JP2012209163A - 湿式太陽電池用の酸化チタン層が形成された基板の製造方法 - Google Patents

湿式太陽電池用の酸化チタン層が形成された基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】割れにくい酸化チタン層を形成するために、多層の酸化チタン塗膜からなる酸化チタン層を形成する場合において、各塗膜間の密着性を高く(塗膜間での剥離を抑制し)、しかも、湿式太陽電池を製造した場合に光電変換効率を向上させることができる酸化チタン層の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板上に酸化チタン塗膜を形成した後に、形成された酸化チタン塗膜の表面粗さ(Ra)を0.2〜0.5μmとなるように表面を粗す工程と、表面粗さが0.2〜0.5μmとなるように表面を粗した酸化チタン塗膜上に、他の酸化チタン塗膜を形成する工程とを繰り返し行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、色素増感太陽電池等の光電変換素子に用いられる酸化チタン層が形成された基板の製造方法に関する。
太陽電池は、環境にやさしい発電デバイスとして注目されており、pn接合を利用したシリコン系半導体が広く知られている。しかし、シリコン系太陽電池は製造に際して高真空・高温が必要であり、低コスト化が難しく、普及が妨げられていた。
より低コストの太陽電池の開発が待たれる中、色素を修飾した二酸化チタン等を活性電極に用いた色素増感太陽電池に代表される湿式太陽電池がグレッツェルらによって報告された(特許文献1参照)。湿式太陽電池は、安価で容易に製造できる太陽電池として注目を集めている。
しかし、湿式太陽電池用負極に用いられる酸化チタン層は、1層の酸化チタン塗膜からなる構成とすると、焼成時に収縮し、割れやすいという問題があった。この問題を解決するために、通常、酸化チタン層は、2層以上の酸化チタン塗膜を積層することで得られている。例えば、非特許文献1では、酸化チタン塗膜を形成後、成膜性を向上させるためにレベリングすることにより表面を平滑化し、さらに、125℃の加熱処理により平滑化した形状を維持した後に、その上に他の酸化チタン塗膜を形成している。
特公平8−15097号公報
しかし、上記のようにレベリング処理により表面を平滑化した場合、各酸化チタン塗膜同士の密着性が低く、加熱処理による溶媒除去時に、各酸化チタン塗膜が収縮することにより酸化チタン塗膜の剥離が発生し、光電変換効率低下の要因となっていた。特に、活性表面積の大きくして変換効率を向上させるために、平均粒子径の小さい酸化チタンを用いて酸化チタン塗膜を形成した場合には、粘度が高くなるため、剥離が発生する傾向が顕著であった。
そのため、本発明は、割れにくい酸化チタン層を形成するために、多層の酸化チタン塗膜からなる酸化チタン層を形成する場合において、各塗膜間の密着性を高く(塗膜間での剥離を抑制し)、しかも、湿式太陽電池を製造した場合に光電変換効率を向上させることができる、酸化チタン層の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的に鑑み、鋭意検討した結果、2層目以降の酸化チタン塗膜を形成する前に、最表面の酸化チタン塗膜の表面粗さが0.2〜0.5μmとなるように表面を粗すことにより、上記課題を解決した酸化チタン層が形成された基板が得られることを見出した。本発明は、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、完成されたものである。すなわち、本発明は以下の構成を包含する。
項1.基板の一方面上に、2層以上の酸化チタン塗膜を順次形成させて、湿式太陽電池用酸化チタン層を製造する方法であって、
(1)基板上に酸化チタン塗膜を形成する工程、
(2)形成された酸化チタン塗膜の表面粗さ(Ra)が0.2〜0.5μmとなるように表面を粗す工程、及び
(3)表面粗さが0.2〜0.5μmとなるように表面を粗した酸化チタン塗膜上に、他の酸化チタン塗膜を形成する工程
を備え、且つ、工程(2)及び(3)を繰り返し行う、方法。
項2.各酸化チタン塗膜は、酸化チタンナノ粒子を含有し、且つ、該酸化チタンナノ粒子の平均粒子径が、3〜100nmである項1に記載の湿式太陽電池用の酸化チタン層を製造する方法。
項3.前記工程(2)が、形成された酸化チタン塗膜に、鋳型形成法又はスクラッチ法を施す工程である、項1又は2に記載の湿式太陽電池用の酸化チタン層を製造する方法。
項4.前記工程(1)が、
(1−1)基板上に、酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物を塗布する工程
