JP2012189091A - 油圧制御弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】スリーブ5の外周にフィードバック油路が形成され、且つ、スリーブ5の全周にストレーナ13を取り付けるための取付け溝12が形成された油圧制御弁において、入力ポート6側からフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止する。
【解決手段】スリーブ5の外周には、入力ポート6の開口面を含んでスリーブ5の全周に凹設された取付け溝12が形成され、この取付け溝12には、作動油に含まれる鉄粉等の異物を取り除くためのストレーナ13が装着される。このストレーナ13には、入力ポート6側から取付け溝12を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止するシール部品14が取り付けられている。シール部品14は、ストレーナ13に2箇所取り付けられて、スリーブ5の外周面に凹設された窪み面9の周方向両側に配設され、ストレーナ13の外周面と取付け孔の内周面との間に形成される隙間をシールしている。
【選択図】図4
【解決手段】スリーブ5の外周には、入力ポート6の開口面を含んでスリーブ5の全周に凹設された取付け溝12が形成され、この取付け溝12には、作動油に含まれる鉄粉等の異物を取り除くためのストレーナ13が装着される。このストレーナ13には、入力ポート6側から取付け溝12を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止するシール部品14が取り付けられている。シール部品14は、ストレーナ13に2箇所取り付けられて、スリーブ5の外周面に凹設された窪み面9の周方向両側に配設され、ストレーナ13の外周面と取付け孔の内周面との間に形成される隙間をシールしている。
【選択図】図4
Description
本発明は、スリーブの内部にスプールを収容し、このスプールの移動により油圧を調整して出力する油圧制御弁に関する。
従来、自動変速機の油圧制御に使用されるスプール弁がある。このスプール弁は、内部に滑り孔を形成する筒状のスリーブと、このスリーブの滑り孔に摺動自在に収容されるスプールとを有し、このスプールを軸方向に移動させることにより、スリーブに形成される各ポート間の連通状態を調節して油圧制御を行う。
スリーブには、入力圧が供給される入力ポート、スプールの移動によって調圧された出力圧を出力する出力ポート、および、入力圧の変動による出力圧の変動を防ぐために、出力圧をフィードバックしてスリーブの内部へ供給するフィードバックポート等が形成されている。
スリーブには、入力圧が供給される入力ポート、スプールの移動によって調圧された出力圧を出力する出力ポート、および、入力圧の変動による出力圧の変動を防ぐために、出力圧をフィードバックしてスリーブの内部へ供給するフィードバックポート等が形成されている。
ところで、上記のスプール弁は、鉄粉等の異物がスリーブの内部に進入してスプールとの摺動隙間に入り込むと、スプールのスムーズな移動が阻害されるため、適正な油圧制御を行うことが困難となる。
そこで、特許文献1には、入力ポートの開口面にストレーナを配置して異物を除去する技術が提案されている。ストレーナは、入力ポートの開口面を覆うことができる円弧状に形成され、その両端に設けられる係合部を、スリーブの外周面に形成されたテーパ状の取付け面に係合させることでスリーブに取り付けられる。
また、特許文献2では、スリーブの全周に形成された取付け溝に帯状のフィルタを巻き付けて、そのフィルタで入力ポートの開口面を覆うことにより異物を除去する技術が開示されている。スリーブの外周に巻き付けたフィルタは、周方向の両端部にスリットを形成し、そのスリット同士を係合することで連結される。
そこで、特許文献1には、入力ポートの開口面にストレーナを配置して異物を除去する技術が提案されている。ストレーナは、入力ポートの開口面を覆うことができる円弧状に形成され、その両端に設けられる係合部を、スリーブの外周面に形成されたテーパ状の取付け面に係合させることでスリーブに取り付けられる。
また、特許文献2では、スリーブの全周に形成された取付け溝に帯状のフィルタを巻き付けて、そのフィルタで入力ポートの開口面を覆うことにより異物を除去する技術が開示されている。スリーブの外周に巻き付けたフィルタは、周方向の両端部にスリットを形成し、そのスリット同士を係合することで連結される。
しかし、特許文献1に示されるストレーナは、両端の係合部をスリーブの取付け面に係合させて取り付ける構造であるため、外力が加わった時にスリーブからストレーナが容易に外れる恐れがある。
