以下に添付図面を参照して、本発明にかかるぱちんこ遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、本発明にかかるぱちんこ遊技機を、旧第一種に属するぱちんこ遊技機(いわゆる「デジパチ」)に適用した例である。
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の一例を示す説明図である。図1に示すように、本実施の形態のぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部が配置されている。
発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配設されている。また、遊技盤101の前面には、不図示のガラス面が設けられており、遊技球が手前側(遊技者側)に落下することを抑止し、遊技球が遊技盤101の盤面を流下するようにしている。
遊技盤101の略中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)などが用いられる。画像表示部104の下方には、第1始動口105と、第2始動口106とが配設されている。第1始動口105、第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口である。
第2始動口106の近傍には、本発明の可変入賞口(後述する普通図柄抽選の抽選結果に基づき開閉動作する役物)としての電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞しにくくさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞しやすくさせる開状態(開放された状態)とを有する。これらの状態の制御は、電動チューリップ107が備えるソレノイドによっておこなわれる。電動チューリップ107は、画像表示部104の真下に設けられているが、釘などの干渉する部材が遊技盤101上の所定の位置に配置されているため、左側に打ち出された遊技球および右側に打ち出された遊技球が入賞できるようになっている。
電動チューリップ107は、画像表示部104の左側および右下側に配設されたゲート108を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。第2始動口106の右上には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり遊技状態となったときに開放され、遊技球の入賞により所定個数(たとえば15個)の賞球を払い出すための入賞口である。大入賞口109は、右側に打ち出された遊技球のみが入賞できるように配置されている。大入賞口109は、電動チューリップ107と同様に本発明の可変入賞口に相当するものである。
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出すための入賞口である。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には、遊技者に特別図柄などの遊技情報を明示する情報表示部112が設けられている。情報表示部112の詳細について図2を用いて後述するが、遊技球が第1始動口105へ入賞することによりおこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわす第1特別図柄や、遊技球が第2始動口106へ入賞することによりおこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわす第2特別図柄などを表示する。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材113が設けられている。枠部材113は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材113は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
枠部材113において遊技領域103の上側にはスピーカ114が組み込まれている。また、枠部材113において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)115が設けられている。演出ライト部115は、それぞれ複数のランプとモータ(不図示)とを有する。各ランプは、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射する。また、各ランプは、モータの駆動により光の照射方向を上下方向・左右方向に変更することができる。また、各ランプは、ぱちんこ遊技機100の周囲を照射し、その照射位置がぱちんこ遊技機100を基準にして円をなすように、光の照射方向を回転させることもできる。
枠部材113の下部位置には、操作ハンドル116が配置されている。操作ハンドル116は、発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル116は、枠部材113と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
操作ハンドル116は、発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材117を備えている。発射指示部材117は、操作ハンドル116の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、操作ハンドル116には、遊技者が発射指示部材117を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。これにより、発射部は、発射指示部材117が遊技者によって直接操作されているときに遊技球を発射させる。
枠部材113において、遊技領域103の下側となる辺には、演出ボタン(チャンスボタン)118や十字キー119が設けられている。演出ボタン118や十字キー119は、遊技者からの操作を受け付ける。打球供給皿120は、遊技球を収容するとともに、順次発射部へ遊技球を送り出す。
また、遊技盤101上には、演出時に駆動される可動役物130が設けられている。たとえば、可動役物130は、可動役物130を用いた演出時には図示の位置から下方へスライドして画像表示部104の前面へ進出し、それ以外のときは図示のように画像表示部104の上部に設けられた収納スペース(不図示)に退避している。
ここで、遊技盤101の右側領域について説明する。遊技盤101の右側領域は、大型の画像表示部104が遊技盤101上の右寄りに配置されていることから、左側領域に比べて、狭いスペースとなっている。なお、大型の画像表示部104を用いない場合には、たとえば、可動役物が配置されたり、固定役物が配置されたりするため、大型の画像表示部104を用いない場合であっても、右側領域は狭いスペースとなる。
この右側領域には、遊技球が通過する2つの経路151,152が設けられている。2つの経路151,152は、遊技盤101の一般面上に設けられる一般経路151と、一般面よりも窪んだ面に設けられる特別経路152である。言い換えれば、一般経路151と特別経路152とは重なって配置されており、特別経路152が一般経路151の下層に配置される構成となっている。特別経路152は、遊技盤101の一般面側が透明の樹脂によって形成されており、遊技者が特別経路152内を通過する遊技球を視認できるようになっている。
また、遊技盤101の外周に設けられるガイドレール102cの延長線上には、返しゴム142が配置されている。返しゴム142は、本発明の干渉部材に相当し、ガイドレール102cに沿って発射された遊技球を跳ね返すものである。返しゴム142によって遊技球が跳ね返される所定の部位には、一般経路151と特別経路152とを分岐する分岐点150が設けられている。分岐点150には、開閉自在な開閉部(図3−1参照)が設けられており、開閉部が閉状態のときに分岐点150を通過した遊技球は一般経路151へ導かれる。一方、開閉部が開状態のときに分岐点150を通過した遊技球は特別経路152へ導かれるようになっている。
特別経路152の出口付近には、ゲート108が配置されており、特別経路152を通過した遊技球が通過するようになっている。なお、一般経路151を通過した遊技球はゲート108を通過することができない構成となっている。なお、一般経路151と特別経路152の詳細については、図3−1を用いて後述する。
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
つぎに、本実施の形態のぱちんこ遊技機100の基本動作の一例について説明する。ぱちんこ遊技機100は、遊技球が第1始動口105または第2始動口106へ入賞すると、遊技球が入賞した始動口に応じた大当たり抽選をおこなう。遊技球が第1始動口105へ入賞して大当たり抽選をおこなった場合、ぱちんこ遊技機100は、第1特別図柄表示部201aの第1特別図柄を変動表示する。そして、この変動表示開始から所定期間経過後に、大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で第1特別図柄を停止表示する。
遊技球が第2始動口106へ入賞して大当たり抽選をおこなった場合、ぱちんこ遊技機100は、第2特別図柄表示部201bの第2特別図柄を変動表示する。そして、この変動表示開始から所定期間経過後に、大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で第2特別図柄を停止表示する。
ぱちんこ遊技機100は、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)を変動表示すると、それに合わせて画像表示部104の演出図柄(たとえば3つの数字)を変動表示する。そして、特別図柄を停止表示すると、演出図柄を停止表示する。たとえば、特別図柄を、大当たりを示す所定の図柄で停止表示させた場合(大当たり抽選で大当たりに当選した場合)には、ぱちんこ遊技機100は、大当たりを示す組み合わせ(たとえば「7・7・7」といったいわゆるゾロ目)で演出図柄を停止表示する。
大当たりを示す組み合わせで演出図柄を停止表示すると、ぱちんこ遊技機100は大当たり遊技状態となり、当選した大当たりに応じたラウンド分(たとえば16ラウンド)、大入賞口109を開放する。この開放中に、遊技球が大入賞口109へ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。
大当たり遊技状態中には、大当たり抽選はおこなわれない。大当たり遊技状態は、当選したラウンド分の大入賞口109の開放が完了すると終了する。大当たり遊技状態では、右側領域に配置された大入賞口109内に入賞させて遊技がおこなわれ、すなわち、遊技領域103のうち右側の領域に遊技球が打ち出される右打ちによって遊技がおこなわれるようになっている。
ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態を終了させると、再び、大当たり抽選をおこなう遊技状態へ復帰する。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態を終了させた場合には確変遊技状態となる。本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技後は所定変動回数(たとえば74変動)が経過するまでの間、高確率の遊技状態が設定されるST(Special Time)機と呼ばれるタイプのものである。なお、ぱちんこ遊技機100は、ST機に限らず、つぎの大当たりに当選するまで高確率の状態を保持するとともに低確率の遊技状態に移行させる大当たりを取り得るタイプのものを用いることも可能である。
(ぱちんこ遊技機の遊技状態)
通常遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機100は、低確率遊技状態用の低確当たり判定テーブル(図16参照)を用いた大当たり抽選をおこない、たとえば、1/200の確率で大当たりに当選する大当たり抽選をおこなう。また、通常遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機100は、電動チューリップ107の開閉による遊技サポート機能(以下「電チューサポート機能」という)を付与しない。
電チューサポート機能は、たとえば、普通図柄の変動時間の短縮および普通図柄当たりの当選確率の向上(電動チューリップ107の開放頻度の増加)や、電動チューリップ107の開放時間の長時間化などをおこなうことである。言い換えれば、電チューサポート機能が付与されていない通常遊技状態では、第2始動口106へ遊技球が入賞しにくくなっている。