を備える、項1〜3のいずれかに記載の湿式太陽電池用の酸化チタン層を製造する方法。
項5.前記工程(3)が、
(3−1)形成された酸化チタン塗膜上に、酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物を塗布する工程
を備える、項1〜4のいずれかに記載の湿式太陽電池用の酸化チタン層を製造する方法。
項5−1.前記工程(1)において、酸化チタン塗膜を形成する方法が、スクリーン印刷である、項1〜5のいずれかに記載の湿式太陽電池用の酸化チタン層を製造する方法。
項5−2.前記工程(3)において、酸化チタン塗膜を形成する方法が、スクリーン印刷である、項1〜5−1のいずれかに記載の湿式太陽電池用の酸化チタン層を製造する方法。
項5−3.前記工程(2)及び(3)を2〜10回繰り返す、項1〜5−2のいずれかに記載の湿式太陽電池用の酸化チタン層を製造する方法。
項5−4.酸化チタン層の総厚みが、2〜30μmである、項1〜5−3のいずれかに記載の湿式太陽電池用の酸化チタン層を製造する方法。
項6.湿式太陽電池用電極を製造する方法であって、
(4)項1〜5−4のいずれかに記載の方法により製造された湿式太陽電池用の酸化チタン層に色素を担持する工程
を備える、方法。
項7.湿式太陽電池の製造方法であって、
(5)項6に記載の電極の酸化チタン層の上に対向電極を形成し、これら電極間に電解液を注入して封止する工程
を備える、方法。
本発明によれば、各塗膜間の密着性を高く(塗膜間での剥離を抑制し)、しかも、湿式太陽電池を製造した場合に光電変換効率を向上させることができる、2層以上の酸化チタン塗膜からなる酸化チタン層が形成された基板を製造できる。
1.酸化チタン層
本発明の酸化チタン層は、2層以上の酸化チタン塗膜を順次形成させて得られるものである。この酸化チタン層は、色素増感太陽電池に代表される湿式太陽電池の負極用に使用されるものであって、
(1)基板上に酸化チタン塗膜を形成する工程、
(2)形成された酸化チタン塗膜の表面粗さ(Ra)が0.2〜0.5μmとなるように表面を粗す工程、及び
(3)表面粗さが0.2〜0.5μmとなるように表面を粗した酸化チタン塗膜上に、他の酸化チタン塗膜を形成する工程
を備え、且つ、工程(2)及び(3)を繰り返し行う方法により得られる。
なお、本発明において、「酸化チタン」又は「チタニア」とは、二酸化チタン(TiO)のみを指すものではなく、三酸化二チタン(Ti);一酸化チタン(TiO);Ti、Ti等に代表される二酸化チタンから酸素欠損した組成のもの等も含む概念である。また、末端OH基に代表されるように一部酸化チタンの合成に起因するTi−O−Ti以外の基を含んでいてもよい。
また、本発明において、酸化チタン層は、二層以上の酸化チタン塗膜を順次形成させて得られるものであるが、後述の基板に近い側から順に1層目、2層目と呼ぶ。
以下、各工程について、説明する。
1−1.工程(1)
工程(1)では、基板上に1層目の酸化チタン塗膜を形成する。具体的には、
(1−1)基板上に、1層目の酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物を塗布する工程
により、1層目の酸化チタン塗膜を形成することができる。
<工程(1−1):塗布工程>
基板
基板としては、特に制限はなく、常温において平滑な面を有するものであり、その面は平面及び曲面のいずれでもよく、また応力によって変形するものでもよい。使用できる基板の具体例としては、例えば、各種ガラス、及びPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等の透明樹脂等に透明導電機能が付与されたものが挙げられる。ただし、300℃以上の高温で焼成する場合は、ガラス基板を用いるのが好ましい。
1層目の酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物
1層目の酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物は、酸化チタンナノ粒子を含有する。
酸化チタンナノ粒子としては、特に制限はなく、公知又は市販のものを使用すればよい。
