JP2012209881A - 信号処理装置、係数設定方法、及び伝送信号の補正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝送路における伝送信号の歪みを補償すること。
【解決手段】所定の伝送路が有する周波数特性の逆特性に基づいて算出されたインパルス応答をタップ係数に設定したデジタル補正フィルタと、伝送信号を前記デジタル補正フィルタに入力し、前記デジタル補正フィルタの出力値に基づいて前記伝送信号の振幅レベルを補正する信号補正部と、を備える、信号処理装置が提供される。
【選択図】図6
【解決手段】所定の伝送路が有する周波数特性の逆特性に基づいて算出されたインパルス応答をタップ係数に設定したデジタル補正フィルタと、伝送信号を前記デジタル補正フィルタに入力し、前記デジタル補正フィルタの出力値に基づいて前記伝送信号の振幅レベルを補正する信号補正部と、を備える、信号処理装置が提供される。
【選択図】図6
Description
本技術は、信号処理装置、係数設定方法、及び伝送信号の補正方法に関する。
携帯機器の小型化が進んでいる。また、操作性やデザイン性を向上させるため、筐体の一部を折り畳めるようにした携帯機器が存在する。このような折り畳み構造は、例えば、携帯電話、携帯情報端末、電子辞書、携帯ゲーム機、携帯映像プレーヤ、ノート型パーソナルコンピュータ、撮像装置などで採用されている。こうした携帯機器は、例えば、表示装置などが搭載されたモジュールと、演算処理装置や記憶装置などが搭載されたモジュールとで構成されている。さらに、両モジュールは回動可能なヒンジで接続されている。
また、ヒンジの内部には、モジュール間でデータを伝送するための信号ケーブルが配線されている。さらに、ヒンジの内部には、一方のモジュールから他方のモジュールへと電源を供給するための電源ケーブルが配線されている。ヒンジを回動させるとヒンジの内部に配線された信号ケーブルや電源ケーブルにストレスがかかる。また、ケーブルの本数が多いと、ヒンジを回動させた場合にケーブルが損傷してしまう危険性が高まる。
こうした理由から、ヒンジの内部に配線されるケーブルの本数を少なくすることが好ましい。ケーブルの本数を少なくする工夫としては、例えば、データの伝送方式をシリアル伝送方式にすることが考えられる。また、データを伝送するための伝送信号を電源に重畳し、電源ケーブルを利用してデータを伝送する方法が考えられる。こうした工夫をすることにより、ヒンジの内部に配線されるケーブルの本数を1〜数本程度まで低減させることができる。また、下記の特許文献1に記載の符号化方式を適用すると、携帯機器の小型化及び省電力化に寄与する。
上記のように、携帯機器の内部におけるデータ伝送の仕組み(以下、機器内データ伝送システム)については様々な研究が行われてきた。その中でも、上記の特許文献1に記載の技術は、ヒンジの内部に配線されるケーブルの本数を最小限にし、ケーブルの信頼性を高め、ヒンジの回動範囲を広げ、その上で携帯機器の小型化及び省電力化に寄与する優れた技術である。しかしながら、上記の特許文献1の中では、伝送路における伝送信号の歪みに起因して生じる伝送品質の劣化について言及していない。そこで、本件発明者は、機器内データ伝送システムにおける伝送品質をより高める工夫について検討を行った。
本技術は、上記のような事情を受けて考案されたものであり、伝送路における伝送信号の歪みを補償することが可能な、新規かつ改良された信号処理装置、係数設定方法、及び伝送信号の補正方法を提供することを意図している。
本技術のある観点によれば、所定の伝送路が有する周波数特性の逆特性に基づいて算出されたインパルス応答をタップ係数に設定したデジタル補正フィルタと、伝送信号を前記デジタル補正フィルタに入力し、前記デジタル補正フィルタの出力値に基づいて前記伝送信号の振幅レベルを補正する信号補正部と、を備える、信号処理装置が提供される。
以上説明したように本技術によれば、伝送路における伝送信号の歪みを補償することが可能になる。
以下に添付図面を参照しながら、本技術に係る好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する説明の流れについて簡単に述べる。
ここで、以下に記載する説明の流れについて簡単に述べる。
まず、図1を参照しながら、機器内データ伝送システムの構成例について説明する。次いで、図2〜図5を参照しながら、伝送路における伝送信号の歪み及びその影響について説明する。次いで、図6〜図8を参照しながら、本実施形態に係る送信部12の構成例について説明する。次いで、図9を参照しながら、本実施形態の一変形例(変形例#1)に係る送信部12の構成例について説明する。次いで、図10を参照しながら、本実施形態の一変形例(変形例#2)に係る受信部23の構成例について説明する。次いで、図11を参照しながら、本実施形態の一変形例(変形例#3)に係る受信部23の構成例について説明する。
最後に、同実施形態の技術的思想について纏め、当該技術的思想から得られる作用効果について簡単に説明する。
(説明項目)
1:はじめに
1−1:機器内データ伝送システムの構成例
1−2:伝送路における伝送信号の歪み及びその影響について
2:実施形態
2−1:送信部12の構成例
2−2:(変形例#1)送信部12の構成例
2−3:(変形例#2)受信部23の構成例
2−4:(変形例#3)受信部23の構成例
3:補遺
4:まとめ
1:はじめに
1−1:機器内データ伝送システムの構成例
1−2:伝送路における伝送信号の歪み及びその影響について
2:実施形態
2−1:送信部12の構成例
2−2:(変形例#1)送信部12の構成例
2−3:(変形例#2)受信部23の構成例
2−4:(変形例#3)受信部23の構成例
3:補遺
4:まとめ
<1:はじめに>
市場に流通している携帯電話の多くは折り畳み式である。また、携帯ゲーム機の中にも折り畳み式の構造を持つものが存在する。さらに、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラなどでも折り畳み構造が採用されている。こうした携帯機器は、複数のモジュールで構成されている。そして、これら複数のモジュールはヒンジで接続されており、ヒンジ部分の変形により折り畳み構造が実現されている。また、ヒンジの内部には、モジュール間を接続するケーブルが配線されている。例えば、データを伝送するための信号ケーブルや、電源を供給するための電源ケーブルなどがヒンジの内部に配線されている。
