JP2012209709A - 画像処理装置および方法、記録媒体並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】色を正確に表すことができるようにする。
【解決手段】保持部により、入力された画素値が保持される。基本画素値演算部により、保持部により保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値が演算される。異色画素変化量演算部により、周辺画素であって、注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量が演算される。合成部により、基本画素値と異色画素変化量とを合成して、注目画素の画素値の推定値が演算される。補正部により、注目画素の画素値が推定値により補正される。
【選択図】図19
【解決手段】保持部により、入力された画素値が保持される。基本画素値演算部により、保持部により保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値が演算される。異色画素変化量演算部により、周辺画素であって、注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量が演算される。合成部により、基本画素値と異色画素変化量とを合成して、注目画素の画素値の推定値が演算される。補正部により、注目画素の画素値が推定値により補正される。
【選択図】図19
Description
本技術は画像処理装置および方法、記録媒体並びにプログラムに関し、特に色を正確に表すことができるようにした画像処理装置および方法、記録媒体並びにプログラムに関する。
デジタルカメラにおいては、イメージセンサにより被写体が撮像され、撮像された画像が記憶されたり、表示される。
イメージセンサの画素の中に欠陥画素があると、欠陥画素の画素値は異常な値となる。そこで、欠陥画素の画素値を補正することが行われている(例えば特許文献1)。
欠陥画素の画素値の補正は、例えば欠陥画素を基準として、n×m個の範囲の周辺画素のうち、同じ色の画素の画素値から、欠陥画素の画素値を推定して、推定された画素値を欠陥画素値と置き換えることで行われる。
しかしながら、従来の方法では、補正された結果、偽色現象が発生することがあった。すなわち、被写体の色を正確に表すことが困難であった。
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、色を正確に表すことができるようにする。
本技術の側面は、入力された画素値を保持する保持部と、前記保持部により保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値を演算する基本画素値演算部と、前記周辺画素であって、前記注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量を演算する異色画素変化量演算部と、前記基本画素値と前記異色画素変化量とを合成して、前記注目画素の画素値の推定値を演算する合成部と、前記注目画素の画素値を前記推定値により補正する補正部とを備える画像処理装置である。
前記異色画素変化量演算部は、前記注目画素と同じライン上の前記注目画素より前の異なる色の複数の画素の画素値の差、または前記注目画素と同じ前記ライン上の前記注目画素より後の異なる色の複数の画素の画素値の差を、前記異色画素変化量とすることができる。
前記異色画素変化量演算部は、前記注目画素より前の異なる色の複数の画素の画素値の差と、前記注目画素より後の異なる色の複数の画素の画素値の差のうち、大きい方を、前記異色画素変化量とすることができる。
前記周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の画素の画素値の変化量である同色画素変化量を演算する同色画素変化量演算部をさらに備え、前記合成部は、前記基本画素値、前記異色画素変化量、および前記同色画素変化量を合成して、前記推定値を演算することができる。
前記同色画素変化量演算部は、前記注目画素と同じライン上の前記注目画素より前の同じ色の複数の画素の画素値の差、または前記注目画素と同じ前記ライン上の前記注目画素より後の同じ色の複数の画素の画素値の差を、前記同色画素変化量とすることができる。
前記同色画素変化量演算部は、前記注目画素より前の同じ色の複数の画素の画素値の差と、前記注目画素より後の同じ色の複数の画素の画素値の差のうち、大きい方を、前記同色画素変化量とすることができる。
前記補正部は、前記基本画素値が前記周辺画素の画素値より大きい場合、前記注目画素の画素値が前記推定値より大きければ前記注目画素の画素値を補正し、前記基本画素値が前記周辺画素の画素値より小さい場合、前記注目画素の画素値が前記推定値より小さければ前記注目画素の画素値を補正することができる。
