JP2012213711A - 乳化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温での乳化であっても乳化剤使用時の高温安定性に優れた乳化剤を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表されるビニル単量体(A1)に由来する構造単位を含む重合体(A)と、分子量が70以上300以下であり、構造中にカルボキシル基を有する有機酸(B)とを含有してなる重合体(X)からなる、乳化剤。
【化1】
Figure 2012213711

(Rは水素原子またはメチル基であり、Rはヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1〜4のアルキレン基であり、RとRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Aは−O−又は−NH−である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、高温での乳化に耐えうる、高温安定性に優れた乳化剤に関する。
近年、汎用性、強度、物性、成形のし易さ、耐溶剤性、外観等の観点から、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂が、日用品、自動車用部品、建材等に使用されている。しかし、これらのポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂自体が低極性であるため、塗装や接着が困難であり、改善が望まれていた。
比較的簡便な方法でポリオレフィン、例えばプロピレン系重合体に良好な塗装性や接着性を付与するための工夫として、いわゆる塩素化ポリプロピレンや酸変性プロピレン−α−オレフィン共重合体、さらには酸変性塩素化ポリプロピレン、などの変性ポリオレフィンが開発されてきた。このような変性ポリオレフィンを、ポリオレフィンの成形体表面に表面処理剤、接着剤或いは塗料等として塗布するのである。変性ポリオレフィンは通常、有機溶媒の溶液、又は水への分散体などの形態で塗布される。安全衛生及び環境面での懸念などから、近年、水分散体が好ましく用いられている。また、塩素化ポリプロピレン系樹脂は、焼却廃棄時に、毒性の高いダイオキシンが発生するおそれがあるという指摘もあった。
樹脂を水系化させる一般的な方法として、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体の場合は、先ず、エチレン・酢酸ビニル共重合体を加熱溶融し、次いで、アニオン系やノニオン系の乳化剤を添加撹拌し、その後、熱水を添加して、ホモミキサー等の機械剪断力を用いて乳化することにより得られる方法が挙げられる(例えば特許文献1参照)。
上記のアニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤を用いた場合、得られた製品の使用時において、ブリードアウトするおそれがある。これに対し、乳化安定性などを改良した特定のアクリル系共重合体の中和物を、アニオン系水溶性乳化剤として用いる樹脂水性分散液の製造方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
しかし、アニオン系水溶性高分子分散剤は、分散安定性を改良することができるが、得られたポリマー分散液から水、揮発性塩基等が蒸発する際に、この高分子分散剤中のカルボキシル基が分子内又は分子間での会合を起こして、溶融粘度が上昇し、分散樹脂粒子の融着を妨げてしまい、低温での造膜性が悪化したり、得られた乾燥皮膜の低温接着性、透明性が劣ったりすることがあり、その用途が限定されることがあった。
これに対し、低温造膜性に優れる特定のアクリル系共重合体の中和物をカチオン系水溶性高分子分散剤として用いるポリマー水性分散液の製造方法が知られている(特許文献3参照)。
しかし、このカチオン系水溶性高分子分散剤を用いて得られる乾燥皮膜は、低温造膜性、低温接着性、透明性は改良されたものの、汎用的に使用されているアニオン系水性分散液と混合使用することが困難になるという制約がある。
この改良方法として、(メタ)アクリル酸を主成分とするアニオン性単量体と、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート等を主成分とするカチオン性単量体とを含有する単量体混合物を重合して得られる両性の乳化剤を用いる方法が検討されている(特許文献4参照)。
特開昭57−61035号公報 特開昭58−127752号公報 特開昭58−118843号公報 特開2006−195891号公報
しかしながら、特許文献4に記載されているカチオン系水溶性乳化剤では中和剤として蟻酸のような低分子量の酸を使用している。そのため、高温で乳化剤を使用の際は酸が揮散してしまい、乳化能が著しく低下するという課題が見出された。本発明は上記課題を解決することを目的としたものであって、高温での乳化であっても乳化剤使用時の高温安定性に優れた乳化剤及びこれを用いた樹脂分散体を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成した。即ち、本発明の要旨は下記[1]〜[11]に存する。
[1]下記式(1)で表されるビニル単量体(A1)に由来する構造単位を含む重合体(A)と、分子量が70以上300以下であり、構造中にカルボキシル基を有する有機酸(B)とを含有してなる重合体(X)からなる、乳化剤。
Figure 2012213711
(Rは水素原子またはメチル基であり、Rはヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1〜4のアルキレン基であり、RとRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Aは−O−又は−NH−である。)
[2]前記重合体(A)が、前記ビニル単量体(A1)に由来する構造単位を前記重合体(A)全体に対して20〜80重量%含む、[1]に記載の乳化剤。
[3]前記有機酸(B)が、分子中にヒドロキシ基及びカルボキシル基を合計で2つ以上有する、[1]又は[2]に記載の乳化剤。
[4]前記有機酸(B)が、脂肪族ヒドロキシ酸である、[1]から[3]までのいずれか1項に記載の乳化剤。
[5]前記有機酸(B)が、乳酸である、[1]から[4]までのいずれか1つに記載の乳化剤。
[6]前記重合体(A)が、下記式(2)で表されるビニル単量体(A2)に由来する構造単位を含む、[1]から[5]までのいずれか1つに記載の乳化剤。
Figure 2012213711
(Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数3〜22のシクロアルキル基、又は炭素数6〜22のアリール基である。)
[7]前記重合体(A)が、前記ビニル単量体(A2)に由来する構造単位を前記重合体(A)全体に対して20〜80重量%含む、[1]から[6]までのいずれか1つに記載の乳化剤。
[8]前記重合体(A)が、前記式(2)において、Rが炭素数1〜6であるものに由来する構造単位を含み、かつ、前記式(2)において、Rが7〜22であるものに由来する構造単位を含む、[7]に記載の乳化剤。
[9]前記重合体(A)が、前記式(2)において、Rが炭素数1〜6であるものに由来する構造単位として、メタクリル酸ブチル(メタ)クリレートに由来する構造単位を含み、かつ前記式(2)において、Rが7〜22であるものに由来する構造単位として、合成ラウリル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を含む、[8]に記載の乳化剤。
[10][1]から[9]までのいずれか1つに記載の乳化剤と熱可塑性ポリオレフィンとを含む、樹脂分散体。
[11]前記熱可塑性ポリオレフィンがポリプロピレン系重合体である、[10]に記載の樹脂分散体。
本発明によれば、高温安定性に優れた乳化剤が提供される。本発明の乳化剤は、高温安定性に優れるため、高温での乳化が必要な融点の高い熱可塑性樹脂であっても乳化剤としての効果が衰えず、高温での乳化に特に適したものである。
本明細書において、前後に数値または物理値を挟んで「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値または物理値を含む表現として用いることとする。また、本明細書において、「(メタ)アクリル〜」という表現を用いる場合、「アクリル〜」と「メタクリル〜」の両方を合わせた表現として用いることとする。
<乳化剤>
本発明の乳化剤は、下記式(1)で表されるビニル単量体(A1)に由来する構造単位を含む重合体(A)と、分子量が70以上300以下であり、構造中にカルボキシル基を有する有機酸(B)とを含有してなる重合体(X)からなる。
Figure 2012213711
(上記式(1)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rはヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1〜4のアルキレン基であり、RとRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Aは−O−又は−NH−である。)
[ビニル単量体(A1)]
本発明の乳化剤に用いられる重合体(A)は、前記式(1)で表されるビニル単量体(A1)に由来する構造単位を含む。前記式(1)中、Rは水素原子またはメチル基である。前記式(1)中、Rはヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1〜4のアルキレン基である。Rはヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数2〜3のアルキレン基がより好ましく、ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数2のアルキレン基が特に好ましい。Rが「ヒドロキシ基を有していてもよい」理由は、本発明において、ビニル単量体(A1)が親水性であり、ヒドロキシ基が親水性の置換基であるためであるが、原料調達の容易さなどからRはヒドロキシ基を有さないものが好ましい。前記式(1)中、RとRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。RとRはそれぞれ、水素原子または炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましく、炭素数1のアルキル基、即ちメチル基が特に好ましい。前記式(1)中、Aは−O−又は−NH−である。Aは−NH−が好ましい。
ビニル単量体(A1)は、前記式(1)で表されるものであれば特に制限されないが、アミノアルキル(メタ)アクリレート類、N−メチルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N−エチルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N−プロピルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N−ブチルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N,N−ジメチルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N−エチル−N−メチルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N−メチル−N−プロピルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N−ブチル−N−メチルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N,N−ジエチルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N−エチル−N−プロピルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N−ブチル−N−エチルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N,N−ジプロピルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N−ブチル−N−プロピルアルキル(メタ)アクリレート類、N,N−ジブチルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、等のアミノアルキル(メタ)アクリレート系化合物(前記式(1)においてAが−O−のもの)と、アミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、N−メチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、N−エチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、N−プロピルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