JP2012189255A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒に炭化水素を使用したときに、高圧シェル型の圧縮機の内部において、冷凍機油に対する冷媒溶解性が必要以上に大きくならず、冷凍機油の大幅な粘度低下を防止することのできる冷凍機油を用いた冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】高圧シェル型の圧縮機を用い、冷媒として、炭化水素を使用し、冷凍機油として、ポリ・アルキレン・グリコールを用い、ポリ・アルキレン・グリコールは、その共重合成分であるプロピレン・オキサイドとエチレン・オキサイドとの成分比を、冷媒と冷凍機油が冷凍サイクル中の凝縮温度から蒸発温度までの全温度範囲にて二層分離状態となる成分比のうち、エチレンオキサイド比率が最も少ない成分比を中心として、所定の範囲の成分比に設定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、空調機、冷凍機、ヒートポンプ等の冷凍サイクル装置に関し、特に冷媒として炭化水素を使用した冷凍サイクル装置に使用する冷凍機油に関するものである。
従来技術として、冷媒として炭化水素を使用し、密閉容器内が吐出圧力となる(高圧シェル型)圧縮機を用いた冷凍サイクル装置において、冷媒との相溶性を有する油を使用する例が知られている。この従来技術では、鉱物油中には炭化水素が多量に溶解し冷凍機油の粘度が大幅に低下する問題を指摘し、その系において圧縮機の摺動耐力(または潤滑性能)を確保するために粘度が40℃において46cSt以上の冷凍機油を用いることが示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、この文献には、炭化水素と相溶性を示す冷凍機油として、パラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、カーボネートオイル、アルキルベンゼン、アルキレングリコールの単品かそれらの混合油と記述されているが、油の粘度が46cSt以上必要であることの根拠を示すデータは、鉱物油(パラフィン系炭化水素、または、ナフテン系炭化水素)を用いたものであり、その他の冷凍機油と炭化水素との組み合わせにおける具体的な記述はない。
また、アルキレングリコールが、後述のポリ・アルキレン・グリコールと同等の物質を示すものであるならば、ハイドロカーボンのポリ・アルキレン・グリコールに対する溶解性は従来使用していたCFC/HCFCに比べて小さいため、発明が解決しようとする課題に挙げられている、「冷媒の冷凍機油への溶け込みが多くなって冷凍機油の粘度が低下し、圧縮機の機械的な潤滑性が低下することによって機器の信頼性が低下する」という記述は当てはまらない。また、油の粘度の46cStの値自体は、例えば、HCFC冷媒の一般的な空調機用高圧シェル型圧縮機に用いられている相溶性の冷凍機油の粘度が、56cSt程度であることを考慮すると、「潤滑性確保のためには使用する冷凍機油はある程度高い粘度に調質する必要がある」という趣旨と反する数値設定であることを付け加えておく。
他の従来技術において、炭化水素系冷媒と相互溶解しないケトン化合物を含む冷凍機油を用いることにより、冷凍機油中に溶解する冷媒量を抑制し、可燃性である炭化水素冷媒の量を低減する内容が示されている(例えば、特許文献2参照)。
以下の従来例は、冷媒や冷凍機油に関する一般的事項の補足説明を加えて記載する。
まず、本発明の説明の中で使用される「相溶性」について、一般的には「2種類または多種類の物質が相互に親和性を有し、溶液または混和物を形成する性質」で定義される。冷媒と冷凍機油の関係において、冷媒は冷凍機油中に一定量溶解し、また、冷凍機油は液冷媒中に一定量溶解する。そのため、冷媒と冷凍機油の混合比、温度や圧力により、上記の「相溶性」の定義に相当する混和物を形成する場合と、全量が混和物になりきれず、二層に分離する場合がある。一般に相互の溶解量が十分に大きく、冷媒と冷凍機油の混合比、温度や圧力によらず二層分離しない、または二層分離しにくい挙動を示す冷媒と冷凍機油の組み合わせを「相溶」と呼び、相互には溶解しにくく、冷媒と冷凍機油の混合比、温度や圧力の多くの組み合わせ範囲で二層分離するものを「非相溶」または「弱相溶」と呼ぶ(以降「非相溶」で代表する)。「非相溶」の場合、冷媒は冷凍機油中にある程度溶解するが、冷凍機油は液冷媒中にはわずかな量しか溶解しない。上記の「相溶」、「非相溶」については、明確な境界を定義することは困難であるが、現状「非相溶」とされているものは、「相溶」とは明らかに相互溶解しにくいものである。
