JP2012197193A - ミミズ糞土を用いた液体肥料の製造方法 - Google Patents

ミミズ糞土を用いた液体肥料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便に使用できる液体肥料の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)ミミズ糞土ペレットが装入された容器を準備する工程、および(B)前記容器内に水を装入して、前記ペレット中の有機アミノ酸を抽出して液体肥料を得る工程を経て液体肥料を製造する。この方法は、(C)前記容器から液体肥料を取出す工程、および(D)前記容器に水を装入して、前記ペレット中の有機アミノ酸を抽出して液体肥料を得る工程をさらに含むことが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明はミミズ糞土を用いた液体肥料の製造方法に関する。
植物の栽培には、成長促進や健康状態維持のために施肥がなされる。通常の肥料は、使用の際に希釈する必要があり、希釈は、肥料を一定量測り取り、一定量の水を添加して行う。このため通常の肥料は使用するのが煩わしいという問題があった。一般家庭におけるガーデニングや、オフィス等における観葉植物等の施肥においては、この煩わしさが特に問題とされ、より手軽に使用できる肥料が望まれていた。このような要求への対応として、特許文献1には、手軽に肥料散布をできる補助具が提案されている。具体的にこの補助具は、多孔性の膜で被覆された肥料粒子を内包する通水性の袋体、およびこの袋体を収納する、複数の通水口を有する樹脂製のケースを具備する。この補助具をじょうろに投入することにより、手軽に肥料を散布できるとされる。
実用新案登録第3070047号
上記のとおり、使用が容易な肥料が提案されているが、さらに簡便に使用できる肥料が望まれている。かかる事情に鑑み、本発明は、簡便に使用できる液体肥料の製造方法を提供することを課題とする。
発明者らは鋭意検討の結果、容器に装入されたミミズ糞土ペレットの有効成分を水で抽出して液体肥料を得ることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、第一に、(A)ミミズ糞土ペレットを準備する工程、(B)前記ミミズ糞土ペレットを容器に装入する工程、および(C)前記容器内に水を装入して、前記ペレット中の有機アミノ酸を抽出して液体肥料を得る工程を含む、液体肥料の製造方法を提供する。前記(C)工程の後に、(D)前記容器から液体肥料を取出す工程、および(E)前記容器に水を装入して、前記ペレット中の有機アミノ酸を抽出して液体肥料を得る工程をさらに含むことが好ましい。また、前記(C)工程の後に、(D)前記容器から液体肥料を取出す工程および(E)前記容器に水を装入して前記ペレット中の有機アミノ酸を抽出して液体肥料を得る工程、を1サイクルとして、当該サイクルを繰り返す工程を含むことが好ましい。このサイクルを繰り返した後に(D)前記容器から液体肥料を取出す工程、および(F)前記容器内のペレット残渣を固形肥料として回収する工程、をさらに含むことが好ましい。前記サイクルは、得られた液体肥料100g中の、アンモニア態窒素濃度が0.3mg以下または硝酸態窒素濃度が0.1mg以下になるまで繰り返されることが好ましい。
本発明は、第二に、ミミズ糞土ペレットおよび前記ペレットを内包する容器、ならびに前記内包物を取出可能な開口部を具備する液体肥料製造装置であって、前記容器がさらに液体を内包することができ、かつ前記開口部が前記ペレットを取出さずに前記液体を取出す手段を備える、液体肥料製造装置を提供する。
