JP2012211573A - 熱機関 - Google Patents

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Yasuhiro Takeuchi
康浩 武内
Hiroshi Kano
宏 加納
Shuzo Oda
修三 小田
Yasutoku Niiyama
泰徳 新山
Taku Kaneko
金子  卓
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Abstract

【課題】液体ピストンの変位を機械的エネルギに変換する変換機構を良好に潤滑する。
【解決手段】作動室10、11を形成する作動室形成部材12と、作動室10、11を第1作動室10と第2作動室11とに仕切る仕切り部材17と、第1作動室10に封入された第1作動液14と、第2作動室11に封入された第2作動液15と、第1作動室10および第2作動室11の外部に設けられ、蒸気を発生させる蒸気発生手段13と、蒸気発生手段13で発生した蒸気を、第1作動室10のうち第2作動室11と反対側の部位に供給する蒸気供給手段18、19、121と、第2作動液15の変位を機械的エネルギに変換する変換機構16とを備え、第2作動液15は、第1作動液14と比較して潤滑性能に優れた液体であり、仕切り部材17は、第1作動液14と第2作動液15との間で変位が伝達されるように変形可能な部材である。
【選択図】図2

Description

本発明は、蒸気の膨張によって液体ピストンを変位させ、液体ピストンの変位を機械的エネルギに変換する熱機関に関する。
従来、この種の熱機関が特許文献1に記載されている。この従来技術は、水(作動流体の液)が流動可能に封入されたシリンダと、シリンダの外部に設けられた液相加熱室とを備え、液相加熱室で水を加熱して蒸発させ、液相加熱室で発生した水蒸気をシリンダの一端部に供給し、供給された水蒸気の膨張によってシリンダ内の水を変位させ、シリンダ内の水の変位を出力ピストン、連結ロッドおよびフライホイールによって回転駆動力として取り出すようになっている。
特開平10−252556号公報
しかしながら、上記従来技術によると、出力ピストンとシリンダとの摺動部を潤滑する手段について全く言及されていない。
この点、シリンダ内に封入された作動流体の液によって出力ピストンとシリンダとの摺動部を潤滑させる手段が考えられるが、摺動部の潤滑性と、作動流体の蒸発・凝縮の効率性とを単一の作動流体で両立させることは現実的には困難である。
本発明は上記点に鑑みて、液体ピストンの変位を機械的エネルギに変換する変換機構を良好に潤滑できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、作動室(10、11)を形成する作動室形成部材(12)と、
作動室(10、11)を第1作動室(10)と第2作動室(11)とに仕切る仕切り部材(17)と、
第1作動室(10)に封入された第1作動液(14)と、
第2作動室(11)に封入された第2作動液(15)と、
第1作動室(10)および第2作動室(11)の外部に設けられ、蒸気を発生させる蒸気発生手段(13)と、
蒸気発生手段(13)で発生した蒸気を、第1作動室(10)のうち第2作動室(11)と反対側の部位に供給する蒸気供給手段(18、19、121)と、
第2作動液(15)の変位を機械的エネルギに変換する変換機構(161、162、163)とを備え、
第2作動液(15)は、第1作動液(14)と比較して潤滑性能に優れた液体であり、
仕切り部材(17)は、第1作動液(14)と第2作動液(15)との間で変位が伝達されるように変形可能な部材であることを特徴とする。
これによると、液体ピストンを第1作動液(14)と第2作動液(15)とで構成し、変換機構(161、162、163)側の第2作動室(11)に封入される第2作動液(15)を潤滑性能に優れたものにしているので、変換機構(161、162、163)を良好に潤滑することができる。
また、第1作動液(14)が封入される第1作動室(10)と、第2作動液(15)が封入される第2作動室(11)とを仕切り部材(17)で仕切っているので、第1作動液(14)と第2作動液(15)との混濁を防止できる。
