JP2012193883A - 直接接触式復水器 - Google Patents
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Abstract
【課題】タービン排気の圧力損失の増加を抑制し、凝縮性能を向上させることができる直接接触式復水器を提供する。
【解決手段】実施形態の直接接触式復水器10は、タービン排気に含まれる水蒸気を凝縮する凝縮部21を形成する本体胴容器20と、凝縮部21内に、タービン排気を導入する方向に平行に延設され、噴射ノズル35を備えたノズル配管30を幅方向に複数備えるノズル配管列31を、幅方向に垂直な方向に複数備えるノズル配管群32を備える。本体胴容器20の下部に設けられたホットウェル80と、凝縮部21と区画壁部40を介して区画され、開口41を介して不凝縮ガスが流入するガス冷却部51を形成するガス冷却部胴容器50を備える。ノズル配管群32において、幅方向に垂直な方向の中央部のノズル配管列31における冷却水の噴射流量が、その他のノズル配管列31における冷却水の噴射流量よりも多い。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態の直接接触式復水器10は、タービン排気に含まれる水蒸気を凝縮する凝縮部21を形成する本体胴容器20と、凝縮部21内に、タービン排気を導入する方向に平行に延設され、噴射ノズル35を備えたノズル配管30を幅方向に複数備えるノズル配管列31を、幅方向に垂直な方向に複数備えるノズル配管群32を備える。本体胴容器20の下部に設けられたホットウェル80と、凝縮部21と区画壁部40を介して区画され、開口41を介して不凝縮ガスが流入するガス冷却部51を形成するガス冷却部胴容器50を備える。ノズル配管群32において、幅方向に垂直な方向の中央部のノズル配管列31における冷却水の噴射流量が、その他のノズル配管列31における冷却水の噴射流量よりも多い。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、直接接触式復水器に関する。
一般に火力発電所や原子力発電所では、純度の高い復水を得て冷却水として利用するため表面復水器を使用することが多いが、地熱発電所では、復水を回収する必要がないので直接接触式復水器が使われることが多い。
直接接触式復水器は、冷却水の処理方式によってトレー式とスプレー式とに分類される。双方は、冷却水を微粒化させる手段が異なるだけであって、タービン排気の凝縮を促す効果は同じである。
トレー式における冷却水微粒化手段は、内部に棚状に形成した板(トレー)を設け、棚状の板に設けた穴から冷却水を自然落下させてタービン排気の凝縮を促進させる。これに対して、スプレー式における冷却水微粒化手段は、内部のノズル配管に設けられた噴射ノズルから冷却水を噴射し、タービン排気に含まれる水蒸気の凝縮を促進させる。
水蒸気の凝縮は、タービン排気(水蒸気)と冷却水との温度差により進行する。そして、一般に復水器において十分な凝縮性能を得るには、タービン排気と冷却水の温度差が十分に取れていることが必要である。ここで、凝縮性能とは、タービン排気蒸気を凝縮させる能力のことで、できる限り低い圧力で凝縮を起すことがプラント効率向上のために必要である。
図7は、直接接触式復水器のタービン排気導入口における、一般的な軸流排気タービンからのタービン排気の速度比分布を示す図である。図7には、タービン排気導入口における断面の中心からタービン排気導入口の外周に向かう方向の速度比分布が示されている。
図7では、各位置における速度をタービン排気導入口における平均速度で除して速度比として示している。なお、図7に示された速度比分布は、軸流排気タービンの軸流排気室の出口における速度比分布でもある。
図7に示すように、タービン排気の速度は、タービン排気導入口の中心部で速く、外周に向かうにつれて遅くなる。このような速度分布を有するタービン排気に対して、凝縮部における凝縮性能の向上を図るために様々な検討がなされている。
上記したように、直接接触式復水器のタービン排気導入口におけるタービン排気は、中心部で速度が速い不均一な速度分布を有する。そのため、ノズル配管や噴射ノズルが均等に配置された従来の直接接触式復水器では、凝縮部の中央に多くのタービン排気が流入することで、タービン排気に含まれる水蒸気と冷却水との間の凝縮伝達が促進されず、凝縮性能の向上を図ることは困難である。また、中央部の凝縮性能に劣るため、タービン排気が流動する下流においても、上記した不均一な速度分布を有し、圧力損失が増加する。
