JP2012188930A - エンジントルク推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンのクランク角の検出精度を向上する。
【解決手段】エンジントルク推定装置(100)は、複数の気筒を有するエンジン(10)と、エンジンのクランク軸(101)に連結されたモータ(11)と、クランク軸の回転角度であるエンジン回転角を検出する第1回転角度検出手段(31)と、を備えるハイブリッド車両(1)に搭載される。エンジントルク推定装置は、ハイブリッド車両のモータリング中に、(i)複数の気筒のうち圧縮行程にある2以上の気筒各々に係る角速度が同じになる第1関係と、(ii)複数の気筒のうち膨張行程にある2以上の気筒各々に係る角速度が同じになる第2関係と、を用いて、検出されたエンジン回転角の誤差を算出する算出手段(20)を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンのトルクを推定するエンジントルク推定装置の技術分野に関する。
この種の装置では、例えばクランク角センサにより検出されたクランク角を利用して、エンジンのトルクが推定されることが多い。ところで、クランク角センサの出力には、例えば車両の製造時における加工誤差等に起因した誤差が含まれる。このため、この種の装置では、クランク角の検出精度の向上が図られる。
例えば、特許文献1には、ハイブリッド車両において、エンジン停止中にモータの駆動力のみで走行するモータリング時に、モータの回転を制御してクランク軸を一定回転速度で回転させ、ある気筒が上死点となってから次の気筒が上死点となるまでの間の角度を回転するのに要する実時間を計測すると共に、該角度を回転する際の理論的な所要時間である基準時間を算出し、基準時間と実時間との差に基づいて補正量を算出する装置が記載されている。
特開2005−351138号公報
しかしながら、エンジンにおける圧縮力や膨張力の影響により、モータを用いたとしてもクランク軸を均一に回転させることは困難である。すると、特許文献1に記載の技術では、誤差を十分に低減することが困難になる可能性があるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、クランク角の検出精度を向上することができるエンジントルク推定装置を提案することを課題とする。
本発明のエンジントルク推定装置は、上記課題を解決するために、複数の気筒を有するエンジンと、前記エンジンのクランク軸に連結されたモータと、前記クランク軸の回転角度であるエンジン回転角を検出する第1回転角度検出手段と、を備えるハイブリッド車両に搭載され、前記ハイブリッド車両のモータリング中に、(i)前記複数の気筒のうち圧縮行程にある2以上の気筒各々に係る角速度が同じになる第1関係と、(ii)前記複数の気筒のうち膨張行程にある2以上の気筒各々に係る角速度が同じになる第2関係と、を用いて、前記検出されたエンジン回転角の誤差を算出する算出手段を備える。
本発明のエンジントルク推定装置によれば、当該エンジントルク推定装置は、ハイブリッド車両に搭載されている。該ハイブリッド車両は、複数の気筒を有するエンジンと、該エンジンのクランク軸に連結されたモータと、該クランク軸の回転角度であるエンジン回転角を検出する第1回転角度検出手段と、を備える。ここで、「モータ」は、当該ハイブリッド車両のエンジン制御用モータであるが、モータ・ジェネレータ(電動発電機)において実現されるモータであってもよい。
本願発明者の研究によれば、以下の事項が判明している。即ち、エンジンのクランク軸には、エンジン回転角を検出するために、該クランク軸と一体で回転するロータプレートが設けられている。例えば、該ロータプレートの取り付け時の加工誤差に起因して、検出されるエンジン回転角にばらつきが生じる可能性がある。ところで、モータリング中は、エンジンの気筒間におけるトルクのばらつきが小さい。このため、モータにより、エンジンのクランク軸を一定の回転数で回転させた場合、圧縮行程にある気筒同士の角速度を同じとみなすことができる。同様に、膨張行程にある気筒同士の角速度も同じとみなすことができる。従って、検出されたクランク軸の回転角度に基づいて算出された角速度から、上記加工誤差を求めることができる。
そこで本発明では、例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる算出手段により、ハイブリッド車両のモータリング中に、(i)複数の気筒のうち圧縮行程にある2以上の気筒各々に係る角速度が同じになる第1関係と、(ii)複数の気筒のうち膨張行程にある2以上の気筒各々に係る角速度が同じになる第2関係と、を用いて、検出されたエンジン回転角の誤差が算出される。
従って、比較的容易にして、クランク角の検出精度を向上させることができる。特に、上述した特許文献1に記載の技術のように、基準時間を別途算出する必要がないので、実用上非常に有利である。