また、仕切り部材(17)は、第1作動液(14)と第2作動液(15)との間で変位が伝達されるように変形可能な部材であるので、第1作動液(14)と第2作動液(15)とで液体ピストンの機能を発揮することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の熱機関において、変換機構(161、162、163)は、第2作動室(11)の第2作動液(15)の漏出が不可避である構造になっており、
第2作動室(11)の外部から第2作動室(11)に第2作動液(15)を補給する補給手段(25、26、41、43)を備えることを特徴とする。
これによると、第2作動室(11)の第2作動液(15)が変換機構(161、162、163)を通じて漏出しても、第2作動室(11)の第2作動液(15)の減少を抑制することができる。このため、仕切り部材(17)の変形に偏りが生じることを抑制できる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の熱機関において、仕切り部材(17)の変形状態を検出する検出手段(27、29、30、31、32、33、34、35)と、
検出手段の検出結果に基づいて補給手段の作動を制御する制御手段(28)とを備えることを特徴とする。
これにより、仕切り部材(17)の変形状態に応じて、第2作動室(11)に第2作動液(15)を適切に補給することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項2または3に記載の熱機関において、補給手段(25、26、41、43)は、第2作動室(11)から漏出した第2作動液(15)を第2作動室(11)へ戻すものであることを特徴とする。
これにより、第2作動室(11)に第2作動液(15)を効率良く補給することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の熱機関において、第1作動室(10)および第2作動室(11)を構成する気筒と、仕切り部材(17)とを複数組有し、
検出手段は、各々の仕切り部材(17)に対して変形状態を検出するようになっており、
補給手段は、各々の気筒に対して別々に第2作動液(15)を補給できるようにする補給調整手段(41)を有し、
制御手段(28)は、検出手段の検出結果に基づいて補給調整手段(41)を制御することを特徴とする。
これによると、気筒を複数有している場合において、各気筒の第2作動室(11)に第2作動液(15)を適切に補給することができる。
請求項6に記載の発明では、請求項2に記載の熱機関において、補給手段(25、26、41)による第2作動液(15)の補給を定期的に断続する断続手段(42)を備えることを特徴とする。
これにより、補給手段(25、26、41)の制御を簡素化できる。
請求項7に記載の発明では、請求項2に記載の熱機関において、第2作動室(11)から漏出した第2作動液(15)を貯留する貯留部(164)を備え、
補給手段は、貯留部(164)と第2作動室(11)とを連通する補給通路(25)と、補給通路(25)を開閉する弁機構(43)とを有し、
弁機構(43)は、第2作動室(11)側の圧力が貯留部(164)側の圧力よりも低い場合に開弁するものであることを特徴とする。
これによると、電気的な制御を行うことなく第2作動室(11)に第2作動液(15)を補給することができるので、構成を簡素化できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態における熱機関の全体構成図である。 第2実施形態における熱機関の全体構成図である。 第3実施形態における熱機関の全体構成図である。 第3実施形態における制御処理を示すフローチャートである。 第3実施形態における熱機関の変形例を示す構成図である。 第3実施形態における熱機関の変形例を示す構成図である。 第3実施形態における熱機関の変形例を示す構成図である。 第4実施形態における熱機関の全体構成図である。 第4実施形態における制御処理を示すフローチャートである。 第5実施形態における熱機関の全体構成図である。 第6実施形態における熱機関の全体構成図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1に基づいて説明する。図1は本実施形態における熱機関の概略構成を表す構成図である。図1中の上下の矢印は、熱機関の設置状態における上下方向(鉛直方向)を示している。
