JP2012207056A - セルロースパウダーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、セルロース繊維を解繊した後、粒度分布の狭い、比較的均一な粒径のセルロースパウダーを製造する方法を提供することである。
【解決手段】セルロース繊維を、100メッシュ不通過割合が20質量%より多く、10メッシュ不通過割合が20質量%以下となるように解繊した後、ジェットミルで乾式粉砕処理することにより達成された。
【選択図】なし

Description

本発明は、木質材料から得られたセルロース繊維を解繊した後、ジェットミルで乾式粉砕処理して得られるセルロースパウダー及びその製造方法に関するものである。
一般に、セルロース繊維は柔軟であるため、機械的処理によって長繊維のパルプから微粉砕して製造するのは困難であり、種々の方法が提案されている。例えば、セルロースをテトラヒドロフラン中で処理することにより繊維を脆くして、乾燥状態において粉砕しやすくする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、乾燥状態のセルロースを粉砕する際の助剤として、多価アルコールの脂肪酸エステル系または窒素、硫黄を含まない酸化エチレン系の非イオン界面活性剤を添加する方法(例えば、特許文献2参照)、粉砕助剤として、炭素数10〜28の脂肪酸またはそのアルカリ金属塩、アルカリ類金属塩を添加する方法(例えば、特許文献3参照)、粉砕助剤として特殊なシリコーンオイルを添加する方法(例えば、特許文献4参照)も提案されている。その他の方法として、熱処理によって角質化したパルプや凍結したパルプを用いる方法、界面活性剤を添加する方法等も提案されている。また、パルプをアルカリ処理することにより、非晶領域の繊維集のみを磨砕し、その後に中和するという方法も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
セルロース繊維を乾式で機械的に粉砕して製造する場合、粉砕による圧力やせん断力がランダムに加わり、得られる粒子は切断された短繊維状であったり、微粒子同士の再凝集による凝集体であったりする。湿式での機械的粉砕或いは酸加水分解等の化学処理を利用する方法では、10μm以下の微粒子の製造も可能であるが、得られる微粒子は懸濁液で、その濃度も数10質量%が限度であり、占める体積が大きい。また、濃度を上げると高粘性のペースト状となり、用いる工程での搬送方法も限られている。このため、その用途は溶液やペースト状物質等へ、混合・混和して利用する分野に限られている。
懸濁液として製造された微粒子を乾燥粉末として利用しやすくするために、単純に凍結乾燥等の方法で乾燥すると、微粒子の凝集が強く起こり、再び分散させることが困難である。そのため、他の物質で表面をコーティングするなどの工程を経る必要があり、製造工程が複雑でコストが高くなるという問題があった。
天然高分子に有機溶媒や合成高分子等を添加混合して機械的に粉砕すると、微粒子が得られることが知られている(例えば、特許文献6或いは特許文献7参照)。
セルロースの湿式での機械的粉砕や化学処理による製造法では、微粒子は懸濁液として得られ、さらに利用しやすいように乾燥粉末とするためには、特殊なコーティング処理などの工程が必要になり、多量の酸性やアルカリ性の水や溶媒が廃液となる。そのため、それらの処理や回収・再利用のため、全体的にコストが高くなる問題があった。
また、化学処理を軽度にとどめ、セルロース繊維の機械強度を低くした後に、機械的に粉砕する方法、すなわち、化学的処理と機械的処理とを組み合わせた方法も知られている。例えば、広葉樹等の木材繊維の構成要素のうち、柔細胞を主体とした原料を用いて、溶解パルプを製造する際の精製工程において分別された微細繊維を凝集し、スーパーデカンターで脱水した後、乾燥、粉砕、分級して得られるものがある。