前記方法および装置において、容器の容量は300〜1000mlであり、前記ペレットの装入量は前記容器を基準として30〜50容積%であることが好ましく、前記ペレットの平均寸法は、長辺長3〜5mm×短辺長3〜4mm×厚み3〜4mmが好ましい。
本発明により、簡便に使用できる液体肥料の製造方法が提供できる。
本発明の液体肥料製造装置の正面図である。 本発明の製造方法の概要を示す図である。 ミミズ糞土の団粒構造の概要を示す図である。
1.液体肥料の製造方法
本発明の液体肥料の製造方法は、(A)ミミズ糞土ペレットを準備する工程、(B)前記ミミズ糞土ペレットを容器に装入する工程、および(C)前記容器内に水を装入して、前記ペレット中の有機アミノ酸を抽出して液体肥料を得る工程を含む。
(1)(A)工程
本工程では、ミミズ糞土ペレットを準備する。ミミズ糞土ペレットは、ミミズ糞土をペレット状に加工して準備することが好ましい。ペレットとは小片である。ペレットの寸法は特に限定されないが、ペレットの平均寸法は長辺長3〜5mm×短辺長3〜4mm×厚み3〜4mmが好ましい。平均寸法は顕微鏡像から複数のペレットの寸法を求めることにより算出できる。
ミミズ糞土をペレットに固めると、多数の孔が形成され表面積が向上するので水との接触効率が向上し、有効成分を効率よく抽出できる。また、ペレットは、微粒子のように水に分散にくいので、抽出工程の後で液体肥料との分離が容易であり、何度も抽出工程に供することが可能となる。本発明で用いるミミズ糞土ペレットは、この取り扱いの容易さから円柱体、楕円体、またはこれらに類似する構造が好ましい。
ミミズ糞土ペレットは、成形機を用い、後述するミミズ糞土を成形して得ることができる。成形機としては、例えば、圧砕押し出し型の成形機が使用できる。成形時の温度は限定されないが、品質上の観点から、50〜70℃が好ましい。成形に供するミミズ糞土は、水分量が43〜45質量%であることが好ましい。前記水分量が40質量%未満であると、ミミズ糞土が飛散しやすくなり作業性が低下することがある。前記水分量が45質量%を超えると、ミミズ糞土の粘性が低下するため、成形性が低下することがある。成形機から押出されたミミズ糞土ストランドは、公知の方法により裁断されてペレットとされる。成形時には、必要に応じて、米糠・鶏糞等の増量剤をミミズ糞土に添加してもよい。この添加量は、成形性とコストのバランスの観点から、ミミズ糞土100質量部に対して、10〜30質量部が好ましい。
ミミズ糞土とは、ミミズの排泄物を含む土であり、後述する方法で製造される。ミミズとは環形動物門貧毛綱に属する動物である。本発明においては、入手容易性等の観点から、フトミミズ科、ツリミミズ科に分類されるミミズが好ましく、中でもシマミミズが好ましい。
i)ミミズ糞土の構造
本発明で用いるミミズ糞土は、団粒構造を有することが好ましい。団粒構造とは、図3に模式的に示すとおり、団粒22が複数個凝集することにより形成された凝集体20および団粒間隙間26を有する構造である。団粒とは、糞土の微粒子が糊状の有機物を介して結合されてできた微小な団粒内隙間24を有する粒である。糊状の有機物とは、有機物が微生物等により分解されて生成された粘着性の物質である。
凝集体20は、団粒内隙間24および団粒間隙間26に水を保持できる。また、団粒22は水には溶解しないので、この保持された水は排水可能である。従って、このような団粒構造を有するミミズ糞土からなるペレットを用いると、次の抽出工程において効率よく抽出を行える。この凝集体の直径は約0.1〜0.2mmが好ましい。本発明で用いるミミズ糞土は前記凝集体がさらに凝集して構成された粒子であってもよい。本発明で用いるミミズ糞土粒子の平均粒子径は0.1〜0.6mmが好ましい。このような平均粒子径を有するミミズ糞土粒子は飛散しにくい等により取り扱い性に優れるので、ペレットに成形しやすい。平均粒子径は前述のとおり求められる。
