JP2012205419A - モータ及びポンプ及び機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアギャップを低減し、モータ効率を向上させたモータ及び、当該モータを備えるポンプ及び、前記モータ又は前記ポンプを備える機器を提供する。
【解決手段】この課題を解決するために、複数の板状体9を積層してコア8を形成したステータ6と、ステータ6により回転駆動されるロータ2と、ロータ2とステータ6の間に配置された筒状の隔壁5とを備え、隔壁5が軸方向Axに勾配を有し、コア8が、ロータ2の周面3に隔壁5を介して正対する磁極面を有したティース11を備え、ティース11が第1延長部17と第2延長部18とを備えると共に、第1延長部17と第2延長部18とのうち少なくとも一方の磁極面19,20が軸方向Axにおいて勾配を有する。
【選択図】図1
【解決手段】この課題を解決するために、複数の板状体9を積層してコア8を形成したステータ6と、ステータ6により回転駆動されるロータ2と、ロータ2とステータ6の間に配置された筒状の隔壁5とを備え、隔壁5が軸方向Axに勾配を有し、コア8が、ロータ2の周面3に隔壁5を介して正対する磁極面を有したティース11を備え、ティース11が第1延長部17と第2延長部18とを備えると共に、第1延長部17と第2延長部18とのうち少なくとも一方の磁極面19,20が軸方向Axにおいて勾配を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、モータ及び、当該モータを備えるポンプ及び、前記モータ又は前記ポンプを備える機器に関するものである。
従来から、モータを駆動源とするポンプとして、特許文献1等に示すようなポンプがある。当該ポンプは、液体を吸排するための羽根車と、羽根車に固定され羽根車を回転させるためのローターと、コイルが形成されたティースを備えたステーターと、ローターとステーターを隔離する分離板とを備える。そして、分離板は樹脂で形成されており、分離板の肉厚を薄くすると共に、削り出しや深絞り等で形成する金属製の分離板に比べて、費用を安価にしている。また、当該分離板は、ローターとステーターの径方向の間に配置されローターとステーターを径方向において隔離する円筒部を有すると共に、当該円筒部が円筒部の径の中心軸に沿ったテーパを円筒外周面に有する。そして、当該ポンプは上述のように円筒部のテーパを大きく設定して設けたことで、分離板の肉厚を薄くしたことによる成型金型への食いつきや破損を防止している。
しかしながら、上述のポンプで示したような構成を有した従来のモータは、テーパを大きく設定したことで、ステーターとローターとの分離板を介した径方向における隙間、所謂エアギャップを小さく抑えることが困難であり、モータ効率を高め難い。
そこで、この事情を鑑み、エアギャップを低減し、モータ効率を向上させたモータ及び、当該モータを備えるポンプ及び、前記モータ又は前記ポンプを備える機器を提供することを課題とした。
上記課題を解決するために、本発明のモータは、複数の板状体を積層してコアを形成したステータと、前記ステータにより回転駆動されるロータと、前記ロータの回転軸心の径方向において前記ロータと前記ステータの間に配置された筒状の隔壁とを備え、前記隔壁が前記回転軸心の軸方向において勾配を有し、前記ロータが回転方向に沿った周面を有すると共に、前記コアが、前記周面に前記隔壁を介して正対する磁極面を有した磁極部を備え、前記磁極部が、前記コアの前記ロータ側の端部に設けられた基部と、前記軸方向における前記基部の一方の端部から前記軸方向に延長して設けられた第1延長部と、前記軸方向における前記基部の他方の端部から前記軸方向に延長して設けられた第2延長部とを有し、前記第1延長部と前記第2延長部とのうち、少なくとも一方の前記磁極面が前記軸方向において勾配を有することを特徴とする。
このモータとして、前記第1延長部の前記延長先端における前記磁極面の径寸法が、前記第2延長部の前記延長先端における前記磁極面の径寸法に比べて、大であることが好ましい。
このモータとして、前記第1延長部の前記磁極面と前記第2延長部の前記磁極面とが各々前記隔壁に並行して前記勾配を有することが好ましい。
このモータとして、前記周面が前記隔壁に並行して勾配を有することが好ましい。
また、本発明のポンプは、前述のモータを備えることを特徴とする。
また、本発明の機器は、前述のモータ又は前述のポンプを備えることを特徴とする。
このような構成としたことで、エアギャップを低減し易くなり、モータ効率が向上させ易くすることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を例示して説明する。