前記画像処理装置は、イメージセンサとすることができる。
本技術の側面においては、入力された画素値が保持され、保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値が演算される。周辺画素であって、注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量が演算される。基本画素値と異色画素変化量とを合成して、注目画素の画素値の推定値が演算される。注目画素の画素値が推定値により補正される。
本技術の側面の画像処理方法、記録媒体及びプログラムは、上述した本技術の側面の画像処理装置に対応する画像処理方法、記録媒体及びプログラムである。
以上のように、本技術の側面によれば、色を正確に表すことができる。
以下、技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。
図1は、イメージセンサ1の構成を示す図である。例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサにより構成されるイメージセンサ1は、画素アレイ部11、垂直駆動部12、カラム処理部13、水平駆動部14、制御部15、記憶部16、および信号処理部17を有している。
画素アレイ部11は、水平方向および垂直方向に配列された複数の画素を有している。この画素により被写体からの光が光電変換される。垂直駆動部12は、複数の画素が配列された各ラインを選択し、駆動する。水平駆動部14は、各ラインの所定の垂直方向の画素を選択し、駆動する。カラム処理部13は、選択された画素から読み出された画素データを保持し、信号処理部17に供給する。制御部15は、各部の動作を制御する。記憶部16は、制御部15が処理するプログラムを記憶する。信号処理部17はカラム処理部13から読み出された画素データを処理する。以下に説明する欠陥画素の画素値の補正はここで行われる。
以下、本技術における欠陥画素の画素値の補正の原理について説明する。
図2は、画素の配列を説明する図である。同図に示されるように、画素アレイ部11においては、複数の画素がベイヤー(Bayer)配列されている。図2の横軸Xは、画素アレイ部11の水平方向の座標軸であり、縦軸Yは、画素アレイ部11の垂直方向の座標軸である。R,G,Bは、それぞれ赤、緑、青の画素を表している。第奇数行目では、左端からR,G,R,G,・・・と配列され、偶数行目では、左端からG,B,G,B・・・と配列されている。その結果、例えば左上の3×3個は、1行目が、R,G,R、2行目が、G,B,G、そして3行目が、R,G,Rの画素で構成されている。
図3は、欠陥画素を説明する図である。同図においては、上から3行目で、左から5列目のRの画素31が欠陥画素とされている。
図4は、周辺画素を説明する図である。図4においては、欠陥画素31と同じ水平線(ライン)上の画素であって、範囲61内の8個の画素が、欠陥画素31の周辺に位置する周辺画素とされる。周辺画素の第1のグループは、欠陥画素31より前にスキャンされる画素(図中、欠陥画素31より左側に示される画素)であって、欠陥画素31に近い方から順番に画素41乃至44というR,G,R,Gの4個の画素により構成される。第2のグループは、欠陥画素31より後にスキャンされる画素(図中、欠陥画素31より右側に示される画素)であって、欠陥画素31に近い方から順番に画素51乃至54というG,R,G,Rの4個の画素により構成されている。
図5は、座標軸を説明する図である。同図に示されるように、XY面と垂直なZ軸方向に画素値を表すものとする。
図6は、欠陥画素と周辺画素の画素値を説明する図である。図6の横軸Xは、画素アレイ部11の水平方向の画素の位置を表しており、縦軸Zは、各画素の画素値を表している。画素44,43,42,41は順次画素値が大きくなっている。画素51,52,43,54は、基本的に画素値が順次小さくなっているが、画素53は画素52の画素値より若干大きくなっている。欠陥画素31の画素値は、周辺の画素41乃至44,51乃至54の画素値より大きくなっている。
図7は、欠陥画素と周辺画素の画素値を説明する図である。図7においては、図6におけるRの画素が円の図形により、Gの画素が4角形の図形により表されている。そしてRの欠陥画素31はハッチングを施した円の図形により表されている。
図8は、欠陥画素と周辺画素の画素値を説明する図である。図8においては図7における各画素が一般化されて示されている。すなわち、欠陥画素31は、注目画素P31として表され、周辺画素である画素41乃至44は、画素P41乃至P44として表され、画素51乃至54は、画素P51乃至P54として表されている。
