JP2012218176A - 樹脂被覆金属体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】配向結晶性の異なる部分を有する樹脂被覆金属体を簡単に製造可能な樹脂被覆金属体の製造方法を提供する。
【解決手段】配向結晶性を有する樹脂フィルムが少なくとも一面に積層された金属体における前記樹脂フィルムの所定の領域に、前記樹脂フィルムの吸光係数が20以下となる波長であってエネルギー密度が10〜100mJ/mm2のレーザ光を照射することを特徴とする樹脂被覆金属体の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、樹脂フィルムが積層された樹脂被覆金属体の製造方法に関する。
炭酸飲料、ジュース、コーヒー等の飲料缶、あるいはゼリー等の固形食品などが詰められた食品缶詰には、絞り成形缶、薄肉化再絞り成形缶、薄肉化再絞り−しごき成形缶等のシームレス缶などの金属缶が使用される。また、近年では、これらの金属缶及び缶蓋に用いられる金属素材として、樹脂フィルムを予め積層した樹脂フィルムラミネート金属板が使用されている。
この樹脂フィルムラミネート金属板に用いられる樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート系のポリエステル樹脂、ポリプロピレン系オレフィン樹脂等が挙げられる。そして、この樹脂フィルムの厚みは、内容物の腐食性や加工による耐傷つき性、経済性により選定され、12〜25μm程度のものが多い。
特に、樹脂フィルムとしてポリエチレンテレフタレート系のポリエステル樹脂を用いる場合には、延伸フィルムにして使用されることが多い。この延伸フィルムを製造する方法としては、厚いシート状の樹脂を樹脂のガラス転移温度以上で延伸し、薄いフィルムに引き延ばして製造する方法が、均一な膜厚のフィルムを経済的に製造する方法として確立されている。
このように延伸して製造された樹脂フィルム(樹脂皮膜)は配向結晶構造を有する。配向結晶構造を含む樹脂皮膜は、非晶質構造と比べてその密度が高く、水分や各種イオンの透過性を抑えることができる。また、配向結晶構造の樹脂皮膜は耐衝撃性にも優れており、缶体に外部応力による凹みが生じても皮膜としての健全性を保つことができる。
樹脂は、延伸されると配向結晶化し、延伸の程度とともに配向度が高くなり、さらに延伸すると破断に至る。また、配向度の高い樹脂皮膜は、配向度の低い樹脂皮膜に比べて、小さな伸びで破断に至る。したがって、非晶質構造の樹脂皮膜は、配向結晶構造の樹脂皮膜よりも高い伸びを有することになる。樹脂皮膜が積層された金属板を絞り成型或いはしごき成型した場合にも、加工される部分では積層された樹脂皮膜は延伸と同様に配向結晶化が進行し、加工程度が大きい場合には破断が生じる。
また、配向結晶構造の樹脂皮膜を用いると、加工伸び性だけでなく、蓋を缶本体に巻き締める場合に毛羽立つという問題もあり、巻き締めツールと接触する缶蓋外面側の樹脂皮膜にこの毛羽立ちが発生する。特に缶蓋外面側の樹脂皮膜は、回転する巻き締めツールと缶蓋金属母材との間でスクイズされるような加工を受ける。配向結晶構造の場合、延伸方向での強度は向上するが、延伸と直角方向である厚み方向では逆に強度が低下し、劈開と似たような現象を起こし、毛羽立ちを起こすものと推定される。
配向結晶構造の樹脂皮膜は、缶体が成型された後の内容物が貯蔵される段階では望ましい皮膜構造であるが、上述したように加工伸び性に限界があることや巻き締め加工時に毛羽立つといった問題がある。このため、絞り成型、しごき成型或いは巻き締め成型を受ける部分の樹脂皮膜は、加工前の段階では加工性、加工密着性の点から配向性の低い結晶構造あるいは非晶質構造である方が望ましい。従って、絞り成型、しごき成型或いは巻き締め成型加工を受ける部分のみが配向性の低い結晶構造あるいは非晶質構造であって、それ以外の部分は比較的配向度の高い結晶構造の樹脂皮膜を有する金属素材が求められる。
そこで、このような状況を踏まえて、例えば特許文献1には、ラミネートする時のロールに温度分布を持たせて、缶底部分と缶壁部分とで配向結晶状態に変化を持たせるラミネート板の製造方法が提案されている。
特開平7−195651号公報
