JP2012216484A - 発光素子、その製造方法及び光電変換素子 - Google Patents

発光素子、その製造方法及び光電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】発光輝度に優れ、より高い生産性で得られる発光素子、該発光素子の製造方法、及び、光電変換効率に優れ、より高い生産性で得られる光電変換素子を提供する。
【解決手段】陰極、電子注入層、発光層及び陽極を有する発光素子であって、前記電子注入層及び発光層が有機化合物を含み、前記陽極がアスペクト比が1.5以上の導電材料を含む発光素子;上記発光素子の製造方法であって、陽極を塗布法により形成することを特徴とする製造方法;陰極、電子注入層、電荷分離層及び陽極を有する光電変換素子であって、前記電子注入層及び電荷分離層が有機化合物を含み、前記陽極がアスペクト比が1.5以上の導電材料を含む光電変換素子。
【選択図】なし

Description

本発明は発光素子、その製造方法及び光電変換素子に関する。
発光素子の発光効率を向上させるためには、陰極からの電子注入性を向上させる必要があることが知られており、その解決策には、アルミニウム等の仕事関数の高い金属に仕事関数の小さな金属を蒸着法により積層させる、若しくは合金として用いる、又は、アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物等の電子注入層を蒸着法により陰極に積層させる方法がとられている。その中で、有機化合物である電子注入層を用いた発光素子が報告された。(特許文献1)
国際公開2006/128352号パンフレット
しかしながら、従来までの方法では陽極を真空蒸着法やスパッタ法を用いて形成させるため、ITO等が発光層上にスパッタされることで発光層がダメージを受けて発光輝度が低下すること、バッチ工程が必要となり連続プロセスが妨げられること、製造コストが高くなること等の問題があった。
そこで、本発明は、発光輝度に優れ、より高い生産性で得られる発光素子、該発光素子の製造方法、及び、光電変換効率に優れ、より高い生産性で得られる光電変換素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は第一に、陰極、電子注入層、発光層及び陽極を有する発光素子であって、前記電子注入層及び発光層が有機化合物を含み、前記陽極がアスペクト比が1.5以上の導電材料を含む発光素子を提供する。
本発明は第二に、上記発光素子の製造方法であって、陽極を塗布法により形成することを特徴とする製造方法を提供する。
本発明は第三に、陰極、電子注入層、電荷分離層及び陽極を有する光電変換素子であって、前記電子注入層及び電荷分離層が有機化合物を含み、前記陽極がアスペクト比が1.5以上の導電材料を含む光電変換素子を提供する。
本発明によれば、バッチ工程が不要であり連続プロセスが可能であるため、より高い生産性で、発光輝度に優れた発光素子又は光電変換効率に優れた光電変換素子を製造することができる。
以下、本発明について説明する。
<発光素子>
本発明の発光素子は、陰極、電子注入層、発光層及び陽極を有する発光素子であって、前記電子注入層及び発光層が有機化合物を含み、前記陽極がアスペクト比が1.5以上の導電材料を含む発光素子である。本発光素子は、正孔注入層等の他の層、基板等を更に有していてもよい。
−陽極−
本発明の発光素子において、陽極は陽極材料を用いて、塗布法により基板上に形成可能である。
陽極を構成する陽極材料は、アスペクト比が1.5以上の導電材料を含むものである。
該導電材料としては、金属、金属酸化物、炭素材料、導電性高分子材料及びこれらの2種以上の組み合わせからなる群より選ばれる1種類以上の導電材料を含むものが挙げられ、具体的には、アルミニウム、金、白金、銀、銅等の金属及びその合金、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらを含む複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、アルミニウム・亜鉛・オキサイド(AZO)、インジウム・亜鉛・オキサイド(IZO)、スズ・アンチモン・オキサイド、NESA等の金属酸化物、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素材料、ポリアニリン、ポリチオフェン(例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸)、ポリピロール等の導電性高分子及びこれらを含む重合体等の導電性高分子材料が挙げられる。これらの導電材料は1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
金属としては、金属としての安定性が良好であるので、遷移金属が好ましく、周期表第11族金属がより好ましく、銀が更に好ましい。該金属は1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
金属酸化物としては、インジウム・スズ・オキサイド、インジウム・亜鉛・オキサイドが好ましい。
炭素材料としては、カーボンナノチューブが好ましい。
導電性高分子材料としては、ポリチオフェン、ポリピロールが好ましく、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸、ポリピロールがより好ましく、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸、ポリピロールが更に好ましい。
アスペクト比とは、(最も長い径)/(最も短い径)を意味し、このアスペクト比に分布がある場合には平均値とする。ここで言う平均値とは、算術平均値である。導電材料のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡による写真で確認することができる。
該アスペクト比は、陽極の導電性の観点からは、好ましくは2以上であり、より好ましくは5以上であり、更に好ましくは10以上であり、特に好ましくは50以上であり、とりわけ好ましくは100以上であり、殊更に好ましくは300以上である。該アスペクト比が1.5未満の場合、導電パスの形成が不利になり導電性が低下することがある。一方、該アスペクト比の上限は、限定されないが、実用上、典型的には107以下であり、より典型的には106以下であり、更に典型的には105以下であり、特に典型的には104以下であり、とりわけ典型的には103以下である。
本発明の発光素子の陽極は、光透過性を有することが好ましい。これにより、本発明の発光素子では陽極側から光を取り出すことができる。上記アスペクト比は、陽極の光透過性の観点からは、好ましくは10以上であり、より好ましくは50以上であり、更に好ましくは100以上であり、特に好ましくは300以上である。
光透過性は、全光線透過率を用いて評価できる。本発明において「陽極が光透過性を有する」とは、陽極の全光線透過率が40%以上であることを意味するが、得られた発光素子の特性を考慮すると、該全光線透過率は、60%以上であることが好ましく、70%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが特に好ましい。
陽極の厚さは、電気伝導度と、特に光透過性を有する陽極の場合は光の透過性とを考慮して調整すればよく、好ましくは10nm以上であり、より好ましくは20nm以上、更に好ましくは50nm以上、特に好ましくは100nm以上である。また、陽極の厚さは、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは1μm以下、更に好ましくは500nm以下である。
導電材料は、ナノ構造体であることが好ましい。
ナノ構造体とはナノ単位の径を有する金属、金属酸化物、若しくは炭素材料又はこれらの2種以上の組み合わせであり、最も短い径は、1nm以上、1000nm未満である。合成が容易となるので、好ましくは800nm以下、より好ましくは600nm以下、更に好ましくは300nm以下であり、特に好ましくは150nm以下であり、とりわけ好ましくは100nm以下である。
ナノ構造体の最も長い径は、通常、1000nm以上であるが、分散性がより優れるので、好ましくは1300nm以上、より好ましくは1600nm以上、更に好ましくは2000nm以上であり、特に好ましくは2500nm以上であり、とりわけ好ましくは3000nm以上である。この最も長い径は、通常、1cm以下であり、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.5mm以下、更に好ましくは0.3mm以下であり、特に好ましくは0.1mm以下である。
ナノ構造体としては、その形状の点から、異方性ナノ粒子、ナノワイヤー、ナノチューブ、ナノロッド、ナノシート等が挙げられるが、合成が容易となるので、ナノロッド、ナノチューブ、ナノワイヤーが好ましい。なお、ナノロッドのアスペクト比は、好ましくは1.5〜20であり、より好ましくは5〜15である。また、ナノワイヤーのアスペクト比は、好ましくは20〜105であり、より好ましくは100〜104である。
銀としては、その形状の点から、異方性銀ナノ粒子、銀ナノワイヤー、銀ナノチューブ、銀ナノロッド、銀ナノシート等が挙げられるが、合成が容易となるので、銀ナノロッド、銀ナノチューブ、銀ナノワイヤーが好ましく、銀ナノワイヤーがより好ましい。
本発明におけるアスペクト比が1.5以上の導電材料は、市販の物や当技術分野で公知の方法で製造することができる。例えば、液相法や気相法等の製造法を用いることができる。金ナノ構造体の製造方法としては、特開2006−233252号公報に記載の製造方法等が挙げられる。銀ナノ構造体の製造方法としては、Xia,Y. et al., Chem. Mater.(2002)、14、4736−4745、Xia,Y. et al., Nano Letters(2003)3、955−960及びXia,Y. et al., J. Mater. Chem.,(2008)18、437−441に記載の製造方法が挙げられる。銅ナノ構造体の製造方法としては、特開2002−266007号公報に記載の製造方法が挙げられる。コバルトナノ構造体の製造方法としては、特開2004−149871号公報に記載の製造方法が挙げられる。導電性高分子ナノ材料の製造方法としては、「最新 導電性材料 技術大全集(下巻)−設計・配合から応用事例まで−」(2007年、技術情報協会)に記載の製造方法が挙げられる。
本発明において塗布法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等が挙げられる。
陽極材料を塗布法により塗布する場合、溶液からの成膜を用いてもよい。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、陽極に用いる陽極材料を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、へプタン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド溶媒が例示される。これらの溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
陽極は2層以上の積層構造としてもよい。この場合、例えば、塗布法により陽極を順次積層してもよいし、塗布法により別個に作製した陽極をラミネート法により張り合わせてもよい。
陽極は、アスペクト比が1.5以上の導電材料の他に、更にイオン性化合物を含んでいてもよい。
ここでいうイオン性化合物とは、カチオンとアニオンとを含む化合物である。イオン性化合物には、水和水、若しくは中性配位子、又はこれらの両方が含まれていてもよい。中性配位子とは、配位結合可能な孤立電子対を有する非イオン性の化合物であり、イオン性化合物と結合した場合、イオン性化合物の酸化数を変化させない化合物をいう。中性配位子としては、例えば、ピリジン、2,2’−ビピリジル、フェナントロリン、ターピリジン、トリフェニルホスフィン、一酸化炭素、クラウンエーテルが挙げられる。
カチオンとしては、例えば、金属カチオン、有機カチオン、アンモニウムカチオンが挙げられ、カチオンの安定性が優れるので、金属カチオンが好ましい。
金属カチオンとしては、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、その他の典型金属カチオン、遷移金属カチオンが挙げられ、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオンが好ましい。
アルカリ金属カチオンとしては、Li+、Na+、K+、Rb、Cs+、Frが挙げられ、Li+、Na+、K+、Rb、Cs+が好ましく、Cs+が更に好ましい。
アルカリ土類金属カチオンとしては、例えば、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+が挙げられる。
その他の典型金属カチオンとしては、例えば、Zn2+、Cd2+、Hg+、Hg2+、Al3+、Ga3+、In3+、Ge4+、Sn2+、Sn4+、Pb2+、Pb4+、Bi3+、Tl、Tl3+、が挙げられる。
遷移金属カチオンとしては、例えば、Sc3+、Ti4+、V3+、V5+、Cr2+、Cr3+、Mn2+、Mn3+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu、Cu2+、Y3+、Zr4+、Nb3+、Nb5+、Mo4+、Mo6+、Ru4+、Rh3+、Pd、Pd2+、Ag、Sb3+、La3+、Ce3+、Ce4+、Eu3+、Hf4+、Ta5+、W6+、Re6+、Os2+、Os4+、Ir4+、Pt2+、Pt4+が挙げられる。
有機カチオンとしては、例えば、有機オニウムカチオンが挙げられ、その例としては、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン等の含窒素芳香環を有する有機オニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、有機ホスホニウムカチオンが挙げられる。
アニオンとしては、例えば、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、CN-、NO3 -、NO2 -、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、MnO4 -、CrO 2−、HSO4 -、OCN-、SCN-、BF4 -、PF6 -、R3-、R4COO-、R5SO3 -、R6OCO2 -、RSO2 -、R-、B(R 、HCO3 2-、CO3 2-、S2-、SO4 2-、SO3 2-、S 2-、PO4 3-、HPO4 2-、H2PO4 -及びO2-が挙げられ、好ましくは、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、NO3 -、BF4 -、PF6 -、R3-、R4COO-、R5SO3 -、R6OCO2 -、RSO2 -、CO3 2-、SO4 2-及びPO4 3-であり、より好ましくは、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、NO3 -、BF4 -、PF6 -、R3-、R4COO-、R5SO3 -、CO3 2-及びSO4 2-であり、更に好ましくは、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、NO3 -、BF4 -、PF6 -、R4COO-、R5SO3 -、CO3 2-及びSO4 2-であり、特に好ましくは、F-、OH-、NO3 -、R4COO-及びCO3 2-である。
上記式中、R3、R4、R5、R6、R、R、及びRは、同一又は異なり、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基を表す。