(第1実施形態)
本実施形態のモータ1は、図1に示すように、磁界を発生させるステータ6と、ステータ6の磁界により回転駆動されるロータ2と、ロータ2とステータ6の間に配置された隔壁5と、ロータ2の回転軸心となる軸部材(図示せず)とを備える。
本実施形態のモータ1は、図1に示すように、磁界を発生させるステータ6と、ステータ6の磁界により回転駆動されるロータ2と、ロータ2とステータ6の間に配置された隔壁5と、ロータ2の回転軸心となる軸部材(図示せず)とを備える。
ロータ2は略円筒状に形成され、周方向に並ぶ複数のマグネット(図示せず)を有し、筒内に略同心で軸部材が挿通され、軸部材の軸回りに回転自在で当該軸部材に支持される。また、ロータ2は軸部材を回転中心としてステータ6に回転駆動される。以下の説明において、特に規定した場合を除き、ロータ2の軸方向Axを単に軸方向Axとし、ロータ2の周方向を単に周方向とし、ロータ2の軸心から外周側への向きを径外方向とし、ロータ2の径内方向を単に径内方向として基準とする。そして、便宜上、軸方向Axに視た形状を正面視形状と記載する。
隔壁5はロータ2より大径の円筒状で、内周にロータ2が略同心で配置され、外周にステータ6が配置され、ロータ2の配置された空間とステータ6の配置された空間とを径方向に区画する。そして、隔壁5は樹脂材料を用いた成型加工で形成され、成型金型からの離型性を向上させるための抜き勾配を軸方向Axに有する。そのため、隔壁5は軸方向Axにおける一方の端部の直径が反対側である他方の端部の直径に比べて大きい寸法となっている。
ステータ6は、磁性を有する金属材料で形成されたコア8と、コア8に励磁用の導線を巻回したコイル7と、コア8とコイル7とを絶縁する絶縁部材21とを備える。
コア8は、図2に示すように、軸方向Axに軸心を有しロータ2と略同心の正面視環状の環状部10と、環状部10の内周面から径内方向に突出したティース11と、ティース11のロータ2側の端部に設けられた磁極部12とで主体が構成される。そして、コア8は、磁極部12の一部と環状部10とティース11とを一体で有した第1の板状部材9a(板状体9)を、軸方向Axに積層して形成される。
ティース11はコア8から径内方向に突出して角柱状に形成されると共に、周方向に略等間隔で複数並ぶ。そして、各ティース11は、突出方向(径内方向)に沿って端辺を有した側面に、コイル7となる導線が絶縁部材21を介して巻回され、ロータ2側の端部である突出先端に磁極部12が設けられる。
磁極部12は、ティース11より周方向の寸法が長い正面視円弧状となっており、当該円弧がロータ2と略同心で、軸方向Axにおける寸法がロータ2のマグネットの軸方向Axにおける寸法と略同じとなっている。そのため、磁極部12は円弧の内周面が、径内方向に隔壁5を介してロータ2の外周面に対向した磁極面13となっている。
また、磁極部12は、ティース11の突出先端に接続された基部14と、基部14の軸方向Axにおける両端部に各々取り付けられた延長部16とで主体が構成され、延長部16は基部14毎に二つ設けられる。
基部14は円弧の周方向の略中間でティース11と接続され、軸方向Axにおける寸法がティース11と略同寸となっており、コア8及びティース11と一体に第1の板状部材9aを軸方向Axに積層して形成される。そして、基部14は円弧の端部がティース11との接続部位から略同寸で各々周方向に突出する。当該円弧の端部に位置する基部14の側端辺(積層によって形成される辺)は、軸方向Axと略平行に並んでおり、基部14の磁極面15は、面の中央を通る径外方向に視て、略長方形状となっている。
また、基部14は軸方向Axにおける端面(第1端面、第2端面)に、軸方向Axに凹んだ凹部(図示せず)を有し、延長部16に設けた凸部(図示せず)を当該凹部に嵌め込んで、端面に延長部16が取り付けられる。
延長部16は第2の板状部材9b(板状体9)を軸方向Axに積層して形成され、当該第2の板状部材9bは基部14と略同形同寸の円弧形状となっており、当該第2の板状部材9bは第1の板状部材9aと、形状が異なる。そして、各基部14に設けられた二つの延長部16は、基部14の軸方向Axにおける上述の第1端面に取り付けられた第1延長部17と、第1端面の反対側である上述の第2端面に取り付けられた第2延長部18とに区別される。
第1延長部17は第2の板状部材9bを略等間隔に径外方向に向けて連続的にずらしながら軸方向Axに積層して形成されており、径外方向に向かって延長先端側を凸とした階段状に第2の板状部材9bを並べた形状となっている。
