JP2012210051A - 圧電アクチュエーター、ロボット及びロボットハンド - Google Patents

圧電アクチュエーター、ロボット及びロボットハンド Download PDF

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Abstract

【課題】振動板の振動を阻害しない支持部を備える圧電アクチュエーター。
【解決手段】圧電素子30及び短辺と長辺とを有する平面視で長方形の振動板21を積層した積層体と、振動板21の長辺から該長辺に略直交する方向に延在する支持部31と、を含む圧電アクチュエーター1であって、支持部31における長辺に沿った方向の寸法である幅と支持部31の長辺から突出する方向の寸法である長さとの比が略1:1〜略1:4の範囲内であることを特徴とする圧電アクチュエーター1。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧電アクチュエーター、ロボット及びロボットハンドに関する。
圧電アクチュエーターは、高周波の交流電圧等の駆動電圧を機械的振動に変換する圧電素子と、該圧電素子によって駆動される被駆動部と、を少なくとも有する駆動装置である。圧電モーターは、圧電アクチュエーターの一種である。圧電モーターは、上述の被駆動部としてローターを用いた駆動装置であり、圧電素子の振動を回転力として利用可能な駆動装置である。一般的に圧電素子は、圧電素子を補強し該圧電素子と共に振動する振動板と積層されて用いられる。そして圧電素子は、他の部材により振動可能に保持、すなわち固定されることが一般的である。例えば特許文献1では、圧電素子を該圧電素子に付加された支持部により支持台に固定する手法が提案されている。
特開2008−122381号公報
しかし、上述の圧電アクチュエーターは、支持部が圧電素子及び振動板の動作すなわち振動を阻害しかねないとう課題がある。支持部は振動板を固定すると共に、該振動板と共に振動もする部材である。したがって、形状あるいは材質によっては、振動板の振動を阻害して圧電アクチュエーターの性能を低下の原因となってしまうという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例の圧電アクチュエーターは、圧電素子及び短辺と長辺とを有する平面視で長方形の振動板を積層した積層体と、上記振動板の長辺から該長辺に略直交する方向に延在する支持部と、を含む圧電アクチュエーターであって、上記支持部における上記長辺に沿った方向の寸法である幅と上記支持部の上記長辺から突出する方向の寸法である長さとの比が略1:1〜略1:4の範囲内であることを特徴とする。
このような構成であれば、圧電素子の振動を効率的に駆動力に変換できる。したがって、小型化かつ軽量化されており、消費電力も低減された圧電アクチュエーターを得ることができる。
[適用例2]上述の圧電アクチュエーターであって、上記比が略1:1であることを特徴とする圧電アクチュエーター。
このような構成であれば、圧電素子の振動をより一層効率的に駆動力に変換できる。したがって、より一層小型化かつ軽量化されており、消費電力もより一層低減された圧電アクチュエーターを得ることができる。
[適用例3]上述の圧電アクチュエーターであって、上記比が略1:3〜略1:4の範囲内であることを特徴とする圧電アクチュエーター。
このような構成であれば、圧電素子の振動をより一層効率的に駆動力に変換できる。したがって、より一層小型化かつ軽量化されており、消費電力もより一層低減された圧電アクチュエーターを得ることができる。
[適用例4]上述の圧電アクチュエーターであって、上記振動板は、上記長辺の寸法が略7.0mmであり上記短辺の寸法が略2.0mmであることを特徴とする圧電アクチュエーター。
このような寸法の振動板を備える圧電アクチュエーターは、圧電素子の振動をより一層効率的に駆動力に変換できる。したがって、より一層小型化かつ軽量化されており、消費電力もより一層低減された圧電アクチュエーターを得ることができる。
[適用例5]上述の圧電アクチュエーターであって、上記振動板は、上記長辺の寸法が略21.0mmであり上記短辺の寸法が略5.6mmであることを特徴とする圧電アクチュエーター。
このような寸法の振動板を備える圧電アクチュエーターは、圧電素子の振動をより一層効率的に駆動力に変換できる。したがって、より一層小型化かつ軽量化されており、消費電力もより一層低減された圧電アクチュエーターを得ることができる。
[適用例6]上述の圧電アクチュエーターであって、上記振動板及び上記支持部はSUS301又はFe−42Ni合金からなることを特徴とする圧電アクチュエーター。
このような材料で形成された振動板を備える圧電アクチュエーターは、圧電素子の振動をより一層効率的に駆動力に変換できる。したがって、より一層小型化かつ軽量化されており、消費電力もより一層低減された圧電アクチュエーターを得ることができる。
[適用例7]上述の圧電アクチュエーターを備えたことを特徴とするロボットハンド。
このような構成であれば、ロボットハンドを、同一の作業の用いられる他のロボットハンドに比べて小型化そして軽量化することが可能となる。
[適用例8]上述のロボットハンドを備えたことを特徴とするロボット。
このような構成であれば、ロボットを、同一の作業の用いられる他のロボットに比べて小型化そして軽量化することが可能となる。そしてこのような構成のロボットであれば、同一の作業を他のロボットに比べて低い消費電力で実施できる。
