JP2012214373A - 白金担持酸化チタン担体 - Google Patents

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Abstract

【課題】白金スパッタ電極の代替として低コストで得られ、且つ、電解液と電子のやり取りが容易に行え、電解液耐性、導電性及び触媒能に優れる対極が得られる材料を提供する。
【解決手段】酸化チタン担体の表面に、白金微粒子が担持されてなる白金担持酸化チタン担体であって、前記酸化チタン担体は、平均粒子径が1〜100nmの酸化チタン微粒子からなり、且つ、該酸化チタン担体を構成する酸化チタン微粒子の30%以上が、マグネリ相構造の結晶形態を有し、前記白金微粒子は、平均粒子径が1〜5nmである、白金担持酸化チタン担体。当該白金担持酸化チタン担体は、色素増感太陽電池等の光電変換素子の正極用材料として好適である。
【選択図】なし

Description

本発明は、色素増感太陽電池等の光電変換素子の正極に好適に用いられる白金担持酸化チタン担体及びそれを用いた光電変換素子に関する。
太陽電池は、環境にやさしい発電デバイスとして注目されており、pn接合を利用したシリコン系半導体が広く知られている。しかし、シリコン系太陽電池は製造に際して高真空・高温が必要であり、低コスト化が難しく、普及が妨げられていた。
より低コストの太陽電池の開発が待たれる中、色素を修飾した二酸化チタン粒子等を活性電極に用いた色素増感太陽電池がグレッツェルらによって報告された(特許文献1参照)。色素増感太陽電池は、安価で容易に製造できる太陽電池として注目を集めている。
一般に、色素増感太陽電池は、活性電極(負極)、対極(正極)、電解液、集電線及び封止材で構成されており、対極は活性電極で発電した電子を再び電解液に戻す役割を果たしている。
なかでも、対極に求められる条件としては、例えば、電解液と電子のやり取りが容易に行えること、電解液への耐性があること等が挙げられるが、前者の利点から白金スパッタ電極が用いられてきた。
しかし、色素増感太陽電池を実用化する場合、白金スパッタ電極を用いるとコストが非常に高くなるため、白金スパッタ電極の代替としてカーボン電極を用いる検討がなされてきた(特許文献2)。白金スパッタ電極の代替としてのカーボン電極は低コスト且つ電解液耐性がある程度あるという利点がある一方、触媒能、導電性等に劣るという欠点があった。
そこで、これらの白金スパッタ電極の代替としてのカーボン電極にPt微粒子を少量添加する手法で触媒能を向上させる検討が行われ、白金スパッタ電極と同等の触媒能が得られている(特許文献3)。しかしながら、導電性と触媒能、電解液耐性を兼ね備える対極は得られていない。
以上から、低コストで得られ、且つ、電解液と電子のやり取りが容易に行え、電解液耐性、導電性及び触媒能に優れた対極は得られていないのが現状である。
特公平8−15097号公報 特許第4387652号 特開2005−310722号公報
Monolithic Ti4O7Ebonex Ceramic
本発明は、上記の従来技術に鑑みてなされたものであって、白金スパッタ電極の代替として低コストで得られ、且つ、電解液と電子のやり取りが容易に行え、電解液耐性、導電性及び触媒能に優れる対極が得られる材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を鑑み、鋭意検討を行い、カーボンと同様に高い電解液耐性を有する酸化チタンの中でも、マグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンに着目した。このマグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンは、二酸化チタンから酸素が抜けた構造(TiOx;x=1.75〜1.95)を有しており、高導電性、高耐食性等の特徴を有する。そして、このマグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンに白金微粒子を担持すれば、白金スパッタ電極ほどコストが高騰することなく、しかも、電解液と電子のやり取りが容易に行え、電解液耐性、導電性及び触媒能に優れる対極が得られることを見出し、さらに研究を重ね、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の項1〜13の白金担持酸化チタン担体及びそれを用いた光電変換素子を包含する。
項1.酸化チタン担体の表面に、白金微粒子が担持されてなる白金担持酸化チタン担体であって、
前記酸化チタン担体は、平均粒子径が1〜100nmの酸化チタン微粒子からなり、且つ、該酸化チタン担体を構成する酸化チタン微粒子の30%以上が、マグネリ相構造の結晶形態を有し、
前記白金微粒子は、平均粒子径が1〜5nmである、白金担持酸化チタン担体。
項2.前記白金微粒子の平均粒子径の、前記酸化チタン微粒子の平均粒子径に対する比(白金微粒子の平均粒子径/酸化チタン微粒子の平均粒子径)が、1/100〜1/2である、項1に記載の白金担持酸化チタン担体。
項3.前記白金微粒子の担持量が、0.1〜40重量%である、項1又は2に記載の白金担持酸化チタン担体。
項4.前記酸化チタン担体が、前記酸化チタン微粒子からなる管状、繊維状又は板状の酸化チタン構造体である、項1〜3のいずれかに記載の白金担持酸化チタン担体。
項5.前記酸化チタン構造体が、前記酸化チタン微粒子が連なってなる、項4に記載の白金担持酸化チタン担体。
項6.前記酸化チタン構造体が、管状である、項4又は5に記載の白金担持酸化チタン担体。
項7.前記酸化チタン構造体の肉厚が1〜250nmである、項6に記載の白金担持酸化チタン担体。
項8.前記酸化チタン構造体は、さらに、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン及びブルッカイト型酸化チタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、項4〜7のいずれかに記載の白金担持酸化チタン担体。
項9.前記酸化チタン構造体は、長軸に直交する平均直径が5〜500nm、長軸の平均長さが0.1〜1000μmであり、平均アスペクト比が3〜200000である、項4〜8のいずれかに記載の白金担持酸化チタン担体。
項10.前記酸化チタン担体が、平均粒子径が1〜100nmの酸化チタン微粒子である、項1〜3のいずれかに記載の白金担持酸化チタン担体。
項11.マグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンが、一般式(1):
TiOx
(式中、xは1.75〜1.95である)
で示される、項1〜10のいずれかに記載の白金担持酸化チタン担体。
項12.項1〜11のいずれかに記載の白金担持酸化チタン担体を備える光電変換素子。
項13.前記白金担持酸化チタン担体を正極に有する、項12に記載の光電変換素子。
本発明によれば、マグネリ相構造の結晶形態を多く有する酸化チタン担体上に白金微粒子を担持させることで、白金スパッタ電極の代替として低コストで得られ、且つ、電解液と電子のやり取りが容易に行え、電解液耐性、導電性及び触媒能に優れる対極が得られる材料を提供することができる。
マグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンのなかでも、Tiが最も導電性が高いことを示すグラフである。 実施例1において、白金担持前の酸化チタンナノチューブ(比較例2の酸化チタンナノチューブ)の表面状態を示す電子顕微鏡(SEM;30000倍)写真である。 実施例1の白金担持酸化チタンナノチューブの表面状態を示す電子顕微鏡(SEM;50000倍)写真である。
1.白金担持酸化チタン担体
本発明の白金担持酸化チタン担体は、酸化チタン担体の表面に、白金微粒子が担持されてなる。ここで、酸化チタン担体は、平均粒子径が1〜100nmの酸化チタン微粒子からなり、当該酸化チタン微粒子は、その30%以上がマグネリ層構造の結晶形態を有する酸化チタンである。また、白金微粒子は、平均粒子径が1〜5nmである。
なお、本発明において、「酸化チタン」又は「チタニア」とは、二酸化チタン(TiO)のみを指すものではなく、三酸化二チタン(Ti);一酸化チタン(TiO);Ti、Ti等に代表される二酸化チタンから酸素欠損した組成のもの等も含むものである。また、末端OH基に代表されるように一部酸化チタンの合成に起因するTi−O−Ti以外の基を含んでいてもよい。
<酸化チタン担体>
本発明で使用する酸化チタン担体としては、管状、繊維状、板状の酸化チタン構造体でもよいし、酸化チタン微粒子そのものでもよい。特に、活性表面積を大きくできる点から、管状の酸化チタン構造体が好ましい。なお、具体的には、酸化チタンナノチューブ、酸化チタン微粒子のいずれでもよいが、酸化チタンナノチューブが好ましい。
(1)酸化チタンナノチューブ
酸化チタンナノチューブとしては、特許第3513738号、特許第3983533号等に記載の一般的な酸化チタンナノチューブでは、マグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンを含まないので、マグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタン微粒子を30%以上有する酸化チタンナノチューブを使用する。
酸化チタン微粒子の平均粒子径は、1〜100nm、好ましくは10〜50nmである。このように、酸化チタン微粒子の平均粒子径を上記範囲内とすることで、活性表面積を大きくすることができるため、より多くの白金微粒子を担持し、電解液と電荷交換しやすくすることができる。なお、酸化チタン微粒子の平均粒子径は、例えば、電子顕微鏡(SEM又はTEM)観察等により測定することができる。
酸化チタン微粒子は、その30%以上、好ましくは50%以上が、マグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンである。酸化チタン微粒子の30%以上を、マグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンとすることで、導電性を向上させることができる。
マグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンとは、一般式(1):
TiOx
(式中、xは1.75〜1.95である)
で示され、なかでもxが1.75〜1.85のものは金属と同程度の導電性を有するものである。具体的には、例えば、Ti、Ti、Ti11、Ti15等が挙げられる。中でも、より導電性の高いTiが好ましい(図1、非特許文献1参照)。これらのマグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
酸化チタン微粒子の結晶構造は、例えば、X線回折、電子線回折、ラマン分光分析等により測定することができる。
また、酸化チタンナノチューブは、上記のマグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタン以外にも、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン等を含んでいてもよい。マグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタン以外の酸化チタンを含む場合には、上記の3種類のなかでも、粒径が小さく、光活性が高い点から、アナターゼ型酸化チタンが好ましい。なお、上記3種類のうち、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
また、酸化チタンナノチューブは、充分な表面積を有しつつ、効率よく電子を伝達する点から、長軸に直交する平均直径が5〜500nm、長軸の平均長さが0.1〜1000μm、平均アスペクト比(長軸の平均長さ/長軸に直交する平均直径)が3〜200000であるものが好ましく、長軸に直交する平均直径が5〜500nm、長軸の平均長さが0.1〜1000μm、平均アスペクト比(長軸の平均長さ/長軸に直交する平均直径)が3〜5000であるものがより好ましく、長軸に直交する平均直径が7〜300nm、長軸の平均長さが1〜50μm、平均アスペクト比が10〜3000であるものがさらに好ましい。なお、酸化チタンナノチューブの直径とは、外径のことを言う。また、酸化チタン構造体の平均直径、平均長さ及び平均アスペクト比は、例えば、電子顕微鏡(SEM)観察等により測定することができる。
酸化チタンナノチューブの肉厚は、導電性を確保する点から、1〜250nm程度が好ましく、5〜200nm程度がより好ましい。なお、肉厚とは、酸化チタンナノチューブにおける外径と内径の差のことを言う。また、酸化チタンナノチューブの肉厚は、例えば、電子顕微鏡(SEM又はTEM)観察等により測定することができる。
また、マグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンを含む酸化チタンナノチューブとしては、その表面が平滑なものであってもよいし、凹凸を有していてもよいが、酸化チタン微粒子が連なってなるものが好ましい。ここで、連なってなるとは、酸化チタン微粒子が、隣接する酸化チタン微粒子と密接に接していることを示しており、ただ単に混合して得られる状態のものではないものを言う。
酸化チタンナノチューブを、酸化チタン微粒子が連なってなるものとすれば、当該酸化チタンナノチューブの表面に、微細な凹凸を形成させることができる。このように、表面に微細な凹凸を有する酸化チタンナノチューブを色素増感太陽電池用の対極(正極)に使用すれば、白金微粒子を多量に担持し、電解液との接点を増やして効率よく電子を移動させることができる。また、当該酸化チタンナノチューブは、マグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンを多く含んでいるため、隣接する酸化チタンを通して、電子を効率よく対極から運ぶことができる。
酸化チタンナノチューブは、白金触媒を多量に担持し、電解液との接点を増やして効率よく電子を移動させる点から、比表面積は10m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、80m/g以上がさらに好ましい。比表面積は、大きいほうが好ましく、上限値は特に制限されないが、3000m/g程度である。なお、比表面積は、BET法等により測定できる。
(2)酸化チタンナノチューブの製造方法