ii)ミミズ糞土の産生方法
本発明で用いるミミズ糞土は、シイタケの菌床粕を含む餌をミミズに摂食させて産生することが好ましい。シイタケの菌床粕とは、シイタケの栽培に用いた菌床の廃棄物である。菌床とは、キノコ栽培における培地であって、オガクズ等の木質基材に栄養源を混ぜた培地である。従って、シイタケの菌床粕を含む餌を摂食したミミズにより産生されたミミズ糞土を用いると、植物の生長を促進し、かつ植物の病気を抑制しうる液体肥料が得られる。
ミミズへの給餌量は、ミミズ100質量部あたり50〜100質量部とすることが好ましい。給餌量が50質量部未満であると、ミミズ糞土の生産性が十分でないことがある。給餌量が100質量部を超えると、コストが増加することがある。この餌を与え、土壌でミミズを飼育することにより、ミミズが食餌、排泄して、ミミズ糞土が産生される。
iii)ミミズ糞土の成分
本発明で用いるミミズ糞土は、栄養素として炭素、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびナトリウムを含むことが好ましい。各成分の濃度は以下のとおりであることが好ましい。これらの濃度は独立行政法人農業環境技術研究所が定める肥料分析法に基づいて求められるが、以下にその測定方法の概要も合わせて示す。
全炭素濃度:250〜400mg/g。全炭素濃度は、ミミズ糞土に含まれる炭素の総量であり、ミミズ糞土を燃焼させて発生する二酸化炭素を定量して求められる。
全窒素濃度:15〜30mg/g。全窒素濃度は、ミミズ糞土に含まれる窒素の総量であり、ミミズ糞土を燃焼させて発生する酸化窒素を定量することにより求められる。
アンモニア態窒素濃度:15〜30mg/kg。アンモニア態窒素は、アンモニウム塩の形態で存在する窒素である。この濃度は、ミミズ糞土を2Mの塩化カリウム水溶液で抽出し、抽出物をアルカリ性にしてアンモニウム塩をアンモニアにし、水蒸気蒸留してアンモニアを分留して定量して求められる。
硝酸態窒素濃度:700〜1000mg/kg。硝酸態窒素は、硝酸イオンのように酸化窒素の形で存在する窒素である。この濃度は、1)ミミズ糞土を2Mの塩化カリウム水溶液で抽出し、抽出液にデバルタ合金等の還元性の金属を装入して、亜硝酸イオン、硝酸イオンをアンモニウムイオンに還元し、2)この液をさらにアルカリ性にして、アンモニウムイオンをアンモニアにし、アンモニアを水蒸気蒸留して定量し、3)この値から、別に求めたアンモニア態窒素濃度を差し引くことで求められる。
全リン濃度:5〜20mg/g。全リン濃度は、ミミズ糞土に含まれるリンの総量であり、ミミズ糞土を乾式で灰化した後、バナドモリブデンイエロー溶液を添加して吸光光度分析して求められる。
全カリウム濃度:5〜20mg/g
全カルシウム濃度:30〜60mg/g
全マグネシウム濃度:5〜20mg/g
全ナトリウム濃度:0.5〜2mg/g
全カリウム濃度等は、ミミズ糞土に含まれるカリウム等の総量であり、ミミズ糞土を乾式で灰化した後、フレーム原子吸光分析して求められる。
本発明で用いるミミズ糞土は、上記成分の他にミミズの消化器官に由来する酵素等の生態由来物質を含むことが好ましい。
また、本発明で用いるミミズ糞土の抽出水は中性〜弱アルカリ性であることが好ましく、pHが7〜8であることがより好ましい。ミミズ糞土の前記抽出水の電気伝導度は、0.5〜2dS/mが好ましい。前記pHと電気伝導度が上記範囲にあるミミズ糞土からは、栄養素が抽出されやすい。pHと電気伝導度は、独立行政法人農業環境技術研究所が定める肥料分析法に準じて、1質量部のミミズ糞土を10質量部の水で抽出して得た抽出水から求められる。
(2)(B)工程
