JP2012211528A - ポンプの軸封構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケーシング2に形成された孔部11に主軸3が挿入され、主軸3と孔部11との間がシール部材12でシールされたポンプの軸封構造であって、ケーシング2に、軸封水21をシール部材12に供給する供給通路22が形成され、供給通路22内に、供給通路22の内面の磨耗を防止する磨耗防止手段24が着脱自在に設けられている。
【選択図】図2
Description
軸封水をシール部材に供給する供給通路が形成され、
供給通路内に、供給通路の内面の磨耗を防止する磨耗防止手段が設けられているものである。
これによると、軸封水に含まれている粒子等により磨耗防止手段が磨耗した場合、磨耗防止手段を供給通路から取り外し、新しい磨耗防止手段を供給通路内に装着して交換すればよい。
これによると、流れ方向変化部では磨耗が発生し易いので、流れ方向変化部に磨耗防止手段を設けることにより、供給通路の内面の磨耗が確実に防止される。
これによると、磨耗防止手段により供給通路の内面の磨耗が防止されることで、ケーシングの使用寿命が延長される。
磨耗防止部材は、支持部材により、供給通路内における軸封水の流れ方向に対向するように支持されているものである。
本第6発明におけるポンプの軸封構造は、磨耗防止部材は供給通路内に挿脱自在な筒状の支持部材に設けられ、
磨耗防止部材の厚さが支持部材の厚さよりも厚く、
軸封水は支持部材内を流れるものである。
これによると、磨耗防止部材を支持部材に着脱することで、磨耗防止部材を交換することができるため、磨耗防止手段の使用寿命がさらに長くなる。
主軸はシールケース内を貫通し、
シール部材は主軸とシールケースとの間に設けられているものである。
排出通路を開閉する開閉部材が設けられているものである。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、図1に示すように、1は横型両吸込み渦巻き形のポンプである。このポンプ1はケーシング2と主軸3と羽根車4等を有している。ケーシング2は、例えば鋳鉄やダクタイル鋳鉄等の金属製であり、吸込口6と吐出口(図示省略)と吐出渦室7と吸込渦室10と一対の軸受装置8と一対のパッキン収納部9等を備えている。図2に示すように、主軸3は、主軸本体3aと、主軸本体3aに外嵌された円筒状のスリーブ3bとからなる。
図2〜図4に示すように、磨耗防止手段24は、ステンレス等の金属製であり、流れ方向変化部Cに配設される磨耗防止部材24aと、磨耗防止部材24aを支持する支持部材24bと、取付用の円形のフランジ部24cとを有している。尚、磨耗防止手段24には、ケーシング2よりも耐摩耗性に優れた材質が使用されており、例えば、ケーシング2よりも高硬度の材質が適している。その一例として、ケーシング2の材質が鋳鉄の場合、磨耗防止手段24の材質にはステンレスが使用される。
排出通路23は、主軸3の軸心5に平行に形成され且つ一端がケーシング2の外部に開口する第1排出通路部23aと、主軸3の径方向(上下方向)に形成され且つ下端(一端)が第1排出通路部23aの奥端に開口すると共に上端(他端)が封水リング15の外周側溝18に開口する第2排出通路部23bとを有している。
図2,図4,図5に示すように、グランドパッキン12はパッキンケース36(シールケースの一例)内に収められている。パッキンケース36は、円筒状のケース本体部36aと、ケース本体部36aの一端に設けられた取付用の四角形のフランジ部36bとを有している。
主軸3と共に羽根車4が回転することにより、水等の流体が、吸込口6からケーシング2内に流入し、吐出渦室7を流れ、吐出口から吐出される。この際、図2に示すように、プラグ29で排出通路23の端部開口部28を閉じた状態で、ケーシング2内の吸込渦室10よりも若干圧力の高い軸封水21を供給する。これにより、軸封水21は、給水配管32から供給通路22を流れ、供給通路22から封水リング15の外周側溝18に流入し、さらに、連通孔19を通って内周側溝17に流れ込み、封水リング15からグランドパッキン12に供給される。これにより、軸封部20が水封され、軸封水21が、グランドパッキン12の内周面と主軸3のスリーブ3bの外周面との間を軸心方向へ流れ、軸封部20の外部に僅かに漏洩する。
また、軸封水21が供給通路22を流れて軸封部20に供給されている際、軸封水21に含まれている粒子がグランドパッキン12の外周面とパッキンケース36の内周面との間に侵入し、万一、パッキンケース36が損傷した場合、植込ボルト39aからナット39b,39cを取り外し、パッキン押え37をパッキン収納部9から取り外し、パッキンケース36を孔部11からパッキン収納部9の外部へ抜き出して交換することができる。これにより、ケーシング2が損傷するのを防止することができ、高価で交換に手間を要するケーシング2の交換頻度を減少させることができる。
第2の実施の形態では、図6に示すように、磨耗防止部材24aは、プラグであり、支持部材24bの一端(奥端)に着脱自在に取り付けられて、支持部材24bの一端を閉塞している。
長期間の使用によって磨耗防止手段24が磨耗した場合、上述した第1の実施の形態と同様にして、磨耗防止手段24を容易に取り外して交換することができる。また、磨耗防止手段24を取り外した際、支持部材24bが軽微な磨耗で引き続き使用可能であるのに対し、磨耗防止部材24aが使用不能なほど激しく磨耗している場合には、磨耗防止部材24aを支持部材24bから取り外して、新しい磨耗防止部材24aに交換してもよい。これにより、磨耗防止部材24aを除く部分(すなわち支持部材24bとフランジ部24c)を再使用することができ、磨耗防止手段24の使用寿命がさらに長くなる。
