JP2012215121A - 波力発電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水面7上に浮かぶ浮体2と、浮体2の内部にバネ4を介して取り付けられ、水面7の変動に応じて往復直線運動する振動体3と、振動体3の往復直線運動に基づいて駆動されて発電する発電機8とを備えた波力発電装置1において、浮体2の浮体の質量、浮体の付加水質量および浮体の浮力バネ係数の少なくともいずれか1つが調整可能とされている。例えば、浮体2は、その側面から外方に突出する突出体10を備え、突出体10を回転させることによって、水面7における浮体断面積が調整可能とされている。
【選択図】図2
Description
すなわち、本発明にかかる波力発電装置は、水面上に浮かぶ浮体と、該浮体の内部にバネを介して取り付けられ、水面の変動に応じて往復直線運動する振動体と、該振動体の往復直線運動に基づいて駆動されて発電する発電機と、を備えた波力発電装置において、前記浮体の浮体の質量、浮体の付加水質量および浮体の浮力バネ係数の少なくともいずれか1つが調整可能とされていることを特徴とする。
本発明は、浮体の質量mb、浮体の付加水質量mbaおよび浮体の浮力バネ係数kbの少なくともいずれか1つが調整可能とされているので、変化する実海域の波周期に応じて浮体が動揺するように浮体の固有周波数を調整することができる。これにより、波力発電装置の設備利用率を向上させることができる。
なお、本発明の発電機は、振動体の往復直線運動に基づいて駆動されて発電するものであればよく、発電機に伝達される駆動力は振動体から直接得てもよく(例えばリニア発電機)、あるいは間接的に他の機構を介して得ても良く、さらには、付加質量体を介して駆動力を得ても良い。
kb=ρgAb ・・・(2)
ここで、ρは水(例えば海水)の密度、gは重力加速度、Abは水面における浮体断面積である。
式(2)から分かるように、浮体断面積Abを変化させることによって浮力バネ係数kbを変化させることができる。本発明では、浮体の側面から外方に突出する突出体を設け、この突出体の姿勢を変化させることによって浮体断面積を調整することとした。これにより、浮体の浮力バネ係数kbを調整することができ、結果として浮体の固有周波数を調整することができる。
突出体の姿勢の変化のさせ方としては、種々の方法が適用できるが、例えば、浮体の側面から見た突出体の形状を非円形(例えば楕円形または長円形)としておき、この突出体を突出方向の軸線回りに回転させて所望の角度位置に設定することとしても良いし、或いは、突出方向に突出体を進退させてもよい。
水収容部としては、浮体本体の底部空間を利用しても良いし、或いは、浮体の側部に水タンクを設けても良い。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1及び図2には、第1実施形態にかかる波力発電装置の概略構成が示されており、図2には外観斜視図が、図2にはその内部を示した断面斜視図が示されている。
突出体10の形状は、浮体2の側面から見た場合、楕円形状または長円形状とされている。ただし、この形状は、真円でない限り、種々の形状を適用することができる。
突出体10は、浮体2内に設置された回転モータ12によって、水平方向に延在する回転軸線L1周りに回転させられるようになっている。この回転モータ12を駆動することによって、図3(a)に示すように、突出体10の長軸方向が鉛直方向を向くように位置させることができ、或いは、図3(b)に示すように、突出体10の長軸方向が水平方向を向くように位置させることができる。このようにして、浮体2の浮力バネ係数を調整する。
kb=ρgAb ・・・(2)
ここで、ρは水(例えば海水)の密度、gは重力加速度、Abは水面における浮体断面積である。
式(2)から分かるように、浮体断面積Abを変化させることによって浮力バネ係数kbを変化させることができる。
したがって、図3(a)のように位置させると、水面7にける浮体断面積Abが小さくなり、浮力バネ係数が小さくなる。一方、図3(b)のように位置させると、水面7における浮体断面積Abが大きくなり、浮力バネ係数が大きくなる。このように、突出体10を軸線L1回りに回転させて所定の角度位置で固定することによって浮体断面積Abを変更し、浮力バネ係数kbひいては下式(1)にて表される浮体2の固有振動数fn(または固有周期)を調整できるようになっている。
図4には、図1に示した波力発電装置1の振動系モデルが示されている。
同図において各記号は以下の通りである。
zm : ウェイト3の変位
zb : 浮体2の変位