、N−ブチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、N−エチル−N−メチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、N−メチル−N−プロピルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、N−ブチル−N−メチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジエチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、N−エチル−N−プロピルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、N−ブチル−N−エチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジプロピルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、N−ブチル−N−プロピルアルキル(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジブチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、等のアミノアルキル(メタ)アクリルアミド系化合物(前記式(1)においてAが−N−のもの)とが挙げられるが、アミノアルキル(メタ)アクリレート系化合物が好ましい。アミノアルキル(メタ)アクリレート系化合物の中でも、原料調達の容易さからN,N−ジメチルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N,N−ジエチルアミノアルキル(メタ)アクリレート類が好ましく、乳化性の観点からN,N−ジエチルアミノアルキル(メタ)アクリレート類がより好ましい。
N,N−ジエチルアミノアルキル(メタ)アクリレート類としてより具体的には、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−1−ヒドロキシ−エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ−エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−1−ヒドロキシ−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシ−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−1−メチル−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−1−ヒドロキシ−1−メチル−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ−1−メチル−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシ−1−メチル−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−2−メチル−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−3−メチル−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−1−ヒドロキシ−3−メチル−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ−3−メチル−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシ−3−メチル−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。これらの中でもN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが樹乳化剤によって後述する熱可塑性ポリオレフィンの樹脂分散体とするときの界面に膜を形成しやすくなるため、好ましい。
以上で挙げたビニル単量体(A1)は種のみで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合体(A)において、ビニル単量体(A1)に由来する構造単位の含有割合は、20重量%以上80重量%以下が好ましく、70重量%以下が好ましい。80重量%より多いと、乳化剤使用時の乾燥皮膜において耐水性が悪化する傾向がある。含有割合は、20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましい。20重量%より少ないと、乳化時の安定性が低下する傾向がある。
[ビニル単量体(A2)]
本発明の乳化剤を構成する重合体(A)は、前記式(1)で表されるビニル単量体(A1)に由来する構造単位に加え、下記式(2)で表されるビニル単量体(A2)に由来する構造単位を含むことが好ましい。
Figure 2012213711
(Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数3〜22のシクロアルキル基、又は炭素数6〜22のアリール基である。)
上記式(2)で表されるビニル単量体(A2)は、重合体(A)の疎水基を有する構造を導入するために用いられ、重合体(A)が疎水基を有することで後述する疎水性の熱可塑性ポリオレフィンに対する乳化能力を高めた乳化剤とすることができる。
前記式(2)中、Rは水素原子またはメチル基である。前記式(2)中、Rは炭素数1〜22の鎖状アルキル基、炭素数3〜22のシクロアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、又は炭素数6〜22のアリール基である。Rが炭素数1〜22の鎖状アルキル基である場合、炭素数が1〜22であれば直鎖状であっても、分岐状であってもよいが、好ましくは1〜22の直鎖状のアルキル基である。これらの中でも、Rは炭素数1〜22の鎖状アルキル基であるものが好ましく、Rが炭素数7〜22のアルキル基であるものがより好ましい。更に、Rが炭素数7〜22のアルキル基である、疎水性の高いものに加えて、Rが炭素数1〜6の鎖状アルキル基である、やや親水性を有するものを用いることが、疎水基の導入による乳化剤の乳化能向上の効果に加え、熱流動性を高める効果があり、特に好ましい。尚、本明細書において、炭素数3〜22のシクロアルキル基とは、シクロアルキル基の水素にアルキル基が置換している場合、当該アルキル基も含めた炭素数で3〜22と定義することとする。