本発明が解決しようとする課題は、タービン排気の圧力損失の増加を抑制しつつ、凝縮性能を向上させることができる直接接触式復水器を提供することにある。
実施形態の直接接触式復水器は、蒸気タービンからのタービン排気を導入して、タービン排気に含まれる水蒸気を凝縮する凝縮部を形成する本体胴容器と、前記凝縮部内に、タービン排気を導入する方向に平行に延設され、側面に冷却水を噴射するための噴射ノズルを少なくとも1つ備えたノズル配管を前記本体胴容器の幅方向に複数本備えて構成されたノズル配管列を、前記幅方向に垂直な方向に複数列備えて構成されたノズル配管群とを備える。さらに、前記本体胴容器の下部に設けられ、タービン排気から凝縮された凝縮水および前記噴射ノズルから噴射された冷却水を貯める貯水タンクと、前記凝縮部と区画壁部を介して区画され、前記区画壁部に形成された開口を介して、前記凝縮部を通過した、タービン排気に残存する不凝縮ガスが流入し、冷却されるガス冷却部を形成するガス冷却部胴容器とを備える。そして、前記ノズル配管群において、前記幅方向に垂直な方向の中央部の前記ノズル配管列における冷却水の噴射流量は、その他の前記ノズル配管列における冷却水の噴射流量よりも多い。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る第1の実施の形態の直接接触式復水器10の縦断面を示す図である。図2は、本発明に係る第1の実施の形態の直接接触式復水器10をタービン排気導入口側から見たときの平面図である。なお、以下の実施の形態において、同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明は、省略または簡略する。
図1は、本発明に係る第1の実施の形態の直接接触式復水器10の縦断面を示す図である。図2は、本発明に係る第1の実施の形態の直接接触式復水器10をタービン排気導入口側から見たときの平面図である。なお、以下の実施の形態において、同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明は、省略または簡略する。
図1に示すように、直接接触式復水器10は、蒸気タービンのタービン排気に含まれる水蒸気を凝縮する凝縮部21を形成する本体胴容器20を備えている。この本体胴容器20には、蒸気タービン(図示しない)からのタービン排気を、例えば、水平方向に導入するように、タービン排気導入口22が形成されている。
ここで、蒸気タービンとしては、例えば、軸流排気型の地熱発電用の蒸気タービンが適用される。また、地熱発電用の蒸気タービンにおいて、軸流排気型以外でも適用することができる。この場合、蒸気タービンの排気ダクト出口と直接接触式復水器10のタービン排気導入口22と間を配管で連結することで実現できる。
タービン排気導入口22と凝縮部21との間には、タービン排気導入口22から凝縮部21に向かって流路が徐々に拡大するように拡大流路部23を有している。
凝縮部21には、タービン排気を導入する方向に平行に延設された複数のノズル配管30が設けられている。ノズル配管30のタービン排気導入口22側の端部は閉塞されている。本体胴容器20の幅方向(図2の左右方向)に、所定の間隔をあけてノズル配管30を複数本備えることでノズル配管列31を構成している。
また、このノズル配管列31を、本体胴容器20の幅方向(図2の左右方向)に垂直な方向(図2の上下方向)に、所定の間隔をあけて複数列備えることでノズル配管群32を構成している。ここで、各ノズル配管列31を構成するノズル配管30は、本体胴容器20の幅方向に等間隔に配置され、ノズル配管群32を構成するノズル配管列31は、幅方向に垂直な方向に等間隔に配置されている。
各ノズル配管列31は、タービン排気導入口22側から見たときに、例えば、図2に示すように、ノズル配管30が千鳥格子状となるように配置されることが好ましい。なお、各ノズル配管列31は、この千鳥格子状の配置以外にも、例えば、ノズル配管列31を構成するノズル配管30の上下方向(本体胴容器20の幅方向に垂直な方向)の位置を合わせて格子状に配置されてもよい。なお、図示していないが、ノズル配管30は、補強部材によってその荷重の一部が支えられ、タービン排気を導入する方向に平行に延設されている(以下、同じ)。
各ノズル配管列31の側面には、冷却水を噴射するための噴射ノズル35が設けられている。噴射ノズル35は、ノズル配管30の長手方向に、1つまたは複数設けられている。各ノズル配管列31において、同じノズル配管列31を構成する各ノズル配管30の噴射ノズル35の配置構成は同じである。すなわち、同じノズル配管列31を構成する各ノズル配管30に設けられる噴射ノズル35の個数、噴射ノズル35の配置間隔などを同じとしている。