mm : ウェイト3の質量
mb : 浮体2の質量
k : 浮体2−ウェイト3間バネ定数
kb : 浮力バネ定数
c : 浮体2−ウェイト3間の減衰定数(例えば発電機8)
cb : 造波減衰定数
cf : 付加質量体6の減衰定数
I : 付加質量体6の慣性モーメント
mba : 付加水質量
Ff : 波外力
浮体2の側面から外方に突出する突出体10を複数設け、これら突出体10の回転させることによって浮体断面積Abを調整することとした。これにより、浮体の浮力バネ係数kbを調整することができ、結果として浮体の固有周波数fnを調整することができる。したがって、変化する実海域の波周期に応じて浮体が動揺するように浮体の固有周波数を調整し、ウェイト3を効果的に往復直線運動させることができるので、波力発電装置の設備利用率を向上させることができる。
また、付加質量体6の質量を適宜調整することによりウェイト3の質量を小さくすることができ、さらに波力発電装置1を小型化することができる。
図5に示すように、突出体10を上下方向に複数段(同図では2段)設けることとしても良い。これにより、浮体2に対する水面7の相対位置が変化しても浮体断面積Abを容易に調整することができる。また、同図に示すように、平面視した場合に、一の段における各突出体10の周方向における配置を、他の段における突出体10の周方向配置に対してずらしても良い。
さらに、水没している突出体10は、浮体2の付加水質量mba(式(1)参照)を調整するように利用することもできる。
また、本実施形態の突出体10は、水平軸線L1回りに回転させて浮体断面積を変化させることとしたが、これに代えて或いはこれに加えて、突出体10の突出方向(浮体2の半径方向)に進退する構成として、浮体断面積を変化させる構成としても良い。
次に、本発明の第2実施形態について、図6を用いて説明する。
本実施形態は、浮体2の動揺を得てウェイト3に往復直線運動を行わせ発電機8によって電力を取り出す構成は同様であるので、同一構成については同一符号を付しその説明を省略する。本発明は、浮体2の質量mb(式(1)参照)を調整することによって浮体の固有周波数(または固有周期)を調整することに特徴がある。
浮体2の中央位置には、筒体14が立設されており、この筒体14内に、ウェイト3、バネ4、ボールネジ軸5、付加質量体6及び発電機8といった往復直線運動を行い発電を行う機構が収納されている。筒体14は、その外部から内部に水が侵入しないように水密に設けられている。
取水弁17及びポンプ19の制御は、図示しない制御部によって行われる。具体的には、制御部は、波高計等の波周期計測手段によって得られた実海域の波周期に基づいて所望の保有水量を予め得られたマップまたは関数に基づいて演算し、取水弁17及びポンプ19を制御して所望の保有水量とする。
2 浮体
3 振動体
4 バネ
6 付加質量体
7 水面
8 発電機
10 突出体
15 水収容部
19 ポンプ
Claims (6)
- 水面上に浮かぶ浮体と、
該浮体の内部にバネを介して取り付けられ、水面の変動に応じて往復直線運動する振動体と、
該振動体の往復直線運動に基づいて駆動されて発電する発電機と、
を備えた波力発電装置において、
前記浮体の浮体の質量、浮体の付加水質量および浮体の浮力バネ係数の少なくともいずれか1つが調整可能とされていることを特徴とする波力発電装置。 - 前記浮体は、その側面から外方に突出する突出体を備え、
該突出体の姿勢を変化させることによって、水面における浮体断面積が調整可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の波力発電装置。 - 前記突出体は、上下方向に複数設けられていることを特徴とする請求項2に記載の波力発電装置。
- 前記浮体内には、水を収容する水収容部が設けられ、
該水収容部の保有水量が調整可能とされていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の波力発電装置。 - 前記浮体の外部から水を前記水収容部内に取り込み、かつ/または、前記水収容部内の水を前記浮体の外部へと排出するポンプとして、水撃ポンプが用いられていることを特徴とする請求項4に記載の波力発電装置。
- 前記振動体の質量に対して、質量を付加する付加質量体を備え、
該付加質量体の付加質量が調整可能とされていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の波力発電装置。
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