ビニル単量体(A2)は、前記式(2)で表されるものであれば特に制限されない。ビニル単量体(A2)の一部を例示すると、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、合成ラウリル(メタ)アクリレート(合成ラウリル(メタ)アクリレートは、前記式(2)中、Rが、炭素数12のアルキル基であるものと13のアルキル基であるものとの混合物である。)、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも合成ラウリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。以上に挙げたビニル単量体(A2)は1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよく、特に合成ラウリル(メタ)アクリレートとブチル(メタ)アクリレートとを組み合わせて用いることが好ましい。
重合体(A)において、ビニル単量体(A2)に由来する構造単位の含有割合は、20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましく、一方、80重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましい。20重量%以上であると、重合体(A)の樹脂への混合性の点で好ましく、80重量%以下であると重合体(A)の親水性の溶剤への溶解性の点で好ましい。更に、Rが炭素数1〜6であるものに由来する構造単位を含み、かつ、前記式(2)において、Rが7〜22であるものに由来する構造単位を含む場合にはRが炭素数1〜6であるものに由来する構造単位を1〜60重量%含むのが好ましく、4〜50重量%含むものがより好ましく、一方、Rが7〜22であるものに由来する構造単位を1〜50重量%含むのが好ましく、5〜40重量%含むのがより好ましい。
[その他のビニル単量体]
重合体(A)は、ビニル単量体(A1)に由来する構成単位及びビニル単量体(A2)に由来する構成単位の他に、その他のビニル単量体に由来する構成単位を含んでいてもよい。 その他のビニル単量体に由来する構造単位の含有量は、20重量%以下、好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。
その他のビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクロイルモルホリン、アクリル酸、メタクリル酸等のアニオン系単量体、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−[3−{N’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N’,N’−ジエチルアンモニウム}−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリエチルアンモニウムクロライド等のカチオン性基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−[3−{N’−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N’,N’−ジエチルアンモニウム}−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性基を有する(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジメチル−N,N−ジアリルアンモニウムクロライド等のジアリル系4級アンモニウム塩、L−アルギニンとグリシジルメタクリレートの反応物等のアミノ酸系のカチオン性単量体、ベタイン基含有(メタ)アクリルエステル、ベタイン基含有(メタ)アクリルアミド等の両性単量体、アミンオキシド基含有(メタ)アクリルエステル、アミンオキシド基含有(メタ)アクリルアミド等の半極性単量体、酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルアルコールのアルキルエーテル、スチレン、α−アルキルスチレン、ブタジエン、イソプレン、プロペン、塩化ビニル、アクリルロニトリル、多官能(メタ)アクリレート等が例示できる。これらは1種のみで用いても、2種以上を併用してもよい。
[有機酸(B)]
本発明の乳化剤には分子量が70以上300以下であり、分子構造中にカルボキシル基を有する有機酸(B)が用いられる。分子量がある程度大きいこと、及び分子構造中にカルボキシル基を有することで乳化剤が水との間で水素結合すること、により本発明の乳化剤を用いて高温(150〜250℃程度)で乳化する際に熱安定性が得られるものと考えられる。
有機酸(B)の分子量は70以上300以下であるが、好ましくは75以上、より好ましくは85以上であり、一方、好ましくは250以下、より好ましくは200以下である。分子量が70未満であると揮発性しやすく、乳化工程において高温にしたときに揮散してしまうおそれがある。また、分子量が300より大きいと、乳化工程において使用される溶媒との親和性が悪く、重合体(A)と有機酸(B)との中和反応が良好に進行しないことがある。
有機酸(B)としては、分子量70以上、300以下の、脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボン酸が挙げられ、脂肪族カルボン酸としては脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ヒドロキシ酸等が挙げられる。本発明の乳化剤を用いて後述する熱可塑性ポリオレフィンを乳化する際、通常、水及び/または親水性溶媒が用いられるため、より親水的な脂肪族カルボン酸が好ましい。また、乳化剤の高温安定性を得るためには有機酸(B)として、不揮発性であることが求められ、この観点から水やメタノール、エタノールのような親水性溶媒と水素結合を形成し得る、カルボキシル基及びヒドロキシ基を合計で2個以上有するものが好ましい。カルボキシル基及びヒドロキシ基を合計で2個以上有するために、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ヒドロキシ酸がより好ましく、脂肪族ヒドロキシ酸が特に好ましい。尚、脂肪族ヒドロキシ酸とも、脂肪族ジカルボン酸とも解され得る化合物は、本発明に用いる有機酸(B)として、特に好ましいものである脂肪族ヒドロキシ酸の性質を有するものと考えられるため、本明細書においては脂肪族ジカルボン酸ではなく、脂肪族ヒドロシ酸に分類することとする。また、同様の理由で脂肪族ヒドロキシ酸とも脂肪族モノカルボン酸とも解され得る化合物についても、本明細書においては脂肪族ヒドロキシ酸に分類することとする。