市場に流通している携帯電話の多くは折り畳み式である。また、携帯ゲーム機の中にも折り畳み式の構造を持つものが存在する。さらに、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラなどでも折り畳み構造が採用されている。こうした携帯機器は、複数のモジュールで構成されている。そして、これら複数のモジュールはヒンジで接続されており、ヒンジ部分の変形により折り畳み構造が実現されている。また、ヒンジの内部には、モジュール間を接続するケーブルが配線されている。例えば、データを伝送するための信号ケーブルや、電源を供給するための電源ケーブルなどがヒンジの内部に配線されている。
ヒンジの内部に配線されたケーブルには、ヒンジ部分の変形に応じてストレスが加わる。例えば、ヒンジの内部に配線されたケーブルは、ヒンジ部分の変形に応じて折り曲げられたり、捻られたりする。そのため、ヒンジ部分の変形が大きいと、ヒンジの内部に配線されたケーブルが断線してしまう危険性がある。また、ヒンジ部分で複雑な変形が可能な構造にすると、ヒンジの内部に配線されたケーブルにかかるストレスも大きくなる。さらに、ヒンジの内部に配線されたケーブルの本数が多い場合、ヒンジ部分の変形に伴って断線する危険性が増大してしまう。
市場に流通している多くの携帯機器では、モジュール間のデータ伝送方式としてパラレルデータ伝送方式が多く採用されている。そのため、ヒンジの内部には多くのケーブルが配線されている。しかし、ケーブルの信頼性を考えると、ヒンジの内部に配線されるケーブルの数を減らす工夫が望まれる。こうした事情から、モジュール間のデータ伝送方式にシリアルデータ伝送方式を採用した携帯機器が市場に出回るようになってきた。シリアルデータ伝送方式を採用すると、ヒンジの内部に配線される信号ケーブルの本数を1〜数本程度にまで減らすことが可能になる。
また、ヒンジの内部に配線されるケーブルの本数をさらに減らす工夫として、電源にデータの伝送信号を重畳し、電源ケーブルを利用してデータを伝送する電源重畳方式も考えられている。電源重畳方式を採用すると、電源ケーブル1本でモジュール間のデータ伝送が可能になり、ヒンジの内部に配線されるケーブルの本数を1本にすることができる。ヒンジの内部に配線されるケーブルの本数が1本になれば、ヒンジ部分の変形に伴ってケーブルが断線してしまう危険性を最小限に抑えることができる。
また、ヒンジの内部に配線されるケーブルの信頼性を維持しつつ、ヒンジの可動範囲を広げることが可能になるため、携帯機器のデザイン性や操作性を向上させることに寄与する。さらに、特許第4548508号公報に記載の符号化方式を適用すると、携帯機器の小型化及び省電力化を実現することが可能になる。携帯機器の小型化は携帯性を向上させる上で重要である。しかし、携帯機器を構成する部品を小型の部品に交換すると、材料コストが増加したり、性能が低下したりすることがある。そのため、携帯機器を小型化する際には、所望の性能を維持しつつ、材料コストの増加を抑える工夫が望まれる。
本件発明者は、上記の様々な事情を考慮し、機器内データ伝送システムにおいて所望の性能を維持しつつ、安価に携帯機器の小型化を実現する工夫について検討を行った。後述する実施形態の技術は、この検討の結果得られたアイデアに関するものである。以下、同実施形態に係る技術の詳細な説明に先立ち、同実施形態において想定する機器内データ伝送システムの構成例、及び本件発明者の着眼点について説明する。
[1−1:機器内データ伝送システムの構成例]
まず、図1を参照しながら、機器内データ伝送システムの構成例について説明する。図1は、機器内データ伝送システムの構成例を示した説明図である。
まず、図1を参照しながら、機器内データ伝送システムの構成例について説明する。図1は、機器内データ伝送システムの構成例を示した説明図である。
図1に示すように、機器内データ伝送システムは、第1モジュール10、及び第2モジュール20により構成される。また、第1モジュール10と第2モジュール20とは、ケーブル30により接続されている。この機器内データ伝送システムは、電源重畳方式を採用している。また、ケーブル30は、1本の同軸ケーブルである。
第1モジュール10は、符号化部11と、送信部12と、重畳・分離部13と、電源14と、受信部15と、復号部16とを有する。また、第2モジュール20は、重畳・分離部21と、電源22と、受信部23と、復号部24と、符号化部25と、送信部26とを有する。また、第1モジュール10は、演算処理装置(非図示)、及びバッテリ(非図示)をさらに有するものと仮定する。さらに、第2モジュール20は、表示装置(非図示)、及びスイッチ(非図示)をさらに有するものと仮定する。
(第1モジュール10→第2モジュール20)
第1モジュール10の演算処理装置から第2モジュール20の表示装置へと画像データが伝送される処理の流れに沿って各構成要素の機能について説明する。
第1モジュール10の演算処理装置から第2モジュール20の表示装置へと画像データが伝送される処理の流れに沿って各構成要素の機能について説明する。
まず、演算処理装置により出力された画像データは、符号化部11に入力される。画像データが入力されると、符号化部11は、入力された画像データを符号化する。このとき、符号化部11は、AMI符号、CMI符号、パーシャル・レスポンス符号、マンチェスター符号などの直流成分を含まない符号を生成する符号化方式を用いる。但し、AMIは、Alternate Mark Inversionの略である。また、CMIは、Code Mark Inversionの略である。
符号化部11により生成された符号は、送信部12に入力される。符号列が入力されると、送信部12は、入力された符号列をアナログ信号(以下、伝送信号)に変換し、その伝送信号を重畳・分離部13に入力する。また、重畳・分離部13には、電源14から直流電源が入力される。電源14は、バッテリに蓄えられた電源を重畳・分離部13に供給する。重畳・分離部13は、送信部12により入力された伝送信号を電源14から入力された直流電源に重畳して重畳信号を生成する。この重畳信号は、ケーブル30を介して第2モジュール20に伝送される。
ケーブル30を介して伝送された重畳信号は、重畳・分離部21に入力される。重畳信号が入力されると、重畳・分離部21は、入力された重畳信号を直流電源と伝送信号とに分離する。重畳・分離部21により分離された直流電源は、電源22に入力される。電源22に入力された直流電源は、第2モジュール20の各構成要素に供給される。一方、重畳・分離部21により分離された伝送信号は、受信部23に入力される。伝送信号が入力されると、受信部23は、入力された伝送信号の振幅レベルを閾値判定し、符号列を生成する。受信部23により生成された符号列は、復号部24に入力される。
符号列が入力されると、復号部24は、入力された符号列を復号し、画像データを復元する。復号部24により復元された画像データは、表示装置に入力される。画像データが入力されると、表示装置は、入力された画像データに基づいて画像を表示する。
(第2モジュール20→第1モジュール10)
