JP2012200386A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波信号を用いて脂肪、筋肉、軟組織等の組織境界を検出すること。
【解決手段】超音波診断装置は、振動素子100と、送信ビーム制御部110と、送信ビーム形成部111と、受信ビーム形成部120と、表示制御部121と、表示部122と、組織情報記憶部130と組織境界検出部131とを備え、受信時間範囲と信号強度範囲を設定し、前記受信時間範囲と前記信号強度範囲を満たす信号ピークを組織境界とすることにより、遅延加算後の信号を用いることなく組織境界検出が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は被検体内に超音波を送信し、組織の差異によって反射した超音波を受信して、その受信信号を画像に変換して表示する超音波診断装置に関するものである。
超音波診断装置とは超音波信号を被検体内に送信し、その反射波から病変部の診断を行う装置である。CT、X線とは異なり放射線を使用していないので被爆の危険が無く診断を行うことができ、循環器系疾患や癌の早期発見に用いられている。
図3に従来の超音波診断装置の構成を示す。超音波診断装置は振動素子100と、送信ビーム制御部110と、送信ビーム形成部111と、受信ビーム形成部120と、表示制御部121と、表示部122と、を備える。
送信ビーム制御部110は、パルス波や連続波など送信波の形状を決定するための時間方向の制御と、任意の箇所に送信波をフォーカスさせるための空間方向の制御をする制御信号を送信ビーム形成部111へ出力する。次に、送信ビーム形成部111は、入力された制御信号に対して時間方向の制御を行う駆動タイミング量と空間方向の制御を行う送信遅延量を算出し、前記駆動タイミング量と前記送信遅延量を駆動信号とし、前記駆動信号を振動素子100へ出力する。次に振動素子100において入力された駆動信号によって振動素子100に電圧が印加されることによって電圧を振動に変換し超音波を被検体内に送信する。次に、振動素子100において被検体内に送信された超音波は組織間の音響インピーダンスの差異によって反射し、振動素子100で音線信号に変換して受信ビーム形成部120へ入力する。次に受信ビーム形成部120において入力された音線信号に対して受信遅延量計を算出し、前記受信遅延量に基づいて加算処理を行い表示制御部121へ加算信号が出力される。次に表示制御部121において入力された加算信号に対して輝度信号へ変換し、表示部122へ出力される。表示部122において被検体内の反射で生じた超音波信号を輝度信号として操作者へ提供する。
高画質な超音波画像を提供するためには各振動素子に適切な遅延量を設定する必要があるが、従来の超音波診断装置では被検体内を超音波の伝播速度を1540m/s程度の均一な組織と想定して、遅延量を設定していた。しかし生体は脂肪、筋肉、軟組織等の様々な組織で構成されており、密度と弾性率の違いによって各組織の音速は1400−1600m/sとなり、音速にばらつきが生じるこの音速のばらつきが送受信フォーカスのずれ、超音波画像と生体内間での物理的な位置形状に誤差が発生する原因となっていた。そこで、前記送受信フォーカスのずれ、物理的な位置形状の誤差を関心領域の組織境界を判別し、音速分布を表示するマップ(以下音速マップ)を用いて減少させる手法が考案されている。
例えば、特許文献1では音速マップを作成し、音速マップを用いて超音波画像に生じる位置ずれをBモード画像信号において補正する。ここで、密度が同じ領域内では音速がほぼ同じになることを利用し、焦点の位置をずらしながら被検体内の複数の位置における音速の変化を利用する方法がある。このように、複数の位置の焦点に対して超音波を送受信し、それぞれの焦点位置での音速を算出し、ある深度において算出された音速と、他の深度において算出された音速とを比較する。そして、これらの音速が所定の割合以上変化している場合に、2つの深度の間に異なる組織の境界が存在していると判定している。特許文献2では脂肪層の厚みを算出している。脂肪領域と生体領域(ここでは肝臓)の境界を検出するために超音波診断画像の輝度の最大値を閾値として、最大値を受信した時間より早い時間に受信した信号を脂肪領域と想定し、脂肪の厚さを算出している。
特開2009−56140号公報 特開平9−187456号公報