酸化チタンナノ粒子の結晶構造としては、とくに制限されるわけではないが、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン及びブルッカイト型酸化チタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましく、光に対する活性が高い点から、アナターゼ型酸化チタンを含むものがより好ましい。また、酸化チタンナノ粒子の結晶構造は、必ずしも1種のみである必要はなく、結晶構造の異なる2種以上の酸化チタンナノ粒子を混合してもよい。結晶構造の異なる2種以上の酸化チタンナノ粒子を混合する場合には、アナターゼ型酸化チタンと、ルチル型酸化チタン及び/又はブルッカイト型酸化チタンとを混合することが好ましく、この場合には、アナターゼ型酸化チタンを70〜95重量%(特に90〜95重量%)含ませればよい。なお、チタニアナノ粒子の結晶構造は、例えば、X線回折法、ラマン分光分析等により測定することができる。
酸化チタンナノ粒子の平均粒子径は、より多くの色素を吸着し、光を吸収できる点から、1〜500nmが好ましく、3〜100nmがより好ましい。また、酸化チタンナノ粒子としては、平均粒子径の異なる2種以上の酸化チタンナノ粒子を混合してもよい。特に、電池内部への光閉じ込め効果の観点から、平均粒子径が小さい(3〜100nm程度)酸化チタンナノ粒子とともに、平均粒子径が大きく(100〜600nm程度)光散乱の大きい酸化チタンナノ粒子を併用してもよい。また、平均粒子径が小さい(3〜100nm程度)酸化チタンナノ粒子を使用すれば、酸化チタン塗膜の粘度が大きくなる(100〜200mPa・s程度)。この場合には、酸化チタン塗膜の粘度が小さい場合と比較し、各酸化チタン塗膜同士がより剥離しやすいが、この場合でも、本発明の製造方法を採用することで、各酸化チタン塗膜同士の剥離を抑制することができる。ここで使用できる小さい酸化チタンナノ粒子の平均粒子径としては、3〜100nmが好ましいものであるが、より好ましくは3〜50nm、さらに好ましくは3〜30nmである。なお、酸化チタンナノ粒子の平均粒子径は、例えば、電子顕微鏡(SEM)観察等により測定することができる。
1層目の酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物において、固形分である酸化チタンナノ粒子の含有量は、塗布時の流動性と塗布後の厚みのバランスをとり、該酸化チタン塗膜のポアサイズを制御できる点から、5〜40重量%が、特に8〜20重量%が好ましい。
また、1層目の酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物の溶媒としては、水、有機溶媒等を用いることができる。
有機溶媒としては、酸化チタンナノ粒子を分散できるものであれば、特に限定はない。例えば、エタノール、メタノール、テルピネオール(特にα−テルピネオール)等のアルコール類;エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類等を用いることができる。これらの溶媒は、分散性、揮発性及び粘度を考慮し、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。好ましい具体例は、テルピネオール(特にα−テルピネオール)である。1層目の酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物中の溶媒の割合としては、塗布時に流動性を持たせる点と塗布後の厚みを保持する点、また多孔質の酸化チタン塗膜を形成する点から、30〜80重量%が、特に60〜75重量%が好ましい。
分散液の成分として、上記の溶媒以外に、増粘剤等を含んでもよい。
増粘剤としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース等のアルキルセルロース等が挙げられる。なかでも、エチルセルロースを好適に用いることができる。
1層目の酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物中の増粘剤の割合としては、塗布時の流動性と塗布後の厚みのバランスの点から、5〜20重量%が、特に6〜15重量%が好ましい。
塗布方法
塗布方法は特に制限はなく、スクリーン印刷、ドクターブレード、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、スキージ法等の常法を採用すればよいが、欠陥の無い良質な成膜性、膜厚制御及び高いスループットが実現可能な点から、スクリーン印刷を採用するのが好ましい。
本発明では、塗布後、塗膜中のピンホール、紗跡残り等を除去するために、レベリング処理を施すことが好ましい。レベリング処理とは、特に制限されないが、例えば、10〜60℃で5秒〜5分間放置すればよい。これにより、平滑な塗工膜が得られる。
1−2.工程(2)