「非相溶」の例としては、HFC冷媒とアルキルベンゼン油やポリアルファオレフィン油の組み合わせが示されている(例えば、特許文献3参照)。特に、HFC冷媒とアルキルベンゼン油の組み合わせについては、冷蔵庫やルームエアコン等で製品化された実績がある。
「非相溶」における実際の溶解度は文献からは発見できないが、実際に製品化されているHFC冷媒とアルキルベンゼン油の組み合わせにおいては、冷凍機油中への冷媒溶解度は最大20〜30%程度あり、液冷媒中への冷凍機油溶解度は1%程度である。
特許文献3には、液冷媒よりも密度が小さく、冷媒と相溶しない油(「非相溶油」)を用いた冷凍サイクルにおいて、アキュムレーター内で冷媒と分離した冷凍機油を圧縮機に戻す技術が開示されている。
従来使用されてきた、R410A、R407CやR134a等のHFC冷媒では、一般的に空調用等で使用される運転条件の範囲において、液冷媒の方が冷凍機油よりも密度が大きく、油の下側に沈む特性を有するため、非相溶油を用いた場合には、油の下側に液冷媒層が形成され、圧縮機の下部に設けられた給油孔からの給油を阻害する問題がある。これに対し、圧縮機の下部の給油孔部にて油を攪拌して、給油孔に油を導く技術が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
特開平9−264619号公報 特開平11−302675号公報 特許第2803451号公報 特開平10−082392号公報
従来の炭化水素冷媒用の冷凍機油は、その多くが特許文献1に示されているように、冷媒との相溶性が高く、冷凍機油中への冷媒溶解量が大きいため、圧縮機内においては冷凍機油中に溶解した冷媒により油の粘度が大幅に低下してしまう。そのため、圧縮機内で冷媒が溶け込んだ状態において十分な摺動耐力(または潤滑性能)を有するためには、基油の粘度を高めに設定する必要がある。例えば、高圧シェル圧縮機用に使用されている相溶性冷凍機油の一般的な基油(冷媒が溶け込んでいない状態)の粘度は、HCFC(R22)冷媒系の場合、40℃における動粘度で56mm2/s(=56cSt)程度、R410A冷媒系の場合、46〜74mm2/s程度になることに対し、例えば、プロパン(R290)とパラフィン系鉱油の組み合わせにおいては相溶性が高く、冷凍機油中への冷媒溶解量が大きいため、同等の粘度を実現するためには、40℃における動粘度で100mm2/s以上が必要となる。尚、以下の説明において、「粘度」は動粘度を表す。
上記のように、従来の炭化水素用の冷凍機油では、圧縮機運転時(冷媒溶解時)の油の粘度と基油の粘度の差が大きいので、圧力や温度が変化すると、冷凍機油への冷媒溶解量の変化により、油の溶解粘度(冷凍機油中に冷媒が溶解した状態における混和物の動粘度)が大幅に変化する。具体的には、冷媒溶解量の比較的少ない圧縮機内の冷媒ガスの過熱度(過熱蒸気温度の沸点との差)が大きい条件では油の粘度が高すぎ、冷媒溶解量の多い圧縮機内の冷媒ガスの過熱度が小さい条件においては油の粘度が低すぎる状態が発生するという課題があった。
また、炭化水素冷媒に使用される相溶性の冷凍機油は、圧縮機内における溶解粘度を確保するために、基油の粘度を高めに設定する必要があるため、圧縮機に油を封入する際に、油の流動性が悪く、封入量にばらつきが出やすいという課題があった。
また、非相溶の冷凍機油を使用した場合、冷凍回路内で液冷媒と油が分離するため、冷凍回路から圧縮機への油戻り性を確保するために、特許文献3に示されるような特別な技術が必要であり、冷凍回路の設計が複雑化するという課題があった。
更に、圧縮機内で液冷媒と冷凍機油が分離した場合、密度の大きい液冷媒が冷凍機油の下側に沈み込んでしまうため、特許文献4に示されるような、給油孔に油を吸入するための特別な技術が必要であり、部品点数増加に伴うコスト増加の課題があった。
本発明は、上記のよう課題を解決するためになされたもので、第1の目的は、冷媒に炭化水素を使用したときに、圧縮機の内部において、冷凍機油に対する冷媒溶解性が必要以上に大きくならず、冷凍機油の大幅な粘度低下を防止することのできる冷凍機油を用いた冷凍サイクル装置を得ることである。
本発明の第2の目的は、冷凍回路内において液冷媒が適度な冷媒溶解性を有し、通常の使用において、冷凍回路内の液冷媒中に冷凍機油が分離せずに溶解することのできる冷凍機油を用いた冷凍サイクル装置を得ることである。
本発明に係る冷凍サイクル装置は、圧縮機、凝縮機、膨張弁、蒸発機を配管で接続し構成された冷凍回路と、