次に、第2モジュール20のスイッチから第1モジュール10の演算処理装置へと制御データが伝送される処理の流れに沿って各構成要素の機能について説明する。
次に、第2モジュール20のスイッチから第1モジュール10の演算処理装置へと制御データが伝送される処理の流れに沿って各構成要素の機能について説明する。
まず、スイッチにより出力された制御データは、符号化部25に入力される。制御データが入力されると、符号化部25は、入力された制御データを符号化する。このとき、符号化部25は、AMI符号、CMI符号、パーシャル・レスポンス符号、マンチェスター符号などの直流成分を含まない符号を生成する符号化方式を用いる。
符号化部25により生成された符号は、送信部26に入力される。符号列が入力されると、送信部26は、入力された符号列をアナログ信号(伝送信号)に変換し、その伝送信号を重畳・分離部21に入力する。重畳・分離部21は、送信部26により入力された伝送信号を電源22に入力される直流電源に重畳して重畳信号を生成する。この重畳信号は、ケーブル30を介して第1モジュール10に伝送される。
ケーブル30を介して伝送された重畳信号は、重畳・分離部13に入力される。重畳信号が入力されると、重畳・分離部13は、入力された重畳信号を直流電源と伝送信号とに分離する。重畳・分離部13により分離された伝送信号は、受信部15に入力される。伝送信号が入力されると、受信部15は、入力された伝送信号の振幅レベルを閾値判定し、符号列を生成する。受信部15により生成された符号列は、復号部16に入力される。
符号列が入力されると、復号部16は、入力された符号列を復号し、制御データを復元する。復号部16により復元された制御データは、演算処理装置に入力される。制御データが入力されると、演算処理装置は、入力された制御データに基づいて制御を実行する。
以上、機器内データ伝送システムの全体的な構成について説明した。上記の説明においては重畳・分離部13、21の構成について詳細な説明を省略したが、重畳・分離部13、21は、例えば、図2に示すような構成を有する。ここで、重畳・分離部13、21の構成例について説明を補足する。
図2に示すように、重畳・分離部13は、キャパシタ131、及びインダクタ132により構成される。また、重畳・分離部21は、キャパシタ211、及びインダクタ212により構成される。キャパシタ131、211は、直流成分をカットする。一方、インダクタ132、212は、高周波成分をカットする。そのため、入力端子INから入力される伝送信号は、キャパシタ131、211を通過するが、インダクタ132、212を通過しない。一方、電源14から入力される直流電源は、インダクタ132、212を通過するが、キャパシタ131、211を通過しない。その結果、重畳・分離部13、21において直流電源と伝送信号との重畳及び分離が実現される。
[1−2:伝送路における伝送信号の歪み及びその影響について]
但し、インダクタ132、212のインダクタンスが低いと、伝送信号の一部がインダクタ132、212を通過してしまう。つまり、伝送信号の一部が電源14、22に漏れてしまう。その結果、入力端子INに入力された伝送信号は、電源14、22に漏れた分だけ減衰して出力端子OUTに到達する。また、ケーブル30においても伝送信号は減衰する。
但し、インダクタ132、212のインダクタンスが低いと、伝送信号の一部がインダクタ132、212を通過してしまう。つまり、伝送信号の一部が電源14、22に漏れてしまう。その結果、入力端子INに入力された伝送信号は、電源14、22に漏れた分だけ減衰して出力端子OUTに到達する。また、ケーブル30においても伝送信号は減衰する。
入力端子INから出力端子OUTに至る伝送路における周波数特性は、図3のようになる。図3は、インダクタ132、212のインダクタンスが1.0μH、1.5μH、2.2μH、2.7μH、3.3μHの場合についてシミュレーションを行った結果を示したものである。なお、高域の遮断周波数は約657MHzである。また、低域及び高域の遮断周波数は、利得が−9dBのラインを基準に見積もられる。
例えば、インダクタ132、212のインダクタンスが1.0μHの場合、低域の遮断周波数は、7.8MHzとなる。また、インダクタ132、212のインダクタンスが3.3μHの場合、低域の遮断周波数は2.8MHzとなる。図3の結果から、およそ10MHz以下の低域では、インダクタ132、212のインダクタンスに応じて遮断周波数にばらつくことが分かる。また、インダクタ132、212のインダクタンスが大きくなるにつれて通過帯域が広がることが分かる。
ここで、図4及び図5を参照しながら、伝送信号の歪みによる影響について考察してみたい。図4は、インダクタ132、212のインダクタンスが1.0μHの場合に観測されるアイパターンのシミュレーション結果を示したものである。一方、図5は、インダクタ132、212のインダクタンスが3.3μHの場合に観測されるアイパターンのシミュレーション結果を示したものである。図4及び図5の例は、特許第4548508号公報に記載の符号化方式で生成した5値の多値符号に基づく伝送信号のアイパターンを示している。
図3を参照しながら考察したように、インダクタ132、212のインダクタンスが小さくなるにつれて通過帯域が狭まる。つまり、インダクタ132、212のインダクタンスが小さくなるにつれて電源14、22に漏れる伝送信号の成分が大きくなる。電源14、22に漏れる伝送信号の成分が大きくなると、伝送信号の歪みが大きくなる。図4のアイパターンで観測される振幅レベルのぶれ幅d1は、図5のアイパターンで観測される振幅レベルのぶれ幅d2よりも大きい。振幅レベルのぶれ幅が大きくなると、アイパターンのアイの開きが狭まってしまう。アイの開きが狭まると、各振幅レベルを判別する際に誤りが発生しやすくなる。
つまり、インダクタ132、212のインダクタンスが1.0μHの伝送路は、インダクタ132、212のインダクタンスが3.3μHの伝送路に比べて伝送信号を大きく劣化させるのである。このような伝送信号の劣化を抑制するには、インダクタ132、212のインダクタンスを大きくすればよい。例えば、インダクタ132、212にサイズの大きなコイルを用いれば、インダクタンスを大きくすることができる。しかし、サイズの大きいコイルを用いると、携帯機器のサイズが大きくなってしまう。また、サイズの大きいコイルは材料コストが高い。
こうした事情に鑑み、本件発明者は、インダクタンスが小さなインダクタ132、212を用いた伝送路においても、所望の伝送品質を実現することが可能な仕組みを考案した。以下、この仕組みについて詳細に説明する。
<2:実施形態>
本技術の一実施形態について説明する。本実施形態は、伝送路における伝送信号の歪みを考慮して伝送信号を補正する構成に関する。