しかしながら、特許文献1では、あらかじめ設定した音速を用いて送信遅延量を計算し、送信フォーカスを作成することで被検体内の任意の焦点位置に超音波を送信している。そのため、実際の組織とは異なる音速を用いて遅延量を計算しており、音速誤差を包含した組織境界の判定を行っている。
また、特許文献2では、受信信号として、各振動素子で得られた信号に対して加算処理を行った後の輝度信号を用いて、脂肪層の厚みを計算している。特許文献1と同様にあらかじめ設定した音速を用いて送受信遅延量を算出しており、実際の音速と異なった音速を用いて輝度信号を算出している。そのため脂肪と生体の境界検出に音速ずれの誤差を包含していることになる。また、各描画点に対して加算処理を行う必要があるため、計算量が多くなり処理時間が長くなるという問題がある。
さらに前記従来の構成では、遅延加算処理後の信号を用いるために音速ずれを包含した組織境界の判定を行っていたという問題が生じていた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、遅延加算処理を行う以前の音線信号を使用することで、音速ずれの影響を受けないようにする。しかし遅延加算処理を行わないことによる信号強度の減少による音線信号のS/N劣化という問題が生じる。そこで被検体組織の厚みに関するパラメータと被検体内で反射し受信される音線信号を用いた組織境界検出器を作成する。前記組織境界検出器を使用し、被検体の皮下に位置する第1の組織と、さらに深部に位置する第2の組織との境界を少なくとも検出すること特徴とした超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波診断装置によれば、遅延加算前の信号を用いることで遅延量計算で発生する音速誤差が無く、高精度かつ計算量を抑圧した組織境界の判定を実現した音速領域の作成が可能になる。この結果、アーチフェクトなどの雑音ロバスト性が高く物理的位置誤差の少ない高品質な組織境界の判定を実現できる超音波診断装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1における超音波診断装置のブロック図 本発明の実施の形態2における超音波診断装置のブロック図 従来の超音波診断装置のブロック図 実施の形態1における組織境界検出部の動作を示す図 減衰量の例(脂肪と筋肉の境界)を示す図 組織境界検出処理の例を示す図 音速領域を用いた音速補正の例を示す図
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
1.構成の説明
図1に、本発明の実施の形態1における組織境界検出部を具備する超音波診断装置のブロック図を示す。超音波診断装置は、振動素子100と、送信ビーム制御部110と、送信ビーム形成部111と、受信ビーム形成部120と、表示制御部121と、表示部122と、組織情報記憶部130と組織境界検出部131を備える。組織情報記憶部130、組織境界検出部131を囲む点線を従来の超音波診断装置との違いを表わす特徴部とし、これ以外の構成は図1に示す構成でなくてもよい。
2.動作(機能)の説明
次に、超音波診断装置における組織境界検出の動作について、図1を用いて説明する。
まず、送信ビーム制御部110において送信波形状をパルス波とし、フォーカス位置を無限遠方に設定した制御信号を送信ビーム形成部111と組織境界検出部131へ出力する。次に、送信ビーム形成部111は、入力された制御信号に対して時間方向の制御を行う駆動タイミング量と空間方向の制御を行う送信遅延量を算出し、前記駆動タイミング量と前記送信遅延量を駆動信号とし、前記駆動信号を振動素子100へ出力する。ここで送信遅延量は前記フォーカス位置を無限遠方にしたことから0に設定する。次に振動素子100は、入力された駆動信号によって振動素子100に電圧が印加されて、電圧を振動に変換することで平面超音波を被検体内に送信する。次に、振動素子100において駆動信号を入力し平面超音波を被検体内へ送信する。次に被検体内の音響インピーダンスの差異によって反射された平面超音波は振動素子100で受信されて組織境界検出部131へ音線信号を出力する。前記音線信号と同様に組織情報記憶部130において、組織境界検出部131へ関心領域内の組織情報データが出力される。次に、組織境界検出部131において制御信号、音線信号、組織情報データが入力されて被検体の皮下に位置する第1の組織と、さらに深部に位置する第2の組織との境界を少なくとも検出し、表示部122へ組織境界分布を出力する。次に、表示部122において操作者に組織境界分布を提示する。