そのため、第1延長部17は第2の板状部材9bの周方向の端部を軸方向Axに結んだ仮想直線が、軸方向Axに対して延長先端側を径外方向に傾斜させた直線となる。そして、当該直線は磁極面19の側端辺の近似直線となるため、磁極面19は側端辺を軸方向Axから径外方向に傾斜させて、軸方向Axにおいて勾配を有した形状となっている。
第2延長部18は第2の板状部材9bを略等間隔に径内方向に向けて連続的にずらしながら軸方向Axに積層して形成されており、径内方向に向かって延長先端側を凸とした階段状に第2の板状部材9bを並べた形状となっている。
そのため、第2延長部18は第2の板状部材9bの周方向の端部を軸方向Axに結んだ仮想直線が、軸方向Axに対して延長先端側を径内方向に傾斜させた直線となる。そして、当該直線は磁極面20の側端辺の近似直線となるため、磁極面20は側端辺を軸方向Axから径内方向に傾斜させて、軸方向Axにおいて勾配を有した形状となっている。
更に、第1延長部17の側端辺と第2延長部18の側端辺とは、周方向に視て略平行に傾いており、両延長部16の磁極面19,20は略同じ形状で、延長先端が径方向において反対向きで基部14に対して凸となっている。
また、両延長部16の磁極面19,20は、図1に示すように、勾配を有した隔壁5と軸方向Axにおいて略並行に位置しており、隔壁5の外周面に沿って第2延長部18の磁極面20を当接或いは近接して配置することができる。
絶縁部材21は、ティース11の側面を覆う筒状のティース被覆部22と、ティース被覆部22のモータ1における径内方向側の端部に設けられた磁極被覆部23とで主体が構成される。そして、絶縁部材21は絶縁性を有する樹脂で形成され、コイル7とコア8とを絶縁する。磁極被覆部23は磁極部12の磁極面13を除く外面を覆うと共に、延長部16の傾斜した外周面に当接されており、延長部16を外周側から補強して、磁極部12を変形し難くする。
上述のように、モータ1は、基部14の軸方向Axにおける両端部に延長部16を有すると共に、両延長部16の磁極面19,20が軸方向Axにおいて勾配を有する。そのため、当該勾配のない磁極面に比べて、磁極部12の磁極面13をロータ2の周面3に近づけてステータ6を配置し易くなり、モータ1の大型化を抑えて、エアギャップを低減し易くすることができ、モータ効率を向上させ易くすることができる。
また、ティース11と基部14とを第1の板状部材9aで形成し、延長部16を第2の板状部材9bで形成したことで、ティース11を磁極部12の磁極面13より小寸法に抑えて形成することができる。そして、磁極部12が延長部16を有したことで、基部14の軸方向Axにおける寸法(軸寸法)をマグネットの軸寸法より小さくしても、磁極面13の軸寸法とマグネットの軸寸法とを略同じ寸法にすることができる。そのため、ティース11の大型化に伴う導線の巻き幅の増大等のコイル7の肥大化を抑えて、ティース11に導線を巻回する巻線面積を確保し易くなる。
なお、隔壁5は樹脂製に限らず、金属製であってよく、隔壁5の勾配は抜き勾配に限らない。また、延長部16の基部14への取付方法は、凹部と凸部との嵌め合わせに限らず、叩いて締付ける所謂かしめを用いたり、ピン等の固定具を用いたり、レザー溶着や接着等を用いたりしてもよく、またこれら例示の構成のみに限らない。また、二つの延長部16のうち、一方の磁極面のみが軸方向Axにおける勾配を有してもよい。
また、モータ1は、図1に示すようなステータ6の内周にロータ2を配置した所謂インナーロータ型に限らず、ステータ6の外周にロータ2を配置したアウターロータ型であってもよく、例示の構成のみに限らない。
(第2実施形態)
第2実施形態のモータ1について、以下、図3に用いて説明する。なお、第1実施形態と同様の構成や均等な部材には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。そして、方向の基準の定義は第1実施形態と同様とする。
第2実施形態のモータ1について、以下、図3に用いて説明する。なお、第1実施形態と同様の構成や均等な部材には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。そして、方向の基準の定義は第1実施形態と同様とする。
本実施形態のモータ1において、ロータ2は、樹脂材料を複合した磁性体の成型加工品で主体が構成されており、成型加工を用いたことで、図3に示すように、成形金型からの抜き勾配を周面の軸方向Axに有する。そのため、ロータ2は、第1端部の外径が第2端部の外径より大きく、周面の傾斜した円筒状(円錐筒状)となっている。そして、ロータ2の抜き勾配は隔壁5の抜き勾配と略同じ角度で形成されており、ロータ2の周面3が隔壁5の内周面と略並行に位置する。
