車輪３４がそれぞれ設けられ、各部の後車輪３３と補助車輪３４間に無限軌道帯（エンドレスベルト）３１，３２が装着されている。車体３０の後部の無限軌道帯３１は、軌道帯下面全体が接地面となって回転駆動し、前部の無限軌道帯３２は、前方が高く傾斜しており、比較的固い積雪路面では後端のみが接地し、比較的柔らかい積雪路面ではほぼ全体が接地して前後の無限軌道帯３１，３２が回転して走行するようになっている。

従って、比較的固い積雪路面では、前後の無限軌道帯３１，３２が円滑に回転してほぼ快適に進行する。しかし、比較的柔らかな積雪路面では、傾斜している前方部の無限軌道帯３２が柔らかな積雪を踏み固めながら進行することになり、走行スピードを高めることが難しい。
また、凍結面などがある滑り易い積雪路面，凹凸のある積雪路面や所々地面が露出している積雪悪路面などでは、前方部の無限軌道帯３２が後部のみしか接地できないため、接地面が少なく密着性（積雪路面への食い込み性）が不十分となり、車体がふらつき易く走行上の安定性に欠ける。
それに、段差が大きい所では、傾斜している前方部の無限軌道帯３２が乗り上げてしまうことがあり、転倒の恐れがある。

特開２００６−１６０２２１号公報

本発明は、車体後部に駆動力を得る突条付エンドレスベルトを装着した前後駆動ホイールを設け、車体前部に積雪路面の状況に応じて滑走又は回転して前進する突条なしエンドレスベルトを装着した前後受動ホイールを設け、また突条なしエンドレスベルトを装着した前後受動ホイールの前方に雪除けを突き出して設けた雪上自転車である。

本発明は、上述した事柄に鑑みてなされたもので、比較的柔らかな積雪路面で走行スピードが高められ、凍結面，凹凸や地面露出積雪悪路面でも走行上の安全性が図れ、また段差の大きい所での乗り上げが少ない雪上自転車を提供することを目的とするものである。

本発明の雪上自転車は、車体と、ペダル踏力によるチェーン駆動によって車体後部に設けられた回転駆動する前後駆動ホイールと、前後駆動ホイールに装着された回転駆動する突条付エンドレスベルトと、車体前部に設けられた前後受動ホイールと、前後受動ホイールに装着された回転又は滑走する突条なしエンドレスベルトと、突条なしエンドレスベルトが装着された前後受動ホイールに突き出して設けられた雪除けとを備えたことを特徴とするものである。

比較的柔らかな積雪路面では、車体前方の雪除けにより前方の雪を排除しながら、車体後部の突条付エンドレスベルトの回転駆動力により車体前部の突条なしエンドレスベルトが滑走して走行し、走行スピードが高められる。
一方、凍結面，凹凸面や地面露出面などがある積雪悪路面では、車体前方の雪除けにより前方の雪を排除しながら、車体後部の突条付エンドレスベルトの回転駆動力により車体前部の突条なしエンドレスベルトが円滑に回転してほぼ快適に進行する。また、突条なしエンドレスベルトは、凍結面，凹凸や地面露出がある積雪悪路面で、接地面が広いことから、路面との密着性（積雪路面への食い込み性）が十分となり、車体のふらつきが少なく、走行上の安定性が図れる。
そして、段差の大きい所があっても、雪除けにより前方の雪を排除し、また突条なしエンドレスベルトの平坦な進行によって段差が大きい所での乗り上げが避けられ、また、乗り上げによる転倒の恐れも少ない。
車体後部に突条付エンドレスベルトを装着された前後駆動ホイールを２個並列に設け、車体前部に突条なしエンドレスベルトが装着された前後受動ホイールを１又は２個並列に設けることによって、車体が３箇所又は４箇所で支持されて全体が安定し、安定走行となる。
引張りばね又はショックアブソーバが備えられた揺動ステーによって、突条なしエンドレスベルトが装着された前後受動ホイールが前後に柔軟に揺動して積雪悪路面でもたやすく進行して安定した走行となる。また、車体に電動補助器を備えることによって、十分な踏力が得られない場合であっても、ペダル踏力が補助されて円滑に走行できる。

図１は、本発明の雪上自転車の一形態の横から見た図である。 図２は、その雪上自転車の平面図である。 図３は、本発明の雪上自転車の他の形態の平面図である。 図４は、特開２００６−１６０２２１号公報に開示された形態の雪上自転車の横から見た図である。