ただし、本実施の形態では、通常遊技状態においても電動チューリップ107が長時間開放する長開放当たりを取り得るようにしている。長開放当たりでは、電動チューリップ107がたとえば5.3秒程度開放(ロング開放)するため、その間は、第2始動口106へ入賞しやすくなっている。すなわち、通常遊技状態においても第2始動口106へ入賞した遊技球に対する当たり判定がおこなわれるようになっている。通常遊技状態では、遊技領域103のうち左側の領域に遊技球が打ち出される左打ちによって遊技がおこなわれ、主に第1始動口105への入賞によって遊技が進行される。
高確率遊技状態であるとき、ぱちんこ遊技機100は、高確率遊技状態用の当たり判定テーブル(不図示)を用いた大当たり抽選をおこない、たとえば、3/200(1/66.7)の確率で大当たりに当選する大当たり抽選をおこなう。つまり、高確率遊技状態では、通常遊技状態に比べて、3倍程度、高い確率で大当たりに当選する大当たり抽選をおこなう。さらに、ぱちんこ遊技機100は、高確率遊技状態では電チューサポート機能を付与する。
ぱちんこ遊技機100は、大当たりを契機として遊技状態の移行をおこなうほか、前回の遊技状態の移行後、規定回数(たとえば70回または74回)の大当たり抽選をおこなったときに、つぎの遊技状態の移行をおこなう。具体的には、大当たり終了後70変動が終了するまでは電チューサポート機能が付与された高確率遊技状態となる。また、大当たり終了後71〜74変動目までは電チューサポート機能が付与されない高確率遊技状態としての潜確遊技状態となるように設定されている。また、大当たり終了後75変動目以降は、通常遊技状態が設定されるようになっている。
すなわち、本実施の形態においては、大当たり遊技状態を除いて、通常遊技状態と、確変遊技状態と、潜確遊技状態とのうち、いずれか一の遊技状態を取り得るようになっている。電チューサポート機能が付与された遊技状態(確変遊技状態)では、電チューサポート機能が付与されていない潜確遊技状態および通常遊技状態に比べて、第2始動口106へ遊技球が入賞しやすくなる。確変遊技状態では、遊技領域103のうち右側の領域に遊技球が打ち出される右打ちによって遊技がおこなわれ、主に第2始動口106への入賞によって遊技が進行される。
なお、潜確遊技状態に移行させる大当たりを取り得るようにしたりしてもよい。潜確遊技状態に移行させる潜確大当たりを取り得るようにした場合には、小当たりを取り得るようにしてもよい。小当たりは、通常のハズレ(小当たり以外のハズレ)とは異なる図柄(特別図柄)であらわされる特定のハズレである。
潜確大当たりおよび小当たりを取り得るようにした場合、小当たり当選後の小当たり遊技状態における大入賞口109の開放態様と、潜確遊技状態に移行させる大当たりの大当たり遊技状態における大入賞口109の開放態様と、を似通った開放態様とするとともに、演出についてもそれぞれ似通った演出とする。このように、潜確大当たりと、小当たりとを取り得るようにし、当たり遊技後に、高確率遊技状態が設定されているのか低確率遊技状態が設定されているのかを遊技者に秘匿させることにより、遊技の興趣を向上させることが可能である。
ここで、本発明にかかる特定遊技状態は、通常の遊技状態に比べて可変入賞口(電動チューリップ107または大入賞口109)を開放させやすくした遊技状態であり、具体的には、確変遊技状態や大当たり遊技状態のほか、通常遊技状態や潜確遊技状態における電動チューリップ107のロング開放時である。
(情報表示部の詳細)
つぎに、情報表示部112の詳細について説明する。図2は、情報表示部の詳細な構成を示す説明図である。図2において、情報表示部112は、特別図柄表示部201と、普通図柄表示部202と、保留表示部203と、ラウンド表示部204と、右打ち表示部205とを備える。各表示部201〜205には、それぞれLED(Light Emitting Diode)表示器が採用されている。
第1特別図柄表示部201aは、遊技球が第1始動口105へ入賞することによっておこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわすものであり、8つのLEDからなる。第2特別図柄表示部201bは、遊技球が第2始動口106へ入賞することによっておこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわすものであり、第1特別図柄表示部201aと同様に、8つのLEDからなる。
各特別図柄の変動中は、たとえば、図中、左から右へ流れるように、各LEDが点灯および消灯を順次繰り返す。なお、特別図柄の変動中は、画像表示部104では演出図柄を用いた変動演出がおこなわれる。特別図柄の変動が停止すると、LEDの点灯態様によって、大当たり抽選の抽選結果(4R短当たり、16R短当たりおよび16R長当たりのいずれか)があらわされるようになっている。
4R短当たりは、遊技者が4ラウンド分の出球を獲得することができる大当たりである。16R長当たりは、遊技者が16ラウンド分の出球を獲得することができる大当たりである。16R短当たりは、大入賞口109の開放時間が長いラウンドと短いラウンドとがあり、遊技者が実質4ラウンド分の出球を獲得することができる大当たりとなっている。
また、特別図柄表示部201の上部には、普通図柄が表示される普通図柄表示部202が配置されている。普通図柄表示部202は、遊技球がゲート108を通過することによっておこなわれる普通図柄抽選をあらわすものであり、2つのLEDからなる。普通図柄抽選で当たりに当選した場合に、ぱちんこ遊技機100は、所定期間、電動チューリップ107を開状態とする。普通図柄の変動中は、LEDが点滅する。
普通図柄の変動が停止すると、LEDの点灯態様によって、普通図柄抽選の抽選結果があらわされるようになっている。普通図柄の変動が停止した際に、たとえば、LEDが1つ点灯すると当たりaとなり、またLEDが2つ点灯すると当たりbとなり、電動チューリップ107が開放する。各当たりによって、電動チューリップ107の開放態様が異なるようになっている。また、普通図柄の変動が停止した際に、LEDが消灯するとハズレとなる。
普通図柄表示部202の左側には、特別図柄または普通図柄に対する判定用情報(以下「保留情報」)の数である保留数を表示する保留表示部203が配置されている。保留表示部203は、第1特別図柄保留表示部203aと、第2特別図柄保留表示部203bと、普通図柄保留表示部203cとからなる。
第1特別図柄保留表示部203aは、特別図柄の変動中に第1始動口105へ入賞した遊技球を、規定数(たとえば4)を上限とし、保留情報の数である保留数として記憶したものを表示する。第2特別図柄保留表示部203bは、特別図柄の変動中に第2始動口106へ入賞した遊技球を、規定数(たとえば4)を上限とし、保留情報の数である保留数として記憶したものを表示する。
普通図柄保留表示部203cは、普通図柄の変動中にゲート108を通過した遊技球を、規定数(たとえば4)を上限とし、保留情報の数である保留数として記憶したものを表示する。ラウンド表示部204は、大当たり中に、大当たりのラウンド数を表示するものである。たとえば、4R短当たりの場合には「4」をあらわすLEDが点灯し、16R長当たりまたは16R短当たりの場合には「16」をあらわすLEDが点灯する。右打ち表示部205は、右打ちによって遊技がおこなわれる遊技状態(確変遊技状態、大当たり遊技状態)においてLEDが点灯し、遊技者に右打ちを促すものである。
(一般経路および特別経路の詳細)
つぎに、図3−1を用いて、一般経路151および特別経路152の詳細について説明する。図3−1は、一般経路および特別経路の詳細を示す断面図である。図3−1において、遊技盤101の一般面301と同一の面には、一般面301とガラス面302とに挟まれる一般経路151が設けられている。一般経路151は、狭い領域に設けられ、具体的には、釘などを配置するスペースがほとんどない箇所に設けられている。つまり、一般経路151には遊技球を干渉する釘などがないので、遊技球の一般経路151の通過に要する時間は、短時間になっている。
また、遊技盤101には、一般面301から窪んだ特別経路152が形成されている。特別経路152は、窪み面311と一般面301とに挟まれた領域に設けられている。特別経路152は、具体的には、木製の遊技盤101を切削することによって形成される。特別経路152の表面に相当する一般面301は、たとえば透明の樹脂によって形成されており、遊技者が特別経路152内を通過する遊技球を視認できるようになっている。
特別経路152と、一般経路151とでは、遊技球の移動する距離は、ほぼ同等となっている。特別経路152内には、突起312が複数設けられている。突起312は、遊技球に干渉する干渉部として機能する。特別経路152には突起312が設けられているため、遊技球の特別経路152の通過に要する時間は、一般経路151の通過に要する時間に比べて、数秒程度、長くなっている。
一般経路151と特別経路152との上流側には、一般経路151と特別経路152とを分岐する分岐点150が設けられている。分岐点150には、開閉自在な開閉部320が設けられている。開閉部320は、電チューサポート機能付きの遊技状態(確変遊技状態)において、一定の開放タイミングで開放する。開閉部320が閉状態のときに分岐点150を通過した遊技球は一般経路151へ導かれる一方、開閉部320が開状態のときに分岐点150を通過した遊技球は特別経路152へ導かれるようになっている。
開閉部320の開放パターンは、たとえば、電チューサポート機能が付与される遊技状態(確変遊技状態)における電動チューリップ107の開放パターンと関連している。たとえば、本実施の形態において、確変遊技状態における電動チューリップ107の開放は1.8秒×3回とし、それぞれの開放の間隔である休止期間は0.5秒としている。ここで、説明の便宜上、1回の当たりにおける電動チューリップ107の開放に要する時間は、開放時間「1.8秒×3回」と休止期間「0.5秒×2回」との和「6.2秒」として、開閉部320の開放パターンについて説明する。
本実施の形態において、開閉部320の開放パターンは、電動チューリップ107の開放に要する時間(6.2秒)の半分の期間(3.1秒)をそれぞれ開状態および閉状態とするものとしている。すなわち、確変遊技状態において、開閉部320は、3.1秒の開放と、3.1秒の閉鎖を繰り返す。このような構成とすることにより、確変遊技状態において遊技者が不正に電動チューリップ107へ入賞させるといった変則打ちを抑止することが可能になっている。
また、開閉部320の開放パターンには、電動チューリップ107の開放パターンのみならず、普通図柄の変動時間や、普通図柄の確定時間などを考慮するようにすれば、より変則打ちの抑止効果を得ることができる。たとえば、確変遊技状態における普通図柄の変動時間を2秒とし、普通図柄の確定時間を1秒としたとすると、確変遊技状態において電動チューリップ107の開放に要する時間は(9.2秒)となる。この9.2秒に関連する時間を用いて(たとえば9.2を4分割した2.3秒毎に)、開状態と閉状態とを繰り返すようにしてもよい。
なお、開閉部320の開放パターンは、電動チューリップ107の開放時間や普通図柄の変動時間などと関連性を有するものであることが望ましいが、それぞれに関連性を有さないようにしてもよい。また、本実施の形態では、開閉部320を設けているが、これに限らず、開閉部320を設けずに、すなわち、分岐点150として、特別経路152の入口に常時開口した穴や連絡路などの通路を設け、釘や役物によって、経路151,152の振り分けをおこなうようにしてもよい。
一般経路151と特別経路152とは、合流点330で合流するようになっている。合流点330を通過した後の遊技球が通過できるように、電動チューリップ107および大入賞口109が設けられている。なお、合流点330において、特別経路152の出口には、図3−1において不図示のゲート108が配置されている(図1参照)。ゲート108を配置する位置は、特別経路152の出口に限らず、特別経路152内でもよいし、分岐点150における特別経路152の入口でもよい。また、一般経路151および特別経路152を通過したそれぞれの遊技球が通過可能な位置にゲート108を設けてもよい。
さらに、遊技球が通過した経路151,152によって、ゲート108への通過のしやすさが異なるように、ゲート108を配置してもよい。ただし、特別経路152を通過した遊技球の方が、一般経路151を通過した遊技球に比べて、ゲート108を通過しやすくなるように、ゲート108を設けるようにすることが望ましい。ゲート108を配置する箇所は、釘や固定役物などに応じて定めればよく、位置関係上、一般経路151よりも特別経路152の方が近い必要はない。