機械的粉砕の改善策として、ボールミルでセルロース及び/またはエーテル基を有するその誘導体を細粉砕する方法(例えば、特許文献8参照)や前処理としてボールミルまたはペレット圧縮成形機において硬化または脆化を行い、それをジェットミルまたはピンディスクミルまたは衝撃ミルで粉砕して、セルロースエーテルまたはセルロースから微粉を製造する方法(例えば、特許文献9参照)が知られている。しかしながら、これらの方法では、ボールミルのような媒体ミルを使用するため媒体成分の混入が懸念され、さらに、天然セルロースが有する品質及び構造が変化してしまうという問題があった。
カッティング式ミル及び衝撃式ミル及び/または気流式ミルを併用することによって、セルロースの品質を損なわず、粉体流動性に優れたセルロースパウダーを得る方法も知られているが、粒度分布の狭い、比較的均一な粒径のセルロースパウダーを得るのが難しいという問題があった(例えば、特許文献10参照)。
特開昭48−30752号公報 特開昭48−56745号公報 特開昭48−56746号公報 特開昭48−56747号公報 特公昭39−9099号公報 特許第2560235号公報 特許第2979135号公報 特開昭51−83655号公報 特開昭57−92001号公報 特開2004−115700号公報
本発明の目的は、セルロース繊維を解繊した後、粒度分布の狭い、比較的均一な粒径のセルロースパウダーを製造する方法を提供することである。
上記の課題は、セルロース繊維を、100メッシュ不通過割合が20質量%より多く、10メッシュ不通過割合が20質量%以下となるように解繊した後、ジェットミルで乾式粉砕処理することにより達成された。
本発明により、セルロース繊維を、100メッシュ不通過割合が20質量%より多く、10メッシュ不通過割合が20質量%以下となるように解繊した後、ジェットミルで乾式粉砕処理することによって、粒度分布の狭い、比較的均一な粒径のセルロースパウダーを製造することが可能となる。
実施例1で得られたセルロースパウダーの走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られたフラッフ状セルロースの走査型電子顕微鏡写真である。
本発明において、セルロースパウダーを得るための粉砕原料となるセルロース繊維の状態に特に制限はないが、工業生産を考慮すると、木材(針葉樹、広葉樹)、コットンリンター、麦藁、葦、竹などの木質材料から得られた天然セルロース繊維を主成分とするシート状もしくはロール状のパルプを用いることが望ましい。
本発明において、木材(針葉樹、広葉樹)、コットンリンター、麦藁、葦、竹などの天然セルロースを主成分とするシート形状のパルプを使用する場合、パルプシートを丸めて筒状にしたもの、押し潰して細長い板状にしたもの、折り畳んで細長い板状シートとしたものなどを使用することもできる。
本発明において、セルロース繊維の解繊は、セルロース繊維をフラッフ状に粉砕することであり、セルロース繊維の100メッシュ不通過割合が20質量%より多く、10メッシュ不通過割合が20質量%以下となることが確認できた時点を処理の終了とすることができる。セルロース繊維の解繊は、例えば、カッターミル或いは衝撃式ミルを使用することができる。
本発明において、ジェットミルは、ノズルから噴射される高圧ガスをマッハ2程度の超高速ジェットとして粒子に衝突させ、粒子同士の衝撃によって微粒子にまで粉砕する装置である。本発明では、カウンター式ジェットミルを使用することが好ましい。
本発明で製造されたセルロースパウダーを構成する粒子は、粒度分布の狭い、比較的均一な粒径の粒子となり、例えば、平均粒径D50=10.0〜40.0μm、D10/D50=0.30〜0.50、D90/D50=2.00〜3.00(ただし、「D10」とは累積体積比率が10%となる粒径、「D50」とは累積体積比率が50%となる粒径、「D90」とは累積体積比率が90%となる粒径をいう)である粒子を本発明の製造方法で得ることができる。
本発明において、セルロースパウダーに機能性付与もしくは機能性向上を目的とし、その他有機及び/または無機成分を単独もしくは複数、任意の割合で混合しても、本発明の方法により、微細化することもできる。
本発明において、セルロースパウダーは、プラスチック樹脂製品、ゴム製品、樹脂フィルム、樹脂複合体、吸着濾過剤等の用途にも、添加剤フィラーとして使用することができる。
