次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機)
図1に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2参照)が着脱可能に保持された本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられている。また、遊技盤20の後側には、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置13(図1または図2参照)が着脱し得るよう配設されている。中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板を備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組付けられると共に、前枠14の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前枠14の下部位置に下球受け皿15の上側に位置して、パチンコ球を貯留する上球受け皿16が一体的に組付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球受け皿16も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例のパチンコ機10では、図柄表示装置13として、液晶画面からなる表示部13aで各種演出表示を行う液晶タイプが採用されている。
(遊技盤)
前記中枠12に配設される遊技盤20は、図2に示すように、前面(盤面)にパチンコ球が流下可能な遊技領域20aが画成され、アクリルやポリカーボネート等の透明な樹脂製からなる平板状の板部材で構成される。実施例の遊技盤20は、透明なアクリル板からなる所謂透明盤であって、図3に示すように、該遊技盤20の後側に配設された設置部材40(図4参照)の前面に配設された後述する発光演出装置400の発光演出部410やその他の演出手段を前側から視認可能になっている。遊技盤20の前面には、円弧状に形成した案内レール21が配設されると共に、該案内レール21の右方位置に、左端縁が右方に凹む円弧状に形成した盤面飾り部材22が配設される。そして、案内レール21および盤面飾り部材22により遊技領域20aが略円形状に画成され、中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が遊技領域20a内に打ち出され、該遊技領域20a内をパチンコ球が流下して遊技が行われる。また、遊技盤20の遊技領域20a内には、多数の遊技釘が植設されており、該遊技釘との接触により遊技領域20aを流下するパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成してある。
前記遊技盤20には、図1または図2に示すように、後述する枠状装飾体28の下縁より下方位置に、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置24および特別入賞装置25やパチンコ球が通過可能なゲート26等が配設される。なお、図2の符号27は、遊技盤20に配設されて、常に入賞口を開放している普通入賞装置を示す。
(枠状装飾体)
前記遊技盤20の中央には、前後に貫通する大型の貫通口(図示せず)が形成されており、該貫通口に対して前後に開口する窓口28aを有する枠状装飾体(所謂センター役物)28が嵌め込まれるように着脱可能に配設される(図1または図2(a)参照)。そして、後述する設置部材40の表示開口部40aから臨む図柄表示装置13の表示部13aは、枠状装飾体28における前後に開口する窓口28aを介して遊技盤20の前側に露出して、前述した始動入賞装置24への入賞を契機として該図柄表示装置13の表示部13aで展開される図柄変動演出やリーチ演出等の遊技演出を前側から視認し得るようになっている(図1または図2参照)。枠状装飾体28には、図2に示すように、上縁部から左右両縁部に亘り、遊技盤20の前面より前側に突出する円弧状の庇状部28bが設けられており、遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を外周部の庇状部28bで案内し得ると共に、該パチンコ球が枠状装飾体28の窓口28aを横切って流下するのを該庇状部28bで規制している。
(設置部材)
前記遊技盤20の後面には、各種の遊技部品が配設される合成樹脂材で形成された設置部材40(図4参照)が配設され、この設置部材40の後側に図柄表示装置13が着脱可能に配設されている。設置部材40は、前側に開口する矩形箱状に形成されており、開口端部に形成された取付部を遊技盤20の後面に突き当ててネジ止め固定される。設置部材40には、遊技盤20の後面に対向する設置板部に、前後に貫通する大型の表示開口部40aが設けられている。設置部材40は、遊技盤20に取り付けた際に、該遊技盤20の貫通口の後側に表示開口部40aが重なると共に、設置板部と遊技盤20との間に遊技部品を配設可能な所要の設置空間が画成される。
図4(b)に示すように、前記設置部材40には、動作体110の動作による演出を行う動作演出装置100が表示開口部40aの上側に配設されている。また、設置部材40には、可動体220の動作による演出を行う可動演出装置200が、動作演出装置100の前側に重ねて表示開口部40aの上側に配設されている(図4(a)参照)。すなわち、設置部材40における表示開口部40aに上側には、前後に重ねて2つの演出装置100,200が配設され、遊技盤20に設置部材40を取り付けた際に、前側に位置する可動演出装置200の可動体220が枠状装飾体28の窓口28aの内側に臨むようになっている(図1、図2(a)または図3参照)。
前記設置部材40には、発光演出を行う複数の発光演出部410を夫々備えた一対の演出部ユニット402A,402Bからなる発光演出装置400が配設されている(図4参照)。図3に示すように、設置部材40には、表示開口部40aを左右に挟んで一対の演出部ユニット402A,402Bが左右対称な関係で配置されており、表示開口部40aの右側部に位置する右部演出部ユニット402Aが、窓口28aの内側から遊技盤20との間の前記設置空間にかけて設置されている。これに対して、表示開口部40aの右側部に位置する右部演出部ユニット402Aは、表示部13a側の側端部を除く大部分が、遊技盤20との間の前記設置空間に収容されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、演出ユニット402A,402Bに設けられた発光演出部410が、窓口28aを介して前側から直接視認可能であるか、または透明な遊技盤20を介して前側から視認可能に構成されている。
(動作演出装置)
前記動作演出装置100は、設置部材40における表示開口部40aの上側に配設され(図4(a)参照)、該表示開口部40aを介して前側に臨む表示部13aの上側に配置されている。図4〜図10に示すように、動作演出装置100は、遊技盤20に対して動作可能な動作体110を備え、表示部13aで行われる遊技演出に合わせてまたは遊技演出と独立して動作体110を動かすことで、所定の動作演出を行うようになっている。実施例の動作演出装置100では、動作体110(第1可動部材112)が、表示部13aの上側(傍ら)に退避した第1姿勢(図4(b),図5(a),(b),図6(a)参照)と表示部13aの前側に臨む第2姿勢(図4(a),図5(c),図6(b)参照)との間で動作するよう構成される。また、動作演出装置100は、設置部材40の上部前面に取り付けられる動作ベース102に、動作体110等の構成部材が設置されて(図9または図10参照)、該動作ベース102を介して単一のユニットとして取り扱い可能になっている。
前記動作演出装置100では、遊技盤20に対して変位可能に支持された第1可動部材112と、この第1可動部材112に変位可能に設けられ、該第1可動部材112の前面に沿って第1位置(図5(a)または図7(a)参照)と第2位置(図5(c)または図7(b)参照)との間で変位されて第1可動部材112の被覆領域を変える第2可動部材130とによって、パチンコ機10のモチーフに合わせた形状(実施例ではショットガンの如き形状)の動作体110が構成されている。また、動作演出装置100は、遊技盤20側に設けられ、第1可動部材112を第1姿勢と第2姿勢との間で揺動させる動作モータ(第1駆動手段)120と、第1可動部材112に設けられ、第1位置と第2位置との間で第2可動部材130を変位させる動作ソレノイド(第2駆動手段)140とを備えている(図7参照)。第1可動部材112は、第1位置にある第2可動部材130で前側が覆われると共に該第2可動部材130の第2位置でパチンコ機前側に露出する領域に設けられた動作発光手段(発光手段)152を備えている(図5(c)参照)。動作発光手段152は、第2可動部材130が第2位置にあるタイミングで、少なくとも光を照射して発光演出するよう制御される。第1可動部材112は、遊技盤20に固定される動作ベース102に一端部が軸支されて、第1姿勢と第2姿勢との間で動作モータ120によって動作伝達機構124,126,128を介して揺動される(図6または図7参照)。これに対し、第2可動部材130は、第1可動部材112の軸支端部側に配設された動作ソレノイド140で作動する動作リンク機構142によって、第1可動部材112の軸支端部に対して近接・離間するように往復動される(図7参照)。
前記動作ベース102は、透明な樹脂成形品であり、左右方向に長手が延在する板状の動作ベース本体104と、この動作ベース本体104の右側部前側に設置され、後側および左方に開放した略トレイ形状に形成された動作ベースカバー部106とから構成されている(図9または図10参照)。動作ベース102には、動作ベース本体104と動作ベースカバー部106との間に左方から左斜め下にかけて開口した第1収容空間102aが画成され(図5参照)、この第1収容空間102aに第1可動部材112の一端部(軸支端部)が収容されて、第1可動部材112が第1収容空間102aの左側から延出するようになっている。動作ベース本体104は、左右方向の中央部が下方に開放した凹状に切り欠かれており、この凹部104aの前側に第1姿勢の動作体110が位置するように構成されている(図4(b)または図5(a)参照)。また、動作ベース本体104は、前側に突出するよう形成された台状部104bを左側部に備えている。台状部104bの前面には、動作モータ120、動作ソレノイド140、動作発光手段152、可動演出装置200、この可動演出装置200に設置される回転発光装置300等の電気部品に繋がるハーネスが接続される上部中継基板170が設置されている(図5(a)、図9または図10参照)。
前記第1可動部材112は、動作体110の本体を構成する部分であり、動作ベース102へ軸支した軸支端部側から自由端部側に向けて長手が延在する略棒形状に形成されている(図5参照)。第1可動部材112は、第1姿勢において軸支端部となる右端部が動作ベース102の右側部に支持されて、自由端部となる左端部が動作ベース102の左右方向中央に位置し、該第1可動部材112の長手が水平方向に延在している(図5(a)参照)。すなわち、第1姿勢にある第1可動部材112は、軸支端部が表示部13aの右角部近傍に配置されて、表示部13aの上縁に長手を沿わせた状態で自由端部が該表示部13aの位置している。そして、第1可動部材112は、第1姿勢から自由端部となる左端部が下方に変位するように回動することで、表示部13aの上部右側から中央側に向かうにつれて下方傾斜する第2姿勢となり、第2姿勢でショットガンの銃身を模した第1可動部材112の意匠部分が窓口28aを介して遊技盤20の前側に臨むようになっている(図2(b)参照)。
前記第1可動部材112は、軸支端部側が自由端部側と比べて上下方向(短手方向)に幅広に形成されており、幅広の軸支端部側に動作ソレノイド140が設置されている(図7参照)。また、第1可動部材112は、右端部下隅に前後方向に挿通固定された動作支軸114を備え、動作支軸114の後端が動作ベース本体104の右側部に設けられた本体側支軸孔104cに回転可能に支持されると共に、動作支軸114の前端が動作ベースカバー部106に設けられたカバー部側支軸孔106aに軸受キャップ107を介して回転可能に支持されるようになっている(図9または図10参照)。すなわち、第1可動部材112は、前後方向に延在する動作支軸114の軸線を中心として、遊技盤20の盤面に対して平行な状態を保ったまま揺動変位するように構成されている。第1可動部材112では、動作ソレノイド140が上側に偏倚するように配置され、動作支軸114が動作ソレノイド140の下側に配置されている。
前記第1可動部材112は、該第1可動部材112の前側を構成する第1可動部材本体115と、後側に開放した器状に形成された第1可動部材本体115の後部開口を塞ぐように該第1可動部材本体115に取り付けられた第1可動部材副体116とから外殻が基本的に構成されている。そして、第1可動部材112には、第1可動部材本体115と第1可動部材副体116との間に、動作ソレノイド140、動作リンク機構142および動作発光手段152を収容する第2収容空間112aが設けられている。
前記動作演出装置100では、ステッピングモータ等の動作モータ120と、この動作モータ120の正逆回転駆動を第1可動部材112に伝達する動作伝達機構124,126,128とから駆動系が構成されている(図6または図7参照)。動作モータ120は、動作ベースカバー部106の前面に出力軸を後側へ向けて取り付けられ、第1収容空間10に臨む該出力軸の後端(先端)にピニオン120aが固定されている。動作伝達機構は、動作モータ120の出力軸に固定されたピニオン120aに噛み合う第1動作ギヤ124と、第1動作ギヤ124と同軸的に設けられ、該第1動作ギヤ124の回転に伴って回転する第2動作ギヤ126と、動作支軸114に固定されて、第2動作ギヤ126に噛み合う第3動作ギヤ128とから構成されている。なお、第1〜第3動作ギヤ124,126,128は、外周に設けられた歯すじが回転軸線に沿う平歯車である。実施例では、第1動作ギヤ124と第2動作ギヤ126とが一体的に形成されており、第2動作ギヤ126の前側に位置する第1動作ギヤ124が、第2動作ギヤ126より大径に形成されている(図10参照)。第3動作ギヤ128は、動作支軸114から第1可動部材112の自由端部と反対側に向けて延出する扇状に形成され、第1動作ギヤ124の後側において第2動作ギヤ126に噛み合っている。第1動作ギヤ124および第2動作ギヤ126は、動作モータ120のピンオン120aの下側に位置して、動作ベース本体104と動作ベースカバー部106との間に回転可能に軸支されている。