なお、一般経路151および特別経路152は、分岐点150から合流点330までに要する遊技球の通過時間がそれぞれ異なる経路であればよい。たとえば、右側領域にスペースがある場合には、同一平面上に複数の経路を設けるようにしてもよい。また、上述した構成に限らず、たとえば、特別経路152に突起312を設けずに、特別経路152の距離を一般経路151に比べて長くして、通過時間を異ならせたものとしてもよい。
また、本実施の形態では、一般経路151を、遊技盤101の一般面301と同一の平面上に設けているが、これに限らない。具体的に補足すると、本実施の形態のように右側領域にスペースがない構成の場合には、少なくとも一般経路151と特別経路152とが遊技盤101に対して高さ方向(立体的)に異なる経路であればよく、一般経路151を一般面301に対して窪んだ面に設けるとともに、特別経路152を一般経路151よりもさらに窪んだ面に設けるようにしてもよい。
また、一般経路151を一般面301よりもガラス面302側に突出した面に設け、その下層に特別経路152を設けるようにしてもよい。さらに、一般経路151と特別経路152との2つの経路に限らず、遊技盤101上に立体方向に設けられるものであれば、3つ以上の経路とすることも可能である。なお、開閉部320の近傍には、図3−1において不図示の返しゴム142が設けられている。以下に、返しゴム142と遊技盤101との位置関係について説明する。
(返しゴムと遊技盤との位置関係)
図3−2は、返しゴムと遊技盤との位置関係を示した断面図である。図3−2において、遊技盤101の一般面301上には、返しゴム142が設けられている。本実施の形態においては、返しゴム142の遊技盤101に対する設置角度によって一般経路151または特別経路152への振り分けが異なるようになっている。なお、分岐点150には、図3−2において不図示の開閉部320が設けられている。
(1)に示すように、返しゴム142を遊技盤101に対して広角(たとえば90°以上)に設置すると、遊技球は上方向(ガラス面302方向)に跳ね返りやすくなる。そのため、遊技球は一般経路151に導かれやすくなる。一方、(2)に示すように、返しゴム142を遊技盤101に対して鋭角(たとえば90°未満)に設置すると、遊技球は下方向(特別経路152方向)に跳ね返りやすくなる。そのため、遊技球は特別経路152に導かれやすくなる。
本実施の形態では、(2)のように返しゴム142を配置して、ほとんどの遊技球を特別経路152側へ導くようにしているが、実際に特別経路152へ導かれるか否かは開閉部320の開閉によるものとしている。なお、開閉部320を設けない構成とした場合には、遊技盤101に対する返しゴム142の設置角度のみによって、各経路151,152へ振り分けられることとなる。
(ぱちんこ遊技機の内部構成)
つぎに、ぱちんこ遊技機100の内部構成について説明する。図4は、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部400は、遊技の進行を制御する主制御部401と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部402と、演出内容を制御する演出制御部403とを備えている。以下にそれぞれの制御部について詳細に説明する。
(1.主制御部)
主制御部401は、CPU(Central Processing Unit)411と、ROM(Read Only Memory)412と、RAM(Random Access Memory)413と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU411は、遊技の進行に関する各種プログラムなどをROM412から読み出し、RAM413をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
また、主制御部401には、遊技球を検出する各種スイッチ(以下「SW」と略す)が接続されている。たとえば、図示のように、主制御部401には、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW414aと、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW414bと、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW415と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW416と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW417とが接続されている。
各種SW414〜417は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を主制御部401へ入力する。主制御部401は、各種SW414〜417から入力される検出信号に基づき、大当たり抽選を受けるための権利に相当する判定用情報である保留情報を記憶したり、保留情報を用いて大当たり抽選をおこなったり、大当たり抽選の抽選結果に応じて賞球制御部402に対して賞球の払い出し指示をおこなったりする。
ここで、第1始動口SW414a、第2始動口SW414b、ゲートSW415、大入賞口SW416としては、たとえば、近接スイッチなどを採用することができる。また、第1始動口105が遊技盤上に複数設けられている場合、第1始動口SW414aを第1始動口105の配置位置別に複数個設けてもよい。また、普通入賞口110が遊技盤101上に複数設けられている場合も、普通入賞口SW417を普通入賞口110の配置位置別に複数個設けてもよい。
また、主制御部401には、電動チューリップ107、大入賞口109および開閉部320などの電動役物を駆動させる各種ソレノイドが接続されている。たとえば、図示のように、主制御部401には、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド418と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド419と、開閉部320を開閉動作させる開閉部ソレノイド420とが接続されている。
主制御部401は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップソレノイド418に電気信号を入力・遮断したり、大当たり抽選の抽選結果に基づき大入賞口ソレノイド419に電気信号を入力・遮断したりする。また、主制御部401は、RAM413に設定される遊技状態(具体的には、遊技フラグ記憶領域413fに設定される時短遊技フラグ)に基づき開閉部ソレノイド420に電気信号を入力・遮断したりする。各種ソレノイド418,419,420は、主制御部401から供給される電気信号を機械的な運動に変換して、電動チューリップ107を開閉動作させたり、大入賞口109を開閉動作させたり、開閉部320を動作させたりする。
また、主制御部401には、特別図柄や普通図柄を表示するための各種図柄表示部が接続される。たとえば、主制御部401には、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示部201aと、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示部201bと、普通図柄を表示する普通図柄表示部202と、記憶している保留情報の数を表示する保留表示部203などが接続される。
主制御部401は、大当たり抽選の抽選結果に基づき、第1特別図柄表示部201aの表示制御をおこなったり、第2特別図柄表示部201bの表示制御をおこなったりする。また、主制御部401は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき、普通図柄表示部202の表示制御をおこなう。保留数に基づき、保留表示部203の表示内容を制御する。
ここで、主制御部401のCPU411が実行するプログラムの一例および各プログラムを実行することでRAM413に設定される情報の一例について説明する。なお、以下では説明するプログラムなどは、本実施の形態において特に重要となる特徴的なもののみを説明している。ROM412には以下で説明するプログラムのほか、不図示のプログラムが多数記憶されており、RAM413には以下で説明する記憶領域のほか、不図示の記憶領域が多数設定されている。
メイン処理プログラム412aは、ぱちんこ遊技機100への電力の供給にともない、主制御部401のCTC(タイマカウンタ)などの内蔵デバイスの初期設定をおこなわせて、設定内容を示す設定情報を設定記憶領域413aに記憶させる。また、メイン処理プログラム412aは、ぱちんこ遊技機100への電源の遮断を監視させ、電源が遮断された場合にはバックアップ情報を生成させて、このバックアップ情報をバックアップ記憶領域413bに記憶させる。
タイマ割込処理プログラム412bは、乱数更新処理プログラム412cや、スイッチ処理プログラム412d、図柄処理プログラム412j、電動役物制御処理プログラム412m、賞球処理プログラム412q、出力処理プログラム412rなどのサブプログラムを順次実行させる。
タイマ割込処理プログラム412bは、メイン処理プログラム412aにより設定記憶領域413aに記憶された周期で、メイン処理プログラム412aに対して割り込み実行される。タイマ割込処理プログラム412bにより実現されるタイマ割込処理については図5を用いて後述する。
乱数更新処理プログラム412cは、当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数など、主制御部401が管理する各種乱数取得用のカウンタのカウント値を更新させる。たとえば、乱数更新処理プログラム412cは、1回実行される毎に、カウンタ記憶領域413cに記憶された各乱数カウンタの各カウント値に「1」加算させる。
カウンタ記憶領域413cには、当たり乱数カウンタC1、図柄乱数カウンタC2、変動パターン乱数カウンタC3、普通図柄乱数カウンタC4など、主制御部401が管理する乱数カウンタのカウント値が記憶されている。乱数更新処理プログラム412cは、乱数更新処理プログラム412cが実行される毎に各乱数カウンタC1〜C4のカウント値に「1」加算したものを各乱数カウンタC1〜C4の新たなカウント値とするように、カウンタ記憶領域413cを更新させる。
また、乱数更新処理プログラム412cは、各乱数カウンタC1〜C4のカウント値が所定値に達したときには、たとえば「0」にカウント値を戻させ、再度同様のカウントアップをおこなわせる。本実施の形態においては一例として、当たり乱数を「0〜199」の範囲内でカウントさせるものとする。また、図柄乱数および変動パターン乱数を「0〜99」の範囲内でカウントさせるものとする。
スイッチ処理プログラム412dは、始動口スイッチ処理プログラム412e、ゲートスイッチ処理プログラム412g、大入賞口スイッチ処理プログラム412h、普通入賞口スイッチ処理プログラム412iなどのサブプログラムを順次実行させる。
始動口スイッチ処理プログラム412eは、第1始動口SW414aにより第1始動口105に入賞した遊技球が検出されたタイミング、または第2始動口SW414bにより第2始動口106に入賞した遊技球が検出されたタイミングで、カウンタ記憶領域413cの当たり乱数カウンタC1、図柄乱数カウンタC2、変動パターン乱数カウンタC3の各カウンタのカウント値を保留情報として取得させ、取得された保留情報をRAM413の保留情報記憶領域413dに記憶させる。
保留情報記憶領域413dは、保留情報格納領域J1〜J8を有する。保留情報格納領域J1〜J8には、第1始動口105や第2始動口106に遊技球が入賞したタイミングで取得された、当たり乱数カウンタC1、図柄乱数カウンタC2、変動パターン乱数カウンタC3の各カウンタのカウント値が保留情報として関連づけられて記憶される。
また、保留情報格納領域J1〜J8は、当たり判定を受けるための優先順位が設定されている。本実施の形態では、第2始動口106への入賞を契機として取得された保留情報が、第1始動口105への入賞を契機として取得された保留情報よりも優先順位を高くして保留情報格納領域に記憶される。始動口スイッチ処理プログラム412eにより実現される始動口スイッチ処理については図13を用いて後述する。