また、特許文献2に開示された従来技術は、スリーブの外周にフィードバック油路を形成する油圧制御用のスプール弁には適用することが出来ない。例えば、図20に示す様に、スリーブ100の外周に窪み面110を凹設して、その窪み面110とスリーブ100を挿入する取付け孔の内周面との間にフィードバック油路を形成する構成では、フィルタの取付け溝120が窪み面110と交差して形成される。なお、窪み面110の図示右側に開口する長孔は、出力ポートに連通する出力孔130であり、窪み面110の図示左側に開口する丸孔は、出力圧をスリーブ100の内部へフィードバックする圧力導入孔140である。
また、特許文献2に開示された従来技術は、スリーブの外周にフィードバック油路を形成する油圧制御用のスプール弁には適用することが出来ない。例えば、図20に示す様に、スリーブ100の外周に窪み面110を凹設して、その窪み面110とスリーブ100を挿入する取付け孔の内周面との間にフィードバック油路を形成する構成では、フィルタの取付け溝120が窪み面110と交差して形成される。なお、窪み面110の図示右側に開口する長孔は、出力ポートに連通する出力孔130であり、窪み面110の図示左側に開口する丸孔は、出力圧をスリーブ100の内部へフィードバックする圧力導入孔140である。
上記の様に、フィルタの取付け溝120が窪み面110と交差して形成されるスプール弁では、図示矢印で示す様に、入力ポート側からフィードバック油路に作動油が流れ込み、出力圧に応じたフィードバック油圧がスプールに付与されないため、正常な油圧制御ができなくなる。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、スリーブの外周にフィードバック油路が形成され、且つ、スリーブの全周にストレーナを取り付けるための取付け溝が形成された油圧制御弁において、入力ポート側からストレーナ取付け溝を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止できる技術を提供することにある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、スリーブの外周にフィードバック油路が形成され、且つ、スリーブの全周にストレーナを取り付けるための取付け溝が形成された油圧制御弁において、入力ポート側からストレーナ取付け溝を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止できる技術を提供することにある。
(請求項1に係る発明)
本発明の油圧制御弁は、所定の入力圧が供給される入力ポートおよび入力圧を所定の出力圧に調圧して出力する出力ポートを有し、油圧回路に通じる円筒の取付け孔に挿入される筒状のスリーブと、このスリーブの内部に軸方向へ摺動可能に収容されるスプールと、入力ポートの開口面を覆ってスリーブに装着され、作動油に含まれる異物を取り除くストレーナと、入力圧の変動による出力圧の変動を抑制するために、出力圧をフィードバックしてスプールに付与するフィードバック手段とを有している。
本発明の油圧制御弁は、所定の入力圧が供給される入力ポートおよび入力圧を所定の出力圧に調圧して出力する出力ポートを有し、油圧回路に通じる円筒の取付け孔に挿入される筒状のスリーブと、このスリーブの内部に軸方向へ摺動可能に収容されるスプールと、入力ポートの開口面を覆ってスリーブに装着され、作動油に含まれる異物を取り除くストレーナと、入力圧の変動による出力圧の変動を抑制するために、出力圧をフィードバックしてスプールに付与するフィードバック手段とを有している。
フィードバック手段は、スリーブの外周面に凹設される窪み面と、この窪み面に開口して出力ポートに連通する出力孔と、窪み面に開口して出力圧をスリーブの内部へフィードバックする圧力導入孔とを有し、スリーブを取付け孔に挿入した状態で、窪み面と取付け孔の内周面との間に出力孔と圧力導入孔との間を連通するフィードバック油路が形成される。スリーブの外周面には、出力孔と圧力導入孔との間を窪み面と交差してスリーブの全周に取付け溝が形成され、ストレーナは、取付け溝の全周に巻き付けて装着され、且つ、入力ポート側から取付け溝を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止するシール部品が取り付けられている。
本発明の油圧制御弁に使用されるストレーナは、スリーブの外周面に形成された取付け溝の全周に巻き付けて装着される。つまり、ストレーナは、入力ポートの開口面を覆ってスリーブの外周を1周する形で取り付けられるので、外力等によってストレーナがスリーブから容易に外れることはない。
