JP2012188918A - カーペット床の上に置く上敷物のずれ動き皺やたるみの発生を防止する工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カーペット床材4上に載せて使用する上敷物1のずれ動き皺やたるみの発生を欠陥問題なく防止するため、工法の指定する種類の異なる二種類の不織布シート2,3を、工法の指定する順序で組み合わせて、上敷物1とカーペット床材4の間に敷き置き施工する。この工法を行なうことによりカーペット床材4の上に置く上敷物1のずれ動き皺やたるみの発生を欠陥問題なく防止することができる。
【選択図】図1
Description
当然ながら、カーペット床面上に置く上敷物にこの現象を発現させない置き敷き施工の工法の開発に、カーペットメーカー、販売業者、施工業者、学者、専門家等が、長年に亘って携わっている。そして実用できるこれまでの結論が、現在、市販中のこれを防止する製品を使用する工法である。この発生するずれ動き皺やたるみを防止するための、これまでに考案市販されている工法には、次のような各種工法がある。その工法の基本は、一単体の製品で性能効果を求めること、及び刺すか貼るかの原理を利用することである。
オリエンタルラグ、ベルギー絨毯、その他のスペースラグを、カーペット床上にそのまま直に敷き、人間が、その上を歩くと、これら上敷物がずれ動き皺やたるみが発生する。人間が、これらの皺やたるみに足をとられると転倒の危険がある。またこの発生している状況は、室内の美観を悪くする。上敷物がずれ動き皺やたるみが発生することを止める施工工法がこれまでにいろいろ考案された。
《この工法の問題点》このシートの両面にある刺(とげ)で、その片面の刺(とげ)は、カーペット床のパイル(毛足)面を刺して、この向き合った面の動きを止める。
このシートのその反対面の刺(とげ)は、上敷物の裏面を刺して、この向き合った面の動きを止める敷き方である。
上敷物がパイル(毛足)を含めて総厚み5mm前後のシルク(絹)絨毯の場合は、この刺(とげ)がシルク(絹)絨毯の表面側から足裏に触る。キリム敷物も総厚み5mm以下がほとんどで表面側から足裏に触る。裸足の場合には怪我をする。硬質プラスチック製のシートのため、下地にあるカーペット床との馴染みが悪く、シートは平面状態で硬直しているので、下地カーペット床側に弾力性があり上敷物が軽い場合は、人間の歩く足の加重の繰り返しと共に無加重の部分の面が持ち上がり、カーペット床側の刺(とげ)が外れたり刺したりの動きをする場合もある。
《この工法の問題点》これは粘着樹脂を大量に含浸させたレース編みの網目状のポリエステル繊維100%シートで、これを上敷物と同じサイズに切ってカーペット床上に置き、その粘着樹脂付シートの上に上敷物を置く。粘着力がとても強力なので、片面はカーペット床のパイル(毛足)に粘着し、もう片面は上敷物の裏面に粘着させて置き敷きする敷き方である。
この粘着樹脂付シートは粘着力がとても強力なので、巻いて保管中に、重なり合った粘着生地どうしくっつき合って離れなくなるものには、剥離紙を中に噛まして巻いてある場合がある。経年により見られる害は、上敷物の下に置かれたこのシートのその粘着樹脂から発生する僅かのガスや可塑剤の滲み出がカーペット床のパイル(毛足)に影響し、薄い白地のパイル(毛足)の場合、これが黄変してゆくことである。カーペット床の下地が床暖房工法で施工されている場合は、温度条件も加わりこの現象をより多く生じさせる。
この粘着樹脂付シートの粘着力がとても強力な場合、上敷物でオリエンタルラグの手織タイプで裏面にパイル(毛足)固定の接着剤を使用していない特定の織り方のものでは、上敷物の裏面に出ている上敷物のパイル(毛足)の根元と粘着樹脂付シートが強く粘着し、上敷物とこのシートを引き離したときに上敷物のパイル(毛足)を引き抜き取ってしまうことがある。
