JP2012185700A - 透明導電性積層体およびタッチパネル用電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】タッチパネルに用いる透明導電膜のパターンを目立たなくし、外観上の不具合が生じないようにすることができる透明導電膜を提供することを課題とする。
【解決手段】透明導電性積層体であって、
少なくとも、透明基材と前記透明基材の表裏に形成した樹脂層と前記樹脂層の片面に形成した酸化ケイ素層と前記酸化ケイ素層の表面に形成した透明導電膜層とを備えており、
前記樹脂層の物理膜厚が10μm以上であり、
前記酸化ケイ素層の光学膜厚(当該層の物理膜厚と屈折率を乗じた値)が、100nm以上であることを特徴とする透明導電性積層体。
【選択図】図5
【解決手段】透明導電性積層体であって、
少なくとも、透明基材と前記透明基材の表裏に形成した樹脂層と前記樹脂層の片面に形成した酸化ケイ素層と前記酸化ケイ素層の表面に形成した透明導電膜層とを備えており、
前記樹脂層の物理膜厚が10μm以上であり、
前記酸化ケイ素層の光学膜厚(当該層の物理膜厚と屈折率を乗じた値)が、100nm以上であることを特徴とする透明導電性積層体。
【選択図】図5
Description
本発明は、透明導電性積層体を用いたタッチパネル用電極に関する。
近年、様々な電子機器のディスプレイ上に入力デバイスとして、タッチパネルが用いられている。それらタッチパネルの形式としては、抵抗膜式や静電容量式などが挙げられる。抵抗膜式タッチパネルは専用のペンを用いた入力が可能であり、家電などの入力機器に用いられている。また、静電容量式タッチパネルはマルチタッチが可能であり、モバイル機器などに多く用いられている。
タッチパネル用途での透明導電性フィルムでは、静電容量式においては、静電容量の変化を検知する電極としての導電性パターン領域と非導電性パターン領域をエッチング処理によりパターニングする。導電性パターン領域と非導電性パターン領域ができることで透明導電膜表面に映り込んだ像が歪んで見える外観上の不具合が生じないようにする対策が必要になる。
特許文献1では、透明なフィルム基材にアンダーコート層を介して透明導電膜層を形成した透明導電フィルムが提案されている。
しかしながら、特許文献1のようにアンダーコートを形成した場合、アンダーコートが薄いため、透明導電膜表面に映り込んだ像が歪んで見える外観上の不具合が生じないようにする対策が必要になる。
しかしながら、特許文献1のようにアンダーコートを形成した場合、アンダーコートが薄いため、透明導電膜表面に映り込んだ像が歪んで見える外観上の不具合が生じないようにする対策が必要になる。
本発明は、タッチパネルに用いる透明導電膜のパターンを目立たなくし、外観上の不具合が生じないようにすることができる透明導電膜を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、少なくとも、透明基材と前記透明基材の表裏に形成した樹脂層と前記樹脂層の片面に形成した酸化ケイ素層と前記酸化ケイ素層の表面に形成した透明導電膜層とを備えており、
前記樹脂層の物理膜厚が10μm以上であり、
前記酸化ケイ素層の光学膜厚(当該層の物理膜厚と屈折率を乗じた値)が、100nm以上であることを特徴とする透明導電性積層体である。
前記樹脂層の物理膜厚が10μm以上であり、
前記酸化ケイ素層の光学膜厚(当該層の物理膜厚と屈折率を乗じた値)が、100nm以上であることを特徴とする透明導電性積層体である。
また請求項2に記載の発明は、樹脂層と酸化ケイ素層の間に金属酸化物層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性積層体である。
また請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の透明導電性積層体において、透明導電膜層をパターン化したタッチパネル用電極であって、
その電極断面端部の曲率半径が1.0m以上である、ことを特徴とするタッチパネル用電極である。
その電極断面端部の曲率半径が1.0m以上である、ことを特徴とするタッチパネル用電極である。
本発明によれば、パターン形状を目立たなくしたタッチパネル用電極の提供が可能になる。