尚、「ハイブリッド車両のモータリング中」とは、エンジン停止状態で、駆動用モータのみで、ハイブリッド車両が走行している期間を意味する。
本発明のエンジントルク推定装置の一態様では、前記モータの回転角度であるモータ回転角を検出する第2回転角度検出手段と、(i)前記検出されたエンジン回転角に基づく前記エンジンの回転変動が所定値以下であることを条件に、(ii)前記検出されたモータ回転角に基づく、前記モータの前記複数の気筒毎の角加速度の最大値と、前記角速度の最小値との差分が閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、を更に備える。
この態様によれば、第2回転角度検出手段は、モータの回転角度であるモータ回転角を検出する。例えばメモリ、プロセッサ、コンパレータ等を備えてなる判定手段は、(i)検出されたエンジン回転角に基づくエンジンの回転変動が所定値以下であることを条件に、(ii)検出されたモータ回転角に基づく、モータの複数の気筒毎の角加速度の最大値と、角加速度の最小値との差分が閾値以上であるか否かを判定する。
ここで、「検出されたエンジン回転角に基づくエンジンの回転変動が所定値以下である」とは、エンジンが定常運転中であることを意味する。「所定値」とは、判定手段により判定が行われるか否かを決定する値であり、予め固定値として、又は何らかの物理量若しくはパラメータに応じた可変値として、設定される値である。このような「所定値」は、経験的若しくは実験的に、又はシミュレーションによって、例えばエンジンの動作状態と、該エンジンの回転変動との関係を求め、該求められた関係に基づいて、エンジンの定常運転とみなせる回転変動に対応する値として設定すればよい。
本願発明者の研究によれば、以下の事項が判明している。即ち、上述の如く、本発明に係る算出手段によりエンジン回転角の誤差が算出され、該算出された誤差に応じて、本発明に係る第1回転角度検出手段により検出されたエンジン回転角が補正された場合、エンジン回転角が正しく補正されたか否かを判定する必要がある。しかしながら、第1回転角度検出手段だけでは、エンジンに回転変動が生じているのか、それとも、エンジン回転角が正しく補正されていないのか、を判定することはできない。
そこで本発明では、エンジンのクランク軸に連結されていることに起因して、該エンジンの回転変動を反映するモータに着目する。つまり、第1回転角度検出手段とは異なる第2回転角度検出手段によって、エンジンの回転変動の影響を受けるモータのモータ回転角が検出される。このため、エンジンに回転変動が生じているのか、それとも、エンジン回転角が正しく補正されていないのか、を判定することができる。
本発明のエンジントルク推定装置の他の態様では、前記第1回転角度検出手段に係る出力電圧を検出する電圧検出手段を更に備え、前記算出手段は、前記第1関係及び前記第2関係に加え、前記検出された出力電圧の包絡線を用いて前記検出されたエンジン回転角の誤差を算出する。
この態様によれば、エンジン回転角の誤差の算出精度を向上させることができ、実用上非常に有利である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
第1実施形態に係るエンジントルク推定装置が搭載される車両の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係るクランク角センサの構成を概略的に示した構成図である。 クランク角センサ信号の一例である。 エンジントルク及びエンジン角速度各々の時間変動の一例を示す概念図である。 第1実施形態に係るクランク角度補正ルーチンを示すフローチャートである。 エンジン回転数とトルク推定誤差との関係の一例である。 第1実施形態に係る有効性検証ルーチンを示すフローチャートである。 エンジン回転数と最大差との関係の一例である。 クランクロータに生じる取り付けガタの概念を示す概念図である。 クランク角度誤差の変動の一例を示す概念図である。 電圧センサの出力の一例である。 第2実施形態に係るクランク角度補正ルーチンを示すフローチャートである。
以下、本発明に係るエンジントルク推定装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明に係るエンジントルク推定装置の第1実施形態について、図1乃至図8を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係るエンジントルク推定装置が搭載される車両について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るエンジントルク推定装置が搭載される車両の構成を示すブロック図である。尚、図1では、説明の便宜上、車両の詳細な構成部材については適宜省略し、直接関連のある構成部材のみを示している。