本発明の雪上自転車は、車体と、車体後部に設けられたペダル踏力によるチェーン駆動によって回転する前後駆動ホイールと、前後駆動ホイールに装着された突条付エンドレスベルトと、車体前部に設けられた前後受動ホイールと、前後受動ホイール装着された突条なしエンドレスベルトと、突条なしエンドレスベルトが装着された前後受動ホイールに突き出されて設けられた雪除けとを備えたことを特徴とする。

以下、本発明の雪上自転車の一実施の形態を、図１及び図２に基づいて説明する。
本発明の雪上自転車は、車体１と、車体１後部に設けられたペダル踏力によるチェーン駆動によって回転する前後駆動ホイール２ａ，２ｂと、前後駆動ホイール２ａ，２ｂに装着された突条３ａ付エンドレスベルト３と、車体１前部に設けられた前後受動ホイール４ａ，４ｂと、前後受動ホイール４ａ，４ｂに装着された突条なしエンドレスベルト５と、突条なしエンドレスベルト５が装着された前後受動ホイール４ａ，４ｂに突き出して設けられた雪除け６とを具備している。

車体１は金属パイプ等からなるフレームで、前部上方には進行方向をコントロールするハンドル７が設けられ、後部上方には利用者が腰掛けるサドル８が設けられ、また中央部下方にはチェーンホイール９が設けられている。
車体１の後部に設けられた前後駆動ホイール２ａ，２ｂは、その回転軸１０間がチェーンステー１１で連結され、前後駆動ホイール２ａ，２ｂには、突条３ａ付エンドレスベルト３が装着され、前後駆動ホイール２ａ，２ｂの回転に伴って回転される。
突条３ａ付エンドレスベルト３が装着された前後駆動ホイール２ａ，２ｂは、所定間隔を隔てて並列に２個設けられている。左右の前後駆動ホイール２ａ，２ｂは、前後の共通の回転軸１０が車体１の後部支柱１２に結合されて後部支柱１２に支持されている。チェーンホイール９と前駆動ホイール２ａのチェーンホイール１０ａの間はチェーン１４で連結され、また前駆動ホイール２ａのチェーンホイール１０ａと後駆動ホイール２ｂのチェーンホイール１０ｂの間はチェーン１５で連結されている。チェーンホイール９にはクランクを介してペダル１３が取付けられ、ペダル１３の踏力がチェーン１４，１５を介して左右の前後ホイール２ａ，２ｂに伝達される。また、左右の前後駆動ホイール２ａ，２ｂの駆動力によって、前後駆動ホイール２ａ，２ｂに装着された各突条３ａ付エンドレスベルト３が回転駆動される。

一方、車体１の前部に設けられた前後受動ホイール４ａ，４ｂは、その回転軸１０間が揺動ステー１６で連結され、前後受動ホイール４ａ，４ｂには突条なしエンドレスベルト５が装着され、前後受動ホイール４ａ，４ｂの回転に伴って回転される。突条なしエンドレスベルト５が装着された前後受動ホイール４ａ，４ｂは所定間隔を隔てて並列に２個設けられている。左右の前後受動ホイール４ａ，４ｂは、左右の揺動ステー１６の中心部を軸支している揺動軸１６ａと車体１の前部支柱１７の下方部１７ａが結合されて前部支柱１７に支持されている。
また、突条なしエンドレスベルト５が装着された前後受動ホイール４ａ，４ｂには、前後受動ホイール４ａ，４ｂの前後の回転軸１０と前部支柱１７の下方部１７ａ間にそれぞれ引張りばね又はショックアブソーバ１８，１８が取付けられて、走行時路面状況に応じて前後方向に柔軟に揺動する。そして、突条なしエンドレスベルト５が装着された左右の前後受動ホイール４ａ，４ｂは、前後に揺動しながら前進し、路面状況、すなわち滑り易い積雪路面や凍結路面では突条なしエンドレスベルト５が回転することなく路面上を滑走し、地面の一部が露出している積雪路面やごつごつした凹凸する積雪悪路面などの滑り難い積雪路面では突条なしエンドレスベルト５が回転しショックを和らげながら進行する。
前受動ホイール４ａの回転軸１０には、突条なしエンドレスベルト５が装着された前後受動ホイール４ａ，４ｂの前方に突き出して曲面の雪除け６が取付けられて、前方に存在する雪が排除され、円滑に走行するように図られている。また、この例では、ペダル１３の踏力を補助するためにサドル８の下方の車体１の位置に電動補助器１９が備えられ、軽い踏力で走行できる。

