JP2012187634A - スラグ検出装置及びスラグ検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】取鍋1内の溶鋼2を、取鍋1の底部に取り付けられたスライドゲート3c、コレクタノズル3d及びエアシールパイプ(ASP)4を介してタンディッシュ6に注入する際に、取鍋1からタンディッシュ6へのスラグ流出を検出する。その際、コレクタノズル3cに対するASP4の押付力Pの変動を監視し、当該押付力Pが判定基準値PTHを超えるか、当該押付力Pの上昇率ΔPが上昇率判定基準値ΔPTHを超えたとき、タンディッシュ6への注入流が溶鋼2からスラグに切り替わったと判断する。
【選択図】 図2
Description
さらに、操業中の断線検出および健全性の事前チェックも行えず、使用時に初めて異常と認識するケースが大多数を占めている。その結果、ケーブルやコネクタの状態判断を操業者に頼ることなり、操業の悪化を招く。
そこで、本発明は、安定したスラグ検出を行うことができるスラグ検出装置及びスラグ検出方法を提供することを課題としている。
このように、スラグ流出時のASP押付力が溶鋼流出時のASP押付力に比べて大きいことを利用して溶鋼からスラグへの切り替わりを判断するので、溶鋼とスラグの切り替わりタイミングを容易且つ適切に検知することができる。
これにより、溶鋼中のスラグ量が想定以上であり、タンディッシュへの注入流が溶鋼からスラグに切り替わったときの押付力が設定した判定基準値を超えない場合であっても、溶鋼とスラグの切り替わりタイミングを容易且つ適切に検知することができる。
このように、コレクタノズルとASPとの嵌合部にASP押付力確認用のロードセルを設置するので、比較的簡易な構成で、コレクタノズルに対するエアシールパイプの押付力を適切に検出することができる。
これにより、タンディッシュへのスラグ流出を防止することができ、凝固中にスラグ巻き込み部から溶鋼が漏れ出すブレークアウトという大トラブルの発生を防止することができる。
これにより、安定したスラグ検出を行うことができるスラグ検出方法とすることができる。
これにより、安定したスラグ検出を行うことができるスラグ検出方法とすることができる。
図1は、本実施形態におけるスラグ検出装置を適用した取鍋からタンディッシュへの注湯を行う設備を示す図である。
図中、符号1は溶融金属(溶鋼)2が入った取鍋であり、取鍋1の底部には、溶鋼2を注出するためのロータリーノズル3が装着されている。このロータリーノズル3は、上ノズル3aと、固定板3bと、摺動板(スライドゲート)3cと、コレクタノズル3dとで構成されている。
ここで、取鍋1からタンディッシュ6への溶鋼2の流入量は、スライドゲート3cの開度を制御することで調整可能となっている。また、スライドゲート3cの移動時には、コレクタノズル3d及びASP4はスライドゲート3cと一体となって移動する。
本実施形態では、コレクタノズル3dとASP4との嵌合部に、上述したスラグ流出を検出するためのスラグ検出装置を構成するロードセル(押付力検出手段)を設置する。そして、このロードセルによってASP4のコレクタノズル3dに対する押付力(コレクタノズル3dとASP4との嵌め合い圧力)の変動を監視することで、取鍋1内のスラグがASP4を通ってタンディッシュ6に流出するタイミングを検出する。
この図2に示すように、コレクタノズル3dの下面とASP4の上面との間(接続部)には、ロードセル7が設置されている。ロードセル7は、例えば図3に示すように、コレクタノズル3dとASP4との間に配置されるリング状のシール材8に形成された複数(ここでは4つ)の貫通穴の中にそれぞれ配置する。なお、シール材8は、ロードセル7による押付力の測定に影響を及ぼさないような弾性係数を有するものとする。
図4は、制御器10で実行するスラグ検出処理手順を示すフローチャートである。このスラグ検出処理は、鋳造中、所定時間毎に(例えば、ロードセル7による押付力Pの計測タイミングに同期して1秒毎に)繰り返し実行する。