本工程では、(B)前記ミミズ糞土ペレットを容器に装入して、装置を準備する。図1は、本発明の製造方法に使用できる装置の概要図である。図中、1は容器、10は開口部、12は蓋、120は管、2はミミズ糞土ペレットである。
1)ミミズ糞土ペレットの装入量
ミミズ糞土ペレットの装入量は、ペレット形状に依存するため容器を基準として容量%で特定することが好ましい。本発明におけるペレットの容量%は、ミミズ糞土ペレットを通常の方法で容器内に装入したときの嵩容量を容器の容量で除して得られる。前記嵩容量とは、ミミズ糞土ペレットを、圧縮することなく、ペレット間に隙間が存在するように装入した状態の容量である。容器が円柱体であって、断面積が長手方向に対してほぼ一定である場合、前記容量%はミミズ糞土ペレットが装入された部分の高さを、容器の高さで除して求めてよい。
ミミズ糞土ペレットは容器の30〜40容積%程度装入されることが好ましい。前記量が30容積%未満であると、当該ペレットから抽出される液体肥料中の有効成分が十分でない場合がある。また、前記量が50容積%を超えると、ペレットの容器内での撹拌が不十分になるため、当該ペレットから抽出される液体肥料中の有効成分が十分でない場合がある。
2)容器
本発明で用いる容器は、ミミズ糞土ペレットを内包し、次工程において水も内包する。このため、容器は耐水性の材料で構成される。この材料としては、軽量であって強度に優れることから高分子材料が好ましく、特に内部の様子を確認できる透明な高分子材料が好ましい。中でもポリエチレンテレフタレート(以下「PET」ともいう)がより好ましい。
本発明で用いる容器の容量は、操作性を考慮して、300〜1000mlが好ましい。容量が300ml未満であると得られる液体肥料中の有効成分の量が少な過ぎて、十分な施肥が行えない場合がある。また、前記容量が1000mlを超えると、質量も増加するので操作性が低下することがある。本発明で用いる容器は、操作性を考慮して、円柱体またはこれに類似する形状(以下まとめて「円柱状体」ともいう)であることが好ましい。特に円柱状体の長さをL、軸に垂直な断面の直径をDとしたとき、L/Dは2〜5が好ましい。このような容器として、一般に飲料向けに市販されているPETボトルが最も好ましい。
(3)(C)工程
本工程ではミミズ糞土ペレットを内包する容器内に水を装入して、前記ペレット中の有機アミノ酸を抽出して液体肥料を得る。
1)水
本発明では通常の水道水を用いてよい。水の量は、水とミミズ糞土ペレットの合計の容積が、本発明で用いる容器の50〜80容量%となるように調整される。前記合計の容積が50容量%未満であると、ミミズ糞土ペレット中の有効成分を十分に抽出できない場合がある。また、前記合計の容積が80容量%を超えると、容器内における水とミミズ糞土ペレットの撹拌が十分でなくなり、ミミズ糞土ペレット中の有効成分を十分に抽出できない場合がある。水の温度は限定されないが、抽出効率を考慮して10〜25℃が好ましい。
2)抽出
本工程では、前記水を用いて、ミミズ糞土ペレットから肥料として有効な有機アミノ酸を抽出する。有機アミノ酸とは、アミノ基とカルボキシル基の両方を有する有機化合物である。溶媒は好ましくは水である。本工程においては、アミノ酸以外に、植物ホルモンまたはミミズの消化器官に由来する酵素等の生態由来物質を抽出してもよい。