第1の実施形態にかかる圧電モーターの分解斜視図。 圧電素子の第2電極の区分を突出部と共に示す平面図。 第1の実施形態の圧電モーターが備える振動体を示す平面図。 縦共振周波数と支持部長さとの関係を、固定時と非固定時の双方で求めた結果を示す図。 屈曲共振周波数と支持部長さとの関係を、固定時と非固定時の双方で求めた結果を示す図。 固定時の縦共振周波数と非固定時の縦共振周波数との差を求めた結果を示す図。 固定時の屈曲共振周波数と非固定時の屈曲共振周波数との差を求めた結果を示す図。 第1の実施形態の振動体に屈曲共振周波数の駆動電圧を印加した場合における振動を求めた結果を示す図。 第2の実施形態にかかる振動体に、屈曲共振周波数の駆動電圧を印加した場合における振動を求めた結果を示す図。 実施例1の振動体を示す図。 実施例1の振動板の厚さが略0.5mmである場合の縦共振周波数を、固定時と非固定時の双方について示す図。 実施例1の振動板の厚さが略1.0mmである場合の縦共振周波数を、固定時と非固定時の双方について示す図。 実施例1の振動板の厚さが略0.5mmである場合の屈曲共振周波数を、固定時と非固定時の双方について示す図。 実施例1の振動板の厚さが略1.0mmである場合の屈曲共振周波数を、固定時と非固定時の双方について示す図。 実施例1の振動板の厚さが略0.5mmである場合における固定時の共振周波数と非固定時の共振周波数の差を、縦共振周波数及び屈曲共振周波数の双方について示す図。 実施例1の振動板の厚さが略1.0mmである場合における固定時の共振周波数と非固定時の共振周波数の差を、縦共振周波数及び屈曲共振周波数の双方について示す図。 材質が異なる複数種の振動体において、該振動体を固定した場合の縦共振周波数と屈曲共振周波数を求めた結果を示す図。 材質が異なる複数種の振動体において、該振動体を固定しない場合の縦共振周波数と屈曲共振周波数を求めた結果を示す図。 材質が異なる複数種の振動体において、固定時の縦共振周波数と非固定時の縦共振周波数との差、及び、固定時の屈曲共振周波数と非固定時の屈曲共振周波数との差を求めた結果を示す図。 第3の実施形態にかかるロボットの概略を示す図。 第3の実施形態にかかるロボットハンドの概略を示す図。 ロボットハンドが備える第1の指の概略を示す図。 第2の実施形態にかかる振動体を示す平面図。
以下、本発明の実施形態にかかる圧電アクチュエーターについて、図面を参照しつつ述べる。なお本発明の実施の形態は、以下の各図に示す構造、形状に限定されるものではない。また、以下の各図においては、各構成要素を図面で認識可能な程度の寸法とするため、該構成要素の縮尺を実際とは異ならせてある。
(第1の実施形態)
本実施形態、及び後述する各実施形態の圧電アクチュエーターとしての圧電モーターは、振動体11の一部である支持部31の形状に特徴を有している。そこで、まず圧電モーター1の概略について説明した後、支持部31について説明する。
<圧電モーター>
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる圧電モーター1の分解斜視図である。図示するように、圧電モーター1は、基台2、被駆動部としてのローター(回転体)3、圧電素子30と振動板21の積層体を含む振動体11、振動体11を固定する付勢手段80、等から構成されている。ローター3は、基台2の一方の面に対して略垂直方向の回転軸rを有している。
図示するように、振動体11は、振動板21と該振動板の両面に配置された圧電素子30等で構成されている。圧電素子30は後述するように駆動電圧としての交流電圧の印加により振動する圧電体層40を含む部材であり、平面視で矩形である。振動板21は厚さ略0.5mmのSUS301からなる板状部材であり、圧電素子30と略同一の平面形状を有している。振動板21は、圧電素子30を補強する機能も果たしている。そして振動板21自体は振動しないが、圧電素子30と積層されているため、圧電素子30が振動すると振動板21も略同等に振動する。
振動体11は、支持部31と突出部(摺動部)25とをさらに備えている。支持部31は、振動板21の双方の長辺から突き出している部材である。支持部31は、該長辺に略直交する方向に延在する腕状の部分と該腕状の部分の先端に位置する略円形に広がった部分とを有している。そして上述の略円形の部分には、貫通孔27が形成されている。振動板21と支持部31は、上述のSUS301の板材から一体的に成型されている。一方、突出部25はアルミナからなり、振動板21の長辺方向の一方の端部に、該端部から突出するように接着されている。なお、突出部25は、支持部31と同様に振動板と一体的に形成することもできる。
振動体11は、突出部25がローター3に所定の圧力で当接するように支持部31を(正確には貫通孔27)介して、後述する付勢手段80に固定されている。駆動電圧の印加により圧電素子30が振動すると、圧電素子30に積層された部材である振動板21、及び該振動板を含む振動体11全体が振動する。そして後述するように、振動板21の端部から突出する突出部25は、楕円軌道を描くように振動する。ローター3が、かかる楕円軌道を描く振動が伝導されて所定の速度で回転することで、圧電モーター1としての機能を果たす。
ここで圧電素子30について説明する。図示するように、圧電素子30は、圧電体層40と、圧電体層40の振動板21側に設けられた第1電極50と、圧電体層40の第1電極50とは反対側に設けられた第2電極60と、を含んでいる。第1電極50は、圧電体層40の振動板21側の略全面に亘って形成されている。一方、第2電極60は、第1の溝部71及び第2の溝部72によって、互いに電気的に隔離された5つの電極(第2電極60a〜60e)に分割されている。そして第1電極50は、かかる複数に分割された第2電極60(60a〜60e)に対する共通電極として機能している。なお、第2電極60(60a〜60e)及び溝部(71,72)については後述する。
圧電体層40は、電気機械変換作用を示す圧電材料、特に圧電材料の中でも一般式ABO3で示されるペロブスカイト構造を有する金属酸化物からなる。圧電体層40としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電体材料や、これに酸化ニオブ、酸化ニッケル又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を添加したもの等が好適である。具体的には、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、ジルコニウム酸鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb,La),TiO3)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr,Ti)O3)又は、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)(Mg,Nb)O3)等を用いることができる。