なお、ここでは、噴射ノズル35をノズル配管30の下方側の側面に設けた一例を示しているが、噴射ノズル35を設ける周方向の位置は、この位置に限られるものではない。例えば、本体胴容器20の幅方向に噴射可能なノズル配管30の側面の位置に、噴射ノズル35を設けてもよい。また、ここでは、ノズル配管30の周方向に1つの噴射ノズル35を設けた一例を示しているが、例えば、周方向に複数の噴射ノズル35を設けてもよい。
ノズル配管群32において、本体胴容器20の幅方向に垂直な方向の中央部のノズル配管列31における冷却水の噴射流量が、その他のノズル配管列31における冷却水の噴射流量よりも多くなるように構成されている。ここでは、上下方向に5段ノズル配管列31を有する一例を示しているため、上から3段目のノズル配管列31が中央部のノズル配管列31となる。
具体的には、各噴射ノズル35から噴射される冷却水の流量が同じ場合には、例えば、図1に示すように、本体胴容器20の幅方向に垂直な方向の中心部に位置するノズル配管列31から幅方向に垂直な方向の外側のノズル配管列31になるに伴って、各ノズル配管30に設けられる噴射ノズル35の個数を減少させる。すなわち、本体胴容器20の幅方向に垂直な方向の中心部に位置するノズル配管列31には、最も多くの噴射ノズル35が設けられている。
このように噴射ノズル35を備えるノズル配管30の他端側は、例えば、凝縮部21と後述するガス冷却部51とを区画する区画壁部40、およびガス冷却部51を形成するガス冷却部胴容器50を貫通して、ガス冷却部胴容器50の外部に設けられた水室60に接続されている。水室60には、図示しない冷却水タンクから冷却水が供給され、各ノズル配管30に冷却水を供給する。冷却水は、例えば、冷却水タンクとの圧力ヘッド差を利用して、各ノズル配管30に供給され、噴射ノズル35から噴射される。
本体胴容器20の下部には、タービン排気に含まれる水蒸気が凝縮した凝縮水および噴射ノズル35から噴射された冷却水を貯める貯水タンクとして機能するホットウェル80が設けられている。ホットウェル80の下部には、貯水を排出する排出管81が設けられている。なお、ホットウェル80内の水量がほぼ一定となるように、排出管81から貯水を排出している。ここで、タービン排気には、上記した水蒸気以外に、冷却水で冷却しても凝縮しない不凝縮ガスが含まれる。不凝縮ガスとしては、例えば、二酸化炭素(CO2)や硫化水素(H2S)が挙げられる。
また、図1に示すように、本体胴容器20に隣接して、凝縮部21と区画壁部40を介して区画されたガス冷却部51を形成するガス冷却部胴容器50が備えられている。ガス冷却部51は、区画壁部40に設けられた開口41から流入した不凝縮ガスを冷却する。冷却された不凝縮ガスは、ガス冷却部胴容器50に形成された不凝縮ガス排出口52から排出される。なお、不凝縮ガス排出口52は、図示しないエジェクタポンプや真空ポンプに連通され、直接接触式復水器10内は、大気圧よりも圧力が低い真空状態に維持されている。
開口41は、例えば、図1および図2に示すように、区画壁部40の下部の中央に形成される。なお、凝縮部21とガス冷却部51とを連通させる開口41が形成される位置は、この位置に限られるものではない。例えば、図1に示すように、不凝縮ガス排出口52が上方に設けられている場合には、不凝縮ガスの冷却を確実に行うため、不凝縮ガスをガス冷却部51の下方に導入できるように、区画壁部40の下部に開口41を設けることが好ましい。
また、開口41の上方には、開口41からタービン排気(不凝縮ガス)がガス冷却部51内に流入する際、上方から流下する冷却水や凝縮水のガス冷却部51側への巻き込みを防止するため、図1に示すように、巻込み防止板42を設けてもよい。この巻込み防止板42は、例えば、区画壁部40から凝縮部21側に突出するように設けられる。
ガス冷却部51における不凝縮ガスの冷却方法は、特に限定されるものではないが、例えば、図1に示すように、ガス冷却部胴容器50を貫通するノズル配管30に噴射ノズル35を設け、冷却水を噴射することで不凝縮ガスを冷却してもよい。
次に、直接接触式復水器10の作用について説明する。
タービン排気を導入する前に、不凝縮ガス排出口52に連通するエジェクタポンプや真空ポンプによって、直接接触式復水器10の圧力を大気圧よりも低い真空状態とする。