《この工法の問題点》これは粘着樹脂を大量にその両面の表面に塗布または含浸させたポリエステル繊維100%不織布で、これを上敷物と同じサイズに切ってカーペット床上に置き、その粘着樹脂付不織布の上に上敷物を置く。粘着力がとても強力なので、片面はカーペット床のパイル(毛足)に粘着し、もう片面は上敷物の裏面に粘着させて置き敷きする敷き方である。
このシートは粘着力がとても強力なので、巻いて保管中に、重なり合った粘着不織布どうしくっつき合って離れなくなるものには、剥離紙を中に噛まして巻いてある場合がある。経年により見られる害は、上敷物の下に置かれたこのシートのその粘着樹脂から発生する僅かのガスや可塑剤の滲み出がカーペット床のパイル(毛足)に影響し、薄い白地のパイル(毛足)の場合、これが黄変してゆくことである。カーペット床の下地が床暖房工法で施工されている場合は、温度条件も加わりこの現象をより多く生じさせる。
この粘着不織布の粘着力がとても強力な場合、上敷物でオリエンタルラグの手織タは、上敷物の裏面に出ている上敷物のパイル(毛足)の根元と粘着樹脂付不織布が強く粘着し合い、上敷物とこの不織布を引き離したときに上敷物のパイル(毛足)を引き抜き取ってしまうことがある。
《この工法の問題点》このシートを上敷物と同じサイズに切る。塩化ビニル樹脂を発泡定着させた厚さ約1mmのシート面側は、粘着樹脂を少量含浸または噴霧してあり、この面と上敷物の裏面と向かい合わせる。粘着樹脂を大量に含浸または噴霧した厚さ約1mm〜2mmの不織布面側は、カーペット床面に向かい合わせる敷き方である。
塩化ビニル樹脂の発泡シート面側は、上敷物の裏面と合わさっているので、この面は、すべり止め効果により上敷物のずれ動きや皺やたるみの発生は少ない。上敷物の裏側からのパイル(毛足)抜けを生じさせるほど粘着樹脂を大量に塗布したものは市場にない。不織布面側は、(粘着樹脂を大量に含浸または塗布した不織布面側が)カーペット床面に強固に粘着している場合は上敷物のずれ動き皺やたるみの発生はない。しかしカーペット床がフエルトグリッパー工法施工により下地のフエルトが加わりクッション性が増すと粘着剤の含浸または噴霧の量が同じでも、クッション性の少ないカーペット床より粘着性は、相対的に減る。粘着性が弱い場合、あるいは弱くなった場合、この不織布に付着させてある粘着剤を、カーペット床面のパイル(毛足)にこすり付けるようにして上敷物がずれ動き、粘着剤をパイル(毛足)に転移付着させてゆく。そして上敷物がずれ動き皺やたるみが発生する。市場で多々この苦情を見る。
このシート製品を在庫保管する場合は、巻いて保管する。そこで、粘着樹脂を大量に含浸または塗布してあるものは、この粘着面が発泡シート面を破壊しないよう剥離紙を中に噛まして巻いてある場合がある。剥離紙がないと保管しにくい。
経年により見られる害は、この粘着シートに使用している粘着樹脂から発生する僅かのガスや可塑剤の滲み出がカーペット床のパイル(毛足)に影響し、薄い白地のパイル(毛足)が黄変してゆくことがある。カーペット床の下地が床暖房工法で施工されている場合は、温度条件も加わりこの現象をより多く生じさせる。
《この工法の問題点》このシートまたはテープの粘着剤のついた裏面を上敷物の裏面に貼り付けて固定させる。上敷物の裏全面に貼るか、カーペット床上での、その上敷物の動きや、ずれの程度を見ながら上敷物の裏面の適度の面積部分に貼る。このシートまたはテープは粘着力がとても強力なので、上敷物でオリエンタルラグの手織タイプで裏面にパイル(毛足)固定の接着剤を使用していない特定の織り方のものでは、上敷物の裏面に出ている上敷物のパイル(毛足)の根元と粘着樹脂付シートが強く粘着し、上敷物とこのシートを引き離したときに上敷物のパイル(毛足)を引き抜き取ってしまうことがある。