酸化チタンナノチューブは、例えば、酸化チタンの集合体を、還元雰囲気下、950℃以下で熱処理する方法により製造できる。これにより、平均粒子径が1〜100nm程度と小さい酸化チタン微粒子からなるため比表面積が大きく、酸化チタン微粒子中のマグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンの量が多い酸化チタンナノチューブが得られる。
酸化チタンの集合体としては、平均粒子径が1〜100nmの酸化チタン微粒子からなる棒状、管状又は繊維状のものであれば特に制限はなく、炭素等を含むものであってもよい。例えば、酸化チタン被覆ナノスケールカーボン、酸化チタンナノチューブ、酸化チタンナノロッド、酸化チタンナノワイヤー等が挙げられる。なかでも、還元性の固体と充分に接し、かつその固体が低温で焼失することでマグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンが形成されやすい点から、酸化チタン被覆ナノスケールカーボンが好ましい。なお、酸化チタンの集合体ではなく、酸化チタン微粒子を用いた場合は、1000℃以上という高温で熱処理しなければ、マグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンを含む酸化チタンナノチューブは得られない。また、酸化チタン微粒子を用いて1000℃以上で熱処理すると、酸化チタン微粒子同士が凝集してしまい、平均粒子径が1μm以上程度となってしまう。このため、活性比表面積を大きくすることができず、充分な触媒能が得られない。
酸化チタン被覆ナノスケールカーボンとしては、特に制限されるわけではないが、酸化チタン微粒子が連なってなる酸化チタンナノチューブが得られる点から、特開2010−24133号公報に記載のものを使用することが好ましい。好ましい材料、製造方法等についても当該文献に記載されているとおりである。
還元雰囲気としては、特に制限されるわけではないが、還元性ガスを有する雰囲気とすればよい。還元性ガスとしては、例えば、水素、一酸化炭素、一酸化窒素、不飽和炭化水素性ガス(アセチレン、エチレン等)、飽和炭化水素性ガス(メタン、エタン、プロパン等)等が挙げられ、水素、一酸化炭素及びアセチレンよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。このように、還元雰囲気下で熱処理することで、得られる酸化チタンナノチューブにおけるマグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンの含有量を大きくすることができる。
なお、本発明では、還元雰囲気とは、必ずしも、上記還元性ガスのみからなる雰囲気とする必要はなく、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガスを含んでいてもよい。不活性ガスを含む雰囲気とする場合には、還元性ガスは、50モル%以上含んでいればよい。
また、還元雰囲気で熱処理した場合でも、後述の熱処理温度を満たさない場合、つまり高温で熱処理した場合は、酸化チタン微粒子同士が凝集してしまい、平均粒子径が1μm以上程度となってしまう。このため、活性比表面積を大きくすることができず、充分な導電性が得られない。
熱処理温度は950℃以下、好ましくは650〜850℃である。上述のように、熱処理温度が高すぎると、酸化チタン微粒子同士が凝集してしまい、平均粒子径が1μm以上程度となってしまうためである。
なお、950℃以下で熱処理した場合でも、還元雰囲気でない場合、例えば大気中、不活性雰囲気下等で熱処理した場合は、得られる酸化チタンナノチューブにおけるマグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンの含有量を充分に大きくできない。
(3)酸化チタン微粒子
酸化チタン微粒子の形状は、上記の「(1)酸化チタンナノチューブ」で説明したとおり、平均粒子径は、1〜100nm、好ましくは10〜50nmである。このように、酸化チタン微粒子の平均粒子径を上記範囲内とすることで、活性表面積を大きくすることができるため、より多くの白金微粒子を担持し、電解液と電荷交換しやすくすることができる。なお、酸化チタン微粒子の平均粒子径は、例えば、電子顕微鏡(SEM又はTEM)観察等により測定することができる。この酸化チタン微粒子は、30%以上がマグネリ相構造の結晶形態を有するものである。
ただし、一般に市販されている酸化チタン微粒子は、マグネリ相構造の結晶形態を有していない。そのため、本発明では、上述したマグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンを30%以上有する酸化チタンナノチューブを粉砕することが好ましい。これにより、マグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタン微粒子を30%以上含む酸化チタンを酸化チタン担体に用いることができる。
粉砕の方法は特に制限されないが、超音波ホモジナイザー、又はビーズミル粉砕等により、一次粒子まで粉砕を行えばよい。具体的な条件としては、例えば、ビーズミル粉砕の場合には、酸化チタンナノチューブと0.1〜10mm(特に1〜5mm)のビーズを混合して1〜60時間(特に30〜50時間)粉砕すればよい。
また、酸化チタン微粒子は、上記のマグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタン以外にも、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン等を含んでいてもよい。マグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタン以外の酸化チタンを含む場合には、上記の3種類のなかでも、粒径が小さく、光活性が高い点から、アナターゼ型酸化チタンが好ましい。なお、上記3種類のうち、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
<白金微粒子>
白金微粒子の平均粒子径は、1〜5nm、好ましくは1〜3nmである。白金微粒子の平均粒子径が1nm未満では、白金微粒子同士が凝集してしまい、電解液との接点が少なくなるため、効率よく電子を移動させることができない。また、白金微粒子の平均粒子径が5nmをこえると、比表面積を大きくできず、効率よく電子を移動させることができないうえに、触媒能を向上させられない。なお、白金微粒子の平均粒子径は、例えば、電子顕微鏡(SEM又はTEM)観察等により測定することができる。
また、白金微粒子は、酸化チタン微粒子上に充分な白金を坦持させるために、上述の酸化チタン微粒子と比較して充分に小さいことが好ましい。具体的には、白金微粒子の平均粒子径の、酸化チタン微粒子の平均粒子径に対する比(白金微粒子の平均粒子径/酸化チタン微粒子の平均粒子径)は、1/100〜1/2が好ましく、1/50〜1/4がより好ましい。
さらに、白金微粒子の担持量は、触媒能を発揮させるためには多いほうがよいが、焼成時に近隣の白金微粒子同士が結合して大粒径の白金粒子とならない程度が好ましい点から、0.1〜40重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましい。なお、本明細書において、白金微粒子の担持量とは、酸化チタン担体に対する白金微粒子の割合を表す。