上記のように、工程(1)で形成された酸化チタン塗膜は、平滑な表面を有する塗膜なので、このまま2層目以降の塗膜を形成すると、1層目と2層目の酸化チタン塗膜同士の密着性が低い。このため、加熱処理による溶媒除去時に、各酸化チタン塗膜が収縮することにより酸化チタン塗膜の剥離が発生し、光電変換効率が低下してしまう。この傾向は、特に、平均粒子径の小さい酸化チタンを用いて酸化チタン塗膜を形成した場合には、粘度が高くなるため顕著である。このため、光吸収性が高いはずの平均粒子径が小さい酸化チタンナノ粒子の使用が妨げられていた。本発明では、このような問題点を解決するために、
(2)形成された酸化チタン塗膜の表面粗さ(Ra)を0.2〜0.5μmとなるように表面を粗す工程
を施す。
これにより、酸化チタン塗膜の表面が適度に粗されるため、酸化チタン塗膜同士の密着性が高まり、酸化チタン塗膜が剥離しにくくなる。そのため、光吸収性の高い、平均粒子径が小さい酸化チタンナノ粒子を使用できるため、最終的に光電変換効率を向上させることができる。
工程(2)において、表面を粗した後の表面粗さは、0.2〜0.5μm、好ましくは0.2〜0.4μm、より好ましくは0.2〜0.3μmである。表面粗さが0.2μm未満では、酸化チタン塗膜表面が平滑すぎて、隣接する酸化チタン塗膜との間の密着性が低く、溶媒除去時に酸化チタン塗膜が剥離しやすいため、光電変換効率が低下する。一方、表面粗さが0.5μmをこえると、超えた部分を起点として酸化チタン塗膜にクラックが発生し、膜剥れの原因となる。表面粗さ(Ra)とは、JIS B0601−1982において定義されている二次元的な表面粗さの程度を表す値であり、JIS B0601−1982にしたがって測定できる。なお、レベリング処理のみを施し、表面を粗さなかった場合、酸化チタン塗膜の表面粗さ(Ra)は0.07μm程度である。
工程(2)において、酸化チタン塗膜の表面を粗す方法としては、特に制限されない。例えば、鋳型形成法、スクラッチ法等を採用できる。
鋳型形成法とは、半固体状の酸化チタン塗膜上に、所望の凹凸を有する研磨紙等を静置し、その後これを剥離した後に乾燥する方法である。これにより、当該研磨紙が有するのと同じ凹凸を酸化チタン塗膜上に形成させることができる。
具体的には、酸化チタン塗膜の表面粗さ(Ra)を0.2μm程度にする場合は6000番の紙やすりを、表面粗さ(Ra)を0.5μm程度にする場合は2000番の紙やすりを、それぞれ酸化チタン塗膜上に静置すればよい。
上記のように、一度研磨紙等を静置してから剥離すれば、所望の表面粗さを有する酸化チタン塗膜が得られる。この形状を維持するために、酸化チタン塗膜を乾燥させることが好ましい。
乾燥条件は、特に制限されないが、25〜250℃、好ましくは50〜150℃にて1〜120分間、好ましくは5〜15分間とすればよい。
また、スクラッチ法とは、酸化チタン塗膜を乾燥させてから、所望の凹凸を有する研磨紙等で粗面化する方法である。これにより、当該研磨紙が有する凹凸に応じた凹凸を酸化チタン塗膜上に形成させることができる。
乾燥条件は、特に制限されないが、25〜250℃、好ましくは50〜150℃にて1〜120分間、好ましくは5〜15分間とすればよい。
具体的には、酸化チタン塗膜の表面粗さ(Ra)を0.2μm程度にする場合は6000番の紙やすりで、表面粗さ(Ra)を0.5μm程度にする場合は2000番の紙やすりで、それぞれ酸化チタン塗膜を粗面化すればよい。
本発明において、酸化チタン塗膜の表面を粗す方法としては、上記の鋳型形成法及びスクラッチ法に限定されず、表面粗さ(Ra)を0.2〜0.5μmとできるものであればよい。例えば、上記の鋳型形成法及びスクラッチ法以外にも、テープ剥がし法、エッチング法等も採用できる。
1−3.工程(3)
本発明では、上記の工程(2)の後、
(3)表面粗さが0.2〜0.5μmとなるように表面を粗した酸化チタン塗膜上に、他の酸化チタン塗膜を形成する工程
により、2層目以降の酸化チタン塗膜を形成する。
具体的には、
(3−1)形成された酸化チタン塗膜上に、酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物を塗布する工程
により、2層目以降の酸化チタン塗膜を形成すればよい。
ここで使用する酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物は、上述した1層目の酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物と同様とすればよい。つまり、使用する酸化チタンナノ粒子、溶媒、増粘剤、塗布方法、レベリング処理の方法等について、上述した1層目の酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物と同様とすればよい。