また、中近東生産のオリエンタルラグ(例えば、インド、パキスタン、トルコやイラン産の手織の上敷物)はカーペット床上に直置きにして置くと、時間と温度や湿度条件により、オリエンタルラグの染料の色がカーペット床に移染していることがある。そのため、このシートまたはテープが貼られていない隙間の箇所は、直にオリエンタルラグがカーペット床のパイル(毛足)に接するのでこの移染現象の被害を見ることがある。
《この工法の問題点》板を敷いて置く方法では新たに板をそのカーペット床上部分に設けるので硬い床面と柔らかい床面の段差ができる。移動が簡易に出来る板の場合でも、移動に労力がかかる。またこれが合板の場合、無塗装のものでは、木質の色がカーペット床面に転移することがある。あるいは、合板内の接着剤のガスが発散してゆくときに下地にくるカーペット床表面を黄色く変色させることがある。
《この工法の問題点》この粘着剤のついたカーペット両面テープは時間を経ると共に上敷物とカーペット床の両方にその粘着剤を転移させると共に、この粘着剤は、硬化してしまう。後日これを見つけこの硬化した粘着剤を取り除くには、溶剤が必要で、上敷物とカーペット床に害を残す場合が多い。
この両面テープは粘着力がとても強力なので、上敷物でオリエンタルラグの手織タイプで裏面にパイル(毛足)固定の接着剤を使用していない特定の織り方のものでは、上敷物の裏面に出ている上敷物のパイル(毛足)の根元とカーペット両面テープが強く粘着し、上敷物とこのカーペット用両面テープを引き離したときに上敷物のパイル(毛足)を引き抜き取ってしまうことがある。またカーペット床面側にも大量の粘着剤が硬化して残る。
中近東生産のオリエンタルラグ(例えば、トルコ産やイラン産の手織段通などの上敷物)はカーペット床上に直置きにして置くと、時間と温度や湿度条件により、オリエンタルラグの染料の色がカーペット床のパイル(毛足)に移染していることがある。そのため、このカーペット用両面テープが貼られていない隙間の箇所は、直にオリエンタルラグがカーペット床のパイル(毛足)に接するのでこの移染現象の被害を見ることがある。
カーペット床の室内で愛玩動物例えば室内犬を飼う場合、居場所としてケイジ(おり)を設置することがある。あるいは部分スペースを遊びや運動場とすることもある。カーペット床の室内で粗相をしやすい痴呆症の老人等が生活している場合もある。これらの場合に糞、尿、嘔吐物等の汚れからカーペット床を守るには、防水効果のある上敷物をカーペット床の上に置き敷く。この防水効果のある上敷物には、塩化ビニル樹脂のシートやポリオレフィン系樹脂のシート敷物あるいは防水効果のある簡易カーペット敷物等がある。
これら防水効果のある上敷物等を、カーペット床上にそのまま直に敷き、愛玩動物や人間が、その上を歩くと、これら上敷物は、ずれ動き皺やたるみが発生する。愛玩動物や人間は、これらの皺やたるみに足をとられると転倒する。またこの発生している状況は、室内の美観を悪くする。そのため、上に置いた上敷物がずれ動き、皺やたるみが発生することを防止する施工工法が、これまでにいろいろ考案された。
このずれ動きや皺やたるみの発生を防止する従来の工法は、例をあげると、次の方法がある。
◎ 上敷物裏面下の全面に板を敷いて置く方法。
◎ これらの上敷物の四隅に重量物を置き動かないよう留める方法。
◎ これらの上敷物の隅々を足裏面に傷をつけないように、上から鋲止めしておく方法。
この欠陥問題を抱えているので、そのため、硬質床材(木質フロ−リングや石材、タイル等の硬質床)を敷いてある建物に住まう人で、上敷物を保有している人や上敷物を新規購入したいと考えた人は、その建物の床面をカーペット床敷きに内装変更することを躊躇する。
現在、既に床材として建物の床面をカーペット床敷き施工にしてある人は、この問題を知っている場合、上敷物の新規購入は躊躇する。このように、上敷物の販売可能性と、床材としてのカーペットの販売可能性を妨げている。