ゲートスイッチ処理プログラム412gは、ゲートSW415によりゲート108を通過した遊技球が検出されたタイミングで、カウンタ記憶領域413cの普通図柄乱数カウンタC4のカウント値を普通図柄保留情報として取得させ、取得された普通図柄保留情報をRAM413の普通図柄保留情報記憶領域413iに記憶させる。ゲートスイッチ処理プログラム412gにより実現されるゲートスイッチ処理については、図6を用いて後述する。
大入賞口スイッチ処理プログラム412hは、大入賞口SW416により大入賞口109に入賞した遊技球を検出させ、普通入賞口スイッチ処理プログラム412iは、普通入賞口SW417により普通入賞口110に入賞した遊技球を検出させる。
図柄処理プログラム412jは、特別図柄処理プログラム412k、普通図柄処理プログラム412lを順次実行させる。特別図柄処理プログラム412kは、保留情報記憶領域413dに記憶されている保留情報を用いて、当たり判定、図柄判定、変動パターン判定を順次おこなわせ、これらの判定結果を判定結果記憶領域413eに記憶させる。
そして、これらの判定結果に基づき、特別図柄表示部201に特別図柄を変動表示および停止表示させる。特別図柄の当たり判定では特図当たり判定テーブルAtが用いられ、図柄判定では図柄判定テーブルZtが用いられ、変動パターン判定では、変動パターン判定テーブルHtが用いられる。特別図柄処理プログラム412kにより実現される特別図柄処理については図14を用いて後述する。
普通図柄処理プログラム412lは、保留情報記憶領域413dに記憶されている保留情報を用いて、普通図柄の当たり判定をおこなわせ、判定結果を判定結果記憶領域413eに記憶させる。そして、判定結果に基づき、普通図柄表示部202に普通図柄を変動表示および停止表示させる。普通図柄の当たり判定では普通図柄当たり判定テーブルFt(図中「普図当たり判定テーブルFt」と記載)が用いられる。普通図柄処理プログラム412lにより実現される普通図柄処理については図7−1を用いて後述する。
電動役物制御処理プログラム412mは、大入賞口処理プログラム412n、電チュー処理プログラム412p、開閉部処理プログラム412sなどのサブプログラムを順次実行させる。大入賞口処理プログラム412nは、特別図柄処理プログラム412kの処理結果などに基づき大入賞口109を開閉動作させる。
また、大入賞口処理プログラム412nは、サブプログラムとして遊技状態設定処理プログラム412oを実行させる。遊技状態設定処理プログラム412oは、当選した大当たりに応じて高確遊技フラグや時短遊技フラグなどの遊技フラグを遊技フラグ記憶領域413fに設定させる。大入賞口処理プログラム412nにより実現される大入賞口処理の詳細な処理内容については、図22を用いて後述する。電チュー処理プログラム412pは、普通図柄処理プログラム412lの処理結果などに基づき電動チューリップ107を開閉動作させる。電チュー処理プログラム412pにより実現される電動チューリップ制御処理の詳細な処理内容については、図11を用い後述する。
賞球処理プログラム412qは、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110の各入賞口への入賞に対して、所定個数の賞球を払い出させるための払い出し指示(賞球コマンド)を、賞球情報記憶領域413gに設定させる。
出力処理プログラム412rは、RAM413に設定された各記憶領域の記憶内容を示す情報などを主制御部401に接続された各制御部(たとえば賞球制御部402、演出統括部403a)に対して出力させる。
また、上述した始動口スイッチ処理プログラム412eは、サブプログラムとして事前判定処理プログラム412fを実行する。事前判定処理プログラム412fは、保留情報記憶領域413dに記憶された各保留情報に対する、当たり判定、図柄判定、変動パターン判定を順次実行させ、これらの判定結果を事前判定記憶領域413hに記憶させる。
また、主制御部401は、盤用外部情報端子基板491が接続されており、RAM413に設定された各記憶領域の記憶内容を示す情報を外部(たとえば遊技場のホールコンピュータ)に出力することができる。主制御部401は、たとえば、主制御基板によりその機能を実現することができる。
(2.賞球制御部)
賞球制御部402は、CPU421と、ROM422と、RAM423と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU421は、主制御部401からの払い出し指示(賞球コマンド)に基づき、賞球の払い出し制御に関する各種プログラムをROM422から読み出し、RAM423をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
また、賞球制御部402には、遊技球を検出する各種SWが接続されている。たとえば、図示のように、賞球制御部402には、所定位置の遊技球を検出する定位置SW424と、払い出した遊技球を検出する払出球検出SW425と、枠体前面に設けられた打球供給皿120内に遊技球があるかを検出する球有り検出SW426と、打球供給皿120が遊技球で満たされていることを検出する満タンSW427とが接続されている。
各種SW424〜427は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を賞球制御部402へ入力する。賞球制御部402は、主制御部401から出力された払い出し指示や、各種SW424〜427から入力される検出信号に基づき、賞球を払い出したり、賞球の払い出しをやめたりする。また、賞球制御部402は、各種SW424〜427から入力される検出信号を主制御部401へ出力してもよい。
また、賞球制御部402には、発射部428や払出部429が接続される。賞球制御部402は、発射部428に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部428は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部402は、発射部428のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を打ち出す。
また、賞球制御部402は、払出部429に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部429は、遊技球を貯留する不図示の貯留部から所定数を払い出すための払出駆動モータを備える。賞球制御部402は、この払出駆動モータを駆動させて、払出部429に対して各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
また、賞球制御部402は、枠用外部情報端子基板492が接続されており、賞球制御部402が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。たとえば、賞球制御部402は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
(3.演出制御部)
つぎに、演出制御部403について説明する。演出制御部403は、不図示の、演出制御部403全体を統括する演出統括部と、ランプの点灯制御や可動役物の駆動制御をおこなうランプ制御部と、画像表示部104の表示制御やスピーカ114の音声出力制御をおこなう画像・音声制御部などを備えている。
また、演出制御部403には、遊技者からの操作を受け付ける演出ボタン118や十字キー119が接続されている。演出ボタン118や十字キー119は、遊技者により操作(たとえば押下)されたキーに対応する制御信号を演出制御部403へ入力する。演出制御部403は、演出ボタン118や十字キー119から入力される制御信号に基づき、遊技者からの操作に応じた演出をおこなう。
また、演出制御部403は、主制御部401から受信したコマンド(たとえば変動開始コマンド)に基づき、特別図柄の変動に同期させた変動演出をおこなったり、モード演出をおこなったりする。モード演出には、たとえば、通常遊技状態における通常モード、確変遊技状態における確変モード、潜確遊技状態における特殊モードなどがある。演出制御部403は、画像表示部104、スピーカ114、演出ライト部115、可動役物130を用いて、各演出をおこなう。
(ぱちんこ遊技機がおこなう処理)
つぎに、ぱちんこ遊技機100が上述した動作を実現するためにおこなう主制御部401による処理の内容について説明する。以下に説明する主制御部401の各処理は、主制御部401のCPU411がROM412に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(タイマ割込処理)
図5は、タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。主制御部401は、電源の供給が開始されると、起動処理や電源遮断監視処理などを含んだメイン制御処理(不図示)の実行を開始する。主制御部401は、電源が供給されている間、このメイン制御処理を継続的に実行している。主制御部401は、このメイン制御処理に対して、タイマ割込処理を所定周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
図5に示すように、タイマ割込処理において、主制御部401は、まず、主制御部401がおこなう各種抽選に用いる乱数の更新をおこなう乱数更新処理を実行する(ステップS501)。主制御部401は、この乱数更新処理において、当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数などの更新をおこなう。
つぎに、主制御部401は、各種スイッチにより検出をおこなうスイッチ処理を実行する(ステップS502)。このスイッチ処理において、主制御部401は、始動口(第1始動口105、第2始動口106)に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ処理(図13参照)、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ処理(図6参照)、大入賞口109に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ処理、普通入賞口110に入賞した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ処理などをおこなう。
つづいて、主制御部401は、特別図柄および普通図柄に関する図柄処理を実行する(ステップS503)。ここで、図柄処理は、特別図柄に関する特別図柄処理と、普通図柄に関する普通図柄処理とからなる。特別図柄処理において主制御部401は、大当たり抽選をおこない、特別図柄を変動表示/停止表示させる(図14参照)。普通図柄処理において主制御部401は、普通図柄抽選をおこない、普通図柄を変動表示/停止表示させる(図7−1参照)。
図柄処理を実行すると、主制御部401は、各種電動役物の動作制御に関する電動役物制御処理を実行する(ステップS504)。電動役物制御処理には、電動チューリップ107の動作を制御する電動チューリップ制御処理(図11参照)、大入賞口109の動作を制御する大入賞口処理(図22参照)などが含まれる。
つぎに、主制御部401は、賞球に関する賞球処理を実行する(ステップS505)。賞球処理において、主制御部401は、たとえば、大入賞口109や普通入賞口110へ入賞した遊技球に対して、所定個数の賞球の払い出しを指示する賞球コマンドをRAM413に設定する。そして、主制御部401は、ステップS501〜ステップS505の各処理によりRAM413に設定されたコマンドを演出制御部403などに対して出力する出力処理を実行し(ステップS506)、タイマ割込処理を終了する。タイマ割込処理を終了すると、主制御部401はメイン制御処理へ戻る。
(ゲートSW処理)
つぎに、図6を用いて、図5のステップS502に示したスイッチ処理に含まれるゲートSW処理について説明する。図6は、ゲートSW処理の処理内容を示すフローチャートである。図6において、主制御部401のCPU411は、ゲートSW415がONであるか否かの判定をおこない(ステップS601)、ゲートSW415がOFFである場合(ステップS601:No)、そのまま処理を終了する。ゲートSW415がONである場合(ステップS601:Yes)、ゲートSW415の検知回数をカウントしたゲートカウンタのカウント値Gが、上限値「4」より小さいか否かを判定する(ステップS602)。
カウント値Gが上限値「4」の場合(ステップS602:No)、そのまま処理を終了する。カウント値Gが上限値「4」より小さい場合(ステップS602:Yes)、カウント値Gに「1」を加算する(ステップS603)。そして、乱数を取得するとともに、取得した乱数をRAM413に格納し(ステップS604)、そのままゲートSW処理を終了する。