以下に本発明を詳細に説明する。図1および図2に本発明の透明導電性積層体の例、図3および図5に本発明のタッチパネル用電極の例、を示している。
透明基材1は、透明なガラスやフィルムであり、それらに透明樹脂であるハードコートなどの層が積層されているものが好適である。透明基材の厚さは、10〜200μmであることが好ましいが、これに限定するものではない。
また、透明基材1は、一方または両方の面に、易接着処理、プラズマ処理、コロナ処理等の表面処理が施されていてもよい。
透明基材1の材料としては、ガラス、もしくは透明樹脂であるポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)を用いることが可能である。
透明基材1の材料としては、ガラス、もしくは透明樹脂であるポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)を用いることが可能である。
また、透明基材1の材料としては、透明樹脂であるポリアミド(ナイロン6、ナイロン66等)、ポリイミド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォンを用いることも可能である。
さらに、透明基材1の材料としては、上述した材料の共重合体を無延伸、または延伸させたプラスチックフィルムを用いることも可能である。
また、透明基材1の材料としては、上述した材料以外にも、透明性の高いプラスチックフィルムを用いることも当然可能である。
また、透明基材1の材料としては、上述した材料以外にも、透明性の高いプラスチックフィルムを用いることも当然可能である。
本発明のハードコート層2とハードコート層3の膜厚については、それぞれ10μm以上であるハードコート層2の膜厚とハードコート層3の膜厚を調整することにより、得られた透明導電薄膜積層体の表裏の応力が対称となるべく調整し、そりの発生を防止することができる。また、ハードコート層2とハードコート層3の膜厚は、それぞれ50μm以上であることがより好ましい。なお、ハードコート層2とハードコート層3の膜厚の上限は、形成可能な膜厚の範囲を考慮すると、100μm程度である。
本発明のハードコート層に用いられる硬化性樹脂には、電離放射線や紫外線照射により硬化する硬化性樹脂や熱硬化性の樹脂を用いることができる。具体的には、紫外線硬化型であるアクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類等のアクリル系や、有機珪素系の樹脂、熱硬化型のポリシロキサン樹脂等が好適である。以上の樹脂が挙げられるが、これらに限定するものではない。また、可視光域で透明であることが重要な特性となる。
ハードコート層の形成方法は、主成分である樹脂と紫外線を吸収する材料を溶剤に溶解さ
せ、ダイコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター、マイクログラビアコーターなどの公知の塗布方法で形成することができる。
せ、ダイコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター、マイクログラビアコーターなどの公知の塗布方法で形成することができる。
本発明の金属酸化物4は、高屈折率の金属酸化物層である。金属酸化物層に用いられる材料としては、ZnO、TiO2、CeO2、Sb2O5、SnO2、Y2O3、La2O3、ZrO2、Al2O3、Nb2O5等が挙げられるが、この限りではない。
金属酸化物層の屈折率は、透明プラスチック基材とハードコート層の屈折率が1.5以上1.7以下であるため、それより高い屈折率である1.7以上2.6以下とすることが好ましい。
本発明の酸化ケイ素層5は、低屈折率の酸化物層であり、SiOxで表される。ここで、xはケイ素原子1個に対する酸素原子の数を表す数値であり、ケイ素の酸化度を示す値である。酸化ケイ素層の屈折率は、通常1.3〜1.5程度である。ケイ素の酸化度を調整することで、得られた酸化ケイ素層の屈折率を低く調整できるので、低屈折率材料として用いることができる。また、酸化ケイ素層の光学膜厚は100nm以上であることが好ましい。
