JP2012197333A - 反応性重合体粉体の製造方法 - Google Patents

反応性重合体粉体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶液重合により調製された重合体を水で再沈殿する際に、重合体が凝集し難く、さらにろ過乾燥後における分子量の変化が少なく、また不溶物が無く、さらに非プロトン性極性溶媒の残存量の少ない反応性重合体粉体を製造すること。
【解決手段】ラジカル重合性不飽和基および酸基を有し、酸価が50〜200mgKOH/gの重合体(A)とスルホキシド系、ラクトン系、シクロカーボネート系、アミド系、シクロウレア系から選ばれる少なくとも一種の溶媒(B)とからなる重合体溶液(C)に対して、SP値が20〜30〔(MPa)1/2〕であり、沸点が100℃以上、かつ溶媒(B)の沸点以下である水溶性溶媒(D)を混合し、水で再沈殿する工程を含むことを特徴とする反応性重合体粉体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ラジカル重合性不飽和基および酸基を有する反応性重合体粉体を製造する方法に関する。
反応性重合体としては、エポキシ基を有するもの、クロロメチル基を有するもの、酸無水物構造を有するもの、イソシアナート基を有するものなどが知られている。側鎖にラジカル重合性不飽和基および酸基を有する重合体は反応性重合体のひとつであり、これに硬化触媒、単量体、溶媒、無機材料などを配合し、活性エネルギー線照射あるいは加熱によって架橋硬化される。反応性重合体の用途としては、塗料、粘・接着剤、感光性レジストなどの樹脂配合物、および導電性ペースト、セラミックス、繊維強化プラスチックなどのバインダーが挙げられる。
酸基を有する重合体の製造方法としては、重合溶媒を用いた溶液重合が好ましく使用される。また、前記用途に応じて適切な希釈溶媒が選択される。ところが、重合溶媒と希釈溶媒が異なる場合が多く、そこで重合体を固体あるいは粉体で取り出す精製が必要となる。また、溶液重合時に副生する低分子量の不純物を除く必要性から、前記精製を行う場合がある。
重合体を取り出す方法としては、一般的には、加熱乾燥、減圧と加熱の併用による乾燥、減圧乾燥、膜分離などが使用されるが、側鎖にラジカル重合性不飽和基および酸基を有する重合体は熱安定性に劣るため使用することができない。また、減圧乾燥と膜分離は大量処理に適しておらず、また長時間の工程が必要なため工業的ではない。
そこで、溶媒をある程度除く再沈殿と、洗浄溶剤による洗浄と加熱乾燥の組み合わせが提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。また、重合体溶液に対してアルコール溶剤及び水から選ばれる少なくとも1種と、水酸基を有さない溶剤から選ばれる少なくとも1種とからなる混合溶媒を接触させることによって、粉体を析出させる方法が提案されている(例えば、特許文献3を参照)。さらに、SP値に着目した再沈殿溶媒の組成が提案されている(例えば、特許文献4を参照)。ところが、いずれの提案も、水だけでなく有機溶剤を大量に使用するので、生産性が低下する問題があった。
またさらに、再沈殿によって析出させた重合体のスラリーを加熱させることが提案されている(例えば特許文献5を参照)。ところが、重合体のスラリーの加熱には分子量が変化し不溶物が生じる問題があるため、上限温度が限られており工程に要する時間が長くなる問題があった。
特開2010−14906号公報 特開2009−29874号公報 特開2008−138133号公報 特開2005−320444号公報 特開2002−201210号公報
本発明の目的は、溶液重合により調製された重合体を水で再沈殿する際に、重合体が凝集し難く、さらにろ過乾燥後における分子量の変化が少なく、また不溶物が無く、さらに非プロトン性極性溶媒の残存量の少ない反応性重合体粉体を製造することである。
本発明は反応性重合体粉体の製造方法に関し、ラジカル重合性不飽和基および酸基を有し、酸価が50〜200mgKOH/gの重合体(A)とスルホキシド系、ラクトン系、シクロカーボネート系、アミド系、シクロウレア系から選ばれる少なくとも一種の溶媒(B)とからなる重合体溶液(C)に対して、SP値が20〜30〔(MPa)1/2〕であり、沸点が100℃以上、かつ溶媒(B)の沸点以下である水溶性溶媒(D)を混合し、水で再沈殿する工程を含むことを特徴とする。