本実施形態の熱機関は、液体ピストン式蒸気エンジンとも呼ばれるものであり、駆動対象機器(図示せず)を駆動する駆動源として用いられる。
熱機関は、作動室10、11を形成する管状の容器12(作動室形成部材)と、容器12の外部にて蒸気を発生させる外部蒸発器13(蒸気発生手段)と、作動室10、11内の作動液14、15(液体ピストン)の変位を機械的エネルギに変換して出力する出力部16とを備えている。
本例では、容器12は、直管形状に形成され、上下方向(鉛直方向)に延びるように配置されている。出力部16は、容器12の下端部に接続されている。
作動室10、11は、上方側(容器12の一端側)の第1作動室10と、下方側(容器12の他端側)の第2作動室11とで構成されている。容器12の内部には、第1作動室10と第2作動室11とを仕切る膜状のダイヤフラム17(膜状部材)が設けられている。
作動液14、15は、水14(第1作動液)と油15(第2作動液)とで構成されている。水14は第1作動室10に流動可能に封入されている。油15は、第2作動室11に充満状態に封入されている。第2作動室11の油15は、第1作動室10の水14と比較して潤滑性能に優れた液体である。本例では、第1作動室10の作動液が水であるので、容器12をステンレス製とするのが好ましい。
ダイヤフラム17は、図1の実線および二点鎖線に示すように上下方向に変形可能になっている。ダイヤフラム17が上下方向に変形することによって、水14と油15との間で変位を伝達することができるようになっている。図1の実線は、ダイヤフラム17が最も上方側に凸に変形した状態を示し、図1の二点鎖線は、ダイヤフラム17が最も下方側に凸に変形した状態を示している。
外部蒸発器13は、水(第1作動液と同種の液体)を加熱して蒸気を発生させる。本例では、外部蒸発器13の熱源として排気ガス等の高温ガスを用いている。具体的には、外部蒸発器13は、高温ガスと水とを熱交換して水を加熱する熱交換器(図示せず)と、熱交換器に水を圧送するポンプ(図示せず)とを有している。
外部蒸発器13で発生した蒸気は、給気通路18、給気バルブ19および給気ポート121(蒸気供給手段)によって第1作動室10に供給されるようになっている。給気ポート121は、容器12の上端部(一端部)に形成されている。給気ポート121は、外部蒸発器13で発生した蒸気が流通する給気通路18と連通している。本例では、給気通路18は配管部材で形成されている。給気バルブ19は、給気通路18を所定タイミングで開閉する。
第1作動室10の蒸気は、排気ポート122、排気通路20および排気バルブ21(排気手段)によって第1作動室10の外部に排出されるようになっている。排気ポート122は、容器12の上端部に形成されている。排気ポート122は、大気に開放された排気通路20と連通している。本例では、排気通路20は配管部材で形成されている。排気バルブ21は、排気通路20を所定タイミングで開閉する。
排気通路20は、必ずしも大気に開放されている必要はない。例えば第1作動室10の蒸気が排気通路20を通じて外部蒸発器13に戻されるといった閉ループ系になっていてもよい。給気バルブ19および排気バルブ21は、例えばロータリー弁やポペット弁等で構成することができる。
第1作動室10のうち上方側(第2作動室11と反対側)の空間は、外部蒸発器13から供給された蒸気が膨張する膨張部101を構成している。膨張部101も外部蒸発器13と同様に高温ガスで加熱するようにすれば、膨張部101での蒸気の凝縮を抑制することができる。
第1作動室10のうち膨張部101よりも下方側(第2作動室11側)に位置する空間は、膨張部101で膨張した蒸気を冷却して凝縮させる冷却部102を構成している。容器12のうち膨張部101および冷却部102を形成する部位は、複数本に分岐されていてもよい。
冷却部102には冷却器22が設けられている。本例では、冷却器22は容器12の外部に設けられており、冷却器22が容器12を介して蒸気を冷却するようになっている。冷却器22は容器12の内部に設けられていてもよい。この場合、冷却器22が蒸気を直接冷却することとなる。