前記第3動作ギヤ128には、動作ベース本体104に臨む後面および動作ベースカバー部106に臨む後面の夫々に、第2動作ギヤ126に噛み合う歯の根元部分に動作支軸114を中心とする円弧筋状に延在する位置決め突条128aが突設されている(図9または図10参照)。これに対し、動作ベース本体104の前面には、第3動作ギヤ128の後面の位置決め突条128aに対して第1可動部材112の第1姿勢で向かい合うように本体側ギヤ受け突条104dが円弧筋状に形成され、本体側ギヤ受け突条104dに後側の位置決め突条128aが当接することで、第3動作ギヤ128の後側への移動が規制される。また、動作ベースカバー部106の後面には、第3動作ギヤ128の前面の位置決め突条128aに対して第1可動部材112の第1姿勢で向かい合うようにカバー部側ギヤ受け突条106bが円弧筋状に形成され、カバー部側ギヤ受け突条106bに前側の位置決め突条128aが当接することで、第3動作ギヤ128の前側への移動が規制される。すなわち、第1可動部材112は、第3動作ギヤ128が前後のギヤ受け突条104d,106bに位置決め突条128aを介して挟まれることで、前後方向のガタツキを抑制して、安定してスムーズに動作させることができる。また、第1可動部材112は、位置決め突条128aと対応のギヤ受け突条104d,106bとが接触する場合に接触面積を最小限に抑えることで、摺動負荷が軽減するようになっている。なお、動作ベース本体104の前面には、動作モータ120の出力軸に対向して前側に向けて突出するピニオン受けボス104eが設けられ(図9参照)、ピニオン120aの中央部に該ピニオン受けボス104eが臨んでいる。
前記第1可動部材112の後面には、動作支軸114を挟んで第3動作ギヤ128の延出方向と反対側で、かつ動作支軸114の上側(表示部13aから離間する側)に位置して、補助支持部117が設けられている(図6参照)。動作ベース本体104には、第1可動部材112の第1姿勢と第2姿勢との間の変位に伴う補助支持部117の変位軌跡に沿って延在するように、補助支持孔104fが前後に貫通形成されている(図5(b)参照)。補助支持部117は、円柱状の本体部分の後端に径方向に延出する延出部分を有し、本体部分を補助支持孔104fに挿通すると共に延出部分を補助支持孔104fの開口縁後面に係止するようになっている(図9または図10参照)。そして、補助支持部117は、第1可動部材112の姿勢変位方向の移動が補助支持孔104fに許容される一方、補助支持孔104fの開口縁に前後方向への移動が規制された状態で引っ掛かっており、第1可動部材112の姿勢変位を妨げることなく補助支持部117と補助支持孔104fとの係合下に該第1可動部材112の前後方向のガタツキを防止している。また、補助支持部117は、補助支持孔104fの上側の閉塞端で位置規制されることで、第1可動部材112の第1姿勢を越えた上方への回動を規制すると共に、第2姿勢で補助支持孔104fの下側の閉塞端で位置規制されることで、第1可動部材112の第2姿勢を越えた下方への回動を規制するよう構成される。なお、補助支持孔104fの開口縁は、段状に形成されて、補助支持部117の延出部分がこの段部に整合するようになっている。
前記第1可動部材112と動作ベース102との間には、第1可動部材112を第1姿勢に向けて付勢する補助弾性部材118が架設されている(図6参照)。実施例の補助弾性部材118は、コイルばねが採用され、一端が第1可動部材112の後面において動作支軸114より該第1可動部材112の自由端部側に取り付けられ、他端が第1可動部材112への接続端の上側(第1可動部材112が第1姿勢から第2姿勢へ変位する方向と反対側)で動作ベース本体104に取り付けられている。なお、実施例の補助弾性部材118は、第1可動部材112への接続端が動作支軸114の近傍に位置している。第1可動部材112は、第1姿勢から第2姿勢に向けて下方へ動作する該第1可動部材112の重力方向の変位に際して、自重および動作モータ120によって補助弾性部材118の弾力に抗して回動される。これに対して、第1可動部材112は、第2姿勢から第1姿勢に向けて重力に逆らって変位する際に、第2姿勢から第1姿勢に向けた上方へ補助弾性部材118によって引っ張られて、該第1可動部材112の第1姿勢への姿勢変位が補助される。動作ベース本体104には、補助弾性部材118の架設位置に対応して弾性部材開口104gが前後に貫通形成され(図5(b)参照)、補助弾性部材118の後部が弾性部材開口における動作ベース本体104の板厚分のスペースに収容されて、動作ベース本体104の後側に突出しないようになっている。
前記第2可動部材130は、第1可動部材112の前面下部から下面にかけて沿うように形成された板状の部材であって(図5または図8参照)、第1可動部材112に取り付けられている。第2可動部材130は、第1可動部材112の軸支端部側から自由端部側に向けて延在する該第1可動部材112の長手に沿ってスライド変位可能になっている。第2可動部材130は、第1位置において第1可動部材112の自由端部から長手方向の略中央部にかけての領域を覆うように構成され、この第2可動部材130の第1位置では、第1収容空間102aから延出する第1可動部材112における軸支端部側の領域が、前側に露出するようになっている(図5(a)参照)。また、第2可動部材130は、第1位置から第1可動部材112の軸支端部側へ変位することで第2位置となり、この第2可動部材130の第2位置では、第1可動部材112の自由端部側の領域が前側に露出するようになっている(図5(c)参照)。
前記第2可動部材130は、第1可動部材112の第2収容空間112aに設置された動作ソレノイド140によって、動作リンク機構142を介して作動される(図7参照)。動作ソレノイド140は、第1可動部材112の第2収容空間112aにおいて軸支端部側に収容されており、実施例では、動作ソレノイド140がプランジャ140aを第1可動部材112の自由端部側に向けた姿勢で動作支軸114の上側に配置されている。なお、動作ソレノイド140は、第1可動部材副体116における軸支端部側前面に固定される動作ソレノイド保持部150に保持されている(図9または図10参照)。動作リンク機構142は、動作ソレノイド140のプランジャ140aに連結され、第1可動部材112の長手方向に沿って往復動するプランジャ140aによって往復動する連結片143と、この連結片143に連結され、連結片143で揺動される動作リンク144と、この動作リンク144の揺動端部に連結されて、動作リンク144の揺動によって第1可動部材112の長手方向に沿って往復動される動作スライダ146とから構成されている(図7、図9または図10参照)。
前記連結片143は、プランジャ140aの延出端部に着脱可能に取り付けられ、後面に後側へ突出する連結軸143aが設けけられている。動作リンク144は、棒状の部材であって、第1可動部材副体116における軸支端部側前面に固定される動作ソレノイド保持部150の前面に設けられた固定軸150aに、長手の一端(実施例では上端)が回転可能に軸支されると共に、長手の他端(実施例では下端)が動作スライダ146の右端部(第1可動部材112の自由端部側)に後側へ突設された連係軸146aに回転可能に連結されている(図7参照)。また、動作リンク144は、動作ソレノイド保持部150に接続される上端側に偏倚した部位に連結片143の連結軸143aが連結されており、動作リンク144は、連結片143(プランジャ140a)の往復動につれて上端を支点として下端が揺動するようになっている。動作リンク144は、固定軸150aに対応する軸孔144aが該固定軸150aに整合するよう形成される一方、連結軸143aおよび連係軸146bに対応する軸孔144b,144cが長孔形状に形成されている。実施例の動作リンク144は、上端側に対して下端側が後側に位置するようにクランク状に屈曲形成されている。第1可動部材副体116には、動作リンク144の下端側に対応して動作リンク開口116aが前後に貫通形成され、動作リンク144の下端後部が動作リンク開口116aにおける第1可動部材副体116の板厚分のスペースに収容されて(図6参照)、第1可動部材112の後側に突出しないようになっている。
前記動作スライダ146は、板状の部材であって、その後面に第1可動部材112に変位可能に支持される動作スライダ支持部147が設けられている(図6,図8または図10参照)。動作スライダ146は、該動作スライダ146のスライド変位方向に離間して一対の動作スライダ支持部147,147を備えており、第1可動部材副体116に第1可動部材112の長手に沿って延在するよう前後に貫通形成された動作スライダ支持孔116bに一対の動作スライダ支持部147,147が係合されている。動作スライダ支持部147は、円柱状の本体部分の後端に径方向に延出する延出部分を有し、本体部分を動作スライダ支持部116bに挿通すると共に延出部分を動作スライダ支持部116bの開口縁後面に係止するようになっている。そして、一対の動作スライダ支持部147,147は、第1可動部材112の長手方向の移動が動作スライダ支持孔116bに許容される一方、動作スライダ支持孔116bの開口縁に前側への移動が規制された状態で引っ掛かっている。
前記動作スライダ146と第1可動部材112との間には、動作スライダ146を第2可動部材130の第1位置に向けて付勢するスライダ弾性部材148が架設されている(図7参照)。実施例のスライダ弾性部材148は、コイルばねが採用され、一端が動作スライダ146の左端部(第1可動部材112の自由端部側)に取り付けられ、他端が第1可動部材112における第1可動部材本体115の自由端部側に取り付けられる動作発光手段152の後述する動作透光カバー154に取り付けられている。動作スライダ146は、第2可動部材130の第1位置から第2位置に向けた変位に際して、動作ソレノイド140の付勢によってスライダ弾性部材148の弾力に抗して変位される。これに対して、動作スライダ146は、動作ソレノイド140による付勢が解除されることで、第2可動部材130を第2位置から第1位置に向けて変位するようにスライダ弾性部材148に引っ張られる。ここで、動作ソレノイド140は、通電によってプランジャ140aが本体側に引き寄せられる所謂プル型のソレノイドが用いられ、動作ソレノイド140の付勢が解除されることで、プランジャ140aと本体との間に介挿されたコイルばね140bによっても、動作スライダ146が動作リンク144を介して第2位置から第1位置に向けて付勢される(図7参照)。
前記第2可動部材130には、該第2可動部材130の後面に後側へ向けて第2可動部材固定ボス132,132が突設され、第1可動部材本体115に開設された固定ボス挿通孔115aを介して第2収容空間112aに挿入された第2可動部材固定ボス132,132が、動作リンク144の前面に固定される(図8または図10参照)。実施例の第2可動部材130は、該第2可動部材130のスライド変位方向に離間して一対の第2可動部材固定ボス132,132を備えている。そして、第2可動部材130は、動作スライダ146の変位に伴って第1可動部材112の軸支端部に対して第1位置から近接するように変位し、第2位置から軸支端部に対して離間するように変位するようになっている。このように、動作演出装置100では、動作リンク機構142によって動作ソレノイド140の駆動を第2可動部材130のスライド変位に変換できる。
前記動作発光手段152は、基板152bの前面に実装されたLED等の動作発光体152aと、この動作発光体152aの光照射方向前側を覆う動作透光カバー154とを備えており、動作発光体152aの光照射方向前側に対応して動作透光カバー154に設けられた動作透光部154aを介して該動作発光体152aの光をパチンコ機前側へ照射し得るようになっている(図9参照)。動作発光手段152は、第1可動部材112の第2収容空間112aに収容されて、該第1可動部材112の自由端部側に配設されている。光を透過可能な動作透光部154aは、動作透光カバー154の前面に前側へ向けて突設され、動作透光部154aが、第1可動部材本体115に開設された動作透光部開口115bに嵌合して第1可動部材112の前側に露出するよう構成されている。実施例では、動作発光体152a、動作透光部154aおよび動作透光部開口115bは、第2可動部材130の変位方向に並んで複数組(実施例では3組)設けられている。複数の動作透光部154aは、第1位置にある第2可動部材130に全て隠されて(図5(a)参照)、第2可動部材130を第1位置から第2位置に向けて変位すると、第1可動部材112の自由端部側の動作透光部154aから前側に順次露出し、第2可動部材130の第2位置で全ての動作透光部154aがパチンコ機前側から視認可能となる。そして、動作発光体152aは、第1可動部材112や第2可動部材130の動作または表示部13aの表示演出等に合わせて発光制御されて、少なくとも第2可動部材130が第2位置にあるタイミングで発光制御されるようになっている。
前記第1可動部材112には、第2収容空間112aに区画保持部(ハーネス保持部)156が設けられ、この区画保持部156によって、動作スライダ146の変位領域と第2可動部材130の変位方向に延在するように取り回される動作発光手段152の動作ハーネス(ハーネス)160の挿通領域とが区画されるようになっている(図7または図8参照)。区画保持部156は、第1可動部材112の長手に沿って長尺な板状部材であって(図9または図10参照)、第2収容空間112aの上部を前後に仕切るように延在し、区画保持部156の後側を動作スライダ146がスライド変位するようになっている。動作ハーネス160は、第2収容空間112aにおける第1可動部材112の自由端部側に配設された動作発光手段152の基板152bに一端が接続し、区画保持部156の前側を通って第1可動部材112の軸支端部側に挿通されている。動作ハーネス160は、動作ソレノイド140および動作リンク144の左側において第2収容空間112aの外方に引き出され、動作モータ120や動作ソレノイド140等のハーネスと纏めて、動作ベース本体104の前側を通って前記上部中継基板170に接続されている。このように、動作演出装置100では、区画保持部156によって第1可動部材112を取り回された動作ハーネス160と動作リンク機構142の動作スライダ146との干渉を回避できる。
前記動作演出装置100は、動作ソレノイド保持部150から上方に延出形成された動作検出片151と、この動作検出片151を検出する動作検出センサ162とからなる動作検出手段を備えている(図6参照)。実施例では、動作検出センサ162として、検知溝を挟んで発光素子と受光素子を対向配置し、検出溝の通過する動作検出片151を非接触で検出するフォトセンサが採用されている。動作検出センサ162は、第1可動部材112の軸支端部側上方に位置して動作ベース本体104の前面に設置され、第1姿勢にある第1可動部材112の動作検出片151が検知溝に臨むよう構成され、動作検出センサ162によって動作検出片151が検出されることで、第1可動部材112が第1姿勢にあると判断される(図6(a)参照)。動作検出片151は、第1可動部材112が第1姿勢から動作することで、動作検出センサ162の検知溝から外れるようになっている(図6(b)参照)。
前記動作演出装置100は、第1可動部材112の第1姿勢で動作体110が前側に位置する可動演出装置200によって隠されており(図2(a)参照)、動作モータ120を駆動して動作伝達機構124,126,128を介して第1可動部材112を下方へ揺動することで、表示部13aの前側に臨むと共に、第1可動部材112および第2可動部材130がパチンコ機前側から視認可能になる。第1可動部材112は、第2姿勢において表示部13aの右隅から中央部に亘って斜めに延在している(図2(b)参照)。動作演出装置100は、第1可動部材112の第2姿勢において、動作ソレノイド140を励磁して動作リンク機構142を介して作動することで、第2可動部材130が第1位置から第2位置に変位し、動作発光手段152の動作透光部154aがパチンコ機前側に臨む。動作透光部154aの前側から第2可動部材130が退避したタイミングで動作発光体152aを発光制御することで、動作発光体152aによって発光演出された動作透光部154aが前側から視認可能になる(図4(a)参照)。動作演出装置100は、第1可動部材112の第2姿勢において、動作ソレノイド140を消磁することで、コイルばね140bおよびスライダ弾性部材148に引っ張られて第2可動部材130が第2位置から第1位置に変位し、動作発光手段152の動作透光部154aが隠れる。動作演出装置100は、動作モータ120を駆動して動作伝達機構124,126,128を介して第1可動部材112を上方へ揺動して第2姿勢から第1姿勢に戻す。