図9は、欠陥画素の画素値の予測を説明する図である。本技術においては、図9に示されるように、注目画素P31と同じ色の周辺画素である画素P44,P42と画素P54,P52から、注目画素31の予測画素81が予測される。つまり、画素P44と画素P42を結ぶ直線上に、注目画素31が位置しているものとして、予測画素P81の画素値が線形予測される。同様に、画素P54と画素P52を結ぶ直線上に、注目画素31が位置しているものとして、予測画素P81の画素値が線形予測される。2つの予測された画素値が異なる場合、両者の平均値、あるいは大きい方または小さい方が選択されて、予測された画素値とされる。この画素値が基本画素値Z0とされる。
図10は、注目画素と同じ色の周辺画素の変化量を説明する図である。本技術においては、注目画素P31と同じ色の周辺画素の変化量が演算される。具体的には、同じ色の画素P42とP44の画素値の差Sdf1が、変化量として演算される。同様に、同じ色の画素P52とP54の画素値の差Sdf2が、変化量として演算される。そして2つの変化量のうちの一方(例えば大きい方)が最終的な同色画素変化量Sdfとして選択される。
図11は、注目画素と異なる色の周辺画素の変化量を説明する図である。本技術においては、注目画素P31と異なる色の周辺画素の変化量が演算される。具体的には、異なる色の画素P41とP43の画素値の差Ddf1が、変化量として演算される。同様に、異なる色の画素P51とP53の画素値の差Ddf2が、変化量として演算される。そして2つの変化量のうちの一方(例えば大きい方)が最終的な異色画素変化量Ddfとして選択される。
図12は、変化量の合成を説明する図である。本技術においては、図9を参照して説明したように予測された予測画素P81の基本画素値Z0、図10を参照して説明したように演算された同色画素変化量Sdf、および図11を参照して説明したように演算された異色画素変化量Ddfが合成され、推定値V91とされる。そして画素値が推定値V91である画素が推定画素P91とされる。
図13は、注目画素の推定値の演算を説明する図である。同図に示されるように、基本画素値Z0に対して同色画素変化量Sdfが加算される。さらに基本画素値Z0と同色画素変化量Sdfの加算値に、異色画素変化量Ddfが加算され、推定値V91とされる。すなわち、推定画素P91の画素値である推定値V91は、基本画素値Z0、同色画素変化量Sdf、および異色画素変化量Ddfの和となる。
図14は、注目画素の補正を説明する図である。本技術においては、以上のようにして得られた推定画素P91により注目画素P31が補正される。具体的には、注目画素P31の画素値V31が、推定画素P91の画素値である推定値V91により置換される。ただしこの補正は、注目画素P31の画素値V31が推定値V91より大きいときに行われ、小さければ行われない。
ただし、注目画素P31の画素値V31が推定値V91より大きいときという条件は、図9に示されるように、基本画素値Z0が周辺画素の画素値より大きい場合の条件である。換言すれば、図9における画素P44,P42,P81,P52,P54を直線で結んで形成される形状が上方に突型になる場合の条件である。
図15は、欠陥画素の画素値の予測を説明する図である。画素P44,P42,P81,P52,P54を直線で結んで形成される形状が、図9に示されるように上方に突型になるのではなく、図15に示されるように下方に突になる場合がある。このように、基本画素値Z0が周辺画素の画素値より小さい場合、つまり画素P44,P42,P81,P52,P54を直線で結んで形成される形状が下方に突型になる場合には、次のように処理される。
この場合にも、図15に示されるように、予測画素P81の画素値が線形予測され、その画素値が基本画素値Z0とされる。また図10と図11に示された場合と同様に、同色画素変化量Sdfと異色画素変化量Ddfが演算される。
図16は、変化量の合成を説明する図である。この図16に示されるように、基本画素値Z0、同色画素変化量Sdf、および異色画素変化量Ddfが合成され、推定値V91が演算される。そして画素値が推定値V91である画素が推定画素P91とされる。
図17は、注目画素の推定値の演算を説明する図である。同図に示されるように、基本画素値Z0から同色画素変化量Sdfが減算される。さらに基本画素値Z0と同色画素変化量Sdfの差から、異色画素変化量Ddfがさらに減算され、推定値V91とされる。すなわち、推定画素P91の画素値である推定値V91は、基本画素値Z0から同色画素変化量Sdfと異色画素変化量Ddfを減算した値となる。換言すれば、推定値V91は、基本画素値Z0に対して同色画素変化量Sdfと異色画素変化量Ddfを逆極性で加算した値となる。
図18は、注目画素の推定値の演算を説明する図である。同図に示されるように、さらに推定画素P91により注目画素P31が補正される。具体的には、注目画素P31の画素値V31が、推定画素P91の画素値である推定値V91により置換される。ただしこの補正は、注目画素P31の画素値V31が推定値V91より小さいときに行われ、大きければ行われない。