図1において、ハイブリッド車両1は、エンジン10、第1モータ・ジェネレータ(MG1)11、第2モータ・ジェネレータ(MG2)12、遊星歯車機構を有する動力分配機構13及びトーショナルダンパ14を備えて構成されている。
エンジン10のクランクシャフト101は、トーショナルダンパ14を介して、動力分配機構13の複数の遊星ギア133のキャリアである遊星キャリア134の回転軸としてのインプットシャフト131に接続されている。
尚、本実施形態に係るエンジン10は、4つの気筒を有する4気筒エンジンであるが、該4気筒エンジンに限らず、例えば6気筒、8気筒、12気筒、16気筒等の各種エンジンであってよい。
動力分配機構13のサンギア132の回転軸は、第1モータ・ジェネレータ11に接続されている。動力分配機構13のリングギア135の回転軸は、第2モータ・ジェネレータ12に接続されている。動力分配機構13の動力出力ギア136は、チェーンベルト137を介して、動力伝達ギア(図示せず)に動力を伝達する。動力伝達ギアに伝達された動力は、駆動軸及びデファレンシャルギア(図示せず)を介して、ハイブリッド車両1の駆動輪(図示せず)に伝達される。
ハイブリッド車両1は、更に、クランク角センサ31を備えて構成されている。例えばECU(Electronic Control Unit)(図示せず)等が、エンジン10の燃焼制御等を行う場合、制御情報としてクランク角又は瞬時のエンジン回転数を必要とする。そこで、一般にエンジン10にはクランク角又は瞬時のエンジン回転数を検出するためのクランク角センサ31が設けられる。ここで、エンジン10のクランクシャフト101には、該クランクシャフト101と共に回転し、周縁部に突起部(切欠部)が設けられたクランクロータ102が設けられている。クランク角センサ31は、クランクロータ102の突起部が通過するときにパルス信号を生じるピックアップを有している。例えばECU等はクランク角センサ31から出力される、所定のパルス信号間の時間差、或いは、所定時間内のパルス信号数を検出することによって、クランク角又は瞬時のエンジン回転数を演算している。
ここで、クランク角センサ31について、図2及び図3を参照して説明を加える。図2は、本実施形態に係るクランク角センサの構成を概略的に示した構成図であり、図3は、クランク角センサ信号の一例である。
図2において、クランクシャフト101には、図中の矢印方向に回転されるクランクロータ102が取り付けられている。クランクロータ102の外周には、クランク角検出用として、例えば10度CA(Crank Angle)毎の等しい角度間隔で形成された歯部102aと、2歯分連続して欠歯された欠歯部102bとが設けられている。
クランク角センサ31は、各歯部102aに対向し、該歯部102aによりクランクシャフト101の回転角度を検出するセンサ部311と、該センサ部311からの出力信号を処理する信号処理部312とを備えて構成されている。センサ部311から出力されるクランク角センサ信号は、クランクシャフト101の回転位置が予め設定された特定位置でないときには、所定のクランク角(例えば10度CA)回転する期間を1周期としたパルス信号となり、クランクシャフト101が特定位置に来たときには、クランクシャフト101が、例えば30度CA回転する期間を1周期とした欠歯信号となる。該欠歯信号は、クランクシャフト101が1回転する毎(即ち、360度CA毎)に発生する。
信号処理部312は、センサ部311からの出力信号(図3のクランク角センサ信号参照)を受信すると、クランク角センサ信号中における欠歯信号の検出動作を開始する。そして、信号処理部312は、クランク角センサ信号が欠歯信号になったことを最初に検出すると、以降、クランク角センサ信号を分周して、クランクシャフト101が30度回転する期間を1周期とした(即ち、クランクシャフト101が30度回転する毎に立ち上がる)パルス信号としての30度CA信号を生成し出力する。
再び図1に戻り、エンジントルク推定装置100は、クランク角センサ31、レゾルバ32及び33、電圧センサ34、並びに演算装置20を備えて構成されている。尚、エンジントルク推定装置100におけるエンジントルクの推定方法には、公知の各種態様を適用可能であるので、その詳細についての説明は省略する。
エンジントルクの推定には、クランク角センサ31により検出されたエンジン10の回転角度(以降、適宜“エンジン回転角”と称する)が用いられることが多い。ところで、クランク角センサ31により検出されるエンジン回転角は、クランクロータ102の取り付け時の加工誤差の影響を受ける。
本願発明者は、ハイブリッド車両1が第2モータ・ジェネレータ12のみの動力により走行しているモータリング中に、エンジン10のクランクシャフト101を第1モータ・ジェネレータ11で回転させると、圧縮行程にある気筒同士の角速度を同じとみなすことができること、膨張行程にある気筒同士の角速度を同じとみなすことができること、を見出した。