雪上自転車のサドル８に腰掛けてペダル１３を踏動すると、踏力によってチェーン１４及び１５を介して車体１後部の前後駆動ホイール２ａ，２ｂ及び前後駆動ホイール２ａ、２ｂに装着された突条３ａ付エンドレスベルト３が回転駆動し、動力が突条なしエンドレスベルト５が装着された前後受動ホイール４ａ，４ｂに伝達されて可動する。そして比較的平坦な滑り易い積雪路面や凍結素面では、車体１前後の前後受動ホイール４ａ，４ｂに装着された突条なしエンドレスベルト５が回転することなく路面上を滑走し前進走行する。
一方、地面の一部が露出する積雪路面やごつごつした凹凸のある積雪路面などの悪路面では、前後受動ホイール４ａ，４ｂに装着された突条なしエンドレスベルト５は、路面との間の路面抵抗により前後受動ホイール４ａ，４ｂに装着された突条なしエンドレスベルト５が回転して路面上を進み、円滑に前進走行する。

坂道や路面抵抗が大きな所などでは、大きな踏力を必要とするので、サドル８の下方の車体１の位置に備えられたベダル踏力を補助する電動補助器１９によって、軽い踏力でも走行できる。しかし、この電動補助器１９は、ペダル踏力の補助を必要とする人のために備えたものであり、必ずしも必要とするものではない。

図３は、本発明の雪上自転車の他の実施の形態を示すものである。
この雪上自転車は、突条なしエンドレスベルトが装着された前後受動ホイールが車体前部に１つ設けられた実施の形態を示すものである。他の部分は上記実施の形態の雪上自転車と略同様である。異なる車体前部の部分について説明し、同様な他の部分については同符号を付して詳しい説明は省略する。
車体１前部には、図示しない前後受動ホイールが設けられて前後受動ホイールには突条なしエンドレスベルト２０が装着される。この突条なしエンドレスベルト２０は、幅が広くなったベルトからなり、突条なしエンドレスベルト２０が装着されている前後受動ホイールの幅もそれに伴って広くなっている。前後受動ホイール間は、勿論揺動ステー１６で連結されている。揺動ステー１６は、車体１の前部支柱の下方部１７ａで揺動可能に支持され、揺動ステー１６の両端と前部支柱下端は図示しない引張りばね又はショックアブソーバが取付けられている。そして、突条なしエンドレスベルト２０が装着された前後受動ホイールは、走行時路面状況に応じて前後方向に柔軟に揺動してショックが和らげられるように図られている。また、突条なしエンドレスベルト２０が装着された前後受動ホイールの前方には、雪除け２１が突き出して取付けられて、走行時突条なしエンドレスベルト２０の前方に存在する雪を排除して円滑に進行できるよう考慮されている。

本発明の雪上自転車は、動力に使用して雪上を走行するスノーボートにも応用することができる。

１ 車体
２ａ 前駆動ホイール
２ｂ 後駆動ホイール
３ 突条付エンドレスベルト
３ａ 突条
４ａ 前受動ホイール
４ｂ 後受動ホイール
５ 突条なしエンドレスベルト
６ 雪除け
９ チェーンホイール
１０ 回転軸
１０ａ チェーンホイール
１１ チェーンステー
１２ 後部支柱
１３ ペダル
１４，１５ チェーン
１６ 揺動ステー
１６ａ 揺動軸
１７ 前部支柱
１７ａ 下方部
１８ 引張りばね又はショックアブソーバ
１９ 電動補助器

Claims (4)

1. 車体と、
   ペダル踏力によるチェーン駆動によって回転駆動する車体後部に設けられた前後駆動ホイールと、
   前後駆動ホイールに装着された回転駆動する突条付エンドレスベルトと、
   車体前部に設けられた前後受動ホイールと、
   前後受動ホイールに装着された回転又は滑走する突条なしエンドレスベルトと、
   突条なしエンドレスベルトが装着された前後受動ホイールに突き出して設けられた雪除けと、
   を備えたことを特徴とする雪上自転車。
2. 突条付エンドレスベルトが装着された前後駆動ホイールは車体後部に２つ並列に設けられ、突条なしエンドレスベルトが装着された前後受動ホイールは車体前部に１つ又は２つ並列に設けられている請求項１記載の雪上自転車。
3. 突条なしエンドレスベルトが装着された前後受動ホイールは、前後受動ホイールの回転軸間が揺動ステーで連結され、揺動ステーが車体の前部支柱の下方部に支持され、前後受動ホイールの回転軸と前部支柱の下方部間がそれぞれ引張りばね又はショックアブソーバで連結されて揺動可能になっている請求項１又は２記載の雪上自転車。
4. 車体には、ベダル踏力を補動する電動補助器が備えられている請求項１記載の雪上自転車。

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