また、スリーブの外周面に窪み面を凹設して、その窪み面と取付け孔の内周面との間にフィードバック油路を形成する構成に対し、窪み面と交差してストレーナの取付け溝を形成する場合でも、ストレーナにシール部品を取り付けることにより、入力ポート側から取付け溝を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止できる。
また、スリーブの外周面に窪み面を凹設して、その窪み面と取付け孔の内周面との間にフィードバック油路を形成する構成に対し、窪み面と交差してストレーナの取付け溝を形成する場合でも、ストレーナにシール部品を取り付けることにより、入力ポート側から取付け溝を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止できる。
(請求項2に係る発明)
請求項1に記載した油圧制御弁において、スリーブの外周面には、シール部品を嵌合して位置決めするための嵌合溝が凹設されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、スリーブに対してシール部品の位置を固定できるので、例えば、スリーブを取付け孔に挿入する際に、シール部品の位置がずれて変形することはない。従って、シール部品のシール機能が損なわれることはなく、フィードバック油路と取付け溝との間を確実にシールできる。
請求項1に記載した油圧制御弁において、スリーブの外周面には、シール部品を嵌合して位置決めするための嵌合溝が凹設されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、スリーブに対してシール部品の位置を固定できるので、例えば、スリーブを取付け孔に挿入する際に、シール部品の位置がずれて変形することはない。従って、シール部品のシール機能が損なわれることはなく、フィードバック油路と取付け溝との間を確実にシールできる。
(請求項3に係る発明)
請求項1または2に記載した油圧制御弁において、シール部品は、ストレーナの全周に密着して取り付けられることを特徴とする。
この場合、ストレーナの全周をシール部品によってシールできるので、入力ポート側から取付け溝を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを確実に防止できる。
請求項1または2に記載した油圧制御弁において、シール部品は、ストレーナの全周に密着して取り付けられることを特徴とする。
この場合、ストレーナの全周をシール部品によってシールできるので、入力ポート側から取付け溝を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを確実に防止できる。
(請求項4に係る発明)
請求項1または2に記載した油圧制御弁において、シール部品は、少なくともストレーナの外周面に密着して取り付けられることを特徴とする。
この場合、ストレーナの外周面と取付け孔の内周面との間に形成される隙間をシール部品によってシールできるので、入力ポート側から取付け溝を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止できる。
請求項1または2に記載した油圧制御弁において、シール部品は、少なくともストレーナの外周面に密着して取り付けられることを特徴とする。
この場合、ストレーナの外周面と取付け孔の内周面との間に形成される隙間をシール部品によってシールできるので、入力ポート側から取付け溝を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止できる。
(請求項5に係る発明)
請求項1〜4に記載した何れか一つの油圧制御弁において、ストレーナは、取付け溝の全周に巻き付けられた状態で、周方向の両端部が重なり合って着脱可能に係合していることを特徴とする。
この場合、ストレーナを着脱できるので、例えば、ストレーナが目詰まりした場合に、ストレーナを取り外して清掃した後、再度、取り付けて使用することができる。あるいは、新しいストレーナと交換することもできる。
請求項1〜4に記載した何れか一つの油圧制御弁において、ストレーナは、取付け溝の全周に巻き付けられた状態で、周方向の両端部が重なり合って着脱可能に係合していることを特徴とする。
この場合、ストレーナを着脱できるので、例えば、ストレーナが目詰まりした場合に、ストレーナを取り外して清掃した後、再度、取り付けて使用することができる。あるいは、新しいストレーナと交換することもできる。
(請求項6に係る発明)
請求項1〜4に記載した何れか一つの油圧制御弁において、ストレーナは、取付け溝の全周に巻き付けられた状態で、周方向の両端部が重なり合って溶接により固定されていることを特徴とする。
取付け溝の全周に巻き付けられたストレーナの両端部を溶接により固定することで、ストレーナが取付け溝から外れることはないので、入力ポートに供給される作動油に含まれる異物をストレーナによって確実に取り除くことができる。