<担持方法>
酸化チタン担体上に、白金微粒子を担持させる方法は、特に制限されない。例えば、白金微粒子前駆体を酸化チタン担体上で還元させればよい。具体的には、白金微粒子前駆体溶液中に酸化チタン担体を浸漬するか、酸化チタン担体上に白金前駆体溶液を塗布し、その後、還元剤で白金微粒子前駆体を還元して酸化チタン担体上に白金微粒子を析出させればよい。
白金微粒子前駆体としては、特に制限されない。例えば、塩化白金酸等のハロゲン化白金酸;ヒドロキソ白金酸;又はこれらの塩等が挙げられる。具体的には、ヘキサクロロ白金酸(IV)・六水和物(HPtCl・6HO)、ヘキサヒドロキソ白金酸(IV)(HPt(OH))、テトラクロロ白金酸(IV)(HPtCl4)等が挙げられる。
白金微粒子前駆体溶液に使用する溶媒としては、白金微粒子前駆体を溶解させられるものであれば特に制限はない。例えば、水、エタノール、ブタノール、ヘキサノール、アセトニトリル等が挙げられる。白金微粒子前駆体の濃度は、1〜1000mM、好ましくは5〜500mMとすればよい。
白金微粒子前駆体溶液中に酸化チタン担体を浸漬する場合には、酸化チタン担体を直接浸漬させてもよいし、酸化チタン担体の分散液と、白金微粒子前駆体溶液とを混合してもよい。
この際、白金微粒子前駆体溶液中の白金微粒子前駆体の量は、酸化チタン担体100重量部に対して、白金重量に換算して0.1〜50重量部程度、特に1〜40重量部程度とすることが好ましい。
酸化チタン担体の分散液と、白金微粒子前駆体溶液とを混合する場合に使用する分散媒としては、特に制限はない。例えば、水、イソプロピルアルコール(IPA)、エタノール、ブタノール、ヘキサノール、アセトニトリル等が挙げられる。
白金微粒子前駆体の還元に使用する還元剤としては、特に制限されない。例えば、水素化ホウ素ナトリウム、テトラヒドロボラン、エチレングリコール、クエン酸、ホルマリン等が挙げられる。具体的には、還元剤溶液を、酸化チタン担体を浸漬した白金微粒子前駆体溶液と混合すればよい。還元剤溶液中の還元剤の濃度は、0.1〜100mM、好ましくは1〜10mMとすればよい。
上記還元させた後、乾燥処理を施してもよい。乾燥方法としては公知の乾燥手段を用いることができ、例えば、自然乾燥、加熱乾燥、熱風乾燥、高周波乾燥、超音波乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等が挙げられる。これらの手段は単独で用いてもよいが、2種以上の手段を組み合わせて用いることもできる。
上記の方法により、本発明の白金担持酸化チタン担体を得ることができる。具体的には、酸化チタン担体として酸化チタンナノチューブを用いた場合には、白金担持酸化チタンナノチューブが得られるし、酸化チタン担体として酸化チタン微粒子を用いた場合には、白金担持酸化チタン微粒子が得られる。
なお、白金担持酸化チタン微粒子は、前記白金担持酸化チタンナノチューブを粉砕することによっても得ることができる。なお、粉砕処理を施しても、担持している白金微粒子が剥離することはない。
3.光電変換素子
本発明の光電変換素子は、導電性基板(負極基板)、半導体層、電荷輸送層、触媒層及び導電性基板(正極基板)から少なくとも構成される。
導電性基板(負極基板)は、通常、基板上に電極層を有するものである。基板としては、特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる他、無色又は有色の樹脂でも良い。かかる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテン等が挙げられる。なお、本発明における基板とは、常温において平滑な面を有するものであり、その面は平面あるいは曲面であってもよく、また応力によって変形するものであってもよい。
また、電極として作用する導電膜の材料は特に限定されないが、例えば、金、銀、クロム、銅、タングステン、チタン等の金属や金属薄膜、金属酸化物からなる導電膜等が挙げられる。金属酸化物としては、例えば、錫や亜鉛等の金属酸化物に、他の金属元素を微量ドープしたIndium Tin Oxide(ITO(In:Sn))、Fluorine doped Tin Oxide(FTO(SnO:F))、Aluminum doped Zinc Oxide(AZO(ZnO:Al))、Antimony doped Tin Oxide(ATO(SnO:Sb))等が好適なものとして用いられる。
導電膜の膜厚は、通常100〜10000nm、好ましくは300〜2000nmである。また、表面抵抗(抵抗率)は適宜選択されるところであるが、通常0.5〜500Ω/sq、好ましくは1〜50Ω/sqである。
導電膜の形成法は特に限定されるものではなく、用いる金属や金属酸化物の種類により公知の方法を適宜採用することができる。通常、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法又はスパッタリング法等が用いられる。いずれの場合も基板温度が20〜700℃の範囲内で形成されるのが望ましい。
本発明の光電変換素子における導電性基板(対極基板)は、導電性材料からなる単層構造でもよいし、導電層と基板とから構成されていてもよい。基板としては、特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる他、樹脂でも良い。かかる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテン等が挙げられる。また、触媒層上に直接導電性材料を塗布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)して対極を形成しても良い。
導電性材料としては、白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属;炭素材料;導電性有機物等の比抵抗の小さな材料が用いられる。
また、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いても良い。金属リードは白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属からなるのが好ましく、アルミニウム又は銀からなるのが特に好ましい。
触媒層としては、上述した本発明の白金担持酸化チタン担体からなるものを使用する。この触媒層は、必ずしも本発明の白金担持酸化チタン担体のみからなるものである必要はなく、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、ポリアニリン、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン等と混合してもよい。
導電性基板(正極基板)上に触媒層を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、本発明の白金担持酸化チタン担体を含むペーストを調製し、導電性基板(正極基板)上に塗布して焼成する方法等が挙げられる。この際、ペーストの溶媒としては、水、有機溶媒などを用いることができる。