なお、酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物は、各層で異なるものを用いてもよいし、同一のものを用いてもよい。
1−4.酸化チタン層の形成
本発明では、上述した工程(2)及び(3)を繰り返し行うことで、2層以上の酸化チタン塗膜を順次積層させた酸化チタン層が得られる。なお、本発明では、酸化チタン層の際表層となる最後の酸化チタン塗膜については、表面を粗す処理は不要である。
工程(2)及び工程(3)を繰り返し行う回数は、2〜10回が好ましく、3〜7回がより好ましい。
なお、工程(2)及び(3)を繰り返し行う回数は、使用する色素の種類、使用する酸化チタンナノ粒子の平均粒子径、使用する電解液の組成等によって適宜調整することが好ましい。例えば、使用する色素がルテニウム錯体色素(N−719;RuL(NCS))、酸化チタンナノ粒子の平均粒子径が20nm、電解液の組成が0.6mol/lのヨウ化リチウムと0.06mol/lのヨウ素、0.5mol/lの4−ターシャルブチルピリジンを含むアセトニトリル溶液である場合には、3〜4回(酸化チタン層を構成する酸化チタン塗膜は4〜5層)が好ましい。
このようにして基板上に形成される酸化チタン層の総厚みは、太陽電池電極として用いる場合にはより多くの入射光を吸収できるよう、なるべく厚い方が良いが、電解質が電極膜深部まで浸透するため又は均質で良好な成膜性の確保の点からは、なるべく薄い方が良い点から、2〜30μmが好ましく、10〜20μmがより好ましく、10〜15μmがさらに好ましい。
2.電極
湿式太陽電池用の電極を形成する際には、
(4)上述の酸化チタン層に色素を担持する工程
を経ればよい。具体的には、本発明の酸化チタン層を、樹脂基板又はガラス基板(特に、樹脂基板又はガラス基板からなる透明基板)の上に形成し、色素を担持させる。ただし、300℃以上の温度で焼成する場合は、ガラス基板を用いるのが好ましい。
樹脂基板としては、透明であれば特に制限されないが、例えば、ポリエチレンナフタレート樹脂基板(PEN樹脂基板)、ポリエチレンテレフタレート樹脂基板(PET樹脂基板)等のポリエステル;ポリアミド;ポリスルホン;ポリエーテルサルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリフェニレンサルファイド;ポリカーボネート;ポリイミド;ポリメチルメタクリレート;ポリスチレン;トリ酢酸セルロース;ポリメチルペンテン等が挙げられる。
ガラス基板としても特に制限はなく、公知又は市販のものを使用すればよく、無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等のいずれでもよい。
この樹脂基板又はガラス基板としては、板厚が0.05〜10mm程度のものを使用すればよい。
本発明では、酸化チタン層は、樹脂基板又はガラス基板の表面上に直接形成されていてもよいが、透明導電膜を介して形成されていてもよい。
透明導電膜としては、例えば、スズドープ酸化インジウム膜(ITO膜)、フッ素ドープ酸化スズ膜(FTO膜)、アンチモンドープ酸化スズ膜(ATO膜)アルミニウムドープ酸化亜鉛膜(AZO膜)、ガリウムドープ酸化亜鉛膜(GZO膜)等が挙げられる。これらの透明導電膜を介することで、樹脂基板又はガラス基板側から集電する(フロントコンタクト)構造の場合には、発生した電流を外部にとりだすことが容易となる。これらの透明導電膜の膜厚は、0.02〜10μm程度とするのが好ましい。
上述のように、樹脂基板又はガラス基板上に本発明の酸化チタン層を形成した後、色素を吸着させればよい。
色素は、可視域や近赤外域に吸収特性を有し、酸化チタン層の光吸収効率を向上(増感)させる色素であれば特に限定されないが、金属錯体色素、有機色素、天然色素、半導体等が好ましい。また、多孔質酸化チタン塗膜への吸着性を付与するために、色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スルホニルアルキル基、ホスホニルアルキル基等の官能基を有するものが好ましい。
金属錯体色素としては、例えば、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、亜鉛、水銀の錯体(例えば、メリクルクロム等)や、金属フタロシアニン、クロロフィル等を用いることができる。また、有機色素としては、例えば、シアニン系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、金属フリーフタロシアニン系色素等が挙げられるが、これらに限定されない。色素として用いることができる半導体としては、i型の光吸収係数が大きなアモルファス半導体や直接遷移型半導体、量子サイズ効果を示し、可視光を効率よく吸収する微粒子半導体等が好ましい。通常、各種の半導体や金属錯体色素や有機色素の一種、又は光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合することができる。また、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する色素とその割合を選ぶことができる。