図19は、欠陥画素補正処理部101の構成を示すブロック図である。この欠陥画素補正処理部101は、信号処理部17に含まれる。欠陥画素補正処理部101は、遅延回路111、推定値演算部112、比較回路113、および選択回路114により構成されている。
遅延回路111は、カラム処理部13から入力された画素値のデータを、図4の範囲61に含まれる画素数に対応するNクロック分だけ遅延し、保持する。この実施の形態の場合、Nは9とされる。すなわち画素P44乃至P41、注目画素P31、画素P51乃至P54が保持される。推定値演算部112は、遅延回路111に保持された画素値に基づいて、上述した推定値V91を演算する。選択回路114は、遅延回路111より出力された注目画素P31の画素値V31と、推定値演算部112により演算された推定値V91の一方を選択し、出力する。比較回路113は、遅延回路111より出力された注目画素P31の画素値V31と、推定値演算部112により演算された推定値V91を比較し、比較結果に基づいて、選択回路114の選択を制御する。選択回路114は、比較回路113から信号YESが入力されたとき、推定値V91を選択し、信号NOが入力されたとき、画素値V31を選択する。
図20は、推定値演算部112の機能的構成を示すブロック図である。推定値演算部112は、基本画素値演算部151、同色画素変化量演算部152、異色画素変化量演算部153、合成部154、および判定部155を有している。各部は必要に応じてデータを授受することができる。
基本画素値演算部151は上述した基本画素値Z0を演算する。同色画素変化量演算部152は、上述した同色画素変化量Sdfを演算し、異色画素変化量演算部153は、上述した異色画素変化量Ddfを演算する。合成部154は、基本画素値Z0、同色画素変化量Sdf、および異色画素変化量Ddfを合成して、推定値V91を演算する。判定部155は、基本画素値Z0が周辺画素の画素値より大きい値であるかを判定する。
図21は、欠陥画素補正処理部101の処理を説明するフローチャートである。以下、この図21のフローチャートを参照して、欠陥画素補正処理部101の処理を説明する。
ステップS1において遅延回路111は、入力された画素値のデータを9画素分順次遅延、保持して出力する。遅延された画素データは順次選択回路114に供給される。欠陥画素が検出されない場合、比較回路113は信号NOを出力して、選択回路114を制御し、遅延回路111から入力された画素データをそのまま後段に出力する。遅延回路111により保持された9個の画素値のデータは推定値演算部112に供給される。
ステップS2において推定値演算部112の基本画素値演算部151は、周辺の同色画素の画素値の傾きから基本画素値Z0を演算する。すなわち、図9と図15を参照して説明したように、注目画素P31の予測画素P81が線形予測され、その基本画素値Z0が求められる。
ステップS3において同色画素変化量演算部152は、周辺の同色画素の画素値から同色画素変化量Sdfを演算する。すなわち図10を参照して説明した同色画素変化量Sdfが求められる。
ステップS4において異色画素変化量演算部153は、周辺の異色画素の画素値から異色画素変化量Ddfを演算する。すなわち図11を参照して説明した異色画素変化量Ddfが求められる。
ステップS5において合成部154は、基本画素値Z0、同色画素変化量Sdf、および異色画素変化量Ddfを合成し、推定値V91を演算する。すなわち、図12と図13、並びに図16と図17を参照して説明したようにして、推定値V91が演算される。
ステップS6において判定部155は、基本画素値Z0が周辺画素の画素値より大きいかを判定する。基本画素値Z0が周辺画素の画素値より大きい場合、判定部155は比較回路113を制御し、画素値V31が推定値V91より大きいとき、信号YESを出力させ、小さいとき、信号NOを出力させる。
逆に、基本画素値Z0が周辺画素の画素値より小さい場合、判定部155は比較回路113を制御し、画素値V31が推定値V91より小さいとき、信号YESを出力させ、大きいとき、信号NOを出力させる。
信号YESは、選択回路114に推定値V91を選択させる信号であり、信号NOは、選択回路114に画素値V31を選択させる信号である。
そこでステップS6において基本画素値Z0が周辺画素の画素値より大きいと判定された場合、ステップS7において比較回路113は、注目画素P31の画素値V31と推定画素P91の推定値V91とを比較し、画素値V31が推定値V91より大きいかを判定する。画素値V31が推定値V91より大きい場合、比較回路113から信号YESが出力されるので、ステップS9において選択回路114は、推定値演算部112が出力した推定値V91を選択して出力する。つまり、画素値V31を推定値V91に置換する処理が行われる。画素値V31が推定値V91より大きくない場合、ステップS9の置換処理は行われない。つまり、比較回路113は信号NOを出力し、選択回路114は画素値V31を選択し、出力する。
