JP2012185416A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小粒径トナーを用いる現像装置における印刷品質を確保する。
【解決手段】現像装置80は、振動により現像ローラ33に接触し、現像ローラ33の回転により、現像ローラ33の表面を摺動するように配設されたトナー供給パッド51と、トナー供給パッド51に周期的に接触して前記振動を与え、且つ、現像ローラ33とトナー供給パッド51との接触部の近傍へトナーTを搬送する回転自在の回転体52とを有している。トナー供給パッド51は、ウレタンゴムフォーム51aを有している。現像ローラ33上のトナーTの掻き落としを現像ローラ33に接触しているウレタンゴムフォーム51aによって行い、回転体52から搬送されたトナーTをウレタンゴムフォーム51aと現像ローラ33とで摩擦して帯電し、現像ローラ33に供給するため、印刷濃度が濃くなる過ぎることや濃度低下がない現像装置80を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写装置、画像記録装置、プリンタ、ファクシミリ等の潜像担持体に形成された潜像を現像する現像装置と、この現像装置を有し、画像を形成する画像形成装置に関するものである。
従来、静電潜像をトナーで現像する現像ローラの近傍に非接触に配置され、その表面が振動することでトナーを帯電させて現像ローラへ供給するトナー供給部材を備えた現像装置が提案されている。このような非接触型の現像装置は、例えば、特許文献1に開示されており、小粒径のトナーにおいて、凝集を生じることがなく均一な帯電量を得ることができ、更に、製造コストをアップさせることなく装置の小型化が可能である。
特開2003−50499号公報
しかしながら、従来の非接触型の現像装置では、トナー供給部材が現像ローラと非接触で配置されるために、静電潜像の現像工程において使用されなかったトナーを現像ローラ表面から回収することができない。このため、現像工程を繰り返すたびに現像ローラ上のトナー量が増大し、中間調の色合いが必要な部分にトナーが大量に載ってしまい、十分な階調濃度特性が得られず、全体的に印刷濃度が濃くなり過ぎてしまうという課題があった。
本発明の現像装置は、静電潜像を担持する像担持体に現像剤を供給し、前記静電潜像を現像して現像剤像を形成する回転自在の現像剤担持体と、振動により前記現像剤担持体に接触し、前記現像剤担持体の回転により前記現像剤担持体の表面を摺動するように配設された現像剤供給部材と、前記現像剤供給部材に周期的に接触して前記振動を与え、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との接触部の近傍へ前記現像剤を搬送する回転自在の回転部材とを備えている。
本発明の画像形成装置は、前記現像装置と、前記現像剤像により形成された前記現像剤像を記録媒体に転写する転写部材と、前記記録媒体に転写された前記現像剤像を定着させる定着部材とを備えている。
発明の現像装置によれば、振動により現像剤担持体の表面を摺動するように配設された現像剤供給部材と、前記現像剤供給部材に周期的に接触して前記振動を与え、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との接触部の近傍へ現像剤を搬送する回転自在の回転部材とを備えているので、前記現像剤担持体への前記現像剤の供給と、前記現像剤担持体表面の前記現像剤の掻き取りが適切に行われる。このため、印刷濃度が濃くなり過ぎることや、印刷濃度が低下することがない。
本発明の画像形成装置によれば、現像剤担持体への現像剤の供給が円滑に行われるので、印刷品質を高めることができる。
図1は本発明の実施例1における図2中の画像形成ユニットを示す構成図である。 図2は本発明の実施例1における画像形成装置の概略を示す構成図である。 図3は図1中の現像剤供給部材(例えば、トナー供給パッド)の概略を示す斜視図である。 図4は図1中のトナー供給パッドの概略を示す断面図である。 図5は図1中の回転部材(例えば、回転体)の概略を示す斜視図である。 図6は図1中の現像ローラ、トナー供給パッド、及び回転体を示す斜視図である。 図7は図2の画像形成装置を示す機能ブロック図である。 図8は図1中のトナー供給パッドによる現像ローラ上の残留トナーの掻き取り動作を示す図である。 図9Aは図1中のトナー供給パッドによる現像ローラへのトナーの供給動作を示す図である。 図9Bは図1中のトナー供給パッドによる現像ローラへのトナーの供給動作を示す図である。 図9Cは図1中のトナー供給パッドによる現像ローラへのトナーの供給動作を示す図である。 図10は本発明の実施例2における画像形成ユニットを示す構成図である。 図11は図10中のトナー供給パッドによるトナー搬送を示す図である。 図12Aは図10中のトナー供給パッドの動作を示す図である。 図12Bは図10中のトナー供給パッドの動作を示す図である。 図12Cは図10中のトナー供給パッドの動作を示す図である。 図13Aは比較例3におけるトナー供給パッドのトナー搬送を示す図である。 図13Bは比較例3におけるトナー供給パッドのトナー搬送を示す図である。