(普通図柄処理)
つぎに、図7−1を用いて、図5のステップS503に示した図柄処理に含まれる普通図柄処理について説明する。図7−1は、普通図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。図7−1において、主制御部401のCPU411は、電動チューリップ107を開放させる補助遊技中であることを示す補助遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS701)。
補助遊技フラグは、後述する図7−2のステップS723またはステップS725においてONに設定されるフラグである。補助遊技フラグがONである場合(ステップS701:Yes)、普通図柄処理を終了する。補助遊技フラグがOFFである場合(ステップS701:No)、普通図柄が変動中であるか否かを判定する(ステップS702)。
普通図柄が変動中である場合(ステップS702:Yes)、ステップS709に移行する。普通図柄が変動中ではない場合(ステップS702:No)、ゲートSW415のゲートカウンタのカウント値Gが、「1」以上であるか否かを判定する(ステップS703)。
カウント値Gが「1」以上ではない場合(ステップS703:No)、普通図柄処理を終了する。カウント値Gが「1」以上である場合(ステップS703:Yes)、カウント値Gから「1」を減算し(ステップS704)、当たり判定処理を実行する(ステップS705)。当たり判定処理では、後述する普通図柄当たり判定テーブル(図8参照)を用いて、遊技球がゲート108を通過した際に取得した乱数が当たりであるか否かを判定する処理である。
この後、停止図柄を設定する(ステップS706)。停止図柄の設定は、当たり判定処理における判定結果に応じて停止させる普通図柄を設定することである。そして、普通図柄の変動時間を設定するための変動時間設定処理を実行する(ステップS707)。変動時間設定処理の詳細については、図9を用いて後述する。
この後、変動を開始し(ステップS708)、変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS709)。変動時間が経過していない場合(ステップS709:No)、普通図柄処理を終了する。変動時間が経過した場合(ステップS709:Yes)、図7−2を用いて後述する普図停止中処理を実行する(ステップS710)。そして、普通図柄の変動を停止させ(ステップS711)、普通図柄処理を終了する。
(普図停止中処理)
つぎに、図7−2を用いて、図7−1のステップS710に示した普図停止中処理について説明する。図7−2は、普図停止中処理の処理内容を示すフローチャートである。図7−2において、主制御部401のCPU411は、停止した普通図柄が当たりであるか否かを判定する(ステップS721)。停止した普通図柄が当たりではない場合(ステップS721:No)、すなわち、ハズレである場合、普図停止中処理を終了する。
停止した普通図柄が当たりである場合(ステップS721:Yes)、時短付き遊技状態(本実施の形態では確変遊技状態)であることを示す、時短遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS722)。時短遊技フラグは、図24を用いて後述する遊技状態設定処理にて設定されるフラグである。時短遊技フラグがONである場合(ステップS722:Yes)、電動チューリップ107を開放させる補助遊技中であることを示す第1補助遊技フラグをONにし(ステップS723)、普通図柄処理を終了する。
一方、時短遊技フラグがOFFである場合(ステップS722:No)、すなわち、通常遊技状態または潜確遊技状態である場合、電動チューリップ107のロング開放を示す図柄b(図8参照)であるか否かを判定する(ステップS724)。図柄bではない場合(ステップS724:No)、すなわち、短開放である図柄aである場合、ステップS723に移行する。一方、図柄bである場合(ステップS724:Yes)、電動チューリップ107のロング開放による補助遊技中であることを示す第2補助遊技フラグをONにし(ステップS725)、処理を終了する。
(普通図柄当たり判定テーブルの一例)
つぎに、図8を用いて、図7−1のステップS705に示した当たり判定処理において用いられる普通図柄当たり判定テーブルの一例について説明する。図8は、普通図柄当たり判定テーブルの一例を示す説明図である。図8に示す普通図柄当たり判定テーブルFtは、各遊技状態における普通図柄の当たりの当選割合および当たり図柄の当選割合を示している。
具体的に説明すると、通常遊技状態における普通図柄の当選割合はたとえば「1/10」になっている。当たりに当選すると、図柄の振り分けがおこなわれる。図柄aに振り分けられる割合は「9/10」であり、図柄bに振り分けられる割合は「1/10」となっている。通常遊技状態における図柄aによる電動チューリップ107の開放パターンは、0.1秒×1回である。また、通常遊技状態における図柄bによる電動チューリップ107の開放パターンは、5.3秒×1回となっている。
一方、時短付き遊技状態における普通図柄の当選割合はたとえば「9/10」になっている。当たりに当選すると、図柄の振り分けがおこなわれる。図柄aに振り分けられる割合は「9/10」であり、図柄bに振り分けられる割合は「1/10」となっている。時短付き遊技状態における図柄aによる電動チューリップ107の開放時間は5.4秒である。
また、時短付き遊技状態における図柄bによる電動チューリップ107の開放時間は5.4秒となっている。図柄a,bともに、通常遊技状態における開放時間よりも時短付き遊技状態における開放時間の方が長くなっている。時短付き遊技状態における図柄a,bによる電動チューリップ107の開放パターンは、1.8秒×3回としている。各開放の間隔である休止期間は、0.5秒としている。
本実施の形態では、通常遊技状態においても図柄bによって電動チューリップ107の開放パターンが5.3秒×1回と、いわゆるロング開放がおこなわれるが、このロング開放時に遊技者が右打ちをして、遊技者が意図したタイミングで、電動チューリップ107遊技球を意図的に入賞させるといった変則打ちがおこなわれるおそれがある。本実施の形態では、特別経路152を設けているため、通常遊技状態における電動チューリップ107のロング開放時に、遊技者の意図したタイミングで電動チューリップ107へ入賞させることは困難になっている。すなわち、通常遊技状態における電動チューリップ107のロング開放時における変則打ちを抑止できるようになっている。
(変動時間設定処理)
つぎに、図9を用いて、図7−1のステップS707に示した変動時間設定処理について説明する。図9は、変動時間設定処理の処理内容を示すフローチャートである。図9において、主制御部401のCPU411は、電チューサポート機能が付与される時短付き遊技状態を示す時短遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS901)。時短付き遊技状態は、本実施の形態においては確変遊技状態である。時短遊技フラグは、図24を用いて後述する遊技状態設定処理にて設定されるフラグである。
時短遊技フラグがOFFである場合(ステップS901:No)、すなわち、通常遊技状態または潜確遊技状態である場合、図10を用いて後述する変動時間設定テーブルを用いて、通常の変動時間(たとえば10秒)である通常変動を設定する(ステップS902)。一方、ステップS901において、時短遊技フラグがONである場合(ステップS901:Yes)、図10を用いて後述する変動時間設定テーブルを用いて、時短付き遊技状態(確変遊技状態)用の短時間の変動時間(たとえば2秒)である時短変動を設定する(ステップS903)。この後、設定した変動時間をセットし(ステップS904)、処理を終了する。
(変動時間設定テーブルの一例)
つぎに、図10を用いて、図9のステップS902およびステップS903に示した変動時間の設定に用いられる、変動時間設定テーブルの一例について説明する。図10は、変動時間設定テーブルの一例を示す説明図である。図10の変動時間設定テーブル1000に示すように、普通図柄の変動時間は、通常遊技状態の場合に「10秒」となっており、時短付き遊技状態の場合に「2秒」になっている。時短付き遊技状態において、普通図柄の変動時間を「2秒」とすることにより、時短付き遊技状態における迅速な遊技を可能にしている。
(電動チューリップ制御処理)
つぎに、図11を用いて、図5のステップS504に示した電動役物処理に含まれる電動チューリップ制御処理について説明する。図11は、電動チューリップ制御処理の処理内容を示すフローチャートである。図11において、主制御部401のCPU411は、電動チューリップ107を開放させる補助遊技中であることを示す補助遊技フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS1101)。補助遊技フラグは、図7−2に示した普図停止中処理において設定されるフラグである(図7−2のステップS723またはステップS725参照)。
補助遊技フラグがOFFである場合(ステップS1101:No)、電動チューリップ制御処理を終了する。補助遊技フラグがONである場合(ステップS1101:Yes)、電動チューリップ107が開放中であるか否かを判定する(ステップS1102)。電動チューリップ107が開放中である場合(ステップS1102:Yes)、ステップS1109に移行する。電動チューリップ107が開放中ではない場合(ステップS1102:No)、電動チューリップ107が休止中であるか否かを判定する(ステップS1103)。
電動チューリップ107が休止中である場合(ステップS1103:Yes)、ステップS1109に移行する。電動チューリップ107が休止中ではない場合(ステップS1103:No)、時短付き遊技状態であることを示す時短遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1104)。時短遊技フラグは、図24を用いて後述する遊技状態設定処理にて設定されるフラグである。
時短遊技フラグがOFFである場合(ステップS1104:No)、通常用開放パターンの設定をおこなう(ステップS1105)。通常用開放パターンは、図柄aであれば0.1秒×1回の開放、図柄bであれば5.3秒×1回の開放である。この後、電動チューリップ107の開放開始を示す、電チュー開放開始コマンドをセットし(ステップS1106)、電動チューリップ107の開放を開始し(ステップS1107)、ステップS1109に移行する。
一方、ステップS1104において、時短遊技フラグがONである場合(ステップS1104:Yes)、時短用開放パターンの設定をおこなう(ステップS1108)。時短用開放パターンは、図柄a,bともに1.8秒×3回の開放である。この後、開放が終了したか否かを判定し(ステップS1109)、開放が終了していない場合(ステップS1109:No)、電動チューリップ制御処理を終了する。開放が終了した場合(ステップS1109:Yes)、補助遊技フラグをOFFにし(ステップS1110)、電動チューリップ制御処理を終了する。
(開閉部制御処理)
つぎに、図12を用いて、図5のステップS504に示した電動役物処理に含まれる開閉部制御処理について説明する。図12は、開閉部制御処理の処理内容を示すフローチャートである。図12において、主制御部401のCPU411は、時短付き遊技状態であることを示す時短遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1201)。時短遊技フラグがONの場合(ステップS1201:Yes)、開閉部320が開放中であることを示す開放中フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1202)。
開放中フラグがONである場合(ステップS1202:Yes)、開閉部制御処理を終了する。開放中フラグがOFFである場合(ステップS1202:No)、開放パターンを設定する(ステップS1203)。開放パターンは、電動チューリップ107の開放パターンと関連性を有するものであり、本実施の形態では、3.1秒の開放と3.1秒の閉鎖を繰り返すものである。
