JP2012215622A - 光デバイスの封止構造、及び光デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の光デバイスの封止構造は、光学素子が内部に配置された金属の筐体と、筐体の貫通孔に挿通された光ファイバとを備えた光デバイスの封止構造において、光ファイバの被覆を部分的に除去し裸線を露出させてなる裸線部の表面にZnを含む面が形成され、Znを含む面と貫通孔の内周面との間にSnを含む封止材が充填されていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
前記封止材に含まれるZnが前記裸線部の表面に偏在している構成としてもよい。
また本発明の光デバイスの製造方法によれば、裸線部の表面にZnを含む面を浸漬などにより形成した後、あるいはZnを含む面を形成しつつ、貫通孔に半田を充填して封止を行うので、従来用いていたAuなどの高価な部材を用いることはなく、且つマスクパターン等を用いて裸線部に部分的にめっきを形成する必要がなくなるため、部材コストを削減し、工程を簡素化しつつも、良好な封止性を有する光デバイスを製造することができる。
なお、以下では、光学素子の一例として光導波路素子を挙げ、光デバイスの一例として光導波路パッケージを挙げて説明するが、本発明に係る光学素子及び光デバイスはこれらに限定されるものではない。例えば、レーザーダイオードとそのパッケージや、フォトダイオードとそのパッケージであってもよい。
図1は、本発明の光デバイスの一実施の形態である光導波路パッケージを示す図である。図2は、光導波路パッケージの封止構造の説明図である。
なお、図1においては、内部に実装された光導波路素子20が見えるように、筐体10及び蓋部11の一部を切り欠いて描いている。
次に、光導波路パッケージ100の製造方法について、図3を参照しつつ説明する。
図3は、第1実施形態の光導波路パッケージの製造方法を示す図である。
なお、本実施形態は光ファイバと筐体の封止構造に特徴を有するものであるから、光導波路パッケージの製造工程のうち、光ファイバの接続工程についてのみ詳細に説明する。
光ファイバ31は、通常、図3(a)に示すように、その先端部分まで被覆32が形成されているので、ジャケットリムーバーを用いて先端部分の被覆32を除去し、裸線を露出させた裸線部33を形成する。ジャケットリムーバーとしては、ブレードで被覆32をそぎ落とす装置や、CO2レーザー等により被覆32を焼失させる装置を用いることができる。形成する裸線部33の長さは、図2(a)に示したように、光導波路素子20に接続したときに被覆32が筐体10の外側に位置する長さとする。
溶解槽52への浸漬により、Zn含有半田46の大部分は溶解除去される。しかし、裸線部33の表面では、ガラスの構成成分であるSiO2と強固に固着したZnが存在する。このZnはほとんど溶出しないため、溶解槽52から裸線部33を引き上げると、その表面にZn被膜33zが形成されたものが得られる。
以上の工程により、裸線部33表面にZn被膜33zを有する光ファイバ31を作製することができる。
このとき、裸線部33の表面にはZn被膜33zが形成されているが、Zn被膜33zはごく薄い層であるため、Zn被膜33zの膜厚を考慮した穴径を有するファイバ固定具23を新たに用意する必要はなく、裸線部33の径に合わせて形成されているこれまで使用していたファイバ固定具23を使用することができる。
本実施形態では、裸線部33の表面にZn被膜33zが形成されているため、半田材45としては、ガラスに付着しにくいSn−Ag系半田、Sn−In系半田、Sn−Ag―Cu系半田、Sn−Cu系半田、Sn−Ag−In系半田、Sn−Bi系半田等を用いることができる。これらを用いた場合にも、半田材45に含まれるSnとZn被膜33zのZnとが金属結合するため、強固な結合を得ることができる。
(*) Telcordia:Generic Reliability Assurance Requirements for Optoelectronic Devices Used in Telecommunications Equipment ,GR-468-CORE(1998).