色素を酸化チタン層に吸着させる方法としては、例えば、溶媒に色素を溶解させた溶液を、多孔質酸化チタン塗膜上にスプレーコートやスピンコート等により塗布した後、乾燥する方法により形成することができる。この場合、適当な温度に基板を加熱しても良い。また、酸化チタン層を溶液に浸漬して吸着させる方法を用いることもできる。浸漬する時間は色素が充分に吸着すれば特に制限されることはないが、好ましくは10分〜30時間、より好ましくは1〜20時間である。また、必要に応じて浸漬する際に溶媒や基板を加熱しても良い。溶液にする場合の色素の濃度としては、0.01〜100mmol/L、好ましくは0.1〜10mmol/L程度である。
用いる溶媒は特に制限されるものではないが、水及び有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル等のニトリル類;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ブタノン等のケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
色素間の凝集等の相互作用を低減するために、界面活性剤としての性質を持つ無色の化合物を色素吸着液に添加し、半導体層に共吸着させてもよい。このような無色の化合物の例としては、カルボキシル基やスルホ基を有するコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸等のステロイド化合物やスルホン酸塩類等が挙げられる。
未吸着の色素は、吸着工程後、速やかに洗浄により除去するのが好ましい。洗浄は湿式洗浄槽中でアセトニトリル、アルコール系溶媒等を用いて行うのが好ましい。
色素を吸着させた後、アミン類、4級アンモニウム塩、少なくとも1つのウレイド基を有するウレイド化合物、少なくとも1つのシリル基を有するシリル化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を用いて、酸化チタン層の表面を処理してもよい。好ましいアミン類の例としては、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。好ましい4級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド等が挙げられる。これらは有機溶媒に溶解して用いてもよく、液体の場合はそのまま用いてもよい。
3.湿式太陽電池
本発明の湿式太陽電池(特に色素増感太陽電池)を製造する際には、例えば、
(5)上記本発明の電極の酸化チタン層の上に対向電極(対極)を形成し、これら電極間に電解液を注入して封止する工程
を経ることで、まず光電変換素子を形成する。
対極は、導電性材料からなる単層構造でもよいし、導電層と基板とから構成されていてもよい。基板としては、特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、無色又は有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる他、樹脂でもよい。かかる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテン等が挙げられる。また、電荷輸送層上に直接導電性材料を塗布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)して対極を形成しても良い。
導電性材料としては、白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属;炭素材料;導電性有機物等の比抵抗の小さな材料が用いられる。
また、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いても良い。金属リードは白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属からなるのが好ましく、アルミニウム又は銀からなるのが特に好ましい。
本発明では、対極を形成する前に、本発明の電極の光吸収効率を向上すること等を目的として、酸化チタン層に色素を担持(吸着、含有など)させることが好ましい。色素及び色素の担持方法は、上述したとおりである。