また、ロータ2の外周には隔壁5を介してステータ6が配置される。ステータ6はコア8の磁極部12に第1延長部17と第2延長部18とを備える。第1延長部17は磁極面19が軸方向Axにおいて勾配を有し、延長先端側に向けて径寸法が漸次大となる。第2延長部18は磁極面20が軸方向Axにおいて勾配を有し、延長先端側に向けて径寸法が漸次小となる。
上述のように、ロータ2の周面3が軸方向Axにおいて勾配を有すると共に、当該勾配が隔壁5の軸方向Axにおける勾配と略並行に位置することで、ロータ2と隔壁5との径方向の隙間を狭める易くなる。そのため、例えば隔壁5を小径化する等で、ステータ6をロータ2により近づけて配置し易くなり、エアギャップを狭め易くすることができ、モータ効率を向上させ易くなる。
(第3実施形態)
第3実施形態のモータ1について、以下、図4及び図5に用いて説明する。なお、第1或いは第2実施形態と同様の構成や均等な部材には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。そして、方向の基準の定義は第1実施形態と同様とする。
第3実施形態のモータ1について、以下、図4及び図5に用いて説明する。なお、第1或いは第2実施形態と同様の構成や均等な部材には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。そして、方向の基準の定義は第1実施形態と同様とする。
本実施形態のモータ1は、ロータ2とステータ6と隔壁5(図示せず)とを備える。ステータ6は、図4や図5に示すように、各延長部16の磁極面19,20が軸方向Axにおいて勾配を有し、当該磁極面19,20は軸方向Axに向かって径寸法が漸次変化する。
また、第1延長部17は第2の板状部材9bを径外方向に加えて、周方向の一方の向きにも略等間隔でずらしながら軸方向Axに積層して形成されており、延長先端は基部14に対して径外方向に凸となると共に、周方向の上述の一方を向いても凸となる。そのため、第1延長部17の磁極面19は、面の中心を通る径外方向に視て、側端辺を周方向の一方に向けて傾斜させた略平行四辺形状となっている。
第2延長部18は第2の板状部材9bを径外方向に加えて、周方向の他方の向きにも略等間隔でずらしながら軸方向Axに積層して形成されており、延長先端は基部14に対して径内方向に凸となると共に、周方向の上述の他方を向いても凸となる。そのため、第2延長部18の磁極面20は、面の中心を通る径外方向に視て、側端辺を周方向の他方に向けて傾斜させた略平行四辺形状となっている。
そして、第1延長部17と第2延長部18は側端辺の周方向の傾きが略同じで、延長先端の周方向における凸となる向きが互いに反対向きとなっており、両延長部16は磁極面19,20が略同形状となっている。
上述のように、延長部16の磁極面19,20を各々周方向に傾斜させたことで、周方向に隣り合う磁極部12の間の隙間が、基部14間で軸方向Axと略平行し、延長部16間で軸方向Axに対して傾斜した形状となる。そして、当該周方向に傾斜した隙間を有することで、コギングの回数が増加される等で、図6に示すように、コギングトルク対策を備えない従来の比較例に比べて、コギングトルクを低減し易くなる。
なお、二つの延長部16のうち、一方の磁極面のみを周方向に向けて傾斜させてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態のポンプ30について、以下、図7に用いて説明する。なお、第2実施形態のモータ1と、略同様の構成或いは均等の構成は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。そして、方向の基準の定義は第1実施形態と同様とする。
第4実施形態のポンプ30について、以下、図7に用いて説明する。なお、第2実施形態のモータ1と、略同様の構成或いは均等の構成は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。そして、方向の基準の定義は第1実施形態と同様とする。
本実施形態のポンプ30は、駆動源となるモータ43と、モータ43に駆動され流体を流動させる羽根車34と、モータ43を制御する制御部41と、外殻を形成するケース31と、羽根車34からステータ6を隔離する分離板37とを備える。そして、ポンプ30はケース31と分離板37とで、ポンプ室を形成し、ポンプ室は内部に羽根車34とロータ2とが収容されると共に、内部に流体が流動される。