一方ステップS6において基本画素値Z0が周辺画素の画素値より大きくないと判定された場合、ステップS8において比較回路113は、注目画素P31の画素値V31と推定画素P91の推定値V91とを比較し、画素値V31が推定値V91より小さいかを判定する。画素値V31が推定値V91より小さい場合、比較回路113から信号YESが出力されるので、ステップS9において選択回路114は、推定値演算部112が出力した推定値V91を選択して出力する。つまり、画素値V31を推定値V91に置換する処理が行われる。画素値V31が推定値V91より小さくない場合、ステップS9の置換処理は行われない。つまり、比較回路113は信号NOを出力し、選択回路114は画素値V31を選択し、出力する。
以上のようにしてライン単位で欠陥画素の画素値が補正される。異色画素変化量Ddfに基づいて推定値を演算しているので、偽色現象の発生が抑制され、色を正確に表すことが可能になる。
なお、主として偽色現象の発生の抑制だけを意図する場合、推定値V91の演算に、同色画素変化量Sdfの利用を省略することもできる。
図22は、ライン単位で蓄積時間が異なる場合を説明する図である。被写体の空間周波数成分が異なる場合、ライン単位で画素データの蓄積時間が異なることがある。図22の例では、3角、菱形、円、および正方形で表される4色の画素で画像が表示される。そして第1番目、第3番目、第5番目のラインの画素データは長時間蓄積され、第2番目、第4番目のラインの画素データは短時間蓄積される。このような場合、複数ラインの画素データ(例えば3×3個の画素データ)から欠陥画素を検出し、その画素値を補正する補正画素値を生成するような場合、蓄積時間の制御が困難になり、多くのパラメータが必要となり、アルゴリズムが複雑となる。
しかしながら本技術の場合、補正に利用される周辺画素は注目画素と同じライン上の画素とされている。従って、このような場合でも、簡単に欠陥画素を検出し、補正画素値を演算することができる。その結果、アルゴリズムも簡単でよく、信号処理も複雑にならない。
その結果、ゲインや撮影条件などのシーンに応じた閾値を設定する必要が無く、パラメータを少なくすることができる。輝度、ショットノイズ、異色信号量を考慮した推定値を算出することで、画質を保持したまま、精度良く欠陥検出や欠陥補正を行うことができる。欠陥画素の位置や補正値を予めメモリに記憶しておかなくとも、十分な欠陥検出や欠陥補正を行うことができる。
以上においては本技術をイメージセンサに応用した場合を例として説明したが、本技術は、ラインセンサ、ディスプレイなどの画像処理装置にも応用することが可能である。
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることができる。
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、記憶部16に、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
なお、本明細書において、プログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
本技術は、以下のような構成もとることができる。
(1)
入力された画素値を保持する保持部と、
前記保持部により保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値を演算する基本画素値演算部と、
前記周辺画素であって、前記注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量を演算する異色画素変化量演算部と、
前記基本画素値と前記異色画素変化量とを合成して、前記注目画素の画素値の推定値を演算する合成部と、
前記注目画素の画素値を前記推定値により補正する補正部と
を備える画像処理装置。
(2)
前記異色画素変化量演算部は、前記注目画素と同じライン上の前記注目画素より前の異なる色の複数の画素の画素値の差、または前記注目画素と同じ前記ライン上の前記注目画素より後の異なる色の複数の画素の画素値の差を、前記異色画素変化量とする
前記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
前記異色画素変化量演算部は、前記注目画素より前の異なる色の複数の画素の画素値の差と、前記注目画素より後の異なる色の複数の画素の画素値の差のうち、大きい方を、前記異色画素変化量とする
前記(1)または(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の画素の画素値の変化量である同色画素変化量を演算する同色画素変化量演算部をさらに備え、