本発明の湿式太陽電池(特に色素増感太陽電池)は、上記の光電変換素子をモジュール化するとともに、所定の電気配線を設けることによって製造することができる。
なお、本発明において、湿式太陽電池とは、湿式プロセスで製造される太陽電池のことを言い、電解液を封入した通常の色素増感太陽電池の他、全固体色素増感太陽電池等も含まれるものである。
全固体色素増感太陽電池を製造する場合には、上記工程(5)の代わりに、本発明の電極の酸化チタン層と対向電極(対極)との間に、通常使用される固体電解質層を、常法で設置すればよい。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
なお、本実施例において、表面粗さ(Ra)は、JIS B0601−1982にしたがって測定した。
比較例1
日本アエロジル(株)製チタニアナノ粒子(P−25;平均粒子径20nm)18重量%にエチルセルロース9重量%及びα−テルピネオール73重量%を加え、三本ロールで攪拌し、酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物を作製した。この酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物を、5mm×5mmの面積でFTO(フッ素ドープ酸化スズ)ガラス(日本板硝子(株)製、抵抗:10Ω/sq)上にスクリーン印刷した。
スクリーン印刷直後の酸化チタン塗膜を室温で10分間放置することにより、当該塗膜表面を平滑にレベリングした。その後、125℃で6分間保持し乾燥した。このときの酸化チタン塗膜の膜厚は3μm、表面粗(Ra)は0,07μmであった。
この後、同様の手順により、同組成の酸化チタン塗膜をさらに4層積層させ、500℃で60分間焼成を行った。これにより、総厚み15μmの5層の酸化チタン塗膜からなる酸化チタン層を得た。
実施例1
日本アエロジル(株)製チタニアナノ粒子(P−25;平均粒子径20nm)18重量%にエチルセルロース9重量%及びα−テルピネオール73重量%を加え、三本ロールで攪拌し、酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物を作製した。この酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物を、5mm×5mmの面積でFTO(フッ素ドープ酸化スズ)ガラス(日本板硝子(株)製、抵抗:10Ω/sq)上にスクリーン印刷した。
スクリーン印刷直後の酸化チタン塗膜を室温で10分間放置することにより、当該塗膜表面を平滑にレベリングした。その後、125℃で6分間保持し乾燥した。このときの酸化チタン塗膜の膜厚は3μmであった。
当該酸化チタン塗膜の表面を4000番の紙やすりで粗したところ、酸化チタン塗膜の表面粗さ(Ra)は0.3μmであった。
この後、同様の手順により、同組成の酸化チタン塗膜を、各層の表面粗さが0.3μmになるように調整しながらさらに4層積層させ、500℃で60分間焼成を行った。これにより、総厚み15μmの5層の酸化チタン塗膜からなる酸化チタン層を得た。ただし、最表面層(5層目)については、表面を粗さなかった。
実施例2
酸化チタン塗膜の表面を粗す際に使用する紙やすりを、6000番のものを使用したこと以外は実施例1と同様に、総厚み15μmの5層の酸化チタン塗膜からなる酸化チタン層を得た。各層の厚みは3μm、各層(1層目〜4層目)の表面粗さは0.2μmであった。
実施例3
酸化チタン塗膜の表面を粗す際に使用する紙やすりを、3000番のものを使用したこと以外は実施例1と同様に、総厚み15μmの5層の酸化チタン塗膜からなる酸化チタン層を得た。各層の厚みは3μm、各層(1層目〜4層目)の表面粗さは0.4μmであった。
比較例2
酸化チタン塗膜の表面を粗す際に使用する紙やすりを、300番のものを使用したこと以外は実施例1と同様に、総厚み15μmの5層の酸化チタン塗膜からなる酸化チタン層を得た。各層の厚みは3μm、各層(1層目〜4層目)の表面粗さは1.5μmであった。
実施例4
日本アエロジル(株)製チタニアナノ粒子(P−25;平均粒子径20nm)18重量%にエチルセルロース9重量%及びα−テルピネオール73重量%を加え、三本ロールで攪拌し、酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物を作製した。この酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物を、5mm×5mmの面積でFTO(フッ素ドープ酸化スズ)ガラス(日本板硝子(株)製、抵抗:10Ω/sq)上にスクリーン印刷した。