有機溶媒としては、本発明の白金担持酸化チタン担体を分散できるものであれば、特に限定はない。例えば、エタノール、メタノール、テルピネオール等のアルコール類;エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類等を用いることができる。これらの溶媒は、分散性と揮発性、粘度を考慮し、単独又は混合して用いられる。ペースト中の溶媒の割合としては、塗布時に流動性を持たせる点と塗布後の厚みを保持する点から、50〜90重量%が、特に60〜75重量%が好ましい。
分散液の成分として、上記の溶媒以外に、増粘剤等を含んでもよい。
増粘剤としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース等のアルキルセルロース等が挙げられる。なかでも、アルキルセルロース、特にエチルセルロースを好適に用いることができる。
ペースト中の増粘剤の割合としては、塗布時の流動性と塗布後の厚みのバランスをとる点から、2〜20重量%が、特に3〜15重量%が好ましい。
ペースト中の固形分の割合としては、上記と同様に塗布時の流動性と塗布後の厚みのバランスの点から、1〜50重量%%が、特に5〜30重量%が好ましい。さらにその固形分中において、本発明の白金担持酸化チタン担体と他の材料とを併用する場合には、本発明の白金担持酸化チタン担体を1〜90重量%(特に50〜80重量%)含んでいることが好ましい。
このようにして得られる触媒層及び導電性基板(正極基板)からなる正極は、電荷移動抵抗が3.0Ω・cm以下が好ましく、1.0Ω・cm以下がより好ましい。電荷移動抵抗は、小さいほうが好ましく、下限値は特に制限されないが、0.1Ω・cm程度である。また、前記触媒層及び導電性基板(正極基板)からなる正極は、電極抵抗が1.0Ω以下が好ましく、0.2Ω以下がより好ましい。電極抵抗は、小さいほうが好ましく、下限値は特に制限されないが、0.001Ω程度である。なお、電荷移動抵抗及び電極抵抗は、例えば、交流インピーダンス測定等により測定することができる。
半導体層としては、酸化チタン材料を使用する。例えば、公知又は市販の酸化チタン微粒子、一般的な酸化チタンナノチューブ(特許第3513738号、特許第3983533号等)、酸化チタン微粒子が連なってなる酸化チタンナノチューブ(特開2010−24132号公報)、ナノスケールカーボンチューブの表面が、酸化チタン微粒子が連なってなる被覆層で被覆されているもの(特開2010−24133号公報)等を単独又は混合して使用すればよい。
導電性基板(負極基板)上に半導体層を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、上記の酸化チタン材料を含むペーストを調製し、導電性基板(負極基板)上に塗布して焼成する方法等が挙げられる。この際、ペーストの溶媒としては、水、有機溶媒等を用いることができる。
有機溶媒としては、上記の酸化チタン材料を分散できるものであれば、特に限定はない。例えば、エタノール、メタノール、テルピネオール等のアルコール類;エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類等を用いることができる。これらの溶媒は、分散性と揮発性、粘度を考慮し、通常混合して用いられる。ペースト中の溶媒の割合としては、塗布時に流動性を持たせる点と塗布後の厚みを保持する点、また多孔質の酸化チタンを形成する点から、50〜90重量%が、特に60〜75重量%が好ましい。
分散液の成分として、上記の溶媒以外に、増粘剤等を含んでもよい。
増粘剤としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース等のアルキルセルロース等が挙げられる。なかでも、アルキルセルロース、特にエチルセルロースを好適に用いることができる。
ペースト中の増粘剤の割合としては、塗布時の流動性と塗布後の厚みのバランスをとる点から、2〜20重量%が、特に3〜15重量%が好ましい。
ペースト中の固形分の割合としては、上記と同様に塗布時の流動性と塗布後の厚みのバランスの点から、10〜50重量%が、特に10〜30重量%が好ましい。
本発明の光電変換素子においては、半導体層の光吸収効率を向上すること等を目的として、半導体層に色素を担持(吸着、含有など)させたものが用いられる。
色素は、可視域や近赤外域に吸収特性を有し、半導体層の光吸収効率を向上(増感)させる色素であれば特に限定されないが、金属錯体色素、有機色素、天然色素、半導体等が好ましい。また、半導体層への吸着性を付与するために、色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スルホニルアルキル基、ホスホニルアルキル基等の官能基を有するものが好適に用いられる。
金属錯体色素としては、例えば、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、亜鉛、水銀の錯体(例えば、メリクルクロム等)や、金属フタロシアニン、クロロフィル等を用いることができる。また、有機色素としては、例えば、シアニン系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、金属フリーフタロシアニン系色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。色素として用いることができる半導体としては、i型の光吸収係数が大きなアモルファス半導体や直接遷移型半導体、量子サイズ効果を示し、可視光を効率よく吸収する微粒子半導体が好ましい。通常、各種の半導体や金属錯体色素や有機色素の一種、又は光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合することができる。また、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する色素とその割合を選ぶことができる。
色素を半導体層に吸着させる方法としては、例えば、溶媒に色素を溶解させた溶液を、半導体層上にスプレーコートやスピンコート等により塗布した後、乾燥する方法により形成することができる。この場合、適当な温度に基板を加熱しても良い。また、半導体層を溶液に浸漬して吸着させる方法を用いることもできる。浸漬する時間は色素が充分に吸着すれば特に制限されることはないが、好ましくは10分〜30時間、より好ましくは1〜20時間である。また、必要に応じて浸漬する際に溶媒や基板を加熱しても良い。溶液にする場合の色素の濃度としては、1〜1000mmol/L、好ましくは10〜500mmol/L程度である。
用いる溶媒は特に制限されるものではないが、水及び有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル等のニトリル類;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ブタノン等のケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