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1における画像形成装置10の概略を示す構成図である。
図2において、X,Y,Zは、XYZ座標を示している。鉛直方向にZ軸を取り、記録媒体の走行方向をY軸、これらの両軸と直交する方向にX軸を取っている。以下、図中のXYZ座標は同じ方向を示している。
本発明の実施例1における画像形成装置10は、例えば、電子写真式のカラーページプリンタである。
画像形成装置10の底部には、記録媒体としての用紙Pを収納する給紙カセット11が設けられている。給紙カセット11に収納された複数枚の用紙Pの最上部の用紙Pに接して、給紙カセット11から用紙Pを繰出す用紙搬送ローラ12が設けられている。用紙搬送ローラ12の用紙搬送方向下流には、用紙Pの搬送状態を修正しながら搬送するレジストローラ13とピンチローラ14とが設けられている。
レジストローラ13及びピンチローラ14の用紙搬送方向下流には、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)の順に各色別に現像を行う複数の画像形成ユニット30(=30K,30Y,30M,30C)が設けられている。
複数の画像形成ユニット30の略上方には、図示しない上位装置から受信した印刷ジョブデータに基づき形成されたイメージデータを、後に説明する複数の静電潜像の像担持体としての感光体の表面に書き込むための光源を有する複数の露光装置15(=15K,15Y,15M,15C)が設けられている。
複数の画像形成ユニット30の略下方には、記録媒体搬送部材としての転写ベルト16が設けられている。転写ベルト16は、用紙Pをその表面に担持して搬送する機能を有している。転写ベルト16は、駆動源であるドライブローラ18により駆動され、テンションローラ19によって張架されるように構成されている。
複数の画像形成ユニット30の略下方には、転写ベルト16を挟持して現像剤画像の転写部材としての複数の転写ローラ17(=17K,17Y,17M,17C)が設けられている。転写ローラ17は、感光体上の現像剤像としてのトナー像Taをクーロン力により用紙Pに転写する機能を有している。
転写ベルト16上のクリーニング部材としてのクリーニングブレード16aは、画像形成時に残留した転写ベルト16上の現像剤としてのトナーTをクリーニングする機能を有している。
転写ローラ17の下流には、加熱ローラ20aとバックアップローラ20bとによって構成される定着部材としての定着器20が設けられている。定着器20は、用紙P上のトナー像Taを熱と圧力とにより定着させる機能を有している。更に、用紙搬送方向下流には、用紙Pを用紙スタック部22に排出する複数の排出ローラ21−1,21−2,21−3が設けられている。外壁である筐体23は、前述した各部材を収容している。
図1は、本発明の実施例1における図2中の画像形成ユニット30を示す構成図である。
画像形成ユニット30は、静電潜像を担持する像担持体としての感光体31と、この感光ドラム31を帯電する帯電ローラ32と、感光体31と接触するように対向して配置された現像剤担持体としての現像ローラ33と、トナーTを貯蔵する現像剤貯蔵部としてのトナー貯蔵部34と、現像ローラ33の表面のトナーTを掻き落としつつ、トナーTを供給する現像剤供給部としてのトナー供給部50とを備えている。
ここで、現像ローラ33、トナー貯蔵部34、及びトナー供給部50により、現像装置80が構成されている。トナー供給部50は、現像剤供給部材としてのトナー供給パッド51と、回転部材としての回転体52とを有している。