請求項1〜4に記載した何れか一つの油圧制御弁において、ストレーナは、取付け溝の全周に巻き付けられた状態で、周方向の両端部が重なり合って溶接により固定されていることを特徴とする。
取付け溝の全周に巻き付けられたストレーナの両端部を溶接により固定することで、ストレーナが取付け溝から外れることはないので、入力ポートに供給される作動油に含まれる異物をストレーナによって確実に取り除くことができる。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1では、自動変速機の油圧回路に用いられる油圧制御弁の一例を説明する。
油圧制御弁1は、図1に示す様に、油圧を調整するスプール制御弁2と、このスプール制御弁2を駆動する電磁アクチュエータ3とで構成される。
スプール制御弁2は、内部にスプール4(図4、5参照)とリターンスプリング(図示せず)を収容する筒状のスリーブ5を備え、このスリーブ5がバルブボディ(図示せず)に形成される円筒の取付け孔に挿入される。
スプール4は、スリーブ5の内部に形成される円筒状の滑り孔5a(図4、5参照)に収容され、この滑り孔5aの内部を長手方向(図1の左右方向)に摺動自在に往復動することができる。
実施例1では、自動変速機の油圧回路に用いられる油圧制御弁の一例を説明する。
油圧制御弁1は、図1に示す様に、油圧を調整するスプール制御弁2と、このスプール制御弁2を駆動する電磁アクチュエータ3とで構成される。
スプール制御弁2は、内部にスプール4(図4、5参照)とリターンスプリング(図示せず)を収容する筒状のスリーブ5を備え、このスリーブ5がバルブボディ(図示せず)に形成される円筒の取付け孔に挿入される。
スプール4は、スリーブ5の内部に形成される円筒状の滑り孔5a(図4、5参照)に収容され、この滑り孔5aの内部を長手方向(図1の左右方向)に摺動自在に往復動することができる。
リターンスプリングは、スリーブ5の内部で反アクチュエータ側の端部(図1の左側端部)に配設され、スプール4をアクチュエータ側へ付勢している。
電磁アクチュエータ3は、例えば、内蔵するコイルが励磁されて電磁石を形成し、この電磁石の磁力を利用してスプール4を駆動する周知のリニアソレノイドである。
スリーブ5には、図1に示す様に、所定の入力圧が供給される入力ポート6(図3参照)と、スプール4の移動によって入力圧を所定の出力圧に調圧して出力する出力ポート7と、オイルパン等の低圧側へ作動油を排出する排出ポート8等が形成される。
電磁アクチュエータ3は、例えば、内蔵するコイルが励磁されて電磁石を形成し、この電磁石の磁力を利用してスプール4を駆動する周知のリニアソレノイドである。
スリーブ5には、図1に示す様に、所定の入力圧が供給される入力ポート6(図3参照)と、スプール4の移動によって入力圧を所定の出力圧に調圧して出力する出力ポート7と、オイルパン等の低圧側へ作動油を排出する排出ポート8等が形成される。
また、スリーブ5には、出力圧をフィードバックしてスプール4に付与するフィードバック手段が設けられている。このフィードバック手段は、図2に示す様に、スリーブ5の外周面に凹設される窪み面9と、この窪み面9に開口する出力孔10および圧力導入孔11とで構成される。
窪み面9は、スリーブ5の外径より一定の寸法だけ深く形成され、スリーブ5の周方向に凹設される寸法より、スリーブ5の長手方向に凹設される寸法の方が大きい略矩形状に形成されている。この窪み面9は、バルブボディの取付け孔にスリーブ5が挿入された状態で、取付け孔の内周面との間に出力孔10と圧力導入孔11との間を連通するフィードバック油路を形成している。
窪み面9は、スリーブ5の外径より一定の寸法だけ深く形成され、スリーブ5の周方向に凹設される寸法より、スリーブ5の長手方向に凹設される寸法の方が大きい略矩形状に形成されている。この窪み面9は、バルブボディの取付け孔にスリーブ5が挿入された状態で、取付け孔の内周面との間に出力孔10と圧力導入孔11との間を連通するフィードバック油路を形成している。
出力孔10は、窪み面9の長手方向の一端側(図2の右側)に長孔形状に開口し、スリーブ5の内部で出力ポート7と連通している。
圧力導入孔11は、窪み面9の長手方向の他端側に丸孔形状に開口し、出力孔10よりフィードバック油路を通じて供給される出力圧をスリーブ5の内部へフィードバックする。なお、スリーブ5の外周面のうち、入力ポート6の開口部を除く周方向の領域を非ポート領域と呼ぶ時に、この非ポート領域のうち、入力ポート6の開口面と径方向の反対側(図1の上側)の領域に窪み面9、出力孔10、及び、圧力導入孔11が形成される。また、出力孔10は、スリーブ5の長手方向で入力ポート6よりアクチュエータ側(図1の右側)に形成され、圧力導入孔11は、スリーブ5の長手方向で入力ポート6より反アクチュエータ側に形成される。