有機酸(B)に含まれる脂肪族カルボン酸としては、プロピオン酸(プロパン酸)、酪酸(ブタン酸)、吉草酸(ペンタン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、エナント酸(ヘプタン酸)、カブリル酸(オクタン酸)、ベラルゴン酸(ノナン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ラウリル酸(ドデカン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、バルミチン酸(ヘキサデカン酸)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)等の脂肪族モノカルボン酸、シュウ酸(エタン二酸)、マロン酸(プロパン二酸)、コハク酸(ブタン二酸)、グルタル酸(ペンタン二酸)、アジピン酸(ヘキサン二酸)、ピメリン酸(ヘプタン二酸)、スベリン酸(オクタン二酸)、アゼライン酸(ノナン二酸)、セバシン酸(デカン二酸)、フマル酸、マレイン酸等の脂肪族ジカルボン酸、グリコール酸(2−ヒドロキシエタン酸)、乳酸(2−ヒドロキシプロパン酸)、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸(2,3−ジヒドロキシブタン二酸)、クエン酸(3−ヒドロキシペンタン二酸−3−カルボン酸)、イソクエン酸(3−カルボキシ−2−ヒドロキシペンタン−1,5二酸)、メバロン酸(3,5−ジヒドロキシ−3−メチルペンタン酸)、パントイン酸((2R)−2,4−ジヒドロキシ−3,3−ジメチルブタン酸)等の脂肪族ヒドロキシ酸が挙げられる。有機酸(B)に含まれる芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸等が挙げられる。
これらの中でも、高温安定性が優れることから脂肪族ヒドロキシ酸である、ヒドロキシ基及びカルボン酸を有する乳酸、リンゴ酸、クエン酸が好ましい。更に、乳化に優れることから乳酸が好ましい。また、乳酸のような、不斉炭素原子を有する酸である場合、D体を用いてもL体を用いても、D体とL体の混合物を用いてもかまわないが、コスト面からラセミ体のようなD体とL体の混合物が好ましい。
本発明の乳化剤において、有機酸(B)の使用量は、ビニル単量体(A1)に対して、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、一方、150モル%以下が好ましく、120モル%以下がより好ましい。50モル%より少ないと、乳化時の安定性が低下する傾向があり、150%より多いと、耐水性が悪化する傾向がある。本発明の乳化剤において、有機酸(B)の使用量は、重量%で言えば、20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましい。また、80重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましい。
[有機酸(B)以外の酸]
本発明の乳化剤には分子量が70以上300以下であり、分子構造中にカルボキシル基を有する有機酸(B)が用いられるが、本発明の効果を著しく阻害しない限り、有機酸(B)以外の酸を使用することを妨げるものではない。有機酸(B)以外の酸としては、無機酸、分子量が70未満あるいは分子量が300より大きいカルボン酸、又は分子構造中にカルボキシル基を有しない有機酸が挙げられる。無機酸としては塩酸、硝酸、硫酸などが挙げられ、分子量が70未満の有機酸としては、例えば蟻酸、酢酸等が挙げられる。分子構造中にカルボキシル基を有しない有機酸としては、例えばスルホン酸等が挙げられる。
以上に挙げた有機酸(B)以外の酸は揮発しやすかったり、高温安定性の低いものであったり、水や親水性溶媒との親和性が悪かったりするため、有機酸(B)以外の酸を使用する場合には通常、有機酸(B)よりも少量で使用する。有機酸(B)以外の酸の使用量は、好ましくはビニル単量体(A1)に対して20モル%以下、より好ましくは10モル%以下、更に好ましくは5モル%以下である。
[乳化剤の製造方法]
本発明の乳化剤は、下記の方法で製造することができる。まず、ビニル単量体原料として、ビニル単量体(A1)、必要に応じて、ビニル単量体(A2)、その他のビニル単量体を所定の混合比率でそれぞれ秤量する。次に、重合器に原料を別々に添加して重合するか、又はそれぞれの原料をあらかじめ混合した上で重合器に添加して重合する。これにより、重合体(A)を製造することができる。
重合反応は、上記各ビニル単量体原料を重合開始剤の存在下に0〜180℃、好ましくは40〜120℃で0.5〜20時間、好ましくは2〜10時間の条件下で行われる。この重合反応はエタノール、イソプロパノール、セロソルブ等の親水性溶媒や水の存在下で行うのが好ましい。
重合反応に用いられる重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩からなる開始剤、上記過硫酸塩に亜硫酸塩、チオ硫酸塩の還元剤等を併用したレドックス系開始剤、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド等の有機過酸化物、あるいはこれらと鉄(II)塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩の還元剤等を併用したレドックス系開始剤、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2‘−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド等のアゾ系化合物、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキセン、t−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。これらの重合開始剤の使用量は、使用されるビニル単量体原料の全量に対して、0.01〜10重量%が好ましい。
尚、熱流動特性を改良するために、連鎖移動剤等を用いて分子量を低減することも可能である。その際には、重合度調節のため、公知の連鎖移動剤であるメルカプタン類、メチルアルコール等の低級アルコールを使用することができる。