具体的には、例えば図4に示すように、第1気筒の膨張行程(図4中の“#1膨張”参照)におけるエンジン角速度の変動と、第3気筒の膨張行程(図4中の“#3膨張”参照)におけるエンジン角速度の変動と、は同じとみなすことができる。同様に、第2気筒の圧縮行程(図4中の“#2圧縮”参照)における角速度の変動と、第4気筒の圧縮行程(図4中の“#4圧縮”参照)における角速度の変動と、は同じとみなすことができる。
尚、本実施形態では、4気筒エンジンを例に挙げて説明しているため、90度CA毎に、圧縮行程、膨張行程が切り替わるが、例えば6気筒エンジンであれば60度CA毎、8気筒エンジンであれば45度CA毎に切り替わる。
本実施形態に係るエンジントルク推定装置100では、演算装置20により、ハイブリッド車両1のモータリング中に、(i)複数の気筒のうち圧縮行程にある2以上の気筒各々に係る角速度が同じになる第1関係と、(ii)複数の気筒のうち膨張行程にある2以上の気筒各々に係る角速度が同じになる第2関係と、を用いて、クランクロータ102の取り付け時の加工誤差を求め、該求められた加工誤差に応じて、クランク角センサ31により検出されるエンジン回転数が補正される。
演算装置20は、具体的には、クランク角センサ31から出力されるクランク角センサ信号に基づいて、クランクシャフト101が所定角だけ回転するために要する時間の平均値を求める。本実施形態では、第1気筒の膨張行程に対応する0度CAから90度CAまで回転するために要する平均時間を、所要時間T90_1と称し、第2気筒の圧縮行程に対応する90度CAから180度CAまで回転するために要する平均時間を、所要時間T90_2と称し、第3気筒の膨張行程に対応する180度CAから270度CAまで回転するために要する平均時間を、所要時間T90_と称し、第4気筒の圧縮行程に対応する270度CAから360度CAまで回転するために要する平均時間を、所要時間T90_4と称する。
次に、演算装置20は、膨張行程にある気筒同士の角速度が同じになる第1関係から、次のような方程式を立てる。
Figure 2012188930
(1)
ここで、“θ1”及び“θ3”は、角度補正値(即ち、本発明に係る“エンジン回転角の誤差”に相当)である。上記式(1)の分母の次元は「角度」であり、分子の次元は「時間」である(後述する、式(2)及び式(3)も同様)。
同様に、演算装置20は、圧縮行程にある気筒同士の角速度が同じになる第2関係から、次のような方程式を立てる。
Figure 2012188930
(2)
ここで、“θ2”及び“θ4”は、“θ1”及び“θ3”と同様の、角度補正値である。
上記式(1)及び式(2)から次の関係式が導かれる。
Figure 2012188930
(3)
加えて、クランクシャフト101の1回転に対応する角度は360度であるので、次の関係式が得られる。
Figure 2012188930
(4)
演算装置20は、上記式(1)、(2)、(3)及び(4)を解くことにより、角度補正値θ1、θ2、θ3及びθ4を夫々算出する。そして、演算装置20は、該算出された角度補正値θ1、θ2、θ3及びθ4に基づいて、エンジン回転角を補正する。
(クランク角度補正ルーチン)
次に、以上のように構成されたエンジントルク推定装置100が実行するクランク角度補正ルーチンについて、図5のフローチャートを参照して説明する。
図5において、先ず、演算装置20は、エンジン10がヒューエルカットされているか否か(即ち、エンジン10の停止中であるか否か)を判定する(ステップS101)。エンジン10が動作中であると判定された場合(ステップS101:No)、気筒間における回転脈動が比較的大きく、クランク角度を適切に補正できないため、演算装置20は、クランク角度補正ルーチンを中止する。
他方、エンジン10の停止中であると判定された場合(ステップS101:Yes)、演算手段20は、エンジン10をクランキングするように、第1モータ・ジェネレータ11を制御する(ステップS102)。
次に、演算手段20は、レゾルバ32の出力に基づいて、第1モータ・ジェネレータ11の回転数変化が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS103)。第1モータ・ジェネレータ11の回転数変化が閾値より大きいと判定された場合(ステップS103:No)、路面の凹凸等の外乱の影響が比較的大きく、クランク角度を適切に補正できないため、演算装置20は、クランク角度補正ルーチンを中止する。
第1モータ・ジェネレータ11の回転数変化が閾値以下であると判定された場合(ステップS103:Yes)、演算装置20は、クランク角センサ31の出力に基づいて、各気筒の圧縮行程及び膨張行程各々の角速度を算出する(ステップS104)。続いて、演算装置20は、角速度を複数回算出し、各気筒の圧縮行程及び膨張行程各々の平均角速度を算出する(ステップS105)。