ケース31は、円筒状の側壁と、側壁の一方の端部に設けられ当該端部を覆う略円板状の天面部と、ポンプ室内に流体を吸入する円管状の吸入管32と、ポンプ室内の流体を外部に排出する円管状の排出管33とで主体が形成される。
吸入管32は天面部の略中央に略同心でケース31外に突出して設けられ、排出管33は側壁からケース31外に突出して設けられる。側壁は天面部に覆われてない他方の端部側が、Oリング等のシール部材(図示せず)を間に介在して分離板37(詳細は後述する)に当接され、側壁の内側に羽根車34が配置される。
羽根車34は、円板状のシュラウドと、シュラウドの板面に一体で形成された羽根部とを備える。羽根部はシュラウドの周方向に略等間隔に並ぶ複数の羽根を主体とし、羽根はシュラウドの径外方向において放射状に形成され、周方向に隣り合う羽根の間が流体を流動させる流動路となる。
シュラウドは吸入管32と略同心でケース31内部に配置される。そして、シュラウドは円の略中央に円柱状の軸部材35が挿通して配置されており、羽根車34は軸部材35の軸回りに回転自在となっている。そのため、羽根車34は軸部材35を回転中心として回転することで、吸入管32を介してポンプ室内に流体を吸い込むと共に、吸い込んだ流体に遠心力を加えて排出管33からポンプ室外に排出する。
軸部材35は軸方向Axの一方の端部が、ケース31に設けられた取付部36に固定され、他方の端部が分離板37に固定される。また、軸部材35は周面に、ロータ2が取り付けられ、ロータ2は軸部材35の軸回りに回転自在で軸部材35に支持される。
分離板37は樹脂材料によって形成され、底部40に軸部材35が固定された有底の円筒部39と、円筒部39の開口側の端部から径外方向に延長された板状のフランジ部38とで主体が構成される。フランジ部38は一方の板面が天井部に対向し、当該板面と天井部との間に羽根車34が配置されると共に、フランジ部38の外周端に側壁が当接される。
また、円筒部39は軸方向Axに抜き勾配を有し、内側にロータ2と軸部材35とが略同心で配置されると共に、外周側にステータ6が配置され、隔壁5となっている。そして円筒部39は底部40の外側に制御部41が配置され、ステータ6及び制御部41の配置された分離板37の外側の部位(空間)はモールド部42によって被覆される。
モールド部42は、ステータ6及び制御部41の配置された部位(空間)に充填硬化された熱硬化性樹脂等のモールド樹脂を主体とし、当該部位におけるポンプ30の外殻を形成する。そして、モールド部42はステータ6及び制御部41を分離板37に固着すると共に、ポンプ室内からの圧力に対する分離板37の強度を向上させ、分離板37を補強する。
制御部41は、ロータ2の回転位置を検知する位置検知センサやステータ6の通電制御用のスイッチング素子等の電子部品(図示せず)と、当該電子部品を実装した基板とで主体が構成される。そして、制御部41は位置検知センサの検知結果等を受けて、コイル7に流す電流等を制御して、モータ43の回転駆動を制御し、ポンプ30(羽根車34)の駆動を調整制御する。
ステータ6は、コイル7と、コア8と、絶縁部材21とを備え、コイル7の導線が制御部41と電気的に接続され、コア8は磁極部12に基部14と延長部16とを有し、延長部16の磁極面19,20は軸方向Axにおいて勾配を有する。
上述のように、ポンプ30は、駆動源(モータ43)に第1実施形態のモータ1の構成を用い、磁極面13とロータ2の周面3との正対する径方向の間に分離板37(隔壁5)を配置し、ロータ2の軸方向Axにおける一端に羽根車34を設けている。
そのため、駆動源の大型化を抑えて、モータ43のエアギャップを低減し易くすることができ、モータ効率を向上させ易くなり、ポンプ効率を向上させ易くなる。また、モールド部42でステータ6を分離板37に固着すると共に、分離板37をモールド部42で補強したことで、円筒部39の厚さを薄くし易くなり、ステータ6とロータ2とのエアギャップを低減し易くなる。そして、ポンプ30駆動時等に通電される制御部41とステータ6とが分離板37によってポンプ室から隔離されると共にモールド部42に被覆されるため、外部の湿気等の水分やポンプ室内の流体等の制御部41やステータ6への浸入を抑制し易くなる。
なお、ポンプ30は第1或いは第3実施形態のモータ1の構成を駆動源(モータ43)に用いてもよい。もちろん、分離板37は樹脂製に限らず、金属製であってもよく、また円筒部39の勾配は抜き勾配に限らない。
また、ポンプ30は図7に示すような渦巻ポンプに限らず、渦流ポンプであってもよいのはもちろん、遠心ポンプに限らず、軸方向Axに流体を流動させる軸流ポンプ等であってもよく、これら例示の構成のみに限らない。そして、モータ43がアウターロータ型であってもよく、ポンプ30の構成は例示の構成のみに限らない。