本発明において、重合体(A)のラジカル重合性不飽和基が(メタ)アクリロイル基であり、重合体(A)の酸基がカルボキシル基であっても良い。
また、本発明において、水溶性溶媒(D)が下記一般式(1)の水溶性溶媒であっても良い。
HO−(CHR−CH−O)−R ・・・ (1)
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは1または2を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基を示す。)
さらに、本発明において、溶媒(B)と水溶性溶媒(D)の質量比が5:1〜1:2であっても良い。
本発明によれば、非プロトン性極性溶媒の残存量が少なく、更に分子量の変化が少なく、また更に溶解性や混和性に優れた微粉末の反応性重合体粉体を得ることができる。したがって、得られた反応性重合体粉体を用いることにより、塗料用樹脂として優れた表面硬度、粘・接着剤用樹脂として優れた接着性、感光性レジスト用樹脂として優れたパターン解像度を発揮することができる。また、導電性ペースト用バインダーとして優れた導電性、セラミックス用バインダーとして優れた絶縁性や成形性、繊維強化プラスチック用バインダーとして優れた強度を発揮することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の反応性重合体粉体の製造方法は、重合体(A)と溶媒(B)とからなる重合体溶液(C)に対して、水溶性溶媒(D)を混合し、水で再沈殿する工程を含むことを特徴とする。
重合体(A)はラジカル重合性不飽和基および酸基を有する。ラジカル重合性不飽和基および酸基を有する重合体(A)の合成に使用される単量体のうち酸基を有する単量体は、酸基としてカルボキシル基、スルホ基、リン酸基などを有する重合性単量体であり、より好ましくはカルボキシル基を有する単量体である。その他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、芳香族ビニル化合物が挙げられる。これら単量体は1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。重合体の重量平均分子量は、1,000〜500,000であることが好ましく、より好ましくは5,000〜100,000である。
上記単量体を重合する際に使用する溶媒(B)としては、酸基を有する重合体を溶解させるために極性溶媒が使用されるが、重合開始剤の選択幅の広さ、分子量の制御のし易さ、および重合組成の均一化の点から、沸点が150℃以上の非プロトン性極性溶媒が選択され、スルホキシド系、ラクトン系、シクロカーボネート系、アミド系、シクロウレア系から選ばれる少なくとも一種の溶媒が用いられる。具体的には、スルホキシド系ではジメチルスルホキシド、スルホラン、ラクトン系ではγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、シクロカーボネート系ではプロピレンカーボネート、アミド系ではジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、シクロウレア系ではN,N’−ジメチルプロピレンウレアなどから選ばれる。
本発明においては、前記単量体を溶媒(B)中で溶液重合することにより、酸基を有する重合体を得る。通常、有機過酸化物やアゾ化合物などの重合開始剤を添加して重合する。
次に、酸基と反応する官能基を有する単量体と、酸基を有する上記重合体を付加反応させることによって、ラジカル重合性不飽和基および酸基を有する重合体(A)を得る。通常、四級アンモニウム塩、ピリジン、トリフェニルホスフィン等の公知の触媒を添加して付加反応を行なう。酸基と反応する官能基を有する単量体としては、エポキシ基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。エポキシ基を有する(メタ)アクリレートなどの単量体は、重合体(A)の酸価が50〜200mgKOH/g、好ましくは80〜150mgKOH/gの範囲となる量を添加する。
次に、重合体(A)と溶媒(B)とからなる重合体溶液(C)に対して、特定の範囲のSP値と沸点を有する水溶性溶媒(D)を混合し、水で再沈殿し、更にろ過、乾燥させることによって、反応性重合体粉体が得られる。前記SP値の範囲は、20〜30〔(MPa)1/2〕であり、20〜26〔(MPa)1/2〕が好ましい。水溶性溶媒(D)のSP値が20未満であると混合したときに重合体が析出するおそれがあり、添加量が制限され、溶媒が残存するおそれがある。SP値が30を超えると粉体に水溶性溶媒が残存するおそれがある。