本技術の一実施形態について説明する。本実施形態は、伝送路における伝送信号の歪みを考慮して伝送信号を補正する構成に関する。
[2−1:送信部12の構成例]
伝送信号を補正する仕組みは、例えば、送信部12に設けることができる。伝送信号を補正する仕組みを設けた送信部12の構成は、例えば、図6のようになる。図6は、本実施形態に係る送信部12の構成例を示した説明図である。
伝送信号を補正する仕組みは、例えば、送信部12に設けることができる。伝送信号を補正する仕組みを設けた送信部12の構成は、例えば、図6のようになる。図6は、本実施形態に係る送信部12の構成例を示した説明図である。
図6に示すように、送信部12は、補正量算出部121と、加算器122と、DA変換部123と、アナログ送信部124とにより構成される。
符号化部11により生成された符号列は、補正量算出部121及び加算器122に入力される。符号列が入力されると、補正量算出部121は、伝送路における伝送信号の歪みを考慮し、符号列に含まれる各符号の符号値を補正するための補正量を算出する。補正量算出部121により算出された補正量は、加算器122に入力される。補正量が入力されると、加算器122は、入力された補正量を符号列に含まれる各符号の符号値に加算する。加算器122から出力された符号列は、DA変換部123に入力される。符号列が入力されると、DA変換部123は、入力された符号列をアナログ信号(伝送信号)に変換し、アナログ送信部124に入力する。伝送信号が入力されると、アナログ送信部124は、入力された伝送信号を重畳・分離部13に送信する。
以上、本実施形態に係る送信部12の全体的な構成について説明した。以下では、補正量算出部121の構成例及び補正量の算出方法について、図7を参照しながら、より詳細に説明する。図7は、補正量算出部121の構成例を示した説明図である。
補正量算出部121による補正量の算出処理は、例えば、図7に示したFIR(Finite Impulse Response)フィルタにより表現できる。図7に示すように、第i番目の符号Xiが入力されると、補正量算出部121は、符号Xiに所定のタップ係数h0を乗算して値Xi・h0を算出する。また、補正量算出部121は、第(i−1)番目の符号Xi−1に所定のタップ係数h1を乗算して値Xi−1・h1を算出する。同様に、k=2〜Nについて、補正量算出部121は、第(i−k)番目の符号Xi−kに所定のタップ係数hkを乗算して値Xi−k・hkを算出する。そして、補正量算出部121は、n=0〜Nについて値Xi−n・hnを加算して補正量Yiを出力する。
但し、タップ係数hn(n=0〜N)は、図8に示す方法により算出される。図8は、タップ係数hn(n=0〜N)の算出方法を示した説明図である。図8に示すように、まず、伝送路における周波数特性を算出(又は測定)する処理が実行される(S101)。ステップS101の処理により、例えば、図3に示したような周波数特性が得られる。次いで、ステップS101で算出(又は測定)された周波数特性の逆特性を算出する処理が実行される(S102)。次いで、ステップS102で算出された逆特性を時間領域に変換する処理が実行される(S103)。例えば、ステップS103では、逆特性に逆フーリエ変換を施す処理が実行される。次いで、時間領域に変換された逆特性に基づいてタップ係数hn(n=0〜N)を算出する処理が実行される(S104)。
つまり、図8に示した方法は、伝送路において図3に示したような周波数特性が得られることが分かっているため、この周波数特性の逆特性を求め、その逆特性を持つ伝送路をFIRフィルタにより再現するようにタップ係数hnを決めようとするものである。例えば、周波数特性の逆特性を伝達関数H(z)(z=ejωT、jは虚数単位、Tは遅延時間)と表現すると、インパルス応答hnは、下記の式(1)により表現される。このインパルス応答hnをタップ係数hnとして用いることで、FIRフィルタは、周波数特性の逆特性を持つ伝送路を再現することができる。
なお、タップ数Nが大きいほど、周波数特性の逆特性を良く再現したFIRフィルタが実現される。しかし、タップ数Nが有限の場合、出力Yiに高調波成分が含まれてしまう。そこで、補正量算出部121は、ハミング窓をwnを用いて高調波成分を抑制する。例えば、補正量算出部121は、下記の式(2)に基づいて補正量Yiを算出する。また、ここではFIRフィルタを用いて補正量を算出する構成について述べたが、同様にしてIIRフィルタを用いることも可能である。しかし、過去の演算誤差が蓄積しない分、非再帰型のFIRフィルタの方が高い性能を実現できる。
以上、本実施形態に係る送信部12の構成例について説明した。上記のように、送信部12は、伝送路の前段で、伝送路において減衰する分だけ伝送信号の振幅レベルを補正する。そのため、伝送信号が伝送路を通過すると、送信部12による補正量と伝送路における減衰量とが相殺され、伝送信号の歪みに起因する伝送品質の劣化が抑制される。かかる構成を適用すれば、インダクタ132、212のインダクタンスが小さくても、好適な伝送品質が実現される。また、かかる構成を適用すれば、ケーブル30における伝送信号の歪みなど、任意の要因で生じる伝送品質の劣化を抑制することができる。
[2−2:(変形例#1)送信部12の構成例]
上述した送信部12の構成例は、デジタル領域で符号値を補正するものであった。しかし、アナログ領域で伝送信号の振幅レベルを直接補正する方法(変形例#1)も考えられる。そこで、図9を参照しながら、変形例#1に係る送信部12の構成例について説明する。図9は、変形例#1に係る送信部12の構成例を示した説明図である。
上述した送信部12の構成例は、デジタル領域で符号値を補正するものであった。しかし、アナログ領域で伝送信号の振幅レベルを直接補正する方法(変形例#1)も考えられる。そこで、図9を参照しながら、変形例#1に係る送信部12の構成例について説明する。図9は、変形例#1に係る送信部12の構成例を示した説明図である。
図9に示すように、送信部12は、補正量算出部121と、DA変換部123と、アナログ送信部124と、量子化部125と、電圧量選択部126と、電圧量記憶部127と、加算器128とにより構成される。
符号化部11により生成された符号列は、補正量算出部121及びDA変換部123に入力される。符号列が入力されると、補正量算出部121は、伝送路における伝送信号の歪みを考慮し、符号列に含まれる各符号の符号値を補正するための補正量を算出する。なお、補正量の算出方法は上述した方法と同じである。補正量算出部121により算出された補正量は、量子化部125に入力される。補正量が入力されると、量子化部125は、入力された補正量を量子化する。