このように、動作演出装置100は、動作体110のベースとなる第1可動部材112に、該第1可動部材112と独立して動作可能な第2可動部材130を設けてあるので、第1可動部材112の揺動動作と第2可動部材130の往復動作を、夫々または組み合わせて行うことで、全体として複数の動作を行うことができ、動作体110の動作による演出効果を向上し得る。しかも、動作体110は、第1可動部材112および第2可動部材130の動作演出だけでなく、第2可動部材130の変位に伴って露出する動作発光手段152によって発光演出を行うことができるので、動作演出と発光演出とを複合させて演出効果をより向上することができる。また、動作演出装置100は、第2可動部材130を動かす動作ソレノイド140を第1可動部材112に設けてあるが、動作ソレノイド140を第1可動部材112の自由端部側でなく動作ベース102への軸支端部側に配設しているので、第1可動部材112を動かす動作モータ120および動作伝達機構124,126,128への負荷を最小限に抑えることができる。
(可動演出装置)
図2〜図4に示すように、前記可動演出装置200は、動作演出装置100の前側に位置して、表示部13aの上側に配設されている。図11〜図16に示すように、可動演出装置200は、動作演出装置100の動作体110を収容可能な間隔をあけて動作ベース102の前側に設置される可動ベース202と、この可動ベース202に動作可能に支持され、表示部13aの前側から退避した待機位置(図1,図2(a)または図3参照)と表示部13aの前側に臨む動作位置(図2(b)または図4(a)参照)との間で往復変位可能に配設された可動体220と、遊技盤20側となる可動ベース202に設けられた可動モータ(駆動手段)250と、この可動モータ250により作動して可動体220を往復変位させる可動連係手段(連係手段)254とを備えている。また、可動ベース202には、後述する回転発光装置300が設けられている。可動演出装置200は、可動体220が待機位置で表示部13aの上側に位置して、回転発光装置300の前側に重なって該回転発光装置300を隠すようになっている(図2(a)参照)。可動演出装置200は、可動体220が待機位置から下降した動作位置において、表示部13aの上部前側に重なる一方、可動ベース202に設けられた回転発光装置300がパチンコ機前側に臨むようになっている(図2(b)参照)。
前記可動ベース202は、左右方向中央部に前後方向に連通する発光装置開口204が設けられて、この発光装置開口204に回転発光装置300が臨むように設置されている(図11(b)参照)。可動ベース202は、発光装置開口204から後側に突出する回転発光装置300および第1姿勢において回転発光装置300の下側に位置する前記動作演出装置100の動作体110を、動作ベース102(動作ベース本体104)との間に収容可能な間隔をあけて、動作ベース102の前面に取り付けられている。可動ベース202は、透明な板状部材からなる可動ベース本体206と、この可動ベース本体206の前側に取り付けられた可動ベース意匠体208とから基本的に構成されている(図15または図16参照)。可動ベース意匠体208は、光を反射可能なメッキ等の鏡面加工が施された板状の飾りであって、発光装置開口204の周りを囲うように設けられる前面部分208aと、この前面部分208aの下端から後側へ延出し、可動ベース202の下面を構成する下面部分208bとを備えている。また、可動ベース意匠体208は、前面部分208aから後側に延出するように形成され、発光装置開口204の内周面を構成する縁取部分208cを備えている。可動ベース202は、可動ベース意匠体208の前面部分208aから延出する可動ベース本体206の左右の側端部に、LED等の発光体を前面に備えた上部装飾体発光手段218,218が夫々取り付けられ(図11参照)、該装飾体発光手段218,218の前側に位置する枠状装飾体28の上部発光部30(図2または図3参照)を上部装飾体発光手段218,218によって発光演出するよう構成される。
前記可動体220は、表示部13aの上縁に沿って長手が延在し、表示部13aの左右寸法の2/3程度を占めるような比較的大型の役物であって、待機位置と動作位置との間で往復動されるだけでなく、内蔵の可動体発光手段222によって発光演出されるようになっている(図5または図16参照)。可動体220は、前面および上下左右の外殻を構成する後側に開口する略トレイ形状の可動体外郭部224と、この可動体外郭部224の内側に後側から組み付けられ、光を透過可能な可動体光透過部226と、この可動体光透過部226の後側に設けられ、前面に設置されたLED等の可動体発光体222aによって可動体外殻部226の前面に設けられた可動体発光部224aを発光させる可動体発光手段222と、可動体外殻部224の後部開口を塞ぐように組み付けられ、可動体220の後面を構成する可動体基部228とから構成されている。
前記可動体外殻部224は、光透過可能(実施例では有色透明)な合成樹脂製の素地に、光を透過不能な加工を施して構成されている。可動体外殻部224は、前面がパチンコ機10のモチーフに合わせたデザインで素地を残して光透過不能な加工を施すことで当該素地部分からなる可動体発光部224aが形成されると共に、上下左右の外周面全体が光透過不能な加工が施されて、可動体発光体222aの光が外周面から漏れないようになっている。ここで、実施例では、可動体外殻部224の光透過不能な加工として、めっき等の光反射可能な加工が選択され、可動体発光体222aによって発光演出される可動体発光部224aの周りが装飾されている。
前記可動体220には、可動連係手段254に連結して該可動連係手段254の作動が夫々伝達される一対の可動体連係部240,240が、可動ベース202に臨む後面において待機位置と動作位置との変位方向と直交する方向(実施例では左右方向)に離間して設けられている(図14参照)。ここで、一対の可動体連係部240,240は、可動体220の左右方向中央を挟んで対称な関係で配置されている。各可動体連係部240は、可動体220の往復動方向に延在するよう形成された連係ラック242と、この連係ラック242の下端部(動作位置側の端部)に前側へ突出形成され、可動体基部228の後面に接続される連係接続片244とを備え、可動体連係部240は全体として側面視で略L字形状になっている(図14(b参照))。連係ラック242の後面における左右方向の中間部には、上下に並べて歯242aが設けられ(図14(a)参照)、この歯242aが可動連係手段254の後述する連係ピニオン256,258に噛み合うようになっている。なお、連係接続片244は、可動体基部228の下部に接続される。可動ベース202には、可動ベース本体206の後側に取り付けられた連係収容カバー210と該可動ベース本体206との間に上下に連通するように連係ガイド部212が設けられ、連係ラック242は連係ガイド部212に上下方向(往復動方向)に変位可能に保持されている。可動ベース202には、左右の可動体連係部240,240の連係ラック242,242に対応して、発光装置開口204の左右に連係ガイド部212,212が夫々設けられている(図15参照)。
前記可動モータ250は、連係収容カバー210の左側下部に後側へ延出するように設けられたモータ設置壁部210aに出力軸を右方へ向けた姿勢で設置されている(図12および図13参照)。可動モータ250は、左側の連係ガイド部212の左側方に配置されて、出力軸の先端に固定された可動ピニオン252が左側の連係ガイド部212の後側に配置されている。図13に示すように、可動連係手段254は、左側の連係ガイド部212の後側に臨むように設けられ、可動ピニオン252に噛み合うと共に左側の連係ガイド部212に保持された左側の連係ラック242の歯242aに噛み合う第1連係ピニオン256と、右側の連係ガイド部212の後側に臨むように設けられ、右側の連係ラック242の歯242aに噛み合う第2連係ピニオン258と、第1連係ピニオン256および第2連係ピニオン258を繋ぐ連係シャフト260とを備えている。連係シャフト260は、発光装置開口204の下側に位置して左右の連係ガイド部212,212の間において左右方向に延在するように設けられ、可動ベース本体206の後面に回転可能に保持されている。そして、連係シャフト260の左端部には、第1連係ピニオン256が固定され、連係シャフト260の右端部には、第2連係ピニオン258が固定されている。すなわち、可動連係手段254は、可動モータ250の駆動による可動ピニオン252の回転に伴って第1連係ピニオン256が回転されると、連係シャフト260を介して第2連係ピニオン258も連動して回転されるよう構成されている。このように、可動演出装置200は、1つの可動モータ250の駆動を可動連係手段254によって2つに振り分けて一対の可動体連係部240,240を同期して作動することで、一対の可動体連係部240,240で支持された可動体220を往復動するようになっている。
前記連係ガイド部212は、連係ラック242における左右の側縁部の夫々を前後に挟む壁部と該連係ラック242を左右に挟む壁部とを有するT溝状に形成されており、連係ラック242の上下方向の変位を許容しつつ、これらの壁部によって前後左右の変位を規制するように構成されている。可動ベース202は、可動ベース本体206および可動ベース意匠体208において左右の連係ガイド部212,212の下部に対応する部位が夫々切り欠かれてベース切欠部202a,202aが設けられており(図11(b)または(c)参照)、このベース切欠部202に可動体連係部240の連係接続片244が挿通するようになっている。そして、可動体220は、一対の可動体連係部240,240が対応の連係ガイド部212,212に保持されて、可動ベース206の前面に対して後面が平行な関係を保った状態で往復動するよう構成されている。また、可動体220は、待機位置で下縁が可動ベース202の下縁と揃うと共に、発光装置開口204の前側を塞ぐように位置している。可動体220は、動作位置で発光装置開口204の前側から下方へ退避して該発光装置開口204の前側を開放すると共に、該可動体220の上部が可動ベース202の下部前側に重なっている。
前記可動演出装置200は、可動体220を円滑に動かすためのガイド手段270,276を備えている(図12参照)。ガイド手段は、可動体220および該可動体220を支持する可動ベース202(遊技盤20側)の何れか一方に設けられ、可動体220および可動ベース202の何れか他方に向けて突出すると共に可動体220の変位方向に延在するよう形成された凸状部270と、可動体220および可動ベース202の何れか他方に凸状部270と係合可能に設けられた凹状部276とから構成されている。凹状部276は、可動体220の往復変位に伴う凸状部270の凹状部276に対する相対的な移動を許容する一方、該凸状部270との係合により該可動体220の左右(可動体220の往復動方向と直交する横方向)の移動を規制するようになっている。実施例では、可動体220において可動ベース202に相対する後面を構成する可動体基部228に凸状部270が設けられ(図14参照)、可動ベース202の前面下部に設置されたガイド受部274に凹状部276が設けられている(図11(c)参照)。凸状部270および凹状部276からなるガイド手段は、一対の可動体連係部240,240の離間方向(左右方向)中央を挟んで対称な関係で複数組(実施例では2組)設けられている。
前記可動体220の後面には、一対の可動体連係部240,240の間に位置して、上下方向に延在する2条の凸状部270,270が左右対称な位置関係で設けられ、各凸状部270が可動体220の上下の略全長に亘って延在している。各凸状部270は、可動体基部228の後面から後側(可動ベース202側)へ突出するよう形成され、該可動体基部228の後面からの突出寸法が可動体連係部240の連係接続片244より小さく設定されている。
前記凹状部276は、発光装置開口204の下方に設置されたガイド受部274に設けられている(図11(c)参照)。ガイド受部274は、可動ベース202の前面から前側に突出すると共に左右方向に延在するよう形成されており、可動体220の待機位置および動作位置の何れにおいても該可動体220の後側に位置するよう配置されて、該ガイド受部274は前側に位置する可動体220で常に隠されている。ガイド受部274には、左右方向(一対の可動体連係部240,240の離間方向)に離間して、可動体220の2条の凸状部270,270と夫々組をなす2ヵ所の凹状部276,276が設けられている。ここで、2ヵ所の凹状部276,276は、左右方向(一対の可動体連係部240,240の離間方向)中央を挟んで対称な位置関係で配置されている。各凹状部276は、ガイド受部274の前面から前側へ向けて夫々突出形成された一対の規制片278,278を、凸状部270の左右幅と同じまたは該左右幅より僅かに大きい間隔で左右方向に対向配置することで、前側(可動体220側)に開放する溝状に形成されている(図12(c)参照)。各ガイド手段は、凸状部270の可動体基部228後面からの突出寸法と、規制片278,278のガイド受部274前面からの突出寸法とが、同一または略同一に設定されている。すなわち、ガイド手段は、凹状部276に挿入した凸状部270の後端がガイド受部274の前面に当接したり、凹状部276における規制片278,278の前端が可動体220における可動体基部228後面に当接することで、可動体220の可動体ベース202に対する姿勢を保つようになっている。
前記可動演出装置200は、1つの可動モータ250の駆動により可動連係手段254の左右の連係ピニオン256,258を連係シャフト260を介して同期して作動することで、左右の可動体連係部240を介して可動体220を上下に往復動することができる。ここで、可動演出装置200は、可動モータ250のピニオン252に直接連結された第1連係ピニオン256と、この第1連係ピニオン256に連係シャフト260を介して繋がる第2可動連係ピニオン258との間で、ピンオン252,256,258の噛み合い誤差や可動モータ250と連係ラック242,242との間に介在するピンオン数の相違等に起因して、左右の連係ラック242,242において僅かに作動タイミングがずれることがある。しかしながら、可動演出装置200は、凸状部270と凹状部276との係合によって、可動体220の左右の移動を規制されているので、可動体220の傾きやブレを防止することができる。従って、可動体220が傾くことやがたつくことに起因する可動モータ250や可動連係手段254への過負荷を防止し得ると共に、可動体220を適切な姿勢を保ったまま安定してかつ円滑に動作させ得る。しかも、凸状部270と凹状部276とからなるガイド手段は、可動連係手段254に接続される一対の可動体連係部240,240の離間方向に対称な関係でバランスよく設けられているので、可動体220の傾きやブレをより適切に防止できる。可動演出装置200は、可動体220が待機位置から動作位置に向かうにつれて連係ラック242が連係ガイド部212から抜け出る構成であるが、凸状部270をガイド受部274に当接すると共に凹状部276を構成する規制片278,278を可動体基部228の後面に当接させることで、可動体220の可動ベース202に対する姿勢を保つことができる。