続いて、図示しない冷却水タンクに貯められた冷却水は、圧力ヘッド差を利用して各ノズル配管30に供給され、噴射ノズル35から噴射される。噴射ノズル35から噴射された冷却水は、液滴(粒子)の状態で凝縮部21内に広がりながら落下する。
この際、各噴射ノズル35から噴射される冷却水の流量は同じであるが、本体胴容器20の幅方向に垂直な方向の中心部に位置するノズル配管列31には、最も多くの噴射ノズル35が設けられている。そのため、ノズル配管群32において、本体胴容器20の幅方向に垂直な方向の中心部のノズル配管列31における冷却水の噴射流量は、その他のノズル配管列31における冷却水の噴射流量よりも多くなる。噴射ノズル35から噴射された冷却水は、落下してホットウェル80に流れ込む。
蒸気タービンからのタービン排気は、タービン排気導入口22から直接接触式復水器10内へ導入され、凝縮部21へ導かれる。凝縮部21へ導かれたタービン排気は、ノズル配管30に沿うように流れながら、噴射ノズル35から噴射される冷却水の液滴(粒子)と気液接触する。そして、タービン排気に含まれる水蒸気は、冷却され、凝縮して凝縮水となり落下し、ホットウェル80に流れ込む。
ここで、タービン排気導入口22から導入されるタービン排気は、図7に示すように、中央の速度が速い分布を有するため、ノズル配管群32の中央部に流れ込むタービン排気の流量が多くなる。ノズル配管群32においては、上記したように、本体胴容器20の幅方向に垂直な方向の中心部のノズル配管列31における冷却水の噴射流量が最も多くなるように構成されているため、中央部においてもタービン排気に含まれる水蒸気は、確実に冷却され、凝縮される。
また、タービン排気導入口22からノズル配管30に沿って区画壁部40側へ行くほど、タービン排気中の水蒸気の凝縮が進み、タービン排気中の不凝縮ガスの濃度が高くなる。すなわち、区画壁部40側におけるタービン排気の速度は低下し、区画壁部40側からタービン排気導入口22側へ逆流するタービン排気の流れは形成されない。そのため、タービン排気の逆流に伴う圧力損失が発生せず、直接接触式復水器10内で生じる圧力損失の増加が抑制される。
凝縮部21で凝縮が進行されたタービン排気(不凝縮ガス)は、開口41を介してガス冷却部51に導出される。ガス冷却部51に導出されたタービン排気(不凝縮ガス)は、例えば、噴射ノズル35から噴射された冷却水と接触することにより冷却される。そして、冷却されたタービン排気(不凝縮ガス)は、エジェクタポンプや真空ポンプによって引かれることにより、不凝縮ガス排出口52から排出される。
上記したように、第1の実施の形態の直接接触式復水器10によれば、ノズル配管群32において、本体胴容器20の幅方向に垂直な方向の中央部のノズル配管列31における冷却水の噴射流量を、その他のノズル配管列31における冷却水の噴射流量よりも多くなるように構成することができる。これによって、凝縮部21内において、タービン排気に含まれる水蒸気を確実に冷却して凝縮させることができるため、タービン排気の凝縮性能を向上させることができる。
また、タービン排気の逆流に伴う圧力損失が発生せず、直接接触式復水器10内で生じる圧力損失の増加を抑制することができる。
ここで、第1の実施の形態の直接接触式復水器10の構成は、上記した構成に限られるものではない。図3は、本発明に係る第1の実施の形態の他の構成の直接接触式復水器10の縦断面を示す図である。
図3に示すように、各ノズル配管30に設けられる噴射ノズル35の配置間隔を、タービン排気を導入する側からノズル配管30の長手方向に行くに伴い広くなるように構成してもよい。なお、その他の構成は、図1に示した直接接触式復水器10の構成と同じである。また、各噴射ノズル35から噴射される冷却水の流量は同じである。
前述したように、タービン排気導入口22からノズル配管30に沿って区画壁部40側へ行くほど、タービン排気中の水蒸気の凝縮が進む。そのため、タービン排気中に含まれる水蒸気の割合が高い、凝縮部21のタービン排気導入口22側における冷却水の流量を多くすることができる。
これによっても、上記した場合と同様に、タービン排気の凝縮性能を向上させ、直接接触式復水器10内で生じる圧力損失の増加を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
本発明に係る第2の実施の形態の直接接触式復水器11の構成は、第1の実施の形態の直接接触式復水器10の構成と、ノズル配管30に設けられる噴射ノズル35の配置構成および流量特性以外は同じである。そのため、ここでは、異なる構成である噴射ノズル35の配置構成および流量特性について主に説明する。