量子化部125により量子化された補正量は、電圧量選択部126に入力される。量子化された補正量が入力されると、電圧量選択部126は、補正量毎に予め設定された電圧量の中から、入力された補正量に対応する電圧量を選択する。補正量毎に予め設定された電圧量を示す情報は、電圧量記憶部127に格納されている。電圧量選択部126により選択された電圧量の情報は、加算器128に入力される。
一方、符号列が入力されたDA変換部123は、入力された符号列をアナログ信号(伝送信号)に変換し、加算器128に入力する。電圧量の情報及び伝送信号が入力されると、加算器128は、入力された情報が示す電圧量の分だけ伝送信号を補正する。加算器128により補正された伝送信号は、アナログ送信部124に入力される。伝送信号が入力されると、アナログ送信部124は、入力された伝送信号を重畳・分離部13に送信する。
以上、変形例#1に係る送信部12の構成例について説明した。このように、アナログ領域で伝送信号を補正してもよい。但し、補正する電圧量の基準は、補正量算出部121により算出される補正量である。また、この補正量の算出方法は、上述した方法と同じである。従って、アナログ領域で伝送信号の振幅レベルを補正しても、デジタル領域で符号量を補正する方法と同等の効果が得られる。
[2−3:(変形例#2)受信部23の構成例]
上述した構成例は、送信部12において伝送信号を補正するものであった。しかし、送信部12により伝送路の前段で伝送信号を補正する代わりに、受信部23により伝送路の後段で伝送信号を補正する方法(変形例#2)も考えられる。以下、図10を参照しながら、変形例#2に係る受信部23の構成例について説明する。図10は、変形例#2に係る受信部23の構成例を示した説明図である。
上述した構成例は、送信部12において伝送信号を補正するものであった。しかし、送信部12により伝送路の前段で伝送信号を補正する代わりに、受信部23により伝送路の後段で伝送信号を補正する方法(変形例#2)も考えられる。以下、図10を参照しながら、変形例#2に係る受信部23の構成例について説明する。図10は、変形例#2に係る受信部23の構成例を示した説明図である。
図10に示すように、受信部23は、アナログ受信部231と、AD変換部232と、補正量算出部233と、加算器234とにより構成される。
重畳・分離部21により分離された伝送信号は、アナログ受信部231により受信される。アナログ受信部231により受信された伝送信号は、AD変換部232に入力される。伝送信号が入力されると、AD変換部232は、入力された伝送信号をデジタル信号に変換する。AD変換部232から出力されたデジタル信号は、補正量算出部233及び加算器234に入力される。デジタル信号が入力されると、補正量算出部233は、入力されたデジタル信号に含まれるデジタル値に基づいて補正量を算出する。補正量算出部233により算出された補正量は、加算器234に入力される。補正量が入力されると、加算器234は、デジタル信号に含まれる各デジタル値に対する補正量を算出し、復号するための符号列を生成する。加算器234から出力された符号列は、復号部24に入力される。
以上、変形例#2に係る受信部23の構成例について説明した。このように、受信部23で符号列を補正してもよい。なお、補正量の算出方法は上述した方法に基づいて行うことができる。従って、受信部23で符号列を補正しても、送信部12で符号列を補正する場合と同等の効果が得られる。
[2−4:(変形例#3)受信部23の構成例]
上述した構成例はデジタル領域で符号列を補正するものであった。しかし、変形例#1と同様にアナログ領域で伝送信号の振幅レベルを直接補正する方法(変形例#3)も考えられる。そこで、図11を参照しながら、変形例#3に係る受信部23の構成例について説明する。図11は、変形例#3に係る受信部23の構成例を示した説明図である。
上述した構成例はデジタル領域で符号列を補正するものであった。しかし、変形例#1と同様にアナログ領域で伝送信号の振幅レベルを直接補正する方法(変形例#3)も考えられる。そこで、図11を参照しながら、変形例#3に係る受信部23の構成例について説明する。図11は、変形例#3に係る受信部23の構成例を示した説明図である。
図11に示すように、受信部23は、アナログ受信部231と、AD変換部232と、補正量算出部233と、量子化部235と、電圧量選択部236と、電圧量記憶部237と、加算器238と、AD変換部239とにより構成される。
重畳・分離部21により分離された伝送信号は、アナログ受信部231により受信される。アナログ受信部231により受信された伝送信号は、AD変換部232に入力される。伝送信号が入力されると、AD変換部232は、入力された伝送信号をデジタル信号に変換する。AD変換部232から出力されたデジタル信号は、補正量算出部233に入力される。デジタル信号が入力されると、補正量算出部233は、入力されたデジタル信号に含まれるデジタル値に基づいて補正量を算出する。
補正量算出部233により算出された補正量は、量子化部235に入力される。補正量が入力されると、量子化部235は、入力された補正量を量子化する。量子化部235により量子化された補正量は、電圧量選択部236に入力される。量子化された補正量が入力されると、電圧量選択部236は、補正量毎に予め設定された電圧量の中から、入力された補正量に対応する電圧量を選択する。補正量毎に予め設定された電圧量を示す情報は、電圧量記憶部237に格納されている。
電圧量選択部236により選択された電圧量の情報は、加算器238に入力される。電圧量の情報及び伝送信号が入力されると、加算器238は、入力された情報が示す電圧量の分だけ伝送信号を補正する。加算器238により補正された伝送信号は、AD変換部239に入力される。伝送信号が入力されると、AD変換部239は、入力された伝送信号をデジタル信号(符号列)に変換し、復号部24に入力する。
以上、変形例#3に係る受信部23の構成例について説明した。このように、アナログ領域で伝送信号を補正してもよい。但し、補正する電圧量の基準は、補正量算出部233により算出される補正量である。また、この補正量の算出方法は、上述した方法と同じである。従って、アナログ領域で伝送信号の振幅レベルを補正しても、デジタル領域で符号量を補正する方法と同等の効果が得られる。
以上、本技術の一実施形態について説明した。なお、受信部23で算出した補正量を送信部12にフィードバックし、その補正量を用いて送信部12が伝送信号を補正するという方法なども考えられる。このような変形例も本実施形態の技術的範囲に属する。
<3:補遺>
上記の説明は、第1モジュール10から第2モジュール20へとデータを伝送する際に伝送信号の振幅レベルを補正する方法に関するものであった。ここでは説明を省略したが、実際には、第2モジュール20から第1モジュール10へとデータを伝送する場合にも同じ方法で伝送信号の振幅レベルを補正することが好ましい。この場合、送信部26は、送信部12と実質的に同じ構成となる。また、受信部15は、受信部23と実質的に同じ構成となる。