中和反応は、重合体(A)又は重合前のビニル単量体(A1)と、有機酸(B)とを、溶媒の存在下、20〜100℃、好ましくは40〜80で0.1〜3時間、好ましくは0.5〜2時間反応させることにより行われる。溶媒としては水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトン等が挙げられる。本発明の乳化剤は、有機酸(B)による中和を上記の通り、重合体(A)において行っても、重合体(A)の重合前にビニル単量体(A1)において行ってもよい。即ち、本明細書において、「ビニル単量体(A1)に由来する構造単位を有する重合体(A)と有機酸(B)とを含有してなる重合体(X)」という表現は、重合体(A)を有機酸(B)によって中和したものと、ビニル単量体(A1)を有機酸(B)によって予め中和し、これを重合反応することで得られた重合体との両方を含む意味で用いることとする。
[重合体(X)の分子量]
重合体(X)の分子量は重量平均分子量、または粘度として、測定することができる。尚、乳化剤の重量平均分子量及び粘度は共に、有機酸(B)による中和反応前に測定したものであっても、中和反応後に測定したものであっても大きく変化することはないため、いずれの値を採用してもよい。
重合体(X)の重量平均分子量は、5,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましく、30,000以上がより好ましく、一方、200,000以下が好ましく、150,000以下がより好ましく、10,000以下が更に好ましい。重合体(X)の重量平均分子量が低過ぎると熱可塑性樹脂との混合性が低下する傾向であり、一方、高過ぎると親水性が低下する傾向である。
重合体(X)の重量平均分子量は重合反応の反応温度、重合開始剤の使用量、反応時間などの条件により、制御することができる。例えば、重合反応の反応温度を高くしたり、重合開始剤の使用量を多くすれば、反応速度が速くなり、重量平均分子量は低くなり、一方、重合反応の反応温度を低くしたり、重合開始剤の使用量を少なくすれば、反応速度が速くなり、重量平均分子量は高くなる。また、反応時間を短くすれば重量平均分子量は低くなり、長くすれば重量平均分子量は高くなる。
重合体(X)の重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)によって測定することができ、展開溶媒としては特に制限がないがテトラヒドロフラン等が挙げられる。本発明においては重合体(X)が展開溶媒に溶解しにくい場合、重合体(X)をエステル化剤により、展開溶媒に溶解するように予め処理した上でGPCの測定を実施し、これを重合体(X)の重量平均分子量とみなしてもよい。
重合体(X)の分子量は前述の通り、粘度としても測定することができる。重合体(X)の粘度を測定する場合、25℃において、水に乳化剤を40重量%の溶液として、測定を行った場合で、20Pa・s以上が好ましく、40Pa・s以上がより好ましく、一方、500Pa・s以下が好ましく、200Pa・s以下がより好ましく、100Pa・s以下が更に好ましい。粘度は重量平均分子量と相関があるため、重量平均分子量と同様の操作によって、制御することができる。
<樹脂分散体>
本発明の乳化剤は、プロピレン系重合体に代表されるポリオレフィンを乳化し、樹脂分散体とするのに対して有効に用いることができる。特に、本発明の乳化剤は熱安定性に優れるため、乳化する際に100℃以上に加熱する必要のある高融点の熱可塑性ポリオレフィンに対して有用である。
本発明において「分散」とは、分散粒子が極めて小さく単分子で分散している状態、実質的には溶解と言えるような状態を含む概念である。従って、分散粒子径の下限値については特に制限はない。
[熱可塑性ポリオレフィン]
本明細書において、「熱可塑性ポリオレフィン」とは、加熱することにより熱可塑性を示すポリオレフィンを総称して用いる語であり、その種類は特に制限されるものではないが、好ましくは炭素数2〜10のポリオレフィンの単独重合体、またはその共重合体である。本明細書において、「プロピレン系重合体」という語を用いる場合、プロピレンの単独重合体、またはプロピレン以外のポリオレフィンとの共重合体であって、全ポリオレフィン成分のうち、プロピレン成分が最も多いものを意味することとする。エチレン系重合体、ブテン系重合体等のプロピレン系重合体以外の熱可塑性ポリオレフィンについてもプロピレン系重合体という語と同様に定義することとする。
本発明の樹脂分散体に用いられる熱可塑性ポリオレフィンの重量平均分子量は特に制限されないが、通常、5,000〜200,000である。熱可塑性ポリオレフィンの重量平均分子量は、好ましくは10,000以上であり、より好ましくは15,000以上であり、一方、好ましくは100,000以下であり、より好ましくは80,000以下である。
本発明の乳化剤と共に用いられる熱可塑性ポリオレフィンとしては、前述の通り、炭素数2〜10のポリオレフィンの単独重合体、またはその共重合体が好ましく、好ましくはエチレン、プロピレン、ブテンを用いた炭素数2〜4のポリオレフィンを含む、単独重合体、またはその共重合体であり、更に好ましくはエチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体であり、特に好ましいのはプロピレン系重合体である。
本発明の熱可塑性ポリオレフィンは、ポリオレフィン以外の成分を共重合したものやグラフト重合したものであってもよい。例えば、カルボン酸基、スルホン酸基等がグラフト重合した酸変性ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、アクリル酸変性ポリオレフィン、酢酸ビニルと共重合したポリオレフィン等が挙げられる。
本発明の乳化剤を用いた樹脂分散体において、熱可塑性ポリオレフィン100重量部に対する乳化剤の使用量は、通常40重量部以下であり、好ましくは30重量部以下、より好ましくは20重量部以下、一方、熱可塑性ポリオレフィン100重量部に対して乳化剤の使用量は10重量部以上が好ましい。40重量部より多いと塗膜時にブリードアウトしてしまい、耐水性が得られ難いことがある。また、10重量部未満であると樹脂分散体の安定性が得られ難い傾向がある。
[プロピレン系重合体]
プロピレン系重合体は前述の通り、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンとプロピレン以外のポリオレフィンとの共重合体であって、全ポリオレフィン成分のうち、プロピレン成分が最も多いものを意味するが、好ましくは全ポリオレフィン成分のうち、プロピレン含量が50モル%以上のものである。プロピレン含量は60モル%以上がより好ましく、70モル%以上が更に好ましい。プロピレン含量が50モル%以上であると、プロピレン基材との密着性が良好な樹脂分散体が得られる。