圧力導入孔11は、窪み面9の長手方向の他端側に丸孔形状に開口し、出力孔10よりフィードバック油路を通じて供給される出力圧をスリーブ5の内部へフィードバックする。なお、スリーブ5の外周面のうち、入力ポート6の開口部を除く周方向の領域を非ポート領域と呼ぶ時に、この非ポート領域のうち、入力ポート6の開口面と径方向の反対側(図1の上側)の領域に窪み面9、出力孔10、及び、圧力導入孔11が形成される。また、出力孔10は、スリーブ5の長手方向で入力ポート6よりアクチュエータ側(図1の右側)に形成され、圧力導入孔11は、スリーブ5の長手方向で入力ポート6より反アクチュエータ側に形成される。
スプール4には、圧力導入孔11に通じる環状溝(図示せず)が形成され、圧力導入孔11よりフィードバックされる出力圧が環状溝に導入され、その出力圧の大きさに応じてスプール4を軸方向に移動させる軸力が発生する。その結果、スプール4は、電磁アクチュエータ3の駆動力と、リターンスプリングの付勢力と、出力圧の大きさに応じた軸力とが釣り合う位置に移動して静止する。これにより、スプール4の変位が安定して、入力圧の変動による出力圧の変動を防ぐことができる。
また、スリーブ5の外周には、図3に示す様に、入力ポート6の開口面を含んでスリーブ5の全周に凹設された取付け溝12が形成され、この取付け溝12には、作動油に含まれる鉄粉等の異物を取り除くためのストレーナ13が装着される。なお、取付け溝12は、出力孔10と圧力導入孔11との間で窪み面9と交差して形成され、窪み面9と同じ深さに凹設されている。あるいは、取付け溝12を窪み面9より若干深く凹設しても良い。 ストレーナ13は、図4に示す様に、入力ポート6の開口面を覆って取付け溝12の全周に巻き付けられ、両端部が重ね合わされた状態で溶接等の手段により固定される。このストレーナ13は、例えば、ステンレス等の耐蝕性を有する金属材料によって帯板状に形成され、図6に示す様に、異物を除去できる程度の小孔、つまり、異物の寸法より径の小さい多数の小孔13aがエッチング加工等により空けられている。
また、ストレーナ13には、入力ポート6側から取付け溝12を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止するシール部品14が取り付けられている。シール部品14は、例えば、ゴム部材であり、図6に示す様に、ストレーナ13に2箇所取り付けられ、ストレーナ13を取付け溝12の外周に巻き付けた状態で、図2に示す様に、窪み面9の周方向両側に配設される。
このシール部品14は、例えば、中央部にスリット状の孔を形成し、その孔にストレーナ13を圧入して固定する、あるいは、ストレーナ13にシール部品14を焼き付けて固定することができる。なお、実施例1に示すシール部品14は、図7に示す様に、ストレーナ13の厚み方向全周を覆っている。
シール部品14の位置に対応するスリーブ5の外周面には、図3に示す様に、シール部品14を嵌合して位置決めするための嵌合溝15が形成されている。この嵌合溝15は、取付け溝12の底面と、取付け溝12の幅方向(スリーブ5の長手方向)の両外側に凹設されている。
このシール部品14は、例えば、中央部にスリット状の孔を形成し、その孔にストレーナ13を圧入して固定する、あるいは、ストレーナ13にシール部品14を焼き付けて固定することができる。なお、実施例1に示すシール部品14は、図7に示す様に、ストレーナ13の厚み方向全周を覆っている。
シール部品14の位置に対応するスリーブ5の外周面には、図3に示す様に、シール部品14を嵌合して位置決めするための嵌合溝15が形成されている。この嵌合溝15は、取付け溝12の底面と、取付け溝12の幅方向(スリーブ5の長手方向)の両外側に凹設されている。
なお、シール部品14を嵌合溝15に嵌め込んで位置決めした状態では、図4及び図5に示す様に、シール部品14の外周面がスリーブ5の外周面より低くなることはない。言い換えると、シール部品14は、スリーブ5をバルブボディの取付け孔に挿入した状態でシール部品14の外周面が取付け孔の内周面に弾力を有して密着できる程度に、スリーブ5の外周面よりシール部品14の外周面の方が若干高く形成されている。これにより、ストレーナ13の外周面と取付け孔の内周面との間に形成される隙間をシール部品14によって液密に塞ぐことができる。
また、シール部品14は、図7に示した様に、ストレーナ13の全周を覆っているので、ストレーナ13と取付け溝12との間(例えば、取付け溝12の幅方向の側面とストレーナ13の幅方向の側面との間、ストレーナ13の内周面と取付け溝12の外周面との間)に隙間が生じる場合でも、その隙間をシールできる。