前記合成部は、前記基本画素値、前記異色画素変化量、および前記同色画素変化量を合成して、前記推定値を演算する
前記(1)、(2)または(3)に記載の画像処理装置。
(5)
前記同色画素変化量演算部は、前記注目画素と同じライン上の前記注目画素より前の同じ色の複数の画素の画素値の差、または前記注目画素と同じ前記ライン上の前記注目画素より後の同じ色の複数の画素の画素値の差を、前記同色画素変化量とする
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の画像処理装置。
(6)
前記同色画素変化量演算部は、前記注目画素より前の同じ色の複数の画素の画素値の差と、前記注目画素より後の同じ色の複数の画素の画素値の差のうち、大きい方を、前記同色画素変化量とする
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の画像処理装置。
(7)
前記補正部は、前記基本画素値が前記周辺画素の画素値より大きい場合、前記注目画素の画素値が前記推定値より大きければ前記注目画素の画素値を補正し、前記基本画素値が前記周辺画素の画素値より小さい場合、前記注目画素の画素値が前記推定値より小さければ前記注目画素の画素値を補正する
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の画像処理装置。
(8)
前記画像処理装置は、イメージセンサである
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の画像処理装置。
(9)
入力された画素値を保持する保持ステップと、
前記保持ステップの処理により保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値を演算する基本画素値演算ステップと、
前記周辺画素であって、前記注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量を演算する異色画素変化量演算ステップと、
前記基本画素値と前記異色画素変化量とを合成して、前記注目画素の画素値の推定値を演算する合成ステップと、
前記注目画素の画素値を前記推定値により補正する補正ステップと
を含む画像処理方法。
(10)
入力された画素値を保持する保持ステップと、
前記保持ステップの処理により保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値を演算する基本画素値演算ステップと、
前記周辺画素であって、前記注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量を演算する異色画素変化量演算ステップと、
前記基本画素値と前記異色画素変化量とを合成して、前記注目画素の画素値の推定値を演算する合成ステップと、
前記注目画素の画素値を前記推定値により補正する補正ステップと
をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体。
(11)
入力された画素値を保持する保持ステップと、
前記保持ステップの処理により保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値を演算する基本画素値演算ステップと、
前記周辺画素であって、前記注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量を演算する異色画素変化量演算ステップと、
前記基本画素値と前記異色画素変化量とを合成して、前記注目画素の画素値の推定値を演算する合成ステップと、
前記注目画素の画素値を前記推定値により補正する補正ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
(1)
入力された画素値を保持する保持部と、
前記保持部により保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値を演算する基本画素値演算部と、
前記周辺画素であって、前記注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量を演算する異色画素変化量演算部と、
前記基本画素値と前記異色画素変化量とを合成して、前記注目画素の画素値の推定値を演算する合成部と、
前記注目画素の画素値を前記推定値により補正する補正部と
を備える画像処理装置。
(2)
前記異色画素変化量演算部は、前記注目画素と同じライン上の前記注目画素より前の異なる色の複数の画素の画素値の差、または前記注目画素と同じ前記ライン上の前記注目画素より後の異なる色の複数の画素の画素値の差を、前記異色画素変化量とする
前記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