図2は、圧電素子30の第2電極60の区分を突出部25と共に示す平面図である。第2電極60は、第1の溝部71により短辺方向に略三等に分割されている。そして短辺方向における両側の2つの電極は、第2の溝部72によって、さらに長辺方向に略二等に分割されている。したがって第2電極60は、第2電極60a〜60eの計5つの電極に分割されている。
第2電極60a、第2電極60e、及び第2電極60cのみに選択的に駆動電圧を印加すると、圧電素子30には、主に第2電極60cによって圧電素子30の長辺方向の略中心を中心に伸縮する縦一次振動が励振される。また、主に第2電極60aと第2電極60eによって、圧電素子30の面内で縦一次振動と直交する方向、つまり圧電素子30の短軸方向に沿って屈曲する屈曲二次振動が励振される。
上記双方の振動の程度、すなわち圧電素子30の振幅は、駆動電圧の周波数によって変動する。振幅の逆数を振動体11のインピーダンスとした場合、駆動周波数に対してインピーダンスが極小となる周波数、すなわち振幅がピークとなる周波数が、上記双方の振動毎に現れる。かかる周波数が共振周波数(共振点)である。縦一次振動がピークとなる周波数が縦共振周波数(fr1)であり、屈曲二次振動がピークとなる周波数が屈曲共振周波数(fr2)である。そして、縦共振周波数の方が屈曲共振周波数よりも低い値(周波数)となる。双方の共振周波数の略中間の周波数で圧電アクチュエーターを駆動することで、圧電素子30に縦一次振動と屈曲二次振動の双方を励振させることができる。
そして、かかる縦一次振動と屈曲二次振動とを組み合せることで、圧電素子30に、図2における二点鎖線で示されるように伸縮しながら屈曲する振動を励振させることができる。その結果、突出部25は、かかる2つの振動を組み合わせた楕円軌道Rを描いて振動する。
突出部25を反対方向に回転させる場合には、圧電素子30において駆動電圧を印加する第2電極60を、振動体11の長辺方向に沿った中心線を軸として線対称に切り替えればよい。すなわち、複数に分割された第2電極60のうち、第2電極60b、第2電極60d及び第2電極60cのみに選択的に駆動電圧を印加することにより得られる縦一次振動と、第2電極60bと第2電極60dによって得られる屈曲二次振動とを組み合せることで、図示する回転(振動)方向(右回り方向)とは反対の方向に回転する楕円振動を得ることができる。
ここで図1に戻り、付勢手段80について説明する。付勢手段80は、振動体11を保持する保持部材81と、保持部材81に一端が固定されたコイルばね等のばね部材82と、ばね部材82の他端に当接すると共に基台2に固定された支持ピン83と、を少なくとも備えている。
保持部材81は、振動体11の支持部31が固定される一対の固定部84と、固定部84の間に一体的に設けられて基台2に対してスライド移動可能に支持されるスライド部85とを備えている。固定部84には、支持部31の貫通孔27に対応して、ねじ部材86が螺合される雌ねじ部87が形成されている。この雌ねじ部87に支持部31の後述する貫通孔27を挿通したねじ部材86を螺合させることで、振動体11は保持部材81に対して固定される。
スライド部85には、厚さ方向に貫通し、且つスライド方向に延設された長孔である2つのスライド孔88が設けられている。そして、各スライド孔88に挿通されて基台2に固定されたスライドピン89によって、スライド部85は基台2に対してスライド移動可能に支持されている。
ばね部材82は、スライド部85のスライド方向に沿って配置されたコイルばねである。ばね部材82は、固定部84に一端が固定されると共に、基台2に固定された支持ピン83の側面に他端が当接するように配置されている。ばね部材82は、振動体11が備える突出部25をローター3に向かって付勢、すなわち押圧する。かかる状態で圧電素子30に楕円軌道を描く振動を発生させることで、ローター3を回転駆動することができる。上述したように、圧電素子30は任意の方向の楕円振動を発生させることができる。したがって、本実施形態の圧電モーター1は、右回り(正転)と左回り(逆転)とのどちらの方向にも回転可能である。
上述したように、圧電素子30は駆動電圧の印加により振動する。そして、圧電素子30と積層されている振動板21、及び圧電素子30と振動板21の積層体を含む振動体11も同様に振動する。すなわち、圧電素子30及び該圧電素子を構成要素とする圧電モーター1は、電気エネルギーを運動エネルギーに変換している。
振動体11は支持部31を介して保持部材81の固定部84に固定されている。圧電素子30と振動板21の積層体は、支持部31により保持部材81に固定された状態で振動する。支持部31は、上述の振動をできる限り妨げず、かつ振動体11を保持部材81(の固定部84)に対して固定する機能を果たしている。したがって、支持部31の態様は、電気エネルギーを運動エネルギーに変換する効率であるエネルギー変換効率に大きく影響する。
本実施形態の圧電モーター1は、支持部31の形状(平面形状)を工夫することで、上述のエネルギー変換効率を向上させている。以下、本実施形態の圧電モーター1が備える支持部31について説明する。
<支持部>
図3は、本実施形態の圧電モーター1が備える振動体11を示す平面図である。なお、本図では、圧電素子30の図示を省略している。振動板21及び支持部31は、好適例として厚さ略0.5mmのSUS301を成型して一体的に形成されている。振動板21の寸法は、長辺aが略7.0mm、短辺bが略2.0mmである。
支持部31は、振動板21の長辺方向における略中央から突き出るように形成されている。そして支持部31は、上述したように腕状の部分とその端部の円形の部分とを有している。そして該円形の部分には貫通孔27が形成されている。