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法は、缶のサイズによって製造設備を停止し、ロールを交換する必要があり、多くの手間がかかってしまうという問題がある。
本発明は前述の問題点に鑑み、配向結晶性の異なる部分を有する樹脂被覆金属体を簡単に製造可能な樹脂被覆金属体の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の樹脂被覆金属体の製造方法は、以下のとおりである。
(1)配向結晶性を有する樹脂フィルムが少なくとも一面に積層された金属体における前記樹脂フィルムの所定の領域に、前記樹脂フィルムの吸光係数が20以下となる波長であってエネルギー密度が10〜100mJ/mm2のレーザ光を照射することを特徴とする樹脂被覆金属体の製造方法。
(2)配向結晶性を有する樹脂フィルムが少なくとも一面に積層された金属体における前記樹脂フィルムの所定の領域に、前記樹脂フィルムの吸光係数が20以下となる波長であってエネルギー密度が10〜100mJ/mm2の第1のレーザ光を照射するとともに、前記樹脂フィルムの吸光係数が45以上となる波長であってエネルギー密度が1〜20mJ/mm2の第2のレーザ光を照射することを特徴とする樹脂被覆金属体の製造方法。
本発明によれば、加工の前段階、あるいは加工途中段階において金属体のサイズに適合させて、配向結晶性樹脂フィルム皮膜の所定の部分の配向度を容易に変化させることができる。
PETフィルムの赤外光透過特性を示す図である。 本発明の実施例において、樹脂被覆金属板へレーザ光を照射するイメージを示す図である。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明者は、瞬間的に高エネルギー密度のレーザ光を発生させ、その高エネルギー密度のレーザ光を極短時間だけ樹脂皮膜一部分のみに照射して加熱し、その照射部分の配向結晶の一部あるいは全部を融解することによって、その照射部分の樹脂皮膜の配向結晶性を容易に低減することを見いだした。
レーザ光を用いて熱処理するに当たって重要な点は、レーザ光のエネルギー密度及び波長である。レーザ光は高エネルギー密度であることが利点であるが、樹脂皮膜に与えるエネルギーが大き過ぎると、樹脂が分解して蒸発してしまう。一方、樹脂皮膜に与えるエネルギーが小さ過ぎると、本来の目的である配向結晶を融解させる或いは配向結晶性を下げることができなくなってしまう。
また、樹脂は、レーザ光の波長によってエネルギーを吸収する程度が異なる。即ち、レーザ光のエネルギー密度が大きくても、樹脂が吸収しにくい波長であれば、樹脂が分解しにくいため蒸発を起こしにくい。一方、レーザ光のエネルギー密度が小さくても、樹脂が吸収しやすい波長であれば、樹脂が分解しやすく蒸発を起こしやすい。また、樹脂によって吸収する波長特性が異なることから、本発明では、照射するレーザ光の波長範囲を以下の式(1)に示す吸光係数αの範囲で表現する。
−log(I/I0)=0.434αL ・・・式(1)
ここで、Iは入射光の強度、I0は透過光の強度、Lは樹脂フィルムの厚み(mm)である。
また、本発明におけるレーザ光のエネルギー密度Ue(J/mm2)は、以下の式(2)より求められる。
Ue=P・t/S・・・式(2)
ここで、P(W)はレーザの平均パワー、S(mm2)は集光ビーム面積、t(ms)は照射時間である。
本発明では、1つの波長のレーザ光を用いるが、そのレーザ光は樹脂の吸光係数αが20以下となる波長のものを用い、エネルギー密度が10〜100mJ/mm2のレーザ光を照射する必要がある。なお、エネルギー密度が100mJ/mm2を超えると、エネルギーが過剰となり、樹脂皮膜の温度が高くなり過ぎ、樹脂が変質する可能性がある。また、エネルギー密度が10mJ/mm2未満では、エネルギーが小さ過ぎて、樹脂皮膜の結晶を融解させるあるいは配向度を低下させるのに不十分である。一方、吸光係数が20を超えると、レーザ光が樹脂皮膜の表面で多く吸収され、樹脂が分解して蒸発を起こしてしまう。
また、本発明の他の態様としては、波長が異なる2種類のレーザ光を用い、エネルギー密度の高いレーザ光として、前述したように樹脂の吸光係数αが20以下の波長で、エネルギー密度が10〜100mJ/mm2のレーザ光を照射する。さらに、もう一方のレーザ光として、樹脂の吸光係数αが45以上となる波長で、エネルギー密度が1〜20mJ/mm2のレーザ光を照射する。