3、R4、R5、R6、R、R、及びRで表される置換基を有していてもよいヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等の炭素原子数が1〜50のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の炭素原子数が3〜50の環状飽和ヒドロカルビル基;エテニル基、プロペニル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−ノネニル基、2−ドデセニル基等の炭素原子数が2〜50のアルケニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、4−フェニルフェニル基等の炭素原子数が6〜50のアリール基;フェニルメチル基、1−フェニレンエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、3−フェニル−1−プロピル基、4−フェニル−1−ブチル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基等の炭素原子数が7〜50のアリールアルキル基が挙げられる。炭素原子数が1〜50のアルキル基、炭素原子数が6〜50のアリール基が好ましく、炭素原子数が1〜12のアルキル基、炭素原子数が6〜18のアリール基がより好ましく、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が6〜12のアリール基が更に好ましい。ヒドロカルビル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、メルカプト基、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられ、アミノ基、1価の複素環基、メルカプト基、水酸基、カルボキシル基が好ましく、アミノ基、ピリジル基、メルカプト基、水酸基、カルボキシル基がより好ましい。前記置換基が複数個存在する場合には、複数個存在する置換基は同一でも異なっていてもよい。
以下、置換基について説明する。なお、「Cm〜Cn」(m、nはm<nを満たす正の整数である)という用語は、この用語とともに記載された有機基の炭素原子数がm〜nであることを表す。例えば、Cm〜Cnアルキル基、Cm〜Cnアルキルアリール基及びアリール−Cm〜Cnアルキル基のいずれにおいても、Cm〜Cnはアルキル基の炭素原子数がm〜nであることを表す。
前記置換基であるアルコキシ基は、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキルオキシ基であってもよく、置換基を有していてもよい。アルコキシ基の炭素原子数は、通常、1〜20であり、1〜10が好ましい。前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基及びラウリルオキシ基が挙げられる。前記アルコキシ基中の水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。フッ素原子で置換されたアルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基が挙げられる。また、該アルコキシ基には、メトキシメチルオキシ基、及び、2−メトキシエチルオキシ基も含まれる。
前記置換基であるアリールオキシ基の炭素原子数は、通常、6〜60であり、6〜48が好ましい。前記アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、及び、ペンタフルオロフェニルオキシ基が挙げられる。
1〜C12アルコキシフェノキシ基としては、例えば、メトキシフェノキシ基、エトキシフェノキシ基、プロピルオキシフェノキシ基、イソプロピルオキシフェノキシ基、ブトキシフェノキシ基、イソブトキシフェノキシ基、sec−ブトキシフェノキシ基、tert−ブトキシフェノキシ基、ペンチルオキシフェノキシ基、ヘキシルオキシフェノキシ基、シクロヘキシルオキシフェノキシ基、ヘプチルオキシフェノキシ基、オクチルオキシフェノキシ基、2−エチルヘキシルオキシフェノキシ基、ノニルオキシフェノキシ基、デシルオキシフェノキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシフェノキシ基、及び、ラウリルオキシフェノキシ基が挙げられる。
1〜C12アルキルフェノキシ基としては、例えば、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、及び、ドデシルフェノキシ基が挙げられる。
前記置換基である置換アミノ基としては、例えば、アミノ基における水素原子の1個以上が、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基からなる群から選択される1種以上の基で置換されたアミノ基が挙げられる。置換アミノ基の炭素原子数は、通常、1〜60であり、2〜48が好ましい。前記置換アミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基、フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、及び、2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基が挙げられる。
前記置換基である置換シリル基としては、例えば、シリル基における水素原子の1個以上が、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基からなる群から選択される1種以上の基で置換されたシリル基が挙げられる。置換シリル基の炭素原子数は、通常、1〜60であり、3〜48が好ましい。前記置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、イソプロピルジエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシルジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチルジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基、(フェニル−C1〜C12アルキル)シリル基、(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)シリル基、(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)シリル基、(1−ナフチル−C1〜C12アルキル)シリル基、(2−ナフチル−C1〜C12アルキル)シリル基、(フェニル−C1〜C12アルキル)ジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ(p−キシリル)シリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基等が挙げられる。
前記置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
イミン残基は、式:H−N=C<又は式:−N=CH−で表される構造を有するイミン化合物から、この構造中の水素原子1個を除いた残基を意味する。このイミン化合物としては、例えば、アルジミン、ケチミン及びアルジミン中の窒素原子に結合した水素原子がアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基等で置換された化合物が挙げられる。イミン残基の炭素原子数は、通常2〜20であり、2〜18が好ましい。イミン残基としては、例えば、一般式:−CRβ=N−Rγ又は一般式:−N=C(Rγ2(式中、Rβは水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、又はアリールアルキニル基を表し、Rγは独立に、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、又はアリールアルキニル基を表し、ただし、Rγが2個存在する場合、2個のRγは相互に結合し一体となって2価の基、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素原子数2〜18のアルキレン基として環を形成してもよい。)で表される基が挙げられる。イミン残基としては、以下の基が挙げられる。
Figure 2012216484
(式中、Meはメチル基を示し、以下、同様である。)
アミド基は、炭素原子数が通常1〜20であり、2〜18であることが好ましい。アミド基としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基等が挙げられる。
酸イミド基は、酸イミドからその窒素原子に結合した水素原子を除いて得られる残基であり、炭素原子数が通常4〜20であり、4〜18であることが好ましい。酸イミド基としては、以下の基が挙げられる。
Figure 2012216484
1価の複素環基は、置換基を有していてもよい複素環式化合物から水素原子を1個取り除いた残りの原子団である。複素環式化合物の複素環の例としては、ピリジン環、1,2−ジアジン環、1,3−ジアジン環、1,4−ジアジン環、1,3,5−トリアジン環、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、アザジアゾール環等の単環式複素環;2個以上の単環式複素環同士又は1個以上の単環式複素環と1個以上の単環式芳香環とが縮合した縮合多環式複素環;2個の複素環、又は1個の複素環と1個の芳香環とを、メチレン基、エチレン基、カルボニル基等の2価の基で橋かけした構造を有する有橋多環式複素環等が挙げられる。該複素環としては、ピリジン環、1,2−ジアジン環、1,3−ジアジン環、1,4−ジアジン環、1,3,5−トリアジン環が好ましく、ピリジン環、1,3,5−トリアジン環がより好ましい。1価の複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピラゾリル基、1,3,5−トリアゾリル基、イミダゾリル基、2,2’−ビピリジル基が挙げられる。
イオン性化合物は、下記組成式(h−1)で表される組成を含む化合物が好ましい。
m’+ aX'n’− b (h−1)
(式中、Mm’+は金属カチオンを表す。X'n’−はアニオンを表す。a、b、m’及びn’はそれぞれ独立に、1以上の整数であり、但し、a×m’=b×n’を満たす。Mm’+及びX'n’−が複数存在する場合には、それらは、各々、同一であっても異なっていてもよい。)
前記式(h−1)で表される組成を含む化合物であるイオン性化合物は、水和水、若しくは中性配位子、又はこれらの両方を含んでいてもよい。
前記式(h−1)中、a及びbは、それぞれ独立に、好ましくは1〜3の整数であり、より好ましくは1又は2である。但し、a、b、m’及びn’は、前記式(h−1)で表される化合物の全体としての電荷の偏りがない組み合わせであり、a×m’=b×n’を満たす。
前記式(h−1)中、Mm’+で表される金属カチオンの定義、具体例、好ましい例は、金属カチオン一般について前記した通りである。
前記式(h−1)中、X'n−で表されるアニオンの定義、具体例、好ましい例は、アニオン一般について前記した通りである。
イオン性化合物が水和水を含む場合、下記式(h−2)で表される構造を有することが好ましい。
m’+ aX'n’− b・n’’(HO) (h−2)
式(h−2)中、n’’は、1以上の整数を表す。Mm’+、X'n’−、a及びbの定義、具体例、好ましい例は、前述の通りである。m’及びn’の定義は前述の通りである。
前記イオン性化合物としては、例えば、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化カルシウム、フッ化ガリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム、炭酸水素バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸銅、炭酸鉄、炭酸銀、炭酸アンモニウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸銀、酢酸銅、酢酸アンモニウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸セシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸アンモニウム、硫酸銀、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸鉛、亜硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム、硝酸リチウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸セシウム、硝酸カルシウム、硝酸アンモニウム、硝酸銀、硝酸鉄、硝酸銅、硝酸コバルト、硝酸鉛、亜硝酸カリウム、リン酸リチウム、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸アルミニウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、過塩素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸カリウム、シアン酸カリウム、チオシアン酸カリウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸カルシウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸亜鉛、グルタル酸二ナトリウム、6-アミノヘキサン酸ナトリウム、チオリンゴ酸ナトリウム、4-アミノシクロヘキサンカルボン酸ナトリウム、リノール酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸セシウム、テレフタル酸ナトリウム、1-ブチル−3−メチルイミダゾリウム塩化物、1−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウム塩化物、トリメチルブチルアンモニウム塩化物、1−ヘキシル−1−メチルピロリジニウム塩化物、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられ、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化カルシウム、フッ化ガリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸セシウム、テレフタル酸ナトリウム、1-ブチル−3−メチルイミダゾリウム塩化物、1−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウム塩化物、トリメチルブチルアンモニウム塩化物、1−ヘキシル−1−メチルピロリジニウム塩化物、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートが好ましく、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化カルシウム、フッ化ガリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸セシウム、テレフタル酸ナトリウムがより好ましく、フッ化セシウム、水酸化セシウム、安息香酸セシウムが更に好ましく、水酸化セシウムが特に好ましい。これらのイオン性化合物は、水和水、若しくは中性配位子、又はこれらの両方を含んでいてもよい。
前記式(h−2)で表される化合物としては、例えば、水酸化セシウム1水和物、塩化コバルト6水和物、硫酸銅1水和物、硫酸銅3水和物、硫酸銅5水和物、硫酸ナトリウム10水和物、炭酸ナトリウム10水和物、炭酸ナトリウム1水和物、硫酸アルミニウム16水和物、塩化ニッケル6水和物、塩化スズ2水和物、ヨウ化コバルト6水和物、塩化ロジウム3水和物が挙げられ、水酸化セシウム1水和物が好ましい。