感光体31は、露光装置15によって静電潜像が作成されるように構成されており、円筒状のアルミ素管上に有機感光層を有し、その端部に駆動力を受けるための図示しないギアを備えている。帯電ローラ32には、−1000Vの直流電圧が印加され、感光体31を帯電する機能を有している。帯電ローラ32は、φ6mmの金属製のシャフトに半導電性のエピクロルヒドリンゴムをφ12mmの円筒状に被覆し、感光体31に接触するように構成されている。
現像ローラ33は、感光体31にトナーTを供給して感光体31上の静電潜像を現像する機能を有している。現像ローラ33は、φ10mm金属シャフトに半導電性のウレタンゴムをφ16mmで円筒状に被覆し、感光体31に0.1mm押し込まれるように押圧されており、その端部には、駆動力を得るための図示しないギアが設けられている。現像ローラ33には、感光体31上の静電潜像をトナーTにより現像するために−250Vの直流電圧が印加されている。現像ローラ33の表面のトナーTの掻き取りとトナーTの供給は、後に詳述するトナー供給部50によって行われる。
トナー貯蔵部34には、トナーTが貯蔵されている。本実施例1におけるトナーTは、平均粒径が5.5μmの粉砕法で作成した一成分非磁性のものである。トナーTには、流動性、帯電特性を調整するための図示しない外添材、例えば、数nmオーダのシリカや酸化チタン等からなる微粒子が添加されて構成されている。本実施例1におけるトナーTは、摩擦帯電後の極性がマイナスになるように構成されている。
更に、画像形成ユニット30は、現像ローラ33上に供給されたトナーTの厚さを規制して薄層を形成する規制部材としての現像ブレード35と、現像ローラ33付近のトナーTがトナー貯蔵部34から漏れることを防止するトナー漏れ防止部材としての現像フィルム36と、感光体31上に残留しているトナーTをクリーニングするクリーニングブレード37と、クリーニンググレードにより掻き落とされたトナーTを搬送する廃トナー搬送スパイラル38と、この廃トナー搬送スパイラル38の動作によって搬送されるトナーTが画像形成ユニット30外に漏れることを防止する廃トナーフィルム39とを有している。
現像ブレード35は、厚さ0.08mmのステンレスの板材に、曲げ加工によって形成した曲げ加工部を現像ローラ33に圧接させるように構成されている。クリーニングブレード37は、所定の寸法に加工したウレタンゴムを金属製の板に接着して形成されている。廃トナー搬送スパイラル38は、金属製のスパイラルから構成され、図示しないギアから駆動力を受けて回転することによりトナーTを搬送するように構成されている。
画像形成ユニット30は、モールド40によって覆われている。モールド40は、画像形成ユニット30を構成する各部材を保護すると共に、トナーTが画像形成ユニット30外に漏れることを防止する機能を有している。
次に、現像ローラ33の表面のトナーTを掻き取ると共に、現像ローラ33にトナーTを供給するトナー供給部50の構成について詳述する。
図3は、図1中のトナー供給パッド51の概略を示す斜視図である。図4は、図1中のトナー供給パッド51の概略を示す断面図である。図5は、図1中の回転体52の概略を示す斜視図である。更に、図6は、図1中の現像ローラ33、トナー供給パッド51、及び回転体52を示す斜視図である。
トナー供給部50は、現像ローラ33に接触して現像ローラ33の回転により、現像ローラ33の表面を摺動するように配設された現像剤供給部材としてのトナー供給パッド51と、トナー供給パッド51に周期的に接触して振動を与え、且つ、現像ローラ33とトナー供給パッド51との接触部の近傍へトナーTを搬送する回転自在の回転部材としての回転体52とを有している。
図3及び図4において、トナー供給パッド51は、複数の細孔(以下「セル」という。)51cを有する多孔質のエラストマーにより形成され、現像ローラ33の表面のトナーTを取り込む接触部材としてのウレタンゴムフォーム51aと、ウレタンゴムフォーム51aを支持する支持体51bとを有している。
支持体51bは、略L字状に形成された板ばねであり、金属又は樹脂フィルムにより形成されている。略L字状に曲げられた一方の第1の片αは、ウレタンゴムフォーム51aと接着し、他方の第2の片βは、Z方向へのトナーTの移動を抑制する抑制部材としてのトナー移動規制板53に両面テープで固定されている。トナー移動規制板53は、Y方向への幅7mmの金属板で、X方向に延設されており、その両端部は、モールド40に固定されている。ウレタンゴムフォーム51aは、現像ローラ33の表面に対して、0.7mm押し込まれるように支持体51bにより押圧されている。