抽出は、水とミミズ糞土ペレットを容器内で撹拌して行うことができる。撹拌は、容器を震盪する、容器内に撹拌棒を装入して撹拌する等により行ってよい。容器を震盪する場合は、容器に設けられた開口部は閉じられることが好ましい。抽出を行う温度も限定されないが、作業性等を考慮すると、10〜35℃が好ましい。1回の抽出は、抽出水中の有機アミノ酸の溶解度が飽和するまで行われることが好ましい。しかしながら、溶解度は、ミミズ糞土ペレットの量と水の量、および温度に依存するため、その都度、溶解度を確認することは困難である。よって、予め、特定の容量の容器、特定の量のミミズ糞土ペレットと水を用いた場合に、抽出時間と有機アミノ酸を含む有機エキスの溶解度との関係を明らかにして検量線を作成しておくことが好ましい。通常、抽出水にはアンモニア態窒素および硝酸態窒素が含まれる。アンモニア態窒素とは、アンモニウム塩の形態で存在する窒素である。硝酸態窒素とは、硝酸イオンのように酸化窒素の形で存在する窒素である。よって、抽出時間とアンモニア態窒素および硝酸態窒素の溶解度との関係について検量線を作成し、抽出時間と有機アミノ酸の溶解度との関係の指標とすることが好ましい。例えば、500mlの容器に40質量%のミミズ糞土ペレットと350mlの水を装入して一秒間に1回震盪して抽出を行った場合、30分間で抽出水中のアンモニア態窒素および硝酸態窒素濃度は、液体肥料100gあたりそれぞれ15mgおよび50mgとなる。
(4)(D)工程
前記(C)工程で得られた液体肥料は、植物に施肥するため容器から取出される。図2は、(D)工程の概要を表す図である。図中、3は本工程で得られた抽出水、すなわち液体肥料であり、その他の符号は図1と同様に定義される。液体肥料は、図2に示すように、容器1に設けられた開口部10から取出されることが好ましい。しかし、この際、ミミズ糞土ペレットは容器1内から取出されないことが好ましい。後述するとおり、再度抽出工程を行うことにより、液体肥料が製造できるからである。したがって、前記開口部10に、液体肥料は通過させるが、ミミズ糞土ペレットは通過させない液体通過手段を備えることが好ましい。この液体通過手段としては、適正な目の粗さのメッシュ、または図2に示すようなミミズ糞土ペレットの短辺長および厚みのうち小さい方(以下「短径」ともいう)よりも小さな径を有する蓋12が好ましい。メッシュは、前記開口部を覆うように取り付ければよく、蓋12は開口部10に取り付ければよい。蓋12にはこの蓋を貫通する管120を備えてもよい。
取出された液体肥料の量は、使用する容器の大きさ等により異なるが、500ml容量の容器を使用した場合、150〜300mlが好ましい。
(5)(E)工程
本発明においては、前記(D)工程の後に、容器に再び水を装入して、前記ペレット中の有機アミノ酸を抽出して液体肥料を得る工程を設けてもよい。この工程に用いる水の量、および抽出方法は既に述べたとおりである。本工程により、さらに有機アミノ酸等の有効成分が抽出される。
(6)繰り返しサイクル
本発明においては、前記(C)工程の後に、液体肥料を取出す(D)工程と再度液体肥料を得る(E)工程を1サイクルとしてこのサイクルを繰り返すことができる。このサイクルの繰り返しによりミミズ糞土ペレットから効率よく液体肥料を製造できる。すなわち、本発明においては、(A)工程→(B)工程→(C)工程→1回目サイクル((D)工程+(E)工程)→・・・→N回目サイクル((D)工程+(E)工程)のようにして液体肥料を製造できる。このサイクルは任意の回数繰り返してよいが、このサイクルで得られた液体肥料100g中の、アンモニア態窒素濃度が0.3mg以下または硝酸態窒素濃度が0.1mg以下になるまで繰り返すことが好ましい。このようにすると、ミミズ糞土ペレット中の有機アミノ酸を最大限まで抽出できる。液体肥料中のアンモニア態窒素または硝酸態窒素をその都度定量することは作業性の観点から好ましくないので、前述のとおり予め抽出回数と前記濃度に関する検量線を作成しておくことが好ましい。例えば、500mlの容器に40質量%のミミズ糞土ペレットと350mlの水を装入し、抽出を繰り返した場合、10回目の抽出で得られる液体肥料中のアンモニア態窒素濃度は約0.3mg/100g以下、硝酸態窒素濃度は約0.1mg/100gとなる。