樹脂の吸光係数が20以下の波長のレーザ光を照射すると、樹脂皮膜による吸収が小さいため、金属板においてレーザ光の一部が反射し、樹脂皮膜を再度透過する。この場合、樹脂皮膜自体は、レーザ光を吸収することによって直接発熱する割合は比較的小さく、レーザ光を吸収した金属板からの伝熱によって加熱される。そのため、樹脂皮膜の金属板に接している側は加熱されるものの、金属板に接していない最表面側は加熱が不十分となる場合がある。そこで、最表面の樹脂を加熱するために、吸光係数が45以上となる波長でエネルギー密度が1〜20mJ/mm2のレーザ光をさらに照射する。
なお、レーザ光の吸光係数が45未満だと、樹脂皮膜の表面ではエネルギーの吸収が小さく、最表面側を加熱することができない。一方、エネルギー密度が1mJ/mm2未満では、エネルギーが小さ過ぎて、照射の効果が表れない。また、エネルギー密度が20mJ/mm2を超えると、エネルギーが大きくなり過ぎるため、樹脂の表面が高温になり、レーザ照射方向に金属プラズマが噴出するレーザアブレージョンという現象が起こる。その結果、樹脂が分解し、蒸発を起こす可能性が大きくなる。
なお、本発明におけるレーザ光のエネルギー密度Ue(mJ/mm2)は、以下の式(3)により定義される。
Ue=(4/π)・P/(d・V)・N(mJ/mm2)・・・式(3)
ここで、P(W)はレーザの平均パワー、d(mm)はビーム照射位置の相対移動方向のビーム長さ、V(mm/s)はレーザ光の走査速度、Nは照射回数である。
また、レーザ光としては、樹脂皮膜の吸収帯が存在する赤外域の波長を有するものが使用可能である。代表的なものとしてはCO2レーザが挙げられる。CO2レーザは波長9〜11μm(波数900〜1090cm-1)にわたり、100本以上の発振線を有しており、回折格子等の波長選択素子を用いることによって発振波長を選ぶことが可能である。図1に、CO2レーザの発振線の模式図を併せて示す。ここで隣り合う発振線の間隔は1〜2cm-1程度であるため、樹脂への吸収の大きな波長に合わせて微妙に波数の異なる波長を選択することが可能である。
本発明の製造方法に用いられる金属体の基板は、樹脂フィルム(樹脂皮膜)との密着性が確保されるものであれば、金属板でもその成型体でもよい。金属板としては、容器用金属板として従来から幅広く適用されている、錫メッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、錫ニッケルメッキ鋼板及びその化成処理鋼板、電解クロム酸処理鋼板などの鋼板、さらにはアルミニウム板、アルミニウム合金板及びその化成処理板等が挙げられる。
また、配向結晶性を測定する手段としては、複屈折法、密度法、X線回折法などがあるが、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)の場合は、X線回折法により次のようにして配向結晶性を求める。
(1)金属基板に積層する前のPETフィルム及び積層した後のPETフィルムについてのX線回折強度を2θ=20〜30°の範囲で測定する。
(2)2θ=20°、2θ=30°におけるX線回折強度曲線を直線で結び、ベースラインとする。
(3)2θ=26°近辺にあらわれるシャープなピーク高さをベースラインより測定する。
(4)積層する前のPETフィルムのピーク高さをIbとし、積層した後のPETフィルムのピーク高さをIaとしたとき、Ia/Ib×100を配向結晶残存率として求める。
樹脂皮膜に関しては、赤外光域にその樹脂皮膜を構成する官能基に由来する吸収帯を有しており、吸光係数の規定値を有する樹脂皮膜を用いる。また、樹脂皮膜の厚みは特に限定はされないが、一般に容器用の樹脂被覆鋼板として使用される5〜40μmの範囲であることが好ましい。
以下に本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例及び比較例において、PETフィルムの配向結晶性の変化は、X線回折法により上述した手順によって測定した。また、積層した後のPETフィルムの厚みは、金属基板を塩酸で溶解して、フィルムを単離した後に、マイクロメーターを用いて測定した。