第3の実施の形態では、図7に示すように、供給通路22は、第1供給通路部22aと、第2供給通路部22bと、上端(一端)がケーシング2の外面に開口すると共に下端(他端)が第1供給通路部22aに連通する第3供給通路部22cと、軸封水21の流れ方向が変化する第1および第2の流れ方向変化部C,Dとを有している。
通常時において、軸封水21は、給水配管32から第3供給通路部22cを通って第1供給通路部22aを流れ、第1供給通路部22aから第2供給通路部22bを流れて封水リング15の外周側溝18に流入する。この際、軸封水21は、供給通路22内の第2の流れ方向変化部Dにおいて、第2の磨耗防止部材24dにぶつかって急激に流れ方向を約90°変化させるため、軸封水21の流れが乱れ、第2の磨耗防止部材24dは支持部材24bよりも磨耗が激しい。これに対して、第2の磨耗防止部24dの厚さTdが支持部材24bの厚さTbよりも分厚いため、磨耗防止手段24の使用寿命が長くなる。
第1および第2の実施の形態では、図3,図6に示すように、流れ方向変化部Cを形成する連通孔27が磨耗防止部材24aに隣接して配置されているが、本第4の実施の形態では、図8に示すように、連通孔27が磨耗防止部材24aから所定距離Lだけ離間して配置されている。
上記各実施の形態では、図2,図7,図8に示すように、磨耗防止手段24をケーシング2の供給通路22に設けているが、第5の実施の形態では、図9に示すように、ケーシング2に接続されている給水配管32内に供給通路48を形成し、供給通路48すなわち給水配管32内に磨耗防止手段24を設けている。供給通路48は互いにほぼ直交する第1および第2供給通路部48a,48bからなり、第1供給通路部48aと第2供給通路部48bとの連通部には、軸封水21の流れ方向が変化する流れ方向変化部Fが形成されている。第2供給通路部48bの一端には開口部50とフランジ51とが設けられている。
軸封水21は、給水配管32内の供給通路48を流れて、ケーシング2の供給通路22に供給され、供給通路22から封水リング15の外周側溝18に流入する。この際、軸封水21は、流れ方向変化部Fにおいて、磨耗防止部材24aにぶつかって急激に流れ方向を約90°変化させるため、軸封水21の流れが乱れ、磨耗防止部材24aは支持部材24bよりも磨耗が激しい。これに対して、磨耗防止部材24aの厚さTaが支持部材24bの厚さTbよりも厚いため、磨耗防止手段24の使用寿命が長くなる。
上記各実施の形態では、図3,図6〜図9に示すように、磨耗防止部材24aの厚さTaを支持部材24bの厚さTbよりも厚くしているが、このような厚さの関係ではなく、磨耗防止部材24aの材質に、支持部材24bの材質よりも磨耗し難い材質を用いてもよい。この場合でも、磨耗防止手段24の使用寿命を長くすることができる。
上記各実施の形態では、供給通路22は90°屈曲した通路であるが、90°以外の角度で屈曲或は湾曲した通路であってもよい。
上記第3の実施の形態では、図7に示すように、第2の磨耗防止部材24dの厚さTdを支持部材24bの厚さTbよりも厚くしているが、このような厚さの関係ではなく、第2の磨耗防止部材24dの材質に、支持部材24bの材質よりも磨耗し難い材質を用いてもよい。この場合でも、磨耗防止手段24の使用寿命を長くすることができる。
2 ケーシング
3 主軸
11 孔部
12 グランドパッキン(シール部材)
20 軸封部
21 軸封水
22,48 供給通路
23 排出通路
24 磨耗防止手段
24a,24d 磨耗防止部材
24b 支持部材
29 プラグ(開閉部材)
36 パッキンケース(シールケース)
A,B 流れ方向
C,D,F 流れ方向変化部
Ta,Tb,Td 厚さ
Claims (9)
- ケーシングに形成された孔部に主軸が挿入され、主軸と孔部との間がシール部材でシールされたポンプの軸封構造であって、
軸封水をシール部材に供給する供給通路が形成され、
供給通路内に、供給通路の内面の磨耗を防止する磨耗防止手段が設けられていることを特徴とするポンプの軸封構造。 - 磨耗防止手段は供給通路に着脱自在であることを特徴とする請求項1記載のポンプの軸封構造。
- 磨耗防止手段は供給通路内において軸封水の流れ方向が変化する流れ方向変化部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のポンプの軸封構造。
- 供給通路はケーシングに形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のポンプの軸封構造。
- 磨耗防止手段は、磨耗防止部材と、磨耗防止部材を支持する支持部材とからなり、
磨耗防止部材は、支持部材により、供給通路内における軸封水の流れ方向に対向するように支持されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のポンプの軸封構造。 - 磨耗防止部材は供給通路内に挿脱自在な筒状の支持部材に設けられ、
磨耗防止部材の厚さが支持部材の厚さよりも厚く、
軸封水は支持部材内を流れることを特徴とする請求項5記載のポンプの軸封構造。 - 磨耗防止部材は支持部材に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のポンプの軸封構造。
- 孔部に、筒状のシールケースが着脱自在に嵌め込まれ、
主軸はシールケース内を貫通し、
シール部材は主軸とシールケースとの間に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のポンプの軸封構造。 - 軸封部に蓄積された異物を排出する排出通路が備えられ、
排出通路を開閉する開閉部材が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のポンプの軸封構造。
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