前記冷凍回路に封入され前記冷凍回路内を圧縮、凝縮、膨張、蒸発を繰り返し循環する炭化水素にて構成された冷媒と、
前記冷媒とともに封入されプロピレン・オキサイドとエチレン・オキサイドとが共重合したポリ・アルキレン・グリコールにて構成された冷凍機油と、
を備え、
前記ポリ・アルキレン・グリコールは、前記冷媒が循環するときの凝縮温度から蒸発温度までの全温度範囲にて前記冷媒と前記冷凍機油とが二層分離状態となり、かつエチレン・オキサイドの成分比が最も少ない前記プロピレン・オキサイドと前記エチレン・オキサイドの成分比にて構成されたものである。
本発明の冷凍サイクル装置は、冷凍回路に封入される冷媒として、炭化水素を使用し、冷凍機油として、プロピレン・オキサイド(PO)とエチレン・オキサイド(EO)とが共重合したポリ・アルキレン・グリコール(PAG)を用い、前記PAGは、冷凍サイクルで使用する凝縮温度から蒸発温度までの全温度範囲において、冷媒と冷凍機油とが二層分離状態となり、かつEOの成分比が最も少ないPOとEOの成分比(最も相溶に近い状態)にて構成されたものであるので、冷凍機油への冷媒溶解性を小さくすることができるとともに、液冷媒中への冷凍機油の溶解量を一定レベル以上に保つことができるので、圧力や温度条件による冷凍機油の溶解粘度変化を小さくすることができ、摺動部の信頼性を高めることができるという効果がある。
また、液冷媒中の一定量溶解した冷凍機油により、冷凍回路からの油戻し量を確保することができ、特許文献3に示されるような非相溶油を使用したときに必要となる冷凍サイクルから冷凍機油を圧縮機に戻すための工夫も不要となる効果がある。
更に冷凍機油中の冷媒溶解性を低くすることができるので、冷凍機油の基油の粘度を鉱油等を使用する場合に比べて低めとすることができ、冷凍機油の封入性を改善できる効果がある。
本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の一例を示す冷凍回路図である。 本発明の実施の形態1における高圧シェル型圧縮機の一例として示すロータリー圧縮機の断面図である。 相溶油系における温度による冷凍機油中への冷媒溶解量特性を示す図で、比較のため非相溶油の冷媒溶解量特性も示している。 相溶油系における冷媒分率による油粘度特性を示す図である。 冷媒と冷凍機油の相溶性が変化したときの二層分離温度曲線を示す図である。 相溶油と非相溶油の得失比較を示す図である。 各種冷媒の飽和液密度と冷凍機油の密度の温度による変化を示す図である。 冷媒/冷凍機油混合比と冷凍機油の粘度との関係を示す図である。 冷媒の過熱度に対応する冷凍機油の溶解粘度を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置10の一例を示す冷凍回路図である。
この実施の形態1に係る冷凍サイクル装置10は、図1に示すように、圧縮機1、凝縮機2、膨張弁3、蒸発機4、アキュムレーター5を順に配管6で接続し、後述する冷媒及び冷凍機油が封入され冷凍回路を形成している。冷凍回路内の冷媒は、圧縮機1にて高温高圧の冷媒に圧縮され、凝縮機2に送られる。凝縮機2に送られた高温高圧冷媒は凝縮機2にて、例えば空気などの媒体と熱交換し凝縮され、温度降下した冷媒が膨張弁3に送られる。膨張弁3に送られた冷媒は膨張弁にて膨張(減圧)され低温低圧の冷媒となり、蒸発機4に送られる。蒸発機4に送られた低温低圧冷媒は蒸発機4にて、例えば空気などの媒体と熱交換し蒸発し、加熱された冷媒がアキュムレーター5を介して、再び、圧縮機に戻り、圧縮される。すなわち、冷凍回路では、図示矢印のように冷媒が冷凍回路内を循環するとともに、冷媒が圧縮、凝縮、減圧、蒸発を繰り返す冷凍サイクルを行っている。このような冷凍サイクル装置10を、例えば、空調機に適用することにより、冷房運転や暖房運転を行うことができる。なお、このとき、冷媒とともに封入した冷凍機油も、冷媒に混じり、あるいは溶け込み、冷凍回路内を循環している。
図2は、本発明の実施の形態1における高圧シェル型圧縮機の一例として示すロータリー圧縮機の断面図である。
高圧シェル型の圧縮機1の一例であるロータリー圧縮機は、密閉容器11の内部に、冷媒を圧縮する圧縮機構部101と、圧縮機構部101を駆動する電動機構部102とを備えている。圧縮機構部101と電動機構部102とは駆動軸12を介して同軸に連結されている。密閉容器11の底部には冷凍機油13が貯留されており、冷凍機油13は駆動軸12に設けられた給油経路14を通してポンプ作用により圧縮機構部101に供給され、圧縮機構部101の摺動部(軸受部を含む)を潤滑するようになっている。駆動軸12の下端部は冷凍機油13の中に浸漬されており、給油経路14は駆動軸12下端の給油孔15から軸方向に延びる通路と、この通路から潤滑を必要とするそれぞれの部位に通じる分岐路とから構成されている。