ここで、支持部31の腕状の部分における、振動板21の長辺に沿った方向の寸法である幅を、支持部幅Bと定義する。そして、支持部31の腕状の部分における、振動板21の長辺から突出する方向の寸法である長さ、すなわち支持部31の延在する方向の寸法を、支持部長さLと定義する。
好適例における本実施形態の支持部31は、支持部幅Bが略0.6mmであり支持部長さLが略2.0mmである。したがって、支持部幅Bと支持部長さLの比が、略1:3.3である。本実施形態の支持部31は、支持部幅Bと支持部長さLとの比をかかる値とすることで、振動体11を、該振動体の振動を大きく妨げることなく、付勢手段80に固定することを可能としている。すなわち本実施形態の圧電モーター1は、支持部31を上述の形状とすることで、高いエネルギー変換効率を得ている。以下の記載において、支持部幅Bと支持部長さLとの比が、振動体11の振動に及ぼす影響について説明する。
図4〜図7は、本実施形態の振動体11、及び振動体11と類似する形態であって、支持部幅Bは0.6mmであり支持部長さLの寸法のみを変化させた複数の振動体の共振周波数等を、該振動体を固定した場合と固定しない場合に分けてシミュレーションした結果を示す図である。
なお、振動体11を振動させるためには、支持部31を介して固定する必要がある。しかし、支持部31の形状を好適なものとするためには、支持部31の形状が振動に及ぼす影響を確認する必要がある。そこで上記図4〜図7では、振動体11を固定した場合と振動体11を固定しない場合、言い換えると振動に影響を及ぼさない理想的な支持部31を介して固定して振動させた場合の双方を、シミュレーションで求めている。
図4は、縦共振周波数fr1と支持部長さLとの関係を、振動体11の支持部31を固定部84に固定した場合、すなわち振動体11の固定時と、振動体11の非固定時、すなわち振動体11が固定されずに言わば宙に浮いた状態、の双方で求めた結果を示す図である。図示するように、支持部長さLが0.4mm〜2.4mmの範囲、すなわち支持部幅Bと支持部長さLの比が略1:0.66〜略1:4.0の範囲において、固定時の縦共振周波数fr1と非固定時の縦共振周波数fr1は、大きくは乖離していない。すなわち、かかる範囲の支持部31を用いた場合、振動体11を固定部84に固定した場合であっても、非固定時と略同等の縦一次振動が得られると推定される。
図5は、屈曲共振周波数fr2と支持部長さLとの関係を、固定時と、非固定時の双方で求めた結果を示す図である。図示するように、支持部長さLが1.5mm〜3.0mmの範囲、すなわち支持部幅Bと支持部長さLの比が略1:2.5〜略1:5.0の範囲において、固定時の屈曲共振周波数fr2と非固定時の屈曲共振周波数fr2は、大きくは乖離していない。
しかし、支持部長さLが略1.1mmの近辺、すなわち上述のBとLの比が略1:1.8の近辺では、双方の屈曲共振周波数fr2は極端に大きく乖離している。また、支持部長さLが0.1mm〜0.6mmの範囲、すなわち上述のBとLの比が略1:0.17〜略1:1.7の範囲においても、双方の屈曲共振周波数fr2は略13kHz、すなわち略4.5%乖離している。
図6は、固定時の縦共振周波数fr1と非固定時の縦共振周波数fr1との差を求めた結果を示す図である。図示するように、支持部長さLが0.4mm〜2.4mmの範囲、すなわちBとLの比が略1:0.66〜略1:4の範囲において、双方の縦共振周波数fr1の差は略1kHz以内に収まっている。
図7は、固定時の屈曲共振周波数fr2と非固定時の屈曲共振周波数fr2との差を求めた結果を示す図である。支持部長さLが1.8mm〜3.0mmの範囲、すなわちBとLの比が略1:3〜略1:5の範囲において、上述の差は略2kHz以内に収まっている。
以上述べたように、支持部幅Bが略0.6mmの支持部31を備える振動体11について、固定時と非固定時の双方における縦共振周波数fr1をシミュレーションで求めた結果、支持部長さLが0.4mm〜2.4mmの範囲において、双方の縦共振周波数fr1の差が少ないことが判る。
同様に、上述の振動体11について、固定時と非固定時の双方における屈曲共振周波数fr2をシミュレーションで求めた結果、支持部長さLが1.8mm〜3.0mmの範囲において、双方の屈曲共振周波数fr2の差が少ないことが判る。
したがって、支持部長さLが1.8mm〜2.4mmの場合、すなわちBとLの比が略1:3.3〜略1:4の範囲において、振動体11の固定時と非固定時における共振周波数の差が、縦共振周波数fr1と屈曲共振周波数fr2の双方とも少ないことが判明する。
固定時の共振周波数と非固定時の共振周波数との差が少ないということは、振動体11が固定されることが振動体11の振動に及ぼす影響が少ないものと推定される。すなわち、振動体11が、支持部長さLが上記の範囲の支持部31で保持部材81(の固定部84)に固定された場合は、エネルギー変換効率の低下が少ないものと推定される。
上述したように、本実施形態の振動体11が備える支持部31における上述の比は略1:3.3であり、上述の略1:3〜略1:4の範囲内に収まっている。したがって、本実施形態の圧電モーター1は、振動体11が支持部31を介して保持部材81に固定されているにもかかわらず、圧電素子30に印加される電気エネルギーを高い変換効率でローター3の回転運動に変換できる。
図8は、本実施形態の圧電モーター1における振動体11に屈曲共振周波数fr2の駆動電圧を印加した場合における振動(変形)を、シミュレーションにより求めた結果を示す図である。図8(a)は振動体11が固定されている場合の振動を示す図であり、図8(b)は振動体11が固定されていない場合の振動を示す図である。なお、振動体11が固定されるとは、上述したように、振動体11の支持部31がねじ部材86により保持部材81に対して固定されるということである。すなわち、振動体11が固定されるということは、支持部31が固定されるということである。