例えば、スパッタやCVDなどの成膜法を用いてZn膜又はZn合金膜を裸線部33上に形成した後、これを加熱して裸線部33の表面とZnとを反応させることによりZnを有する層を形成し、その後にZn膜又はZn合金膜を溶解させることで、図3(d)に示したZn被膜33zを得ることができる。
次に、図4を参照して第2の実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態に係る光導波路パッケージの製造方法を示す説明図である。
半田材45としては、先の実施形態と同様のものを用いることができる。本実施形態では、裸線部33上にZn含有半田46が塗布されているため、半田材45として、ガラスに付着しにくいSn−Ag系半田、Sn−In系半田、Sn−Ag―Cu系半田、Sn−Cu系半田、Sn−Ag−In系半田、Sn−Bi系半田等を用いてもよい。これらを用いた場合にもZn含有半田46と半田材45とは強固に固着する。
したがって、従来のように裸線部33上にAuのめっき層をパターン形成する場合と比較して、大幅に工程を簡素化することができ、且つ、従来用いていたAuなどの高価な部材を用いることがなくなるため製造コストを大幅に削減することができる。また、貫通孔10aを封止する半田材45として、ガラスに付着しない半田を用いることができるため、半田付け作業に超音波印加が不要になり、作業の煩雑性の低減及び工程の簡素化を図ることができる。
次に、図5を参照して第3の実施形態について説明する。
図5は、第3実施形態に係る光導波路パッケージの製造方法を示す説明図である。
Claims (6)
- 光学素子が内部に配置された金属の筐体と、前記筐体の貫通孔に挿通された光ファイバとを備えた光デバイスの封止構造において、
前記光ファイバの被覆を部分的に除去し裸線を露出させてなる裸線部の表面にZnを含む面が形成され、
前記Znを含む面と前記貫通孔の内周面との間にSnを含む封止材が充填されていることを特徴とする光デバイスの封止構造。 - 請求項1に記載の光デバイスの封止構造において、前記封止材はZnを含有することを特徴とする光デバイスの封止構造。
- 光学素子が内部に配置された金属の筐体と、前記筐体の貫通孔に挿通された光ファイバとを備えた光デバイスの製造方法において、
前記光ファイバの被覆を部分的に除去することにより裸線が露出した裸線部を形成する工程と、
前記裸線部の表面にZnを有する層を形成する工程と
前記光ファイバを前記貫通孔に挿入し、前記Znを含む面と前記貫通孔の内周面との間にSnを含む封止材を充填する工程と、
を有することを特徴とする光デバイスの製造方法。 - 光学素子が内部に配置された金属の筐体と、前記筐体の貫通孔に挿通された光ファイバとを備えた光デバイスの製造方法において、
前記光ファイバの被覆を部分的に除去することにより裸線が露出した裸線部を形成する工程と、
前記裸線部にZn含有半田を塗布する工程と、
前記Zn含有半田を除去することにより前記裸線部の表面にZnを含む面を形成する工程と、
前記光ファイバを前記貫通孔に挿入し、前記Znを含む面と前記貫通孔の内周面との間にSnを含む封止材を充填する工程と、
を有することを特徴とする光デバイスの製造方法。 - 光学素子が内部に配置された金属の筐体と、前記筐体の貫通孔に挿通された光ファイバとを備えた光デバイスの製造方法において、
前記光ファイバの被覆を部分的に除去することにより裸線が露出した裸線部を形成する工程と、
前記裸線部にZn含有半田を塗布する工程と、
前記光ファイバを前記貫通孔に挿入し、前記裸線部上のZn含有半田と前記貫通孔の内周面との間にSnを含む封止材を充填する工程と、
を有することを特徴とする光デバイスの製造方法。 - 光学素子が内部に配置された金属の筐体と、前記筐体の貫通孔に挿通された光ファイバとを備えた光デバイスの製造方法において、
前記光ファイバの被覆を部分的に除去することにより裸線が露出した裸線部を形成する工程と、
前記光ファイバを前記貫通孔に挿入し、前記裸線部と前記貫通孔の内周面との間にZn含有半田を充填する工程と、
を有することを特徴とする光デバイスの製造方法。
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