前記異色画素変化量演算部は、前記注目画素より前の異なる色の複数の画素の画素値の差と、前記注目画素より後の異なる色の複数の画素の画素値の差のうち、大きい方を、前記異色画素変化量とする
前記(1)または(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の画素の画素値の変化量である同色画素変化量を演算する同色画素変化量演算部をさらに備え、
前記合成部は、前記基本画素値、前記異色画素変化量、および前記同色画素変化量を合成して、前記推定値を演算する
前記(1)、(2)または(3)に記載の画像処理装置。
(5)
前記同色画素変化量演算部は、前記注目画素と同じライン上の前記注目画素より前の同じ色の複数の画素の画素値の差、または前記注目画素と同じ前記ライン上の前記注目画素より後の同じ色の複数の画素の画素値の差を、前記同色画素変化量とする
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の画像処理装置。
(6)
前記同色画素変化量演算部は、前記注目画素より前の同じ色の複数の画素の画素値の差と、前記注目画素より後の同じ色の複数の画素の画素値の差のうち、大きい方を、前記同色画素変化量とする
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の画像処理装置。
(7)
前記補正部は、前記基本画素値が前記周辺画素の画素値より大きい場合、前記注目画素の画素値が前記推定値より大きければ前記注目画素の画素値を補正し、前記基本画素値が前記周辺画素の画素値より小さい場合、前記注目画素の画素値が前記推定値より小さければ前記注目画素の画素値を補正する
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の画像処理装置。
(8)
前記画像処理装置は、イメージセンサである
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の画像処理装置。
(9)
入力された画素値を保持する保持ステップと、
前記保持ステップの処理により保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値を演算する基本画素値演算ステップと、
前記周辺画素であって、前記注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量を演算する異色画素変化量演算ステップと、
前記基本画素値と前記異色画素変化量とを合成して、前記注目画素の画素値の推定値を演算する合成ステップと、
前記注目画素の画素値を前記推定値により補正する補正ステップと
を含む画像処理方法。
(10)
入力された画素値を保持する保持ステップと、
前記保持ステップの処理により保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値を演算する基本画素値演算ステップと、
前記周辺画素であって、前記注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量を演算する異色画素変化量演算ステップと、
前記基本画素値と前記異色画素変化量とを合成して、前記注目画素の画素値の推定値を演算する合成ステップと、
前記注目画素の画素値を前記推定値により補正する補正ステップと
をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体。
(11)
入力された画素値を保持する保持ステップと、
前記保持ステップの処理により保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値を演算する基本画素値演算ステップと、
前記周辺画素であって、前記注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量を演算する異色画素変化量演算ステップと、
前記基本画素値と前記異色画素変化量とを合成して、前記注目画素の画素値の推定値を演算する合成ステップと、
前記注目画素の画素値を前記推定値により補正する補正ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
1 画像処理装置, 11 画素アレイ部, 12 垂直駆動部, 13 カラム処理部, 14 水平駆動部, 15 制御部, 16 記憶部, 17 信号処理部, 101 欠陥画素補正処理部, 111 遅延回路, 112 推定値演算部, 113 比較回路, 114 選択回路, 151 基本画素値演算部, 152 同色画素変化量演算部, 153 異色画素変化量演算部, 154 合成部, 155 判定部
Claims (11)
- 入力された画素値を保持する保持部と、