本発明において、セルロースパウダーは、粒子単体としても応用範囲が広い。液晶表示用のスペーサーやトナー粒子としても応用可能である。
以下、本発明の実施例を示す。
(実施例1)
晒し木材パルプシート(LBKP、アラバマリバー製)を原料として、カッターミル(粉砕機RC250、槇野産業(株)製)にて、原料仕込み量3kg、供給速度15kg/h、回転数700rpm、スクリーン径φ0.5mm使用の条件で粉砕し、2.8kgのフラッフ状セルロースを得た。得られたフラッフ状セルロースの100メッシュ不通過割合は85質量%、10メッシュ不通過割合は1質量%であった。
得られたフラッフ状セルロースを原料として、ジェットミル(商品名:シングルトラックジェットミルSTJ−200、(株)セイシン企業製)にて、原料仕込み量2kg、供給速度0.1kg/min、プッシャーノズル圧力0.7Mpa、グラインディングノズル圧力0.7Mpa、風量3.15m/minの条件で粉砕し、1.8kgのセルロースパウダーを得た。得られたセルロースパウダーは、D50=17.4μm、D10/D50=0.33、D90/D50=2.38であった。図1に、得られたセルロースパウダーの走査型電子顕微鏡写真を示す。
(実施例2)
晒し木材パルプシート(LBKP、アラバマリバー製)を原料として、衝撃式ミル(自由粉砕機M−4、(株)奈良機械製作所製)にて、原料仕込み量1.7kg、供給速度26kg/h、回転数5500rpm、スクリーン径2mm使用の条件で粉砕し、1.5kgのフラッフ状セルロースを得た。得られたフラッフ状セルロースの100メッシュ不通過割合は90質量%、10メッシュ不通過割合は5質量%であった。
得られたフラッフ状セルロースを原料として、ジェットミル(商品名:シングルトラックジェットミルSTJ−200、(株)セイシン企業製)にて、原料仕込み量1.5kg、供給速度0.1kg/min、プッシャーノズル圧力0.7Mpa、グラインディングノズル圧力0.7Mpa、風量3.15m3/minの条件で粉砕し、1.4kgのセルロースパウダーを得た。得られたセルロースパウダーは、D50=31.2μm、D10/D50=0.43、D90/D50=2.71であった。
(比較例1)
晒し木材パルプシート(LBKP、アラバマリバー製)を原料として、カッターミル(ターボカッターC−300、ターボ工業製)にて、原料仕込み量16kg、供給速度22kg/h、回転数1000rpm、スクリーン孔径2mm使用の条件で粉砕後、連続して、ターボミル(T−400、ターボ工業製)にて、供給速度22kg/h、回転数5000rpm、先端間隙2mmの条件で粉砕した。しかしながら、粉砕品はフラッフ状セルロースであり、セルロースパウダーは得られなかった。回収した15kgのフラッフ状セルロースは、平均繊維長が630μmであった。図2に、得られたフラッフ状セルロースの走査型電子顕微鏡写真を示す。また、得られたフラッフ状セルロースの100メッシュ不通過割合は15質量%であり、10メッシュ不通過割合は0.7質量%であった。
(比較例2)
比較例1で得られたフラッフ状セルロースを原料として、衝撃式ミル(ビクトリミルVP−1、ホソカワミクロン製)にて、原料仕込み量1kg、供給速度4.4kg/h、回転数8200rpm、スクリーン径1mmの条件で粉砕した。しかしながら、粉砕品はフラッフ状セルロースであり、セルロースパウダーは得られなかった。回収したフラッフ状セルロースの平均繊維長は600μmであった。
(比較例3)
比較例1で得られたフラッフ状セルロースを原料として、高速摩砕式ミル(スーパーミクロンミルMEC−1、ホソカワミクロン製)にて、原料仕込み量1kg、供給速度5.4kg/h、回転数4500rpm、ブッシュSの条件で粉砕した。しかしながら、粉砕品はフラッフ状セルロースであり、セルロースパウダーは得られなかった。回収したフラッフ状セルロースの平均繊維長は540μmであった。
(比較例4)
比較例1で得られたフラッフ状セルロースを原料として、衝撃式ミル(ACMパルベライザACM−15H、ホソカワミクロン製)にて、原料仕込み量400g、供給速度2.3kg/h、回転数7800rpmの条件で粉砕した。しかしながら、粉砕品はフラッフ状セルロースであり、セルロースパウダーは得られなかった。回収したフラッフ状セルロースの平均繊維長は640μmであった。