また、シール部品14は、図7に示した様に、ストレーナ13の全周を覆っているので、ストレーナ13と取付け溝12との間(例えば、取付け溝12の幅方向の側面とストレーナ13の幅方向の側面との間、ストレーナ13の内周面と取付け溝12の外周面との間)に隙間が生じる場合でも、その隙間をシールできる。
(実施例1の作用および効果)
本実施例の油圧制御弁1は、入力ポート6の開口面を覆うストレーナ13によって作動油に含まれる鉄粉等の異物を取り除くことができる。このストレーナ13は、スリーブ5の外周面に凹設された取付け溝12の全周に巻き付けられ、その両端部が溶接等によって固定されるので、外力等によってストレーナ13がスリーブ5から外れることはない。
また、スリーブ5には、入力ポート6の開口面と径方向の反対側に窪み面9が形成され、この窪み面9と、スリーブ5が挿入される取付け孔の内周面との間にフィードバック油路が形成される。
本実施例の油圧制御弁1は、入力ポート6の開口面を覆うストレーナ13によって作動油に含まれる鉄粉等の異物を取り除くことができる。このストレーナ13は、スリーブ5の外周面に凹設された取付け溝12の全周に巻き付けられ、その両端部が溶接等によって固定されるので、外力等によってストレーナ13がスリーブ5から外れることはない。
また、スリーブ5には、入力ポート6の開口面と径方向の反対側に窪み面9が形成され、この窪み面9と、スリーブ5が挿入される取付け孔の内周面との間にフィードバック油路が形成される。
さらに、ストレーナ13の取付け溝12は、窪み面9に開口する出力孔10と圧力導入孔11との間で窪み面9と交差して形成されるが、ストレーナ13に取り付けられたシール部品14によってフィードバック油路の周方向両側がシールされる。すなわち、ストレーナ13の外周面と取付け孔の内周面との間に形成される隙間をシール部品14によって液密にシールできるので、入力ポート6側からストレーナ13の取付け溝12を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止できる。
また、シール部品14は、スリーブ5に形成された嵌合溝15に嵌合して位置決めされるため、例えば、スリーブ5を取付け孔に挿入する際に、シール部品14の位置がずれて変形することはない。従って、シール部品14のシール機能が損なわれることはなく、フィードバック油路と取付け溝12との間を確実にシールできる。
また、シール部品14は、スリーブ5に形成された嵌合溝15に嵌合して位置決めされるため、例えば、スリーブ5を取付け孔に挿入する際に、シール部品14の位置がずれて変形することはない。従って、シール部品14のシール機能が損なわれることはなく、フィードバック油路と取付け溝12との間を確実にシールできる。
(実施例2)
この実施例2は、実施例1の構成に対し、シール部品14の取付け位置を変更した場合の一例である。実施例1では、図2に示した様に、シール部品14を取付け溝12と交差する窪み面9の周方向側面より少し離れた位置に取り付けているが、シール部品14の取付け位置を限定している訳ではなく、例えば、図9に示す様に、窪み面9の周方向側面に沿って取り付けることもできる。
なお、図8は油圧制御弁1の側面図であり、図1に示した実施例1の構成と比較して、シール部品14が窪み面9の周方向側面により近接している状態を示している。図10及び図11は、図8に示すスリーブ5のA−A断面図、B−B断面図であり、それぞれ、シール部品14が窪み面9の両側面に沿って配置されている状態を示している。
この実施例2は、実施例1の構成に対し、シール部品14の取付け位置を変更した場合の一例である。実施例1では、図2に示した様に、シール部品14を取付け溝12と交差する窪み面9の周方向側面より少し離れた位置に取り付けているが、シール部品14の取付け位置を限定している訳ではなく、例えば、図9に示す様に、窪み面9の周方向側面に沿って取り付けることもできる。
なお、図8は油圧制御弁1の側面図であり、図1に示した実施例1の構成と比較して、シール部品14が窪み面9の周方向側面により近接している状態を示している。図10及び図11は、図8に示すスリーブ5のA−A断面図、B−B断面図であり、それぞれ、シール部品14が窪み面9の両側面に沿って配置されている状態を示している。
(実施例3)
この実施例3は、シール部品14の形状が実施例1とは異なる場合の一例であり、図12に示す様に、シール部品14がストレーナ13の外周面に密着した状態で取り付けられ、例えば、焼き付け固定されている。
この場合、ストレーナ13の内周面側(図12の下端面側)をシール部品14が覆っていないので、シール部品14を位置決めするための嵌合溝15は、図13に示す様に、取付け溝12の底面に形成されることはなく、取付け溝12の幅方向の両外側にのみ形成されている。