色素間の凝集等の相互作用を低減するために、界面活性剤としての性質を持つ無色の化合物を色素吸着液に添加し、半導体層に共吸着させてもよい。このような無色の化合物の例としては、カルボキシル基やスルホ基を有するコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸等のステロイド化合物やスルホン酸塩類等が挙げられる。
未吸着の色素は、吸着工程後、速やかに洗浄により除去するのが好ましい。洗浄は湿式洗浄槽中でアセトニトリル、アルコール系溶媒等を用いて行うのが好ましい。
色素を吸着させた後、アミン類、4級アンモニウム塩、少なくとも1つのウレイド基を有するウレイド化合物、少なくとも1つのシリル基を有するシリル化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を用いて、半導体層の表面を処理してもよい。好ましいアミン類の例としては、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。好ましい4級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド等が挙げられる。これらは有機溶媒に溶解して用いてもよく、液体の場合はそのまま用いてもよい。
電荷輸送層は、色素の酸化体に電子を補充する機能を有する電荷輸送材料を含有する。本発明で用いる電荷輸送材料は、イオンが関わる電荷輸送材料であり、酸化還元対イオンが溶解した溶液、酸化還元対の溶液をポリマーマトリックスのゲルに含浸したゲル電解質組成物、固体電解質組成物等が挙げられる。
イオンがかかわる電荷輸送材料としての電解液は、電解質、溶媒及び添加物から構成されることが好ましい。電解液に用いる電解質の例としては、ヨウ素とヨウ化物(LiI、NaI、KI、CsI、CaI等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物ヨウ素塩等)の組み合わせ、臭素と臭化物(LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr、CaBr等の金属臭化物、テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等の4級アンモニウム化合物臭素塩等)の組み合わせ、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等が挙げられる。中でも、IとLiI又はピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物ヨウ素塩とを組み合わせた電解質が好ましい。電解質は混合して用いてもよい。
溶媒としては、一般に電気化学セルや電池に用いられる溶媒であればいずれも使用することができる。具体的には、無水酢酸、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が使用可能である。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等が好ましい。また、常温溶融塩類も用いることができる。ここで、常温溶融塩とは、常温において溶融している(即ち液状の)イオン対からなる塩であり、通常、融点が20℃以下であり、20℃を越える温度で液状であるイオン対からなる塩を示すものである。溶媒はその1種を単独で使用しても良いし、また2種以上を混合して使用しても良い。
また、4−t−ブチルピリジン、2−ピコリン、2,6−ルチジン等の塩基性化合物を前述の溶融塩電解質組成物や電解液に添加することが好ましい。塩基性化合物を電解液に添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05〜2mol/Lである。溶融塩電解質組成物に添加する場合、塩基性化合物はイオン性基を有することが好ましい。溶融塩電解質組成物全体に対する塩基性化合物の配合割合は、好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは5〜30質量%である。
ポリマーマトリックスとして使用できる材料としては、ポリマーマトリックス単体で、あるいは可塑剤の添加や、支持電解質の添加、または可塑剤と支持電解質の添加によって固体状態またはゲル状態が形成されれば特に制限は無く、一般的に用いられるいわゆる高分子化合物を用いることができる。
上記ポリマーマトリックスとしての特性を示す高分子化合物としては、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、フッ化ビニリデン等のモノマーを重合又は共重合して得られる高分子化合物を挙げることができる。また、これらの高分子化合物は単独で用いても良く、また混合して用いても良い。これらの中でも、特にポリフッ化ビニリデン系高分子化合物が好ましい。
電荷輸送層は2通りの方法のいずれかにより形成できる。1つ目の方法は半導体層と対極を貼り合わせておき、その間隙に液状の電荷輸送層を挟み込む方法である。2つ目の方法は半導体層上に直接電荷輸送層を付与する方法で、対極はその後付与することになる。
前者の方法の場合、電荷輸送層を挟み込む際には、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセス、又は常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に置換する真空プロセスを利用できる。
後者の方法において湿式の電荷輸送層を用いる場合は、通常未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置を施す。また、ゲル電解質組成物を用いる場合には、これを湿式で塗布した後で重合等の方法により固体化してもよい。固体化は対極を付与する前に行っても後に行ってもよい。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
実施例1
ナノスケールカーボンチューブ(平均直径:35nm、平均長さ:5μm、平均アスペクト比:143)0.96gに69%硝酸150gを加え、90〜95℃にて6時間保持した。これをろ過し、蒸留水にてろ液がpH6〜7になるまで洗浄した後、乾燥させた。
これを、ポリエーテル系分散剤3.7gを含む蒸留水100gに超音波ホモジナイザーを用いて分散させた。このナノスケールカーボン分散液に1.0Mに希釈したヘキサフルオロチタン酸アンモニウム及び1.0Mに希釈したホウ酸をそれぞれの濃度が0.20M及び0.4Mとなるように加え、35℃にて16時間放置した後、ろ過し、乾燥してナノスケールカーボンチューブの表面に酸化チタンが被覆した構造体を得た。
この構造体をX線光電子分光分析で測定したところ、カーボン/チタンの原子比は0.1でわずかのカーボンしか検出されなかった。また、電子顕微鏡(SEM)で観察を行ったところ、酸化チタンの表面被覆率は98%程度であった。なお、1nm以上の凹凸がない平滑な部分(カーボンチューブの酸化チタンで被覆されていない部分)が5nm以上連続して存在する部分を、被覆されずカーボンチューブが露出している部分とみなし、表面被覆率を測定した。
X線回折法及びラマン分光分析が数マイクロメートルの深さまでの情報を反映するのに対し、X線光電子分光分析は、表面の数ナノメートルの部分の分析なのでナノスケールカーボンチューブが露出せず、酸化チタンが被覆されていることがわかる。