先ずステップS1で、制御器10は、ロードセル7によって検出された押付力Pを取得する。ここで、図3に示すようにロードセル7を複数設置している場合には、例えば、各ロードセル7で検出した押付力の平均値や合計値をスラグ検出に用いる押付力Pとする。
上述したようにスラグと溶鋼2とには比重差があるため、この比重差により、ASP4を溶鋼2に代わってスラグが通る場合には、ASP支持装置によるASP4のコレクタノズル3dに対する押付力に抗する力が低下し、ロードセル7により検出される押付力が大きくなる。そこで、上記判定基準値PTHは、取鍋1からタンディッシュ6への注入が溶鋼2からスラグに切り替わったと判断できる程度の押付力に設定する。
ステップS3では、制御器10は、所定時間あたりの押付力Pの上昇量に相当する上昇率ΔPが、予め設定された上昇率判定基準値ΔPTHを超えているか否かを判定する。
ここでは、前記ステップS1で取得した押付力Pが、X秒前(例えばX=5の場合、5サンプリング前)に取得した押付力Pと比較して、上昇量Y[N](例えば100[N])を超えて上昇しているとき、上昇率ΔPが上昇率判定基準値ΔPTHを超えていると判断する。
ステップS4では、制御器10は、スライドゲート3cを閉状態とするべくモータ11を駆動し、ステップS5に移行する。
そしてステップS5では、制御器10は、取鍋1からタンディッシュ6への注入が溶鋼2からスラグに切り替わったことをモニタ表示や警告音等によって作業者に報知し、スラグ検出処理を終了する。
ここで、ステップS2及びS3が判断手段に対応し、ステップS4が開閉制御手段に対応している。
鋳造工程において、連続鋳造装置に搬送された取鍋1内の溶鋼2は、取鍋1からASP4を介してタンディッシュ6に注入され、タンディッシュ6から鋳型へと注入されることにより連続鋳造が行われる。取鍋1内の溶鋼2の湯面にはスラグが浮遊しているが、注入初期においては、取鍋1の溶鋼2のみがタンディッシュ6へ注入される。このとき、ASP4は、ASP支持装置のアーム5によって、一定圧力でコレクタノズル3dに押し付けられているため、コレクタノズル3とASP4との間に設置されたロードセル7で検出される押付力は一定の値となる。
そして、ロードセル7で検出される押付力が所定の判定基準値PTHを超えるか、ロードセル7で検出される押付力の上昇率が所定の上昇率判定基準値ΔPTHを超えると、制御器10はタンディッシュ7への注入流が溶鋼2からスラグに切り替わったと判断し(図4のステップS2でYes、又はステップS3でYes)、モータ11を駆動してスライドゲート3cを閉状態とするとともに(ステップS4)、これを作業者に報知する(ステップS5)。これにより作業者は、取鍋1内の溶鋼2が無くなったことを確実に認識することができ、溶鋼2が充填された取鍋1と交換するなどの作業を行うことができる。
図1及び図2に示す設備を用いて、鋳造中にロードセル7により押付力を測定し、注入初期における溶鋼2の押付力変動と、注入末期におけるスラグの押付力変動とを比較した。その結果を図6に示す。
この図6に示すように、タンディッシュ6への注入流が溶鋼2のみの期間の押付力は、微小変動はあるものの略一定の値であった。この値は、ASP支持装置のアーム5によるASP4のコレクタノズル3dに対する押付力によって決まる。その後、タンディッシュ6にスラグが流出し始めると、押付力は徐々に増加し、タンディッシュ6への注入流がスラグのみとなると、押付力は略一定の値となった。この例では、溶鋼流出時における押付力とスラグ流出時における押付力とでは、数十kg程度の変動差があった。
すなわち、タンディッシュ6への注入末期における溶鋼2中のスラグ含有量の増加に伴ってASP4の押付力Pが増加すると、当該押付力Pが判定基準値PTHを超えた時点(符号αに示す時点)で、タンディッシュ6への注入流が溶鋼2からスラグに切り替わったと判断することができる。そして、この時点でスライドゲート3cを閉止し、溶鋼2の注入を停止することができる。これにより、品質に影響を与えるほど多量のスラグが溶鋼2と共にタンディッシュ6に注入されるのを防止することができ、その結果、鋳型内に多量のスラグが注入されるのを防止することができる。そのため、鋳片品質の低下やブレークアウト事故の誘発を防止することができる。