混綿カード機により1平方メートル当りの目付け40〜300gの0.3〜30デニールのポリエステル繊維のステープルファイバー(短繊維)100%でつくられたウェブのシートをつくる。このウェブのシートは、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、あるいはその他のステープルファイバー(短繊維)を100%で構成しても、混綿にして作られていてもよい。このウェブのシートは、毛羽が多く、弾力性があり、混綿状態が一定の方向性を持たず、絡みあっていること、簡単にはウェブが分離しにくいことを不可欠とする。そのためステープルファイバー(短繊維)どうしが、分離しにくくするため、樹脂でリンクさせておいても、低融点ファイバーを混ぜてサーマルボンド処理されたウェブでもよい。このウェブの厚さは約1.5cm〜約3cm前後のものがよい。このウェブのシートは、言葉を変えれば厚さ約1.5cm〜約3cm前後の不織布シートである。以下これを不織布シート(A)と記す。そして不織布シート(A)を超音波加工(ピンソニック)機を通し加工して、点線柄を付けた凹凸のある毛羽が多い平均約1cmの厚みのウェブの不織布シートに加工する。以下これを不織布シート(A’)と記す。
まず、混綿カード機により1平方メートル当りの目付け40〜300gの0.3〜30デニールのポリエステル繊維のステープルファイバー(短繊維)100%でつくられたウェブをつくる。このウェブのシートは、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、あるいはその他のステープルファイバー(短繊維)を100%で構成しても、混綿にして作られていてもよい。混綿カード機からでたウェブを固めて薄い不織布に加工するには三種類の仕様の不織布製法が適当である。三種類の仕様とは、(1)そのウェブのみを上下からニードルパンチ加工をして約1mm〜約10mmの厚さの不織布としたもの、(2)そのウェブを、スパンボンド布の上に載せ、載せた片面側からのみニードルパンチ加工をしてこのスパンボンド布とウェブとを貼り合わせた約1mm〜約10mmの厚さの不織布としたもの、(3)スパンボンド布やポリプロピレン扁平糸布、あるいはポリエステル糸ネット布の上と下の両側にそのウェブを置いて上下からニードルパンチ加工をして三層から成る約1mm〜約10mmの厚さの不織布としたものである。これら各々の加工において不織布の表面は毛羽が多く残るようにする。そして不織布シートに粘着性を持たせるため、この不織布両面に粘着剤を、噴霧または含浸させ不織布の繊維に定着させる。例えばアクリル系粘着剤あるいはアクリルとハイスチレンを基にした粘着剤を、噴霧または含浸させ不織布の繊維に定着させる。そのすべり止め力は、粘着剤を噴霧した不織布18cm×18cmのサイズで測定した場合、荷重0.5kg、水平に引っ張り速度150mm/分で上限値2.50〔Kgf/324平方センチメートル〕、下限値0.20〔Kgf/324平方センチメートル〕の範囲とする。仕分けした三種類の製法の不織布においてすべり止め力を同じ範囲としたものであれば、これらを、粘着剤付きニードルパンチ加工不織布シートとして一括する。以下これを不織布シート(B)と記す。
まず置こうとする上敷物の大きさに切断した不織布シート(A)または(A’)を、床材として敷き込まれたカーペット床面の上に敷き置く。次にこの不織布シート(A)または(A’)の真上に、同じく置こうとする上敷物の大きさに切断した不織布シート(B)を敷き載せる。最後にさらにその上に上敷物を載せる。
以上の順序で施工すれば置かれた上敷物は、この上敷物の上を人間や動物が歩くときに加える繰り返される加重があっても、ずれ動き皺やたるみの発生はない
[1]構成要素
この構成要素を成す各不織布シートは、毛羽が多い不織布シートと限定されるが従来から存在する周知のシートである。周知の材料を利用して組み合わせ、これまで誰も考案出来なかった工法により新しい作用効果を発明したものである。