本発明に係る第2の実施の形態の直接接触式復水器11の構成は、第1の実施の形態の直接接触式復水器10の構成と、ノズル配管30に設けられる噴射ノズル35の配置構成および流量特性以外は同じである。そのため、ここでは、異なる構成である噴射ノズル35の配置構成および流量特性について主に説明する。
図4は、本発明に係る第2の実施の形態の直接接触式復水器11の縦断面を示す図である。なお、本発明に係る第2の実施の形態の直接接触式復水器11をタービン排気導入口側から見たときの平面図は、図2に示した、本発明に係る第1の実施の形態の直接接触式復水器10をタービン排気導入口側から見たときの平面図と同じである。
凝縮部21には、タービン排気を導入する方向に平行に延設された複数のノズル配管30が設けられている。各ノズル配管列31を構成するノズル配管30は、本体胴容器20の幅方向に等間隔に配置され、ノズル配管群32を構成するノズル配管列31は、幅方向に垂直な方向に等間隔に配置されている。
各ノズル配管列31は、タービン排気導入口22側から見たときに、例えば、図2に示すように、ノズル配管30が千鳥格子状となるように配置されることが好ましい。なお、各ノズル配管列31は、この千鳥格子状の配置以外にも、例えば、ノズル配管列31を構成するノズル配管30の上下方向(本体胴容器20の幅方向に垂直な方向)の位置を合わせて格子状に配置されてもよい。
各ノズル配管列31の側面には、冷却水を噴射するための噴射ノズル35が設けられている。各ノズル配管30には、それぞれ同じ数の噴射ノズル35が等間隔に設けられている。すなわち、各ノズル配管30における、噴射ノズル35の個数と配置間隔は同じである。
なお、ここでは、噴射ノズル35をノズル配管30の下方側の側面に設けた一例を示しているが、噴射ノズル35を設ける周方向の位置は、この位置に限られるものではない。例えば、本体胴容器20の幅方向に噴射可能なノズル配管30の側面の位置に、噴射ノズル35を設けてもよい。また、ここでは、ノズル配管30の周方向に1つの噴射ノズル35を設けた一例を示しているが、周方向に複数の噴射ノズル35を設けてもよい。
ノズル配管群32において、本体胴容器20の幅方向に垂直な方向の中央部のノズル配管列31における冷却水の噴射流量が、その他のノズル配管列31における冷却水の噴射流量よりも多くなるように構成されている。ここでは、上下方向に5段ノズル配管列31を有する一例を示しているため、上から3段目のノズル配管列31が中央部のノズル配管列31となる。
具体的には、例えば、図4に示すように、本体胴容器20の幅方向に垂直な方向の中心部に位置するノズル配管列31から幅方向に垂直な方向の外側のノズル配管列31になるに伴って、各ノズル配管30から噴射される冷却水の流量が少なくなるように構成している。中心部に位置するノズル配管列31に設けられる噴射ノズル35は、他のノズル配管列31の噴射ノズル35よりも、同じ噴射圧力で多くの流量を噴射することができる流量特性を有している。また、本体胴容器20の幅方向に垂直な方向の最も外側のノズル配管列31に設けられる噴射ノズル35の流量は、同じ噴射圧力で最も少なくなる。
次に、直接接触式復水器11の作用について説明する。
タービン排気導入口22から導入されるタービン排気は、図7に示すように、中央の速度が速い分布を有するため、ノズル配管群32の中央部に流れ込むタービン排気の流量が多くなる。ノズル配管群32においては、上記したように、本体胴容器20の幅方向に垂直な方向の中心部のノズル配管列31における冷却水の噴射流量が最も多くなるように構成されているため、中央部においてもタービン排気に含まれる水蒸気は、確実に冷却され、凝縮される。
また、タービン排気導入口22からノズル配管30に沿って区画壁部40側へ行くほど、タービン排気中の水蒸気の凝縮が進み、タービン排気中の不凝縮ガスの濃度が高くなる。すなわち、区画壁部40側におけるタービン排気の速度は低下し、区画壁部40側からタービン排気導入口22側へ逆流するタービン排気の流れは形成されない。そのため、タービン排気の逆流に伴う圧力損失が発生せず、直接接触式復水器11内で生じる圧力損失の増加が抑制される。
上記したように、第2の実施の形態の直接接触式復水器11によれば、ノズル配管群32において、本体胴容器20の幅方向に垂直な方向の中央部のノズル配管列31における冷却水の噴射流量を、その他のノズル配管列31における冷却水の噴射流量よりも多くなるように構成することができる。これによって、凝縮部21内において、タービン排気に含まれる水蒸気を確実に冷却して凝縮させることができるため、タービン排気の凝縮性能を向上させることができる。