各凸状部270における可動体220の往復変位方向の少なくとも一方の端部には、該凸状部270よりも大きく後側(凹状部276側)に向けて突出する抜止凸部272が設けられ(図14参照)、凹状部276に設けられた抜止壁部280に該抜止凸部272が移動規制されるようになっている(図16(b)参照)。ここで、凸状部270における可動体220の待機位置側の端部(実施例では上端部)に設けた抜止凸部272は、可動体220の動作位置で抜止壁部280によって該動作位置を越えた下降を規制するよう構成される。これに対して、凸状部270における可動体220の動作位置側の端部(実施例では下端部)に設けた抜止凸部272は、可動体220の待機位置で抜止壁部280によって該待機位置を越えた上昇を規制するよう構成される。抜止凸部272は、凸状部270より左右の幅が大きく設定されて、凸状部270の側面から左右方向の夫々に延出するように形成されており、抜止凸部272は、可動体220の動作に伴って進路上にあるガイド受部274および凹状部276を構成する一対の規制片278,278に引っ掛かるように構成される。すなわち、実施例の抜止壁部280は、ガイド受部274および凹状部276を構成する一対の規制片278,278において可動体220の動作に伴う抜止凸部272の進路上に位置する部位で構成されている。ここで、凸状部270における可動体220の待機位置側の端部(実施例では上端部)に設けた抜止凸部272に対応する抜止壁部280は、ガイド受部274および一対の規制片278,278の待機位置側の面(上面)となり、凸状部270における可動体220の動作位置側の端部(実施例では下端部)に設けた抜止凸部272に対応する抜止壁部280は、ガイド受部274および一対の規制片278,278の動作位置側の面(下面)となる。
実施例では、抜止凸部272が凸状部270における待機位置側の端部だけに設けられており、可動体220の動作位置で抜止凸部272がガイド受部274および一対の規制片278,278の上面で構成される抜止壁部280に引っ掛かることで、可動体220の動作位置を越えた下降を規制するようになっている。このように、実施例のガイド手段によれば、可動体220の変位範囲を抜止壁部280による抜止凸部272の移動規制によって規定することができる。
前記可動演出装置200では、可動ベース202(遊技盤20側)に設けられた可動中継基板(図示せず)と可動体220に内蔵された可動体発光手段222との間が、複数の配線を並べて樹脂被膜で覆った帯形状のフラットケーブル284を用いて接続されている(図16参照)。可動中継基板は、発光装置開口204の下側でかつ一対の連係ガイド部212,212の間に位置して、可動ベース202における可動ベース本体206の後面に取り付けられている。また、可動中継基板は、一対の連係ガイド部240,240の間において、一方(実施例では左側)の連係ガイド部240側に偏倚した位置にあり、可動ベース本体206および可動ベース意匠体208に開設された中継基板開口202b(図)11(c)参照)を介して該可動中継基板の前面に設けられた中継基板前部ソケットが可動ベース202の前側に臨んでいる。中継基板開口202bは、左側の連係ガイド部212とガイド受部274との間に開設され、可動体220の待機位置および動作位置の何れの位置においても、前側に位置する可動体220によっておおよそ隠されるようになっている。下方に向けて開口する中継基板前部ソケットに接続されたフラットケーブル284は、中継基板開口202bに左右方向に延在するケーブル保持片205によって上方に折り返した後に該中継基板開口202bを介して前側へ引き出される。
前記可動体220は、可動体発光手段222の後面下部に設けられた可動体ソケット222bに対応して可動体基部228の下部に開設されたケーブル開口228aと、可動ベース202からのフラットケーブル284の引き出し位置に対応して、可動体220の上下方向(往復動作方向)に延在する一対のケーブル規制壁片230,230とをを備えている(図14(a)参照)。各ケーブル規制壁片230は、可動体基部228の後面から後側へ向けて突出するよう形成され、該可動体基部228の上部からケーブル開口228aの上縁に亘って該ケーブル規制壁片230が延在している。また、一対のケーブル規制壁片230,230は、中継基板開口202bに対応する側となる左側の凸状部270と左側の可動体連係部240との間に設けられている。中継基板開口202bから可動ベース202の前側に引き出されたフラットケーブル284は、可動ベース202と可動体220の間で下方に向けて曲げられて、一対のケーブル規制壁片230,230の間を上下に通って、ケーブル開口228aを介して上方に開口している可動体ソケット222bに接続される。なお、フラットケーブル284は、ケーブル開口228aに上側に取り付けられたケーブル保持板232で可動体基部228との間に挟まれている。可動演出装置200では、可動体220の待機位置で中継基板開口202bとケーブル開口228aとが向かい合い、可動体220が待機位置から動作位置に向けて変位すると、一対のケーブル規制壁片230,230の間に中継基板開口202bが臨むようになっている。
前記フラットケーブル284は、可動ベース202と可動体220との間で折り返されて可動体220に沿って取り回された部分が、一対のケーブル規制壁片230,230によって左右の変位が規制されて位置決めされている。これにより、フラットケーブル284が、可動体220の変位に際して他の部材に干渉することが回避され、可動体220をスムーズに動作させることができる。また、フラットケーブル284は、可動体220の往復動に伴って中継基板開口202bおよびケーブル開口228aの上側に位置する折り返し部分が変位し、可動体220の後側に隠れるようになっている(図14参照)。
(回転発光装置)
図11(b)に示すように、前記回転発光装置300は、反射鏡が回転することで発光の向きが変わる回転灯を模した演出装置であって、可動発光装置200の可動ベース202に設置されている。図17〜図21に示すように、回転発光装置300は、構成部材の設置基盤となる回転灯ベース302と、上方(所定方向)に光を照射する第1回転灯発光体(第1発光体)320と、この第1回転灯発光体320の周りを回転し、前述した前記反射鏡に対応する回転部材324と、この回転部材324を覆うように設けられ、光を透過可能な回転灯カバー部材(カバー部材)330と、この回転灯カバー部材330の壁面を照らす第2回転灯発光体(第2発光体)340とを備えている。また、回転発光装置300は、回転部材324を作動伝達手段354を介して動かす作動モータ(作動手段)350と、回転灯カバー部材330の周りを囲う回転灯外周部材370とを備えている。回転発光装置300は、第1回転灯発光体320、回転部材324、回転灯カバー部材330、第2回転灯発光体340、作動モータ350、作動伝達手段354よび回転灯外周部材370が、回転灯ベース302に何れも設置されており、この回転灯ベース302を介して一体的なユニットとして取り扱い可能になっている。
前記回転灯ベース302は、上方に開口する略トレイ形状の回転灯ベース本体304と、この回転灯ベース本体304の上部開口を塞ぐように該回転灯ベース本体304に取り付けられる回転灯ベース蓋体306とから構成されている(図21参照)。回転灯ベース302は、作動伝達手段354(図20参照)を構成する作動歯車356,360を設置する収納空間302aを内部に備えた箱状に構成され、上下幅が前後および左右幅と比べて薄く形成されている。回転灯ベース302には、回転灯ベース本体304の底部に上方に開口するように第1発光体設置部304aが凹設されて、この第1発光体設置部304aに対向させて回転灯ベース蓋体306に上下に連通する円形の第1発光体開口308が設けられている(図19または図20参照)。第1発光体設置部304aは、平面視で円形に形成されており、第1発光体開口308が、第1発光体設置部304aの上部開口と同心に形成されると共に第1発光体設置部304aの上部開口より一回り大きく形成されている。回転灯ベース302は、第1発光体開口308(第1発光体設置部304a)の前側部分(区別する場合はベース湾曲部302bという)が、該第1発光体開口308における前側の半円におおよそ合わせて前側に凸になる円弧状に形成されている。回転灯ベース本体304および回転灯ベース蓋体306は、透明な合成樹脂製の素地に対して回転灯ベース302の外面となる面に光を反射し得るめっき等の鏡面加工を施すことで、全面で光を反射可能に構成されている。
実施例の第1回転灯発光体320は、1個のLEDからなり、第1発光体設置部304aに収容固定される略円形の基板320aの上面に設置されている(図20参照)。 第1回転灯発光体320は、第1発光体設置部304aおよび第1発光体開口308の中心に位置し、先端部が回転灯ベース302の収納空間302aに第1発光体設置部304aから突出している(図19参照)。そして、第1回転灯発光体320は、第1発光体開口308を介して上方へ向けて光を照射するようになっている。
図21に示すように、前記回転部材324は、中央に基部開口325aが開設された円盤形状の回転基部325と、基部開口325aを介して上方へ照射される第1回転灯発光体320の光照射方向(上方)に沿って垂直に延在するよう回転基部325に立設された第1反射部326と、この第1反射部326に対して交差方向に屈曲するように連設されて第1回転灯発光体320の光照射方向前側(上方)に延在する第2反射部327とを備えている。第1反射部326は、回転基部325における基部開口325aの開口縁に立設されており、第2反射部327の後述する反射鏡面327aがパチンコ機前側を向いた基準状態で基部開口325aの開口寸法より左右幅が大きく設定されている。第1反射部326は、基準状態で第1回転灯発光体320の光軸より後側に位置して、左右方向に直線的に延在するよう形成されている。第2反射部327は、前記基準状態でパチンコ機後側から前側に向かうにつれて上方傾斜するよう形成されて、基部開口325aの上側に庇状に差し掛かった第2反射部327によって基部開口325aの上側が覆われている。すなわち、回転部材324は、第1反射部326および第2反射部327が前記基準状態の側面視で基部開口325a側を内角とする「く」の字に屈曲形成されており(図19参照)、第1反射部326と第2反射部327とがなす外角が45°程度(内角は、略135°)に設定されている。回転部材324には、第1反射部326の両側縁に基部開口325a側に延出する側部反射部328が、回転基部325から第2反射部327に亘って夫々設けられている(図18(c)または(d)参照)。回転部材324は、向かい合う一対の側部反射部328,328の突端を結んだラインより外側に第1回転灯発光体320の光軸が通るように、側部反射部328の第1反射部326からの突出寸法が設定されている。このように、回転部材324は、第1反射部326が第1回転灯発光体320の光照射方向に沿って延在するように構成されているので、該回転部材324の回転時に反射鏡面327aが右方または左方に指向した状態において第1反射部326が第1回転灯発光体320の前側に重ならず、該第1発射部326で第1回転灯発光体320の光を隠す期間を短くすることができる。また、回転部材324には、側部反射部328が設けられているので、該回転部材324の基準状態において一対の側部反射部328,328によって第1回転灯発光体320から照射した光の反射効率を高めることができる。そして、回転部材324は、該回転部材324の回転時に反射鏡面327aが右方または左方に指向した状態において側部反射部328が第1回転灯発光体320の前側に重ならないので、回転部材324で第1回転灯発光体320の光を隠す期間を短くすることができる。
前記回転部材324は、第1回転灯発光体320の光照射方向前側となる上側に延在して該第1回転灯発光体320の光を該光照射方向と交差する方向(水平方向)へ反射する反射鏡面(反射面)327aを第2反射部327に有している(図19参照)。第2反射鏡面327aは、第2反射部327において第1反射部326との間で前記「く」の字の内角をなす面であって、第1回転灯発光体320の光照射方向と交差するように傾斜している。すなわち、反射鏡面327aと第1回転灯発光体320の光軸とのなす内角が、略135°に設定されている。そして、回転部材324は、作動モータ350によって第1回転灯発光体320の光照射方向に沿って延在する回転軸線を中心に回転されて、第1反射部326が該第1回転灯発光体320の光軸の周囲を回ると共に、第2反射部327の反射鏡面327aの指向する向きが変わるよう構成されている。ここで、図18(b)〜(d)または図19に示すように、第2反射鏡面327aがパチンコ機前側に指向し、第1回転灯発光体320の光をパチンコ機前側へ反射し得る状態を基準状態とする。なお、実施例の回転部材324には、全面に光を反射可能な鏡面加工が施されており、第2反射部327において基部開口325aに相対する面に設けられた反射鏡面327aだけでなく、全面で光を反射し得るようになっている。
前記回転部材324を回転する機構は、ステッピングモータ等の作動モータ350と、この作動モータ350の駆動を回転部材324に伝達する作動伝達手段354とから構成されている(図20または図21参照)。作動モータ350は、回転灯ベース302における回転灯ベース蓋体306の上面に出力軸を下に向けた姿勢で設置され、回転灯ベース302の収納空間302aに臨む出力軸の先端に作動ピニオン352が固定されている。なお、作動モータ350は、回転灯ベース302の右側部に位置して回転灯外周部材370の外側に設置されている。作動伝達手段354は、回転灯ベース302の収納空間302に回転可能に配設され、作動ピニオン352に噛み合う第1作動歯車356と、該収納空間302に回転可能に配設され、第1作動歯車356に噛み合う第2作動歯車360とを備えている。第1作動歯車356は、回転灯ベース蓋体306に固定された回転軸358に軸支されると共に、下面中央部に下方へ突設された軸ボス(図示せず)を、回転灯ベース本体304の底部に貫通形成されたボス受開口304bに挿入して前後左右方向に位置決めされている。また、第1作動歯車356は、回転灯ベース本体304の底部と回転灯ベース蓋体306とに上下から挟まれて、上下方向にぶれないようになっている。第1作動歯車356は、上面および下面の夫々に、回転軸線を囲んで円形に延在する摺接リブ356aが突設され、筋状の摺接リブ356aの先端が対応の回転灯ベース本体304または回転灯ベース蓋体306に当接するように構成されている。すなわち、作動伝達手段354は、第1作動歯車356を回転灯ベース本体304または回転灯ベース蓋体306に対して筋状の摺接リブ356aが当接する構成とすることで、第1作動歯車356と回転灯ベース本体304とを面で互いに当接する場合と比べて摺接負荷を軽減して、該第1作動歯車356を円滑に回転させることができる。