前記イオン性化合物は、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
前記イオン性化合物の分子量は、1000未満が好ましく、800未満がより好ましく、500未満が更に好ましく、300未満が特に好ましい。
本発明の発光素子の陽極がイオン性化合物を含む場合、該陽極におけるイオン性化合物の含有量は、陽極材料100重量部に対して、好ましくは0.01〜1000重量部であり、より好ましくは0.1〜100重量部、更に好ましくは1〜50重量部である。
陽極材料は、陽極の導電性と、特に光透過性を有する陽極の場合は光透過性とを著しく妨げない範囲において、他のいかなる材料と混合して用いてもよく、陽極を形成する前に混合してもよく、形成後に混合してもよい。本発明において、陽極材料と他の材料とを混合させた組成物から形成される層は陽極として扱う。
陽極材料と混合する他の材料としては正孔注入材料が好ましく、陽極材料と正孔注入材料とを混合させた組成物から形成される層は、正孔注入層と陽極との混合層である。上記のとおり正孔注入層と陽極との混合層は陽極として扱い、正孔注入材料を含む陽極という場合がある。本発明の発光素子の陽極としては、陽極材料のみからなる陽極を単独で用いてもよいし、陽極材料のみからなる陽極と正孔注入材料を含む陽極とを積層させて用いてもよいし、正孔注入材料を含む陽極を単独で用いてもよい。陽極材料のみからなる陽極と正孔注入材料を含む陽極とを積層させて用いる場合、積層させる各陽極の数や積層の順番は限定されない。例えば、陽極材料のみからなる陽極と正孔注入材料を含む陽極とを1層ずつ積層させて用いる場合、いずれの陽極が陰極側にあってもよい。
塗布法で作製した陽極の表面は凹凸が少ない方が好ましい。凹凸は高い部分と低い部分の高低差が1μm以下であることがより好ましく、100nm以下であることが更に好ましく、50nm以下であることが特に好ましく、20nm以下であることがとりわけ好ましく、10nm以下であることが殊更に好ましい。
凹凸を少なくする方法として、導電材料の融点以上での加熱、塗布した電極面への圧力の印加、一度仮の基板に塗布した膜の基板への転写、他の材料の凹部への充填等が挙げられる。
−陰極−
本発明の発光素子を形成する陰極は、基板上に形成した陰極でもよく、そのものが基板としての機能を有している陰極(陰極基板)でもよい。
本発明の発光素子を形成する基板は、陰極を形成し、電子注入層及び発光層を形成する際に化学的に変化しないものであればよく、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等のプラスチック、シリコン等からなるものである。不透明な基板の場合には、反対の陽極が光透過性を有することが好ましい。
陰極を構成する陰極材料としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫等の金属、又はそれらのうち2種以上の合金、並びにグラファイト及びグラファイト層間化合物等が用いられる。合金としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。陰極材料としては、安定性の観点からは、アルミニウム、銅、銀、金が好ましく、アルミニウム、銀、金がより好ましく、アルミニウム、銀が更に好ましい。陰極は1層のみからなるものであっても2層以上の積層構造であってもよい。
陰極の厚さは、電気伝導度や耐久性を考慮して調整すればよく、通常、10nm以上であり、好ましくは20nm以上、より好ましくは50nm以上、更に好ましくは100nm以上である。また、陰極の厚さは、通常、10μm以下であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは500nm以下である。
陰極基板の厚さは、電気伝導度や耐久性を考慮して調整すればよく、通常10nm以上であり、好ましくは100nm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは10μm以上、とりわけ好ましくは100μm以上である。
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、又は金属薄膜を熱圧着するラミネート法、塗布法等が用いられ、塗布法が好ましい。
また、陰極と電子注入層との間に、導電性高分子からなる層、又は金属酸化物、金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる層を設けてもよい。
陰極の作製方法として塗布法を用いる場合は、陰極を形成する材料として、粒子、ワイヤー、チューブ、ロッド、シート状の材料が挙げられ、アスペクト比が1.5以上の導電材料を含むものが好ましい。陰極の導電材料については陽極の導電材料と同様であり、定義、具体例、好ましい例は、前記のそれら同様である。
陰極の作製方法として塗布法を用いる場合は、溶液からの成膜を用いてもよく、その場合に用いる溶媒としては、陽極材料を塗布法で用いる場合の溶媒と同じである。
陰極材料は、陰極の導電性を妨げない範囲において、他のいかなる材料と混合して用いてもよく、陰極を形成する前に混合してもよく、形成後に混合してもよい。本発明において、陰極材料と他の材料とを混合させた組成物から形成される層は陰極として扱う。
混合してもよい材料としては、導電性高分子材料が好ましく、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニルアミン及びその誘導体等が挙げられる。
陰極材料と混合する他の材料としては電子注入材料が好ましく、陰極材料と電子注入材料とを混合させた組成物から形成される層は、電子注入層と陰極との混合層である。上記のとおり電子注入層と陰極との混合層は陰極として扱い、電子注入材料を含む陰極という場合がある。
塗布法で作製した陰極の表面は凹凸が少ない方が好ましい。凹凸は高い部分と低い部分の高低差が1μm以下であることがより好ましく、100nm以下であることが更に好ましく、50nm以下であることが特に好ましく、20nm以下であることがとりわけ好ましく、10nm以下であることが殊更に好ましい。
凹凸を少なくする方法として、導電材料の融点以上での加熱、塗布した電極面への圧力の印加、一度仮の基板に塗布した膜の基板への転写、他の材料の凹部への充填等が挙げられる。
−電子注入層−
電子注入層は、有機化合物を含み、イオン性基及び/又は極性基を有する有機化合物を含むことが好ましく、イオン性基及び極性基を共に有する有機化合物を含むことがより好ましい。前記有機化合物は共役化合物であることが好ましく、芳香族化合物であることがより好ましい。電子注入層は一層のみからなるものでも二層以上からなるものでもよい。
電子注入層が含有する有機化合物は、1種類を単独で用いても2種類以上混合して用いてもよい。
電子注入層中の有機化合物に含まれるイオン性基としては、式:−SMで表される基、式:−C(=O)SMで表される基、式:−CS2Mで表される基、式:−OMで表される基、式:−CO2Mで表される基、式:−NM2で表される基、式:−NRMで表される基、式:−PO3Mで表される基、式:−OP(=O)(OM)2で表される基、式:−P(=O)(OM)2で表される基、式:−C(=O)NM2で表される基、式:−C(=O)NRMで表される基、式:−C(=S)NRMで表される基、式:−C(=S)NM2で表される基、式:−B(OM)2で表される基、式:−BR3Mで表される基、式:−B(OR)3Mで表される基、式:−SO3Mで表される基、式:−SO2Mで表される基、式:−NRC(=O)OMで表される基、式:−NRC(=O)SMで表される基、式:−NRC(=S)OMで表される基、式:−NRC(=S)SMで表される基、式:−OC(=O)NM2で表される基、式:−OC(=O)NRMで表される基、式:−OC(=S)NM2で表される基、式:−OC(=S)NRMで表される基、式:−SC(=O)NM2で表される基、式:−SC(=O)NRMで表される基、式:−SC(=S)NM2で表される基、式:−SC(=S)NRMで表される基、式:−NRC(=O)NM2で表される基、式:−NRC(=O)NRMで表される基、式:−NRC(=S)NM2で表される基、式:−NRC(=S)NRMで表される基、式:−NR3M’で表される基、式:−PR3M’で表される基、式:−OR2M’で表される基、式:−SR2M’で表される基、式:−IRM’で表される基、及び、下記式(n−1)〜(n−13)で表される芳香族化合物中の芳香環から1個の水素原子を取り除いた残りの原子団からなる群から選ばれる少なくとも1種の基が挙げられる。
Figure 2012216484
(式中、Rは、水素原子、又は、置換基を有し若しくは有しないヒドロカルビル基を表し、Mは、金属カチオン又は置換基を有し若しくは有しないアンモニウムカチオンを表し、M’は、アニオンを表す。)
イオン性基全体の電荷が0となるように、これらの基にはM以外の別の金属カチオンが伴ってもよく、また、アニオンが伴ってもよい。
Rで示される置換基を有していてもよいヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等の炭素原子数1〜50のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の炭素原子数3〜50の環状飽和ヒドロカルビル基;エテニル基、プロペニル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−ノネニル基、2−ドデセニル基等の炭素原子数2〜50のアルケニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、4−フェニルフェニル基等の炭素原子数6〜50のアリール基;フェニルメチル基、1−フェニレンエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、3−フェニル−1−プロピル基、4−フェニル−1−ブチル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基等の炭素原子数7〜50のアラルキル基が挙げられる。炭素原子数1〜50のアルキル基、炭素原子数6〜50のアリール基が好ましく、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜18のアリール基がより好ましく、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基が更に好ましい。ヒドロカルビル基は置換基を有していてもよく、当該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられ、前記置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
Mで示される金属カチオンとしては、1価、2価又は3価のイオンが好ましく、Li、Na、K、Cs、Be、Mg、Ca、Ba、Ag、Al、Bi、Cu、Fe、Ga、Mn、Pb、Sn、Ti、V、W、Y、Yb、Zn、Zrのイオンが挙げられ、Li、Na、K、Cs、Mg、Ca、Ag、Alのイオンが好ましく、Li、Na、K、Cs、Mg、Caのイオンがより好ましく、Li、Na、K、Csのイオンが更に好ましい。
Mで示されるアンモニウムカチオンが有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられる。
M’で示されるアニオンとしては、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、SCN-、CN-、NO3 -、SO4 2-、HSO4 -、PO4 3-、HPO4 2-、H2PO4 -、BF4 -、PF6 -、CH3SO3 -、CF3SO3 -、[(CF3SO22N]-、テトラキス(イミダゾリル)ボレートアニオン、8−キノリノラトアニオン、2−メチル−8−キノリノラトアニオン、2−フェニル−8−キノリノラトアニオン等が挙げられ、F-、Cl-、Br-、I-、BF4 -、PF6 -、CH3SO3 -、CF3SO3 -、[(CF3SO22N]-、テトラキス(イミダゾリル)ボレートアニオンが好ましく、BF4 -、PF6 -、CH3SO3 -、CF3SO3 -、[(CF3SO22N]-、テトラキス(イミダゾリル)ボレートアニオンがより好ましく、CH3SO3 -、CF3SO3 -、[(CF3SO22N]-、テトラキス(イミダゾリル)ボレートアニオンが更に好ましい。
イオン性基の好ましい例としては、式:−SMで表される基、式:−OMで表される基、式:−CO2Mで表される基、式:−NM2で表される基、式:−NRMで表される基、式:−PO3Mで表される基、式:−OP(=O)(OM)2で表される基、式:−P(=O)(OM)2で表される基、式:−C(=O)NM2で表される基、式:−C(=O)NRMで表される基、式:−SO3Mで表される基、式:−SO2Mで表される基、式:−NR3M’で表される基、並びに前記式(n−1)、式(n−5)〜式(n−8)、及び式(n−13)で表される芳香族化合物中の芳香環から1個の水素原子を取り除いた残りの原子団が挙げられ、より好ましい例としては、式:−CO2Mで表される基、式:−PO3Mで表される基、式:−OP(=O)(OM)2で表される基、式:−P(=O)(OM)2で表される基、式:−SO3Mで表される基、式:−SO2Mで表される基、式:−NR3M’で表される基、並びに前記式(n−1)、式(n−5)、及び式(n−13)で表される芳香族化合物中の芳香環から1個の水素原子を取り除いた残りの原子団が挙げられ、更に好ましい例としては、式:−CO2Mで表される基、式:−SO3Mで表される基、式:−SO2Mで表される基、式:−NR3M’で表される基、並びに前記式(n−1)及び式(n−5)で表される芳香族化合物中の芳香環から1個の水素原子を取り除いた残りの原子団が挙げられ、特に好ましい例としては、式:−CO2Mで表される基及び式:−SO3Mで表される基で表される基が挙げられ、とりわけ好ましい例としては、式:−CO2Mで表される基が挙げられる。
電子注入層中の有機化合物に含まれる極性基としては、シアノ基及び下記式(I)〜(IX)で表される基からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
−O−(R’O)m−R’’ (I)
Figure 2012216484
−S−(R’S)q−R’’ (III)
−C(=O)−(R’−C(=O))q−R’’ (IV)
−C(=S)−(R’−C(=S))q−R’’ (V)
−N{(R’)qR’’}2 (VI)
−C(=O)O−(R’−C(=O)O)q−R’’ (VII)
−C(=O)−O−(R’O)q−R’’ (VIII)
−NHC(=O)−(R’NHC(=O))q−R’’ (IX)
(式(I)〜(IX)中、R’は置換基を有し又は有しないヒドロカルビレン基を表し、R’’は水素原子、置換基を有し若しくは有しないヒドロカルビル基、カルボキシル基、スルホ基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、−NRc 2、シアノ基又は−C(=O)NRc 2を表し、R’’’は置換基を有し又は有しない3価の炭化水素基を表し、mは1以上の整数を表し、qは0以上の整数を表し、Rcは置換基を有し若しくは有しない炭素原子数1〜30のアルキル基又は置換基を有し若しくは有しない炭素原子数6〜50のアリール基を表し、R’、R’’、及びR’’’の各々は複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)