プロピレン系重合体がプロピレンとプロピレン以外のポリオレフィンとの共重合体である場合、プロピレン以外のポリオレフィンとしては炭素数2〜10のポリオレフィン(但し、プロピレンを除く。)が好ましく、炭素数2〜5のポリオレフィン(但し、プロピレンを除く。)がより好ましく、炭素数2〜4のポリオレフィン(但し、プロピレンを除く。)、即ち、エチレン、ブテンが特に好ましい。以上で挙げた炭素数2〜10のポリオレフィン(但し、プロピレンは除く。)は1種のみでプロピレンと共重合したものであっても、2種以上を組み合わせてプロピレンと共重合したものであってもよい。
[樹脂分散体の製造方法]
本発明の乳化剤により熱可塑剤樹脂分散体を製造する場合、その製造方法は特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂に水以外の溶媒を加え、必要に応じ加熱して溶解させた後に水を添加して分散体とする方法、熱可塑性樹脂が溶融する温度以上で溶融させた後に水を添加して分散体とする方法、等が挙げられる。製造効率から好ましくは後者である。
溶媒溶解状態及び溶融状態にしたのち、水を添加し水分散体を製造する装置としては、特に限定されないが、例えば、撹拌装置付き反応器が使用できる。撹拌装置付き反応器の容積は特に制限されないが、通常、50mL〜15mである。その際の攪拌速度は、装置の選択に伴い多少異なるが、反応器の容積が50mL〜15mであれば、通常、10〜1000rpmの範囲である。本発明の乳化剤は水への分散性に優れるので、樹脂が安定に分散している利点がある。従ってこれを用いると優れた外観の塗布品が得られる。
また、熱可塑性樹脂分散体を製造する方法としては、溶融した熱可塑性樹脂を、上記乳化剤又はその中和物を含有する水中に添加し、ホモミキサーにより均一に撹拌する方法があげられる。最も好ましい態様は、スクリューを2本以上ケーシング内に有する多軸押出機を用い、この多軸押出機のホッパー、あるいは中途供給口より、ポリオレフィン系樹脂を連続的に供給し、これを加熱溶融混練し、さらに、この多軸押出機の圧縮ゾーン、計量ゾーン、脱気ゾーンに設けられた少なくとも1個の供給口より、上記乳化剤又はその中和物を含む水溶液を加圧供給し、これと上記溶融の熱可塑性樹脂とをスクリューで混練することにより、ダイから、連続的に樹脂分散体を押出製造することができる。
上記の水の使用量は、得られる樹脂分散体の固形分濃度が20〜65重量%となるように用いるのが好ましい。固形分の量が少ないほど得られる粘度が低く種々の塗布方法に適用でき使用しやすく、また分散体としての安定性も高い傾向にある。但し、例えばプライマーや接着剤として使用する際に、塗布後の水の乾燥にあまり多量のエネルギーと時間をかけないためには固形分が多い方が好ましい。
また、本発明の樹脂分散体において安定性を損ねない限り、水以外の溶剤が含まれても良い。なかでも水に1重量%以上溶解する溶媒が好ましく、さらに好ましくは5重量%以上溶解するものであり、例えば、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、シクロヘキサノン、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフラン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−メトキシプロパノール、2−エトキシプロパノール、ジアセトンアルコールが好ましい。
[樹脂分散体のその他の成分]
本発明の乳化剤は、熱可塑性ポリオレフィンと共に、その他の熱可塑性樹脂を用いることができる。その他の熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂分散体の製造では、他の目的、用途等に応じて必要により、本発明の乳化剤と組み合わせて他の界面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤としては、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、反応性界面活性剤などを使用することができる。ここで使用できる界面活性剤の具体例は以下の通りである。
アニオン性界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸エーテルナトリウム等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、例えば塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウ等が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えばラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
本発明の乳化剤を用いた樹脂分散体は、その乾燥皮膜時の強度や耐水性、耐熱性、耐薬品性を向上させるために、必要に応じて架橋剤を使用することができる。使用可能な架橋剤として特に定めはないが、2官能以上の官能基を有する化合物があげられる。具体的には、多官能エポキシ、多官能イソシアネート、多官能アミン、多官能オキサゾリンなどがあげられる。
[樹脂分散体の用途]
従来、プロピレン重合体に代表される熱可塑性ポリオレフィンは、有機溶剤に溶解させて用いられたものであり、ポリオレフィン系樹脂用の塗料もしくは接着剤などとして効果が高かったものである。しかしながら、水や水と親水性溶媒との混合溶媒に対して樹脂分散体とするのが困難な物質であったが、本発明の乳化剤を用いることにより、脱溶剤化が可能となり、環境負荷の懸念の小さい、塗料や接着剤を製造することが可能となる。また、高温安定性に優れることから、溶融粘度の高い熱可塑性樹脂でも高温化での乳化により樹脂分散体を製造することが可能となる。
本発明の乳化剤を用いた性樹脂分散体は、用いるポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂の種類にもよるが、塗料、粘着剤、インクのバインダー、接着剤、改質剤として使用することができる。また、本発明の乳化剤を用いた樹脂分散体は耐水性に優れ、塩素などのハロゲンを含有する必要がないため環境負荷の懸念を低減することができる。従って本発明の乳化剤を用いた樹脂分散体は、自動車、家電、建材など各種工業部品に用いることができ、特に、薄肉化、高機能化、大型化された部品・材料として実用に十分な性能を有している。例えば、バンパー、インストルメントパネル、トリム、ガーニッシュなどの自動車部品、テレビケース、洗濯機槽、冷蔵庫部品、エアコン部品、掃除機部品などの家電機器部品、便座、便座蓋、水タンクなどのトイレタリー部品、浴槽、浴室の壁、天井、排水パンなどの浴室周りの部品などの各種工業部品用成形材料として用いることができる