上記の説明は、第1モジュール10から第2モジュール20へとデータを伝送する際に伝送信号の振幅レベルを補正する方法に関するものであった。ここでは説明を省略したが、実際には、第2モジュール20から第1モジュール10へとデータを伝送する場合にも同じ方法で伝送信号の振幅レベルを補正することが好ましい。この場合、送信部26は、送信部12と実質的に同じ構成となる。また、受信部15は、受信部23と実質的に同じ構成となる。
また、上記の説明は、第1モジュール10と第2モジュール20との間で双方向にデータを伝送する構成に関するものであった。しかし、第1モジュール10から第2モジュール20へと片方向にデータを伝送する構成、或いは、第2モジュール20から第1モジュール10へと片方向にデータを伝送する構成に対しても本実施形態の技術を同様に適用可能である。
また、上記の説明は、伝送信号に電源を重畳する構成に関するものであった。しかし、本実施形態の技術を適用すると、電源14、22に伝送信号の成分が漏れる影響だけでなく、ケーブル30などで伝送信号の振幅レベルが減衰する影響も補正することができる。そのため、伝送信号に電源を重畳しない構成に対して本実施形態の技術を適用した場合にも伝送品質を向上させる効果が期待できる。
また、上記の説明は、3以上の振幅レベルをとり得る多値の伝送信号を用いる構成に関するものであった。多値の伝送信号は、2値の伝送信号に比べると振幅レベルの間隔が狭い。そのため、多値の伝送信号を用いると、振幅レベルの減衰が生じる環境において振幅レベルの誤判定が生じやすい。こうした理由から、本実施形態の技術は、多値の伝送信号を用いる構成に適用することで、より高い効果を発揮する。但し、2値の伝送信号を用いる構成に適用した場合にも振幅レベルの誤判定を低減させる効果が同様に期待される。
さて、本実施形態に係る技術は、例えば、携帯電話、携帯情報端末、ノート型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーションシステム、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤ、携帯映像プレーヤなど、様々な機器に適用することができる。こうした機器は、携帯性を高めたり、デザイン性を高めたりするために変形可能な筐体構造を有することが多い。そのため、こうした機器の筐体にはヒンジが設けられている。さらに、ヒンジで接続されたモジュール間で電源の供給や信号の伝送を行うために、ヒンジの内部にはケーブルが配線されている。
ヒンジの内部に多数のケーブルが配線されていると、ヒンジの可動範囲が狭まってしまう。また、ヒンジの内部に多数のケーブルが配線されていると、ヒンジを動かした際にケーブルが捻れて断線してしまう危険性がある。そのため、ヒンジの内部に配線されるケーブルの本数は1〜数本程度であることが好ましい。伝送信号を電源に重畳する技術の適用はヒンジの内部に配線されるケーブルの本数を減らすことに繋がる。
また、複数のデータを並列に伝送するパラレル伝送方式ではなく、複数のデータを直列に伝送するシリアル伝送方式を適用することで、ケーブルの本数を減らすことができる。さらに、データを符号化する際に、AMI符号、パーシャル・レスポンス符号、CMI符号など、バイポーラ符号又はバイフェーズ符号を用いる場合には、特許第4548508号公報に記載の技術を適用することにより、受信側にPLL回路を設けずに済むようになる。こうした工夫をした上で、本実施形態に係る技術を適用することにより、機器の小型化、ケーブルの信頼性向上、機器のデザイン性向上、設計コスト及び製造コストの低減など、様々な効果を享受することが可能になる。
ここで、上記の機器内データ伝送システムを介して伝送されるデータについて説明する。上記のように、本実施形態に係る技術は様々な機器に適用可能である。多くの場合、こうした機器にはデータを処理する演算処理装置、及び画像を表示する表示装置が搭載されている。例えば、第1モジュール10に演算処理装置が搭載され、第2モジュール20に表示装置が搭載されている場合、演算処理装置から出力された画像データは、機器内データ伝送システムを介して第1モジュール10から第2モジュール20へと伝送され、表示装置に入力される。
また、第2モジュール20にスイッチやセンサなどの入力デバイスが設けられている場合、こうした入力デバイスを介して入力された制御データは、機器内データ伝送システムを介して第2モジュール20から第1モジュール10へと伝送され、演算処理装置に入力される。また、上記のような画像データや制御データの他にも様々なデータが第1モジュール10と第2モジュール20との間でやり取りされる。こうしたデータのやり取りが行われる際に、本実施形態に係る技術が適用される。
<4:まとめ>
本実施形態に係る技術は、下記(1)〜(8)のように表現される信号処理装置、下記(9)のように表現される係数設定装置、下記(10)のように表現される伝送信号の補正方法に関する。下記(1)に示す信号処理装置は、伝送路が有する周波数特性の逆特性に基づいて伝送信号の振幅レベルを補正することができる。
本実施形態に係る技術は、下記(1)〜(8)のように表現される信号処理装置、下記(9)のように表現される係数設定装置、下記(10)のように表現される伝送信号の補正方法に関する。下記(1)に示す信号処理装置は、伝送路が有する周波数特性の逆特性に基づいて伝送信号の振幅レベルを補正することができる。
例えば、伝送信号に電源を重畳して伝送する場合、伝送路には、電源の供給元及び供給先に伝送信号が侵入しないようにするためのインダクタが設けられる。しかし、インダクタのインダクタンスが十分に大きくないと、伝送信号の一部が電源の供給元及び供給先に侵入し、その分だけ伝送信号の振幅レベルが減衰してしまう。振幅レベルの減衰が生じると、振幅レベルの誤判定などが生じやすくなる。一方、インダクタンスを十分に大きくすると、インダクタのサイズが大きくなってしまう。しかし、下記(1)に示す信号処理装置を用いると、伝送信号の振幅レベルが補正されるため、振幅レベルの誤判定などが生じにくくなる。また、インダクタのサイズを小さくすることができるため、機器の小型化に寄与する。
(1)
所定の伝送路が有する周波数特性の逆特性に基づいて算出されたインパルス応答をタップ係数に設定したデジタル補正フィルタと、
伝送信号を前記デジタル補正フィルタに入力し、前記デジタル補正フィルタの出力値に基づいて前記伝送信号の振幅レベルを補正する信号補正部と、
を備える、
信号処理装置。
所定の伝送路が有する周波数特性の逆特性に基づいて算出されたインパルス応答をタップ係数に設定したデジタル補正フィルタと、