図5において、回転体52は、回転自在のシャフト52aと、端部がシャフト52aの外周に取り付けられたフィルム(例えば、樹脂フィルム)52bとを有し、図示しない駆動源から回転動作に必要な駆動力を伝達されるように構成されている。回転体52は、回転動作の際に、樹脂フィルム52bがトナー供給パッド51に接触して振動を与える位置に配設されている。
図6において、現像ローラ33の表面に対して、ウレタンゴムフォーム51aが支持体51bの第1の片αによって押圧されている。支持体51bの第2の片βは、トナーTの移動を抑制するトナー移動規制板53に対して両面テープで固定されている。略L字状の支持体52bの下方には、回転体52が設けられている。回転体52の樹脂フィルム52bは、現像ローラ33の表面とウレタンゴムフォーム51aとの接触部付近へトナーTを搬送し、その後、支持体51bに接触して、トナー供給パッド51に振動を与えるように構成されている。
図7は、図2の画像形成装置10を示す機能ブロック図である。
画像形成装置10は、図示しないマイクロプロセッサ、リードオンリメモリ(以下「ROM」という。)、ランダムアクセスメモリ(以下「RAM」という。)、入出力ポート、及びタイマ等によって構成される印刷制御部61を有している。
印刷制御部61は、ROMに格納されている制御プログラムをRAMに読み出して実行することにより、画像形成装置全体を制御する機能を有している。印刷制御部61には、外部との通信を行うためのインタフェース(以下「I/F」という。)制御部62が接続されている。印刷制御部61は、図示しない上位装置からI/F制御部62を介して、印刷ジョブデータ及び制御コマンドを受信し、画像形成装置10全体のシーケンスを制御して印刷動作を行う機能を有している。
印刷制御部61には、上位装置からI/F制御部62を介して入力された印刷ジョブデータを一時的に記録する受信メモリ63と、画像データ(即ち、イメージデータ)を記憶する画像データ編集メモリ64とが接続されている。印刷制御部61は、受信メモリ63に記録された印刷ジョブデータを受け取って編集処理し、画像データを形成して画像データ編集メモリ64に格納する機能を有している。
印刷制御部61には、入力操作部65が接続されている。入力操作部65は、画像形成装置の状態を表示するための発光素子(以下「LED」という。)ランプ及び液晶装置等で構成された表示部と、操作者からの指示を画像形成装置10に与えるためのスイッチ及びタッチパネル等で構成された操作部とを有している。更に、印刷制御部61には、画像形成装置10の動作状態を監視するための各種のセンサ(例えば、用紙位置検出センサ、温湿度センサ、印刷濃度センサ等)からなるセンサ群66が接続されている。
印刷制御部61には、帯電ローラ32に所定の電圧を印加することにより、感光体31の表面を帯電させる帯電ローラ用電源67と、現像ローラ33に所定の電圧を印加することにより、感光体31上の静電潜像にトナーTを付着させる現像ローラ用電源68と、トナー供給パッド51に所定の電圧を印加することにより、現像ローラ12にトナーTを供給するトナー供給パッド用電源69と、転写ローラ17に所定の電圧を印加することにより、感光体31上のトナー像Taを用紙Pに転写させる転写ローラ用電源70とが接続されている。
これらの帯電ローラ用電源67と、現像ローラ用電源68と、トナー供給パッド用電源69と、転写ローラ用電源70とは、印刷制御部61の制御によって、それぞれ所定の電圧を印加するように構成されている。
印刷制御部61には、画像データ編集メモリ64に記録されたイメージデータを露光装置15に送り、露光装置15を駆動する露光部制御部71と、画像形成ユニット30により用紙Pに転写されたトナー像Taを用紙Pに定着するための定着器20に所定の電圧を印加する定着制御部72とが接続されている。
定着器20は、用紙P上のトナー像Taを形成するトナーTを溶融させるための図示しないヒータ、及び温度を検出するための図示しない温度センサ等を有している。定着制御部72は、図示しない温度センサのセンサ出力信号を読み込み、センサ出力信号に基づいて図示しないヒータを通電させ、定着器20が一定の温度になるように制御を行う機能を有している。
印刷制御部61には、用紙Pを搬送するための用紙搬送モータ75の制御を行う搬送モータ駆動部73が接続されている。搬送モータ駆動部73は、印刷制御部61の指示によって所定のタイミングで用紙Pを搬送し、停止させる機能を有している。