冷媒ガスは、吸入管16からアキュムレーター5を経て上記圧縮機構部101に吸入される。吸入された冷媒ガスは圧縮機構部101で圧縮され、高温高圧となった冷媒ガスが一旦圧縮機構部101から密閉容器11内に吐出される。さらに、密閉容器11内の高温高圧の冷媒ガスは、吐出管17へ吐出され、図1の凝縮機2に流入する。
なお、本実施の形態では、冷媒として、R290(プロパン)を使用しており、冷凍機油13は、後述するポリ・アルキレン・グリコールを使用している。
本発明の技術内容を説明する前に、まず、冷媒と冷凍機油の相溶性について一般的な技術を解説する。
図3は、圧力一定としたときの冷媒および冷凍機油の混合物の過熱度に対する冷凍機油中への冷媒の溶解性について示す特性図であり、相溶油(完全相溶)と非相溶油の特性を示している。
図3に示すように、油中への冷媒溶解性は過熱度が小さいほど大きくなる傾向はどちらも同様であるが、一般に相溶油より非相溶油の方が冷媒溶解性は小さい。また、相溶油の場合は、油と冷媒が分離しないため、油に冷媒が溶け込んでいる状態と冷媒に油が溶け込んでいる状態が連続して現れるのに対して、非相溶油においては、油中に冷媒は一定量以上溶解しないため、油主体の層と冷媒主体の層に分離する。すなわち、二層分離する。
図4は、相溶油系における冷媒分率による油粘度を示す特性を示す図である。冷媒分率0%は油100%を示す。なお、図4の縦軸は二重対数軸である。
図4に示すように、油中の冷媒分率が高まるに従い油の粘度は低下する傾向がある。非相溶油の場合は、冷媒分率が一定比率以上となることにより二層分離してしまうため、冷媒分率全域を結ぶ線は描けないことになる。
図5は、冷媒と冷凍機油の相溶性による二層分離特性を示す図である。図5の縦軸は冷媒と冷凍機油の混合物の温度を表し、横軸は混合物中の冷凍機油の割合である油分率を表している。すなわち、図5は油分率が0wt%のときは混合物中の冷媒が100wt%であり、油分率が100wt%のときは混合物中の冷媒が0wt%であることを示している。そして、冷凍機油に冷媒が溶け込むあるいは冷媒に冷凍機油が溶け込む場合は、油分率が小さいときは液冷媒主体の溶解域となり、冷媒に冷凍機油が溶け込む状態を示し、油分率が大きいときは冷凍機油主体の溶解域となり、冷凍機油に冷媒が溶け込む状態を示している。また、図5の(a)から(h)は、(a)の状態から(h)の状態にかけて冷凍機油の成分比などを変化させ相溶性が徐々に低下していく状態を示す。(a)は完全相溶の状態であり使用される冷凍サイクル中の凝縮温度から蒸発温度までの温度範囲にて二層分離領域を持たない。(h)は非相溶または弱相溶と呼ばれている油の二層分離曲線を表しており、冷凍サイクルで使用する最高凝縮温度から最低蒸発温度までの全温度範囲において二層分離することに加え、従来使用されていたHFC冷媒とアルキルベンゼンの組み合わせでは、油分率が大きい油主体の溶解域のとき、すなわち図の右側では20〜30%程度の冷媒溶解量、油分率が小さい液冷媒主体の溶解域のとき、すなわち図の左側では1%程度の油溶解量となる。
(a)から(h)の間には中間的な領域が存在する。(a)から(h)に向かって順に変化を説明すると、まず、高温域及び低温域に二層分離する領域が出始め(b)、相溶性の低下とともに前記2つの二層分離する領域は中温域に向かって広がる傾向となる(c〜e)。その後、高温側および低温側の二層分離領域がつながり、二層分離領域を挟んで油分率が大きくなる方向と小さくなる方向すなわち図の左右に溶解域ができる(f)。油分率が小さい領域すなわち図の左側が液冷媒主体の溶解域で油分率が大きい領域すなわち図の右側が油主体の溶解域である。更に相溶性が低下すると、左右の溶解域は徐々に狭くなる傾向を示す(g〜h)。
従来、HFC冷媒を用いたルームエアコン等では、相溶油と非相溶油の両者が用いられており、それぞれに長所及び短所がある。冷凍回路における油の相溶性の影響は、主に以下に示す冷凍機油に求められる3項目に対する特性に対して現れる。
1)圧縮機内において適正な油粘度を保つ
2)圧縮機下部の給油孔から常時油を吸入可能
3)冷凍回路に放出された油が圧縮機に戻る
図6に上記3項目に対する相溶油と非相溶油の得失を○及び△で示す。なお、図6には、後述する本発明の中間相溶油の例についても併記してある。