式(I)〜(IX)中、R’で表されるヒドロカルビレン基としては、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基、1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、1,9−ノニレン基、1,12−ドデシレン基等の炭素原子数1〜50の飽和ヒドロカルビレン基、エテニレン基、プロペニレン基、3−ブテニレン基、2−ペンテニレン基、2−ヘキセニレン基、2−ノネニレン基、2−ドデセニレン基等の炭素原子数2〜50の不飽和ヒドロカルビレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロノニレン基、シクロドデシレン基、ノルボニレン基、アダマンチレン基等の炭素原子数3〜50の環状飽和ヒドロカルビレン基、エテニレン基、プロペニレン基、3−ブテニレン基、2−ブテニレン基、2−ペンテニレン基、2−ヘキセニレン基、2−ノネニレン基、2−ドデセニレン基等の炭素原子数2〜50のアルケニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、ビフェニル−4,4’−ジイル基等の炭素原子数6〜50のアリーレン基、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基等の炭素原子数1〜50のアルキレンオキシ基等が挙げられる。
R’は置換基を有していてもよく、該置換基としては、前記のヒドロカルビル基が有していてもよい置換基と同様の置換基が挙げられる。置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(I)〜(IX)中、R’’で表されるヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基等の炭素原子数1〜20のアルキル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基等の炭素原子数6〜30のアリール基等が挙げられる。溶解性の観点からは、メチル基、エチル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が好ましい。R’’は置換基を有していてもよく、該置換基としては、前記のヒドロカルビル基が有していてもよい置換基と同様の置換基が挙げられる。置換基が複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
前記式(I)〜式(IX)中、R’’’で表される置換基を有していてもよい3価の炭化水素基は、通常、炭素原子数が1〜50、好ましくは1〜30のものである。この置換基を有していてもよい3価の炭化水素基の例としては、メタントリイル基、エタントリイル基、1,2,3−プロパントリイル基、1,2,4−ブタントリイル基、1,2,5−ペンタントリイル基、1,3,5−ペンタントリイル基、1,2,6−ヘキサントリイル基、1,3,6−ヘキサントリイル基等の炭素原子数1〜20の非置換アルカントリイル基、及びこれらの基の中の少なくとも1個の水素原子が置換された置換アルカントリイル基;1,2,3−ベンゼントリイル基、1,2,4−ベンゼントリイル基、1,3,5−ベンゼントリイル基等の炭素原子数6〜30の非置換の3価芳香族環式基、及びこれらの基の中の少なくとも1個の水素原子が置換された基が挙げられ、共役化合物の溶媒への溶解性が良好であるので、メタントリイル基、エタントリイル基、1,2,4−ベンゼントリイル基、1,3,5−ベンゼントリイル基が好ましい。
式(I)〜(IX)中、Rcは、共役化合物の溶媒への溶解性の観点からは、メチル基、エチル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が好ましい
式(I)及び式(II)中、mは1以上の整数を表し、1〜20の整数が好ましく、3〜20の整数がより好ましく、3〜15の整数が更に好ましく、6〜10の整数が特に好ましい。式(III)〜(IX)中、qは0以上の整数を表す。qは、式(III)においては、0〜30の整数が好ましく、3〜20の整数がより好ましく、3〜10の整数が更に好ましく、6〜10の整数が特に好ましい。qは、式(IV)〜(VII)においては、0〜30の整数が好ましく、0〜20の整数がより好ましく、0〜10の整数が更に好ましく、0〜5の整数が特に好ましい。qは、式(VIII)においては、0〜30の整数が好ましく、0〜20の整数がより好ましく、3〜20の整数が更に好ましく、3〜10の整数が特に好ましい。qは、式(IX)においては、0〜30の整数が好ましく、0〜20の整数がより好ましく、0〜15の整数が更に好ましく、0〜10の整数が特に好ましい。
極性基の好ましい例としては、カルボキシル基、スルホ基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ヒドロカルビルアミノ基、シアノ基、ピロリドニル基、1価の複素環基、前記式(I)で表される基、前記式(II)で表される基が挙げられ、より好ましい例としては、カルボキシル基、スルホ基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ヒドロカルビルアミノ基、シアノ基、ピロリドニル基、ピリジル基、1,3,5−トリアジル基、前記式(I)で表される基が挙げられ、更に好ましい例としては、カルボキシル基、スルホ基、メルカプト基、アミノ基、ピロリドニル基、ピリジル基、前記式(I)で表される基が挙げられ、特に好ましい例としては、カルボキシル基、メルカプト基、アミノ基、ピロリドニル基、ピリジル基、前記式(I)で表される基が挙げられ、とりわけ好ましい例としては、カルボキシル基、メルカプト基、ピリジル基、前記式(I)で表される基が挙げられ、殊更に好ましい例としては前記式(I)で表される基が挙げられる。
電子注入層中の共役化合物は、例えば、下記式(X)で表される基、若しくは下記式(XI)で表される繰り返し単位、又はこれらの両方を有することが好ましい。
Figure 2012216484
(式中、Ar1は(n1+1)価の芳香族基であり、R1は単結合又は(m1+1)価の基であり、X1はイオン性基又は極性基を含む基である。m1及びn1は、同一又は異なり、1以上の整数であり、ただし、R1が単結合である場合、m1は1である。R1、X1及びm1が複数ある場合には、それらは、各々、同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2012216484
(式中、Ar2は(n2+2)価の芳香族基であり、R2は単結合又は(m2+1)価の基であり、X2はイオン性基又は極性基を含む基である。m2及びn2は、同一又は異なり、1以上の整数であり、ただし、R2が単結合である場合、m2は1である。R2、X2及びm2が複数ある場合には、それらは、各々、同一であっても異なっていてもよい。)
式(X)中、Ar1で表される(n1+1)価の芳香族基は、芳香環を有する有機化合物(即ち、芳香族化合物)中の芳香環から(n1+1)個の水素原子を取り除いた残りの原子団(残基)であって、置換基を有し又は有しないものを意味する。
式(XI)中、Ar2で表される(n2+2)価の芳香族基は、芳香族化合物中の芳香環から(n2+2)個の水素原子を取り除いた残りの原子団(残基)であって、置換基を有し又は有しないものを意味する。
上記の芳香族化合物としては、例えば、下記式(1)〜(95)で表される有機化合物が挙げられ、合成が容易であるので、下記式(1)〜(12)、(15)〜(22)、(24)〜(31)、(37)〜(40)、(43)〜(46)、(49)、(50)、(59)〜(76)、(92)〜(95)で表される有機化合物が好ましく、式(1)〜(3)、(8)〜(10)、(15)〜(21)、(24)〜(31)、(37)、(39)、(43)〜(45)、(49)、(50)、(59)〜(76)、(92)〜(95)で表される有機化合物がより好ましく、式(1)〜(3)、(8)、(10)、(15)、(17)、(21)、(24)、(30)、(59)、(60)、(61)で表される有機化合物が更に好ましく、式(1)〜(3)、(8)、(10)、(59)で表される有機化合物が特に好ましく、式(1)、(2)、(8)、(59)で表される有機化合物がとりわけ好ましい。
Figure 2012216484
Figure 2012216484
Figure 2012216484
Figure 2012216484
これらの芳香環を有する有機化合物における水素原子は1以上の置換基で置換されていてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基、メルカプト基、メルカプトカルボニル基、メルカプトチオカルボニル基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルチオ基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルチオカルボニル基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルジチオ基、水酸基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルカルボニル基、アミノ基、(置換基を有していてもよいヒドロカルビル)アミノ基、(置換基を有していてもよいジヒドロカルビル)アミノ基、ホスフィノ基、(置換基を有していてもよいヒドロカルビル)ホスフィノ基、(置換基を有していてもよいジヒドロカルビル)ホスフィノ基、1価の複素環基、ホルミル基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルカルボニルオキシ基、ニトロ基、式:−OP(=O)(OH)2で表される基、式:−P(=O)(OH)2で表される基、カルバモイル基、(置換基を有していてもよいヒドロカルビル)カルバモイル基、(置換基を有していてもよいジヒドロカルビル)カルバモイル基、式:−C(=S)NR2で表される基、式:−B(OH)2で表される基、式:−BR2で表される基、ホウ酸エステル残基、式:−Si(OR)3で表される基、スルホ基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルスルホ基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルスルホニル基、スルフィノ基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルスルフィノ基、式:−NRC(=O)ORで表される基、式:−NRC(=O)SRで表される基、式:−NRC(=S)ORで表される基、式:−NRC(=S)SRで表される基、式:−OC(=O)NR2で表される基、式:−SC(=O)NR2で表される基、式:−OC(=S)NR2で表される基、式:−SC(=S)NR2で表される基、式:−NRC(=O)NR2で表される基、式:−NRC(=S)NR2で表される基が挙げられる。(式中、Rは、水素原子、又は、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基を表す。)また、これらの置換基同士は結合して環を形成してもよい。
置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。
置換基である置換基を有していてもよいヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等の炭素原子数1〜50のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の炭素原子数3〜50の環状飽和炭化水素基;エテニル基、プロペニル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−ノネニル基、2−ドデセニル基等の炭素原子数2〜50のアルケニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、4−フェニルフェニル基等の炭素原子数6〜50のアリール基;フェニルメチル基、1−フェニレンエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、3−フェニル−1−プロピル基、4−フェニル−1−ブチル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基等の炭素原子数7〜50のアラルキル基が挙げられる。炭素原子数1〜50のアルキル基、炭素原子数6〜50のアリール基が好ましく、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜18のアリール基がより好ましく、炭素原子数6〜12のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基が更に好ましい。
置換基である置換基を有していてもよいヒドロカルビルチオ基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルチオカルボニル基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルジチオ基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルオキシ基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルカルボニル基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルカルボニルオキシ基とは、各基を構成する水素原子の一部又は全部(特には1〜3個、とりわけ1個又は2個)が前記ヒドロカルビル基で置換されたチオ基、チオカルボニル基、ジチオ基、オキシ基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基である。
置換基であるヒドロカルビルアミノ基、ジヒドロカルビルアミノ基、ヒドロカルビルホスフィノ基、ジヒドロカルビルホスフィノ基とは、各基を構成する水素原子の一個又は二個が前記ヒドロカルビル基で置換されたアミノ基、ホスフィノ基である。
置換基であるヒドロカルビルカルバモイル基、ジヒドロカルビルカルバモイル基とは、各基を構成する水素原子の一個又は二個が前記ヒドロカルビル基で置換されたカルバモイル基である。
置換基である式:−BR2で表される基及び式:−Si(OR)3で表される基としては、前記Rが水素原子又は前記のヒドロカルビル基である基である。ヒドロカルビル基の定義、具体例、好ましい例は、前記のそれら同様である。
置換基であるホウ酸エステル残基としては、以下の式で表される基が挙げられる。
Figure 2012216484
置換基であるヒドロカルビルスルホ基、ヒドロカルビルスルホニル基、ヒドロカルビルスルフィノ基とは、各基を構成する水素原子の一個又は二個が前記ヒドロカルビル基で置換されたスルホ基、スルホニル基、スルフィノ基である。
置換基である式:−NRC(=O)ORで表される基、式:−NRC(=O)SRで表される基、式:−NRC(=S)ORで表される基、式:−NRC(=S)SRで表される基、式:−OC(=O)NR2で表される基、式:−SC(=O)NR2で表される基、式:−OC(=S)NR2で表される基、式:−SC(=S)NR2で表される基、式:−NRC(=O)NR2で表される基及び式:−NRC(=S)NR2で表される基としては、前記Rが水素原子又は前記ヒドロカルビル基である基である。ヒドロカルビル基の定義、具体例、好ましい例は、前記のそれらと同様である。
前記の置換基のうち好ましい例としては、有機化合物の溶解性の観点から、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基、メルカプト基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルチオ基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルジチオ基、水酸基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルカルボニル基、アミノ基、(置換基を有していてもよいヒドロカルビル)アミノ基、置換基を有していてもよいジヒドロカルビルアミノ基、式:−OP(=O)(OH)2で表される基、スルホ基、1価の複素環基が挙げられ、より好ましい例としては、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基、メルカプト基、水酸基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルオキシ基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、式:−P(=O)(OH)2で表される基、スルホ基、1価の複素環基が挙げられ、更に好ましい例としては、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基、メルカプト基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいピリジル基が挙げられ、とりわけ好ましい例としては、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルオキシ基が挙げられる。