前記第2作動歯車360は、第1発光体開口308の中心と同軸的に設けられて、第1発光体開口308を介して上側に臨む上面に回転部材324の回転基部325が設置されている(図21参照)。第2作動歯車360には、中央部に第1発光体開口308および基部開口325aと同心の歯車開口362が開設され、第1発光体開口308、歯車開口362および基部開口325aによって、第1回転灯発光体320の上方(光照射方向前側)が開放されている。第2作動歯車360は、第1発光体開口308に整合する円形の外周形状に形成された段状部364と、この段状部364より径方向外側に一回り大きく形成されて、第1作動歯車356に噛み合う歯が外周に設けられた歯車部366とを備え、段状部364の下側に歯車部366が配置されている(図19参照)。第2作動歯車360は、段状部364を第1発光体開口308に嵌め合わせると共に、回転灯ベース本体304の底部と回転灯ベース蓋体306とで歯車部366を上下から挟むことで、回転灯ベース302の収納空間302に回転可能に保持されている。すなわち、第2作動歯車360は、段状部364が第1発光体開口308に係止されて前後左右方向に位置決めされ、回転灯ベース本体304の底部と回転灯ベース蓋体306とに歯車部366が上下から挟まれて、上下方向にぶれないようになっている。第2作動歯車360は、下面に回転軸線を囲んで円形に延在する摺接突条360aが突設され(図19(a)参照)、筋状の摺接突条360aの先端が回転灯ベース本体304の底部に当接するように構成されている。なお、摺接突条360aは、第1発光体設置部304aの上部開口より大径に形成されている。すなわち、作動伝達手段354は、回転灯ベース本体304に対して筋状の摺接突条360aが当接する構成とすることで、第2作動歯車360と回転灯ベース本体304とを面で互いに当接する場合と比べて摺接負荷を軽減して、第2作動歯車360を円滑に回転させることができる。
前記回転灯カバー部材330は、光を透過可能に構成されており、実施例では有色透明になっている。回転灯カバー部材330は、回転部材324の回転に伴う反射鏡面327aによる第1回転灯発光体320の光の反射方向前側を少なくとも覆うように設けられている。実施例の回転灯カバー部材330は、回転部材324の反射鏡面による反射方向前側となる前後左右を囲うのに加えて、回転部材324の上方も覆うように構成されている(図18(a)参照)。回転灯カバー部材330は、下方に開放した半球を該半球の破断した面と直交する面で更に半分にした器形状に形成されており、下部開口を回転灯ベース302で塞ぐように該回転灯ベース302の上面に設置されている。そして、回転灯カバー部材330は、遊技盤20の前側に臨む面を構成する意匠壁部332が略球面状に湾曲する一方、後面を構成する後壁部334が回転灯ベース302の上面に対して略垂直に立設されている。すなわち、回転灯カバー部材330の後壁部334は、第1回転灯発光体320の光照射方向に沿って延在している(図19参照)。また、回転灯カバー部材330は、意匠壁部332の下端部に設けられた袴部332aが、回転灯ベース302のベース湾曲部302bの前側を覆うようになっている。
前記回転発光装置300は、第1回転灯発光体320と同じ方向に光を照射して、第1回転灯発光体320の光照射方向に沿って延在する回転灯カバー部材330の後壁部(壁面)334を照らす第2回転灯発光体(第2発光体)340を備えている(図21参照)。なお、第2回転灯発光体340の光照射方向が第1回転灯発光体320の光照射方向と同じ方向であるとは、厳密に方向が一致する場合だけでなく、回転発光装置300内で第1回転灯発光体320の光軸と第2回転灯発光体340の光軸とが交差しない程度の並行関係も含む。回転発光装置300では、回転部材324の回転軸線を挟む左右両側の夫々に第2回転灯発光体340,340が設けられ、各第2回転灯発光体340は、回転部材324とパチンコ機前後方向に重ならないように配置されている(図18(b)参照)。実施例では、一対の第2回転灯発光体340,340が左右方向に離間して回転灯ベース302に設置され、回転部材324の右側方にずらして配置された右側の第2回転灯発光体(区別する場合は、右部第2回転灯発光体340Aという)と、回転部材324の左側方にずらして配置された左側の第2回転灯発光体(区別する場合は、左部第2回転灯発光体340Bという)とを備えている。第2回転灯発光体340は、回転灯ベース蓋体306の下面に取り付けられた基板340aの上面に設置され、回転灯ベース蓋体306に上下に貫通するように開設された第2発光体開口310を介して上方に臨むようになっている(図21参照)。第2回転灯発光体340は、回転灯カバー部材330で囲まれる領域の外側に臨むように設けられており(図18(a)参照)、回転灯カバー部材330の後壁部334を外側から照明するようになっている。より具体的には、第2回転灯発光体340は、回転灯カバー部材330の後壁部334の後側で、かつ後壁部334の後側に延在する回転灯外周部材370の後壁の前側に位置し、後壁部334と回転灯外周部材370との間に開設された第2発光体開口310を介して回転灯カバー部材330の後壁部334を照らすよう構成されている(図19参照)。
前記回転灯外周部材370は、前側および下側が開放する一方、後側が閉塞したドーム状に形成され、回転灯カバー部材330の後側、該回転灯カバー部材330の左右および上側の後部領域を囲っている(図17参照)。すなわち、回転発光装置300は、回転灯カバー部材330における意匠壁部332の前部が回転灯外周部材370の前端から前側に突出している。回転灯外周部材370は、全面に光を反射し得るめっき等の反射加工が施されており、外面全体で光を反射可能に構成されている。回転灯外周部材370は、左右の側面前部に下方に延出形成された鉤状部372,372を、回転灯ベース302の前部に設けられた係止片312,312に夫々引っ掛けると共に、後部に後側に向けて突出形成した固定ボス374,374を、回転灯ベース302の上面に突設された固定ボス受部314,314に整合させてネジ止め固定される(図17(b)または(c)参照)。係止片312は、回転灯ベース302の側面に突設されて、鉤状部372の後側に開放した溝部分に係止片312を挿通して引っ掛けるようになっている。そして、回転発光装置300では、回転灯ベース302における回転灯ベース蓋体306の上面に突き当てた回転灯外周部材370の下端面と、回転灯ベース本体304に設けた係止片312を引っ掛けた鉤状部372とによって、回転灯ベース302が上下から挟まれている。
前記回転発光装置300は、第2回転灯発光体340を挟んで回転灯カバー部材330に対向するように設けられた補助反射部310,376によって、第2回転灯発光体340から照射した光を回転灯カバー部材330に向けて反射するよう構成されている。前述の如く、第2回転灯発光体340は、回転灯カバー部材330の後側に配置されると共に、補助反射部310,376が第2回転灯発光体340の後側に設けられ、補助反射部310,376は、第2回転灯発光体340から照射された光を前側へ反射するよう構成されている。実施例では、第2回転灯カバー部材330の後側および第2回転灯発光体340に位置している回転灯外周部材370の後壁面376が補助反射部として機能している。また、実施例では、第2発光体開口310の開口面が光を反射可能に構成されて、当該開口面における回転灯カバー部材330の後壁部334に向いている部分についても、補助反射部として機能するようになっている。
前記回転発光装置300は、発光装置開口204の後側から可動ベース202に取り付けられており、発光装置開口204の上縁および左右の側縁と回転灯外周部材370の上縁および左右の側縁が整合し、発光装置開口204の上縁および左右の側縁から回転灯外周部材370の内面が連なって光を反射可能な鏡面が連続的に設けられている。また、回転発光装置300は、ベース湾曲部302bおよび回転灯カバー部材330の前部が発光装置開口204の内側に挿入されて、発光装置開口204を介して回転灯カバー部材330が前側に臨むようになっている。すなわち、回転発光装置300は、待機位置にある可動体220によって隠されて前側から見えず(図2(a)参照)、可動体220が動作位置になることで、回転灯カバー部材330がパチンコ機前側に臨むよう構成されている(図2(b)参照)。なお、回転灯ベース302の右側部に設けられた作動モータ350は、可動ベース202の後側に隠される。
前記回転発光装置300は、第1回転灯発光体320を点灯すると共に、作動モータ350によって作動伝達手段354を介して回転部材324を回転することで、反射鏡面327aで反射される第1回転灯発光体320の光の向きが回転するように変位し、回転灯のような発光演出がされる。ここで、回転発光装置300は、第2回転灯発光体340,340を点灯することで、回転灯カバー部材330の後壁部334を照明することができ、回転部材324の反射鏡面327aによる第1回転灯発光体320の反射光と複合させて、全体として発光演出を強調することができる。すなわち、回転発光装置300では、回転部材324の反射鏡面327aに光を照射する第1回転灯発光体320の数を増やすことなく、第2回転灯発光体340によって発光演出を強調することができる。従って、反射鏡面327aの大型化を招くことなく、コンパクトな回転発光装置300によって効果的な発光演出を行い得る。しかも、第2回転灯発光体340は、回転部材324の反射鏡面327aではなく、回転部材324を覆う回転灯カバー部材330を照らす構成であるので、回転部材324を回転する作動モータ350や作動伝達手段354から離して配置することができ、スペースの制約を受け難い。
前記回転発光装置300は、第2回転灯発光体340が回転部材324と前後方向に重ならないように配置されているので、第2回転灯発光体340で照らされる回転灯カバー部材330の後壁部334が回転部材324によって隠されず、第2回転灯発光体340の照明による発光演出を適切に享受し得る。そして、第2回転灯発光体340から照射された光は、補助反射部となる第2発光体開口310の開口面によって後壁部334に向けて反射されると共に、同じく補助反射部となる回転灯外周部材370の後壁面376によって後壁部334に向けて反射される。すなわち、補助反射部310,376によって反射した第2回転灯発光体340の光によって回転灯カバー部材330をより明輝させることができる。しかも、第2回転灯発光体340および補助反射部310,376は、遊技盤20における奥側に位置して比較的暗くなる回転灯カバー部材330の後壁部334を照らすことができ、第1回転灯発光体320の反射光を好適に強調し得る。
前記一対の第2回転灯発光体340,340は、第1回転灯発光体320の点灯時に常時点灯するように発光制御してもよいが、図22に示すように回転部材324の回転に合わせて発光制御してもよい。図22は、反射鏡面327aの向きと一対の第2回転灯発光体340,340の発光制御との関係を示す説明図であって、反射鏡面327aがパチンコ機後側を向いた状態を0°とし、反射鏡面327aが右側を向いた状態を90°とし、反射鏡面327aがパチンコ機前側を向いた状態(前述の基準状態)を180°とし、反射鏡面327aが左側を向いた状態を270°とし、回転部材324が時計回りに回転する場合を示している。
図22に示す発光制御パターンにおいて、回転発光装置300は、反射鏡面327aが0°〜90°(0°≦反射鏡面<90°)の範囲にあるときに、右部第2回転灯発光体340Aを点灯すると共に、左部第2回転灯発光体340Bを消灯するよう発光制御される。すなわち、反射鏡面327aが右後側を向いている際に、回転部材324の右側に位置している右部第2回転灯発光体340Aを点灯することで、反射鏡面327aの反射光が強調される一方、回転部材324の左側が暗くなり、左右で明暗差がはっきりさせることができる。回転発光装置300は、反射鏡面327aが90°〜270°(90°≦反射鏡面<270°)の範囲にあるときに、両方の第2回転灯発光体340A,340Bを消灯するよう発光制御される。これにより、手前側の回転灯カバー部材330の意匠壁部332が反射鏡面327aの反射光で照らされて明るくなる一方、奥側の回転灯カバー部材330の後壁部334が暗くなり、回転灯カバー部材330の立体感が強調される。回転発光装置300は、反射鏡面327aが270°〜0°(360°)(270°≦反射鏡面<0°(360°))の範囲にあるときに、左部第2回転灯発光体340Bを点灯すると共に、右部第2回転灯発光体340Aを消灯するよう発光制御される。すなわち、反射鏡面327aが左後側を向いている際に、回転部材324の左側に位置している左部第2回転灯発光体340Bを点灯することで、反射鏡面327aの反射光が強調される一方、回転部材324の右側が暗くなり、左右で明暗差がはっきりさせることができる。このように、一対の第2回転灯発光体340,340を回転部材324の回転に合わせて発光制御することで、回転発光装置300による発光演出にメリハリをつけることができると共に立体感を向上させることができる。
図22を参照して説明した発光制御パターンに限定されず、図23に示す別パターンの発光制御を行ってもよい。なお、反射鏡面327aがパチンコ機後側を向いた状態を0°とし、反射鏡面327aが右側を向いた状態を90°とし、反射鏡面327aがパチンコ機前側を向いた状態(前述の基準状態)を180°とし、反射鏡面327aが左側を向いた状態を270°とし、回転部材324が時計回りに回転する場合を示している。
図23に示す発光制御パターンにおいて、回転発光装置300は、反射鏡面327aが左斜め後方を向く315°から右斜め後方を向く45°の範囲(315°≦反射鏡面<45°)にあるときに、両方の第2回転灯発光体340A,340Bを点灯するよう発光制御される。すなわち、反射鏡面327aが後側を向いている際に、回転部材324の両側にある一対の第2回転灯発光体340A,340Bを点灯することで、反射鏡面327aの反射光を強調することができる。回転発光装置300は、反射鏡面327aが右斜め後方に向く45°から右斜め前方を向く135°の範囲(45°≦反射鏡面<135°)にあるときに、右部第2回転灯発光体340Aを点灯すると共に、左部第2回転灯発光体340Bを消灯するよう発光制御される。すなわち、反射鏡面327aが右方を向いている際に、回転部材324の右側に位置している右部第2回転灯発光体340Aを点灯することで、反射鏡面327aの反射光が強調される一方、回転部材324の左側が暗くなり、左右で明暗差がはっきりさせることができる。回転発光装置300は、反射鏡面327aが右斜め前方に向く135°から左斜め前方に向く225°の範囲(135°≦反射鏡面<225°)にあるときに、両方の第2回転灯発光体340A,340Bを消灯するよう発光制御される。これにより、手前側の回転灯カバー部材330の意匠壁部332が反射鏡面327aの反射光で照らされて明るくなる一方、奥側の回転灯カバー部材330の後壁部334が暗くなり、回転灯カバー部材330の立体感が強調される。回転発光装置300は、反射鏡面327aが左斜め前方に向く225°から右斜め後方に向く315°の範囲(225°≦反射鏡面<315°)にあるときに、左部第2回転灯発光体340Bを点灯すると共に、右部第2回転灯発光体340Aを消灯するよう発光制御される。すなわち、反射鏡面327aが左方を向いている際に、回転部材324の左側に位置している左部第2回転灯発光体340Bを点灯することで、反射鏡面327aの反射光が強調される一方、回転部材324の右側が暗くなり、左右で明暗差がはっきりさせることができる。このように、一対の第2回転灯発光体340,340を回転部材324の回転に合わせて発光制御しても、回転発光装置300による発光演出にメリハリをつけることができると共に立体感を向上させることができる。
(発光演出装置)