伝送信号を前記デジタル補正フィルタに入力し、前記デジタル補正フィルタの出力値に基づいて前記伝送信号の振幅レベルを補正する信号補正部と、
を備える、
信号処理装置。
(2)
前記デジタル補正フィルタの出力値に応じて予め補正電圧量が設定されており、
前記信号補正部は、前記デジタル補正フィルタの出力値に応じて前記補正電圧量を選択し、選択した補正電圧量の電圧を前記伝送信号に加算する、
上記(1)に記載の信号処理装置。
前記デジタル補正フィルタの出力値に応じて予め補正電圧量が設定されており、
前記信号補正部は、前記デジタル補正フィルタの出力値に応じて前記補正電圧量を選択し、選択した補正電圧量の電圧を前記伝送信号に加算する、
上記(1)に記載の信号処理装置。
(3)
前記デジタル補正フィルタは、前記所定の伝送路の前段に設けられており、
前記信号補正部は、前記所定の伝送路の前段で当該伝送信号の振幅レベルを補正する、
上記(1)に記載の信号処理装置。
前記デジタル補正フィルタは、前記所定の伝送路の前段に設けられており、
前記信号補正部は、前記所定の伝送路の前段で当該伝送信号の振幅レベルを補正する、
上記(1)に記載の信号処理装置。
(4)
前記デジタル補正フィルタは、前記所定の伝送路の後段に設けられており、
前記信号補正部は、前記所定の伝送路の後段で当該伝送信号の振幅レベルを補正する、
上記(1)に記載の信号処理装置。
前記デジタル補正フィルタは、前記所定の伝送路の後段に設けられており、
前記信号補正部は、前記所定の伝送路の後段で当該伝送信号の振幅レベルを補正する、
上記(1)に記載の信号処理装置。
(5)
前記伝送信号は、3つ以上の振幅レベルを持つ多値信号である、
上記(1)に記載の信号処理装置。
前記伝送信号は、3つ以上の振幅レベルを持つ多値信号である、
上記(1)に記載の信号処理装置。
(6)
直流成分を含まない符号にデータを符号化する符号化部と、
前記符号のシンボル値に対応する振幅レベルを持つ伝送信号を生成する信号生成部と、
前記伝送信号に直流電源を重畳して重畳信号を生成する電源重畳部と、
前記重畳信号を伝送するための伝送ケーブルと、
前記重畳信号から前記伝送信号と前記直流電源とを分離する電源分離部と、
前記伝送信号の振幅レベルに基づいて前記符号のシンボル値を判別し、当該判別の結果に基づいて前記データを復号する復号部と、
を備える、
上記(1)又は(5)に記載の信号処理装置。
直流成分を含まない符号にデータを符号化する符号化部と、
前記符号のシンボル値に対応する振幅レベルを持つ伝送信号を生成する信号生成部と、
前記伝送信号に直流電源を重畳して重畳信号を生成する電源重畳部と、
前記重畳信号を伝送するための伝送ケーブルと、
前記重畳信号から前記伝送信号と前記直流電源とを分離する電源分離部と、
前記伝送信号の振幅レベルに基づいて前記符号のシンボル値を判別し、当該判別の結果に基づいて前記データを復号する復号部と、
を備える、
上記(1)又は(5)に記載の信号処理装置。
(7)
前記電源重畳部は、前記直流電源の供給元に前記伝送信号が侵入しないようにする第1のインダクタ、及び前記伝送信号の入力端子に前記直流電源が流れないようにする第1のキャパシタを有し、
前記電源分離部は、前記重畳信号から前記直流電源の成分を分離する第2のインダクタ、及び前記重畳信号から前記伝送信号の成分を分離する第2のキャパシタを有し、
前記所定の伝送路は、前記第1及び第2のインダクタ、前記第1及び第2のキャパシタ、及び、前記伝送ケーブルを含む、
上記(6)に記載の信号処理装置。
前記電源重畳部は、前記直流電源の供給元に前記伝送信号が侵入しないようにする第1のインダクタ、及び前記伝送信号の入力端子に前記直流電源が流れないようにする第1のキャパシタを有し、
前記電源分離部は、前記重畳信号から前記直流電源の成分を分離する第2のインダクタ、及び前記重畳信号から前記伝送信号の成分を分離する第2のキャパシタを有し、
前記所定の伝送路は、前記第1及び第2のインダクタ、前記第1及び第2のキャパシタ、及び、前記伝送ケーブルを含む、
上記(6)に記載の信号処理装置。
(8)
画像データを出力する演算処理部と、
入力された画像データに基づいて画像を表示する表示部と、
をさらに備え、
前記符号化部は、前記演算処理部から出力された前記画像データを符号化し、
前記復号部は、前記画像データを復号して前記表示部に入力する、
上記(6)に記載の信号処理装置。
画像データを出力する演算処理部と、
入力された画像データに基づいて画像を表示する表示部と、
をさらに備え、
前記符号化部は、前記演算処理部から出力された前記画像データを符号化し、
前記復号部は、前記画像データを復号して前記表示部に入力する、
上記(6)に記載の信号処理装置。
(9)
所定の伝送路が有する周波数特性を測定するステップと、
前記周波数特性の逆特性を算出するステップと、
前記周波数特性の逆特性に基づいてインパルス応答を算出するステップと、
前記インパルス応答を有限インパルス応答フィルタのタップ係数に設定するステップと、
を含む、
係数設定方法。
所定の伝送路が有する周波数特性を測定するステップと、
前記周波数特性の逆特性を算出するステップと、
前記周波数特性の逆特性に基づいてインパルス応答を算出するステップと、
前記インパルス応答を有限インパルス応答フィルタのタップ係数に設定するステップと、
を含む、
係数設定方法。
(10)
所定の伝送路が有する周波数特性の逆特性に基づいて算出されたインパルス応答をタップ係数に設定したデジタル補正フィルタに伝送信号を入力し、前記デジタル補正フィルタの出力値に基づいて前記伝送信号の振幅レベルを補正するステップを含む、
伝送信号の補正方法。
所定の伝送路が有する周波数特性の逆特性に基づいて算出されたインパルス応答をタップ係数に設定したデジタル補正フィルタに伝送信号を入力し、前記デジタル補正フィルタの出力値に基づいて前記伝送信号の振幅レベルを補正するステップを含む、
伝送信号の補正方法。
(備考)
上記の送信部12、26、受信部15、23は、信号処理装置が有する構成要素の一例である。上記の補正量算出部121、233、加算器122、128、234、238は、デジタル補正フィルタ及び信号補正部が有する構成要素の一例である。上記の量子化部125、235、電圧量選択部126、236、及び電圧量記憶部127、237は、信号補正部が有する構成要素の一例である。上記のDA変換部123は、信号生成部が有する構成要素の一例である。上記の重畳・分離部13、21は、電源重畳部及び電源分離部が有する構成要素の一例である。上記のケーブル30は、伝送ケーブルの一例である。