スクリーン印刷直後の酸化チタン塗膜を室温で10分間放置することにより、当該塗膜表面を平滑にレベリングした。半固体状の酸化チタン塗膜表面に、4000番の紙やすりを静置して剥離した後、125℃で6分間保持し乾燥した。このときの酸化チタン塗膜の膜厚は3μmであった。また、酸化チタン塗膜の表面粗さ(Ra)は0.3μmであった。
この後、同様の手順により、同組成の酸化チタン塗膜を、各層の表面粗さが0.3μmになるように調整しながらさらに4層積層させ、500℃で60分間焼成を行った。これにより、総厚み15μmの5層の酸化チタン塗膜からなる酸化チタン層を得た。ただし、最表面層(5層目)については、表面を粗さなかった。
実施例5
酸化チタン塗膜の表面を粗す際に使用する紙やすりを、6000番のものを使用したこと以外は実施例4と同様に、総厚み15μmの5層の酸化チタン塗膜からなる酸化チタン層を得た。各層の厚みは3μm、各層(1層目〜4層目)の表面粗さは0.2μmであった。
実施例6
酸化チタン塗膜の表面を粗す際に使用する紙やすりを、3000番のものを使用したこと以外は実施例4と同様に、総厚み15μmの5層の酸化チタン塗膜からなる酸化チタン層を得た。各層の厚みは3μm、各層(1層目〜4層目)の表面粗さは0.4μmであった。
実験例1
実施例1〜6及び比較例1〜2において、各酸化チタン塗膜に剥離が発生しているかどうかを、断面SEM観察により評価した。
実験例2
実施例1〜6及び比較例1〜2において得られた層厚み15μmの5層の酸化チタン塗膜からなる酸化チタン層を、5×10−5mol/lのルテニウム錯体(RuL(NCS))色素(N3Dye)の無水エタノール溶液に室温にて20時間浸漬した後、乾燥し、実施例1〜6及び比較例1〜2の電極を作製した。
次に、透明電極付透明ガラス基板に白金めっきした対向電極をスペーサーを介して貼りあわせ、その間に電解液として、0.6mol/lのヨウ化リチウムと0.06mol/lのヨウ素、0.5mol/lの4−ターシャルブチルピリジンを含むアセトニトリル溶液を注入し、実施例1〜6及び比較例1〜2の光電変換素子を作製した。
実施例1〜6及び比較例1〜2で作製した光電変換素子に、山下電装(株)製のソーラーシミュレーターでAM1.5(JISC8912Aランク)の条件下の100mW/cmの強度の光を照射して、光電変換特性を評価した。
各実施例及び比較例について、表面粗さと実験例1及び2の結果を表1に示す。
Figure 2012209163

Claims (7)

  1. 基板の一方面上に、2層以上の酸化チタン塗膜を順次形成させて、湿式太陽電池用の酸化チタン層を製造する方法であって、
    (1)基板上に酸化チタン塗膜を形成する工程、
    (2)形成された酸化チタン塗膜の表面粗さ(Ra)を0.2〜0.5μmとなるように表面を粗す工程、及び
    (3)表面粗さが0.2〜0.5μmとなるように表面を粗した酸化チタン塗膜上に、他の酸化チタン塗膜を形成する工程
    を備え、且つ、工程(2)及び(3)を繰り返し行う、方法。
  2. 各酸化チタン塗膜は、酸化チタンナノ粒子を含有し、且つ、該酸化チタンナノ粒子の平均粒子径が、3〜100nmである、請求項1に記載の湿式太陽電池用の酸化チタン層を製造する方法。
  3. 前記工程(2)が、形成された酸化チタン塗膜に、鋳型形成法又はスクラッチ法を施す工程である、請求項1又は2に記載の湿式太陽電池用の酸化チタン層を製造する方法。
  4. 前記工程(1)が、
    (1−1)基板上に、酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物を塗布する工程
    を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の湿式太陽電池用の酸化チタン層を製造する方法。
  5. 前記工程(3)が、
    (3−1)形成された酸化チタン塗膜上に、酸化チタン塗膜形成用ペースト組成物を塗布する工程
    を備える、請求項1〜4のいずれかに記載の湿式太陽電池用の酸化チタン層を製造する方法。
  6. 湿式太陽電池用電極を製造する方法であって、
    (4)請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造された湿式太陽電池用の酸化チタン層に色素を担持する工程
    を備える、方法。
  7. 湿式太陽電池の製造方法であって、
    (5)請求項6に記載の電極の酸化チタン層の上に対向電極を形成し、これら電極間に電解液を注入して封止する工程
    を備える、方法。
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