水溶性溶媒(D)の沸点は、常圧で100℃以上であり、かつ溶媒(B)の沸点以下であり、好ましくは120℃以上で、かつ溶媒(B)の沸点より10℃低い温度以下である。100℃未満の水溶性溶媒であると粉体に溶媒が残存するおそれがあり、溶媒(B)の沸点より高いと長時間の乾燥時間による粉体の着色、不溶物の発生のおそれがある。
本発明で好適に使用される水溶性溶媒(D)としては、具体的には、1,4−ジオキサン、エチルラクテート、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ネオペンチルグリコール、2,3−ブタンジオール、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、フルフリルアルコール、ジメチルスルホン、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールの一種または二種以上の混合物が好ましく使用される。
水溶性溶媒(D)は、下記一般式(1)で表わされるものが、再沈殿中の分散性や残存溶媒量の点から、さらに好ましい。
HO−(CHR−CH−O)−R ・・・ (1)
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは1または2を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基を示す。)
上記一般式(1)の水溶性溶媒としては、具体的には、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。
水溶性溶媒(D)の使用量は、重合体溶液(C)に含まれる溶媒(B)との質量比〔(B):(D)〕が5:1〜1:2が好ましく、5:2〜1:1が更に好ましい。水溶性溶媒(D)が溶媒(B)との質量比で5:1よりも少ないと、重合体溶液(C)の希釈が十分でないことにより析出した重合体(A)の凝集が生じる場合がある。水溶性溶媒(D)が溶媒(B)との質量比で1:2よりも多いと、水溶性溶媒(D)を多量に使用することによる歩留の低下を招く場合がある。
本発明においては、重合体溶液(C)に対して水溶性溶媒(D)を混合した後、水で再沈殿させる。水で再沈殿させる工程における水の使用量は、重合体溶液(C)および水溶性溶媒(D)の和と水との質量比で1:2〜1:20が好ましく、1:5〜1:10が更に好ましい。
水で再沈殿させる工程は、撹拌装置付きの水槽に重合体溶液(C)を滴下しながら重合体(A)を析出させる方式、撹拌装置付き槽内の重合体溶液(C)に水を、加え重合体(A)を析出させる方式やラインミキサー内で重合体(A)を析出する方法を好ましく使用することができる。特に、水槽に滴下する方法は、析出した重合体(A)の粒子形状と粒子径を制御しやすいので、より好ましく使用できる。
このように、重合体溶液(C)中の重合体(A)を水で再沈殿させて重合体分散液を得た後、重合体分散液をろ過する。重合体分散液をろ過する方法については、通常の加圧ろ過方法、減圧ろ過方法、遠心ろ過方法が好ましく使用される。中でも生産性の点から加圧ろ過方法がより好ましい。加圧ろ過などのろ過によって得られた重合体の湿体を乾燥して反応性重合体粉体を得る。その際に使用する乾燥機械としては、数量に応じて回分式乾燥または連続式乾燥の装置を選択する。
以下、重合体溶液の合成例と実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。なお、各種物性値、測定、および判定は以下の方法に従った。
(1)再沈殿中の分散性
再沈殿する際の重合体の分散性を目視にて下記の3段階で判定した。
◎:細かい粒子で均一に分散している。
○:細かい粒子と粗い粒子が混在しているが、均一に分散している。
×:粗い粒子が多く、明らかにムラがある。または粒子が凝集し団子状になっている。
(2)粉体化による重量平均分子量の変化率
溶液時の重量平均分子量をMw、乾燥後の重合体粉体の重量平均分子量をMwとし下記式により求めた。
ΔMw%=〔(Mw−Mw)/Mw〕×100
なお、重量平均分子量(Mw)は、下記条件のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により求めた。
GPC装置:東ソー(株)製、HLC−8220
カラム:昭和電工(株)製、Shodex KF-805L