上記の各項目について説明する。まず、1)の圧縮機内において適正な油粘度を保つことについては、冷媒の溶解量が少ない非相溶油の方が相溶油より優れている。特に、吐出ガスの過熱度が小さい条件において、非相溶油は冷媒溶解量が少ないため油の粘度が低下しにくく、また、一定量以上冷媒が溶解しないため、冷媒量が増加すると二層に分離することで油の粘度を保つことができる。これに対して、相溶油においては、際限なく冷媒を溶解できる(途中から冷媒中に油が溶け込んだ状態になる)ので、油が希釈されて大幅な粘度低下を引き起こす可能性がある。油の粘度が低下することにより、圧縮機内の摺動部や軸受部において適正な油膜を形成できなくなり、圧縮機の信頼性低下を引き起こす可能性があった。
次に、2)の圧縮機下部の給油孔から常時油を吸入可能、つまり圧縮機下部の給油孔部に油が存在することに関しては、相溶油の方が非相溶油より優れている。前述のように、吐出ガスの過熱度が小さくなり、圧縮機内の液冷媒量が増加したときに非相溶油の場合は液冷媒と油が分離する。液冷媒と油が分離した場合、HFC冷媒においては、密度の大きい液冷媒が下に沈み、油がその上に浮く傾向となる。そのため、圧縮機の下部に位置する給油孔からは、油の代わりに粘度の非常に小さい液冷媒が吸入される可能性があり、圧縮機の信頼性低下を引き起こす可能性があった。
最後に、3)の冷凍回路に放出された油が圧縮機に戻ることに関しては、相溶油の方が非相溶油より優れている。相溶油では、液冷媒中に多量の油を溶解することができるため、冷凍回路中においても油は液冷媒中に溶解した状態で運ばれることになる。それに対し、非相溶油においては、液冷媒中に油は微量しか溶解しないため、圧縮機からの油吐出量が一定量を超えると、冷凍回路から油が圧縮機に戻らなくなる可能性があった。
上記のように、相溶油と非相溶油は一長一短があるが、両者の中間的な位置づけの油に関しては、液冷媒と油が二層分離し、液冷媒が油の下側に沈みこんでしまう課題を、圧縮機側での対策(例えば、特許文献4に示される給油孔の周りに複数の大きさの異なる穴を持つ仕切り板を設けるなどの対策)や冷凍回路の制御によりリカバーする必要があるため、メリットがそれほどなく、使用例も見当たらない。
冷媒として、プロパンやプロピレンを使用した場合、前記の考え方が一部変わってくる。図7に、各種冷媒の飽和液冷媒密度と冷凍機油の温度に対するそれぞれの密度の変化を示す。従来使用されていたHFC系の冷媒に対し、プロパンやプロピレンの密度は小さく、冷凍機油の密度よりも小さい。つまり、冷媒と油が二層分離した場合においても、冷凍機油の方が液冷媒の下に沈むため、上記の2)の問題は自ずと解決されることになる。
プロパンやプロピレンに対しては、従来使用されてきた、鉱油、POE油、PVE油、アルキルベンゼン等のほとんどの油は相溶かつ溶解性が大きすぎて油の粘度が大幅に低下する問題があったが、その問題を解決可能な油が存在する。すなわち、本発明では、ポリ・アルキレン・グリコールを冷凍機油として使用することで、油中への冷媒溶解性を低減することが可能になった。
ポリ・アルキレン・グリコールは、プロピレン・オキサイドとエチレン・オキサイドの共重合体であり、下記の構造式にて定義される。
Figure 2012189255
(1)式中の、CH2-CH(CH3)-O は、プロピレン・オキサイド成分を表し、CH2-CH2-O は、エチレン・オキサイド成分を表す。また、n、mは、プロピレン・オキサイドとエチレン・オキサイドの比率を示す。また、R1、R2はメチル基が好ましいが、水酸基やカルボン酸等でもよい。
以下、本発明の特徴的な部分について説明する。
ポリ・アルキレン・グリコール油中のプロピレン・オキサイド及び、エチレン・オキサイドの、共重合比率を変化させることで、プロパンやプロピレンに対し、相溶性を調整する。したがって、相溶から非相溶までの広い範囲の特性を作ることができる。
プロパンやプロピレン等の炭化水素冷媒は、上述のように二層分離したときにも液冷媒が冷凍機油の上に浮き、圧縮機の給油への問題がないため、油の相溶性に関しては、上述の相溶性、非相溶性に伴う課題(上述の1)、3))の両者に対し、最も問題の少ない溶解度を選択することが望ましい。具体的には、冷凍機油の冷媒による際限ない希釈を防止するため、二層分離することが望ましい。また、液冷媒中の冷凍機油溶解性をなるべく大きくできる方が望ましい。すなわち、プロピレン・オキサイドとエチレン・オキサイドとの成分比が、冷凍サイクルで使用する最高凝縮温度から最低蒸発温度までの全温度範囲において、それぞれ液冷媒と冷凍機油が二層分離する混合比を有する(非相溶に近い状態)成分比のうち、エチレン・オキサイド比率が最小(最も相溶に近い状態)となる成分比(「相溶」と「非相溶」の中間的な性質を呈する成分比)、つまり、図5の(f)の状態が望ましい状態となる。この状態は相溶と非相溶の中間的な位置づけとなるため、以降、「中間相溶」と記述する。