置換基である1価の複素環基は、置換基を有していてもよい複素環から水素原子を1個取り除いた残りの原子団である。複素環としては、ピリジン環、1,2−ジアジン環、1,3−ジアジン環、1,4−ジアジン環、1,3,5−トリアジン環、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、アザジアゾール環等の単環式複素環;単環式芳香環から選んだ2個以上の環が縮合した縮合多環式複素環;2個の複素環、又は1個の複素環と1個の芳香環とを、メチレン基、エチレン基、カルボニル基等の2価の基で橋かけした構造を有する有橋多環式芳香環等が挙げられ、ピリジン環、1,2−ジアジン環、1,3−ジアジン環、1,4−ジアジン環、1,3,5−トリアジン環が好ましく、ピリジン環、1,3,5−トリアジン環がより好ましい。
前記の置換基のうち好ましい例としては、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基、メルカプト基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルチオ基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルジチオ基、水酸基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルカルボニル基、アミノ基、(置換基を有していてもよいヒドロカルビル)アミノ基、置換基を有していてもよいジヒドロカルビルアミノ基、式:−OP(=O)(OH)2で表される基、スルホ基、1価の複素環基が挙げられ、より好ましい例としては、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基、メルカプト基、水酸基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルオキシ基、カルボキシル基、アミノ基、式:−P(=O)(OH)2で表される基、スルホ基、1価の複素環基が挙げられ、更に好ましい例としては、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基、メルカプト基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいピリジル基が挙げられ、とりわけ好ましい例としては置換基を有していてもよいヒドロカルビル基、置換基を有していてもよいヒドロカルビルオキシ基が挙げられる。
式(X)中、R1で表される(m1+1)価の基としては、前記置換基を有していてもよいヒドロカルビル基、又は前記1価の複素環基からm1個の水素原子を取り除いた残りの原子団が挙げられ、これらの基同士は環を形成してもよい。好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基からm1個の水素原子を取り除いた残りの原子団、置換基を有していてもよいアリール基からm1個の水素原子を取り除いた残りの原子団、1価の複素環基からm1個の水素原子を取り除いた残りの原子団、1価の複素環基で置換されたアルキル基からm1個の水素原子を取り除いた残りの原子団、1価の複素環基で置換されたアリール基からm1個の水素原子を取り除いた残りの原子団であり、より好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキル基からm1個の水素原子を取り除いた残りの原子団、フェニル基からm1個の水素原子を取り除いた残りの原子団、トリアジニル基からm1個の水素原子を取り除いた残りの原子団、トリアジニル基で置換されたアルキル基からm1個の水素原子を取り除いた残りの原子団、トリアジニル基で置換されたアリール基からm1個の水素原子を取り除いた残りの原子団であり、更に好ましくは、へキシル基からm1個の水素原子を取り除いた残りの原子団、フェニル基からm1個の水素原子を取り除いた残りの原子団、トリアジニル基で置換されたフェニル基からm1個の水素原子を取り除いた残りの原子団である。
式(XI)中、R2で表される(m2+1)価の基としては、前記置換基を有していてもよいヒドロカルビル基、又は前記1価の複素環基からm2個の水素原子を取り除いた残りの原子団が挙げられ、これらの基同士は環を形成してもよい。好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基からm2個の水素原子を取り除いた残りの原子団、置換基を有していてもよいアリール基からm2個の水素原子を取り除いた残りの原子団、1価の複素環基からm2個の水素原子を取り除いた残りの原子団、1価の複素環基で置換されたアルキル基からm2個の水素原子を取り除いた残りの原子団、1価の複素環基で置換されたアリール基からm2個の水素原子を取り除いた残りの原子団であり、より好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキル基からm2個の水素原子を取り除いた残りの原子団、フェニル基からm2個の水素原子を取り除いた残りの原子団、トリアジニル基からm2個の水素原子を取り除いた残りの原子団、トリアジニル基で置換されたアルキル基からm2個の水素原子を取り除いた残りの原子団、トリアジニル基で置換されたアリール基からm2個の水素原子を取り除いた残りの原子団であり、更に好ましくはへキシル基からm2個の水素原子を取り除いた残りの原子団、フェニル基からm2個の水素原子を取り除いた残りの原子団、トリアジニル基で置換されたフェニル基からm2個の水素原子を取り除いた残りの原子団である。
本発明で電子注入材料として用いられる共役化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は1×103〜1×107であることが好ましく、1×103〜1×106であることがより好ましい。本発明においてポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、求めることができる。
本発明における電子注入層に使用可能な電子注入材料の具体例としては、以下の式(c−1)〜(c−37)、(d−1)〜(d−47)、(e−1)〜(e−16)、(f−1)〜(f−35)、(g−1)〜(g−24)で表される繰り返し単位を有する共役化合物が挙げられる。これらの式中、n3は2以上の整数を表し、2〜30の整数が好ましく、2〜20の整数がより好ましく、6〜10の整数が更に好ましい。n4は1以上の整数を表し、1〜10の整数が好ましく、2〜6の整数が更に好ましい。これらの式中、Rは水素原子、又は、置換基を有していてもよいヒドロカルビル基を表し、炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が更に好ましい。
これらの電子注入材料の具体例における水素原子は1以上の置換基で置換されていてもよく、置換基の定義、具体例、好ましい例は、前記のそれらと同様である。
Figure 2012216484
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共役化合物としては、電荷注入性がより優れるので、式(c−1)〜(c−15)、(c−17)、(c−20)〜(c−22)、(c−24)〜(c−27)、(c−29)、(c−30)〜(c−37)、(d−1)〜(d−6)、(d−9)、(d−11)〜(d−16)、(d−22)、(d−31)〜(d−39)、(d−41)〜(d−47)、(e−1)〜(e−3)、(e−5)〜(e−16)、(f−1)〜(f−6)、(f−9)、(f−11)〜(f−16)、(f−22)、(f−31)〜(f−35)、(g−1)〜(g−13)、(g−16)〜(g−24)で表される繰り返し単位を有する共役化合物が好ましく、式(c−1)〜(c−15)、(c−17)、(c−20)〜(c−22)、(c−24)〜(c−27)、(c−29)〜(c−32)、(c−34)〜(c−37)、(d−1)〜(d−6)、(d−9)、(d−11)、(d−13)、(d−15)、(d−16)、(d−22)、(d−31)〜(d−39)、(d−41)、(d−42)、(d−47)、(e−1)、(e−5)〜(e−8)、(e−11)、(e−12)、(e−15)、(e−16)、(f−1)〜(f−6)、(f−9)、(f−11)、(f−13)、(f−15)、(f−16)、(f−22)、(f−31)、(f−34)、(f−35)、(g−1)〜(g−3)、(g−6)〜(g−13)、(g−16)〜(g−24)で表される繰り返し単位を有する共役化合物がより好ましく、式(c−1)〜(c−4)、(c−13)(c−15)、(c−20)〜(c−22)、(c−25)〜(c−27)、(c−30)〜(c−32)、(d−1)、(d−2)、(d−5)、(d−6)、(d−9)、(d−11)、(d−13)、(d−22)、(d−31)〜(d−38)、(d−41)、(d−42)、(d−47)、(e−1)、(e−5)、(e−7)、(e−8)、(e−11)、(e−12)、(e−15)、(e−16)、(f−1)、(f−2)、(f−5)、(f−6)、(f−9)、(f−11)、(f−13)、(f−22)、(f−31)、(f−34)、(f−35)、(g−1)〜(g−3)、(g−6)、(g−7)、(g−9)〜(g−13)、(g−18)〜(g−21)で表される繰り返し単位を有する共役化合物が更に好ましく、式(c−1)〜(c−4)、(c−15)、(c−22)、(c−27)、(d−6)、(d−22)、(d−34)〜(d−38)、(d−41)、(d−42)、(e−1)、(e−5)、(e−8)、(e−12)、(e−15)、(f−6)、(f−34)、(g−2)、(g−6)、(g−7)、(g−10)〜(g−12)、(g−18)〜(g−21)で表される繰り返し単位を有する共役化合物が特に好ましく、式(c−1)〜(c−4)、(d−6)、(d−34)、(d−36)〜(d−38)、(d−41)、(d−42)、(f−6)、(f−34)、(g−2)、(g−10)〜(g−12)で表される繰り返し単位を有する共役化合物がとりわけ好ましく、式(c−1)〜(c−4)、(d−38)、(d−41)、(d−42)で表される繰り返し単位を有する共役化合物が殊更に好ましい。
共役化合物は、ドーパントをドープして使用することができる。このドーパントは、共役化合物100重量部に対して、1〜50重量部の割合で用いることが好ましい。
ドーパントとしては、ハロゲン、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸、ニトリル化合物、有機金属化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。ハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素、ハロゲン化合物としては、塩化ヨウ素、臭化ヨウ素、フッ化ヨウ素等が挙げられる。ルイス酸としては、五フッ化リン、五フッ化ヒ素、五フッ化アンチモン、三フッ化硼素、三塩化硼素、三臭化硼素、無水硫酸等が挙げられる。プロトン酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、硼フッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸と、カルボン酸、スルホン酸等の有機酸が挙げられる。有機カルボン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等のカルボニル基を有するもの、例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフエニル酢酸が挙げられる。有機スルホン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等のスルホ基を有するもの、例えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸等の分子内に1つのスルホ基を有するスルホン酸化合物と、エタンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、デカンジスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、トルエンジスルホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベンゼンジスルホン酸、メチルナフタレンジスルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸等のスルホ基を複数個有するスルホン酸化合物が挙げられる。また、本発明に用いるドーパントとして、有機酸はポリマー酸であってもよい。ポリマー酸としては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアリルスルホン酸、ポリメタリルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸が挙げられる。ニトリル化合物としては、共役結合に二つ以上のシアノ基を含む化合物が挙げられる。この化合物としては、テトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノアザナフタレン等が挙げられる。
有機金属化合物の例としては、トリス(4−ブロモフェニル)アンモニウムヘキサクロロアンチモネート、ビス(ジチオベンジル)ニッケル、ビス(テトラブチルアンモニウム)ビス(1,3−ジチオール−2−チオン−4,5−ジチオラト)亜鉛錯体、テトラブチルアンモニウムビス(1,3−ジチオール−2−チオン−4,5−ジチオラト)ニッケル(III)錯体が挙げられる。アルカリ金属としては、Li、Na、K、Rb、Cs等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba等が挙げられる。
電子注入層は、有機化合物の他に、更にイオン性化合物を含んでいてもよい。
イオン性化合物の例、並びにその具体例及び好ましい例は、前記の通りである。
前記イオン性化合物は、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
前記イオン性化合物の分子量は、1000未満が好ましく、800未満がより好ましく、500未満が更に好ましく、300未満が特に好ましい。
本発明の発光素子の電子注入層がイオン性化合物を含む場合、該電子注入層におけるイオン性化合物の含有量は、前記電子注入層中の有機化合物100重量部に対して、好ましくは0.01〜1000重量部であり、より好ましくは0.1〜100重量部、更に好ましくは1〜50重量部である。
電子注入層の形成方法としては、真空蒸着法、塗布法が挙げられ、塗布法が好ましい。
塗布法の定義、具体例、好ましい例は、前記のそれらと同様である。
本発明の発光素子において、陽極及び電子注入層の少なくとも一方は、イオン性化合物を含むことが好ましく、素子の安定性の観点から、電子注入層がイオン性化合物を含むことが好ましい。
−発光層−