ステップS1203の後、主制御部401のCPU411は、開放開始コマンドをRAM413に設定するとともに(ステップS1204)、開放中フラグをONに設定する(ステップS1205)。そして、開閉部320の動作を開始し(ステップS1206)、開閉部制御処理を終了する。ステップS1201において、時短遊技フラグがOFFである場合(ステップS1201:No)、大当たり中であることを示す大当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1207)。
大当たり遊技フラグがONである場合(ステップS1207:Yes)、ステップS1202に移行する。大当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップS1207:No)、すなわち、時短付き遊技状態でも大当たり遊技状態でもない、通常遊技状態または潜確遊技状態である場合、電動チューリップ107のロング開放中を示す第2補助遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1208)
第2補助遊技フラグがONである場合(ステップS1208:Yes)、ステップS1202に移行する。第2補助遊技フラグがOFFである場合(ステップS1208:No)、開放中フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1209)。開放中フラグがOFFの場合(ステップS1209:No)、開閉部制御処理を終了する。開放中フラグがONである場合(ステップS1209:Yes)、開放中フラグをOFFにするとともに(ステップS1210)、開閉部320の動作を終了し(ステップS1211)、開閉部制御処理を終了する。
上述したように、本フローチャートでは、時短付き遊技状態のとき、大当たり遊技状態のとき、通常遊技状態または潜確遊技状態における電動チューリップ107のロング開放のときなどの、本発明の特定遊技状態において、開閉部320を開放させるようにし、遊技球を適宜、特別経路152へ導くようにし、変則打ちを抑止するようにしている。
(始動口スイッチ処理)
つぎに、図13を用いて、図5のステップS502に示したスイッチ処理に含まれる始動口スイッチ処理の処理内容について説明する。図13は、始動口スイッチ処理の処理内容を示すフローチャートである。始動口スイッチ処理において、主制御部401のCPU411は、第1始動口SW414aがONになったかを判定する(ステップS1301)。第1始動口SW414aがONになっていなければ(ステップS1301:No)、後述するステップS1306へ移行する。
第1始動口SW414aがONになっていれば(ステップS1301:Yes)、保留情報記憶領域413dにおいて第1始動口105に入賞した遊技球に対する保留情報の数(保留情報数)U1が4未満であるか(U1<4)を判定する(ステップS1302)。保留情報数U1が4未満でなければ(ステップS1302:No)、すなわち、保留情報数U1が4以上であればステップS1306へ移行する。
保留情報数U1が4未満であれば(ステップS1302:Yes)、保留情報数U1に「1」加算したものを新たな保留情報数U1とし(ステップS1303)、カウンタ記憶領域413cを参照して、各カウンタC1〜C3のカウント値を保留情報として取得して、保留情報記憶領域413dに記憶する(ステップS1304)。
保留情報を取得・記憶すると、記憶した保留情報を用いて、事前判定処理をおこなう(ステップS1305)。この後、第2始動口SW414bがONになったかを判定する(ステップS1306)。第2始動口SW414bがONになっていなければ(ステップS1306:No)、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
第2始動口SW414bがONになっていれば(ステップS1306:Yes)、保留情報記憶領域413dにおいて第2始動口106に入賞した遊技球に対する保留情報数U2が4未満であるか(U2<4)を判定する(ステップS1307)。保留情報数U2が4未満でなければ(ステップS1307:No)、すなわち、保留情報数U2が4以上であれば、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
保留情報数U2が4未満であれば(ステップS1307:Yes)、保留情報数U2に「1」加算したものを新たな保留情報数U2とし(ステップS1308)、カウンタ記憶領域413cを参照して、各カウンタC1〜C3のカウント値を保留情報として取得して、保留情報記憶領域413dに記憶する(ステップS1309)。この際に、第1始動口105への入賞を契機に取得された保留情報よりも、優先して変動をおこなうための優先順位を高くして保留情報を保留情報格納領域に記憶する。そして、記憶した保留情報を用いて、事前判定処理をおこなって(ステップS1310)、始動口スイッチ処理を終了する。
(特別図柄処理)
つぎに、図14を用いて、図5のステップS503の図柄処理に含まれる特別図柄処理について説明する。図14は、特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。特別図柄処理において、主制御部401のCPU411は、まず、特別図柄の確定期間であることを示す確定中フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1401)。確定中フラグがONであるとは、特別図柄の変動を停止してから所定時間が経過するまでの、停止した特別図柄を遊技者に認識させるための確定期間であることを示している。確定中フラグがONである場合(ステップS1401:Yes)、ステップS1416に移行する。
ステップS1401において、確定中フラグがOFFである場合(ステップS1401:No)、大当たり遊技フラグがONとなっているかを判定する(ステップS1402)。ここで、大当たり遊技フラグとは、たとえば、大当たり当選時にONに設定されるフラグであり、現在の遊技状態が当たり遊技状態であることを示すフラグである。
大当たり遊技フラグがONであれば(ステップS1402:Yes)、特別図柄を変動表示させずにそのまま特別図柄処理を終了する。大当たり遊技フラグがOFFであれば(ステップS1402:No)、特別図柄を変動表示中であるかを判定する(ステップS1403)。特別図柄を変動表示中でなければ(ステップS1403:No)、第2始動口106へ入賞した遊技球に対する保留情報数U2が1以上であるかを判定する(ステップS1404)。
保留情報数U2が1以上であれば(U2≧1)(ステップS1404:Yes)、保留情報数U2を「1」減算したものを新たな保留情報数U2として(ステップS1405)、ステップS1408へ移行する。ステップS1404において、保留情報数U2が0であれば(U2=0)(ステップS1404:No)、第1始動口105へ入賞した遊技球に対する保留情報数U1が1以上であるかを判定する(ステップS1406)。
保留情報数U1が0であれば(U1=0)(ステップS1406:No)、そのまま特別図柄処理を終了する。保留情報数U1が1以上であれば(U1≧1)(ステップS1406:Yes)、保留情報数U1を「1」減算したものを新たな保留情報数U1として(ステップS1407)、ステップS1408へ移行する。
つづいて、大当たり抽選処理(図15参照)をおこなう(ステップS1408)。大当たり抽選処理をおこなうと、変動パターン判定処理(図18参照)を実行する(ステップS1409)。変動パターン判定処理により変動パターンを判定すると、判定された変動パターンに基づき特別図柄表示部201の特別図柄の変動表示を開始する(ステップS1410)。このとき、第2大当たり抽選の抽選結果に基づき変動表示させる場合は、第2特別図柄表示部201bの第2特別図柄を変動表示させる。第1大当たり抽選の抽選結果に基づき変動表示させる場合は、第1特別図柄表示部201aの第1特別図柄を変動表示させる。
特別図柄の変動表示開始に合わせ、変動開始コマンドをRAM413に設定する(ステップS1411)。ステップS1411で設定される変動開始コマンドには、ステップS1408の大当たり抽選処理の抽選結果やステップS1409の変動パターン判定処理によって選択された変動パターンを示す情報などが含まれる。また、ステップS1411で設定された変動開始コマンドは、図5のステップS506の出力処理の実行時に演出制御部403に対して出力される。
つづいて、特別図柄の変動表示を開始した時点から所定の変動時間(変動表示開始直前に選択した変動パターンによって定義された変動時間)が経過したかを判定する(ステップS1412)。所定の変動時間が経過していなければ(ステップS1412:No)、そのまま特別図柄処理を終了する。
一方、所定の変動時間が経過していれば(ステップS1412:Yes)、特別図柄表示部201にて変動表示中の特別図柄を停止表示し(ステップS1413)、変動停止コマンドをRAM413に設定する(ステップS1414)。ステップS1414で設定された変動停止コマンドは、図5のステップS506の出力処理の実行時に演出制御部403に対して出力される。
変動停止コマンドをRAM413に設定した後、確定中フラグをONにし(ステップS1415)、図21−1および図21−2を用いて後述する停止中処理を実行して(ステップS1416)、特別図柄処理を終了する。一方、ステップS1403において特別図柄が変動表示中であるときには(ステップS1403:Yes)、ステップS1412へ移行して変動時間が経過したかを判定し、上記の処理をおこなう。
(大当たり抽選処理)
つぎに、図15を用いて、図14のステップS1408に示した大当たり抽選処理について説明する。図15は、大当たり抽選処理の処理内容を示すフローチャートである。大当たり抽選処理において、主制御部401のCPU411は、現在の遊技状態が確変遊技状態であるか(高確遊技フラグがONか)を判定する(ステップS1501)。高確遊技フラグは、図24を用いて後述する遊技状態設定処理にて設定されるフラグである。
確変遊技状態であれば(ステップS1501:Yes)、図16を用いて後述する高確当たり判定テーブルAt2を選択する(ステップS1502)。確変遊技状態でなければ(ステップS1501:No)、図16を用いて後述する低確当たり判定テーブルAt1を選択する(ステップS1503)。
つづいて、ステップS1502またはステップS1503で選択した当たり判定テーブルAtと、当たり判定の対象となる保留情報(優先順位の最も高く設定された保留情報)の当たり乱数とを比較することにより、当たり乱数が、当たり判定テーブルAtにおいて各当たりに対応する所定値と一致するかを判定する、当たり判定をおこなう(ステップS1504)。
そして、ステップS1504の当たり判定の判定結果が大当たりであったかを判定する(ステップS1505)。大当たりであれば(ステップS1505:Yes)、第1始動口105への入賞による第1図柄に対する図柄判定であるか否かを判定する(ステップS1506)。第1図柄に対する図柄判定である場合(ステップS1506:Yes)、第1図柄用図柄判定テーブルZt1を選択する(ステップS1507)。
一方、第1図柄に対する図柄判定ではない場合(ステップS1506:No)、すなわち、第2図柄に対する図柄判定である場合、第2図柄用図柄判定テーブルZt2を選択する(ステップS1508)。第1図柄用図柄判定テーブルZt1および第2図柄用図柄判定テーブルZt2については、図17を用いて後述する。
この後、選択した図柄判定テーブルZtと、保留情報の図柄乱数とを比較して、図柄乱数が、図柄判定テーブルZtにおいてどの種類の大当たり(16R長当たり、16R短当たり、4R短当たり)に対応する所定値と一致するかを判定する、図柄判定をおこなう(ステップS1509)。
そして、図柄判定の判定結果をあらわす図柄をRAM413に設定して(ステップS1510)、大当たり抽選処理を終了する。一方、ステップS1504の当たり判定の判定結果が大当たりでなければ(ステップS1505:No)、ハズレを示す図柄をRAM413に設定して(ステップS1511)、大当たり抽選処理を終了する。
(当たり判定テーブル)
つぎに、図16を用いて、図15のステップS1502およびステップS1503において選択される当たり判定テーブルAtについて説明する。図16は、当たり判定テーブルの一例を示す説明図である。図16に示すように、当たり判定テーブルAtは、低確当たり判定テーブルAt1と、高確当たり判定テーブルAt2とから構成される。低確当たり判定テーブルAt1および高確当たり判定テーブルAt2は、大当たりに対して、所定の判定値を対応づけて構成される。ここで、低確当たり判定テーブルAt1および高確当たり判定テーブルAt2の判定値は、当たり判定における大当たりに対する当選確率を定めている。