〔組織情報記憶部130の説明〕
組織情報記憶部130の動作について説明する。組織情報データとは脂肪と筋肉の組織情報を最低限有しており、加えて診断部位に対応する組織情報を加えても良い。組織情報記憶部130では予め組織情報データとして構成組織数、組織の位置関係、組織の厚み、組織の音速、組織の密度、組織の超音波減衰量が記憶されている。そして診断領域に基づいて操作者が組織情報データを指定することでメモリから読み込めるようになっている。例えば診断領域が腹部だとすると脂肪、筋肉、軟組織から組織情報データは構成されているとする。また、操作者が被検体の性質を考慮して組織情報データを設定できるマニュアルモードがあっても良い。
なお、被検体の性別、体重、体脂肪率を設定することで、診断領域における脂肪と筋肉の厚みを算出する個人組織情報算出部を作成し、組織情報記憶部130の入力としても良い。その際は組織情報記憶部130で記憶されている脂肪と筋肉の厚みの代わりに前記個人組織情報算出部で算出した脂肪と筋肉の厚みを組織境界検出部131へ出力してもよい。
なお、振動素子100に被検体表面の温度分布を計測する温度計測部を作成し、前記温度分布から組織情報記憶部130に記憶されている組織の音速を変更しても良い。温度測定部で測定された温度が標準温度より高い場合は標準音速より音速を早く設定し、前記温度測定部で測定された温度が標準温度より低い場合は標準音速より音速を早く設定する。
〔組織境界検出部131の説明〕
組織境界検出部131の動作について、図4を用いて説明する。図4は、組織境界検出部131における組織境界検出処理を示したフローチャートである。
ステップS101において組織情報データを入力として受信時間範囲設定を行う。まず組織情報データから各組織の厚み情報dと音速vを用いて組織境界が存在する受信時間trを数1から算出し受信時間範囲trとtrに絞り込む。
Figure 2012200386
数1から受信時間範囲をtr<tr<trと設定する。
例えば脂肪領域では一般的な男性で腹部における脂肪の厚みは10mm−40mm、音速は1460m/sなので受信時間は14μsから55μsの範囲になる。
次に、ステップS102において組織情報データと制御信号を入力として信号強度範囲設定を行う。まず、組織間の超音波の反射率Rx・透過率Txを求めるために音響インピーダンスを算出する。前記音響インピーダンスZは各組織の音速vと密度ρから数2を用いて算出される。
Figure 2012200386
超音波の反射率Rx・透過率Txは音響インピーダンスの組織間の違いZ,Zから数3、数4を用いて算出される。
Figure 2012200386
Figure 2012200386
例えば脂肪の音響インピーダンスは1.32MRayls、筋肉の音響インピーダンスが1.64MRaylsであることから組織境界での反射率は10.5%となり、透過率は89.5%となる。
次に、組織内の超音波の減衰率を組織情報データから設定する。減衰率は媒質によって固有の値となっており周波数と距離の比例関係になっている。すなわち減衰率は周波数が高く、媒質内を伝搬する距離が長いほど大きくなる。更に往復分の減衰を考慮する必要がある。減衰量aは組織の減衰率drと音速vと送信周波数fを用いた時間tの関数となり数5を用いて算出される。
Figure 2012200386
図5は脂肪と筋肉の境界の減衰量を示す。減衰量とは被検体内への超音波の入出力である送信波と音線信号の比を示している。
次に、反射率Rxと透過率Txと減衰量aを用いて信号強度Sを算出する。信号強度Sを算出する際は反射率・透過率をデシベルに変換を行い数6から算出される。
Figure 2012200386
次に、制御信号を入力として仮想入力信号Vinを作成する。仮想入力信号Vinとは振動素子100から超音波が送信される時に、振動素子100に印加された信号である。その際に振動素子100の位置によって振幅の絶対値が異なることから制御信号に対して重み係数を掛ける必要がある。各振動素子100に対応する制御信号に対して中央の振動素子で受信された音線信号を最大値としてハミング窓を用いた正規化する。なお正規化を行う際はハミング窓に限らない。前記重み付けされた制御信号に対して検波処理を行った信号を仮想入力信号Vinとする。信号強度Sと仮想入力信号Vinから時間関数である境界強度関数Aを数7から算出する。