(7)(F)工程
このような濃度の液体肥料を取出した後の容器内にはミミズ糞土ペレット残渣が存在する。前述のとおり、本発明で好ましく用いられるミミズ糞土におけるリン等の含有量は5〜20mg/g、アンモニア態窒素等の含有量は15〜30mg/kgであり、アンモニア態窒素等に比べリン等の含有量は、はるかに多い。このため、抽出後のミミズ糞土ペレット残渣は、アンモニア態窒素または硝酸態窒素はあまり含んでいないが、リン、カリウムおよびカルシウム等の他の栄養素を豊富に含んでいる。よって、当該ペレット残渣を固形肥料として回収し、使用することが好ましい。この工程により、ミミズ糞土ペレットをさらに有効に利用できる。ミミズ糞土ペレット残渣を取出す方法は限定されないが、蓋12を外し、開口部10から取出すことが好ましい。
2.本発明により得られた液体肥料
1)特性
本発明により得られる液体肥料は、以下の性能を有し、かつ以下の栄養素を有することが好ましい。
電気伝導度(EC):80〜300mS/m
pH:7〜9
アンモニア態窒素:0.3〜3mg/100g
硝酸態窒素:0.1〜8mg/100g
可給態燐酸:20〜30mg/100g
可給態鉄:2〜7ppm
交換性石灰 CaO:2〜7mg/100g
交換性苦土 MgO:4〜7mg/100g
交換性加里 KO:30〜50mg/100g
交換性マンガン:0.1〜2ppm
pHおよび電気伝導度、ならびにアンモニア態窒素および硝酸態窒素は既に述べたとおり測定される。可給態燐酸および鉄とは、植物には直接利用されないが微生物の働きで植物に利用される形態に変化できる液体肥料中の燐酸、鉄の量であり、原子吸収法により測定される。交換性石灰等は、液体肥料中の陽イオン交換容量に占める石灰等の割合であり、原子吸収法により測定される。陽イオン交換容量とは、一定量の液体肥料が保持できる陽イオンの量である。
2)用途
本発明で得られた液体肥料は、希釈等の煩わしい操作を経ずに、手軽に施肥できる。このため、本発明で得られた液体肥料は、一般家庭におけるガーデニングや、オフィス等における観葉植物等用の肥料に好適である。
3.本発明に用いる装置
本発明には、ミミズ糞土ペレットおよび前記ペレットを内包する容器、ならびに前記内包物を取出可能な開口部を具備する液体肥料製造装置であって、前記容器がさらに液体を内包することができ、かつ前記開口部が前記ペレットを取出さずに前記液体を取出す手段を備える装置を使用することが好ましい。
本装置における容器の材質、形状および寸法、ならびに開口部に設けられるペレットを取出さずに前記液体を取出す手段は、既に述べたとおりである。
本装置におけるミミズ糞土ペレットは既に述べたとおりである。本装置における、容器内に内包しうる液体とは、水または抽出水である。
[実施例1]
ミミズ糞土(商品名:みみず太郎100、株式会社豊徳製)を30kg準備して、一軸成形機(型名KNP−701、(株)ダイワ精機 社製)の原料供給口へ300g/分の割合で装入した。温度の上昇とアンペアメーターの上昇に注意しながら、平均寸法が長辺長5mm×短辺長4mm×厚み4mmのミミズ糞土ペレット2を得た。
このミミズ糞土ペレット200gを市販の飲料用500mlのPETボトル1内に装入して、図1に示すような装置を準備した。ミミズ糞土ペレットの容量%は40容量%であった。
次いで、当該容器内に350mlの水を装入し、開口部10を蓋12で閉じた。蓋12にミミズ糞土ペレットの短径よりも小さい直径を有する直径3mmのプラスチック製の管120が、蓋12を貫通するように取り付けた。管120の先端を指で閉鎖して、容器を5分間震盪し、液体肥料(1回目液体肥料)を得た。
続いて図2に示すように、得られた液体肥料3を、管120を介して容器1から取出した。得られた液体肥料はそのまま施肥が可能であった。以上から、本発明により、簡便に使用できる液体肥料が得られた。