本発明の酸化インジウム・スズ層6は、酸化スズの含量が2wt%以上15wt%以下のスパッタリングターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタリング法で成膜することが好ましい。酸化スズの含量が2wt%より少なくなるとキャリア密度が低すぎて、導電性能が著しく落ちる。酸化スズの含量が15wt%より多くなると酸化インジウム・スズ層の構造が変化し、導電性能が悪くなるためである。
本発明による透明導電膜の製造方法は、酸化インジウム・スズ層6をエッチング処理によりパターニングし、透明導電膜層の導電性パターン領域と非導電パターン領域とを形成する方法である。
パターニング後の透明導電膜において、導電性パターン領域の曲率半径は1.0m以上あることが好ましい。曲率半径が1.0m未満になると導電性パターン領域の形状が変形してしまい、透明導電膜表面に映り込んだ像が歪んで見え、外観上の不具合が生じてしまうためである。
紫外線硬化型アクリル系樹脂であるユニディックV−9500(DIC社製)を用いて、125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)両面に、ハードコート層を塗工した。得られたハードコート層の膜厚は、両面ともに10μmとした。DCマグネトロンスパッタリング法にて、ハードコート層/PET/ハードコート層(両面ハードコート付きPETフィルム)の片面の表面上に、低屈折率酸化ケイ素層を積層した。このとき、2種類のハードコート層の膜厚の試料に対して低屈折率酸化ケイ素層の光学膜厚を100nmとし、屈折率を1.46とした。次いで、酸化スズを3wt%含有する酸化インジウム・スズ(ITO)層を、光学膜厚を40nmとして成膜した。このようにして作製したフィルムを裁断後、図4に示すような直線のパターンを、スクリーン印刷法を用いて酸化インジウム・スズ(ITO)層の表面にレジストを印刷後、UVを照射しレジストを硬化させる。その後、酸性の溶液を用いて酸化インジウム・スズ(ITO)層をエッチングし、非導電性パターン領域を形成後、レジストを剥離し、導電性パターン領域を形成した。以上より、図5に示すようなタッチパネル用電極を作製した。
実施例1に記載の透明導電膜のハードコート層と低屈折率酸化ケイ素層の間に光学膜厚が19nmである金属酸化物層(Nb2O5層)を積層した。Nb2O5層の屈折率を2.31とした。以上より得られた透明導電膜を実施例1と同様な方法でパターニングした。以上より、タッチパネル用電極を作製した。
<比較例1>
実施例1と同様のPETの両面上に、同様にしてハードコート層を塗工した。得られたハードコート層の膜厚は表裏ともに3μmであった。DCマグネトロンスパッタリング法にて、ハードコート層/PET/ハードコート層なる構成のフィルム(両面ハードコート付きPETフィルム)の片面のハードコート層の表面上に、低屈折率酸化ケイ素を積層した。
このとき、3種類のハードコート層の膜厚の試料に対して、低屈折率酸化ケイ素の光学膜厚を10nmとし、低屈折率酸化ケイ素層の屈折率を1.46とした。
次いで、酸化スズを3wt%含有する酸化インジウム・スズ(ITO)層を、光学膜厚を40nmとしてDCマグネトロンスパッタリング法により成膜した。フィルム裁断後、ITO層を実施例1に記載の方法を用いてパターニングし、導電性パターン領域と非導電性パターン領域を形成しタッチパネル用電極を作製した。
実施例1と同様のPETの両面上に、同様にしてハードコート層を塗工した。得られたハードコート層の膜厚は表裏ともに3μmであった。DCマグネトロンスパッタリング法にて、ハードコート層/PET/ハードコート層なる構成のフィルム(両面ハードコート付きPETフィルム)の片面のハードコート層の表面上に、低屈折率酸化ケイ素を積層した。
このとき、3種類のハードコート層の膜厚の試料に対して、低屈折率酸化ケイ素の光学膜厚を10nmとし、低屈折率酸化ケイ素層の屈折率を1.46とした。
次いで、酸化スズを3wt%含有する酸化インジウム・スズ(ITO)層を、光学膜厚を40nmとしてDCマグネトロンスパッタリング法により成膜した。フィルム裁断後、ITO層を実施例1に記載の方法を用いてパターニングし、導電性パターン領域と非導電性パターン領域を形成しタッチパネル用電極を作製した。
<比較例2>
比較例1に記載のハードコート層と低屈折率酸化ケイ素層の間に光学膜厚が19nmである金属酸化物層(Nb2O5)を挿入した構成とした。Nb2O5層の屈折率は2.31とした。以上より得られた透明導電膜を実施例1と同様な方法でパターニングした。以上より、比較例2のタッチパネル用電極を作製した。