図8に示すように、本実施形態の圧電モーター1が備える振動体11、すなわち支持部幅Bと支持部長さLの比が略1:3.3である支持部31を備える振動体は、固定されたときの振動と固定されていないときの振動との差が非常に少ない。これは、支持部31のBとLの比が略1:3.3の場合、支持部31、及び振動板21における該支持部に連なる部分が振動の節となるためであると考えられる。
長尺状の部材が屈曲振動する場合、一般的に「腹」と「節」が出現する。「腹」は振幅が極大となる部分であり、「節」は腹と腹の中間に位置する振幅が極小となる部分である。節の部分は、非固定時も振動しない。したがって、振動板21の支持部31に連なる部分が振動の節となる場合、固定時の振動と非固定時の振動とにあまり差が生じないこととなる。そして、固定時の振動と非固定時の振動との差が少ないということは、振動体11が固定されている場合であっても、非固定時に類似する振動、すなわち略理想的な振動が得られているということである。
<本実施形態の効果>
以上述べたように、本実施形態にかかる圧電モーター1、すなわち上述の支持部31を備える圧電モーター1は、振動体11を固定しているにもかかわらず、略理想的な振動が得られている。したがって、圧電素子30に印加される電気エネルギーを効率的にローター3の回転に変換できる。すなわち、高いエネルギー変換効率を有しており、省エネルギー化を実現できている。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の圧電モーターについて説明する。本実施形態の圧電モーターは、第1の実施形態の圧電モーター1と略同一の構成を有しており、支持部31の支持部幅Bと支持部長さLの比のみが異なっている。そこで、本実施形態においては圧電モーターの図示及び説明の記載は省略して、振動体等についてのみ説明する。なお、以下の記載において、「本(第2の)実施形態の圧電モーターが備える振動体12」を「本(第2の)実施形態の振動体12」と称する。他の構成要素についても同様とする。
図23は、本実施形態の振動体12を示す図である。振動体12は、振動板22と支持部32と突出部25と貫通孔27を含んでいる。なお、上記図3と同様に、圧電素子30の図示は省略している。本実施形態の振動板22は、上述の第1の実施形態の振動板21と略同一である。すなわち厚さ略0.5mmのSUS301材で形成され、長辺aが略7.0mm、短辺bが略2.0mmの矩形である。そして本実施形態の支持部32は、第1の実施形態の支持部31と支持部長さLのみが異なっている。すなわち本実施形態の支持部32は、支持部幅Bが略0.6mmで支持部長さLが略0.6mmである。したがって、支持部幅Bと支持部長さLの比が略1:1である。
上述したように、そして図4及び図6に示すように、固定時の縦共振周波数fr1と非固定時の縦共振周波数fr1は、支持部幅Bと支持部長さLの比が略1:0.66〜略1:4.0の範囲において大きくは乖離していない。すなわち、上記の比が略1:1の場合においても、縦共振周波数fr1については、固定時と非固定時の差が少ない。
また、図5及び図7に示すように支持部長さLが略0.6mmの場合、固定時の屈曲共振周波数fr2と非固定時の屈曲共振周波数fr2の差は略13kHz、比率にして略4.5%であり、極端に大きな差は無い。そして、支持部長さLが1.1mmの近辺の場合のような(屈曲共振周波数の)急激な変化も見られない。
このように、本実施形態の支持部32を用いた場合、上記第1の実施形態の支持部31を用いた場合と同様に、縦共振周波数fr1と屈曲共振周波数fr2の双方は、振動体12の固定時と非固定時とであまり大きくは変動しない。したがって、本実施形態の振動体12は、支持部32で保持部材81の固定部84(図1参照)に固定された場合であっても、エネルギー変換効率の低下が少ないものと推定される。
図9は、第1の実施形態における図8に相当する図である。すなわち図9は、振動体12に屈曲共振周波数fr2の駆動電圧を印加した場合における振動を、シミュレーションにより求めた結果を示す図である。図9(a)は、振動体12が固定されている場合の振動を示す図である。図9(b)は、振動体12が固定されていない場合の振動を示す図である。
図示するように、本実施形態の振動体12、すなわち支持部幅Bと支持部長さLの比が略1:1である支持部32を備える振動体12は、固定されたときの振動と固定されていないときの振動との差が少ない。これは、第1の実施形態の振動体11と同様に、支持部32、及び振動板22における該支持部に連なる部分が、振動の節となるためであると考えられる。したがって、本実施形態の支持部32を備える振動体12は、固定されている場合であっても、非固定時の振動に類似する振動、すなわち略理想的な振動を得ることができる。
<本実施形態の効果>
以上述べたように、本実施形態にかかる支持部32を備える圧電モーターは、振動体12を固定しているにもかかわらず、略理想的な振動が得られる。したがって、圧電素子30に印加される電気エネルギーを効率的にローター3の回転に変換でき、省エネルギー化を実現できる。
また、本実施形態の振動体12は、第1の実施形態の振動体11に比べて支持部長さLが短い。したがって、本実施形態の振動体12を用いた場合、圧電モーターを小型化できるという利点がある。本実施形態の振動板22は、第1の実施形態の振動板21と同一の大きさである。したがって、該振動板に積層される圧電素子30の大きさも変わらない。したがって、本実施形態の振動体12が発揮する駆動力は、第1の実施形態の振動体11が発揮する駆動力と殆んど変わらない。すなわち、実施形態の振動体12を備える圧電モーターは、駆動力に対する外形寸法を相対的に縮小できる。そのため、本実施形態の振動体12を用いることで、省エネルギー化され、かつ小型化された圧電モーターを実現できる。
次に、振動体等の寸法及び該振動体が備える振動板の厚さ等が変動した場合について、実施例として説明する。
(実施例1)
まず、実施例1として、振動体及び振動体を構成する各要素の寸法を、上記の各実施形態における該寸法に比べて拡大させた場合の共振周波数等を示す。図10は、実施例1の振動体13を示す図である。振動体13は、振動板23、支持部33(33a,33b)、突出部25を含んでいる。なお上記の図3及び図23と同様に圧電素子30の図示は省略する。