前記保持部により保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値を演算する基本画素値演算部と、
前記周辺画素であって、前記注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量を演算する異色画素変化量演算部と、
前記基本画素値と前記異色画素変化量とを合成して、前記注目画素の画素値の推定値を演算する合成部と、
前記注目画素の画素値を前記推定値により補正する補正部と
を備える画像処理装置。 - 前記異色画素変化量演算部は、前記注目画素と同じライン上の前記注目画素より前の異なる色の複数の画素の画素値の差、または前記注目画素と同じ前記ライン上の前記注目画素より後の異なる色の複数の画素の画素値の差を、前記異色画素変化量とする
請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記異色画素変化量演算部は、前記注目画素より前の異なる色の複数の画素の画素値の差と、前記注目画素より後の異なる色の複数の画素の画素値の差のうち、大きい方を、前記異色画素変化量とする
請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の画素の画素値の変化量である同色画素変化量を演算する同色画素変化量演算部をさらに備え、
前記合成部は、前記基本画素値、前記異色画素変化量、および前記同色画素変化量を合成して、前記推定値を演算する
請求項3に記載の画像処理装置。 - 前記同色画素変化量演算部は、前記注目画素と同じライン上の前記注目画素より前の同じ色の複数の画素の画素値の差、または前記注目画素と同じ前記ライン上の前記注目画素より後の同じ色の複数の画素の画素値の差を、前記同色画素変化量とする
請求項4に記載の画像処理装置。 - 前記同色画素変化量演算部は、前記注目画素より前の同じ色の複数の画素の画素値の差と、前記注目画素より後の同じ色の複数の画素の画素値の差のうち、大きい方を、前記同色画素変化量とする
請求項5に記載の画像処理装置。 - 前記補正部は、前記基本画素値が前記周辺画素の画素値より大きい場合、前記注目画素の画素値が前記推定値より大きければ前記注目画素の画素値を補正し、前記基本画素値が前記周辺画素の画素値より小さい場合、前記注目画素の画素値が前記推定値より小さければ前記注目画素の画素値を補正する
請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、イメージセンサである
請求項7に記載の画像処理装置。 - 入力された画素値を保持する保持ステップと、
前記保持ステップの処理により保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値を演算する基本画素値演算ステップと、
前記周辺画素であって、前記注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量を演算する異色画素変化量演算ステップと、
前記基本画素値と前記異色画素変化量とを合成して、前記注目画素の画素値の推定値を演算する合成ステップと、
前記注目画素の画素値を前記推定値により補正する補正ステップと
を含む画像処理方法。 - 入力された画素値を保持する保持ステップと、
前記保持ステップの処理により保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値を演算する基本画素値演算ステップと、
前記周辺画素であって、前記注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量を演算する異色画素変化量演算ステップと、
前記基本画素値と前記異色画素変化量とを合成して、前記注目画素の画素値の推定値を演算する合成ステップと、
前記注目画素の画素値を前記推定値により補正する補正ステップと
をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体。 - 入力された画素値を保持する保持ステップと、
前記保持ステップの処理により保持された画素値の注目画素の周辺に位置する周辺画素であって、前記注目画素と同じ色の複数の画素の画素値から基本画素値を演算する基本画素値演算ステップと、
前記周辺画素であって、前記注目画素と異なる色の画素の画素値の変化量である異色画素変化量を演算する異色画素変化量演算ステップと、
前記基本画素値と前記異色画素変化量とを合成して、前記注目画素の画素値の推定値を演算する合成ステップと、
前記注目画素の画素値を前記推定値により補正する補正ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
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