ところで、タンディッシュ6への注入流が溶鋼2からスラグに切り替わった際の押付力Pの上昇変化量は、溶鋼2中のスラグ量によって変動する。溶鋼2中に想定以上のスラグが存在する場合、タンディッシュ6への注入流が溶鋼2からスラグに切り替わった際の押付力Pの上昇変化量が小さく、押付力Pが判定基準値PTHを超えないことがある。この場合のシミュレーション結果を図7に示す。
このように、溶鋼2中のスラグ量は測定不能であるため、判定基準値PTHが適切に設定されない場合があるが、押付力Pの上昇変化の監視として、押付力Pが判定基準値PTHを超えたか否かに加えて押付力Pの上昇率ΔPが上昇率判定基準値PTHを超えたか否かを監視することで、溶鋼2からスラグへの切り替えタイミングを正確且つ確実に検知することができる。
なお、上記実施形態では、押付力検出手段としてロードセル7を適用し、ASP4のコレクタノズル3dに対する押付力を検出する場合について説明したが、ロードセル7に代えて他の圧力センサを用いることもできる。
また、上記実施形態では、押付力Pが判定基準値PTHを超えたか否かと、押付力Pの上昇率ΔPが判定基準値ΔPTHを超えたか否かの両方を監視する場合について説明したが、何れか一方のみの監視によりタンディッシュ6への注入流が溶鋼2からスラグに切り替わったことを検知するようにしてもよい。
Claims (7)
- 取鍋内の溶鋼を、当該取鍋底部に取り付けられたスライドゲートのコレクタノズルに接続可能なエアシールパイプを介してタンディッシュに注入する際に、前記取鍋から前記タンディッシュへのスラグ流出を検出するスラグ検出装置であって、
前記コレクタノズルに対する前記エアシールパイプの押付力を検出する押付力検出手段と、
前記押付力検出手段で検出した押付力の上昇変化に基づいて、前記タンディッシュへの注入流が溶鋼からスラグに切り替わったと判断する判断手段と、を備えることを特徴とするスラグ検出装置。 - 前記判断手段は、前記押付力検出手段で検出した押付力が所定の判定基準値を超えたとき、前記タンディッシュへの注入流が溶鋼からスラグに切り替わったと判断することを特徴とする請求項1に記載のスラグ検出装置。
- 前記判断手段は、前記押付力検出手段で検出した押付力の上昇率が所定の上昇率判定基準値を超えたとき、前記タンディッシュへの注入流が溶鋼からスラグに切り替わったと判断することを特徴とする請求項1又は2に記載のスラグ検出装置。
- 前記押付力検出手段は、前記コレクタノズルと前記エアシールパイプとの接続部に設置されたロードセルであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のスラグ検出装置。
- 前記判断手段で前記注入流が溶鋼からスラグに切り替わったと判断したとき、前記スライドゲートを開状態から閉状態に制御する開閉制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のスラグ検出装置。
- 取鍋内の溶鋼を、当該取鍋底部に取り付けられたスライドゲートのコレクタノズルに接続可能なエアシールパイプを介してタンディッシュに注入する際に、前記取鍋から前記タンディッシュへのスラグ流出を検出するスラグ検出方法であって、
前記コレクタノズルに対する前記エアシールパイプの押付力を監視し、当該押付力が所定の判定基準値を超えたとき、前記タンディッシュへの注入流が溶鋼からスラグに切り替わったと判断することを特徴とするスラグ検出方法。 - 取鍋内の溶鋼を、当該取鍋底部に取り付けられたスライドゲートのコレクタノズルに接続可能なエアシールパイプを介してタンディッシュに注入する際に、前記取鍋から前記タンディッシュへのスラグ流出を検出するスラグ検出方法であって、
前記コレクタノズルに対する前記エアシールパイプの押付力の上昇率を監視し、当該押付力の上昇率が所定の上昇率判定基準値を超えたとき、前記タンディッシュへの注入流が溶鋼からスラグに切り替わったと判断することを特徴とするスラグ検出方法。
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