(実施例1)
母材として用いる金属板には、厚さ0.23mmの電解クロム酸処理鋼板を用いた。電解クロム酸処理鋼板における金属クロムの付着量は110mg/m2であり、水和酸化クロムの付着量は金属クロムに換算して15mg/m2であった。そして、この電解クロム酸処理鋼板を加熱し、両面に30μmの配向結晶性PETフィルムを、配向結晶性を残存させるように積層し、樹脂被覆金属板を作成した。
次に、レーザ光として、200WのCO2レーザを使用し、レーザ発振線は波長10.59104μm(波数944.19cm-1)のものを選択した。なお、このレーザ光に対する配向結晶性PETフィルムの透過率は60%であり、吸光係数αは17.0であった。そして、図2に示すように、レーザビーム1を円周スキャンさせて樹脂被覆金属板4の片面に照射した。本実施例では、図示されないCO2レーザ装置から出力されたレーザビーム1を、2枚のスキャニングミラー2によって反射させ、反射ビームをfθレンズ3により樹脂被覆金属板4の片面に内径がφ85mm、外径がφ142mmの環状に照射した。レーザ光の照射部は走査方向に短軸を持つ楕円であり、長軸半径dは28.5mm、短軸方向半径hは20.0mmであった。そして、レーザ光の走査速度は100mm/sであり、照射回数を1とした。このとき、レーザ光のエネルギー密度は55.1mJ/mm2であった。
レーザ光を照射したところ、PETフィルムにはレーザアブレージョンの発生は認められなかった。また、PETフィルムのレーザ非照射部の配向結晶残存率は85%であり、レーザ照射部分の配向結晶残存率は45%であった。このように樹脂皮膜の配向結晶性は非照射部と比較して低下した。
(実施例2)
母材として用いる金属板には、厚さ0.23mmの電解クロム酸処理鋼板を用いた。金属クロムの付着量は110mg/m2であり、水和酸化クロムの付着量は金属クロムに換算して15mg/m2であった。そして、この電解クロム酸処理鋼板を加熱し、両面に9μmの配向結晶性PETフィルムを、配向結晶性を残存させるように積層し、樹脂被覆金属板を作成した。
次に、レーザ光として、100WのCO2レーザを使用し、レーザ発振線は波長10.59104μm(波数944.19cm-1)のものを選択した。なお、このレーザ光に対する配向結晶性PETフィルムの透過率は60%であり、吸光係数αは17.0であった。そして、図2に示すように、レーザビーム1を円周スキャンさせて樹脂被覆金属板4の片面に照射した。実施例1と同様、CO2レーザ装置から出力されたレーザビーム1を、2枚のスキャニングミラー2によって反射させ、反射ビームをfθレンズ3により樹脂被覆金属板4の片面に内径がφ85mm、外径がφ142mmの環状に照射した。レーザ光の照射部は走査方向に短軸を持つ楕円であり、長軸半径dは28.5mm、短軸方向半径hは20.0mmであった。そして、レーザ光の走査速度は60mm/sであり、照射回数を2とした。このとき、レーザ光のエネルギー密度は91.8mJ/mm2であった。
レーザ光を照射したところ、PETフィルムにはレーザアブレージョンの発生は認められなかった。また、PETフィルムのレーザ非照射部の配向結晶残存率は80%であり、レーザ照射部分の配向結晶残存率は0%であった。このようにレーザ照射部分の樹脂皮膜は配向結晶性を消失した。
(実施例3)
まず、実施例1と同じ製造方法により、樹脂被覆金属板を作成した。そして、第1のレーザ光として、200WのCO2レーザ(以下、第1のレーザ装置)を使用し、レーザ発振線は波長10.59104μm(波数944.19cm-1)のものを選択した。なお、この第1のレーザ光に対する配向結晶性PETフィルムの透過率は60%であり、吸光係数αは17.0であった。また、第2のレーザ光として、60WのCO2レーザ(以下、第2のレーザ装置)を使用し、レーザ発振線は波長9.55243μm(波数1046.85cm-1)のものを選択した。なお、この第2のレーザ光に対する配向結晶性PETフィルムの透過率は12%であり、吸光係数αは70.7であった。