図10(a)は、振動板23と該振動板と一体的に形成される支持部33aを含む振動体13を示す図である。図10(b)は、振動板23と該振動板と一体的に形成される支持部33bを含む振動体13を示す図である。振動板23は、長辺aの寸法が略21mm、短辺bの寸法が略5.6mmの平面視で矩形の板状部材である。したがって、長辺aと短辺bの(寸法の)比は、上述の第1の実施形態及び第2の実施形態の振動板(21,22)における比と類似している。
振動板23の材質はSUS301材であり、厚さは略0.5mm又は略1.0mmである。したがって、振動板23と一体的に形成される支持部33(a,b)の厚さも略0.5mm又は略1.0mmの2種類が存在する。
支持部33aと支持部33bとは、支持部幅Bと支持部長さLの比が異なっている。支持部33aは、支持部幅Bが略2.0mmで支持部長さLが略2.0mmである。したがって、支持部幅Bと支持部長さLの比は略1:1である。支持部33bは、支持部幅Bが略2.0mmで支持部長さLが略7.0mmである。したがって、支持部幅Bと支持部長さLの比は略1:3.5であり略1:3〜略1:4の範囲内に含まれている。
図11〜図16は、実施例1の振動板23に、支持部幅Bが略2.0mmであり支持部長さLが略0.4〜略8.0mmである各種の支持部を組み合せた場合の共振周波数等を、振動体13の固定時と非固定時の双方について示す図である。すなわち、振動板23に本実施例の支持部33(a,b)を含む、各種の支持部を組み合せた場合の、共振周波数等を示す図である。
図11は、振動板23の厚さが略0.5mmである場合の縦共振周波数を、固定時と非固定時の双方について示す図である。図12は、振動板23の厚さが略1.0mmである場合の縦共振周波数を、固定時と非固定時の双方について示す図である。図13は、振動板23の厚さが略0.5mmである場合の屈曲共振周波数を、固定時と非固定時の双方について示す図である。図14は、振動板23の厚さが略1.0mmである場合の屈曲共振周波数を、固定時と非固定時の双方について示す図である。図15は、振動板23の厚さが略0.5mmである場合における固定時の共振周波数と非固定時の共振周波数の差を、縦共振周波数及び屈曲共振周波数の双方について示す図である。図16は、振動板23の厚さが略1.0mmである場合における固定時の共振周波数と非固定時の共振周波数の差を、縦共振周波数及び屈曲共振周波数の双方について示す図である。
上述したように、実施例1の振動板23及び支持部33(a,b)は、平面視で第1の実施形態の振動板21及び支持部31の略3倍の寸法を有している。かかる場合において、図11〜図16に示すように、共振周波数等は第1の実施形態における共振周波数等と類似する傾向を示している。特に屈曲共振周波数については顕著に類似している。すなわち、支持部幅Bと支持部長さLの比が略1:1である場合、あるいは略1:3〜略1:4の範囲内に含まれる場合、固定時と非固定時の共振周波数の差は低下している。したがって、支持部幅Bと支持部長さLの比が上述の値(あるいは範囲)である限り、振動板及び支持体の寸法(大きさ)が変動した場合であっても、駆動電圧をローター3の回転に変換する変換効率を向上できる。
また、図11と図13と図15の3図と、図12と図14と図16の3図と、を比較すると判るように、振動板23及び支持部(33a,33b)の厚さは、固定時の共振周波数と非固定時の共振周波数の差等にあまり影響しない。すなわち、支持部幅Bと支持部長さLの比が略1:1である場合、あるいは略1:3〜略1:4の範囲内に含まれる場合、振動板23等の厚さにかかわらず上述のエネルギー変換効率の向上効果を得ることができる。したがって、必要とされる駆動力の増加に合せて振動板等の厚さを増加させることも容易になる。
以上述べたように、上記の6図に示す実施例1の結果、及び第1〜第2の実施形態の結果を利用することで、支持部の形状等の設定が容易となり、圧電モーターの支持部の製造条件を簡便化できる。すなわち、必要とされる駆動力等にかかわらず、エネルギー変換効率の高い圧電モーター、すなわち省エネルギー化された圧電モーターを実現することが可能となる。
(実施例2)
次に、実施例2として、振動板及び支持部の材質を変更した場合について説明する。本実施例2の振動板及び支持部は、上述の実施例1の振動板23及び支持部33の類似するものである。すなわち、長辺aが略21mm、短辺bが略5.6mmで、支持部幅Bが略2.0mmである。振動板及び支持部の厚さは略0.5mmの一種類である。実施例1との違いは、振動板及び支持部の形成材料である。実施例2の振動板及び支持部は、異方性のSUS301、異方性の42Ni(ニッケル略42%、鉄略56%の合金)、等方性の42Ni、の計3種類の材料が用いられている。そこで、振動板23及び支持部33の形状を示す図は省略し、共振周波数等を示す図のみを用いて説明する。また、符号の付与も省略する。
図17〜図19は、上述の各材料を用いて形成された振動板及び支持部を用いた場合の共振周波数等を、シミュレーションにより求めた結果を示す図である。
図17(a)〜17(c)は、固定時、すなわち振動体を固定した場合の縦共振周波数と屈曲共振周波数を、支持部長さLを略0.4mm〜略8.0mmの間で変化させて求めた結果を示す図である。図17(a)は、振動板の材質として異方性SUS301を用いた場合の結果を示す図である。図17(b)は、振動板の材質として異方性42Niを用いた場合の結果を示す図である。図17(c)は、振動板の材質として等方性42Niを用いた場合の結果を示す図である。
縦共振周波数と屈曲共振周波数とが逆転する時点の支持部長さLは、異方性材料(異方性SUS301及び異方性42Ni)では略4.5mmであり、等方性材料(等方性42Ni)では略5.5mmである。すなわち、材料により若干の差はあるものの、全体としては略類似する傾向を有しており、異方性材料と等方性材料の差、及びSUS301と42Niの差は、支持部幅Bと支持部長さLの比に比べて共振周波数に大きくは影響しないと言える。
