JP2012199463A - 高周波通信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】準ミリ波またはミリ波の信号を処理する送受信回路を搭載した送受信回路基板10と、送受信回路基板10上の送受信回路を覆うように取り付けられるシールドケース30とを備えた高周波通信装置において、送受信回路基板10と対向するシールドケース30の内面32aに、周期的に並べられた突起35と、電波吸収シート36とをそれぞれ配設した。
【選択図】図3
Description
また、この高周波通信装置では、送受信回路基板の表面の送受信回路から装置外への不要な電波の漏洩や、装置外から送受信回路への不要な電波の飛び込み、また送受信回路中の回路コンポーネント(各種部品、パターン、それら集合で機能するもの)同士の不要な結合、信号の回りこみを防ぐこと等を目的の一つとして、基板表面の全体を覆うように金属製のシールドケースが設けられている。
一方、電波吸収シートを用いない方法として、金属または非損失性誘電体または非損失磁性体からなる複数の突起を天井面の全面に形成することによって構成されたフィルタが設けられていることもある。この複数の突起は、送受信回路の周波数の信号に対して伝搬阻止帯域となるようにその形状や間隔が決定されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、前記シールドケースには、前記送受信回路のアクティブ部品と対向する位置に前記電波吸収シートを配設し安定動作を可能とし、前記送受信回路のパッシブ部品および基板パターン部と対向する位置に前記突起が配設されているので、所望の箇所の電力のロスを低減でき、送受信回路基板上において安定した信号を送受信することができる。特に、UWBレーダやUWB無線通信など、微弱で広帯域な電波に対して高い感度が必要な通信装置には有用である。また比較的背の高いアクティブ部品と突起との干渉を避けて、高周波通信装置自体の厚みを薄く構成することができる。
このカバー2を取り外した状態を図2に示す。筐体3には、図2に示すように、3つの車体取付用ステー4と、この高周波通信装置1で検知した信号を送信するための送信用コネクタ5とが取り付けられている。また、カバー2を取り外した状態では、詳細は後述する送受信回路基板10の裏面10a(送受信アンテナ側)が表出する。すなわち、この高周波通信装置1において送受信される信号は、この裏面10aに配置された送受信アンテナ11から、カバー2を通して外部に送信、或いは外部からカバー2を通してアンテナ11において受信される。
送受信回路基板10の表面10bには、図3および図4に示すように、準ミリ波またはミリ波などを発生させる送受信回路が実装されている。この送受信回路は、より詳細には、基板の表面10bからの高さが比較的に高背な部品で構成されているアクティブ部品12(例えば、トランジスタ、IC、MMICなど)と、低背な部品で構成されているパッシブ部品13(例えば、インダクタ、コンデンサ、抵抗など)と、高さのない部品である基板パターン部14(例えば、マイクロストリップライン、分配器など。送受信アンテナ11も含む)とで構成されている。
シールドケース30は、図3に示すように、上側が開口する箱形状に形成されており、送受信回路基板10と空間31を介して対向する天井部32と、この天井部32の四方の辺から送受信回路基板10に向かって延びる側壁部33とで構成されている。また、シールドケース30は、図6に示すように、空間31を3つに仕切る態様で中間壁部34が形成されている。これらの側壁部33および中間壁部34の端部は、送受信回路基板10と組み付けた状態で、送受信回路基板10の表面10bに接するようになっている。
複数の突起35で構成する場合、送受信回路からシールドケース30の天井面32aに向けて広がる電波信号は、金属からなる突起35や天井面32aによって反射される。また、突起構造の周期配置により、天井面32aに沿う方向における電磁波伝搬が、特定周波数のある方向成分において、抑制される。そのため、シールドとして外界と電波的に遮断しつつ、回路コンポーネント同士の不要な結合を防止したり、或いは閉じたシールド空間内における不要共振を回避することも可能となる。しかしながら、前述のとおり、機器の厚みを薄くすることが困難であるというデメリットも有する。具体的には、部品を実装した送受信回路基板10に取り付ける際、少なくとも、部品高さと突起35の高さ分の空間を確保する必要がある。さらにシールドが微視的には金属であり反射境界であるため、吸収境界と考えられる電波吸収シート36に比べ影響を大きく受け、より隔離が必要となる場合がある。特に、アクティブ部品12の先端部12aの近傍まで突起35を近づけて配置した場合、アクティブ部品12の動作が安定しないことがある。そのため、機器の安定性の面でも薄くすることが困難である。