Figure 2012200386
信号強度Aは被検体の皮下に位置する第1の組織境界を用いて算出し、信号強度Aは第2の組織境界の信号強度を用いて算出する。これは被検体の組織位置関係が不変なことから、次の深い位置に存在する組織境界で反射する信号より振幅が大きいという拘束条件が設定できるためである。各振動素子100で受信される音線信号ASに対して境界強度関数AはA<AS<Aという条件が導き出せる。
次にステップS103において音線信号ASから組織境界を示す境界信号を検出する。ここで図6を用いて組織境界検出を説明する。まず音線信号ASに対して検波処理を行う。音線信号ASに対して直交検波を行うことで搬送波成分と組織の境界で生じた反射成分を位相の変化を除去して分離することができる。その結果S/Nを向上できることが期待できる。ここでは直交検波を行っているがもちろん検波方法は直交検波に限らない。検波処理を行った音線信号が受信範囲trと信号強度範囲Aの条件を満たす場合は、音線信号ASの最大振幅を1とする2値化処理行い境界信号を作成する。複数の最大振幅が検出された際は隣接する境界信号と最大振幅が検出された受信時間を比較する。そして隣接する最大振幅時の受信時間との差が小さい方を最大振幅として境界信号を作成する。
次に、ステップS104において前記条件を満たさない場合は組織の厚みもしくは境界強度関数のパラメータを変更し前記2値化処理を再度行う。前記2値化処理を全振動素子で行い境界信号を算出する。また境界信号は全振動素子で算出する必要はなく、所望のフレームレートを満足するように音線信号数を削減して前記境界信号を算出しても良い。また組織の耐破壊特性を超える厚み変化は超音波診断中には発生しないと考えられる。そこで組織破壊が生じる厚み変化と音速から受信時間を算出し、隣接する境界信号を比較した際に前記受信時間以上の変化があった場合に例外値と判定する。
次にS105において前記境界信号を2次元上に配置し組織境界を作成する。その際に前記例外値処理を行った場合は振動素子方向にスプライン補間処理を行うことで組織境界が滑らかな曲線で構成できるようする。なお補間方法はスプライン補間に限定しない。
次に、第2組織境界を第1組織境界と同様の手順で検出する。その際に第2組織境界検出における受信時間範囲設定S101と、信号強度範囲設定S102は第1組織境界の厚み情報を利用して検出する。このように組織境界は被検体表層の組織から逐次決定していく。例えば脂肪、筋肉、軟組織から構成される境界分布を作成する際は織境界検出処理においてまず脂肪と筋肉の組織境界を検出することができる。さらに深い位置である筋肉と軟組織の境界を検出するために前記組織境界から脂肪領域の厚み情報を受信時間範囲設定S101と信号強度範囲設定S102に反映させる。受信時間範囲設定S101では脂肪と筋肉の境界から10−20mmの範囲に筋肉と軟組織の境界があるとして受信時間範囲を設定する。また信号強度範囲設定S102では脂肪での減衰と脂肪と筋肉の組織間での透過率から筋肉と軟組織間の信号強度範囲を設定する。このように脂肪の影響を考慮して、次組織境界である筋肉と軟組織間の組織境界検出を行う。組織情報記憶部で設定された領域構成組織数に基づく組織境界が判定できたら組織境界分布の作成を終了する。
〔表示部122の説明〕
表示部122の動作について説明する。組織境界検出部131において出力された前記組織境界分布は表示部122で操作者に提示される。提示方法は組織境界分布のみを出力する方法、組織境界分布と超音波画像を別々に同一画面に出力する方法、超音波画像に組織領域分布を重ね合わせて出力する機能を有する。さらに組織境界分布は領域ごとに表示する色に差異を持たせることで明確にする。
3.作用効果の説明
以上説明したように超音波診断装置は、組織情報記憶部130と、組織境界検出部131と、を具備することにより、遅延加算後の信号を用いることなく組織境界検出が可能となる。この効果により、遅延加算後の信号から作成された組織境界検出に比べて、高いロバスト性と高精度な組織境界検出を提供することができる。
(実施の形態2)
1.構成の説明
図2に、本発明の実施の形態2における音速補正を具備する超音波診断装置のブロック図を示す。超音波診断装置は、振動素子100と、送信ビーム制御部110と、送信ビーム形成部111と、受信ビーム形成部120と、表示制御部121と、表示部122と、組織情報記憶部130と組織境界検出部131に加え、音速分布作成部210と音速補正部211を備える。