また、タービン排気の逆流に伴う圧力損失が発生せず、直接接触式復水器11内で生じる圧力損失の増加を抑制することができる。
ここで、第2の実施の形態の直接接触式復水器11の構成においても、前述した第1の実施の形態の他の構成の直接接触式復水器10と同様に、各ノズル配管30に設けられる噴射ノズル35の配置間隔を、タービン排気を導入する側からノズル配管30の長手方向に行くに伴い広くなるように構成してもよい。
これによって、タービン排気中に含まれる水蒸気の割合が高い、凝縮部21のタービン排気導入口22側における冷却水の流量を多くすることができる。そのため、タービン排気の凝縮性能を向上させ、直接接触式復水器11内で生じる圧力損失の増加を抑制することができる。
(第3の実施の形態)
本発明に係る第3の実施の形態の直接接触式復水器12の構成は、第1の実施の形態の直接接触式復水器10の構成と、ノズル配管30および噴射ノズル35の配置構成以外は同じである。そのため、ここでは、異なる構成であるノズル配管30および噴射ノズル35の配置構成について主に説明する。
本発明に係る第3の実施の形態の直接接触式復水器12の構成は、第1の実施の形態の直接接触式復水器10の構成と、ノズル配管30および噴射ノズル35の配置構成以外は同じである。そのため、ここでは、異なる構成であるノズル配管30および噴射ノズル35の配置構成について主に説明する。
図5は、本発明に係る第3の実施の形態の直接接触式復水器12の縦断面を示す図である。図6は、本発明に係る第3の実施の形態の直接接触式復水器12をタービン排気導入口側から見たときの平面図である。
図5および図6に示すように、凝縮部21には、タービン排気を導入する方向に平行に延設された複数のノズル配管30が設けられている。ノズル配管30は、ノズル配管群32において、本体胴容器20の幅方向の中央部かつ幅方向に垂直な方向の中央部で噴射される冷却水の流量が、その周囲で噴射される冷却水の流量よりも多くなるように配置されている。
具体的には、例えば、図5および図6に示すように、ノズル配管列31を構成するノズル配管30の配置間隔が、本体胴容器20の幅方向の中央部に行くに伴い狭く、かつノズル配管群32を構成するノズル配管列31の配置間隔が、幅方向に垂直な方向の中央部に行くに伴い狭くなるように構成されている。すなわち、ノズル配管群32の中心部における、本体胴容器20の幅方向および幅方向に垂直な方向のノズル配管30の間隔が狭く構成され、ノズル配管群32の中心部から外側に向かうに伴って、ノズル配管30間やノズル配管列31間の間隔が広く構成されている。
各ノズル配管列31の側面には、冷却水を噴射するための噴射ノズル35が設けられている。ここでは、各ノズル配管30には、それぞれ同じ数の噴射ノズル35が等間隔に設けられている。すなわち、各ノズル配管30における、噴射ノズル35の個数と配置間隔は同じである。また、各噴射ノズル35の流量特性は同じである。すなわち、各噴射ノズル35における、同じ噴射圧力での噴射流量は同じである。
なお、ここでは、噴射ノズル35をノズル配管30の下方側の側面に設けた一例を示しているが、噴射ノズル35を設ける周方向の位置は、この位置に限られるものではない。例えば、本体胴容器20の幅方向に噴射可能なノズル配管30の側面の位置に、噴射ノズル35を設けてもよい。また、ここでは、ノズル配管30の周方向に1つの噴射ノズル35を設けた一例を示しているが、周方向に複数の噴射ノズル35を設けてもよい。
上記したように、各噴射ノズル35から噴射される冷却水の流量は同じであるが、ノズル配管群32の中央に密にノズル配管30を備えることで、ノズル配管群32の中央において噴射される冷却水の流量を、その周囲において噴射される冷却水の流量よりも多くすることができる。
次に、直接接触式復水器12の作用について説明する。
タービン排気導入口22から導入されるタービン排気は、図7に示すように、中央の速度が速い分布を有するため、ノズル配管群32の中央部に流れ込むタービン排気の流量が多くなる。直接接触式復水器12におけるノズル配管群32においては、上記したように、本体胴容器20の幅方向の中心部かつ幅方向に垂直な方向の中心部の冷却水の流量が最も多くなる。これによって、中央部においてもタービン排気に含まれる水蒸気は、確実に冷却され、凝縮される。