具体的に、当たり判定において、大当たりに対する当選確率は、それぞれに対応づけられた判定値の個数によって定められる。低確当たり判定テーブルAt1では大当たりに対して判定値「0(1個)」を割り当てている。一方、高確当たり判定テーブルAt2では大当たりに対して判定値「0〜2(3個)」を割り当てている。
始動入賞によって取得可能な当たり乱数の範囲は0〜199までのいずれかの数値となっている。このため、低確当たり判定テーブルAt1を用いて当たり判定をおこなった場合、1/200の確率で大当たりに当選するようになっている。高確当たり判定テーブルAt2を用いて当たり判定をおこなった場合、3/200(=1/66.7)の確率で大当たりに当選するようになっている。つまり、ぱちんこ遊技機100において、高確遊技フラグがONに設定されているときの大当たり抽選では、高確遊技フラグがOFFに設定されているときよりも大当たりに当選しやすくなっている。
(図柄判定テーブル)
つぎに、図17を用いて、図15のステップS1507およびステップS1508において選択される図柄判定テーブルZtについて説明する。図17は、図柄判定テーブルの一例を示す説明図である。図17に示すように、図柄判定テーブルZtは、第1図柄判定テーブルZt1と、第2図柄判定テーブルZt2とから構成される。
第1図柄判定テーブルZt1および第2図柄判定テーブルZt2は、各大当たりの種別(図示の例では16R短当たり、16R長当たり、4R短当たり)に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。第1図柄判定テーブルZt1は、第1始動口105へ入賞した遊技球の図柄判定に用いられる一方、第2図柄判定テーブルZt2は、第2始動口106へ入賞した遊技球の図柄判定に用いられる。
ここで、第1図柄判定テーブルZt1および第2図柄判定テーブルZt2の判定値は、図柄判定における各大当たりの種別に対する当選確率を定めている。具体的に、図柄判定において、大当たりに対する当選確率は、それぞれに対応づけられた判定値の個数によって定められる。第1図柄判定テーブルZt1では16R長当たりに対して判定値「0〜19(20個)」を割り当てている。また、第1図柄判定テーブルZt1では16R短当たりに対して判定値「20〜49(30個)」を割り当て、4R短当たりに対して判定値「50〜99(50個)」を割り当てている。
一方、第2図柄判定テーブルZt2では16R長当たりに対して判定値「0〜49(50個)」を割り当てている。また、第2図柄判定テーブルZt2では16R短当たりに対して判定値の割り当てがなく、4R短当たりに対して判定値「50〜99(50個)」を割り当てている。
始動入賞によって取得可能な図柄乱数の範囲は0〜99までのいずれかの数値となっている。このため、遊技球が第1始動口105に入賞して第1図柄判定テーブルZt1を用いて図柄判定がおこなわれた場合、「20/100」で16R長当たりに当選するようになっている。遊技球が第2始動口106に入賞して第2図柄判定テーブルZt2を用いて図柄判定がおこなわれた場合、「50/100」で16R長当たりに当選するようになっている。
つまり、ぱちんこ遊技機100において、第2始動口106への入賞に対する大当たり抽選では、第1始動口105への入賞に対する大当たり抽選よりも16R長当たりに当選しやすい傾向としている。すなわち、第2始動口106への入賞に対する大当たり抽選では、第1始動口105への入賞に対する大当たり抽選よりも遊技者に有利な大当たりに当選しやすくなっている。
(変動パターン判定処理)
つぎに、図18を用いて、図14のステップS1409に示した変動パターン判定処理について説明する。図18は、変動パターン判定処理の処理内容を示すフローチャートである。変動パターン判定処理において、主制御部401のCPU411は、今回の保留情報を用いた当たり判定の判定結果が大当たりであったかを判定する(ステップS1801)。ハズレの場合(ステップS1801:No)、時短付き遊技状態(確変遊技状態)であることを示す時短遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1802)。
時短遊技フラグがOFFである場合(ステップS1802:No)、すなわち、通常遊技状態または潜確遊技状態である場合、通常遊技状態または潜確遊技状態におけるハズレ時に用いられる、通常時ハズレ用変動パターンテーブルHt1(図中「通常時ハズレテーブルHt1」と記載)を選択し(ステップS1803)、ステップS1808に移行する。なお、通常時ハズレ用変動パターンテーブルHt1や以下に説明する各変動パターンテーブルについては、図19および図20を用いて後述する。
ステップS1802において、時短遊技フラグがONである場合(ステップS1802:Yes)、すなわち、確変遊技状態である場合、時短付き遊技状態である確変遊技状態におけるハズレ時に用いられる、時短時ハズレ用変動パターンテーブルHt3(図中「時短時ハズレテーブルHt3」と記載)を選択し(ステップS1804)、ステップS1808に移行する。
ステップS1801において、大当たりである場合(ステップS1801:Yes)、時短遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1805)。時短遊技フラグがONである場合(ステップS1805:Yes)、時短付き遊技状態における大当たり時に用いられる、時短時大当たり用変動パターンテーブルHt4(図中「時短時当たりテーブルHt4」と記載)を選択し(ステップS1806)、ステップS1808に移行する。
ステップS1805において、時短遊技フラグがOFFである場合(ステップS1805:No)、通常遊技状態または潜確遊技状態における大当たり時に用いられる、通常時大当たり用変動パターンテーブルHt2(図中「通常時当たりテーブルHt2」と記載)を選択し(ステップS1807)、ステップS1808に移行する。
この後、主制御部401は、ステップS1803,ステップS1804,ステップS1806,ステップS1807のいずれかで選択した変動パターンテーブルと、今回の保留情報の変動パターン乱数とを比較して、変動パターン乱数が、変動パターンテーブルHtにおいてどの変動パターンに対応するかを判定する、変動パターン判定をおこなう(ステップS1808)。そして、この判定結果をRAM413に設定し(ステップS1809)、変動パターン判定処理を終了する。
(変動パターンテーブル)
つぎに、図19および図20を用いて変動パターンテーブルについて説明する。図19は、通常遊技状態または潜確遊技状態において用いられる変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。図19に示すように、通常時用変動パターンテーブルTHtは、通常時ハズレ用変動パターンテーブルHt1と、通常時大当たり用変動パターンテーブルHt2とから構成される。通常時ハズレ用変動パターンテーブルHt1はハズレ時に用いられ、通常時大当たり用変動パターンテーブルHt2は大当たり時に用いられる。
通常時ハズレ用変動パターンテーブルHt1および通常時大当たり用変動パターンテーブルHt2は、各変動パターンHp1〜Hp7に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。ここで、変動パターンHp1〜Hp7は、特別図柄の変動態様を定義したものであり、たとえば、特別図柄を変動させる期間(以下「変動時間」という)を定義している。
通常時ハズレ用変動パターンテーブルHt1および通常時大当たり用変動パターンテーブルHt2の判定値は、変動パターン判定における各変動パターンHp1〜Hp7に対する当選確率を定めている。具体的に、変動パターン判定において、各変動パターンHp1〜Hp7の当選確率は、それぞれに対応づけられた判定値の個数によって定められる。
通常時ハズレ用変動パターンテーブルHt1および通常時大当たり用変動パターンテーブルHt2において、変動時間が長い変動パターンほど大当たり時に判定されやすくハズレ時に判定されにくくなっている。すなわち、変動時間が長い変動パターンほど大当たりに対する期待度が高くなるように、各変動パターンHp1〜Hp7の判定値が定められている。
具体的には、変動パターンHp1は、通常のハズレ演出(ノーマルハズレ演出)をおこなうことが可能な変動パターンである。たとえば、変動パターンHp1の変動時間は、保留情報数が1〜3の場合には10秒であり、保留情報数が4の場合には3秒となっている。また、変動パターンHp2〜Hp7は、リーチ演出をおこなうことが可能な変動パターンである。なお、変動パターンHp7は、大当たり確定を示すプリミアリーチ演出であるため、判定値が割り当てられておらず、すなわち、ハズレ時においては選択されないようになっている。
図20は、確変遊技状態において用いられる変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。確変遊技状態は、電チューサポート機能が付与される時短付き遊技状態であり、大当たり終了後の1変動目から70変動目までの間、設定される遊技状態である。図20に示すように、時短時用変動パターンテーブルDHtは、時短時ハズレ用変動パターンテーブルHt3と、時短時大当たり用変動パターンテーブルHt4とから構成される。時短時ハズレ用変動パターンテーブルHt3は、時短付き遊技状態におけるハズレ時に用いられるものである。時短時大当たり用変動パターンテーブルHt4は、時短付き遊技状態における大当たり時に用いられるものである。
時短時ハズレ用変動パターンテーブルHt3は、各変動パターンHp1〜Hp8に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。時短時ハズレ用変動パターンテーブルHt3は、判定値が「0〜89」の場合、第2始動口106への入賞による保留情報(第2保留情報)の有無によって、変動パターンHp1またはHp8が選択されるようになっている。
具体的には、変動パターンHp1は、10秒の変動時間を有するものであり、判定値が「0〜89」の場合であり且つ第2始動口106への入賞による第2保留情報がない(0)場合に選択される。また、変動パターンHp8は、1秒の変動時間を有するものであり、判定値が「0〜89」の場合であり且つ第2始動口106への入賞による第2保留情報がある(1以上)場合に選択される。このように、時短付き遊技状態におけるハズレ時において、判定値が「0〜89」の場合、第2保留情報の有無によって、変動パターンHp1またはHp8のいずれか一方が当選するようになっている。
ここで、確変遊技状態において、第2保留情報がない場合に変動パターンHp1を取り得るようにしている点について補足しておく。第2保留情報がない状態において、第2保留情報による変動パターンHp1の変動が終了したとすると、第1始動口105への入賞による第2保留情報に比べて遊技者にとって不利な大当たりに当選しやすい保留情報(第1保留情報)が記憶されている場合には、この保留情報による変動が開始されてしまう。本実施の形態では、確変遊技状態において第1保留情報による変動では、判定値が「0〜89」の場合、変動パターンHp1を用いた10秒の変動をおこなうようにしている。
これにより、確変遊技状態において第2保留情報がない場合には、第2始動口106へ入賞させるための時間を稼ぐようにし、遊技者にとって不利な変動を極力おこないにくくしている。一方で、確変遊技状態においては、第2保留情報がある状態が往々にして発生し、このような場合、1秒の変動時間を有する変動パターンHp8の変動をおこなうことにより、迅速な遊技を可能にしている。
また、確変遊技状態においては、遊技者が意図したタイミングで、電動チューリップ107へ遊技球を意図的に入賞させるといった変則打ちがおこなわれるおそれがあるが、本実施の形態では、特別経路152を設けているため、遊技者の意図したタイミングで電動チューリップ107へ入賞させることは困難になっている。
(停止中処理)
つぎに、図21−1および図21−2を用いて、図14のステップS1416に示した停止中処理について説明する。図21−1は、主制御部がおこなう停止中処理の処理内容を示すフローチャート(その1)である。図21−2は、主制御部がおこなう停止中処理の処理内容を示すフローチャート(その2)である。停止中処理において、主制御部401のCPU411は、まず、特別図柄の変動を停止した時点から所定の確定時間が経過したか否かを判定する(ステップS2101)。
所定の確定時間が経過していない場合(ステップS2101:No)、そのまま処理を終了する。所定の確定時間が経過した場合(ステップS2101:Yes)、確定中フラグをOFFにし(ステップS2102)、時短遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS2103)。時短遊技フラグは、図24を用いて後述する遊技状態設定処理にて設定されるフラグである。時短遊技フラグがONではない場合(ステップS2103:No)、ステップS2108に移行する。