冷却器22には冷却水(冷却用流体)が循環するようになっている。冷却水の循環回路中には、冷却水が蒸気から奪った熱を放熱する放熱器(図示せず)が配置されている。冷却部102では、冷却器22が蒸気と冷却水とを熱交換して蒸気を冷却することによって蒸気が凝縮する。
出力部16は、固体ピストン161、クランクシャフト162、コネクティングロッド163およびクランクケース164を有している。固体ピストン161、クランクシャフト162およびコネクティングロッド163は、油15の変位を機械的エネルギに変換する変換機構を構成している。
固体ピストン161は、容器12の下端部(他端部)内を往復運動(往復摺動)する。換言すれば、容器12の下端部は、固体ピストン161を収容するシリンダを構成している。
固体ピストン161にはピストンリング161aが嵌められており、ピストンリング161aによって固体ピストン161と容器12の内壁面(シリンダ内面)との間の液密を確保するようになっている。
ピストンリング161aは、所定の合い口隙間161bを持たせて固体ピストン161に嵌められている。合い口隙間161bが設けられる理由は、ピストンリング161aを固体ピストン161に装着するため、およびピストンリング161aにシリンダ内面へのバネ性を持たすためである。
クランクシャフト162およびコネクティングロッド163は、固体ピストン161の往復運動を回転運動に変換するクランク機構(動力変換機構)を構成しており、固体ピストン161の下方側(第1作動室10と反対側)に配置されている。
クランクシャフト162には、フライホイール等の慣性力発生部材(図示せず)が取り付けられている。なお、クランクシャフト162およびコネクティングロッド163(クランク機構)の代わりに、種々の動力変換機構を用いてもよい。
クランクシャフト162およびコネクティングロッド163を収容するクランクケース164は、容器12の下端部に取り付けられている。クランクケース164内に形成されているクランク室164aには、油15(第2作動液と同種の液体)が溜められている。すなわち、クランク室164aは、クランク機構162、163を収容する役割と、油15を貯留するタンク室(貯留部)の役割とを果たしている。
なお、クランクシャフト162を給気バルブ19および排気バルブ21に機械的に連結すれば、給気バルブ19および排気バルブ21をクランクシャフト162の回転位相と同期して駆動することができる。クランクシャフト162と給気バルブ19および排気バルブ21との機械的連結には、例えばプーリ、ベルト等を用いることができる。給気バルブ19および排気バルブ21を電気的に制御するようにしてもよい。
次に、上記構成における基本作動を説明する。以下では、第1作動室10の水14が最も上方側(膨張部101側)にきたときの位置を上死点と言い、第1作動室10の水14が最も下方側(第2作動室11側)にきたときの位置を下死点と言う。
第1作動室10の水14が上死点にある状態において、給気バルブ19が開かれると膨張部101に外部蒸発器13からの蒸気が給気される。膨張部101に供給された高温・高圧の蒸気が膨張することによって第1作動室10の水14が下方側(第2作動室11側)に押し出される。このときの水14の変位方向を膨張方向と表現することができる。水14が膨張方向に変位する行程を膨張行程と表現することができる。
水14が下方側(第2作動室11側)に変位すると、ダイヤフラム17が下方側に凸となるように変形して第2作動室11の油15を下方側(固体ピストン161側)に押圧するので、第2作動室11の油15が下方側に変位する。換言すれば、第1作動室10の水14の変位は、ダイヤフラム17を介して第2作動室11の油15に伝達される。
第2作動室11の油15が下方側に変位すると、固体ピストン161が下方側(クランクシャフト162側)に押し出されるので、クランクシャフト162が回転して機械的エネルギが出力される。クランクシャフト162が所定角度回転すると、給気バルブ19が閉じられ、膨張部101への蒸気の給気が遮断される。