以下、中間相溶の具体的な範囲について説明する。
中間相溶の状態が実現できるエチレン・オキサイド比率(プロピレン・オキサイドとエチレン・オキサイドとの成分比)は、冷媒がプロパンの場合、ポリ・アルキレン・グリコール油の粘度グレードISO VG32では、エチレン・オキサイド比率が20%、粘度グレードISO VG46では、エチレン・オキサイド比率が15%、粘度グレードISO VG68では、エチレン・オキサイド比率が10%程度となる。
ポリ・アルキレン・グリコール油(PAG油)のプロピレン・オキサイドとエチレンオキサイドの共重合成分比を上記の中間相溶状態に設定することにより、従来の相溶油、及び非相溶油における課題を解決することができる。具体的には、冷凍サイクルで使用する最高凝縮温度から最低蒸発温度までの全温度範囲において、それぞれ液冷媒と冷凍機油が二層分離する混合比を有するため、冷凍機油の冷媒による際限ない希釈を防止し、冷凍機油の粘度が一定以下に低下することを防止し、圧縮機の摺動部の信頼性を確保することができるとともに、その中でも最もエチレン・オキサイドの比率が小さい成分比とすることで、液冷媒中に溶解可能な冷凍機油の量を最大とすることができ、冷凍サイクルからの油戻り性を非相溶油に比べて改善することができる。
上述の説明では、本発明の理想的な状態として、中間相溶状態となる一点についてその成分比及び効果を説明したが、上述の効果が部分的に得られる成分比であってもよい。その範囲として、以下を定義する。まず、エチレン・オキサイド比率(プロピレン・オキサイドとエチレン・オキサイドとの成分比)の下限については次のようになる。圧縮機の各摺動部にかかる負荷は、高圧(凝縮)側の圧力が高い方が大きくなる傾向がある。そのため、実際に使用される冷凍サイクルの最大高圧(凝縮側)条件付近に二層分離領域が存在すれば本発明の効果を得ることができるので、図5(c)の状態のように高温側の二層分離領域が冷凍サイクル中の最高凝縮温度(最高飽和温度)にかかり始める、すなわち、最高凝縮温度にて二層分離状態が発生するエチレン・オキサイド比率を下限とする。なお、最高凝縮温度は、空調機では65℃程度、給湯器では80℃程度であり、本発明の説明においては、80℃として以下のエチレン・オキサイド比率(プロピレン・オキサイドとエチレン・オキサイドとの成分比)を定義する。
次に、エチレン・オキサイド比率(プロピレン・オキサイドとエチレン・オキサイドとの成分比)の上限については次のようになる。すなわち、冷媒回路からの十分な油戻り性が確保できればよい。通常の高圧シェル型圧縮機の油吐出量は、油吐出量の大きめのものにおいても2%程度と考えられるため、液冷媒中に2%程度の冷凍機油が溶解していれば十分である。液冷媒中の冷凍機油溶解量は、低温になるほど小さくなる傾向のため、冷凍サイクル中の最低蒸発温度(最低飽和温度)において、液冷媒中に2%以上の冷凍機油が溶解できればよい。つまり、図5(g)中に示すA点の冷凍機油溶解量が2%以上となるエチレン・オキサイド比率を上限とする。なお、最低凝縮蒸発温度は、空調機、給湯器で−10℃〜−30℃程度であり、本発明の説明においては、−30℃として以下のエチレン・オキサイド比率(プロピレン・オキサイドとエチレン・オキサイドとの成分比)を定義する。
上記の下限、上限の定義を実現可能なエチレン・オキサイドの成分比は、概ね上述の中間相溶となる成分比に対し、±10%の範囲となる。すなわち、冷媒としてプロパンを使用した場合、ポリ・アルキレン・グリコール油の粘度グレードISO VG32では、エチレン・オキサイド比率が10〜30%、粘度グレードISO VG46では、エチレン・オキサイド比率が5〜25%、粘度グレードISO VG68では、エチレン・オキサイド比率が0〜20%程度となる。上記の間の粘度の冷凍機油においては、粘度グレードISO VG32、46、68のデータを結ぶ曲線より補完した成分比を適用すればよい。
図8は、冷媒/冷凍機油混合比と冷凍機油の粘度との関係を示す図で、液冷媒(冷媒過熱度0である)と油が混在したときの油の挙動を示すものである。
図に示すように、二層分離しない相溶油(鉱油等)は、冷媒比率の増加とともに際限なく油の粘度は低下するが、本発明の油は、二層分離するため、油側の粘度は一定値以下には低下しない。
図9は、冷媒の過熱度に対応する冷凍機油の溶解粘度を示す図で、加熱冷媒(ガス)が油に溶解した状態での油粘度を示している。