この酸化チタン被覆ナノスケールカーボンチューブを、750℃で2時間焼成し、ナノスケールカーボンチューブを消失させることで、粒子状酸化チタンが連なってなる管状の酸化チタン構造体(酸化チタンナノチューブ)を得た。なお、焼成雰囲気は、水素ガスを0.1L/minで導入し、水素ガスのみからなる雰囲気とした。
この酸化チタンナノチューブ0.495gを三角フラスコに入れ、8.25mlのイソプロピルアルコール(IPA)と16.5mlの蒸留水を加え、15分間超音波処理を行った。ここで得られた白金担持前の酸化チタンナノチューブを電子顕微鏡(SEM)観察をした結果を図2に示す。その結果、凹部と比較して凸部が異常に明るく光っていた。このことから、SEM観察時に照射された電子が電流として外に流れることができずに凹部に蓄積し、後から照射される電子線を捻じ曲げたり跳ね返したりすることにより、明暗がはっきりしていることが示唆されている。つまり、白金担持前の酸化チタンナノチューブの外表面は、導電性に乏しいことが示唆されている。
次に、Hydrogen Hexachloroplatinate (IV) Hexahydrate13.5mgを蒸留水3.32mlに溶解し7.72mMに調整した橙色溶液を三角フラスコ内に加え、30分間超音波処理を行い、7.75mgの水素化ホウ素ナトリウムを4.1mlの蒸留水に溶かし、50mMに調整した溶液を三角フラスコ内に加え、2時間超音波処理を行った。処理後、黒色の反応液を0.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、蒸留水で洗浄を行いオーブンで乾燥することで、Ptが坦持された粒子状酸化チタンが連なってなる管状の酸化チタン構造体(酸化チタンナノチューブ)を得た。ここで得られた白金担持酸化チタンナノチューブを電子顕微鏡(SEM)観察をした結果を図3に示す。その結果、白金担持前の図2とは異なり、凸部が異常に明るいという事情はなく、鮮明な画像が得られた。つまり、白金担持前の酸化チタンナノチューブと比較し、導電性が飛躍的に向上したことが示唆されている。
実験例1
実施例1の白金担持酸化チタンナノチューブについて、X線回折法及びラマン分光分析により酸化チタンの結晶相を同定したところ、約50%がマグネリ相(Ti)であった。
また、ナノスケールカーボンチューブに由来するグラファイトのピークは観測されなかった。
また、電子顕微鏡(SEM及びTEM)にて構造を観察したところ、平均粒子径30〜60nmの酸化チタン微粒子が集合して肉厚が30〜200nm程度、平均直径が50〜300nm程度、平均長さが1000〜10000nm程度、平均アスペクト比が20〜200程度の酸化チタンナノチューブの表面に、平均粒子径5nm程度の白金微粒子が担持していた。また、この際の白金微粒子の担持量は、約1重量%である。
なお、白金担持酸化チタンナノチューブの中央部、及び白金担持酸化チタンナノチューブの端部の、管構造の外側、内部、内側の各点において、電子線回折測定をしたところ、以下の表1のような構造が確認された。
Figure 2012214373
さらに、実施例1で製造した白金担持酸化チタンナノチューブを、色素増感太陽電池の対向電極(正極)として用い、太陽電池の評価を行った。
酸化チタン(石原産業(株)製のST−21(平均粒子径20nm))3.0g、エチルセルロース1.5g及びα−テルピネオール10gを混合して得られる酸化チタンペーストを、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)ガラス(日本板硝子(株)製、抵抗:10Ω/sq)上に、厚みが14μmとなるように塗布した。
その後、125℃で乾燥し、500℃で1時間焼成することで、酸化チタン電極を作製した。得られた酸化チタン電極にルテニウム色素(Solaronix社製のRutenium535-bis-TBA(N719))を吸着させ、負極が得られた。
次に、本発明の白金担持酸化チタンナノチューブ0.26gに4.5重量%のエチルセルロースのα−テルピネオール溶液を4.71g及びエタノールを20mlを混合して得られるペーストをガラス基板上に、厚みが10umとなるようスキージ法で塗布した。これを450℃で30分焼成することで、対極が得られた。
対極について、交流インピーダンス測定にて、電荷移動抵抗と電極抵抗を測定したところ、1.0Ω・cmの電荷移動抵抗と0.1Ω未満の電極抵抗を得た。
対極と負極の間に電解液(Solaronix社製のIodolyte AN-50)を封入し、実施例1の光電変換素子を製造した。直流電流電圧測定にて、このセルの開放電圧を測定したところ、0.75Vの開放電圧と0.78の形状因子を得た。
実施例2
白金の担持量を10重量%とする(Hydrogen Hexachloroplatinate (IV) Hexahydrateの投入量を135mgとする)こと以外は実施例1と同様に、白金担持酸化チタンナノチューブ、並びにこれを用いた対極及び光電変換素子を製造した。
実験例2
実施例2にて作製した対極について、交流インピーダンス測定にて、電荷移動抵抗と電極抵抗を測定したところ、0.8Ω・cmの電荷移動抵抗と0.1Ω未満の電極抵抗を得た。
また、実施例1と同様に直流電流電圧測定にて、セルの開放電圧を測定したところ、0.77Vの開放電圧と0.78の形状因子を得た。
実施例3
白金の担持量を20重量%とする(Hydrogen Hexachloroplatinate (IV) Hexahydrateの投入量を270mgとする)こと以外は実施例1と同様に、白金担持酸化チタンナノチューブ、並びにこれを用いた対極及び光電変換素子を製造した。
実験例3
実施例3にて作製した対極について、交流インピーダンス測定にて、電荷移動抵抗と電極抵抗を測定したところ、0.7Ω・cmの電荷移動抵抗と0.1Ω未満の電極抵抗を得た。
また、実施例1と同様に直流電流電圧測定にて、セルの開放電圧を測定したところ、0.78Vの開放電圧と0.78の形状因子を得た。
実施例4
実施例1で作製した白金担持酸化チタンナノチューブをビーズミル粉砕によって微細化を行った。具体的には、上記の白金坦持酸化チタンナノチューブ2gを平均粒子径0.3mmのビーズ30gによって60時間粉砕を行ない、白金坦持酸化チタンナノチューブを一次粒子(平均粒子径20〜40nm程度)まで微細化し、白金担持酸化チタン微粒子を得た(白金担持量は1重量%)。
その後、白金担持酸化チタンナノチューブではなく得られた白金担持酸化チタン微粒子を用いること以外は実施例1と同様に、対極及び光電変換素子を製造した。
実験例4
実施例4にて作製した白金担持酸化チタン微粒子を電子顕微鏡(TEM)にて観察したところ、白金微粒子はほとんど剥離することなく、酸化チタン微粒子に担持していた。
また、実施例4にて作製した対極について、交流インピーダンス測定にて、電荷移動抵抗と電極抵抗を測定したところ、1.6Ω・cmの電荷移動抵抗と0.2Ωの電極抵抗を得た。
また、実施例1と同様に直流電流電圧測定にて、セルの開放電圧を測定したところ、0.73Vの開放電圧と0.74の形状因子を得た。
実施例5
白金の担持量を10重量%とする(Hydrogen Hexachloroplatinate (IV) Hexahydrateの投入量を135mgとする)こと以外は実施例4と同様に、白金担持酸化チタン微粒子、並びにこれを用いた対極及び光電変換素子を製造した。