図18(a)〜18(c)は、非固定時、すなわち振動体を固定しない場合の縦共振周波数と屈曲共振周波数を、支持部長さLを略0.4mm〜略8.0mmの間で変化させて求めた結果を示す図である。図18(a)は、振動板の材質として異方性SUS301を用いた場合の結果を示す図である。図18(b)は、振動板の材質として異方性42Niを用いた場合の結果を示す図である。図18(c)は、振動板の材質として等方性42Niを用いた場合の結果を示す図である。
縦共振周波数と屈曲共振周波数とが逆転する時点の支持部長さLは、異方性材料(異方性SUS301及び異方性42Ni)では略5.7mmであり、等方性材料(等方性42Ni)では略6.5mmである。材料により若干の差はあるものの、全体としては類似する傾向を有している。したがって、固定時と同様に、異方性材料と等方性材料の差は、及びSUS301と42Niの差は、支持部幅Bと支持部長さLの比に比べて共振周波数に大きくは影響しないと言える。
図19(a)〜19(c)は、(振動体の)固定時の縦共振周波数と非固定時の縦共振周波数との差、及び、固定時の屈曲共振周波数と非固定時の屈曲共振周波数との差を、支持部長さLを略0.4mm〜略8.0mmの間で変動させて求めた結果を示す図である。図19(a)は、振動板の材質として異方性SUS301を用いた場合の結果を示す図である。図19(b)は、振動板の材質として異方性42Niを用いた場合の結果を示す図である。図19(c)は、振動板の材質として等方性42Niを用いた場合の結果を示す図である。
図示するように、縦共振周波数と屈曲共振周波数とでは、支持部長さLの変動の影響が大きく異なっている。上記3種類の材料における縦共振周波数の固定時と非固定時との差は、支持部長さLが略0.4mm〜略8.0mmまで変動する間で、略2kHz以内に収まっている。一方、上記3種類の材料における屈曲共振周波数の固定時と非固定時との差は、支持部長さLが4.0mm以上の範囲であれば略2kHz以内に収まっているが、2.0mm〜4.0mmの範囲では大きく変動している。そして、0.4mm〜2.0mmの範囲でも最大で10kHz近く変動している。
しかし、縦共振周波数と屈曲共振周波数の双方共に、材料の差は少ない。上記3種類の材料で、類似した結果を示している。したがって、固定時の共振周波数と非固定時の共振周波数という観点からも、異方性材料と等方性材料の差は、及びSUS301と42Niの差は、支持部幅Bと支持部長さLの比に比べて共振周波数に大きくは影響しないと言える。
以上、図17〜図19を用いて説明したように、材料の差は、支持部幅(B)と支持部長さ(L)に比に比べると、振動体の共振周波数に与える影響は少ない。したがって、第1の実施形態の振動体11における上述の比(略1:3〜略1:4)、あるいは第2の実施形態の振動体12における上述の比(1:1)を保つ限り、振動板及び該振動板と一体的に形成される支持部の形成材料は、圧電モーターの使用条件に合せて広い範囲から選択することができる。したがって、使用環境を含めた広い条件下で使用される圧電モーターにおいて、エネルギー変換効率の高い圧電モーター、すなわち省エネルギー化された圧電モーターを実現することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態として、第1の実施形態にかかる圧電モーター1、あるいは第2の実施形態等に記載した振動体、振動板、及び支持部を備える圧電モーターのいずれかと同様の構成の圧電モーターを備えたロボットハンド、及び該ロボットハンドを備えたロボットについて、図20〜図22を用いて説明する。
図20は、ロボットハンド(201,202)を備えた、本発明の第3の実施形態にかかるロボット200の概略を示す図である。ロボット200は第1のアーム240と第2のアーム250を備えており、夫々のアーム(240,250)の先端には、第1のロボットハンド201と第2のロボットハンド202が配置されている。第1のロボットハンド201と第2のロボットハンド202とは、互いに略同一の構成を有している。そこで、以降、第1のロボットハンド201(以下、単に「ロボットハンド201」と称する。)についてのみ説明する。
図21は、本発明の第3の実施形態にかかるロボットハンド201の概略を示す図である。図21(a)、図21(b)に示すように、ロボットハンド201は、手のひら225と、第1の指210と第2の指220を備えている。第1の指210は第1のリンク211と第2のリンク212で構成され、第2の指220は第1のリンク221と第2のリンク222で構成されている。そしてロボットハンド201は、把持するワークの大小により使用するリンク変更可能である。
図21(a)は、ロボットハンド201が大型ワーク233を把持している状態を示している。大型ワーク233は、第1の指210の第1のリンク211と、第2の指220の第1のリンク221と、で把持されている。そして、第1の指210の第2のリンク212は第1のリンク211の中に格納され、第2の指220の第2のリンク222は第1のリンク221の中に格納されている。
図21(b)は、ロボットハンド201が小型ワーク234を把持している状態を示している。小型ワーク234は、第1の指210の第2のリンク212と第2の指220の第2のリンク222とで把持されている。
このように、ロボットハンド201は把持するワークにより使用するリンクを変更することで、夫々のワーク(233,234)を好適に把持できる。そしてロボットハンド201は、ワークの把持及び第2のリンク(212,222)の格納等のために複数の駆動機構としての圧電モーターを備えている。
図22(a)〜(d)は、ロボットハンド201が備える第1の指210の概略を示す図である。なお、第2の指220も同一の構成を有している。図22(a)は、第2のリンク212が、第1のリンク211に形成された溝226(図22(d)参照)内に格納された状態を示している。図22(b)は、第2のリンク212が第1のリンク211から取り出される途中の状態を示している。図22(c)は、第2のリンク212が第1のリンク211から取り出された状態を示している。