比較例1に記載のハードコート層と低屈折率酸化ケイ素層の間に光学膜厚が19nmである金属酸化物層(Nb2O5)を挿入した構成とした。Nb2O5層の屈折率は2.31とした。以上より得られた透明導電膜を実施例1と同様な方法でパターニングした。以上より、比較例2のタッチパネル用電極を作製した。
<目視観察>
実施例1及び実施例2において、目視により、導電性パターン領域と非導電性パターン領域ができることで、透明導電膜表面の映り込んだ像が歪んで見えるかどうか違いを確認した。
実施例1及び実施例2において、目視により、導電性パターン領域と非導電性パターン領域ができることで、透明導電膜表面の映り込んだ像が歪んで見えるかどうか違いを確認した。
<表面形状>
図5に示すような導電性パターン領域の酸化インジウム・スズ(ITO)層のパターン端部の断面形状から曲率半径を求めた。
図5に示すような導電性パターン領域の酸化インジウム・スズ(ITO)層のパターン端部の断面形状から曲率半径を求めた。
<実施例1の表面形状>
目視で、タッチパネル用電極表面に映り込んだ像は歪んで見えなかった。曲率半径は4.0mであった。
<実施例2の表面形状>
目視で、タッチパネル用電極表面に映り込んだ像は歪んで見えなかった。曲率半径は3.8mであった。
<比較例1の表面形状>
目視で、タッチパネル用電極表面に映り込んだ像は歪んで見えた。曲率半径は0.5mであった。曲率半径に差が出ていることから、導電性パターン領域が変形して外観上の不具合が生じたと考えられる。
<比較例2の表面形状>
目視で、タッチパネル用電極表面に映り込んだ像は歪んで見えた。曲率半径は0.6mであった。曲率半径に差が出ていることから、導電性パターン領域が変形して外観上の不具合が生じたと考えられる。
目視で、タッチパネル用電極表面に映り込んだ像は歪んで見えなかった。曲率半径は4.0mであった。
<実施例2の表面形状>
目視で、タッチパネル用電極表面に映り込んだ像は歪んで見えなかった。曲率半径は3.8mであった。
<比較例1の表面形状>
目視で、タッチパネル用電極表面に映り込んだ像は歪んで見えた。曲率半径は0.5mであった。曲率半径に差が出ていることから、導電性パターン領域が変形して外観上の不具合が生じたと考えられる。
<比較例2の表面形状>
目視で、タッチパネル用電極表面に映り込んだ像は歪んで見えた。曲率半径は0.6mであった。曲率半径に差が出ていることから、導電性パターン領域が変形して外観上の不具合が生じたと考えられる。
1 透明基材
2 ハードコート層
3 ハードコート層
4 金属酸化物層
5 酸化ケイ素層
6 酸化インジウム・スズ(ITO)層
7 スクリーン印刷版パターン
8 導電性パターン領域
9 非導電性パターン領域
2 ハードコート層
3 ハードコート層
4 金属酸化物層
5 酸化ケイ素層
6 酸化インジウム・スズ(ITO)層
7 スクリーン印刷版パターン
8 導電性パターン領域
9 非導電性パターン領域
Claims (3)
- 透明導電性積層体であって、
少なくとも、透明基材と前記透明基材の表裏に形成した樹脂層と前記樹脂層の片面に形成した酸化ケイ素層と前記酸化ケイ素層の表面に形成した透明導電膜層とを備えており、
前記樹脂層の物理膜厚が10μm以上であり、
前記酸化ケイ素層の光学膜厚(当該層の物理膜厚と屈折率を乗じた値)が、100nm以上であることを特徴とする透明導電性積層体。 - 樹脂層と酸化ケイ素層の間に金属酸化物層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性積層体。
- 請求項1または2に記載の透明導電性積層体において、透明導電膜層をパターン化したタッチパネル用電極であって、
その電極断面端部の曲率半径が1.0m以上である、ことを特徴とするタッチパネル用電極。
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JP2011048682A JP2012185700A (ja) | 2011-03-07 | 2011-03-07 | 透明導電性積層体およびタッチパネル用電極 |
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