溶媒:テトラヒドロフラン
標準物質:ポリスチレン
カラム温度:40℃
(3)粉体の嵩比重
JIS K−7365(プラスチック−規定漏斗から注ぐことができる材料の見掛け密度の求め方)に従い測定した。
(4)不溶物の有無
10質量%の重合体粉体のイソプロピルアルコール溶液を調製し、目視にて不溶物の有無を判定した。
(5)粉体に含まれる残存溶媒量
粉体2gと内部標準物質のビフェニル0.05gをメタノール5gに溶解させた後、トルエンを50ml加え、重合体を沈殿させる。この上澄み液をガスクロマトグラフ(GC)により下記条件で分析し、内部標準法により定量した。
GC装置:島津製作所(株)社製GC−2014
検出器:FID
インジェクション温度:200℃
検出器温度:300℃
カラム温度:50℃10分保持、毎分10℃昇温、300℃10分保持
カラム:アジレント・テクノロジー(株)製、DB-1(内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μm)
重合体溶液の合成例で使用した溶媒の略号および沸点を下記に示す。
<溶媒>
DMSO:ジメチルスルホキシド(沸点:189℃)
GBL:γ−ブチロラクトン( 沸点:206℃)
NMP:N−メチルピロリドン(沸点:202℃)
PC:プロピレンカーボネート(沸点:242℃)
DMPU:N,N’−ジメチルプロピレンウレア(沸点:246℃)
実施例および比較例で使用した水溶性溶媒の名称、略号、沸点およびSP値〔(MPa)1/2〕を示す。なお、SP値はJ.Brandrup,E.H.Immergut著、John Wiley & Sons,Inc.のPolymer Handbook 3rd ed.VII/519〜559に記載の値を用いた。
<水溶性溶媒>
DX:ジオキサン(沸点:101℃、SP値:20.5)
EL:エチルラクテート(沸点:154℃、SP値:20.5)
FA:フルフリルアルコール(沸点:170℃、SP値:25.6)
EM:エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点:124℃、SP値:23.3)
DM:ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点:193℃、SP値:21.1)
EG:エチレングリコール(沸点:196℃、SP値:29.9)
PM:プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:118℃、SP値:20.7)
AN:アセトニトリル(沸点:82℃、SP値:24.3)
DG:ジエチレングリコール(沸点:245℃、SP値:24.8)
MEK:メチルエチルケトン(沸点:80℃、SP値:19.0)
DEEA:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点:217℃、SP値:17.4)
GL:グリセリン(沸点:290℃、SP値:33.8)
THF:テトラヒドロフラン(沸点:66℃、SP値:18.6)
重合体溶液の調製例1
<重合体溶液(1)>
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、DMSO1250gを導入し、90℃に昇温後、メタクリル酸200g、メタクリル酸メチル300g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)10.0g、DMSO100gを3時間かけて滴下した。滴下終了後2時間熟成し、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)2.5gを一括投入した。その後さらに3時間熟成し、残存開始剤を分解させ、酸基を有する重合体溶液を調製した。反応は全て窒素雰囲気下で行なった。酸基を有する重合体溶液調製時の窒素雰囲気を空気雰囲気下に変更した後、上記重合体溶液にテトラメチルアンモニウムクロライド7.5g、メトキノン1.0gを加えて、90℃に昇温した。次いで、メタクリル酸グリシジル150gを加えて、90℃で2時間反応させた。これにより2,000gの収量で重量平均分子量32,000、重合体酸価110mgKOH/gの重合体溶液(1)を調製した。
重合体溶液の調製例2
<重合体溶液(2)>