かかる動作は第2の関節(回転軸)215を中心に行われる。そして第1のリンク211の開閉動作は第1の関節(回転軸)213を中心に行われる。そして各関節(213,215)には、駆動用のアクチュエーターとして、上述の第1の実施形態にかかる圧電モーター1と同様の構成を有する第2の圧電モーター214及び第3の圧電モーター216が配置されている。
上述したように、第2のリンク212は、小型ワーク234を把持するリンクである。したがって第3の圧電モーター216には、第2の圧電モーター214に比べて小型かつ低駆動力の圧電モーターを用いることができる。
このようにロボットハンド201は、把持動作を行うためのアクチュエーターとして、第1の実施形態の圧電モーター1に類似する構成の圧電モーター(214,216)を用いている。上述したように、第1の実施形態の圧電モーター1は、エネルギー変換効率が向上しているため、同一の作業の実施に要する電力を節減できる。また、エネルギー変換効率が高いということは、同一のトルク等を発揮する圧電モーターを小型化できるということである。したがって、本実施形態のロボットハンド201、及び該ロボットハンドを備えるロボット200は、小型化、軽量化され、かつ低コスト化されている。そしてロボット200は、同一の作業を、他のロボットに比べて低電力すなわち低コストで実施できる。
なお、ロボットハンド(201,202)のみではなく、第1のアーム240及び第2のアーム250を駆動するためのアクチュエーターとしても、第1の実施形態にかかる圧電モーター1と同様の構成を有する圧電モーターを用いることができる。
また、圧電モーターを上述のようにロボットハンドの把持動作を行うためのアクチュエーターとして用いる場合、歯車等の増減速手段を介して用いることが好ましい。一般に、圧電モーターの回転数はかなり速いため、リンク(第1のリンク211等)の動きに合せて、回転数の減速を要する場合もあり得る。また一方では、回転数の増速を要する場合もあり得る。かかる場合において、圧電モーターを歯車等の増減速手段を介して用いることで、多様な動作を行うロボットハンドのアクチュエーターとして、圧電モーターを好適に利用できる。
本発明の実施の形態は、上述の各実施形態以外にも、様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例)
上述の第3の実施形態では、上述の第1の実施形態等にかかる圧電モーター(1等)を用いる機器として、ロボットハンド201及び該ロボットハンドを用いるロボット200について述べた。しかし、上述の圧電モーター(1等)を用いる機器は、ロボット200に限定される物ではない。時計のカレンダー送り装置、ICハンドラー、印刷装置、投薬ポンプ等の各種の機器におけるアクチュエーターとして用いることができる。
1…圧電アクチュエーターとしての圧電モーター、2…基台、3…被駆動部としてのローター、11…第1の実施形態の振動体、12…第2の実施形態の振動体、13…実施例1の振動体、21…第1の実施形態の振動板、22…第2の実施形態の振動板、23…実施例1の振動板、25…突出部、27…貫通孔、30…圧電素子、31…第1の実施形態の支持部、32…第2の実施形態の支持部、33…実施例1の支持部、40…圧電体層、50…第1電極、60…第2電極、71…第1の溝部、72…第2の溝部、80…付勢手段、81…保持部材、82…ばね部材、83…支持ピン、84…固定部、85…スライド部、86…ねじ部材、87…雌ねじ部、88…スライド孔、89…スライドピン、200…ロボット、201…第1のロボットハンド、202…第2のロボットハンド、210…第1の指、211…第1のリンク、212…第2のリンク、213…第1の関節、214…第2の圧電モーター、215…第2の関節、216…第3の圧電モーター、220…第2の指、221…第1のリンク、222…第2のリンク、225…手のひら、226…溝、233…大型ワーク、234…小型ワーク、240…第1のアーム、250…第2のアーム。

Claims (8)

  1. 圧電素子及び短辺と長辺とを有する平面視で長方形の振動板を積層した積層体と、前記振動板の長辺から該長辺に略直交する方向に延在する支持部と、を含む圧電アクチュエーターであって、
    前記支持部における前記長辺に沿った方向の寸法である幅と前記支持部の前記長辺から突出する方向の寸法である長さとの比が略1:1〜略1:4の範囲内であることを特徴とする圧電アクチュエーター。
  2. 請求項1に記載の圧電アクチュエーターであって、前記比が略1:1であることを特徴とする圧電アクチュエーター。
  3. 請求項1に記載の圧電アクチュエーターであって、前記比が略1:3〜略1:4の範囲内であることを特徴とする圧電アクチュエーター。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電アクチュエーターであって、
    前記振動板は、前記長辺の寸法が略7.0mmであり前記短辺の寸法が略2.0mmであることを特徴とする圧電アクチュエーター。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電アクチュエーターであって、
    前記振動板は、前記長辺の寸法が略21.0mmであり前記短辺の寸法が略5.6mmであることを特徴とする圧電アクチュエーター。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧電アクチュエーターであって、
    前記振動板及び前記支持部はSUS301又はFe−42Ni合金からなることを特徴とする圧電アクチュエーター。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧電アクチュエーターを備えたことを特徴とするロボットハンド。
  8. 請求項7に記載のロボットハンドを備えたことを特徴とするロボット。
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