時短遊技フラグがONである場合(ステップS2103:Yes)、時短遊技カウンタJから「1」減算した値を新たな時短遊技カウンタJとする(ステップS2104)。なお、時短遊技カウンタJは、時短付き遊技状態における遊技の残余回数を示しており、大当たり後に、たとえば70回にセットされる数値である。時短遊技カウンタJのセットについては、遊技状態設定処理(図24参照)にて後述する。この後、時短遊技カウンタJが「0」であるか判定する(ステップS2105)。
時短遊技カウンタJが「0」である場合(ステップS2105:Yes)、時短遊技フラグをOFFにする(ステップS2106)。そして、右打ち表示部205を消灯させるための右打ち報知終了処理を実行する(ステップS2107)。一方、時短遊技カウンタJが「0」ではない場合(ステップS2105:No)、ステップS2108に移行する。ステップS2108では、高確率遊技状態を示す高確遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS2108)。
ステップS2108において、高確遊技フラグがOFFである場合(ステップS2108:No)、ステップS2112に移行する。高確遊技フラグがONである場合(ステップS2108:Yes)、高確率遊技残余回数Xから「1」減算した値を新たな高確率遊技残余回数Xとする(ステップS2109)。
高確率遊技残余回数Xは、具体的には、高確率遊技状態における遊技の残余回数を示しており、大当たり終了後に、たとえば74回にセットされる数値である。高確率遊技残余回数Xのセットについては、遊技状態設定処理(図24)にて後述する。
この後、高確率遊技残余回数Xが「0」であるか判定し(ステップS2110)、高確率遊技残余回数Xが「0」である場合(ステップS2110:Yes)、高確遊技フラグをOFFにする(ステップS2111)。高確率遊技残余回数Xが「0」ではない場合(ステップS2110:No)、ステップS2112に移行する。
ステップS2112では、停止した特別図柄が大当たりであるか否かを判定し、大当たりではない場合(ステップS2112:No)、停止中処理を終了する。ステップS2112において、停止した特別図柄が大当たり図柄である場合(ステップS2112:Yes)、大当たり遊技フラグをONにし(ステップS2113)、右打ち表示部205を点灯させるための右打ち報知開始処理を実行する(ステップS2114)。
そして、時短遊技カウンタJまたは高確率遊技残余回数Xを「0」にする(ステップS2115)。この後、時短遊技フラグまたは高確遊技フラグをOFFにし(ステップS2116)、大当たりのオープニングを開始する(ステップS2117)。この後、オープニングコマンドをRAM413に設定して(ステップS2118)、停止中処理を終了する。
(大入賞口処理)
つぎに、図22を用いて、図5のステップS504に示した電動役物制御処理に含まれる大入賞口処理について説明する。図22は、大入賞口処理の処理内容を示すフローチャートである。大入賞口処理において、主制御部401は、まず、大当たり遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2201)。大当たり遊技フラグがOFFであれば(ステップS2201:No)、主制御部401は、そのまま大入賞口処理を終了する。
大当たり遊技フラグがONであれば(ステップS2201:Yes)、主制御部401は、オープニング中であるかを判定する(ステップS2202)。具体的に、ステップS2202では、大当たり遊技フラグをONに設定した際に選択された大入賞口動作パターンのオープニング中であるかを判定する。
オープニング中であれば(ステップS2202:Yes)、主制御部401はオープニング処理をおこなって(ステップS2203)、ステップS2204へ移行する。オープニング処理は、オープニング期間の経過によって大入賞口109を開放させる処理である。オープニング中でなければ(ステップS2202:No)、ステップS2204へ移行する。そして、主制御部401は、大入賞口109の開放中であるかを判定する(ステップS2204)。
大入賞口109の開放中であれば(ステップS2204:Yes)、開放中処理をおこなう(ステップS2205)。開放中処理は、規定個数の入賞や、規定時間の警戒によって大入賞口109を閉鎖させたり、エンディングを開始させたりする処理である。大入賞口109の開放中でなければ(ステップS2204:No)、ステップS2206へ移行する。
そして、主制御部401はインターバル中であるかを判定する(ステップS2206)。インターバル中であれば(ステップS2206:Yes)、インターバル処理をおこなって(ステップS2207)、ステップS2208へ移行する。インターバル処理は、所定のインターバル時間の経過によって大入賞口109を開放させる処理である。インターバル中でなければ(ステップS2206:No)、ステップS2208へ移行する。
そして、主制御部401は、エンディング中であるかを判定する(ステップS2208)。エンディング中であれば(ステップS2208:Yes)、エンディング処理をおこなって(ステップS2209)、大入賞口処理を終了する。エンディング処理の処理内容については、図23を用いて後述する。エンディング中でなければ(ステップS2208:No)、そのまま大入賞口処理を終了する。大入賞口処理が実行される大当たり中は、右打ちによって遊技がおこなわれる。
右打ちによって遊技がおこなわれる大当たり遊技状態においては、遊技者が意図したタイミングで、大入賞口109へ遊技球を意図的に入賞させるといった変則打ちがおこなわれるおそれがあるが、本実施の形態では、特別経路152を設けているため、遊技者の意図したタイミングで大入賞口109へ入賞させることは困難になっている。
(エンディング処理)
つぎに、図23を用いて、図22のステップS2209に示したエンディング処理について説明する。図23は、エンディング処理の処理内容を示すフローチャートである。エンディング処理において、主制御部401は、まず、所定のエンディング期間が経過したかを判定する(ステップS2301)。エンディング期間が経過していなければ(ステップS2301:No)、そのままエンディング処理を終了する。
エンディング期間が経過していれば(ステップS2301:Yes)、主制御部401は、エンディングを終了し(ステップS2302)、ラウンド数カウンタのカウント値Rを「0」にリセットする(ステップS2303)。そして、今回の大当たり遊技後の遊技状態を設定する遊技状態設定処理(図24参照)をおこなう(ステップS2304)。そして、大当たり遊技フラグをOFFに設定するとともに(ステップS2305)、右打ち表示部205を消灯させるための右打ち報知終了処理を実行し(ステップS2306)、エンディング処理を終了する。
(遊技状態設定処理)
つぎに、図24を用いて、図23のステップS2304に示した遊技状態設定処理について説明する。図24は、遊技状態設定処理の処理内容を示すフローチャートである。遊技状態設定処理において、主制御部401は、まず、時短付き遊技状態であることを示す時短遊技フラグをONに設定するとともに(ステップS2401)、時短遊技カウンタJを「70」に設定する(ステップS2402)。そして、右打ち表示部205を点灯させるための右打ち報知開始処理を実行する(ステップS2403)。そして、確変遊技状態であることを示す高確遊技フラグをONに設定する(ステップS2404)。そして、高確遊技カウンタXを「74」に設定し(ステップS2405)、遊技状態設定処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態では、遊技盤101の右側領域に、遊技球が通過する通過時間が異なる複数の経路を設けるとともに、複数の経路が合流する合流点330を通過した後の遊技球が通過可能な位置に可変入賞口(電動チューリップ107または大入賞口109)を設けた(図1参照)。したがって、打ち出された遊技球が可変入賞口へ到達する時間にバラツキをもたせることができる。
これにより、特定遊技状態(確変遊技状態、大当たり遊技状態、通常遊技状態における電動チューリップ107のロング開放時)において遊技者が意図したタイミングで、可変入賞口(電動チューリップ107または大入賞口109)内に遊技球を意図的に入賞させるといった変則打ちを抑止することができる。この結果、遊技者間の獲得出球の不均衡をなくすことができるとともに、遊技店が不利益を被ることを防止することができる。
また、本実施の形態では、複数の経路を立体的に設けたので、遊技盤101の中央に大型の画像表示部104を用いた場合や画像表示部104の周囲に可動役物を配置した構成など、遊技盤101の右側領域に遊技球が通過できるだけのスペースしか設けられていない構成であっても、変則打ちを抑止することができる。したがって、演出効果が低減することなく、変則打ちを抑止することができる。
より具体的に補足すると、近年のぱちんこ遊技機は、画像表示部の大型化などにより、遊技盤の右側領域には、たとえば遊技球が通過できるだけのスペースしか設けられておらず、遊技球が干渉されずに右側領域を通過するタイプのものがある。すなわち、遊技者の意図したタイミングで可変入賞口内へ遊技球を入賞させることが可能になっているタイプのものがある。このようなタイプのぱちんこ遊技機に対しても、本実施の形態によれば、効果的に変則打ちを抑止することができる。したがって、演出効果が低減することなく、変則打ちを抑止することができる。
さらに、本実施の形態では、特別経路152を遊技盤101の一般面301よりも窪んだ面に設けるとともに、特別経路152の内部には遊技球に干渉する干渉部(突起312)を設けた(図3−1参照)。したがって、遊技盤101の表面を切削するだけの簡単な構成で特別経路152を設けることができるとともに、干渉部によって特別経路152を一般経路151よりも通過時間の要する経路とすることができる。
特に、一般経路151上には釘などの干渉部を設けずに、特別経路152にのみ干渉部を設けたので、一般経路151によって時短付き遊技状態や大当たり遊技状態における迅速な遊技を可能にしつつも、特別経路152によって遊技者の意図したタイミングで可変入賞口(電動チューリップ107または大入賞口109)内に遊技球を意図的に入賞させることを抑止することができる。
また、本実施の形態では、ガイドレール102cに沿って発射された遊技球を跳ね返す緩衝部材(返しゴム142)を備え、返しゴム142によって跳ね返された遊技球が到達する所定の部位に、一般経路151と特別経路152との分岐点150を設けた(図1参照)。したがって、遊技盤101と返しゴム142との位置関係(遊技盤101に対する返しゴム142の角度)によって、各経路151,152への振り分けを調整することができる。
すなわち、スペースの少ない遊技盤101の右側領域に、新たに部材を設けることなく、返しゴム142の角度のみによって、各経路151,152への振り分けを調整することができる。また、店員などのぱちんこ遊技機100の管理者が、遊技盤101に対する返しゴム142の角度を調整することも可能となり、管理者が任意の角度に設定することも可能になる。これにより、たとえば、一般経路151への振り分けに比べて特別経路152への振り分けが低い場合には、管理者による簡単な調整によって振り分けの割合を変更することができるとともに、変則打ちを抑止することができる。
さらに、本実施の形態では、時短付き遊技状態において、一般経路151または特別経路152に遊技球を振り分ける開閉部320を分岐点150付近に設けたので、開閉部320が適宜開放することによって特別経路152へ遊技球を導くことができ、一般経路151および特別経路152への振り分けを、よりランダムなものとすることができる。したがって、変則打ちの抑止効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、一般経路151を通過する遊技球よりも、特別経路152を通過する遊技球の方が通過しやすい箇所にゲート108を設けた。本実施の形態では、特別経路152を通過した遊技球のみがゲート108を通過可能にした(図1参照)。すなわち、到達時間の遅い特別経路152を通過した場合、遊技者に利益(ゲート108の通過による普通図柄の抽選を受ける権利)を与えやすくした。したがって、特別経路152を設けたことによって単に電動チューリップ107までの遊技球の到達を遅らせて変則打ちを防止させるだけでなく、遊技の興趣向上を図ることもできる。