上記の送信部12、26、受信部15、23は、信号処理装置が有する構成要素の一例である。上記の補正量算出部121、233、加算器122、128、234、238は、デジタル補正フィルタ及び信号補正部が有する構成要素の一例である。上記の量子化部125、235、電圧量選択部126、236、及び電圧量記憶部127、237は、信号補正部が有する構成要素の一例である。上記のDA変換部123は、信号生成部が有する構成要素の一例である。上記の重畳・分離部13、21は、電源重畳部及び電源分離部が有する構成要素の一例である。上記のケーブル30は、伝送ケーブルの一例である。
以上、添付図面を参照しながら本技術に係る好適な実施形態について説明したが、本技術はここで開示した構成例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本技術の技術的範囲に属するものと了解される。
10 第1モジュール
11 符号化部
12 送信部
121 補正量算出部
122 加算器
123 DA変換部
124 アナログ送信部
125 量子化部
126 電圧量選択部
127 電圧量記憶部
13 重畳・分離部
131 キャパシタ
132 インダクタ
14 電源
15 受信部
16 復号部
20 第2モジュール
21 重畳・分離部
211 キャパシタ
212 インダクタ
22 電源
23 受信部
231 アナログ受信部
232 AD変換部
233 補正量算出部
234 加算器
235 量子化部
236 電圧量選択部
237 電圧量記憶部
238 加算器
239 AD変換部
24 復号部
25 符号化部
26 送信部
30 ケーブル
11 符号化部
12 送信部
121 補正量算出部
122 加算器
123 DA変換部
124 アナログ送信部
125 量子化部
126 電圧量選択部
127 電圧量記憶部
13 重畳・分離部
131 キャパシタ
132 インダクタ
14 電源
15 受信部
16 復号部
20 第2モジュール
21 重畳・分離部
211 キャパシタ
212 インダクタ
22 電源
23 受信部
231 アナログ受信部
232 AD変換部
233 補正量算出部
234 加算器
235 量子化部
236 電圧量選択部
237 電圧量記憶部
238 加算器
239 AD変換部
24 復号部
25 符号化部
26 送信部
30 ケーブル
Claims (10)
- 所定の伝送路が有する周波数特性の逆特性に基づいて算出されたインパルス応答をタップ係数に設定したデジタル補正フィルタと、
伝送信号を前記デジタル補正フィルタに入力し、前記デジタル補正フィルタの出力値に基づいて前記伝送信号の振幅レベルを補正する信号補正部と、
を備える、
信号処理装置。 - 前記デジタル補正フィルタの出力値に応じて予め補正電圧量が設定されており、
前記信号補正部は、前記デジタル補正フィルタの出力値に応じて前記補正電圧量を選択し、選択した補正電圧量の電圧を前記伝送信号に加算する、
請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記デジタル補正フィルタは、前記所定の伝送路の前段に設けられており、
前記信号補正部は、前記所定の伝送路の前段で当該伝送信号の振幅レベルを補正する、
請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記デジタル補正フィルタは、前記所定の伝送路の後段に設けられており、
前記信号補正部は、前記所定の伝送路の後段で当該伝送信号の振幅レベルを補正する、
請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記伝送信号は、3つ以上の振幅レベルを持つ多値信号である、
請求項1に記載の信号処理装置。 - 直流成分を含まない符号にデータを符号化する符号化部と、
前記符号のシンボル値に対応する振幅レベルを持つ伝送信号を生成する信号生成部と、
前記伝送信号に直流電源を重畳して重畳信号を生成する電源重畳部と、
前記重畳信号を伝送するための伝送ケーブルと、
前記重畳信号から前記伝送信号と前記直流電源とを分離する電源分離部と、
前記伝送信号の振幅レベルに基づいて前記符号のシンボル値を判別し、当該判別の結果に基づいて前記データを復号する復号部と、
を備える、
請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記電源重畳部は、前記直流電源の供給元に前記伝送信号が侵入しないようにする第1のインダクタ、及び前記伝送信号の入力端子に前記直流電源が流れないようにする第1のコンデンサを有し、
前記電源分離部は、前記重畳信号から前記直流電源の成分を分離する第2のインダクタ、及び前記重畳信号から前記伝送信号の成分を分離する第2のコンデンサを有し、
前記所定の伝送路は、前記第1及び第2のインダクタ、前記第1及び第2のコンデンサ、及び、前記伝送ケーブルを含む、
請求項6に記載の信号処理装置。 - 画像データを出力する演算処理部と、
入力された画像データに基づいて画像を表示する表示部と、
をさらに備え、
前記符号化部は、前記演算処理部から出力された前記画像データを符号化し、
前記復号部は、前記画像データを復号して前記表示部に入力する、
請求項6に記載の信号処理装置。 - 所定の伝送路が有する周波数特性を測定するステップと、
前記周波数特性の逆特性を算出するステップと、
前記周波数特性の逆特性に基づいてインパルス応答を算出するステップと、
前記インパルス応答を有限インパルス応答フィルタのタップ係数に設定するステップと、
を含む、
係数設定方法。 - 所定の伝送路が有する周波数特性の逆特性に基づいて算出されたインパルス応答をタップ係数に設定したデジタル補正フィルタに伝送信号を入力し、前記デジタル補正フィルタの出力値に基づいて前記伝送信号の振幅レベルを補正するステップを含む、
伝送信号の補正方法。
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JP2011075768A JP2012209881A (ja) | 2011-03-30 | 2011-03-30 | 信号処理装置、係数設定方法、及び伝送信号の補正方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014131178A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Lapis Semiconductor Co Ltd | データ通信システム、半導体装置及びデータ通信方法 |
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2011
- 2011-03-30 JP JP2011075768A patent/JP2012209881A/ja not_active Withdrawn
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