また、タービン排気導入口22からノズル配管30に沿って区画壁部40側へ行くほど、タービン排気中の水蒸気の凝縮が進み、タービン排気中の不凝縮ガスの濃度が高くなる。すなわち、区画壁部40側におけるタービン排気の速度は低下し、区画壁部40側からタービン排気導入口22側へ逆流するタービン排気の流れは形成されない。そのため、タービン排気の逆流に伴う圧力損失が発生せず、直接接触式復水器12内で生じる圧力損失の増加が抑制される。
上記したように、第3の実施の形態の直接接触式復水器12によれば、ノズル配管群32において、本体胴容器20の幅方向の中央部かつ幅方向に垂直な方向の中央部で噴射される冷却水の流量が、その周囲で噴射される冷却水の流量よりも多くなるように構成することができる。これによって、凝縮部21内において、タービン排気に含まれる水蒸気を確実に冷却して凝縮させることができるため、タービン排気の凝縮性能を向上させることができる。
また、タービン排気の逆流に伴う圧力損失が発生せず、直接接触式復水器12内で生じる圧力損失の増加を抑制することができる。
ここで、第3の実施の形態の直接接触式復水器12の構成においても、前述した第1の実施の形態の他の構成の直接接触式復水器10と同様に、各ノズル配管30に設けられる噴射ノズル35の配置間隔を、タービン排気を導入する側からノズル配管30の長手方向に行くに伴い広くなるように構成してもよい。
これによって、タービン排気中に含まれる水蒸気の割合が高い、凝縮部21のタービン排気導入口22側における冷却水の流量を多くすることができる。そのため、タービン排気の凝縮性能を向上させ、直接接触式復水器12内で生じる圧力損失の増加を抑制することができる。
(その他の実施の形態)
なお、上記した実施の形態では、本体胴容器20の形状として、図2に示すように断面が矩形の容器の一例を示しているが、この形状に限られるものではない。本体胴容器20の断面形状を、例えば、多角形や円形としてもよい。例えば、本体胴容器20の断面形状を多角形や円形とすることで、本体胴容器20の断面形状を矩形とする場合に角部で発生するタービン排気の圧力損失を抑制することができる。
なお、上記した実施の形態では、本体胴容器20の形状として、図2に示すように断面が矩形の容器の一例を示しているが、この形状に限られるものではない。本体胴容器20の断面形状を、例えば、多角形や円形としてもよい。例えば、本体胴容器20の断面形状を多角形や円形とすることで、本体胴容器20の断面形状を矩形とする場合に角部で発生するタービン排気の圧力損失を抑制することができる。
本体胴容器20の断面形状を円形とする場合には、特に圧力損失を抑制する効果が大きい。また、本体胴容器20の断面形状を円形とする場合には、耐圧構造の観点から、タービン排気導入口22の構成部を補強するために使用される補強材を削減することができ、製造コストを削減できる。なお、タービン排気導入口22が円形の場合、外圧分の強度を有するように部材の厚さで調整できるため、タービン排気導入口22の補強材は不要となる。
直接接触式復水器10、11、12を、例えば、軸流排気型の蒸気タービンに適用する場合、本体胴容器20の断面形状を円形とすることで、蒸気タービンの排気ダクトの形状である円形をそのまま維持することができる。そのため、タービン排気の圧力損失の増加を抑制することができる。
以上説明した実施形態によれば、タービン排気の圧力損失の増加を抑制しつつ、凝縮性能を向上させることが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
10,11,12…直接接触式復水器、20…本体胴容器、21…凝縮部、22…タービン排気導入口、23…拡大流路部、30…ノズル配管、31…ノズル配管列、32…ノズル配管群、35…噴射ノズル、40…区画壁部、41…開口、42…巻込み防止板、50…ガス冷却部胴容器、51…ガス冷却部、52…不凝縮ガス排出口、60…水室、80…ホットウェル、81…排出管。
Claims (9)
- 蒸気タービンからのタービン排気を導入して、タービン排気に含まれる水蒸気を凝縮する凝縮部を形成する本体胴容器と、
前記凝縮部内に、タービン排気を導入する方向に平行に延設され、側面に冷却水を噴射するための噴射ノズルを少なくとも1つ備えたノズル配管を前記本体胴容器の幅方向に複数本備えて構成されたノズル配管列を、前記幅方向に垂直な方向に複数列備えて構成されたノズル配管群と、
前記本体胴容器の下部に設けられ、タービン排気から凝縮された凝縮水および前記噴射ノズルから噴射された冷却水を貯める貯水タンクと、
前記凝縮部と区画壁部を介して区画され、前記区画壁部に形成された開口を介して、前記凝縮部を通過した、タービン排気に残存する不凝縮ガスが流入し、冷却されるガス冷却部を形成するガス冷却部胴容器と