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、GBL880gを導入し、90℃に昇温後、メタクリル酸225g、メタクリル酸メチル550g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)10.0g、GBL120gを3時間かけて滴下した。滴下終了後2時間熟成し、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)2.5gを一括投入した。その後さらに3時間熟成し、残存開始剤を分解させ、酸基を有する重合体溶液を調製した。反応は全て窒素雰囲気下で行なった。酸基を有する重合体溶液調製時の窒素雰囲気を空気雰囲気下に変更した後、上記重合体溶液にテトラメチルアンモニウムクロライド11.3g、メトキノン1.5gを加えて、90℃に昇温した。次いで、メタクリル酸グリシジル225gを加えて、90℃で2時間反応させた。これにより2,000gの収量で重量平均分子量34,000、重合体酸価60mgKOH/gの重合体溶液(2)を調製した。
重合体溶液の調製例3
<重合体溶液(3)>
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、NMP1250gを導入し、90℃に昇温後、メタクリル酸275g、メタクリル酸メチル225g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)10.0g、NMP100gを3時間かけて滴下した。滴下終了後2時間熟成し、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)2.5gを一括投入した。その後さらに3時間熟成し、残存開始剤を分解させ、酸基を有する重合体溶液を調製した。反応は全て窒素雰囲気下で行なった。酸基を有する重合体溶液調製時の窒素雰囲気を空気雰囲気下に変更した後、上記重合体溶液にテトラメチルアンモニウムクロライド7.5g、メトキノン1.0gを加えて、90℃に昇温した。次いで、メタクリル酸グリシジル150gを加えて、90℃で2時間反応させた。これにより2,000gの収量で重量平均分子量31,000、重合体酸価186mgKOH/gの重合体溶液(3)を調製した。
重合体溶液の調製例4
<重合体溶液(4)>
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、PC880gを導入し、90℃に昇温後、メタクリル酸250g、メタクリル酸メチル580g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)10.0g、PC120gを3時間かけて滴下した。滴下終了後2時間熟成し、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)2.5gを一括投入した。その後さらに3時間熟成し、残存開始剤を分解させ、酸基を有する重合体溶液を調製した。反応は全て窒素雰囲気下で行なった。酸基を有する重合体溶液調製時の窒素雰囲気を空気雰囲気下に変更した後、上記重合体溶液にテトラメチルアンモニウムクロライド8.5g、メトキノン1.1gを加えて、90℃に昇温した。次いで、メタクリル酸グリシジル170gを加えて、90℃で2時間反応させた。これにより2,000gの収量で重量平均分子量30,000、重合体酸価97mgKOH/gの重合体溶液(4)を調製した。
重合体溶液の調製例5
<重合体溶液(5)>
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、DMPU1100gを導入し、90℃に昇温後、メタクリル酸180g、メタクリル酸メチル550g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)10.0g、DMPU100gを3時間かけて滴下した。滴下終了後2時間熟成し、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)2.5gを一括投入した。その後さらに3時間熟成し、残存開始剤を分解させ、酸基を有する重合体溶液を調製した。反応は全て窒素雰囲気下で行なった。酸基を有する重合体溶液調製時の窒素雰囲気を空気雰囲気下に変更した後、上記重合体溶液にテトラメチルアンモニウムクロライド3.5g、メトキノン0.5gを加えて、90℃に昇温した。次いで、メタクリル酸グリシジル70gを加えて、90℃で2時間反応させた。これにより2,000gの収量で重量平均分子量34,000、重合体酸価125mgKOH/gの重合体溶液(5)を調製した。
〔実施例1〕