図24〜図34に示すように、前記発光演出装置400は、発光演出部410および照明演出部450を有する演出ユニット402を複数備えている。図3に示すように、実施例の発光演出装置400は、表示部13aを左右に挟んで一対の演出ユニット402,402を備えており、設置部材40の左右の側部の夫々に演出ユニットが設置されている。各演出ユニット402には、発光の向きが変わる回転灯のような回転発光演出が行われる発光演出部410が表示部13aの外縁部に並べて複数(実施例では3基)設けられると共に、表示部13側を照らす1基の照明演出部450が複数の発光演出部410の表示部13a側に設けられている。ここで、一対の演出ユニット402,402は、基本的な構成が同じであるので、表示部13aの右側に設けられる演出ユニット(区別する場合は右部演出ユニット402Aという)について説明して、表示部13の左側に設けられる演出ユニット(区別する場合は左部演出ユニット402Bという)について、右部演出ユニット402Aと同じ構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。なお、左部演出ユニット402Bでは、構成要素の配置が右部演出ユニット402Aの構成要素の配置と表示部13aを挟んで左右対称な関係になる(図3参照)。
前記演出ユニット402には、表示部13aの外側縁部に上下の関係で並べて3基の発光演出部410が設置されており、各発光演出部410のパチンコ機前側に臨む外観形状が基本的に同様に構成されている(図3または図24参照)。すなわち、3基の発光演出部410は、何れも回転灯を模した外観形状になっている。なお、3基の発光演出部410は、区別する場合は演出ユニット402において一番上側に設置されているものを上段発光演出部410Aといい、中間に設置されているもの中段発光演出部410Bといい、一番下側に設置されているものを上段発光演出部410Cという。演出ユニット402では、3基の発光演出部410の姿勢が夫々異なるように設置されており、下段発光演出部410Cの外観形状が横に寝かせた姿勢とされ、中段発光演出部410Bの外観形状が斜め上方に向けて傾いた姿勢とされ、上段発光演出部410Aの外観形状が、中段発光演出部410Bよりも上方に向けて更に傾いた傾斜姿勢とされている(図24参照)。なお、前述した表示部13aの上側に位置する回転発光装置300の外観形状は、回転灯を縦に立てた姿勢であり、同じモチーフの外観形状で形成された回転発光装置300および複数の発光演出部410が、表示部13aを中心として姿勢を順次変えつつ略円形配列されている(図4(a)参照)。
前記演出ユニット402は、ユニットベース404に発光演出部410および照明演出部450が設置されており、ユニットベース404を介して一体的に取り扱い可能になっている。ユニットベース404は、設置部材40における表示開口部40aの側部に設置されるユニットベース本体405と、このユニットベース本体405の表示部13a側の縁部に取り付けられるユニットベース補助体409とから構成されている(図31参照)。ユニットベース本体405は、発光演出部410の後側に延在する壁面を構成する設置壁部406と、この設置壁部406から前側に延出するよう形成され、発光演出部410を挟んで表示部13aと反対側に延在する外壁部407と、設置壁部406から前側に延出するよう形成され、隣り合う発光演出部410,410の間の一部を仕切る仕切壁部408とを備えている(図27参照)。ユニットベース本体405は、全面に光を反射し得るめっき等の鏡面加工が施され、外面全体が光を反射可能に構成されている。すなわち、発光演出部410の後述する反射部材420の後側には、鏡面加工された設置壁部406が配置され、この設置壁部(補助反射部材)406の前面が前側へ光を反射する補助反射面として機能するようになっている。ユニットベース補助体409は、設置壁部406における表示部13a側の縁部に、表示部13a側へ延出するように設けられている。また、ユニットベース補助体409は、光を透過可能に構成されて、実施例では無色透明とされる。
(発光演出部)
前記演出ユニット402が備える3基の発光演出部410の共通する構成について説明する。3基の発光演出部410は、基本的な構成が同じであるので、共通する構成には同一符号を付す。発光演出部410は、同一平面上に配置され、同一方向に光を照射し得る複数の発光源412と、これらの発光源412の光照射方向前側に延在してパチンコ機後側から前側に向かうにつれて該光照射方向前側に向かう段状に傾斜形成された反射面428を有し、該発光源412から照射された光を該反射面428によってパチンコ機前側へ反射する反射部材420と、この反射部材420のパチンコ機前側を覆うように設けられ、光を透過可能な発光カバー部材(カバー部材)430とを備えている(図31参照)。発光演出部410は、発光源4が遊技盤20の盤面に平行な盤面方向(以下、単に盤面方向という)に向けて光を照射するよう構成されており、発光演出部410では、発光源412の光照射方向に沿う仮想軸周りで光が回転してみえるような回転発光演出が行われる。なお、盤面方向とは、略垂直に立てた姿勢でパチンコ機10で設置される遊技盤20の盤面(板面)に沿う方向であって、パチンコ機前後方向を除く上下・左右・斜め方向をいう。また、発光源412(前述した発光体も含む)の光照射方向とは、発光源412から照射された光束の代表となる仮想的な光線(光軸)の向きをいい、以下の説明では、発光源412の光照射方向を単に光軸方向という。発光演出部410は、後述する補助発光源432を除く発光源412および発光カバー部材430が、反射部材420に取り付けられ、反射部材420を介して一つのユニットとして一体的に取り扱うことができる。
前記発光演出部410では、複数(3ヵ所以上が望ましい)の発光源412が、少なくとも2段の反射面428に対向するようパチンコ機前後に振り分けて配置されると共に、同じ段の反射面428に対応する発光源412が、光軸方向と直交する盤面方向に互いにずらして配置されている(図32〜図34参照)。また、隣り合う段の反射面428,428に対向する発光源412,412同士は、パチンコ機前後方向に重ならないように配置するのが好ましい。すなわち、発光演出部410では、反射面部424において一番奥側(パチンコ機後側)に位置する後段反射面428Aに対向する発光源412と、後段反射面428Aの手前側(パチンコ機前側)に隣り合う中段反射面428Bに対向する発光源412とが、光軸方向と直交する盤面方向に互いにずらして配置され、中段反射面428Bに対向する発光源412と、中段反射面428Bの手前側に隣り合う前段反射面428Cに対向する発光源412とが、光軸方向と直交する盤面方向に互いにずらして配置されている。また、後段反射面428Aに対向する発光源412と前段反射面428Cに対向する発光源412とは、パチンコ機前後方向に重なる関係で配置しても、互いにずらして配置してもよい。なお、光軸方向と直交する盤面方向を、以下の説明では「演出部幅方向」といい、実施例では発光演出部410毎に光軸方向が異なっているので、これに伴って発光演出部410毎に演出部幅方向も異なっている。
前記発光源412とは、1基のLED等の発光体、あるいは対向する反射面428の段が同じでかつ演出部幅方向の配設部位が近接する複数の発光体からなる発光体群をいい、発光演出部410の回転発光演出に際して発光源412単位で発光制御される。実施例では、発光源412が1基の発光体に1対1の関係で対応しており、発光源412が最小限の発光体で構成されている(図31参照)。複数の発光源412は、1枚の発光源基板414の一面にパチンコ機前後方向および演出部幅方向に互いに離れるように設置されている。発光源基板414は、表示部13a側に開放した略トレイ形状の基板保持部416に対して表示部13側から嵌め合わせて保持されて、基板保持部416に開設された保持部開口416aを介して複数の発光源412が表示部13aと反対側に臨むようになっている。基板保持部416は、反射部材420の後述する台座部422の表示部13a側の面にネジ止め固定されると共に、後端面に演出部幅方向に離間して設けられた一対の保持部ボス(図示せず)をユニットベース補助体409の保持部ボス受け孔409aに挿入して位置決めされる。そして、基板保持部416に保持された発光源基板414は、遊技盤20の盤面に対して略垂直に立てた姿勢でユニットベース404に設置されている。ここで、後述する照明演出部450の遮蔽部452となる基板保持部416および発光源基板414の表示部13a側の面は、光を反射可能に構成されており、実施例では、基板保持部416全体が光を反射し易い白色とされると共に、発光源基板414が電気素子を除く基板面が白色とされている。なお、右部演出ユニット402Aの上段発光演出部410Aだけは、基板保持部416を省略して発光源基板414が反射部材420の台座部422に直接固定されている。
前記反射部材420は、発光源基板(基板保持部)を収容保持する基板設置部としての台座部422と、この台座部422を挟んで表示部13aと反対側に延出するように設けられ、反射面428を有する反射面部424とから構成されている(図32〜図34参照)。反射部材420は、反射面428だけでなくその他の外面についても、光を反射し得るめっき等の鏡面加工が施され、外面全体で光を反射可能に構成されている。台座部422は、表示部13a側に開放した略トレイ状に形成され、表示部13a側に収容保持された発光源基板414の発光源412が、円形に開設された台座部開口422aを介して反射面部424側に臨むようになっている。反射面部424は、台座部開口422aのパチンコ機後側および演出部幅方向に対向する横側を囲うように、台座部422における表示部13aと反対側に略ドーム形状で立設されて、パチンコ機前側に開口すると共にパチンコ機後側が閉塞するよう構成されている。また、反射面部424は、台座部422から表示部13aと反対側に延出するにつれて演出部幅方向の幅が先細りになるように形成されている。反射面部424は、台座部開口422aのパチンコ機後側で台座部422に接続される後壁面部424aが、根元側から表示部13aと反対側に向かうにつれて台座部開口422aの光軸方向前側に重なるように張り出し、後壁面部424aによって台座部開口422aが覆われるようになっている。
前記反射面部424の後壁面部424aは、光軸方向に沿って延在する並行面427と、この並行面427に対して交差するように連なり、光軸方向に対して傾斜した反射面428とからなる段部426が、複数段設けられている(図27、図29または図32〜図34参照)。すなわち、後壁面部424aは、並行面427と反射面428とが折れ線状に交互に連なるように屈曲形成されており、光軸方向前側においてパチンコ機前側に指向するように傾斜する反射面428によって、発光源412の光がパチンコ機前側に反射される。実施例の後壁面部424aには、台座部422に接続する根元側から先端部に向けて、後段部、中段部および前段部の3段が順番に設けられ、後段部から前段部に向かうにつれてパチンコ機前側に張り出している。なお、並行面427および反射面428は、後述する後段部の傾斜面429を除いて基本的に演出部幅方向に沿って直線的に延在している。そして、後段部の後段反射面428Aは、台座部開口422aのパチンコ機後側の領域に対向し、中段部の中段反射面428Bは、台座部開口422aのパチンコ機前後方向の中間領域に対向し、前段部の前段反射面428Cは、台座部開口422aのパチンコ機前側の領域に対向するようになっている。なお、各段部では、並行面427についても光を反射可能に構成されている。
前記反射面部424は、台座部開口422aを挟んで演出部幅方向に対向する横側に位置して一対の横壁面部424b,424bを有し、これらの横壁面部424b,424bによって演出部幅方向へ光が漏れることを防止している(図27参照)。また、反射面部424は、後段部の並行面427における演出部幅方向の両側部に、横壁面部424bに向けて斜めに延在するように形成された傾斜面429を備え、この傾斜面429が後段部の後段反射面428Aにも連なっている。後段反射面428Aは、一対の傾斜面429,429に挟まれて後段部の並行面427に連なる部分から光軸方向前側に向かうにつれて拡開するように形成されている(図27または図32〜図34参照)。
前記発光カバー部材430は、表示部13a側が開放した略器状に形成されており、反射面部424を内側に収容した状態で表示部13a側の開放端部を台座部422に突き合わせて設置されている。すなわち、発光カバー部材430は、反射部材420の反射面部424におけるパチンコ機前側を覆うだけでなく、反射面部424における演出部幅方向に対向する横側、反射面部424における光軸方向前側および反射面部424におけるパチンコ機後側の一部を覆うように構成されている。また、発光カバー部材430は、パチンコ機前側に臨む外面が交差する平面を組み合わせた多面状に形成され(図31参照)、交差する平面のなす稜線430aが演出部幅方向に並ぶよう設けられている(図24参照)。発光カバー部材430では、交差する外面のなす稜線430aが光軸方向に延在すると共に、台座部開口422aの中心を通る光軸方向に沿う仮想線を挟んで演出部幅方向に対称な関係で稜線が並んでいる。更に、発光カバー部材430は、外面が多面形状に形成されているのに対し、反射面部424に臨む内面が円弧状に滑らかに形成されている。なお、実施例の発光カバー部材430は、有色透明に構成されている。
前記反射面部424における演出部幅方向の横側には、発光カバー部材430を介してパチンコ機前側へ光を照射し得る補助発光源432が設けられている(図27参照)。補助発光源432は、反射面部424とパチンコ機前後方向に重ならなず、発光カバー部材430のパチンコ機後側に重なるように設けられており、反射面部424に対して演出部幅方向に外した該反射面部424の脇に配置されている。補助発光源432は、ユニットベース本体405の後面に取り付けられたベース発光基板434の前面に設置され、ユニットベース本体405の設置壁部406に前後に貫通形成された補助発光源開口406aを介して前側に光を照射し得るようになっている。ベース発光基板434には、ユニットベース本体405の仕切壁部408に対応して仕切発光体436が設けられており、この仕切発光体436によって仕切壁部408の仕切発光部438を発光演出するよう構成される(図27参照)。
前記上段発光演出部410Aは、発光源412が斜め右上方に光を照射するように構成され、この光軸方向に直交する演出部幅方向が上から下に向かうにつれて表示部13a側から離れるように傾斜している。中段発光演出部410Bは、上段発光演出部410Aよりも水平面に対して浅い角度で発光源412が斜め右上方に光を照射するように構成され、この光軸方向に直交する演出部幅方向が上から下に向かうにつれて表示部13a側から離れるように傾斜している。下段発光演出部410Cは、発光源412が右方へ向けて光を水平に照射するように構成され、この光軸方向に直交する演出部幅方向が上下方向に延在している。
図32に示すように、上段発光演出部410Aは、演出部幅方向に互いにずらして配置された3基の発光源412を備えている。上段発光演出部410Aでは、演出部幅方向の両端に位置する2基の発光源412,412が中段反射面428Bに対向するように配置されると共に、中段反射面428Bに対応する2基の発光源412,412の間に演出部幅方向において位置する1基の発光源412が後段反射面428Aに対向するように配置されている。また、上段発光演出部410Aは、1基の補助発光源432(他の発光演出部410B,410Cの補助発光源432と区別する場合は、上段補助発光源432Aという)を備えている(図27参照)。上段補助発光源432Aは、反射面部424から演出部幅方向の一方(実施例では下側)に外れた横側に設けられ、上段発光演出部410Aと中段発光演出部410Bとの間に設けられた仕切壁部408と反射面部424との間に配置されている。