2.動作(機能)の説明
次に、超音波診断装置における組織境界検出の動作について、図2を用いて説明する。
まず、送信ビーム制御部110において送信波形状をパルス波とし、フォーカス位置を無限遠方に設定した制御信号を送信ビーム形成部111と組織境界検出部131へ出力する。次に、送信ビーム形成部は、入力された制御信号に対して時間方向の制御を行う駆動タイミング量と空間方向の制御を行う送信遅延量を算出し、前記駆動タイミング量と前記送信遅延量を駆動信号とし、前記駆動信号を振動素子100へ出力する。ここで送信遅延量は前記フォーカス位置を無限遠方にしたことから0に設定する。次に振動素子100は、入力された駆動信号によって振動素子100に電圧が印加されて、電圧を振動に変換することで平面超音波を被検体内に送信する。次に、振動素子100において駆動信号を入力し平面超音波を被検体内へ送信する。次に被検体内の音響インピーダンスの差異によって反射された平面超音波は振動素子100で受信されて組織境界検出部131へ音線信号を出力する。前記音線信号と同様に組織情報記憶部130において、組織境界検出部131へ関心領域内の組織情報データが出力される。次に、組織境界検出部131において制御信号、音線信号、組織情報データが入力されて被検体の皮下に位置する第1の組織と、さらに深部に位置する第2の組織との境界を少なくとも検出し、音速分布作成部210へ組織境界分布を出力する。次に、音速分布作成部210において組織境界分布と組織情報が入力されて音速分布が音速補正部211と表示部122へ出力される。次に音速補正部211において音速分布が入力されて各振動素子の音速が送信遅延量計算部12と受信遅延量計算部22へ出力される。
〔音速分布作成部210の説明〕
音速分布作成部210の動作について説明する。組織境界分布に対して組織情報データから組織の位置関係と音速データから組織境界分布で作成された境界よって区別された領域に音速データを適応することで音速分布を作成する。
〔音速補正部211の説明〕
音速補正部211の動作について、図7を用いて説明する。前記音速分布は受信時間と組織境界で構成されている音速分布になっているために、受信時間を各組織の音速から深さとして音速分布を変換する。深さDのフォーカス位置において任意の振動素子eと全振動素子中心からの距離Lとの差分から、フォーカス位置と振動素子の間に直線を仮定する。前記直線と音速マップの各組織境界B、Bとした時の座標をx、y、x、yとし、フォーカス位置Dの座標をx、yとする。振動素子eから組織境界Bまでの距離と、組織境界Bから組織境界Bまでの距離、組織境界Bからフォーカス位置Dまでの直線の比から振動素子eにおける音速を数8から算出する。
Figure 2012200386
音速補正部211は、送信ビーム形成部111と受信ビーム形成部120に数8で算出された音速を入力することで音速補正を行う。
なお、前記音速分布を用いて組織間の音速差から超音波の屈折率を算出し、前記振動素子eの音速補正に用いても良い。超音波の屈折を考慮した遅延加算処理を行うことで超音波画像に生じる虚像やアーチフェクトの発生を抑えられる効果が期待できる。
3.作用効果の説明
図2において、音速分布作成部210と音速補正部211を具備する音速補正方法により、前記構成の超音波診断装置は、送受信ビームフォーミング時の音速ずれによるフォーカス精度の低下を軽減することが可能になる。この効果により、超音波画像の分解能が向上し、高精細な超音波画像を提供することができる。
(その他変形例)
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
(1)上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
(4)本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
また、前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、または前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
(5)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