印刷制御部61には、感光体31を動作させる駆動モータ76を制御するための駆動制御部74が接続されている。駆動制御部74は、駆動モータ76を駆動する機能を有している。駆動モータ76が駆動されると、駆動制御部74は、図1に示す感光体31を矢印E1方向に回転させる。その結果、帯電ローラ32、現像ローラ33、回転体52が、図示しないギア列によりそれぞれ矢印方向に回転させられる。
(実施例1の動作)
図2を用いて、画像形成装置10の全体の動作の概略を説明する。
給紙カセット11から用紙搬送ローラ12によって繰り出された用紙Pは、レジストローラ13及びピンチローラ14を介して搬送され、感光体31と転写ローラ17とに挟持される位置まで搬送される。感光体31の表面には、露光装置15により静電潜像が形成される。この静電潜像は、画像形成ユニット30により現像されて、感光体31の表面にトナー像Taが形成される。
用紙Pは、感光体31と転写ローラ17とに挟持されて搬送ベルト16により搬送されるときに、感光体31の表面に形成されたトナー像Taが用紙Pへ転写される。用紙Pは、定着器20に搬送され、定着器20において、トナーTが用紙Pに定着され、排出ローラ21−1,21−2,21−3により外部に排出され、用紙スタック部22に堆積される。
図1を用いて、画像形成ユニット30の動作について説明する。
帯電ローラ32によって、感光体31の表面に一定の電圧が印加され、感光体31の表面は帯電ローラ32からの放電により均一に帯電される。この際、帯電ローラ32には−1000Vが印加され、感光体31の表面は、−500Vに帯電する。均一に帯電した感光体31の表面に対し、図1では図示しない露光装置15の照射する光により画像部分の電荷がアースに抜けることにより除去され、静電潜像が形成される。
トナー貯蔵部34内のトナーTは、回転体52により撹拌、搬送され、回転体52に取り付けられた樹脂フィルム52bによって現像ローラ33の表面とトナー供給パッド51との接触部付近に搬送される。この搬送されたトナーTは、トナー供給パッド51により現像ローラ33の表面に供給される。現像ローラ33の表面に付着したトナーTは、現像ブレード35により均一の厚さに規制され、トナーTの薄層を形成する。現像ローラ33は、静電潜像を担持した感光体31に接触して回転し、トナーTを供給して静電潜像を現像する。
感光ドラム31上の静電潜像の現像に寄与しなかったトナーTは、クリーニングブレード37により廃トナー搬送スパイラル38に掻き落とされる。掻き落とされたトナーTは、廃トナーフィルム39により画像形成ユニット30外へ漏れることを防止されながら、廃トナースパイラル38によって図示しない廃トナー貯蔵部に搬送される。
次に、トナー供給部の動作について説明する。
図8は、図1中のトナー供給パッド51による現像ローラ33上の残留トナーTの掻き取り動作を示す図である。
トナー供給パッド51は、現像ローラ33に接触して一定の圧力で押圧するように配設されている。現像ローラ33の表面にはセル51cが接触している。ここで現像ローラ33は、図示していないギアから駆動を受けて、矢印F2方向に回転動作する。そのため、現像ローラ33上の現像に使用されなかった残留卜ナーTは、順次セル51cに接触する。この現像ローラ33上の残留トナーTは、鏡像力等の電気的な力により現像ローラ33に付着している。
ウレタンゴムフォーム51aに形成されているセル51cを十分現像ローラ33の表面に押し付けると、機械的に現像ローラ33上からトナーTを剥ぎ取る力が発生する。その機械的な力が、トナーTの電気的な現像ローラ33への付着力より十分大きくなると、セル51cによって、現像ローラ33の表面に残留しているトナーTが掻き取られる。本実施例1では、この残留トナーTの掻き取りを十分行うため、トナー供給パッド51を現像ローラ33に対し、0.7mm押し込むように構成している。
図9Aは、図1中のトナー供給パッド51による現像ローラ33へのトナーTの供給動作を示す図である。図9Bは、図1中のトナー供給パッド51による現像ローラ33へのトナーTの供給動作を示す図である。更に、図9Cは、図1中のトナー供給パッド51による現像ローラ33へのトナーTの供給動作を示す図である。
トナーTの供給動作は、図8で説明したトナーTの掻き取り動作と同時に行われる。
図9Aに示すように、トナーTは、回転体52の樹脂フィルム52bの回転動作により、現像ローラ33とトナー供給パッド51との接触部において、現像ローラ33の回転方向F2の最上流部54付近に搬送される。