図33に示すように、前記中段発光演出部410Bは、4基の発光源412を備えている。中段発光演出部410Bでは、演出部幅方向の両端に位置する2基の発光源412,412が中段反射面428Bに対向するように配置されると共に、中段反射面428Bに対応する2基の発光源412,412の間に演出部幅方向において位置する2基の発光源412,412が後段反射面428Aおよび前段反射面428Cの夫々に対向するように振り分けて配置されている。また、中段発光演出部410Bは、4基の補助発光源432を備えている(図27参照)。中段発光演出部410Bには、4基の補助発光源432(他の発光演出部410A,410Cの補助発光源432と区別する場合は、中段補助発光源432Bという)が反射面部424を演出部幅方向に挟んだ両側に2基ずつ振り分けて設けられている。反射面部424から演出部幅方向の一方(実施例では下側)に外れた同じ横側に設けられた2基の中段補助発光源432B,432Bは、光軸方向に離間して配置されると共に、下段発光演出部410Cと中段発光演出部410Bとの間に設けられた仕切壁部408と反射面部424との間に配置されている。これに対し、反射面部424から演出部幅方向の他方(実施例では上側)に外れた同じ横側に設けられた2基の中段補助発光源432B,432Bは、光軸方向に離間して配置されると共に、上段発光演出部410Aと中段発光演出部410Bとの間に設けられた仕切壁部408と反射面部424との間に配置されている。そして、中段補助発光源432Bは、反射面部424に対して同じ側にあるものが、同期して発光演出される。
図34に示すように、下段発光演出部410Cは、演出部幅方向に互いにずらして配置された3基の発光源412を備えている。下段発光演出部410Cでは、演出部幅方向の他端(実施例では上側)に位置する1基の発光源412が中段反射面428Bに対向するように配置されると共に、残り2基の発光源412,412が演出部幅方向に離間させて前段反射面428Cに対向するように配置されている。また、下段発光演出部410Cは、3基の補助発光源432を備えている(図27参照)。中段発光演出部410Cでは、3基の補助発光源432(他の発光演出部410A,410Bの補助発光源432と区別する場合は、下段補助発光源432Cという)が反射面部424を演出部幅方向に挟んだ両側に振り分けて設けられている。反射面部424から演出部幅方向の一方(実施例では下側)に外れた横側に設けられた1基の下段補助発光源432Cは、下段発光演出部410Cの下側に延在する仕切壁部408と反射面部424との間に配置されている。これに対し、反射面部424から演出部幅方向の他方(実施例では上側)に外れた同じ横側に設けられた2基の下段補助発光源432C,432Cは、光軸方向に離間して配置されると共に、下段発光演出部410Cと中段発光演出部410Bとの間に設けられた仕切壁部408と反射面部424との間に配置されている。そして、下段補助発光源432Cは、反射面部424に対して同じ側にあるものが、同期して発光演出される。
前記発光演出部410では、複数の発光源412が、演出部幅方向またはパチンコ機前後方向に隣り合う発光源412を結んで環状にループするように該発光源単位で順次発光制御されて、発光カバー部材430を介してパチンコ前側に照射される反射光によって擬似的な回転発光演出を行うよう構成されている。また、補助発光源432は、演出部幅方向において該補助発光源432が設けられた側と同じ側の発光源412の点灯に合わせて点灯するよう発光制御される。
前記上段発光演出部410Aでの回転発光制御について、図35(a)を参照して具体的に説明する。なお、図35(a)の表において丸囲みの数字は上段発光演出部410Aの発光源412または上段補助発光源432Aの発光順序を表し、同じ数字であれば同じタイミングで発光される。また、図35(a)の表において、発光源412または上段補助発光源432Aが配置されていない部位は斜線が引いてある。上段発光演出部410Aは、後段反射面428Aに対向する後段発光源412を点灯すると共に、中段反射面428Bに対向する他の2基の中段発光源412,412を消灯する。このとき、上段補助発光源432Aは消灯している。中段反射面428Bに対応する一方(実施例では下側)の中段発光源412を点灯すると共に、後段反射面428Aに対向する後段発光源412を消灯し、中段反射面428Bに対応する他方の中段発光源412の消灯状態を維持する。中段反射面428Bに対向する一方の中段発光源412の点灯に合わせて、この一方の中段発光源412と演出部幅方向において同じ側にある上段補助発光源432Aが点灯される。中段反射面428Bに対応する他方(実施例では上側)の中段発光源412を点灯すると共に、中段反射面428Bに対応する一方の中段発光源412および上段補助発光源432Aを消灯し、後段反射面428Aに対向する後段発光源412の消灯状態を維持する。後段反射面428Aに対向する後段発光源412を点灯すると共に、中段反射面428Bに対向する他方の中段発光源412を消灯し、中段反射面428Bに対向する一方の中段発光源412および上段補助発光源432Aの消灯状態を維持する。このように、上段発光演出部410Aでは、後段発光源412、一方および他方の中段発光源412が、一定の方向に発光順序が環状にループするように発光制御される。また、上段発光演出部410Aでは、一方の中段発光源412の発光制御に合わせて、上段補助発光源432Aが発光制御される。
前記中段発光演出部410Bでの回転発光制御について、図35(b)を参照して具体的に説明する。なお、図35(b)の表において丸囲みの数字は中段発光演出部410Bの発光源412または中段補助発光源432Bの発光順序を表し、同じ数字であれば同じタイミングで発光される。また、図35(b)の表において、発光源412または中段補助発光源432Bが配置されていない部位は斜線が引いてある。中段発光演出部410Bは、後段反射面428Aに対向する後段発光源412を点灯すると共に、他段の反射面428B,428Cに対向する他の3基の発光源412を消灯する。このとき、反射面部424の両側にある4基の中段補助発光源432Bは、何れも消灯されれている。中段反射面428Bに対応する一方(実施例では下側)の中段発光源412を点灯すると共に、後段発光源412を消灯し、中段反射面428Bに対応する他方(実施例では上側)の中段発光源412および前段反射面428Cに対向する前段発光源412の消灯状態を維持する。このとき、一方の中段発光源412の点灯に合わせて、この一方の中段発光源412と演出部幅方向において同じ側にある2基の中段補助発光源432B,432B(一方の中段補助発光源の組という)が点灯される。前段発光源412を点灯すると共に、一方の中段発光源412および一方の補助発光源432B,432Bの組を消灯し、中段反射面428Bに対応する他方の中段発光源412および後段発光源412の消灯状態を維持する。他方の中段発光源412を点灯すると共に、前段発光源412を消灯し、中段反射面428Bに対応する一方の中段発光源412、後段発光源412および一方の中段補助発光源432B,432Bの組の消灯状態を維持する。このとき、他方の中段発光源412の点灯に合わせて、この他方の中段発光源412と演出部幅方向において同じ側にある2基の中段補助発光源432B,432B(他方の中段補助発光源432B,432Bの組という)が点灯される。後段発光源412を点灯すると共に、他方の中段発光源412および他方の中段補助発光源432B,432Bの組を消灯し、一方の中段発光源412、前段発光源412および一方の中段補助発光源432B,432Bの組の消灯状態を維持する。このように、中段発光演出部410Bでは、後段発光源412、一方および他方の中段発光源412,412、前段発光源412が、一定の方向に発光順序が環状にループするように発光制御される。また、中段発光演出部410Bでは、一方の中段発光源412の発光制御に合わせて、一方の中段補助発光源432B,432Bの組が発光制御され、他方の中段発光源412の発光制御に合わせて、他方の中段補助発光源432B,432Bの組が発光制御される。
前記下段発光演出部410Cでの回転発光制御について、図35(c)を参照して具体的に説明する。なお、図35(c)の表において丸囲みの数字は下段発光演出部410Cの発光源412または下段補助発光源432Cの発光順序を表し、同じ数字であれば同じタイミングで発光される。また、図35(c)の表において、発光源412または下段補助発光源432Cが配置されていない部位は斜線が引いてある。下段発光演出部410Cは、中段反射面428Bに対向する中段発光源412を点灯すると共に、他段の反射面428Cに対向する他の2基の発光源412,412を消灯する。このとき、中段発光源412の点灯に合わせて、この中段発光源412と演出部幅方向において同じ側にある2基の下段補助発光源432C,432C(一方の下段補助発光源の組という)が点灯されると共に、反射面部424を挟んで演出部幅方向の反対側にある他方の下段補助発光源432Cが消灯されている。前段反射面428Cに対応する一方(実施例では下側)の前段発光源412を点灯すると共に、中段発光源412を消灯し、前段反射面428Cに対応する他方(実施例では上側)の前段発光源412の消灯状態を維持する。このとき、一方の前段発光源412の点灯に合わせて、この一方の前段発光源412と演出部幅方向において同じ側にある1基の下段補助発光源432C(他方の補助発光源)が点灯されると共に、反射面部424を挟んで演出部幅方向の反対側にある一方の下段補助発光源432C,432Cが消灯される。他方の前段発光源412を点灯すると共に、一方の前段発光源412および他方の下段補助発光源432Cの全てを消灯し、中段発光源412および一方の下段補助発光源432C,432Cの組の消灯状態を維持する。中段発光源412および一方の下段補助発光源432C,432Cの組を点灯すると共に、他方の前段発光源412を消灯する。このように、下段発光演出部410Cでは、中段発光源412、一方および他方の前段発光源412,412が、一定の方向に発光順序が環状にループするように発光制御される。また、下段発光演出部410Cでは、中段発光源412の発光制御に合わせて、一方の下段補助発光源432C,432Cの組が発光制御され、一方の前段発光源412の発光制御に合わせて、他方の下段補助発光源432Cが発光制御される。
なお、左部演出ユニット402Bの発光演出部410A,410B,410Cでは、発光源412の配置および回転発光制御の態様が、右部演出ユニット402Aの中段発光演出部410Bと同じになっている。また、右部演出ユニット402Aでは、複数の発光源412を光軸方向から見た際に、時計回りに光が回転するように回転発光演出が行われる。これに対し、左部演出ユニット402Bでは、複数の発光源412を光軸方向から見た際に、反時計回りに光が回転するように回転発光演出が行われる。
前記発光演出装置400では、各発光演出部410での回転発光制御だけでなく、発光演出部の発光演出を組み合わせた連動発光制御も行われる。発光演出装置400では、連動発光制御において、複数の発光演出部410が発光源412による回転発光演出の回転方向が揃えられると共に、複数の発光演出部410における並びの一方から他方へ向けて隣り合う発光演出部410,410間の発光態様が連なるように発光制御される。実施例の発光演出装置400は、連動発光制御において、左部演出ユニット402Bの下段発光演出部410から始まり、左部演出ユニット402Bの中段発光演出部410Bから上段発光演出部410Cに連なるように、下から上に向けて順番に発光演出される。また、発光演出装置400は、左部演出ユニット402Bの上段発光演出部410Aから右部演出ユニット402Aの上段発光演出部410Aに連なり、この上段発光演出部410Aから中段発光演出部410B、下段発光演出部410Cに順に連なるように、上から下に向けて順番に発光演出される。発光演出装置400では、連動発光制御において、表示部13aを囲む6基の発光演出部410によって(図3参照)、該表示部13aを中心とした時計回りのアーチ状に発光が連なるようになっている。
前記発光演出装置400の連動発光制御について、より具体的に説明する。各発光演出部410では、連動発光制御において自身が発光するタイミングで、連続回転する通常の回転発光制御(通常時回転発光制御)ではなく、設定回転数(実施例では1回転)だけの回転発光制御(連動時回転発光制御)が行われる。左部演出ユニット402Bでは、下段発光演出部410C、中段発光演出部410Bおよび上段発光演出部410Aの順に、1回転だけの回転発光演出が順番に行われ、下から上に発光演出が連なるパターンが構成される。ここで、左部演出ユニット402Bでは、補助発光体432についても下から上に発光演出が連なるパターンを構成するように順番に発光制御される。すなわち、左部演出ユニット402Bでは、下段発光演出部410Cの下側の下段補助発光源432C、下段発光演出部410C、下段発光演出部410Cの上側の補助発光源432C,432Cの組、中段発光演出部410Bの下側の中段補助発光源432B,432Bの組、中段発光演出部410B、中段発光演出部410Bの上側の中段補助発光源432B,432Bの組、上段発光演出部410Aの下側の上段補助発光源432A、上段発光演出部410Aの順番で発光するようになっている。
前記右部演出ユニット402Aでは、左部演出ユニット402Bの上段発光演出部410Aの後に続いて上段発光演出部410A、中段発光演出部410Bおよび下段発光演出部410Cの順に、1回転だけの回転発光演出が順番に行われ、上から下に発光演出が連なるパターンが構成される。ここで、右部演出ユニット402Aでは、補助発光体432についても上から下に発光演出が連なるパターンを構成するように順番に発光制御される。すなわち、右部演出ユニット402Aでは、上段発光演出部410A、上段発光演出部410Aの下側の上段補助発光源432A、中段発光演出部410Bの上側の中段補助発光源432B,432Bの組、中段発光演出部410B、中段発光演出部410Bの下側の中段補助発光源432B,432Bの組、下段発光演出部410Cの下側の下段補助発光源432C,432Cの組、下段発光演出部410C、下段発光演出部410Cの下側の下段補助発光源432Cの順番で発光するようになっている。
このように、前記発光演出部410は、複数の発光源412を演出部幅方向(盤面方向)にずらして配置するだけでなく、反射部材420の段状に形成された反射面428に対応してパチンコ機前後方向にずらして配置している。そして、発光演出部410は、パチンコ機前後または演出部幅方向にずれた隣り合う発光源412,412を結んで環状にループするように該発光源412を順次発光制御することで、点灯する発光源412が演出部幅方向に移り変わることにより反射面428による反射光が盤面方向に変位すると共に、点灯する発光源412がパチンコ機前後方向に移り変わることにより光を反射する反射面428の段がパチンコ機前後方向に変位する。これにより、発光演出部410は、反射光が盤面方向に変位するだけでなくパチンコ機前後方向に変位するように見えるので、奥行き感のある回転灯に近い回転発光演出が得られる。また、発光演出部410は、発光源412を盤面方向にずらして配置すると共に、該発光源412を少なくとも2段の反射面に対向するようにパチンコ機前後にずらして配置することで、前述した回転発光演出を達成可能であるから、発光源412の数や反射部材420(反射面428)の大きさを抑えることができ、装置全体としてコンパクトにできる。そして、発光演出部410は、反射面部424の演出部幅方向の脇に補助発光源432を設け、この補助発光源432を演出幅方向において同じ側にある発光源412の点灯に合わせて点灯するよう発光制御することで、当該発光源412による反射光を補助発光源432によって強調することができ、より際立った回転発光演出を行うことができる。