本発明にかかる超音波診断装置における組織境界の判別方法は、組織情報記憶部130と、組織境界検出部131と、音速分布作成部210を有し、従来の超音波診断装置の性能向上、特に音速補正へ適応することで画質向上に対して有用である。また本発明は超音波診断装置への適用のみならず、超音波を用いた非破壊検査装置等の用途にも応用できる。
100 振動素子
110 送信ビーム制御部
111 送信ビーム形成部
120 受信ビーム形成部
121 表示制御部
122 表示部
130 組織情報記憶部
131 組織境界検出部
210 音速分布作成部
211 音速補正部

Claims (7)

  1. 送信ビーム形状を設定する送信ビーム制御部と、
    前記送信ビーム形状を作成するための送信遅延量計算する送信ビーム形成部と、
    前記送信遅延量に基づいて超音波を送信し被検体内で反射した超音波を受信する振動素子と、
    受信した超音波信号から加算信号を形成する受信ビーム形成部と、
    前記加算信号から輝度信号を作成する表示制御部と、
    前記輝度信号を操作者に提示する表示部と、
    被検体を構成する組織情報を記憶する組織情報記憶部と、
    被検体を構成する組織情報を記憶する組織情報記憶部と、
    前記被検体の皮下に位置する第1の組成と、さらに深部に位置する第2の組成との境界を少なくとも検出する組織境界検出部とを有し、
    前記組織境界検出部は、前記組織情報記憶部の情報と、前記送信ビーム形成部において遅延量を付与しない音線信号に基づいて前記境界からの反射信号が現れる時間範囲を算出し、かつ、前記組織情報記憶部の組織情報と前記送信ビーム制御部の送信ビーム形状からから信号強度範囲を算出し、前記音線信号において、前記時間範囲及び前記信号強度範囲を満たす信号ピークを、前記第1の組成と前記第2の組成との境界からの反射信号として抽出することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記超音波診断装置はさらに、
    前記組織情報記憶部の音速情報と組織境界検出部で算出した組織境界から関心領域内の音速分布を算出する音速分布作成部と、
    前記音速分布から音速補正を行う音速補正部とを有し、
    前記音速補正部は振動素子とフォーカス点間を構成する組織の比率を用いて前記各振動素子の音速を個別に設定することで音速補正を行い、狭範囲の送受信フォーカスを行うことを特徴とする、請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記表示部は、輝度信号と組織境界を同時に操作者へ提示し、
    前記表示部は、輝度信号と組織境界を個別、もしくは重ね合わせて表示し、組織ごとに色を変更することを特徴とする、請求項1に記載の超音波診断装置。
  4. 前記組織境界検出部は、隣接する振動素子の信号を比較した際に、外力による組織の耐破壊特性から前記組織に破壊が生じる厚みに相当する受信時間の差異が発生した場合、例外値と判定して組織境界作成時に補間処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の超音波診断装置。
  5. 前記超音波診断装置はさらに、
    操作者が被検体の性別、体重、体脂肪率を設定することにより診断部位の脂肪、筋肉、の厚みを算出する個人組織情報算出部を有し、
    前記個人組織情報算出部で算出された脂肪、筋肉の厚みを組織情報記憶部に入力して、組織境界の判定を行うことを特徴とする、請求項1に記載の超音波診断装置。
  6. 前記超音波診断装置はさらに、
    振動素子において被検体表面の温度を計測する温度測定部を有し、
    前記温度測定部で測定された被検体表面の温度から被検体内の温度分布を推定し、前記温度分布が標準温度より低い場合は組織情報記憶部における各組織の標準音速より遅く設定し、前記温度分布が標準温度より高い場合は前記組織情報記憶部における各組織の音速を早く設定することを特徴とする、請求項1に記載の超音波診断装置。
  7. 音速補正部で算出される音速分布を用いて組織境界の屈折を組織間の音速差から算出し、各振動素子の音速補正を行うことで虚像やアーチフェクトの発生を抑圧すること特徴とする、請求項2に記載の超音波診断装置。
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