膨張部101で膨張した蒸気が冷却部102に進入して水14の液面が冷却部102まで下がると、冷却部102に進入した蒸気は冷却器22によって冷却されて凝縮する。これにより、水14を下方側に押し出す力が消滅するので、固体ピストン161は慣性力発生部材(図示せず)の慣性力によって上方側に押し戻される。これにより、第2作動室11の油15も上方側(第1作動室10側)に押し戻される。
第2作動室11の油15が上方側に押し戻されると、ダイヤフラム17が上方側(第1作動室10側)に凸となるように変形して第1作動室10の水14を上方側(膨張部101側)に押圧するので、第1作動室10の水14が上方側に変位する。換言すれば、第2作動室11の油15の変位は、ダイヤフラム17を介して第1作動室10の水14に伝達される。このときの水14の変位方向を圧縮方向と表現することができる。水14が圧縮方向に変位する行程を圧縮行程と表現することができる。
圧縮行程では、排気バルブ21が開かれて、冷却部102で凝縮し切れなかった蒸気、あるいは吸入時に取込まれた蒸気に含まれる不凝縮気体、また凝縮した水の一部が排気ポート122および排気通路20から大気中に排気される。なお、排気通路20が大気に開放されておらず閉ループ系になっている場合には、冷却部102で凝縮し切れなかった蒸気が排気ポート122および排気通路20を通じて外部蒸発器13に戻されることとなる。
排気バルブ21が開かれてからクランクシャフト162が所定角度回転すると、排気バルブ21が閉じられる。排気バルブ21は、第1作動室10の水14が上死点に到達する少し前に閉じられるのが好ましい。クランクシャフト162がさらに所定角度回転して第1作動室10の水14が上死点に到達すると、給気バルブ19が再び開かれて膨張部101に蒸気が給気される。
このような動作が繰り返し行われることで、作動室10、11の水14および油15(液体ピストン)が周期的に変位(いわゆる自励振動)して固体ピストン161を連続的に往復運動させる。このとき、摺動部(固体ピストン161の外周面および容器12の内壁面)は、第2作動室11の油15によって潤滑される。
固体ピストン161が連続的に往復運動することによってクランクシャフト162が連続的に回転するので、出力を連続的に得ることができる。
本実施形態によると、液体ピストンのうち出力部16側の部分を油15で構成しているので、固体ピストン161の摺動部の潤滑性を確保して摩耗を抑制でき、ひいては耐久性を向上させることができる。
また、容器12の内部空間をダイヤフラム17によって第1作動室10と第2作動室11とに仕切り、出力部16と反対側の第1作動室10に水14を封入し、出力部16側の第2作動室11に油15を封入しているので、水14と油15との混濁を防止できるとともに、水14と油15との間で変位を伝達して液体ピストンの機能を支障なく発揮することができる。
(第2実施形態)
本第2実施形態では、図2に示すように、上記第1実施形態に対して、給油通路25(補給通路)およびポンプ26(圧送手段)を追加している。給油通路25およびポンプ26は、第2作動室11に第2作動液15を補給する補給手段を構成している。本例では、給油通路25は配管部材で形成されている。
給油通路25の一端部は、クランクケース164に形成された油流出口164b(第2作動液流出口)を介してクランク室164aと連通している。クランクケース164の油流出口164bは、できるだけ下方にてクランク室164aに開口しているのが好ましい。本例では、油流出口164bは、クランクケース164の底面に設けられている。
給油通路25の他端部は、容器12に形成された給油口123(供給口)を介して第2作動室11と連通している。容器12の給油口123は、固体ピストン161の上死点よりも上方側にて第2作動室11に開口しているのが好ましい。
ポンプ26は、給油通路25に設けられており、クランク室164aの油15を第2作動室11へ圧送する。
上記構成における作動を説明する。上記構成においては、ピストンリング161aは、合い口隙間161bを持たせて固体ピストン161に嵌められているので、第2作動室11の油15が合い口隙間161bを通じて少しずつクランク室164aに漏れ出すという現象が生じる。換言すれば、出力部16は、第2作動室11からの第2作動液15の漏出が不可避である構造になっている。