次に、演算装置20は、上述の式(1)、(2)、(3)及び(4)に基づいて、角度補正値θ1、θ2、θ3及びθ4を夫々算出して、エンジン回転角を補正する(ステップS106)。
仮にエンジン回転角が補正されなかったとすると、例えば図6中に一点鎖線(補正前)で示したように、推定されたエンジントルクの誤差が比較的大きくなる可能性がある。しかるに本実施形態では、上述の如く、エンジン回転角が補正されるので、例えば図6中に破線(補正後)で示したように、推定されたエンジントルクの誤差を抑制することができる。
以上の結果、エンジントルク推定装置100によれば、クランク角の検出精度を向上させることができ、もって、エンジントルクの推定精度を向上させることができる。
(有効性検証ルーチン)
ところで、上述したクランク角度補正ルーチンにより算出された角度補正値θ1、θ2、θ3及びθ4が正しくなかった場合、例えばエンジンの失火検出精度等が低下するおそれがある。このため、算出された角度補正値θ1、θ2、θ3及びθ4が正しいのか否かを判定する必要がある。
そこで、エンジントルク推定装置100の演算装置20は、図7に示すような有効性検証ルーチンを実行する。
図7において、先ず、演算装置20は、エンジン10の回転数が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS201)。エンジン10の回転数が閾値以上であると判定された場合(ステップS201:No)、演算装置20は、有効性検証ルーチンを中止する(ステップS207)。
他方、エンジン10の回転数が閾値未満であると判定された場合(ステップS201:Yes)、演算装置20は、エンジン10の回転変動が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS202)。エンジン10の回転変動が閾値より大きいと判定された場合(ステップS202:No)、例えばハイブリッド車両1の加速時等であり、有効性を適切に検出できないため、演算装置20は、有効性検証ルーチンを中止する(ステップS207)。
エンジン10の回転変動が閾値以下であると判定された場合(ステップS202:Yes)、演算装置20は、レゾルバ32の出力に基づいて算出された、複数の気筒毎の角加速度の最大値と、該角加速度の最小値との差分である第1差分(図8中の破線参照)が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS203)。
該第1差分が閾値より大きいと判定された場合(ステップS203:No)、外乱の影響が比較的大きく、有効性を適切に検出できないため、演算装置20は、有効性検証ルーチンを中止する(ステップS207)。
他方、上記第1差分が閾値以下であると判定された場合(ステップS203:Yes)、演算装置20は、クランク角センサ31の出力基づいて算出された、複数の気筒毎の角加速度の最大値と、該角加速度の最小値との差分である第2差分(図8中の実線参照)が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS204)。
第2差分が閾値以下であると判定された場合(ステップS204:Yes)、演算装置20は、上述したクランク角度補正ルーチンにより算出された角度補正値θ1、θ2、θ3及びθ4が正しいと判定する(ステップS205)。他方、第2差分が閾値より大きいと判定された場合(ステップS204:No)、演算装置20は、算出された角度補正値θ1、θ2、θ3及びθ4は誤っていると判定する(ステップS206)。
尚、ステップS201における閾値、ステップS202における閾値、ステップS203における閾値、及びステップS204における閾値は、相互に異なっている。
本実施形態に係る「第1モータ・ジェネレータ11」、「クランク角センサ31」及び「レゾルバ32」は、夫々、本発明に係る「モータ」、「第1回転角度検出手段」及び「第2回転角度検出手段」の一例である。本実施形態に係る「演算装置20」は、本発明に係る「算出手段」及び「判定手段」の一例である。
<第2実施形態>
本発明のエンジントルク推定装置に係る第2実施形態を、図9乃至図12を参照して説明する。第2実施形態では、クランク角度補正ルーチンの一部が異なる以外は、第1実施形態の構成と同様である。よって、第2実施形態について、第1実施形態と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図9乃至図12を参照して説明する。
本実施形態では、クランク角センサ31は、MPU(Magnetic Pick Up)方式を用いたクランク角センサである。このため、クランク角センサ31により検出されるクランク角は、クランクシャフト101とクランクロータ102との間に生じる取り付けガタ(図9参照)に起因する、クランクロータ102とクランク角センサ31との間の距離(即ち、ギャップ)の変動の影響を受ける。