本発明の発光素子の発光層は、電界印加時に陽極又は正孔注入層より正孔を注入することができ、陰極又は電子注入層より電子を注入することができる機能、注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる機能、電子と正孔の再結合の場を提供し、これを発光につなげる機能を有するものである。発光層は一層のみからなるものでも二層以上からなるものでもよい。発光材料としては、有機化合物を含み、有機化合物としては公知の低分子量の化合物、高分子量の化合物、三重項発光錯体が挙げられる。
前記低分子量の化合物としては、ナフタレン誘導体、アントラセン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系等の色素類、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン及びその誘導体、テトラフェニルブタジエン及びその誘導体が挙げられる。具体的には、特開昭57−51781号公報、同59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
前記高分子量の化合物としては、フルオレンジイル基を繰り返し単位とする重合体及び共重合体(以下、「(共)重合体」という。)、アリーレン基を繰り返し単位とする(共)重合体、アリーレンビニレン基を繰り返し単位とする(共)重合体、二価の芳香族アミン残基を繰り返し単位とする(共)重合体等が挙げられる。具体的には、例えばWO97/09394、WO98/27136、WO99/54385、WO00/22027、WO01/19834、GB2340304A、GB2348316、US573636、US5741921、US5777070、EPO707020、特開平9−111233号公報、特開平10−324870号公報、特開2000-80167号公報、特開2001−123156号公報、特開2004−168999号公報、特開2007−162009号公報、「有機EL素子の開発と構成材料」(シーエムシー出版、2006年発行)等に記載された公知のものが使用可能である。
前記三重項発光錯体としては、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)3、Btp2Ir(acac)、アメリカンダイソース社から市販されているADS066GE(商品名)、白金を中心金属とするPtOEP、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)3phenが挙げられる。
Figure 2012216484
発光層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、より好ましくは5nm〜200nmであり、更に好ましくは50nm〜150nmである。
発光層の形成方法としては、真空蒸着法、塗布法が挙げられ、塗布法が好ましい。塗布法の定義、具体例、好ましい例は、前記のそれらと同様である。
−正孔注入層−
本発明の発光素子において、正孔注入層は正孔注入材料を用いて形成可能である。本発明の発光素子は、発光層と陽極の間に正孔注入層を有することができる。正孔注入層は一層のみからなるものでも二層以上からなるものでもよい。
正孔注入材料としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレン誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、スターバースト型アミン、フタロシアニン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフイリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、有機シラン誘導体、及びこれらを含む重合体;酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の導電性金属酸化物;ポリアニリン、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子及びオリゴマー;ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸、ポリピロール等の有機導電性材料及びこれらを含む重合体;アモルファスカーボン;テトラシアノキノジメタン誘導体(例えば、2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン)、1,4−ナフトキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、ポリニトロ化合物等のアクセプター性有機化合物;オクタデシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が好適に使用できる。前記材料は単一の成分で用いても複数の成分からなる組成物として用いてもよい。また、前記正孔注入層は、前記材料のみからなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔注入層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、より好ましくは5nm〜200nmであり、更に好ましくは5nm〜100nmである。
正孔注入層の形成方法としては、真空蒸着法、塗布法が挙げられ、塗布法が好ましい。
塗布法の定義、具体例、好ましい例は、前記のそれらと同様である。
−その他の層−
本発明の発光素子は、基板、正孔輸送層、電子輸送層、インターレイヤー層、電子注入層、正孔防止層、電子防止層、電荷発生層等を更に有していてもよい。
正孔輸送層は、正孔を輸送する機能を有する層を意味する。電子輸送層は、電子を輸送する機能を有する層を意味する。インターレイヤー層は、発光層と陽極との間で発光層に隣接して存在し、発光層と陽極、又は発光層と、正孔注入層若しくは正孔輸送層とを隔離する役割をもつ層のことである。正孔防止層とは、主に陽極から注入された正孔を障壁する機能を有し、更に必要に応じて陰極から電子を受け取る機能、電子を輸送する機能のいずれかを有する層をいう。電子防止層とは、主に陰極から注入された電子を障壁する機能を有し、更に必要に応じて陽極から正孔を受け取る機能、正孔を輸送する機能のいずれかを有する層をいう。電荷発生層は、陰極方向に正孔を、陽極方向に電子を注入する層を意味する。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層という。また、電子注入層と正孔注入層を総称して電荷注入層という。正孔輸送層、電子輸送層、インターレイヤー層、電子注入層、正孔防止層、電子防止層及び電荷発生層は、各々、一層のみからなるものでも二層以上からなるものでもよい。これら各層の形成方法としては、真空蒸着法、塗布法が挙げられ、塗布法が好ましい。塗布法の定義、具体例、好ましい例は、前記のそれらと同様である。
−発光素子の製造方法−
本発明の発光素子は、例えば、各層を順次積層することにより製造することができる。
各層の形成方法は上記のとおりである。
発光素子を製造するための本発明の製造方法は、陽極を塗布法により形成することを含むものである。好ましくは、該製造方法は、更に陰極及び陽極以外のすべての層を塗布法により形成すること、言い換えれば、陽極と陰極及び陽極以外のすべての層とを塗布法により形成すること(即ち、陰極以外のすべての層を塗布法により形成すること)を含むものである。より好ましくは、該製造方法は、更に陰極を塗布法により形成すること、言い換えれば、陽極と陰極とを塗布法により形成すること、又は、陽極と陰極及び陽極以外のすべての層と陰極とを塗布法により形成すること(即ち、すべての層を塗布法により形成すること)を含むものである。
一実施形態において、本発明の発光素子は、陽極が塗布法により形成されることを特徴とする発光素子である。好ましくは、該発光素子は、更に前記陰極及び陽極以外のすべての層が塗布法により形成されること、言い換えれば、陽極と陰極及び陽極以外のすべての層とが塗布法により形成されること(即ち、陰極以外のすべての層が塗布法により形成されること)を特徴とする発光素子である。より好ましくは、該発光素子は、更に陰極が塗布法により形成されること、言い換えれば、陽極と陰極とが塗布法により形成されること、又は、陽極と陰極及び陽極以外のすべての層と陰極とが塗布法により形成されること(即ち、すべての層が塗布法により形成されること)を特徴とする発光素子である。
−発光素子の構造−
発光素子の構造には、順積層構造と逆積層構造とがある。順積層構造は、基板上に陽極、発光層、電子注入層、陰極がこの順に積層された構造であり、逆積層構造は、基板上に陰極、電子注入層、発光層、陽極がこの順に積層された構造である。
本発明の発光素子の構造としては、以下のa)〜d)の構造が例示され、逆積層構造としてはa)及びb)、順積層構造としてはc)及びd)が挙げられ、a)及びb)が好ましい。
a)陰極/電子注入層/発光層/陽極
b)陰極/電子注入層/(電子輸送層/)(正孔防止層/)発光層/(インターレイヤー層/)(電子防止層/)(正孔輸送層/)(正孔注入層/)(電荷発生層/)(電子注入層/)(電子輸送層/)(発光層/)(インターレイヤー層/)(電子防止層/)(正孔輸送層/)(正孔注入層/)陽極
c)陽極/発光層/電子注入層/陰極
d)陽極/(正孔注入層/)(正孔輸送層/)(電子防止層/)(インターレイヤー層/)発光層/(正孔防止層/)(電子輸送層/)(電子注入層/)(電荷発生層/)(正孔注入層/)(正孔輸送層/)(電子防止層/)(インターレイヤー層/)(発光層/)(正孔防止層)(電子輸送層/)電子注入層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示し、()で囲われた層は、それぞれ独立に形成されていてもされていなくてもよい。)
前記各層は、複数の層の機能を有していてもよい。
本発明の発光素子が有する陽極及び陰極の少なくとも一方は、通常、透明又は半透明であり、陽極が透明又は半透明であることが好ましい。
本発明の発光素子の別の実施形態では、陰極及び陽極の両方に光透過性の材料を用いることで、陽極、陰極ともに光透過性を有する両面発光素子を作製することができる。こうして得られた発光素子は、非発光時には光透過性を有するため透明であり、発光時には光透過性が素子の発光により妨げられるため非透過性となる。
−発光素子の応用−
本発明の発光素子を用いてディスプレイ装置を製造することができる。ディスプレイ装置は、発光素子を1画素単位として備える。画素単位の配列は、テレビ等のディスプレイ装置で通常採られる配列とすることができ、多数の画素が共通の基板上に配列された態様とすることができる。ディスプレイ装置において、基板上に配列される画素は、バンクで規定される画素領域内に形成してもよい。
<光電変換素子>
本発明の光電変換素子は、陰極、電子注入層、電荷分離層及び陽極を有する光電変換素子であって、前記電子注入層及び電荷分離層が有機化合物を含み、前記陽極がアスペクト比が1.5以上の導電材料を含む光電変換素子である。この光電変換素子は、基板、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、インターレイヤー層等を更に有していてもよい。
陽極は、アスペクト比が1.5以上の導電材料の他に、更にイオン性化合物を含んでいてもよい。また、電子注入層は、有機化合物の他に、更にイオン性化合物を含んでいてもよい。
イオン性化合物の例、並びにその具体例及び好ましい例は、前記の通りである。
前記イオン性化合物は、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
前記イオン性化合物の分子量は、1000未満が好ましく、800未満がより好ましく、500未満が更に好ましく、300未満が特に好ましい。
本発明の光電変換素子の陽極がイオン性化合物を含む場合、該陽極におけるイオン性化合物の含有量は、陽極材料100重量部に対して、好ましくは0.01〜1000重量部であり、より好ましくは0.1〜100重量部、更に好ましくは1〜50重量部である。
また、本発明の光電変換素子の電子注入層がイオン性化合物を含む場合、該電子注入層におけるイオン性化合物の含有量は、前記電子注入層中の有機化合物100重量部に対して、好ましくは0.01〜1000重量部であり、より好ましくは0.1〜100重量部、更に好ましくは1〜50重量部である。
−電荷分離層−
本発明の光電変換素子の電荷分離層には、電子供与性化合物と電子受容性化合物とが含まれていることが好ましい。
前記電荷分離層は、電子供与性化合物と電子受容性化合物の各々を一種単独で含んでいても二種以上を組み合わせて含んでいてもよい。なお、前記電子供与性化合物、前記電子受容性化合物は、これらの化合物のエネルギー準位のエネルギーレベルから相対的に決定される。
前記電子供与性化合物としては、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、共役高分子化合物が挙げられ、前記共役高分子化合物としては、オリゴチオフェン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体等が挙げられる。
前記電子受容性化合物としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、C60等のフラーレン類及びその誘導体、バソクプロイン等のフェナントレン誘導体、酸化チタン等の金属酸化物、カーボンナノチューブ等が挙げられる。電子受容性化合物としては、好ましくは、酸化チタン、カーボンナノチューブ、フラーレン、フラーレン誘導体であり、特に好ましくはフラーレン、フラーレン誘導体である。
電荷分離層の厚さは、好ましくは1nm〜100μmであり、より好ましくは2nm〜1000nmであり、更に好ましくは5nm〜500nmであり、特に好ましくは20nm〜200nmである。
前記電荷分離層は如何なる製造方法で製造してもよく、該製造方法としては、例えば、真空蒸着法、塗布法が挙げられ、塗布法が好ましい。塗布法の定義、具体例、好ましい例は、前記のそれらと同様である。
−電荷分離層以外の層−
電荷分離層以外の層、即ち、陰極、電子注入層及び陽極、並びに、基板、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、インターレイヤー層等のその他の層は、本発明の発光素子について上記で説明したのと同様である。
−光電変換素子の製造方法−
本発明の光電変換素子は、例えば、各層を順次積層することにより製造することができる。各層の形成方法は上記のとおりである。
光電変換素子を製造するための本発明の製造方法は、陽極を塗布法により形成することを含むものである。好ましくは、該製造方法は、更に陰極及び陽極以外のすべての層を塗布法により形成すること、言い換えれば、陽極と陰極及び陽極以外のすべての層とを塗布法により形成すること(即ち、陰極以外のすべての層を塗布法により形成すること)を含むものである。より好ましくは、該製造方法は、更に陰極を塗布法により形成すること、言い換えれば、陽極と陰極とを塗布法により形成すること、又は、陽極と陰極及び陽極以外のすべての層と陰極とを塗布法により形成すること(即ち、すべての層を塗布法により形成すること)を含むものである。
一実施形態において、本発明の光電変換素子は、陽極が塗布法により形成されることを特徴とする光電変換素子である。好ましくは、該光電変換素子は、更に前記陰極及び陽極以外のすべての層が塗布法により形成されること、言い換えれば、陽極と陰極及び陽極以外のすべての層とが塗布法により形成されること(即ち、陰極以外のすべての層が塗布法により形成されること)を特徴とする光電変換素子である。より好ましくは、該光電変換素子は、更に陰極が塗布法により形成されること、言い換えれば、陽極と陰極とが塗布法により形成されること、又は、陽極と陰極及び陽極以外のすべての層と陰極とが塗布法により形成されること(即ち、すべての層が塗布法により形成されること)を特徴とする光電変換素子である。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<分析>