(第5実施形態)
第5実施形態の機器50について、以下、図8に用いて説明する。なお、第4実施形態のポンプ30と、略同様の構成或いは均等の構成は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
第5実施形態の機器50について、以下、図8に用いて説明する。なお、第4実施形態のポンプ30と、略同様の構成或いは均等の構成は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の機器50は、例えば、温水や水、或いはこれらに洗剤を混合した液等を洗浄液に用いて、食器57を洗浄する食器洗浄機51となっている。食器洗浄機51は貯留槽53内の洗浄液を洗浄ポンプ54でノズル55に導入し、食器57配置用の配置空間52内にノズル55から洗浄液を噴出し、配置空間52に配置された食器57を洗浄する。そして、食器洗浄機51は貯留槽53が配置空間52の下方に位置し、配置空間52内に噴出した洗浄液を貯留槽53に流入させて、再度ノズル55から配置空間52に噴出させ、洗浄液を繰り返し使用する。更に、洗浄が完了すると、洗浄ポンプ54を停止して、排出ポンプ56を駆動させ、貯留槽53内の洗浄液を外部に排出する。また、上述の洗浄ポンプ54及び排出ポンプ56に第3実施形態のポンプ30を用いている。
上述のように、食器洗浄機51は、洗浄ポンプ54及び排出ポンプ56に第4実施形態のポンプ30を用いたことで、洗浄ポンプ54や排出ポンプ56を安価で低騒音、低振動、高効率な構成にし易くすることができる。そのため、安価で低騒音、低振動、高効率の食器洗浄機51を提供し易くなる。
(第6実施形態)
第6実施形態の機器50について、以下、図9に用いて説明する。なお、第4実施形態のポンプ30と、略同様の構成或いは均等の構成は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
第6実施形態の機器50について、以下、図9に用いて説明する。なお、第4実施形態のポンプ30と、略同様の構成或いは均等の構成は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の機器50は、熱供給システム59となっている。熱供給システム59は、水や湯を貯める貯湯ユニット60と、水を温めるヒートポンプユニット61と、風呂や蛇口やシャワー或いは床暖房等の各種出力ユニット62と、各種熱交換器63と、各種弁装置とを備える。更に、熱供給システム59は、水や湯等の流動用ポンプ64を備えると共に、流動用ポンプ65に第3実施形態のポンプ30を用いている。当該熱供給システム59は、複数の流動用ポンプ64を駆動させると共に各種弁装置を制御することで、各種出力ユニット62に水や温水を所望の温度、流量で供給し、各種出力ユニット62から水や温水或いは熱を出力する。
上述のように、熱供給システム59は、流動用ポンプ64に第4実施形態のポンプ30を用いたことで、流動用ポンプ64を安価で低騒音、低振動、高効率な構成にし易くすることができる。そのため、安価で低騒音、低振動、高効率の熱供給システム59を提供し易くなる。
(第7実施形態)
第7実施形態の機器50について、以下、図10に用いて説明する。なお、第1乃至第3実施形態のモータ1や第4実施形態のポンプ30と、略同様の構成或いは均等の構成は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
第7実施形態の機器50について、以下、図10に用いて説明する。なお、第1乃至第3実施形態のモータ1や第4実施形態のポンプ30と、略同様の構成或いは均等の構成は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の機器50は、衣服等の洗濯対象物を収容する洗濯槽68と、洗濯槽68を回転駆動させる駆動部(図示せず)と、洗濯槽68内に水を供給する給水部(図示せず)と、洗濯槽68内の水を循環させる循環部69とを備えた洗濯機67となっている。洗濯機67は、洗濯槽68を駆動部で回転駆動させると共に、洗濯槽68内の水を循環部69で循環させて、洗濯対象物を洗濯する。
駆動部はモータを駆動源とし、当該モータに第1乃至第3実施形態のモータ1を用いている。そして、循環部69は洗濯槽68内の水を循環させるための循環用ポンプ70を備え、当該循環用ポンプ70に第4実施形態のポンプ30を用いている。