図9に示すように、過熱冷媒の油中への溶解量は、過熱度により変化する。すなわち、過熱度が小さいほど油が溶けやすい。また、冷媒の溶け込みが多いほど、油の粘度は低下する。鉱油は溶けやすいので、溶解量は多めであり、その分粘度の低下が大きい。
これに対して、本発明の油は、冷媒の過熱度が小さいときにも油中に冷媒が溶けにくく、溶解粘度を高めに保つことができる。
尚、上述では、冷媒がプロパンの時の特性を示したが、冷媒はプロピレンでも良い。冷媒がプロピレンの場合は、中間相溶の状態実現可能な具体的なエチレン・オキサイド比率は不明であるが、プロパンに対するよりもエチレン・オキサイド比率が高いときに、図5の(f)の状態を実現可能であり、概ねエチレン・オキサイド比率が50%程度であると推定される。
次に動作について説明する。まず、冷凍回路内の冷媒及び油の状態について説明する。
圧縮機1は、吸入管16より低圧の冷媒ガスを吸入し、圧縮機構部101にて冷媒ガスを高圧に圧縮後、密閉容器11内に一度吐出され、その後、密閉容器11内に開口している吐出管17より密閉容器11外に吐出される。この際、圧縮機1内の潤滑に使用された冷凍機油13も冷媒ガスとともに少量吐出される。高圧シェル方式の圧縮機では、通常の運転条件において、冷媒ガスとともに吐出される冷凍機油の量は、最大2%程度である。圧縮機1より吐出された高圧の冷媒ガス及び少量の冷凍機油は、図1の凝縮機2に入り冷媒ガスは凝縮されて液化し、液冷媒となって膨張弁3に移動する。
また、その液冷媒中にも圧縮機1から吐出された量と同量の冷凍機油13が含まれることになるが、冷凍機油13は上述のとおり、液冷媒を2%以上溶解可能なため、冷凍機油13は分離することなく液冷媒とともに膨張弁3に移動する。
膨張弁3により液冷媒は減圧され気液二相状態となり、蒸発機4に移動する。蒸発機4においても、冷凍機油13は液相中に溶解している状態である。蒸発機4内で冷媒は気化され、それに伴い、冷凍機油13は徐々に析出し、液冷媒が完全にガス化されると冷媒と油は分離した状態となる。また、低圧空間における油中への冷媒溶解量は少ないため、油の粘度は増加する傾向となるが、基油の粘度グレードがISO VG32〜68程度と低めに設定されているため、油は冷媒ガスとともに問題なく移動し、圧縮機1へ戻ることができる。
上記のように、炭化水素冷媒に対し、中間相溶の特性を有する冷凍機油を選択したことにより、冷凍機油に求められる前記3項目の特性全てに対し良好な特性を示す。
1)圧縮機内において適正な油粘度を保つ
・冷凍機油中への冷媒溶解量が相対的に少なく、また、冷凍機油と液冷媒は分離するため、冷凍機油中の冷媒量は一定割合以上には増加せず、適正な油の粘度が保たれる。
2)圧縮機下部の給油孔から常時油を吸入可能
・冷凍機油と液冷媒が密閉容器内で分離した場合においても、炭化水素冷媒は冷凍機油よりも密度が小さいため、冷凍機油は、どの圧力・温度条件においても炭化水素冷媒の下側に沈み、圧縮機下部の給油孔部に、常に冷凍機油を保つことができる。
3)冷凍回路に放出された油が圧縮機に戻る
・液冷媒中に溶け込む冷凍機油の量が2%以上あるため、通常の圧縮機から放出される油の量(2%以下)に対しては、液冷媒中に溶け込んだまま冷凍回路内を循環できるため、十分な油戻り性を確保することができる。
更に、この冷凍機油は冷凍回路で使用する凝縮温度の範囲の全て/または一部で二層分離するため、冷凍機油中に溶解する冷媒量は二層分離濃度以上には増えず、冷凍機油の際限ない希釈を防止し、圧縮機の摺動部の信頼性を高めることができるという効果がある。
また、液冷媒と冷凍機油が二層分離した際、プロパンやプロピレンの液冷媒密度は冷凍機油よりも小さいため、油が冷凍機油の下側に沈み、圧縮機の給油孔付近は常に冷凍機油層となるため、従来例にあるような液冷媒の上側に浮いた冷凍機油を圧縮機の給油孔に供給するための特別な工夫は必要なく、安価な冷凍サイクル装置が得られるという効果がある。
また、冷凍回路内において、液冷媒中には2%以上の冷凍機油が溶解可能なため、通常の運転状態において、圧縮機から冷媒とともに吐出される冷凍機油は液冷媒中に溶解することができ、十分な油戻り性を確保することができるという効果がある。
なお、本発明の実施の形態において圧縮機を示す図2には、高圧シェル型のロータリー圧縮機を示したが、圧縮機のタイプとして、特に、高圧シェル型、低圧シェル型を問わない。また、スクロール圧縮機等の他の圧縮形式でもよい。また、圧縮機構部と電動機構部の位置関係についても、図2には、圧縮機構部が下側に配置された形態を示したが、冷凍機油13が圧縮機の下側に貯留され、給油孔15が、圧縮機の下側の冷凍機油貯留部に開口する構成になっていれば、圧縮機構部が上側に配置されたものでも同様の効果を示す。