この実施例3は、シール部品14の形状が実施例1とは異なる場合の一例であり、図12に示す様に、シール部品14がストレーナ13の外周面に密着した状態で取り付けられ、例えば、焼き付け固定されている。
この場合、ストレーナ13の内周面側(図12の下端面側)をシール部品14が覆っていないので、シール部品14を位置決めするための嵌合溝15は、図13に示す様に、取付け溝12の底面に形成されることはなく、取付け溝12の幅方向の両外側にのみ形成されている。
図14、図15は、それぞれ、図1のA−A断面、B−B断面に相当する断面図であり、図1のA−A断面、B−B断面を示す図4、図5と比較すると、シール部品14の高さ寸法が異なることが分かる。
本実施例の構成においても、ストレーナ13の外周面と取付け孔の内周面との間に形成される隙間をシール部品14によって液密にシールできるので、入力ポート6側から取付け溝12を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止できる。
本実施例の構成においても、ストレーナ13の外周面と取付け孔の内周面との間に形成される隙間をシール部品14によって液密にシールできるので、入力ポート6側から取付け溝12を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止できる。
(実施例4)
この実施例4は、シール部品14の形状が実施例1とは異なる他の例であり、図16に示す様に、シール部品14がストレーナ13の外周面と両側面に密着した状態で取り付けられ、例えば、焼き付け固定されている。
この実施例4の構成でも、実施例3と同様に、ストレーナ13の内周面側(図16の下端面側)をシール部品14が覆っていないので、シール部品14を位置決めするための嵌合溝15は、図17に示す様に、取付け溝12の底面に形成されることはなく、取付け溝12の幅方向の両外側にのみ形成されている。
この実施例4は、シール部品14の形状が実施例1とは異なる他の例であり、図16に示す様に、シール部品14がストレーナ13の外周面と両側面に密着した状態で取り付けられ、例えば、焼き付け固定されている。
この実施例4の構成でも、実施例3と同様に、ストレーナ13の内周面側(図16の下端面側)をシール部品14が覆っていないので、シール部品14を位置決めするための嵌合溝15は、図17に示す様に、取付け溝12の底面に形成されることはなく、取付け溝12の幅方向の両外側にのみ形成されている。
図18、図19は、それぞれ、図1のA−A断面、B−B断面に相当する断面図である。本実施例のシール部品14は、実施例1の図7に示したシール部品14と比較して、ストレーナ13の内周側を省略しているだけであり、ストレーナ13の両側は、実施例1と同じ高さ寸法を有している。よって、図18に示す断面図は、実施例3の図14に示す断面図と同じであり、図19に示す断面図は、実施例1の図5に示す断面図と同じである。 本実施例の構成においても、ストレーナ13の外周面と取付け孔の内周面との間に形成される隙間をシール部品14によって液密にシールできるので、入力ポート6側から取付け溝12を通ってフィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止できる。
(変形例)
実施例1では、取付け溝12の外周に巻き付けたストレーナ13の両端部を溶接等によって固定する例を記載したが、例えば、特許文献2と同様に、ストレーナ13の両端部にスリットを形成し、互いのスリット同士を係合して着脱自在に連結することもできる。この場合、ストレーナ13を着脱できるので、例えば、ストレーナ13が目詰まりした場合に、ストレーナ13を取り外して清掃した後、再度、取り付けて使用することができる。あるいは、新しいストレーナ13と交換することもできる。
実施例1では、取付け溝12の外周に巻き付けたストレーナ13の両端部を溶接等によって固定する例を記載したが、例えば、特許文献2と同様に、ストレーナ13の両端部にスリットを形成し、互いのスリット同士を係合して着脱自在に連結することもできる。この場合、ストレーナ13を着脱できるので、例えば、ストレーナ13が目詰まりした場合に、ストレーナ13を取り外して清掃した後、再度、取り付けて使用することができる。あるいは、新しいストレーナ13と交換することもできる。
1 油圧制御弁
5 スリーブ
6 入力ポート
7 出力ポート
9 窪み面(フィードバック手段)
10 出力孔(フィードバック手段)
11 圧力導入孔(フィードバック手段)
12 取付け溝
13 ストレーナ
14 シール部品
15 シール部品を位置決めする嵌合溝
5 スリーブ
6 入力ポート
7 出力ポート
9 窪み面(フィードバック手段)
10 出力孔(フィードバック手段)
11 圧力導入孔(フィードバック手段)
12 取付け溝
13 ストレーナ