実験例5
実施例5にて作製した白金担持酸化チタン微粒子を電子顕微鏡(TEM)にて観察したところ、白金微粒子はほとんど剥離することなく、酸化チタン微粒子に担持していた。
実施例5にて作製した対極について、交流インピーダンス測定にて、電荷移動抵抗と電極抵抗を測定したところ、0.8Ω・cmの電荷移動抵抗と0.2Ωの電極抵抗を得た。
また、実施例1と同様に直流電流電圧測定にて、セルの開放電圧を測定したところ、0.75Vの開放電圧と0.75の形状因子を得た。
実施例6
白金の担持量を20重量%とする(Hydrogen Hexachloroplatinate (IV) Hexahydrateの投入量を270mgとする)こと以外は実施例4と同様に、白金担持酸化チタン微粒子、並びにこれを用いた対極及び光電変換素子を製造した。
実験例6
実施例6にて作製した白金担持酸化チタン微粒子を電子顕微鏡(TEM)にて観察したところ、白金微粒子はほとんど剥離することなく、酸化チタン微粒子に担持していた。
実施例6にて作製した対極について、交流インピーダンス測定にて、電荷移動抵抗と電極抵抗を測定したところ、0.7Ω・cmの電荷移動抵抗と0.2Ωの電極抵抗を得た。
また、実施例1と同様に直流電流電圧測定にて、セルの開放電圧を測定したところ、0.77Vの開放電圧と0.75の形状因子を得た。
比較例1
対極として、市販のPtスパッタ導電ガラス(ジオマテック(株)製、抵抗:2Ω/sq)を用いたこと以外は実施例1と同様に、光電変換素子を製造した。
比較実験例1
比較例1の対極について、交流インピーダンス測定にて、電荷移動抵抗と電極抵抗を測定したところ、2.8Ω・cmの電荷移動抵抗と1.9Ωの電極抵抗を得た。
また、実施例1と同様に直流電流電圧測定にて、セルの開放電圧を測定したところ、0.72Vの開放電圧と0.68の形状因子を得た。
比較例2
白金を担持させる前の酸化チタン構造体(酸化チタンナノチューブ)を用いたこと以外は実施例1と同様に、対極及び光電変換素子を作製した。
比較実験例2
比較例2の対極について、交流インピーダンス測定にて、電荷移動抵抗と電極抵抗を測定したところ、130Ω・cmの電荷移動抵抗と0.2Ωの電極抵抗を得た。
また、実施例1と同様に直流電流電圧測定にて、セルの開放電圧を測定したところ、0.53Vの開放電圧と0.74の形状因子を得た。
比較例3
直径が約50nmのアセチレンブラックを用いて常法によりカーボン電極(対極)を作製した。また、この対極を用いて、実施例1と同様に光電変換素子を作製した。
比較実験例3
比較例3の対極について、交流インピーダンス測定にて、電荷移動抵抗と電極抵抗を測定したところ、159Ω・cmの電荷移動抵抗と43.5Ωの電極抵抗を得た。
また、実施例1と同様に直流電流電圧測定にて、セルの開放電圧を測定したところ、0.45Vの開放電圧と0.43の形状因子を得た。
比較例4
実施例1と同様の方法で、比較例3で使用したアセチレンブラックに白金を1重量%担持させた白金担持アセチレンブラックを得た。この白金担持アセチレンブラックを用いて、実施例1と同様に、対極及び光電変換素子を作製した。
比較実験例4
比較例4の対極について、交流インピーダンス測定にて、電荷移動抵抗と電極抵抗を測定したところ、2.3Ω・cmの電荷移動抵抗と16.8Ωの電極抵抗を得た。
また、実施例1と同様に直流電流電圧測定にて、セルの開放電圧を測定したところ、0.63Vの開放電圧と0.55の形状因子を得た。
比較例5
白金担持量を10重量%とすること以外は比較例4と同様に、対極及び光電変換素子を作製した。
比較実験例5
比較例5の対極について、交流インピーダンス測定にて、電荷移動抵抗と電極抵抗を測定したところ、2.0Ω・cmの電荷移動抵抗と13.0Ωの電極抵抗を得た。
また、実施例1と同様に直流電流電圧測定にて、セルの開放電圧を測定したところ、0.65Vの開放電圧と0.56の形状因子を得た。
比較例6
白金坦持量を20重量%とすること以外は比較例4と同様に、対極及び光電変換素子を作製した。
比較実験例6
比較例6の対極について、交流インピーダンス測定にて、電荷移動抵抗と電極抵抗を測定したところ、1.3Ω・cmの電荷移動抵抗と6.3Ωの電極抵抗を得た。
また、実施例1と同様に直流電流電圧測定にて、セルの開放電圧を測定したところ、0.65Vの開放電圧と0.60の形状因子を得た。
上記実施例及び比較例の結果を表2に示す。
Figure 2012214373

Claims (13)

  1. 酸化チタン担体の表面に、白金微粒子が担持されてなる白金担持酸化チタン担体であって、
    前記酸化チタン担体は、平均粒子径が1〜100nmの酸化チタン微粒子からなり、且つ、該酸化チタン担体を構成する酸化チタン微粒子の30%以上が、マグネリ相構造の結晶形態を有し、
    前記白金微粒子は、平均粒子径が1〜5nmである、白金担持酸化チタン担体。
  2. 前記白金微粒子の平均粒子径の、前記酸化チタン微粒子の平均粒子径に対する比(白金微粒子の平均粒子径/酸化チタン微粒子の平均粒子径)が、1/100〜1/2である、請求項1に記載の白金担持酸化チタン担体。
  3. 前記白金微粒子の担持量が、0.1〜40重量%である、請求項1又は2に記載の白金担持酸化チタン担体。
  4. 前記酸化チタン担体が、前記酸化チタン微粒子からなる管状、繊維状又は板状の酸化チタン構造体である、請求項1〜3のいずれかに記載の白金担持酸化チタン担体。
  5. 前記酸化チタン構造体が、前記酸化チタン微粒子が連なってなる、請求項4に記載の白金担持酸化チタン担体。
  6. 前記酸化チタン構造体が、管状である、請求項4又は5に記載の白金担持酸化チタン担体。
  7. 前記酸化チタン構造体の肉厚が1〜250nmである、請求項6に記載の白金担持酸化チタン担体。
  8. 前記酸化チタン構造体は、さらに、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン及びブルッカイト型酸化チタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項〜7のいずれかに記載の白金担持酸化チタン担体。
  9. 前記酸化チタン構造体は、長軸に直交する平均直径が5〜500nm、長軸の平均長さが0.1〜1000μmであり、平均アスペクト比が3〜200000である、請求項4〜8のいずれかに記載の白金担持酸化チタン担体。
  10. 前記酸化チタン担体が、平均粒子径が1〜100nmの酸化チタン微粒子である、請求項1〜3のいずれかに記載の白金担持酸化チタン担体。
  11. マグネリ相構造の結晶形態を有する酸化チタンが、一般式(1):
    TiOx
    (式中、xは1.75〜1.95である)
    で示される、請求項1〜10のいずれかに記載の白金担持酸化チタン担体。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の白金担持酸化チタン担体を備える光電変換素子。
  13. 前記白金担持酸化チタン担体を正極に有する、請求項12に記載の光電変換素子。
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