第2作動室11の油15が漏れ出して少なくなるとダイヤフラム17の上下の変形が所期の変形よりも出力部16側へ偏り、ダイヤフラム17の作動に支障をきたす虞がある。
この点に鑑みて、本実施形態では、給油通路25およびポンプ26によってクランク室164aの油15を第2作動室11へ供給する。このため、第2作動室11の油15が合い口隙間161bを通じて少しずつクランク室164aに漏れ出しても、第2作動室11の油15の量を許容量に維持することができるので、ダイヤフラム17の変形の偏りを許容範囲内に押さえることができる。
(第3実施形態)
本第3実施形態では、図3に示すように、上記第2実施形態に対して、差圧計27(検出手段)および制御装置28(制御手段)を追加している。
差圧計27は、第1作動室10と第2作動室11の差圧ΔPを検出するものである。差圧計27の検出信号は、制御装置28に入力される。制御装置28は、差圧計27の検出結果に基づいてポンプ26の作動を制御する。
本例では、固体ピストン161の上死点でダイヤフラム17が上側に張るように第2作動室11に油15が満たされている。つまり、固体ピストン161の上死点では油圧>水圧になっている。
第2作動室11の油15が合い口隙間161bを通じて少しずつクランク室164aに漏れ出してくると、上死点での差圧ΔP=油圧−水圧が0に近づくこととなる。その結果、上死点でのダイヤフラム17の上側への張りが弱くなり、ダイヤフラム17の変形が所期の状態よりも下側へ偏ることとなる。
そのため、差圧計27が検出する差圧ΔPに基づいてダイヤフラム17の変形状態を検知することができる。
図4は、制御装置28が行う制御処理の要部を示すフローチャートである。運転を開始するとまずステップS100にて定常運転を行う。定常運転とは、ポンプ26を停止させた状態で熱機関を運転させることである。
次いでステップS110へ進み、差圧ΔPが設定圧P以上であるか否かを判定する。差圧ΔPが設定圧P以上であると判定した場合、第2作動室11の油15の量が不足しておらず、ダイヤフラム17の変形が許容範囲内になっていると判断して、ステップS100へ戻り、定常運転を継続する。
一方、差圧ΔPが設定圧P未満であると判定した場合、第2作動室11の油15の量が不足していて、ダイヤフラム17の変形が許容範囲を超えていると判断して、ステップS120へ進み、ポンプ26を起動する(ポンプON)。次いでステップS110へ戻る。
このルーティンを、運転が停止するまで繰り返す。
本実施形態によると、ダイヤフラム17の位置(変形状態)を検出し、その検出結果に基づいてポンプ26の作動を制御するので、第2作動室11への油15の供給を適切に行うことができる。このため、第2作動室11の油15の量をより適切な量に維持することができるので、ダイヤフラム17の変形の偏りをより適切な範囲内に押さえることができる。
なお、図5に示すように、差圧計27の代わりに水圧計29および油圧計30を用いてダイヤフラム17の位置(変形状態)を検出するようにしてもよい。水圧計29は第1作動室10の水圧を検出し、油圧計30は第2作動室11の油圧を検出し、制御装置28は、水圧計29および油圧計30の検出結果に基づいて差圧ΔPを演算する。
また、図6に示すように、ダイヤフラム17の位置(変形状態)を光で検出するようにしてもよい。具体的には、容器12に2組の投光部31、32および受光部33、34を配置する。一方の投光部31および受光部33は、第1作動室10側に変形したダイヤフラム17の位置を検出し、他方の投光部32および受光部34は、第2作動室11側に変形したダイヤフラム17の位置を検出する。
また、図7に示すように、ダイヤフラム17の位置(変形状態)を張力センサ35で検出するようにしてもよい。具体的には、ダイヤフラム17に張力センサ35を貼り付け、張力センサ35の検出信号を検出回路36で処理するようにすればよい。
(第4実施形態)
本第4実施形態では、図8に示すように、熱機関が気筒を複数有している場合において、油15を戻す(補給する)必要がある気筒だけを検出し、選択的に油15を戻すようにしている。