共役化合物の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製、商品名:HLC−8220GPC)を用いて、ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量として求めた。また、測定する試料は、約0.5重量%の濃度になるようにテトラヒドロフランに溶解させ、GPCに50μL注入した。更に、GPCの移動相としてはテトラヒドロフランを用い、0.5mL/分の流速で流した。検出波長を254nmに設定した。
共役化合物の構造分析は300MHzNMRスペクトロメーター(Varian社製)を用いた、1H NMR解析によって行った。また、1H NMR測定は、20 mg/mLの濃度になるように試料を可溶な重溶媒に溶解させて行った。
<合成例1>(銀ナノ構造体Aの合成)
エチレングリコール5mLを入れた50mLフラスコを150℃のオイルバスに浸漬し、このエチレングリコールを60分間空気でバブリングしながら、予備加熱を行った。予備加熱後に、空気から窒素ガスに切り替えて該フラスコ内の気体を窒素で置換し、バブリングを止めた。次いで、そこに、0.1Mの硝酸銀−エチレングリコール溶液1.5mL、0.15mol/Lのポリビニルピロリドン(以下、「PVP」と言う。シグマ−アルドリッチ製、カタログ記載の重量平均分子量:5.5×104)−エチレングリコール溶液1.5mL、及び4mmol/Lの塩化銅2水和物−エチレングリコール溶液40μLを入れ、120分間攪拌したところ、銀ナノ構造体の分散液が得られた。得られた分散液を40℃まで冷却した後、遠心分離し、沈殿物を取得した。取得した沈殿物を乾燥し、銀ナノ構造体(以下、「銀ナノ構造体A」と呼称する。)を得た。
得られた銀ナノ構造体Aを走査型電子顕微鏡(日本電子社製、商品名:JSM-5500)(以下、「SEM」と称する。)による写真から目視で確認したところ、形状はワイヤー状であり、最も短い径は約30nmであり、最も長い径は約15μmであり、前記方法により確認した少なくとも10個の銀ナノ構造体Aのアスペクト比の平均値は約500であった。
<合成例2>(共役化合物P−1の合成)
2,7−ジブロモ−9−フルオレノン52.5g(0.16mol)、サリチル酸エチル154.8g(0.93mol)、及びメルカプト酢酸1.4g(0.016mol)を3000mLフラスコに入れ、該フラスコ内の気体を窒素で置換した。そこに、メタンスルホン酸(630mL)を添加し、混合物を75℃で終夜撹拌した。混合物を放冷し、氷水に添加して1時間撹拌した。生じた固体をろ別し、加熱したアセトニトリルで洗浄した。洗浄された固体をアセトンに溶解させ、得られたアセトン溶液から固体を再結晶させ、ろ別した。得られた固体(62.7g)、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ−p−トルエンスルホネート(86.3g、0.27mmol)、炭酸カリウム(62.6g、0.45mmol)、及び18−クラウン6(7.2g、0.027mol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(670 mL)に溶解させ、溶液をフラスコへ移して105℃で終夜撹拌した。得られた混合物を室温まで放冷し、氷水へ加え、1時間撹拌した。反応液にクロロホルムを加えて分液抽出を行い、溶液を濃縮することで、2,7−ジブロモ−9,9−ビス[3−エトキシカルボニル−4−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]−フルオレン(化合物B)(51.2g)を得た。収率31%。
Figure 2012216484
下記式で表される、4,5−ジアザ−2’,7’−ジブロモ,9,9’−スピロビフルオレン(化合物C)を、K.−T. Wong,R.−T.Chen,F.−C.Fang,C.−c.Wu,Y.−T.Lin,Organic Letters誌,7巻,p.1979に記載の方法により合成した。
Figure 2012216484
アルゴンガスで内部の気体を置換した100mLのフラスコに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル810mg(3.0mmol)と、2,2’−ビピリジル469mg(3.0mmol)と、1,5−シクロオクタジエン325mg(3.0mmol)と、トルエン10mLと、ジメチルホルムアミド10mlとを加え溶解させた。そこに、前記化合物B 850mg(0.90mmmol)と化合物C 48mg(0.10mmol)とを、トルエン5mL及びジメチルホルムアミド15mLの混合液に溶解させた溶液を添加した。反応液を80℃で6時間攪拌した後、ブロモベンゼン16mg(0.10mmol)を添加し、更に80℃で1時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、メタノール300mLに滴下し、1時間攪拌したところ、固体が析出した。この固体をろ取し、塩酸、蒸留水、アンモニア水、蒸留水で順次洗浄、乾燥させることにより、共役化合物P−1を596mg得た。収率81%。
NMRの結果から共役化合物P−1は、下記式で表される繰り返し単位を、順に、9:1のモル比(原料の仕込量からの理論値)で有する。
Figure 2012216484
Figure 2012216484
共役化合物P−1のポリスチレン換算の数平均分子量は、2.0×104であった。
<合成例3>(共役化合物P−2の合成)
アルゴン雰囲気下のフラスコに、共役化合物P−1(100mg)を仕込み、テトラヒドロフラン20mL、及びエタノール2mLに溶解させた。得られた溶液に水酸化セシウム334mgを含む3mLの水溶液を加え、55℃で2時間攪拌した。得られた反応液にメタノール5mLを加え、60℃で3時間加熱しながら攪拌した後、水酸化セシウム334mgを含む3mLの水溶液を加え、65℃で2時間加熱しながら還流した。得られた反応液の溶媒を留去したところ、固体が析出した。この固体を水で洗浄した。洗浄後の固体をろ取し、乾燥させて、下記式:
Figure 2012216484
Figure 2012216484
で表される2種の繰り返し単位を、順に、9:1のモル比(原料の仕込量からの理論値)で有する共役化合物(以下、「共役化合物P−2」と言う。)を110mg得た。収率88%。NMRスペクトルにより、共役化合物P−1内のエチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが完全に消失していることを確認した。
<合成例4>(共役化合物P−3の合成)
アルゴンガスで内部の置換した1000mLのフラスコに、化合物B(15g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(8.9g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(0.8g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.5g)、酢酸カリウム(9.4g)、及びジオキサン(400mL)を入れて混合し、110℃に加熱し、10時間加熱還流させた。放冷後、反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた濃縮物をメタノールで3回洗浄し、それをトルエンに溶解させ、溶液に活性炭を加えて攪拌した。その後、ろ過を行い、ろ液を減圧濃縮することで、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル-1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ビス[3−エトキシカルボニル−4−[2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]フェニル]−フルオレン(化合物D)(11.7g)を得た。
Figure 2012216484
アルゴンガスで内部の気体を置換した100mLのフラスコに、化合物B(0.55g)、化合物D(0.61g)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.01g)、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(アルドリッチ製、商品名Aliquat336(登録商標))(0.20g)、及びトルエン(10mL)を入れて混合し、105℃に加熱した。反応液に2M 炭酸ナトリウム水溶液(6mL)を滴下し、8時間還流させた。反応液に4−tert−ブチルフェニルボロン酸(0.01g)を加え、6時間還流させた。次いで、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液(10mL、濃度:0.05g/mL)を加え、2時間撹拌した。混合溶液をメタノール300mL中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させ、テトラヒドロフラン20mLに溶解させた。得られた溶液をメタノール120mLと3重量%酢酸水溶液50mLとの混合溶媒中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過し、テトラヒドロフラン20mLに溶解させた。こうして得られた溶液をメタノール200mLに滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して固体を得た。得られた固体をテトラヒドロフランに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを通すことにより精製した。カラムから回収したテトラヒドロフラン溶液を濃縮した後、メタノールに滴下し、析出した固体をろ過し、乾燥さることにより、共役化合物(以下、「共役化合物P−3」という。)を520mg得た。
NMRの結果から共役化合物P−3は、下記式で表される繰り返し単位を有する。
Figure 2012216484
共役化合物P−3のポリスチレン換算の数平均分子量は5.2×104であった。
<合成例5>(共役化合物P−4の合成)
共役化合物P−3(200mg)を100mLフラスコに入れ、該フラスコ内の気体を窒素で置換した。そこに、テトラヒドロフラン(20mL)、及びエタノール(20mL)を添加し、混合物を55℃に昇温した。そこに、水酸化セシウム(200mg)を水(2mL)に溶解させた水溶液を添加し、55℃で6時間撹拌した。混合物を室温まで冷却した後、反応溶媒を減圧留去した。生じた固体を水で洗浄し、減圧乾燥させることで下記式:
Figure 2012216484
で表される繰り返し単位を有する共役化合物(以下、「共役化合物P−4」と言う。)を150mg得た。NMRスペクトルにより、共役化合物P−3内のエチルエステル部位のエチル基由来のシグナルが完全に消失していることを確認した。
<実施例1>(発光素子k−1の作製)
第一に、ITOが成膜されたガラス基板を小型真空蒸着装置(商品名:VPC−260F、アルバック機工(株)社製)内に挿入し、真空蒸着法によってITOの上にアルミニウムを100nm成膜することにより、陰極が形成されたガラス基板Aを得た。
第二に、共役化合物P−2とメタノールとを混合し、共役化合物P−2が0.25重量%の電子注入層用組成物を調製した。
この電子注入層用組成物をスピンコート法により、ガラス基板A中の陰極上に塗布し、厚さ10nmの塗膜を形成させた。この塗膜を形成させた基板を窒素雰囲気下で、130℃で15分間加熱し、溶媒を蒸発した後、室温まで自然に冷却させることにより、電子注入層が形成されたガラス基板Bを得た。
第三に、発光材料(サメイション(株)製、商品名:BP361)とキシレンとを混合し、発光材料が1.3重量%の発光層用組成物を調製した。
この発光層用組成物をスピンコート法により、電子注入層が形成されたガラス基板B中の電子注入層上に塗布し、厚さ80nmの塗膜を形成させた。この塗膜を形成させた基板を窒素雰囲気下で、130℃で15分間加熱し、溶媒を蒸発させた後、室温まで自然に冷却させることにより、発光層が形成されたガラス基板Cを得た。
第四に、銀ナノ構造体A(10mg)とメタノール0.5gとポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck製、PEDOT:PSS溶液、商品名:CLEVIOS(登録商標) P VP Al 4083)1.0gとを混合し、銀ナノ構造体Aが0.67重量%の、陽極と正孔注入材料との混合層用組成物j−1を調製した。
この混合層用組成物j−1をキャスティング法により、発光層が形成されたガラス基板C中の発光層上に塗布し、厚さ1μmの塗膜を形成させた。この塗膜を形成させた基板を窒素雰囲気下で、130℃で15分間加熱し、溶媒を蒸発させた後、室温まで冷却させることにより、正孔注入層と陽極との混合層が形成されたガラス基板Dを得た。
第五に、銀ナノ構造体A(10mg)とメタノール0.5gとを混合し、銀ナノ構造体Aが2.0重量%の陽極用組成物j−2を調製した。
この陽極用組成物j−2をキャスティング法により、正孔注入層と陽極との混合層が形成されたガラス基板Dの該混合層上に塗布し、厚さ1μmの塗膜を形成させた。この塗膜を形成させた基板を窒素雰囲気下で、130℃で15分間加熱し、溶媒を蒸発させた後、室温まで冷却させることにより、陽極が形成されたガラス基板Eを得た。
最後に、この陽極が形成されたガラス基板Eを、窒素雰囲気下で、封止ガラスと2液混合型エポキシ樹脂(Robnor resins社製、商品名:PX681C/NC)にて封止することにより、発光素子k−1を作製した。
発光素子k−1に12Vの順方向電圧を印加し、発光輝度を測定した結果、89cd/m2の発光輝度が得られた。発光素子k−1は塗布法により作製した逆積層構造のトップエミッション型発光素子である。
<実施例2>(発光素子k−2作製)
実施例1において、陽極と正孔注入材料との混合層用組成物j−1の代わりに、陽極用組成物j−2を用い、陽極用組成物j−2の代わりに、銀ナノ構造体A(10mg)とメタノール0.5gとポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck製、PEDOT:PSS溶液、商品名:CLEVIOS(登録商標) P VP Al 4083)0.5gとを混合して調製した、銀ナノ構造体Aが1.0重量%の、陽極と正孔注入材料との混合層用組成物j−3を用いた以外は、実施例1と同様にして、発光素子k−2を作製した。
発光素子k−2に18Vの順方向電圧を印加し、発光輝度を測定した結果、5.4cd/m2の発光輝度が得られた。発光素子k−2は塗布法により作製した逆積層構造のトップエミッション型発光素子である。
<実施例3>(発光素子k−3作製)
第一に、銀ナノ構造体A(10mg)とメタノール0.5gとを混合し、銀ナノ構造体Aが2.0重量%の陽極用組成物j−2を調製した。
この陽極用組成物j−2を、スピンコート法により、ITOが成膜されたガラス基板上に塗布し、厚さ100nmの塗膜を形成させた。この塗膜を形成させた基板を窒素雰囲気下で、130℃で15分間加熱し、溶媒を蒸発させた後、室温まで冷却させることにより、陽極が形成されたガラス基板Fを得た。
第二に、正孔注入材料溶液として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck製、PEDOT:PSS溶液、商品名:CLEVIOS(登録商標) P VP Al 4083)をスピンコート法によって、陽極が形成されたガラス基板F中の陽極上に塗布し、厚さ120nmの塗膜を形成させた。この塗膜を形成させた基板を窒素雰囲気下で、200℃で10分間加熱した後、基板を室温まで自然に冷却させることにより、正孔注入層が形成されたガラス基板Gを得た。
第三に、正孔輸送材料5.2mgとキシレン1mLとを混合し、正孔輸送材料が0.6重量%の正孔輸送層用組成物を調製した。なお、正孔輸送材料は以下の方法で合成した。