前記発光演出部410は、反射部材420の反射面部424および発光カバー部材430の後側に位置する補助反射面としての設置壁部406に反射する光によって、発光カバー部材430の周りを明るくすることができる。また、発光カバー部材430は、外面が多面形状に形成されているので、反射面428から入射される反射光が屈折または乱反射して拡散させることができる。しかも、反射カバー部材430は、外面に形成された光軸方向に延在する稜線が演出部幅方向に並んでいるので、演出部幅方向に変位して見える回転発光演出を強調することができる。
前記発光演出装置400は、複数の発光演出部410における並びの一方から他方へ向けて隣り合う発光演出部410間の発光態様が連なるように連動発光制御することで、表示部13aの外縁部に並ぶ複数の発光演出部410によって該表示部13aの外縁を光が流れるような発光演出を行うことができる。実施例のように、連動発光制御時の発光パターンを左から右側に流れるように設定すれば、例えば当該発光演出を、大当たり発生時における右打ち指示報知等に用いることができる。
(照明演出部)
前記演出ユニット402は、回転発光演出を行う発光演出部410とは別に、所定方向にスポットライトのように照らす発光演出を行う照明演出部450を備えている(図24,図27または図29参照)。照明演出部450は、発光演出部410の台座部422を挟んで発光カバー部材430と反対側に位置して、複数の発光演出部410の並び方向に延在するように設けられ、演出ユニット402における表示部13a側を構成している(図26参照)。照明演出部450は、光を透過しない遮蔽部452と、この遮蔽部452と隙間Sをあけて対向配置され、光を透過可能な透光部454と、隙間Sに臨むように配置され、該隙間Sに光を照射可能な発光部460と、透光部454における遮蔽部452と反対側の面を被覆するように設けられた装飾部464とを備えている。装飾部464は、透光部454側の面が光を反射し得るよう構成されると共に、光を透過不能とされる。照明演出部450には、発光部460による光照射方向と交差する方向に凹凸するよう形成された導光部456が透光部454に設けられ、該導光部456に合わせて装飾部464に設けられた導光部開口465を介して外方に露出する導光部456が、発光部460から照射された光により発光するよう構成されている。照明演出部450は、導光部456が発光部460の光照射方向前側に対向して該発光部460から光が導光部456に直接入射される構成ではなく、発光部460から照射された光の装飾部464による反射等によって導光部456を間接的に発光するようになっている。
前記遮蔽部452は、照明演出部450と隣り合わせて配置された発光演出部410の発光源基板(基板)414、該発光源基板414を保持する基板保持部416、基板保持部416を収容保持する基板設置部としての台座部422で構成されている(図28参照)。なお、右部演出ユニット402Aの上段発光演出部410Aでは、発光源基板414と台座部422とから遮蔽部452の一部を構成している。ユニットベース404には、上下方向に並べて設置される3基の発光演出部410に対応して、遊技盤20の盤面に対して立てた姿勢でユニットベース補助体409で支持された台座部422が表示部13の外側縁部に連なるように並べて設けられている。ここで、台座部422における表示部13a側の面は、前述の如く光を反射可能に構成されると共に、台座部422に収容保持される発光源基板414および基板保持部416についても、光を反射可能に構成されている。すなわち、実施例の遮蔽部452は、照明演出部450に隣り合って設けられた発光演出部410の構成部材414,416,422を共用して構成され、透光部454に対向する面全体として光を反射可能になっている。
前記透光部454は、遮蔽部452に対して遊技盤20の盤面方向に離間して対向配置され、透光部454と遮蔽部452との間に前後方向に連通する導光空間としての隙間Sが画成されている(図29参照)。透光部454は、無色透明な板状の部材であって、遮蔽部452を構成する台座部422と同様に、遊技盤20の盤面に立てた姿勢でユニットベース404に取り付けられている。透光部454は、遮蔽部452に相対する板面が該遮蔽部452と略平行になるよう形成されており、盤面方向の延在向きが互いに異なる台座部422に対応して、隣り合う台座部422,422の間に相対する部位で屈曲されて、盤面方向の延在向きが互いに異なる3つの板面部454aが連設されている(図30または図31参照)。そして、右部演出ユニット402Aの照明演出部450では、透光部454における下から2段の板面部454aだけに導光部456が夫々設けられ、左部演出ユニット402Bの照明演出部450では、透光部454における全ての板面部454aに導光部456が夫々設けられている。また、透光部454には、板面部454a,454a同士が繋がる屈曲部分近傍に副導光部457が設けられている。透光部454は、後端部および前端部の夫々に取付保持片454bが延出形成され、後端部の取付保持片454bをユニットベース補助体409に後側から当接させてネジ止め固定すると共に、前端部の取付保持片454bを台座部422に前側から当接させてネジ止め固定するようになっている。このように、台座部422は、前後の取付保持片454b,454bによって前後から挟まれて保持されている。
前記透光部454の前縁部(パチンコ機前側の縁部)には、前後方向に連通する隙間Sの前側を塞ぐ目隠し部459が一体形成されている。目隠し部459は、光を透過可能に構成されると共に、透明細かい凹凸が並ぶ光拡散加工が施されて、発光部460から隙間Sを介して前側へ照射された光を当該光拡散加工により拡散させて目隠し部459全体が発光するようになっている。また、目隠し部459には、LED等の装飾発光体(別の発光体)470aを前面に備えた装飾発光基板470が設けられ(図27参照)、装飾発光基板470の前側に設置された枠状装飾体28の側部装飾発光部32を装飾発光体470aから照射した光によって発光演出するようになっている(図3参照)。透光部454には、外面が装飾部で覆われる部位に配線保持片458が設けられ、この配線保持片458によって装飾発光基板470に接続される装飾用配線472を保持するよう構成される(図30参照)。ベース発光基板434に接続された装飾用配線472は、遮蔽部452と透光部454との隙間Sの後側開口から該隙間Sを前後方向に通って、装飾発光基板470のソケットに接続される。配線保持片458は、透光部454の板面から突出する片部の先端を該板面に沿って延在するように屈曲させた鉤状に形成されている。透光部454には、装飾発光基板470の後面に設けられたソケットの後側に位置して、一対の配線保持片458,458が前後方向に離間して設けられて、前後方向に引き回された装飾用配線472を2ヵ所で保持している。
前記導光部456は、発光部460による光照射方向である前後方向と交差する盤面方向に凹凸する形状に形成されている(図29(b)参照)。実施例の導光部456は、対向する遮蔽部452から離間するように突出すると共に遮蔽部452側が凹む凸形状を基本として、外形円形に形成された該凸形状における突端面の外周縁に環状の突条が設けられると共に該突端面の中央部に円形の凸部が設けられている。また、導光部456は、突端面における中央凸部の周りから外周縁にかけて半径方向に延在する細かい凹凸が環状配列されており、当該凹凸によって光を拡散するようになっている。副導光部457は、対向する遮蔽部452から離間するように突出すると共に遮蔽部側が凹む凸形状であって、外形が円形に形成されている。実施例では、透光部454における中央の板面部454aの屈曲部分近傍に、複数(実施例では3ヵ所)の副導光部457が前後方向に離間して設けられている。
前記発光部460は、透光部454の後側(パチンコ機後側)に配置されて、遮蔽部452と透光部454との隙間Sを介して前側(パチンコ機前側)に光を照射するよう構成されている。発光部460は、ユニットベース補助体409に設置され、前記隙間Sに臨むように表示部13a側に延出する照明基板461と、この照明基板461の前面(隙間Sに臨む面)に複数設けられたLED等の照明発光体462とから構成されている(図29または図30参照)。発光部460では、透光部454における各板面部454aの盤面方向の延在向きに沿って、複数の照明発光体462が一列並べて配置されている(図27参照)。照明演出部450では、照明発光体462の光照射方向前側に透光部454の後端面が位置しており、照明発光体462から照射した光が透光部454の後端面から該透光部454の板面に沿って入射されるようになっている。なお、実施例では、照明発光体462の一部が、透光部454に対して前後に重なるように前記隙間Sにおいて透光部454側に偏倚させて配置されている。
前記装飾部464は、不透明な板状の部材であって、演出ユニット402の表示部13a側の面を構成している(図26参照)。装飾部464は、遮蔽部452を構成する台座部422および透光部454と同様に、遊技盤20の盤面に立てた姿勢で透光部454に取り付けられている。ここで、装飾部464は、全面に光を反射し得る鏡面加工を施すことで、光を通さないように構成されており、透光部454側の面だけでなく、外方に臨む面も光を反射可能になっている。装飾部464は、透光部454に相対する板面が該透光部454に沿うように形成されており、屈曲した透光部454に対応して屈曲形成されている。装飾部464には、各導光部456の外形に合わせて導光部開口465が開設されると共に、各副導光部457の外形に合わせて副導光部開口466が開設されている。すなわち、装飾部464には、各板面部454aの導光部456に対応する板部に円形の導光部開口465が設けられ、板面部454aの屈曲部分近傍の3つの副導光部457に対応して、前後方向に並ぶ円形の副導光部開口466が3ヵ所設けられている(図26参照)。そして、装飾部464は、透光部454に面同士で当接させて、導光部456を対応の導光部開口465に嵌め合わせると共に副導光部457を対応の副導光部開口466に嵌め合わせた状態で透光部454に固定されている。装飾部464は、透光部454の後端縁および発光部460(照明基板461)よりも後側(発光部460の光照射方向後側)へ延在するように形成され、発光部460における表示部13a側を覆っている(図29参照)。
前記照明演出部450は、発光部460の照明発光体462を点灯することで、隙間Sおよび透光部454の後端面に光が照射される。ここで、遮蔽部452および透明な透光部454を介して隙間Sに臨む装飾部464が光を反射するよう構成されているので、隙間Sに入射された光を、遮蔽部452および装飾部464で反射して導光部456または副導光部457に導かれる。また、透光部454に入射した光は、導光部456または副導光部457の凹凸で屈折または拡散等されて、該導光部456および副導光部457を発光させる。このように、照明演出部450は、発光部460を遮蔽部452と透光部454との間に設けず、遮蔽部452および透光部454の間の隙間Sに照射した発光部460の光によって透光部454に設けた導光部456を発光演出する構成であるので、遮蔽部452と透光部454との間隔を狭く設定して全体としてコンパクトにすることができる。従って、演出ユニット402の狭いスペースを用いて照明演出部450を設けることができる。また、透光部454を覆う装飾部464は、透光部454側の面が光を反射し得るよう構成されているので、前記隙間Sに照射した光を装飾部464で反射させて、導光部456を明輝させることができる。更に、照明演出部450は、遮蔽部452における透光部454側の面が光を反射し得るよう構成されているので、遮蔽部452および透光部454の間の隙間Sに照射した光を遮蔽部452で反射させて、導光部456を明輝させることができる。
前記照明演出部450は、遮蔽部452および透光部454の間の隙間Sが前後に連通するように設けられているが、隙間Sの前側が目隠し部459で覆われているので、発光部460から照射した光が直接視認されることを回避できる。そして、目隠し部459を装飾発光基板470の設置スペースとして用いることで、限られたスペースを有効利用して遊技盤20の発光演出に寄与し得る。
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。
(1)動作演出装置の第1可動部材および第2可動部材の動作は、実施例の態様に限定されず、例えば第1可動部材を水平移動したり、第2可動部材を揺動させてもよい。
(2)動作演出装置の弾性部材としてコイルばねを例に挙げたが、付勢力を与える手段としては、コイルばねに限定されず、トーションばねや板ばね等のその他のばねやゴム等の弾性体であってもよい。
(3)可動演出装置の可動体は、上下に往復移動する構成に限定されず、左右方向に往復移動する構成であってもよい。可動体の待機位置は、表示開口部の上側に限定されず、表示開口部の左右の側部や下側であってもよい。
(4)可動演出装置のガイド手段は、可動ベースに凸状部を設け、可動体に凹状部を設ける構成であってもよい。
(5)回転発光装置において、一対の第2回転灯発光体の発光制御パターンを、回転部材の回転範囲を3分割する態様や4分割する態様を例示したが、これに限定されず、2または5以上に分割して設定してもよい。
(6)照明演出部は、遮蔽部として発光演出部の構成部材を用いたが、別に遮蔽板を設けてもよい。
(7)光拡散処理としては、例えば光透過性を有する部材の表面に凹凸を形成するような表面加工や、光反射性を有する微粒子を含有する光拡散インクを種々の濃度分布で光透過性を有する部材の表面に印刷または塗布等する加工や、部材を構成する樹脂自体に光反射性を有する微粒子を分散させる例えばラメ加工や、透過する光の屈折率を変える加工等を指し、1つの加工だけであっても、複数の加工を組み合わせてもよい。なお、表面加工の具体例としては、溝加工、ダイヤモンドカット加工、シボ加工、ブラスト加工などが挙げられ、光の屈折率を変える加工としては、部材の表面に該部材と屈折率が異なる微細な凹凸を設けたシートレンズの如きものが挙げられる。
(8)発光体としてLEDを例に挙げたが、これに限定されず、電球や有機ELその他の光を照射し得るものであれば採用できる。
(9)実施例では、動作演出装置の位置検知手段として光センサを例に挙げたが、これに限定されず、マイクロスイッチ等の機械式や磁気センサあるいはその他の検知手段を採用し得る。
(10)実施例では、動作演出装置や可動演出装置の駆動源として、モータやソレノイドをを用いたが、その他の流体圧シリンダ等のアクチュエータを用いてもよい。
(11)実施例では、遊技盤の裏側に設置部材を設けるよう構成したが、該設置部材を本体枠としての中枠に設置する構成も採用できる。
(12)実施例では、遊技盤として透明樹脂板を採用したが、これに限られるものではなく、遊技盤を合成樹脂材から構成するようにしてもよい。
(13)実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。