上述のように、洗濯機67は、駆動源に第1乃至第3実施形態のモータ1を用いると共に、循環用ポンプ70に第4実施形態のポンプ30を用いたことで、駆動部や循環部69を安価で低騒音、低振動、高効率な構成にし易くすることができる。そのため、安価で低騒音、低振動、高効率の洗濯機67を提供し易くなる。
なお、機器50は第5乃至第7実施形態の機器50に限らない。例えば、第4実施形態のポンプ30を、冷却液循環用ポンプに用いた自動車用の冷却装置や、燃料や空気を流動させる流動用ポンプに用いた燃料電池装置等であってもよい。また、例えば、第1乃至第3実施形態のモータ1を備えるが第4実施形態のポンプ30を備えない機器等であってもよい。
1 モータ
2 ロータ
5 隔壁
6 ステータ
8 コア
9 板状体
12 磁極部
14 基部
17 第1延長部
18 第2延長部
13,15,19,20 磁極面
Ax 軸方向
2 ロータ
5 隔壁
6 ステータ
8 コア
9 板状体
12 磁極部
14 基部
17 第1延長部
18 第2延長部
13,15,19,20 磁極面
Ax 軸方向
Claims (6)
- 複数の板状体を積層してコアを形成したステータと、前記ステータにより回転駆動されるロータと、前記ロータの回転軸心の径方向において前記ロータと前記ステータの間に配置された筒状の隔壁とを備え、
前記隔壁が前記回転軸心の軸方向において勾配を有し、
前記ロータが回転方向に沿った周面を有すると共に、
前記コアが、前記周面に前記隔壁を介して正対する磁極面を有した磁極部を備え、
前記磁極部が、前記コアの前記ロータ側の端部に設けられた基部と、前記軸方向における前記基部の一方の端部から前記軸方向に延長して設けられた第1延長部と、前記軸方向における前記基部の他方の端部から前記軸方向に延長して設けられた第2延長部とを有し、
前記第1延長部と前記第2延長部とのうち、少なくとも一方の前記磁極面が前記軸方向において勾配を有することを特徴とするモータ。 - 前記第1延長部の前記延長先端における前記磁極面の径寸法が、前記第2延長部の前記延長先端における前記磁極面の径寸法に比べて、大であることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
- 前記第1延長部の前記磁極面と前記第2延長部の前記磁極面とが各々前記隔壁に並行して前記勾配を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ。
- 前記周面が前記隔壁に並行して勾配を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のモータ。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のモータを備えることを特徴とするポンプ。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のモータ、又は請求項5に記載のポンプを備えることを特徴とする機器。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019047660A (ja) * | 2017-09-04 | 2019-03-22 | シナノケンシ株式会社 | ブラシレスモータ及び固定子の巻線方法 |
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JP2005210808A (ja) * | 2004-01-21 | 2005-08-04 | Mayekawa Mfg Co Ltd | 永久磁石埋め込み型同期機 |
JP2007074859A (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-22 | Jtekt Corp | モータ |
JP2010038083A (ja) * | 2008-08-07 | 2010-02-18 | Mitsubishi Electric Corp | ポンプ及びヒートポンプ式給湯装置及びポンプの製造方法 |
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2011
- 2011-03-25 JP JP2011068376A patent/JP2012205419A/ja active Pending
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2012
- 2012-03-09 EP EP12158767A patent/EP2503153A2/en not_active Withdrawn
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