(比較例5)
比較例1で得られたフラッフ状セルロースを原料として、乾式超微粉砕媒体ミル(プルビスPV−150、ホソカワミクロン製)にて、媒体ボール(直径:3mm、材質:ジルコニア)3kgを充填し、原料仕込み量20g、供給速度4g/h、回転数500rpmの条件で粉砕した。しかしながら、粉砕品はフラッフ状セルロースであり、セルロースパウダーは得られなかった。回収したフラッフ状セルロースの平均繊維長は600μmであった。
(比較例6)
比較例1で得られたフラッフ状セルロースを原料として、気流衝撃式ミル(PolvoGene、奈良機械製作所製)にて、原料仕込み量20g、回転数11250rpmの条件で粉砕した。しかしながら、粉砕品はフラッフ状セルロースと粉末状セルロースが混ざったものであり、セルロースパウダーは得られなかった。
(比較例7)
比較例1で得られたフラッフ状セルロースを原料として、乾式ビーズミル(ドライスターSDA5、アシザワ・ファインテック製)にて、ビーズ(直径:5mm、材質:鉄)を充填し、原料仕込み量2kg、供給速度400g/hの条件で粉砕し、セルロースパウダーを得た。しかしながら、得られたセルロースパウダーは、D50=81.6μm、D10/D50=0.26、D90/D50=2.39であった。
(比較例8)
晒し木材パルプシート(LBKP、アラバマリバー製)を原料として、ナイフミル(PS5−10、パルマン社製)にて、原料仕込み量100kg、供給速度2.5kg/分、回転数2000rpm、ナイフミルスクリーンφ=0.5mm使用の条件で粉砕し、99kgの粉末状セルロースを得た。得られた粉末状セルロースの100メッシュ不通過割合は、15質量%であり、10メッシュ不透過割合は0.7質量%であった。得られた粉末状セルロースを原料として、ターボミル(T−400型、ターボ工業株式会社製)にて、原料仕込み量60kg、供給速度2.0kg/分、回転数3000rpm、スクリーンなしの条件で粉砕し、59kgのセルロースパウダーを得た。得られたセルロースパウダーの100メッシュ不通過割合は、2質量%であった。得られたセルロースパウダーは、D50=860μm、D10/D50=0.18、D90/D50=1.71であった。
実施例及び比較例において、メッシュ不通過割合、粒度分布、繊維長分布は、下記の方法で測定した。
<100メッシュ、10メッシュ不通過割合>
JISZ8815に準拠し、ロータップ式篩振とう機(株式会社岩田工業製)、100メッシュ篩(東京スクリーン株式会社製、目開き150μm)及び10メッシュ篩(東京スクリーン株式会社製、目開き1700μm)を用いて、100メッシュ篩或いは10メッシュ篩上の残存試料質量を測定し、100メッシュ或いは10メッシュ不通過割合を算出した。
<粒度分布測定>
得られたセルロースパウダーの粒度分布は、レーザー回折・散乱式粒子径・粒度分布測定装置(日機装株式会社製、商品名:マイクロトラック(登録商標)MT3300EXII)を用いて測定した。
<繊維長分布測定>
得られたフラッフ状セルロースの繊維長分布は、繊維長・形状測定機(OpTest Equipment社製、商品名:HiRes Fiber Quality Analyzer)を用いて測定した。なお、繊維長としては、加重平均繊維長を使用した。
本発明は、例えば家電機器部材、電子機器部材、自動車部材、機能性建材等で用いられる樹脂素材の原料、ゴム製品、樹脂フィルム、樹脂複合体、吸着濾過剤等の用途にも、添加剤フィラーとして利用可能である。また、粒子単体で、液晶表示用のスペーサーやトナー粒子としても応用可能である。

Claims (2)

  1. セルロース繊維を、100メッシュ不通過割合が20質量%より多く、10メッシュ不通過割合が20質量%以下となるように解繊した後、ジェットミルで乾式粉砕処理することを特徴とするセルロースパウダーの製造方法。
  2. セルロース繊維が、天然セルロース繊維を主成分とするパルプである請求項1記載の製造方法。
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