1 圧縮機、2 凝縮機、3 膨張弁、4 蒸発機、5 アキュムレーター、6 配管、10 冷凍サイクル装置、11 密閉容器、12 駆動軸、13 冷凍機油、14 給油経路、15 給油孔、16 吸入管、17 吐出管、101 圧縮機構部、102 電動機構部。

Claims (9)

  1. 圧縮機、凝縮機、膨張弁、蒸発機を配管で接続し構成された冷凍回路と、
    前記冷凍回路に封入され前記冷凍回路内を圧縮、凝縮、膨張、蒸発を繰り返し循環する炭化水素にて構成された冷媒と、
    前記冷媒とともに封入されプロピレン・オキサイドとエチレン・オキサイドとが共重合したポリ・アルキレン・グリコールにて構成された冷凍機油と、
    を備え、
    前記ポリ・アルキレン・グリコールは、前記冷媒が循環するときの凝縮温度から蒸発温度までの全温度範囲にて前記冷媒と前記冷凍機油とが二層分離状態となり、かつエチレン・オキサイドの成分比が最も少ない前記プロピレン・オキサイドと前記エチレン・オキサイドの成分比にて構成されたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 圧縮機、凝縮機、膨張弁、蒸発機を配管で接続し構成された冷凍回路と、
    前記冷凍回路に封入され前記冷凍回路内を圧縮、凝縮、膨張、蒸発を繰り返し循環する炭化水素にて構成された冷媒と、
    前記冷媒とともに封入されプロピレン・オキサイドとエチレン・オキサイドとが共重合したポリ・アルキレン・グリコールにて構成された冷凍機油と、
    を備え、
    前記ポリ・アルキレン・グリコールは、前記冷媒が循環するときの凝縮温度から蒸発温度までの全温度範囲にて前記冷媒と前記冷凍機油とが二層分離状態となり、かつエチレン・オキサイドの成分比が最も少ない前記プロピレン・オキサイドと前記エチレン・オキサイドの成分比を含む所定の範囲の成分比にて構成されたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  3. 前記ポリ・アルキレン・グリコールの前記エチレン・オキサイドの成分比の下限は、当該冷凍サイクルで使用する最高凝縮温度において、前記冷媒と前記冷凍機油が二層分離する成分比とすることを特徴とする請求項2記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記ポリ・アルキレン・グリコールの前記エチレン・オキサイドの成分比の上限は、当該冷凍サイクルで使用する最低蒸発温度において、前記冷媒中に前記冷凍機油が2%以上溶解する成分比とすることを特徴とする請求項2記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記冷媒として、プロパンを用い、前記冷凍機油として、粘度グレードISO VG32のポリ・アルキレン・グリコールを用い、前記ポリ・アルキレン・グリコール中の前記エチレン・オキサイドの成分比を、10〜30%とすることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記冷媒として、プロパンを用い、前記冷凍機油として、粘度グレードISO VG46のポリ・アルキレン・グリコールを用い、前記ポリ・アルキレン・グリコール中のエチレン・オキサイドの成分比を、5〜25%としたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記冷媒として、プロパンを用い、前記冷凍機油として、粘度グレードISO VG68のポリ・アルキレン・グリコールを用い、前記ポリ・アルキレン・グリコール中の前記エチレン・オキサイドの成分比を、0〜20%としたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記冷媒として、プロパンを用い、前記冷凍機油として、粘度グレードISO VG32〜68のポリ・アルキレン・グリコールを用い、前記ポリ・アルキレン・グリコール中の前記エチレン・オキサイドの成分比を、粘度グレードのISO VG32、VG46、VG68に対して示した値を結ぶ曲線より補完される範囲とすることを特徴とする請求項2記載の冷凍サイクル装置。
  9. 前記冷媒として、プロピレンを用い、前記冷凍機油として、ポリ・アルキレン・グリコールを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
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