を具備し、
前記ノズル配管群において、前記幅方向に垂直な方向の中央部の前記ノズル配管列における冷却水の噴射流量が、その他の前記ノズル配管列における冷却水の噴射流量よりも多いことを特徴とする直接接触式復水器。 - 各前記ノズル配管列を構成する前記ノズル配管が等間隔に配置され、かつ前記ノズル配管群を構成する前記ノズル配管列が等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1記載の直接接触式復水器。
- 前記ノズル配管に備えられる各前記噴射ノズルから噴射される冷却水の流量が同じ場合において、
前記幅方向に垂直な方向の中心部に位置する前記ノズル配管列から前記幅方向に垂直な方向の外側の列になるに伴って、各前記ノズル配管に備えられる前記噴射ノズルの個数が減少することを特徴とする請求項1または2記載の直接接触式復水器。 - 各前記ノズル配管に備えられる前記噴射ノズルの個数が同じ場合において、
前記幅方向に垂直な方向の中心部に位置する前記ノズル配管列から前記幅方向に垂直な方向の外側の列になるに伴って、各前記ノズル配管に備えられる前記噴射ノズルから噴射される冷却水の流量が減少することを特徴とする請求項1または2記載の直接接触式復水器。 - 各前記ノズル配管に備えられる前記噴射ノズルの配置間隔が、前記ノズル配管の長手方向に等間隔であることを特徴とする請求項3または4記載の直接接触式復水器。
- 各前記ノズル配管に備えられる前記噴射ノズルの配置間隔が、タービン排気を導入する側から前記ノズル配管の長手方向に行くに伴い広くなることを特徴とする請求項3または4記載の直接接触式復水器。
- 蒸気タービンからのタービン排気を導入して、タービン排気に含まれる水蒸気を凝縮する凝縮部を形成する本体胴容器と、
前記凝縮部内に、タービン排気を導入する方向に平行に延設され、側面に冷却水を噴射するための噴射ノズルを少なくとも1つ備えたノズル配管を前記本体胴容器の幅方向に複数本備えて構成されたノズル配管列を、前記幅方向に垂直な方向に複数列備えて構成されたノズル配管群と、
前記本体胴容器の下部に設けられ、タービン排気から凝縮された凝縮水および前記噴射ノズルから噴射された冷却水を貯める貯水タンクと、
前記凝縮部と区画壁部を介して区画され、前記区画壁部に形成された開口を介して、前記凝縮部を通過した、タービン排気に残存する不凝縮ガスが流入し、冷却されるガス冷却部を形成するガス冷却部胴容器と
を具備し、
前記ノズル配管群において、前記幅方向の中央部かつ前記幅方向に垂直な方向の中央部で噴射される冷却水の流量が、その周囲で噴射される冷却水の流量よりも多いことを特徴とする直接接触式復水器。 - 前記ノズル配管に備えられる各前記噴射ノズルから噴射される冷却水の流量が同じ場合において、
各前記ノズル配管列を構成する前記ノズル配管の配置間隔が、前記幅方向の中央部に行くに伴い狭く、かつ前記ノズル配管群を構成する前記ノズル配管列の配置間隔が、前記幅方向に垂直な方向の中央部に行くに伴い狭くなることを特徴とする請求項7記載の直接接触式復水器。 - 各前記ノズル配管に備えられる前記噴射ノズルの配置間隔が、タービン排気を導入する側から前記ノズル配管の長手方向に行くに伴い広くなることを特徴とする請求項8記載の直接接触式復水器。
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JP2011057232A JP2012193883A (ja) | 2011-03-15 | 2011-03-15 | 直接接触式復水器 |
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---|---|---|---|---|
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JP2020041785A (ja) * | 2018-09-13 | 2020-03-19 | 株式会社東芝 | 直接接触式復水装置 |
CN111811289A (zh) * | 2020-06-30 | 2020-10-23 | 武汉第二船舶设计研究所(中国船舶重工集团公司第七一九研究所) | 一种对称喷嘴冷凝装置 |
-
2011
- 2011-03-15 JP JP2011057232A patent/JP2012193883A/ja not_active Withdrawn
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