発明の作用効果は、不織布シート(A)または(A’)と、不織布シート(B)を同時補完的に使用する工法で発揮できる。これを〔工法に使用する材料〕と〔敷き込み施工工法〕と〔作用効果の原理〕に分けて詳述する。
不織布シート(A)または(A’);毛羽が多いウェブ状の不織布シートを不織布シート(A)、またはこの不織布シート(A)を超音波加工(ピンソニック)機を通し点線柄を付けた凹凸のある毛羽が多い薄い厚みの不織布シートを不織布シート(A’)。
不織布シート(B);毛羽のある粘着性のある不織布シートを不織布シート(B)。
施工の工法は、次の順序で行なう。
まず始めにカーペット床の上に置こうとする上敷物の大きさに合わせて切断した不織布シート(A)または(A’)を、床材として敷き込まれたカーペット床の上に敷き置く。次にこの敷き置かれた不織布シート(A)または(A’)の真上に合わせて、同じく置こうとする上敷物の大きさに合わせて切断した不織布シート(B)を敷き載せる。最後にその不織布シート(B)の上に合わせて上敷物を載せる。以上決められた手順により二種類の不織布を置き敷く施工工法である。
床材として敷き込まれたカーペットは、カーペットパイル(毛足)の種類により三種類ある。それらは、カットパイルカーペット、ループパイルカーペット、ループアンドカットパイルカーペットである。毛羽が多い不織布シート(A)または(A’)は、カットパイルカーペット床では、パイル(毛足)のカット面の毛羽と絡みつく。ループパイルカーペット床では、パイル(毛足)の側面の毛羽と絡みつく。ループアンドカットパイルカーペット床では、パイル(毛足)のカット面と側面の毛羽と絡みつく。絡みつくことにより不織布シート(A)または(A’)は、床材として敷き込まれたカーペット床面上にへばり付き動かない。
2 不織布シート(B)
3 不織布シート(A)または(A’)
4 カーペット床材
5 周知のフエルトグリッパー工法でカーペット床材の下側に敷き込まれているアンダーフエルト
下地となるカーペット床のカーペット材料種類は次の製品とした。
ウール100%のタフテッドカーペットで、パイル長7mmのカットパイルカーペットで、その構成が1/10ゲージ、9.5ステッチ、重量1m2当り約1.8kgの製品でその効果を測定する。
そして、下地となるカーペット床の敷きこみ工法は、ウレタンチップシート材を使用したフエルトグリッパー工法とした。
これが不織布シート(A‘)である。
ペルシャ絨毯;パキスタン製、
手織シングルノット、
サイズ30cm×32cm房糸を除く、
ウール100%、房糸は木綿100%、
パイル長7mm、
重量224g/枚
塩化ビニル樹脂のシート;日本製、
サイズ30cm×30cm、
厚み0.03mm、
重量24g/枚
Claims (1)
- カーペット床の上に置く上敷物のずれ動き皺やたるみの発生を防止するため、異なった二種類の不織布を決められた手順により置き敷く施工の工法。
この構成要素を成す不織布シートは、毛羽が多い不織布シートと限定されるが従来から存在する周知のシートである。つまりこの不織布シートに発明の特許を求めるものではない。周知の不織布シートを組み合わせ、これまで誰も考案出来なかった工法により新しい作用効果を発明したものである。
不織布シート(A)及び(A’);この領域の不織布シートは、衣料品業界・寝装品業界・椅子家具業界では従来から中に詰め込む餡こ綿として周知のシートである。