具体的には例えば、図10(b)に示すように、取り付けガタに起因してギャップ(図9参照)が変動すると、図10(a)に示すように、検出されるクランク角に誤差が生じる。図10は、クランク角度誤差の変動の一例を示す概念図である。
ここで、クランク角センサ31の出力を、本発明に係る「電圧検出手段」の一例としての、電圧センサ34(図1参照)で測定すると、その出力は、例えば図11(b)のような正弦波となる。図10(b)の一部を拡大して示す図11(a)と、図11(b)とを比較すると、電圧センサ34により測定されたクランク角センサ31の出力に係る包絡線が、ギャップの変動と比例関係にあることがわかる。図11は、電圧センサの出力の一例である。
本実施形態に係るエンジントルク推定装置100では、上述した電圧センサ34により測定されたクランク角センサ31の出力に係る包絡線に基づいて、クランク角センサ31により検出されたクランク角の誤差を補正する。
本実施得形態に係るクランク角度補正ルーチンについて、図12のフローチャートを参照して具体的に説明する。
図12において、先ず、演算装置20は、エンジン10がヒューエルカットされているか否か(即ち、エンジン10の停止中であるか否か)を判定する(ステップS301)。エンジン10が動作中であると判定された場合(ステップS301:No)、演算装置20は、クランク角度補正ルーチンを中止する(ステップS306)。
エンジンが停止中であると判定された場合(ステップS301:Yes)、演算装置20は、レゾルバ32の出力に基づいて、第1モータ・ジェネレータ11の回転数の変動が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS302)。第1モータ・ジェネレータ11の回転数の変動が閾値より大きいと判定された場合(ステップS302:No)、演算装置20は、クランク角度補正ルーチンを中止する(ステップS306)。
第1モータ・ジェネレータ11の回転数の変動が閾値以下であると判定された場合(ステップS302:Yes)、演算装置20は、電圧センサ34の出力に基づいて、クランク角度毎(例えば、90度CA毎等)の電圧包絡線(図11(b)参照)を算出する(ステップS303)。
次に、演算装置20は、算出された電圧包絡線から、該電圧包絡線の平均値を除去して、電圧包絡線の変動を抽出する(ステップS304)。続いて、演算装置20は、予め測定された実験値等に基づいて作成された、ギャップと包絡線の変動との関係を規定するマップ(図示せず)から、抽出された電圧包絡線の変動に対応するギャップを特定し、該特定されたギャップに基づいてクランク角度の補正値を求める(ステップS305)。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うエンジントルク推定装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…ハイブリッド車両、10…エンジン、11…第1モータ・ジェネレータ、12…第2モータ・ジェネレータ、13…動力分配機構、14…トーショナルダンパ、31…クランク角センサ、32、33…レゾルバ、34…電圧センサ、100…エンジントルク推定装置

Claims (3)

  1. 複数の気筒を有するエンジンと、前記エンジンのクランク軸に連結されたモータと、前記クランク軸の回転角度であるエンジン回転角を検出する第1回転角度検出手段と、を備えるハイブリッド車両に搭載され、
    前記ハイブリッド車両のモータリング中に、(i)前記複数の気筒のうち圧縮行程にある2以上の気筒各々に係る角速度が同じになる第1関係と、(ii)前記複数の気筒のうち膨張行程にある2以上の気筒各々に係る角速度が同じになる第2関係と、を用いて、前記検出されたエンジン回転角の誤差を算出する算出手段を備える
    ことを特徴とするエンジントルク推定装置。
  2. 前記モータの回転角度であるモータ回転角を検出する第2回転角度検出手段と、
    (i)前記検出されたエンジン回転角に基づく前記エンジンの回転変動が所定値以下であることを条件に、(ii)前記検出されたモータ回転角に基づく、前記モータの前記複数の気筒毎の角加速度の最大値と、前記角加速度の最小値との差分が閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、
    を更に備えることを特徴とするエンジントルク推定装置。
  3. 前記第1回転角度検出手段に係る出力電圧を検出する電圧検出手段を更に備え、
    前記算出手段は、前記第1関係及び前記第2関係に加え、前記検出された出力電圧の包絡線を用いて前記検出されたエンジン回転角の誤差を算出する
    ことを特徴とする請求項1及び2に記載のエンジントルク推定装置。
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