ここで、熱機関の気筒とは、一対の第1作動室10および第2作動室11を構成する部分のことであり、図8の例では、管状の容器12を複数個設けることによって気筒を複数個形成している。また、図8の例では、気筒が2つ示されているが、気筒を3つ以上有していてもよい。
各気筒の第1作動室10には水14が封入され、各気筒の第2作動室11には油15が封入されている。気筒が複数個あるので、ダイヤフラム17、給気通路18、給気バルブ19、給気ポート121、排気ポート122、排気通路20、排気バルブ21、冷却器22、固体ピストン161、コネクティングロッド163および差圧計27も各気筒に対応して気筒数と同数個ずつ設けられている。
換言すれば、図8の例では、気筒、ダイヤフラム17、給気通路18、給気バルブ19、給気ポート121、排気ポート122、排気通路20、排気バルブ21、冷却器22、固体ピストン161、コネクティングロッド163および差圧計27を複数組有している。
本例では、各気筒の給気通路18が共通の外部蒸発器13に接続されている。各気筒のコネクティングロッド163は、共通のクランクシャフト162に連結されている。各気筒のコネクティングロッド163および共通のクランクシャフト162は、共通のクランクケース164に収容されている。したがって、各気筒の第2作動室11からピストンリング161aの合い口隙間161bを通じて漏出した油15は、共通のクランク室164aに貯留される。各気筒の差圧計27の検出信号は、共通の制御装置28に入力される。
給油通路25のうちポンプ26よりも下流側の通路は、ディストリビュータ40を用いて複数本の通路に分岐されており、分岐された各通路には電磁バルブ41(補給調整手段)が設けられている。各電磁バルブ41は、共通の制御装置28によって個別に制御される。各電磁バルブ41を個別に制御することにより、各々の気筒の第2作動室11に対して油15の補給を独立して行うことができる。
図9は、制御装置28が実行する制御処理の概要を示すフローチャートを示している。運転を開始するとまずステップS200にて定常運転を行う。次いでステップS210へ進み、各気筒の差圧計27の検出結果に基づいて、各気筒の差圧ΔPが設定圧P以上であるか否かを判定する。
差圧ΔPが設定圧P以上であると判定した場合、いずれの気筒においても油戻し(油15の補給)が不要であると判断して、ステップS200へ戻り、定常運転を継続する。
差圧ΔPが設定圧P未満であると判定した場合、ステップS120へ進み、油戻しが必要な気筒を特定する。次いで、ポンプ26を起動する(ポンプON)とともに、油戻しが必要な気筒の電磁バルブ41を開ける(電磁バルブ開)。次いでステップS210へ戻る。このルーティンを、運転が停止するまで繰り返す。
本実施形態によると、油戻しが必要な気筒に対して油戻しを行い、油戻しが不要な気筒に対して油戻しを行わないので、各気筒に対して適切に油戻しを行うことができる。
(第5実施形態)
本第5実施形態では、図10に示すように、制御装置28の代わりにタイマー42(断続手段)を設けている。タイマー42は、熱機関の運転時間を計測し、ポンプ26の入り切り(ON/OFF)を定期的に実施する。これにより、第2作動室11への第2作動液15の補給が定期的に断続される。
本実施形態によれば、制御装置28を用いてポンプ26を制御する場合と比較してポンプ26の制御を簡素化できる。
(第6実施形態)
本第6実施形態では、図11に示すように、ポンプ26の代わりに一方向弁43(弁機構)を設けている。一方向弁43は、弁体とバネとを有する機械式の弁機構(逆止め弁)であり、第2作動室11側の圧力がクランク室164a側の圧力よりも低くなると開弁し、第2作動室11側の圧力がクランク室164a側の圧力よりも高くなると閉弁する。
本実施形態によると、電気的な制御を行うことなく油戻しを行うことができるので、構成を簡素化できる。なお、一方向弁43の開弁圧を適宜調整することで、油戻しをより適切に行うことが可能になる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態を可能な範囲で適宜組み合わせても良いことはもちろんである。