その際、樹脂フィルム52bの回転動作により重力方向上方であるZ方向に移動したトナーTは、図9Aでは図示しないトナー移動規制板53によって上方への移動を規制され、トナー供給パッド51方向、若しくは回転体52へ再度移動する。図8において説明した通り、トナー供給パッド51により、現像ローラ33の表面から掻き取られた残留卜ナーTも、樹脂フィルム52bによって、再度トナー供給パッド52方向へと搬送される。このように、前記最上流部54付近に順次トナーTが搬送され、トナーTの密度が大きくなる。支持体51bは、樹脂フォルム52bの回転によって、移動方向Mに押し上げられる。
図9Bにおいて、トナー供給パッド51の支持体51bから樹脂フィルム52bが外れるため、支持体51bは、反動で移動方向Lに移動する。このように、トナー供給パッド51の支持体51bには、回転体52の樹脂フィルム52bが周期的に当たるため、そのたびに支持体51bが振動し、その結果、トナー供給パッド51全体が振動する。
その振動の際、最上流部54付近の卜ナー密度が高いところから、現像ローラ33とセル51cとが接触している部分を乗り越えてトナーTがセル51cに入り込んでくる。図9Cにおいて、そのようにして入り込んだ卜ナーTは、トナー供給パッド51の振動によって、現像ローラ33の表面と摩擦して帯電し、帯電卜ナーTcとなる。
帯電トナーTcは、次第に増加していく。これらの帯電卜ナーTcは、現像ローラ33に電気的な力で付着し、現像ローラ33の回転方向F2の下流へ搬送される。帯電トナーTcは、現像ローラ33の回転方向F2の下流に移動すると、図8で説明した通り、別のセル51cによって、現像ローラ33の表面から掻き取られる。
掻き取られたトナーTは、次回の振動動作の際に、再度、帯電し、現像ローラ33上に付着し、更に、現像ローラ33の回転方向F2の下流へと搬送されていく。このような動作を繰り返すことで、現像ローラ33とトナー供給パッド51との接触部分を越えて、帯電ローラTcは、現像ローラ33の回転方向F2の下流にある現像ブレード35まで搬送され、現像ブレード35によって所定のトナー層厚にならされていく。
ここで、回転体の52の回転方向について考察する。
回転体52は、回転方向E2、即ち現像ローラ33の回転方向と逆の方向に回転する。このことにより、現像ローラ33の回転方向F2の最上流部54にトナーTを搬送することができると同時に、トナー供給パッド51のセル51cにトナーTを取り込み易い移動方向Mにトナー供給パッド51を振動させることができる。回転体52の回転方向を逆にしたときには、トナー供給パッド51は、移動方向Lに振動して現像ローラ33の表面のトナーTを掻き取る方向に振動する。このように本実施例1では、回転体54の回転方向を現像ローラ33の回転方向と逆にすることにより良好な印刷品質を得るように構成されている。
(実施例1の効果)
本実施例1の構成の現像装置80の効果を、比較例1を用いて評価した。
評価は、画像形成装置10と同一の構成の沖データ社製C5900プリンタに、本実施例1の構成の画像形成ユニット30を搭載し、印刷濃度が高い全面ベタパターンを印刷させて、印刷の品質が良好である場合には○、印刷の一部に濃度低下が見られる場合を△、濃度低下が大きい場合を×とした。
比較例1として、画像形成ユニット30から回転体52を除去した画像形成ユニット30−1と、比較例2として、画像形成ユニット30からトナー供給パッド51を除去した画像形成ユニット30−2とを用いて評価した。
評価結果を表1に示す。
Figure 2012185416

表1に示すように、本実施例1の構成の場合、印字品質は、良好であったが、比較例1の場合には、回転体52を除去しているため、現像ローラ33上の残留トナーTの掻き取りは行えるものの、トナーTの現像ローラ33への供給が低下するため印刷の濃度低下が発生している。この濃度低下は、トナー供給パッド51にトナーTを供給するものがないためである。
比較例2の場合も濃度低下が発生している。これは回転体52により、現像ローラ33の近傍へトナーTを搬送することはできるものの、搬送されたトナーTを帯電させるものがないため、現像ローラ33上のトナーTにおける現像ローラ33への電気的付着力が小さくなる。その結果、電気的付着力の小さいトナーTは、現像ブレード35によって掻き落とされてしまうためである。
これに対し、本実施例1の構成では、現像ローラ33上のトナーTの掻き落としを現像ローラ33に接触しているセル51cによって行い、回転体52から搬送されたトナーTをセル51cと現像ローラ33とで摩擦して帯電し、現像ローラ33に供給するため、良好な印刷品質が得られる。
この結果、本実施例1によれば、印刷濃度が濃くなる過ぎることや濃度低下がない現像装置80を得ることができる。