混綿カード機により1平方メートル当りの目付け40〜300gの0.3〜30デニールのポリエステル繊維のステープルファイバー(短繊維)100%でつくられたウェブのシートをつくる。このウェブのシートは、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、あるいはその他のステープルファイバー(短繊維)を100%で構成しても、混綿にして作られていてもよい。このウェブのシートは、毛羽が多く、弾力性があり、混綿状態が一定の方向性を持たず、絡みあっていること、簡単にはウェブが分離しにくいことを不可欠とする。そのためステープルファイバー(短繊維)どうしが、分離しにくくするため、樹脂でリンクさせておいても、低融点ファイバーを混ぜてサーマルボンド処理されたウェブでもよい。このウェブの厚さは約1.5cm〜約3cm前後のものがよい。このウェブのシートは、言葉を変えれば厚さ約1.5cm〜約3cm前後の不織布シートである。以下これを不織布シート(A)と記す。そして不織布シート(A)を超音波加工(ピンソニック)機を通し加工して、点線柄を付けた凹凸のある毛羽が多い平均約1cmの厚みのウェブの不織布シートに加工する。以下これを不織布シート(A’)と記す。
不織布シート(B);この領域の不織布シートは、これは硬質フロアー上に使用する上敷物のすべり止めシートで、粘着樹脂を噴霧あるいは含浸させ粘着性をもたせたインテリア業界では周知のニードルパンチ加工不織布シートである。このすべり止め効果のある粘着樹脂を噴霧あるいは含浸した毛羽のある不織布シートは下記の方法で製造する。
まず、混綿カード機により1平方メートル当りの目付け40〜300gの0.3〜30デニールのポリエステル繊維のステープルファイバー(短繊維)100%でつくられたウェブをつくる。このウェブのシートは、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、あるいはその他のステープルファイバー(短繊維)を100%で構成しても、混綿にして作られていてもよい。混綿カード機からでたウェブを固めて薄い不織布に加工するには三種類の仕様の不織布製法が適当である。三種類の仕様とは、(1)そのウェブのみを上下からニードルパンチ加工をして約1mm〜約10mmの厚さの不織布としたもの、(2)そのウェブを、スパンボンド布の上に載せ、載せた片面側からのみニードルパンチ加工をしてこのスパンボンド布とウェブとを貼り合わせた約1mm〜約10mmの厚さの不織布としたもの、(3)スパンボンド布やポリプロピレン扁平糸布、あるいはポリエステル糸ネット布の上と下の両面にそのウェブを置いて上下からニードルパンチ加工をして三層から成る約1mm〜約10mmの厚さの不織布としたものである。これら各々の加工において不織布の表面は毛羽が多く残るようにする。そして不織布シートに粘着性を持たせるため、この不織布両面に粘着剤を、噴霧または含浸させ不織布の繊維に定着させる。例えばアクリル系粘着剤あるいはアクリルとハイスチレンを基にした粘着剤を、噴霧または含浸させ不織布の繊維に定着させる。そのすべり止め力は、粘着剤を噴霧した不織布18cm×18cmのサイズで測定した場合、荷重0.5kg、水平に引っ張り速度150mm/分で上限値2.50〔Kgf/324平方センチメートル〕、下限値0.20〔Kgf/324平方センチメートル〕の範囲とする。仕分けした三種類の製法の不織布においてすべり止め力を同じ範囲としたものであれば、これらを、粘着剤付きニードルパンチ加工不織布シートとして一括する。以下これを不織布シート(B)と記す。
施工の工法は、次の順序で行なう。
まず始めにカーペット床の上に置こうとする上敷物の大きさに合わせて切断した不織布シート(A)または(A’)を、床材として敷き込まれたカーペット床の上に敷き置く。次にこの敷き置かれた不織布シート(A)または(A’)の真上に合わせて、同じく置こうとする上敷物の大きさに合わせて切断した不織布シート(B)を敷き載せる。最後にその不織布シート(B)の上に合わせて上敷物を載せる。以上の順序で施工する工法が、カーペット床の上に置く上敷物のずれ動き皺やたるみの発生を防止するため、異なった二種類の不織布を決められた手順により置き敷く施工の工法である。
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