このときのデータを符号50(点線)で示す。この場合、3つのうちで利得は一番高い値を示す。しかしながら、給電線路から広がった電波は、閉じたシールド空間内で特定周波数にて不要な共振を起こすため、ここでは22.4GHz、25.7GHz、29.1GHz周辺で急峻な特性劣化(符号50a、50b、50cで示す)が発生してしまう。特に、使用周波数帯域で共振が生じる場合、安定した信号を送信することは困難になる。
このときのデータを符号51(一点鎖線)で示す。この場合、シールドケース30側へ広がる電波は電波吸収シート36で十分に吸収されるため、共振は発生しない。しかしながら、給電線路上での電力のロスのため、3つのうちで利得が一番低い値となることが分かる。アンテナ利得が低い場合、送受信できる電波信号の強度が弱く、安定した信号の送信は困難になる。
このときのデータを符号52(実線)で示す。この場合は給電線路から広がった電波は対向する突起の周期配置により伝搬が抑制され、閉じたシールド空間内における不要共振を回避できる。また、電波吸収シート36に見られた電力ロスはない。よって上記(2)のデータと比較して、利得が高い値となる。一方、ロス低減より安定動作を優先させる部分には任意に電波吸収シートを配置することが可能である。そのため、3つのうちでは、部分的に電波吸収シート36、突起35を配設した場合が、使用に一番適しているものと判断される。
例えば、本実施の形態では、図4に送受信回路基板10上に配置された送受信回路を概略記載しているが、回路設計に合わせて、アクティブ部品12、パッシブ部品13などを任意の位置に配置することができる。その部品配置に合わせて、天井面32aに設ける突起35および電波吸収シート36の位置を決定すればよい。
2 樹脂製カバー
3 筐体
4 車体取付用ステー
5 送信用コネクタ
10 送受信回路基板
10a 裏面
10b 表面
11 送受信アンテナ
12 アクティブ部品
13 パッシブ部品
14 基板パターン部
30 シールドケース
31 空間
32 天井部
32a 天井面
33 側壁部
34 中間壁部
35 突起
35a 突起の先端部(頂上部)
36 電波吸収シート
a アクティブ部品の高さ寸法
c 突起の先端部(頂上部)から送受信回路基板の表面までの長さ寸法
λ0 波長
h 突起の高さ寸法
Claims (8)
- 準ミリ波またはミリ波の信号を処理する送受信回路を搭載した送受信回路基板と、前記送受信回路基板上の前記送受信回路を覆うように取り付けられるシールドケースとを備えた高周波通信装置において、
前記送受信回路基板と対向する前記シールドケースの内面に、周期的に並べられた突起と、電波吸収シートとをそれぞれ配設したことを特徴とする高周波通信装置。 - 前記シールドケースには、前記送受信回路のアクティブ部品と対向する位置に前記電波吸収シートを配設し、前記送受信回路のパッシブ部品或いは基板パターン部と対向する位置に前記突起がそれぞれ少なくとも1箇所以上配設されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波通信装置。
- 前記シールドケースには、使用周波数帯域において共振周波数がなく、且つ前記送受信回路のパッシブ部品或いは基板パターン部と対向する位置に配設されている前記突起が、吸収シートを配設した場合に比べて0.3dB以上の電力ロス低減できている部位を少なくとも一箇所以上備えたことを特徴とする請求項2に記載の高周波通信装置。
- 前記突起高さに比べ電波吸収シートの厚さが薄いことを特徴とする請求項2に記載の高周波通信装置。
- 前記送受信回路基板と前記シールドケースとを組み付けた状態で、前記アクティブ部品の前記送受信回路基板からの高さ寸法よりも、前記突起の先端部から前記送受信回路基板までの長さ寸法が小さくなるように構成したことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1つに記載の高周波通信装置。
- 前記突起の突出寸法および前記電波吸収シートは、UWB電波信号を伝搬抑制または吸収するように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の高周波通信装置。
- 前記突起の突出寸法および前記電波吸収シートは、準ミリ波UWBの電波信号を伝搬抑制または吸収するように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の高周波通信装置。
- 前記シールドケースは、前記突起にテーパ或いはR部を有して、一体的に成形されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の高周波通信装置。
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