(実施例2の構成)
図10は、本発明の実施例2における画像形成ユニット130を示す構成図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例2の画像形成ユニット130の構成は、実施例1の画像形成ユニット30とほぼ同様である。本実施例2の画像形成ユニット130における現像剤供給部材は、実施例1における現像剤供給パッド51と同様の第1の現像剤供給部としての現像剤供給パッド51と、トナー供給パッド51から現像ローラ33の回転方向F2の上流側に3mm隔てたところに配設された第2の現像剤供給部としての現像剤供給パッド55とから構成されている点が実施例1と異なる。その際、トナー供給パッド55は、トナー供給パッド51のウレタンフォーム51aと同じウレタンフォーム55aを有しており、押し込み量も実施例1と同様に0.7mmである。
更に、回転体152は、実施例1の回転体52と同様の構成であるが、回転方向が実施例1の回転体52とは反対方向F3、即ち現像ローラ33の回転方向F2と同一方向となっている点が、実施例1と異なっている。この回転体152の回転によって、トナー供給パッド51及びトナー供給パッド55が共に周期的な振動を受けるように構成されている。その他の構成は、実施例1と同様である。
ここで、実施例1と同様の現像ローラ33、トナー貯蔵部34、及び実施例1と異なるトナー供給部150により現像装置180が構成されている。トナー供給部150は、実施例1と同様のトナー供給パッド51、実施例1と異なるトナー供給パッド55、及び回転体152を有している。
(実施例2の動作)
本実施例2における現像ローラ33上のトナーTの掻き取り動作は、トナー供給パッド51及びトナー供給パッド55により、実施例1と同じ動作が2箇所で行われる。
図11は、図10中のトナー供給パッド51によるトナー搬送を示す図である。
現像ローラ33へのトナーTの供給は、図11に示すように、樹脂フィルム152bによって搬送されたトナーTが、トナー供給パッド51と卜ナー供給パッド55との隙間56へ入り込んでいく。この樹指フィルム152によるトナーTの搬送が繰り返し行われることで、隙間56のトナー密度は大きくなる。
図12Aは、図10中のトナー供給パッド51,55の動作を示す図である。図12Bは、図10中のトナー供給パッド51,55の動作を示す図である。更に、図12Cは、図10中のトナー供給パッド51,55の動作を示す図である。
回転体152の樹脂フィルム152bは、現像ローラ33と同方向に回転しているため、図12Bのようにトナー供給パッド51と接触する。この際、トナー供給パッド51が回転体152から受ける振動の向きは実施例1とは逆の移動方向Lである。このとき、隙間56のトナー密度が十分大きいため、実施例1のときと同様に、トナー供給パッド51のセル51cにトナーTを取り込み、摩擦帯電することができる。
次に、図12Cに示すように、樹脂フィルム152bは、トナー供給パッド55に接触する。これにより、隙間56のトナーTがトナー供給パッド55のウレタンフォーム55aに形成されたセルにも入り込む。このトナーTも現像ローラ33と卜ナー供給パッド55間で摩擦されて帯電される。
(実施例2の効果)
本実施例2の構成の現像装置180の効果を、比較例3を用いて評価した。
評価は、実施例1と同様に、画像形成装置10と同一の構成の沖データ社製C5900プリンタに、本実施例2の構成の画像形成ユニット130を搭載し、印刷濃度が高い全面ベタパターンを印刷させて、印刷の品質が良好である場合には○、印刷の一部に濃度低下が見られる場合を△、濃度低下が大きい場合を×とした。
比較例3として、回転体252の回転方向を本実施例2における回転体152の回転方向と逆方向にし、それ以外の構成は、実施例2と同じとする画像形成ユニット230を用意した。結果を表2に示す。
Figure 2012185416

本実施例2の現像装置180は、印刷品質が良好であっが、比較例3の構成では、濃度低下が発生していた。
図13Aは、比較例3におけるトナー供給パッド51,55のトナー搬送を示す図である。図13Bは、比較例3におけるトナー供給パッド51,55のトナー搬送を示す図である。
図13Aに示すように、比較例3ではトナー供給パッド55と樹脂フィルム252bとが接触する前は、樹脂フィルム252b上にトナーTを十分保持しているが、図13Bに示すように、回転体252の回転動作によりトナー供給パッド55の支持体55bに樹脂フィルム252bが接触するため、樹脂フィルム252b上のトナーTが掻き落とされてしまう。