得られた液体肥料3を既に述べた方法で分析した。分析結果を表1に示す。
[実施例2]
液体肥料3が取出された実施例1の容器1に再び、350mlの水を装入した。実施例1と同様にして、この水でミミズ糞土ペレットを抽出し液体肥料(2回目液体肥料)を得た。得られた液体肥料は実施例1と同様に取出された。
上記操作を繰り返し、10回目液体肥料を得て、容器1から取出した。得られた10回目液体肥料を実施例1と同様にして分析した。分析結果を表1に示す。
表1から、本発明により、栄養価が高く、かつ簡便に使用できる液体肥料を得られることが明らかになった。また、1回目液体肥料と10回目液体肥料中のリン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄等の成分はほとんど変化していないことから、ミミズ糞土ペレット残渣には栄養素が豊富に残存していると考えられる。従って、液体肥料製造に用いた後のミミズ糞土ペレット残渣は固形肥料としても有用である。以上から、本発明の製造方法は、ミミズ糞土ペレットを極めて効率よく使用した方法といえる。
1 容器
10 開口部
12 蓋
120 管
2 ミミズ糞土ペレット
20 団粒の凝集体
22 団粒
24 団粒内隙間
26 団粒間隙間
3 液体肥料

Claims (10)

  1. (A)ミミズ糞土ペレットを準備する工程、
    (B)前記ミミズ糞土ペレットを容器に装入する工程、および
    (C)前記容器内に水を装入して、前記ペレット中の有機アミノ酸を抽出して液体肥料を得る工程、を含む、液体肥料の製造方法。
  2. 前記(C)工程の後に、
    (D)前記容器から液体肥料を取出す工程、および
    (E)前記容器に水を装入して、前記ペレット中の有機アミノ酸を抽出して液体肥料を得る工程、を含む、請求項1記載の液体肥料の製造方法。
  3. 前記(C)工程の後に、
    (D)前記容器から液体肥料を取出す工程、および(E)前記容器に水を装入して、前記ペレット中の有機アミノ酸を抽出して液体肥料を得る工程、を1サイクルとして、当該サイクルを繰り返す工程を含む、請求項1記載の製造方法。
  4. 前記サイクルを繰り返した後に、
    (D)前記容器から液体肥料を取出す工程、および
    (F)前記容器内のペレット残渣を固形肥料として回収する工程、をさらに含む、請求項3記載の製造方法。
  5. 前記サイクルは、得られた液体肥料100g中の、アンモニア態窒素濃度が0.3mg以下または硝酸態窒素濃度が0.1mg以下になるまで繰り返される、請求項4記載の製造方法。
  6. 前記容器の容量が300〜1000mlであり、前記ペレットの装入量が前記容器を基準として30〜50容積%である、請求項1〜5いずれかに記載の製造方法。
  7. 前記ペレットの平均寸法が長辺長3〜5mm×短辺長3〜4mm×厚み3〜4mmである、請求項1〜6いずれかに記載の製造方法。
  8. ミミズ糞土ペレットおよび前記ペレットを内包する容器、ならびに前記内包物を取出可能な開口部を具備する液体肥料製造装置であって、
    前記容器がさらに液体を内包することができ、かつ前記開口部が前記ペレットを取出さずに前記液体を取出す手段を備える、液体肥料製造装置。
  9. 前記容器の容量が300〜1000mlであり、前記ペレットの装入量が前記容器を基準として30〜50容積%である、請求項8記載の装置。
  10. 前記ペレットの平均寸法が、長辺長3〜5mm×短辺長3〜4mm×厚み3〜4mmである、請求項8または9記載の装置。
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