14 シール部品
15 シール部品を位置決めする嵌合溝
Claims (6)
- 所定の入力圧が供給される入力ポートおよび入力圧を所定の出力圧に調圧して出力する出力ポートを有し、油圧回路に通じる円筒の取付け孔に挿入される筒状のスリーブと、
このスリーブの内部に軸方向へ摺動可能に収容されるスプールと、
前記入力ポートの開口面を覆って前記スリーブに装着され、作動油に含まれる異物を取り除くストレーナと、
入力圧の変動による出力圧の変動を抑制するために、出力圧をフィードバックして前記スプールに付与するフィードバック手段とを有し、
このフィードバック手段は、前記スリーブの外周面に凹設される窪み面と、この窪み面に開口して前記出力ポートに連通する出力孔と、前記窪み面に開口して出力圧を前記スリーブの内部へフィードバックする圧力導入孔とを有し、前記スリーブを前記取付け孔に挿入した状態で、前記窪み面と前記取付け孔の内周面との間に前記出力孔と前記圧力導入孔との間を連通するフィードバック油路が形成される油圧制御弁であって、
前記スリーブの外周面には、前記出力孔と前記圧力導入孔との間を前記窪み面と交差して前記スリーブの全周に取付け溝が形成され、
前記ストレーナは、前記取付け溝の全周に巻き付けて装着され、且つ、前記入力ポート側から前記取付け溝を通って前記フィードバック油路へ作動油が流れ込むことを防止するシール部品が取り付けられていることを特徴とする油圧制御弁。 - 請求項1に記載した油圧制御弁において、
前記スリーブの外周面には、前記シール部品を嵌合して位置決めするための嵌合溝が凹設されていることを特徴とする油圧制御弁。 - 請求項1または2に記載した油圧制御弁において、
前記シール部品は、前記ストレーナの全周に密着して取り付けられることを特徴とする油圧制御弁。 - 請求項1または2に記載した油圧制御弁において、
前記シール部品は、少なくとも前記ストレーナの外周面に密着して取り付けられることを特徴とする油圧制御弁。 - 請求項1〜4に記載した何れか一つの油圧制御弁において、
前記ストレーナは、前記取付け溝の全周に巻き付けられた状態で、周方向の両端部が重なり合って着脱可能に係合していることを特徴とする油圧制御弁。 - 請求項1〜4に記載した何れか一つの油圧制御弁において、
前記ストレーナは、前記取付け溝の全周に巻き付けられた状態で、周方向の両端部が重なり合って溶接により固定されていることを特徴とする油圧制御弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011050963A JP2012189091A (ja) | 2011-03-09 | 2011-03-09 | 油圧制御弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011050963A JP2012189091A (ja) | 2011-03-09 | 2011-03-09 | 油圧制御弁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012189091A true JP2012189091A (ja) | 2012-10-04 |
Family
ID=47082506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011050963A Withdrawn JP2012189091A (ja) | 2011-03-09 | 2011-03-09 | 油圧制御弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012189091A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015102150A (ja) * | 2013-11-25 | 2015-06-04 | 株式会社デンソー | スプール制御弁 |
JP2016102583A (ja) * | 2014-04-04 | 2016-06-02 | 日本電産トーソク株式会社 | 弁装置 |
-
2011
- 2011-03-09 JP JP2011050963A patent/JP2012189091A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015102150A (ja) * | 2013-11-25 | 2015-06-04 | 株式会社デンソー | スプール制御弁 |
JP2016102583A (ja) * | 2014-04-04 | 2016-06-02 | 日本電産トーソク株式会社 | 弁装置 |
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