これに対し、本実施例2の構成では、樹脂フィルム152bがトナー供給パッド51の支持体51bに接触するものの、樹脂フィルム152bの回転方向が重力方向であるため、トナーTは隙間56に搬送されていく。そのため、隙間56に搬送されるトナー量は比較例3の方が少なくなる。このような理由により、比較例3の現像装置230では、濃度低下が発生した。
本実施例2によれば、卜ナー供給パッド51及びトナー供給パッド55を設け、回転体152によるトナー搬送をトナー供給パッド51,55の隙間56に入るようにすることで、濃度低下がない現像装置180を得ることができる。
(変形例)
本発明は、上記実施例に限定されず、その他の種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(e)のようなものがある。
(a) 実施例1,2では、感光体31と現像装置80,180とが一体となった構成で説明したが、感光体31が現像装置80,180と分離したタイプにおいても本発明を適用できる。
(b) 回転体52,152を構成するフィルムは、樹脂フィルム52b,152bに限定されない。一定の弾性と強度を有する素材であればよい。
(c) 実施例1、2では、画像形成装置10としてカラーページプリンタを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、モノクロページプリンタ、ファクシミリ装置、複写機、MFP(MultiFunction Printer/Product/Peripheral)等であってもよい。
(d) 実施例1、2で説明した画像形成装置10の印刷方式、帯電方式、露光方式、現像方式、転写方式、定着方式、クリーニング方式、給紙方式等の各種方式は、一例であり、これに限定されない。
(e) 実施例2では、現像剤供給パッド51,56を2つ設ける例で説明したが、複数個設けてもよい。
10 画像形成装置
30,130 画像形成ユニット
31 感光体
33 現像ローラ
50 トナー供給部
51,55 トナー供給パッド
51a,55a ウレタンゴムフォーム
51b,55b 支持体
51c セル
52,152 回転体
52a,152 シャフト
52b,152 樹脂フィルム
53 トナー移動規制板
54 最上流部
56 隙間
80,180 現像装置

Claims (6)

  1. 静電潜像を担持する像担持体に現像剤を供給し、前記静電潜像を現像して現像剤像を形成する回転自在の現像剤担持体と、
    振動により前記現像剤担持体に接触し、前記現像剤担持体の回転により前記現像剤担持体の表面を摺動するように配設された現像剤供給部材と、
    前記現像剤供給部材に周期的に接触して前記振動を与え、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との接触部の近傍へ前記現像剤を搬送する回転自在の回転部材と、
    を備えたことを特徴とする現像装置。
  2. 前記現像剤供給部材は、
    複数の細孔を有する多孔質のエラストマーにより形成され、前記現像剤担持体の表面の前記現像剤を取り込む接触部材と、
    前記接触部材を支持する支持体と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  3. 前記回転部材は、
    回転自在のシャフトと、
    端部が前記シャフトの外周に取り付けられたフィルムと、
    を有することを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  4. 請求項1記載の現像装置は、更に、
    前記接触部に対する前記現像剤担持体の回転方向下流に設けられ、前記現像剤の移動を抑制する抑制部材を備えたことを特徴とする現像装置。
  5. 前記現像剤供給部材は、
    所定の間隔をおいて配設され、前記現像剤担持体にそれぞれ接触する第1及び第2の現像剤供給部を有することを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の現像装置と、
    前記現像装置により形成された前記現像剤像を記録媒体に転写する転写部材と、前記記録媒体に転写された前記現像剤像を定着させる定着部材と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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