また、上記各実施形態では、第2作動室11から漏出した油15を第2作動室11に戻しているが、第2作動室11から漏出した油15を第2作動室11に戻さずに、未使用の新しい油15を第2作動室11に補給するようにしても良い。
10 第1作動室(作動室)
11 第2作動室(作動室)
12 容器(作動室形成部材)
13 外部蒸発器(蒸気発生手段)
14 水(第1作動液)
15 油(第2作動液)
17 ダイヤフラム(仕切り部材)
18 給気通路(吸気手段)
19 給気バルブ(吸気手段)
25 給油通路(補給手段)
26 ポンプ(補給手段)
28 制御装置(制御手段)
161 固体ピストン(変換機構)
162 クランクシャフト(変換機構)
163 コネクティングロッド(変換機構)

Claims (7)

  1. 作動室(10、11)を形成する作動室形成部材(12)と、
    前記作動室(10、11)を第1作動室(10)と第2作動室(11)とに仕切る仕切り部材(17)と、
    前記第1作動室(10)に封入された第1作動液(14)と、
    前記第2作動室(11)に封入された第2作動液(15)と、
    前記第1作動室(10)および前記第2作動室(11)の外部に設けられ、蒸気を発生させる蒸気発生手段(13)と、
    前記蒸気発生手段(13)で発生した前記蒸気を、前記第1作動室(10)のうち前記第2作動室(11)と反対側の部位に供給する蒸気供給手段(18、19、121)と、
    前記第2作動液(15)の変位を機械的エネルギに変換する変換機構(161、162、163)とを備え、
    前記第2作動液(15)は、前記第1作動液(14)と比較して潤滑性能に優れた液体であり、
    前記仕切り部材(17)は、前記第1作動液(14)と前記第2作動液(15)との間で変位が伝達されるように変形可能な部材であることを特徴とする熱機関。
  2. 前記変換機構(161、162、163)は、前記第2作動室(11)の前記第2作動液(15)の漏出が不可避である構造になっており、
    前記第2作動室(11)の外部から前記第2作動室(11)に前記第2作動液(15)を補給する補給手段(25、26、41、43)を備えることを特徴とする請求項1に記載の熱機関。
  3. 前記仕切り部材(17)の変形状態を検出する検出手段(27、29、30、31、32、33、34、35)と、
    前記検出手段の検出結果に基づいて前記補給手段の作動を制御する制御手段(28)とを備えることを特徴とする請求項2に記載の熱機関。
  4. 前記補給手段(25、26、41、43)は、前記第2作動室(11)から漏出した前記第2作動液(15)を前記第2作動室(11)へ戻すものであることを特徴とする請求項2または3に記載の熱機関。
  5. 前記第1作動室(10)および前記第2作動室(11)を構成する気筒と、前記仕切り部材(17)とを複数組有し、
    前記検出手段は、各々の前記仕切り部材(17)に対して変形状態を検出するようになっており、
    前記補給手段は、各々の前記気筒に対して別々に前記第2作動液(15)を補給できるようにする補給調整手段(41)を有し、
    前記制御手段(28)は、前記検出手段の検出結果に基づいて前記補給調整手段(41)を制御することを特徴とする請求項3に記載の熱機関。
  6. 前記補給手段(25、26、41)による前記第2作動液(15)の補給を定期的に断続する断続手段(42)を備えることを特徴とする請求項2に記載の熱機関。
  7. 前記第2作動室(11)から漏出した前記第2作動液(15)を貯留する貯留部(164)を備え、
    前記補給手段は、前記貯留部(164)と前記第2作動室(11)とを連通する補給通路(25)と、前記補給通路(25)を開閉する弁機構(43)とを有し、
    前記弁機構(43)は、前記第2作動室(11)側の圧力が前記貯留部(164)側の圧力よりも低い場合に開弁するものであることを特徴とする請求項2に記載の熱機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104121094A (zh) * 2014-08-12 2014-10-29 李福祥 蒸汽机原理的燃气发动机

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