不活性ガス雰囲気下、2,7−ジブロモ−9,9−ジ(オクチル)フルオレン(1.4g、2.5mmol)、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル-1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジ(オクチル)フルオレン(6.4g、10.0mmol)、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−N’,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(4.1g、6mmol)、ビス(4−ブロモフェニル)ベンゾシクロブテンアミン(0.6g、1.5mmol)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(1.7g、2.3mmol)、酢酸パラジウム(4.5mg、0.02mmol)、トリ(2−メトキシフェニル)ホスフィン(0.03g、0.08mmol)、及びトルエン(100mL)を混合し、混合物を100℃で2時間加熱攪拌した。次いで、フェニルボロン酸(0.06g、0.5mmol)を添加し、得られた混合物を10時間撹拌した。放冷後、水層を除去し、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液を添加し攪拌した後、水層を除去し、有機層を水、3重量%酢酸水で順次洗浄した。有機層をメタノールに注いでポリマーを沈殿させた後、濾取したポリマーを再度トルエンに溶解させ、シリカゲルカラム及びアルミナカラムに通液した。ポリマーを含む溶出トルエン溶液を回収し、回収した前記トルエン溶液をメタノールに注いでポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーを濾取後50℃で真空乾燥し、正孔輸送材料である高分子化合物(12.1g)を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによれば、得られた正孔輸送材料のポリスチレン換算の重量平均分子量は3.0×105であり、分子量分布指数(Mw/Mn)は3.1であった。
正孔輸送材料は、下記式:
Figure 2012216484
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2012216484
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2012216484
で表される構成単位とを62.5:30:7.5のモル比(原料の仕込量からの理論値)を有する共重合体である。
正孔輸送層用組成物を、スピンコート法により、正孔注入層が形成されたガラス基板G中の正孔注入層上に塗布し、厚さ33nmの塗膜を形成させた。この塗膜を形成させたガラス基板を窒素雰囲気下で、200℃で20分間加熱し、塗膜を不溶化させた後、室温まで自然に冷却させることにより、正孔輸送層が形成されたガラス基板Hを得た。
第四に、発光材料とキシレンとを混合し、発光材料が1.3重量%の発光層用組成物を調製した。なお、発光材料は以下の方法で合成した。
不活性ガス雰囲気下、2,7−ジブロモ−9,9−ジ(オクチル)フルオレン(9.0g、16.4mmol)、N,N’-ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−tert−ブチル-2,6−ジメチルフェニル)1,4−フェニレンジアミン(1.3g、1.8mmol)、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジ(4−ヘキシルフェニル)フルオレン(13.4g、18.0mmol)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(43.0g、58.3mmol)、酢酸パラジウム(8mg、0.04mmol)、トリ(2−メトキシフェニル)ホスフィン(0.05g、0.1mmol)、及びトルエン(200mL)を混合し、混合物を90℃で8時間加熱攪拌した。次いで、フェニルボロン酸(0.22g、1.8mmol)を添加し、得られた混合物を14時間撹拌した。放冷後、水層を除去し、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液を添加し撹拌した後、水層を除去し、有機層を水、3重量%酢酸水で順次洗浄した。有機層をメタノールに注いでポリマーを沈殿させた後、濾取したポリマーを再度トルエンに溶解させ、シリカゲルカラム及びアルミナカラムに通液した。ポリマーを含む溶出トルエン溶液を回収し、回収した前記トルエン溶液をメタノールに注いでポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーを50℃で真空乾燥し、発光材料である高分子化合物(12.5g)を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによれば、得られた発光材料のポリスチレン換算の重量平均分子量は3.1×105であり、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.9であった。
発光材料は、下記式:
Figure 2012216484
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2012216484
で表される構成単位と、下記式:
Figure 2012216484
で表される構成単位とを50:45:5のモル比(原料の仕込量からの理論値)を有する共重合体である
この発光層用組成物をスピンコート法により、正孔輸送層が形成されたガラス基板H中の正孔輸送層上に塗布し、厚さ99nmの塗膜を形成させた。この塗膜を形成させた基板を窒素雰囲気下で、130℃で15分間加熱し、溶媒を蒸発させた後、室温まで自然に冷却させることにより、発光層が形成されたガラス基板Iを得た。
第五に、共役化合物P−4とメタノールとを混合し、共役化合物P−4が0.2重量%の電子注入層用組成物を調製した。
この電子注入層用組成物をスピンコート法により、ガラス基板I中の発光層上に塗布し、厚さ10nmの塗膜を形成させた。この塗膜を形成させた基板を窒素雰囲気下で、130℃で15分間加熱し、溶媒を蒸発した後、室温まで自然に冷却させることにより、電子注入層が形成されたガラス基板Jを得た。
第六に、上記で得た電子注入層が形成されたガラス基板Jを小型真空蒸着装置(商品名:VPC−260F、アルバック機工(株)社製)内に挿入し、真空蒸着法によって電子注入層の上にアルミニウムを厚さ100nmとなるように成膜することにより、陰極が形成されたガラス基板Kを得た。
最後に、この陰極が形成されたガラス基板Kを、窒素雰囲気下で、封止ガラスと2液混合型エポキシ樹脂(Robnor resins社製、商品名:PX681C/NC)にて封止することにより、発光素子k−3を作製した。
発光素子k−3に12Vの順方向電圧を印加し、発光輝度を測定した結果、1145cd/m2の発光輝度が得られた。発光素子k−3は塗布法により作製した順積層構造のボトムエミッション型発光素子である。
これらの結果から、本発明の発光素子は、高い発光輝度を示し、陽極が塗布法を用いて形成されるため、より高い生産性で製造できることが明らかとなった。本発明は、発光素子及びその製造において、極めて重大な寄与をするものである。

Claims (24)

  1. 陰極、電子注入層、発光層及び陽極を有する発光素子であって、前記電子注入層及び発光層が有機化合物を含み、前記陽極がアスペクト比が1.5以上の導電材料を含む発光素子。
  2. 更に基板を有し、該基板上に前記陰極、電子注入層、発光層及び陽極がこの順で積層されている請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記発光層と陽極の間に正孔注入層を有する請求項1又は2に記載の発光素子。
  4. 陽極が光透過性を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光素子。
  5. 導電材料が、金属、金属酸化物、炭素材料及びこれらの2種以上の組み合わせからなる群より選ばれる1種類以上の導電材料を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光素子。
  6. 前記金属が、銀ナノワイヤーを含む請求項5に記載の発光素子。
  7. 電子注入層に含まれる有機化合物が、イオン性基及び/又は極性基を有する有機化合物を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光素子。
  8. イオン性基が、式:−SMで表される基、式:−C(=O)SMで表される基、式:−CS2Mで表される基、式:−OMで表される基、式:−CO2Mで表される基、式:−NM2で表される基、式:−NRMで表される基、式:−PO3Mで表される基、式:−OP(=O)(OM)2で表される基、式:−P(=O)(OM)2で表される基、式:−C(=O)NM2で表される基、式:−C(=O)NRMで表される基、式:−C(=S)NRMで表される基、式:−C(=S)NM2で表される基、式:−B(OM)2で表される基、式:−BR3Mで表される基、式:−B(OR)3Mで表される基、式:−SO3Mで表される基、式:−SO2Mで表される基、式:−NRC(=O)OMで表される基、式:−NRC(=O)SMで表される基、式:−NRC(=S)OMで表される基、式:−NRC(=S)SMで表される基、式:−OC(=O)NM2で表される基、式:−OC(=O)NRMで表される基、式:−OC(=S)NM2で表される基、式:−OC(=S)NRMで表される基、式:−SC(=O)NM2で表される基、式:−SC(=O)NRMで表される基、式:−SC(=S)NM2で表される基、式:−SC(=S)NRMで表される基、式:−NRC(=O)NM2で表される基、式:−NRC(=O)NRMで表される基、式:−NRC(=S)NM2で表される基、式:−NRC(=S)NRMで表される基、式:−NR3M’で表される基、式:−PR3M’で表される基、式:−OR2M’で表される基、式:−SR2M’で表される基、式:−IRM’で表される基、及び、下記式(n−1)〜(n−13)で表される芳香族化合物中の芳香環から1個の水素原子を取り除いた残りの原子団からなる群から選ばれる少なくとも1種の基である請求項7に記載の発光素子。
    Figure 2012216484
    (式中、Rは、水素原子、又は、置換基を有し若しくは有しないヒドロカルビル基を表し、Mは、金属カチオン又は置換基を有し若しくは有しないアンモニウムカチオンを表し、M’は、アニオンを表す。)
  9. 極性基が、シアノ基及び下記式(I)〜(IX)で表される基からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項7に記載の発光素子。

    −O−(R’O)−R’’ (I)
    Figure 2012216484
    −S−(R’S)−R’’ (III)
    −C(=O)−(R’−C(=O))−R’’ (IV)
    −C(=S)−(R’−C(=S))−R’’ (V)
    −N{(R’)R’’}2 (VI)
    −C(=O)O−(R’−C(=O)O)−R’’ (VII)
    −C(=O)−O−(R’O)−R’’ (VIII)
    −NHC(=O)−(R’NHC(=O))−R’’ (IX)
    (式(I)〜(IX)中、R’は置換基を有し又は有しないヒドロカルビレン基を表し、R’’は水素原子、置換基を有し若しくは有しないヒドロカルビル基、カルボキシル基、スルホ基、水酸基、メルカプト基、−NRc 2、シアノ基又はC(=O)NRc 2を表し、R’’’は置換基を有し又は有しない3価の炭化水素基を表し、mは1以上の整数を表し、qは0以上の整数を表し、Rcは置換基を有し若しくは有しない炭素原子数1〜30のアルキル基又は置換基を有し若しくは有しない炭素原子数6〜50のアリール基を表し、R’、R’’、及びR’’’のおのおのは複数個ある場合、同一でも異なっていてもよい。)
  10. イオン性基及び/又は極性基を含む有機化合物が、共役化合物である請求項7〜9のいずれか一項に記載の発光素子。
  11. 共役化合物が、下記式(X)で表される基、若しくは下記式(XI)で表される繰り返し単位、又はこれらの両方を有する請求項10に記載の発光素子。
    Figure 2012216484
    (式中、Ar1は(n1+1)価の芳香族基であり、R1は単結合又は(m1+1)価の基であり、X1はイオン性基又は極性基を含む基である。m1及びn1は、同一又は異なり、1以上の整数であり、ただし、R1が単結合である場合、m1は1である。R1、X1及びm1が複数ある場合には、それらは、各々、同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 2012216484
    (式中、Ar2は(n2+2)価の芳香族基であり、R2は単結合又は(m2+1)価の基であり、X2はイオン性基又は極性基を含む基である。m2及びn2は、同一又は異なり、1以上の整数であり、ただし、R2が単結合である場合、m2は1である。R2、X2及びm2が複数ある場合には、それらは、各々、同一であっても異なっていてもよい。)
  12. Ar1で表される(n1+1)価の芳香族基が下記の式で表される芳香族化合物中の芳香環から(n1+1)個の水素原子を取り除いた残基であって、置換基を有し又は有しないものであり、Ar2で表される(n2+2)価の芳香族基が下記の式で表される芳香族化合物中の芳香環から(n2+2)個の水素原子を取り除いた残基であって、置換基を有し又は有しないものである請求項11に記載の発光素子。
    Figure 2012216484
  13. 前記陰極がアスペクト比が1.5以上の導電材料を含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の発光素子。
  14. 前記陽極及び電子注入層の少なくとも一方がイオン性化合物を含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の発光素子。
  15. 前記イオン性化合物が下記組成式(h−1)で表される組成を含む化合物である請求項14に記載の発光素子。

    m’+ aX'n’− b (h−1)
    (式中、Mm’+は金属カチオンを表す。X'n’−はアニオンを表す。a、b、m’及びn’はそれぞれ独立に、1以上の整数であり、但し、a×m’=b×n’を満たす。Mm’+及びX'n’−が複数存在する場合には、それらは、各々、同一であっても異なっていてもよい。)
  16. 前記金属カチオンがアルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンである請求項15に記載の発光素子。
  17. 前記電子注入層がイオン性化合物を含み、該電子注入層におけるイオン性化合物の含有量が該電子注入層中の前記有機化合物100重量部に対して0.01〜1000重量部である請求項14〜16のいずれか一項に記載の発光素子。
  18. 前記陽極が塗布法により形成される請求項1〜17のいずれか一項に記載の発光素子。
  19. 更に前記陰極及び陽極以外のすべての層が塗布法により形成される請求項18に記載の発光素子。
  20. 更に前記陰極が塗布法により形成される請求項18又は19に記載の発光素子。
  21. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法であって、陽極を塗布法により形成することを特徴とする製造方法。
  22. 更に前記陰極及び陽極以外のすべての層を塗布法により形成することを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
  23. 更に前記陰極を塗布法により形成することを特徴とする請求項21又は22に記載の製造方法。
  24. 陰極、電子注入層、電荷分離層及び陽極を有する光電変換素子であって、前記電子注入層及び電荷分離層が有機化合物を含み、前記陽極がアスペクト比が1.5以上の導電材料を含む光電変換素子。
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