<再沈殿>
重合体溶液(1)400gに水溶性溶媒のDX39gを混合し、10℃のイオン交換水6Lを満たしたパドル型撹拌機付きステンレスビーカーに回転速度200rpmで撹拌しながら滴下速度毎分10mlで再沈殿させた。重合溶液滴下後2時間撹拌を継続し重合体水スラリーを得た。
<ろ過>
アドバンテック東洋(株)製のろ過器SF−145Sにポリエステル製ろ布(200メッシュ)を装填し、窒素による加圧(0.2MPa)により重合体水スラリーをろ過した。ろ過ケーキを40℃のイオン交換水5Lを満たしたパドル型撹拌機付きステンレスビーカーに投入し、水洗浄を1時間行なった後、再び加圧ろ過した。この水洗浄と加圧ろ過を繰り返し3回行い、重合体湿体を得た。
<乾燥>
重合体湿体をトレー上に均一になるように広げ、ヤマト科学(株)製の送風定温乾燥機DKN 812に入れ、庫内温度40℃で重合体粉体の水分量が1質量%以下になるまで乾燥させた。
再沈殿中の分散性を判定するとともに、得られた重合体粉体について、重量平均分子量の変化率、粉体の嵩比重、不溶物の有無、残存溶媒量を測定、判定したところ、以下の結果となった。
<再沈殿中の分散性>
細かい粒子と粗い粒子が混在しているが、均一に分散しており、判定は「○」であった。
<重量平均分子量の変化率>
11.1であった。
<粉体の嵩比重>
0.31であった。
<不溶物の有無>
無色透明であり、不溶物は無かった。
<残存溶媒量>
残存溶媒量は0.30質量%であった。
〔実施例2〕
実施例1における重合体溶液(1)を重合体溶液(2)に、水溶性溶媒をEL33gにそれぞれ変更する他は、実施例1と同様に再沈殿の操作を行い、再沈殿中の分散性を判定した。また、実施例1と同様に、ろ過の操作を行い重合体湿体を得、乾燥の操作を行い重合体粉体を得た。得られた重合体粉体について、実施例1と同様に、重量平均分子量の変化率、粉体の嵩比重、不溶物の有無、残存溶媒量を測定、判定した。
さらに、重合体溶液、溶媒、水溶性溶媒の種類と使用量を表1に示す条件に種々変更した実施例3〜13についても、実施例1と同様に、再沈殿中の分散性、重量平均分子量の変化率、粉体の嵩比重、不溶物の有無、残存溶媒量を測定、判定し、実施例1、2を含めて表1にまとめた。
Figure 2012197333
〔比較例1〜8〕
実施例1における重合体溶液、溶媒、水溶性溶媒の種類と使用量を表2に示す条件に種々変更した比較例1〜8についても、実施例1と同様に、再沈殿中の分散性、重量平均分子量の変化率、粉体の嵩比重、不溶物の有無、残存溶媒量を測定、判定し、表2にまとめた。
Figure 2012197333
表1および表2の結果に示されるように、本発明によれば、再沈殿中の分散性が良好であり、重量平均分子量の変化率や粉体の嵩比重が小さく、また不溶物が無く、さらに残存溶媒量が少ない反応性重合体粉体を得ることができる。また、使用する溶媒量を少なくすることができるので、生産性が向上する効果もある。

Claims (4)

  1. ラジカル重合性不飽和基および酸基を有し、酸価が50〜200mgKOH/gの重合体(A)とスルホキシド系、ラクトン系、シクロカーボネート系、アミド系、シクロウレア系から選ばれる少なくとも一種の溶媒(B)とからなる重合体溶液(C)に対して、SP値が20〜30〔(MPa)1/2〕であり、沸点が100℃以上、かつ溶媒(B)の沸点以下である水溶性溶媒(D)を混合し、水で再沈殿する工程を含むことを特徴とする反応性重合体粉体の製造方法。
  2. 重合体(A)のラジカル重合性不飽和基が(メタ)アクリロイル基であり、重合体(A)の酸基がカルボキシル基であることを特徴とする請求項1に記載の反応性重合体粉体の製造方法。
  3. 水溶性溶媒(D)が下記一般式(1)の水溶性溶媒であることを特徴とする請求項1または2に記載の反応性重合体粉体の製造方法。
    HO−(CHR−CH−O)−R ・・・ (1)
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは1または2を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基を示す。)
  4. 溶媒(B)と水溶性溶媒(D)の質量比が5:1〜1:2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応性重合体粉体の製造方法。
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