次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に制限されるものではない。また、下記の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限または下限の値と下記実施例の値または実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。尚、以下で単に「部」と書いた場合は「重量部」を指す。
[実施例1]
(乳化剤の製造)
冷却管、窒素導入管、攪拌機及び滴下ロートを装置した1Lガラスフラスコに、イソプロピルアルコール(以下、「IPA」と略記することがある)150gを仕込み、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートを45g、メタクリル酸ブチルを45g、メタクリル酸合成ラウリルを10g投入した。反応容器を窒素置換後、さらに、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(大塚化学(株)製、以下「AIBN」と略する。)を0.6g添加し、重合を開始した。内温80℃に達してから2時間後にAIBN0.3gを添加した。さらに、2時間熟成した。内温を80℃から83℃まで上昇し、IPAを留去しながら水を加えて置換し、85%のDL乳酸水溶液33.4g(N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのモル数に対して110モル%の量)を用いて中和した後、最終的に粘ちょうな乳化剤を得た。
(耐熱性試験)
乳化剤サンプルを危険物乾燥機(佐竹化学機械工業社製セーフベンドライヤ)中で80℃、5時間の条件で乾燥させ、得られた乾燥塗膜を10mg計り取り、TG/DTA熱分析装置(Seiko Instruments社製 SSC/5200)を用いて、重量変化(TG)を測定した。測定条件は温度範囲35℃〜185℃、昇温速度5℃/min、窒素20ml/minで測定を行った。乾燥前の重量、185℃の重量から下記の式を用いて揮発した酸の重量%を算出した。揮発酸の重量%が低いほど耐熱性が良好である。
(揮発酸の重量%)=[{(185℃の重量)−(乾燥前の重量)}/(測定試料中の酸の重量)×100
[実施例2、3]
(乳化剤の製造)
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸合成ラウリル、85%のDL乳酸水溶液の配合割合を変えた以外は、製造例1と同様に行い、実施例2、3に記載の粘ちょうな乳化剤の水溶液を得た。
(耐熱性試験)
上記で得られた乳化剤について、実施例1と同様にして耐熱性試験を行い、揮発した酸の重量%を算出した。
[比較例1]
(乳化剤の製造)
DL乳酸を蟻酸へ置き換えた以外は、製造例1と同様に実施例2、3に記載の粘ちょうな乳化剤の水溶液を得た。
(乳化剤の物性測定)
上記で得られた乳化剤について、実施例1と同様にして耐熱性試験を行い、揮発した酸の重量%を算出した。
Figure 2012213711
<結果の評価>
有機酸(B)として、分子量90の乳酸を用いた実施例1〜3では耐熱性試験の結果、揮発した乳酸のモル数が少なかったのに対し、有機酸(B)を用いず、蟻酸を用いた比較例1と比べて耐熱性試験の結果が良好であった。

Claims (11)

  1. 下記式(1)で表されるビニル単量体(A1)に由来する構造単位を含む重合体(A)と、分子量が70以上300以下であり、構造中にカルボキシル基を有する有機酸(B)とを含有してなる重合体(X)からなる、乳化剤。
    Figure 2012213711
    (Rは水素原子またはメチル基であり、Rはヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1〜4のアルキレン基であり、RとRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Aは−O−又は−NH−である。)
  2. 前記重合体(A)が、前記ビニル単量体(A1)に由来する構造単位を前記重合体(A)全体に対して20〜80重量%含む、請求項1に記載の乳化剤。
  3. 前記有機酸(B)が、分子中にヒドロキシ基及びカルボキシル基を合計で2つ以上有する、請求項1又は2に記載の乳化剤。
  4. 前記有機酸(B)が、脂肪族ヒドロキシ酸である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の乳化剤。
  5. 前記有機酸(B)が、乳酸である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の乳化剤。
  6. 前記重合体(A)が下記式(2)で表されるビニル単量体(A2)に由来する構造単位を含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載の乳化剤。
    Figure 2012213711
    (Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数3〜22のシクロアルキル基又は炭素数6〜22のアリール基である。)
  7. 前記重合体(A)が、前記ビニル単量体(A2)に由来する構造単位を前記重合体(A)全体に対して20〜80重量%含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載の乳化剤。
  8. 前記重合体(A)が、前記式(2)において、Rが炭素数1〜6であるものに由来する構造単位を含み、かつ、前記式(2)において、Rが7〜22であるものに由来する構造単位を含む、請求項7に記載の乳化剤。
  9. 前記重合体(A)が、前記式(2)において、Rが炭素数1〜6であるものに由来する構造単位として、ブチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を含み、かつ前記式(2)において、Rが7〜22であるものに由来する構造単位として、合成ラウリル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を含む、請求項8に記載の乳化剤。
  10. 請求項1から9までのいずれか1項に記載の乳化剤と熱可塑性ポリオレフィンとを含む、樹脂分散体。
  11. 前記熱可塑性ポリオレフィンがポリプロピレン系重合体である、請求項10に記載の樹脂分散体。
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