そして、図2に示すように、レーザビーム1を円周スキャンさせて樹脂被覆金属板4の片面に照射した。図示されない第1のレーザ装置及び第2のレーザ装置のそれぞれから出力されたレーザビーム1を、2枚のスキャニングミラー2によって反射させ、反射ビームをfθレンズ3により樹脂被覆金属板4の片面に内径がφ85mm、外径がφ142mmの環状に照射した。レーザ光の照射部は走査方向に短軸を持つ楕円であり、長軸半径dは28.5mm、短軸方向半径hは20.0mmであった。そして、それぞれのレーザ光の走査速度は100mm/sであり、照射回数を2とした。このとき、第1のレーザ光のエネルギー密度は55.1mJ/mm2であり、第2のレーザ光のエネルギー密度は16.51mJ/mm2であった。
レーザ光を照射したところ、PETフィルムにはレーザアブレージョンの発生は認められなかった。また、PETフィルムのレーザ非照射部の配向結晶残存率は85%であり、レーザ照射部分の配向結晶残存率は0%であった。このようにレーザ照射部分の樹脂皮膜は配向結晶性を消失した。
(比較例1)
まず、実施例1と同じ製造方法により、樹脂被覆金属板を作成した。そして、レーザ光として、130WのCO2レーザを使用し、レーザ発振線は波長10.59104μm(波数944.19cm-1)のものを選択した。なお、このレーザ光に対する配向結晶性PETフィルムの透過率は60%であり、吸光係数αは17.0であった。
そして、図2に示すように、レーザビーム1を円周スキャンさせて樹脂被覆金属板4の片面に照射した。実施例1と同様、図示されないCO2レーザ装置から出力されたレーザビーム1を、2枚のスキャニングミラー2によって反射させ、反射ビームをfθレンズ3により樹脂被覆金属板4の片面に内径がφ85mm、外径がφ142mmの環状に照射した。レーザ光の照射部は走査方向に短軸を持つ楕円であり、長軸半径dは28.5mm、短軸方向半径hは20.0mmであった。そして、レーザ光の走査速度は100mm/sであり、照射回数を1とした。このとき、レーザ光のエネルギー密度は119.4mJ/mm2であった。
レーザ光を照射したところ、PETフィルムにはレーザアブレージョンが発生しており、レーザ照射部分のPETフィルムの厚みが約5μm減少した。
(比較例2)
まず、実施例1と同じ製造方法により、樹脂被覆金属板を作成した。そして、レーザ光として、60WのCO2レーザを使用し、レーザ発振線は波長9.55243μm(波数1046.85cm-1)のものを選択した。なお、このレーザ光に対する配向結晶性PETフィルムの透過率は12%であり、吸光係数αは70.7であった。
そして、図2に示すように、レーザビーム1を円周スキャンさせて樹脂被覆金属板4の片面に照射した。実施例1と同様、図示されないCO2レーザ装置から出力されたレーザビーム1を、2枚のスキャニングミラー2によって反射させ、反射ビームをfθレンズ3により樹脂被覆金属板4の片面に内径がφ85mm、外径がφ142mmの環状に照射した。レーザ光の照射部は走査方向に短軸を持つ楕円であり、長軸半径dは28.5mm、短軸方向半径hは20.0mmであった。そして、レーザ光の走査速度は100mm/sであり、照射回数を1とした。このとき、レーザ光のエネルギー密度は55.09mJ/mm2であった。
レーザ光を照射したところ、PETフィルムにはレーザアブレージョンが発生しており、レーザ照射部分のPETフィルムの厚みが約15μm減少した。
1 レーザビーム
2 スキャニングミラー
3 fθレンズ
4 樹脂被覆金属板

Claims (2)

  1. 配向結晶性を有する樹脂フィルムが少なくとも一面に積層された金属体における前記樹脂フィルムの所定の領域に、前記樹脂フィルムの吸光係数が20以下となる波長であってエネルギー密度が10〜100mJ/mm2のレーザ光を照射することを特徴とする樹脂被覆金属体の製造方法。
  2. 配向結晶性を有する樹脂フィルムが少なくとも一面に積層された金属体における前記樹脂フィルムの所定の領域に、前記樹脂フィルムの吸光係数が20以下となる波長であってエネルギー密度が10〜100mJ/mm2の第1のレーザ光を照射するとともに、前記樹脂フィルムの吸光係数が45以上となる波長であってエネルギー密度が1〜20mJ/mm2の第2のレーザ光を照射することを特徴とする樹脂被覆金属体の製造方法。
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