JP2012182259A - サーミスタ素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易な製造工程で作製可能であると共に薄い電極膜でも電極線溶接のサーミスタへの影響を抑制でき、所望のサーミスタ特性が得られるサーミスタ素子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 チップ状のサーミスタ用金属酸化物焼結体2と、該サーミスタ用金属酸化物焼結体2に形成された一対の電極膜3と、一対の電極膜3に接合された一対の電極線4とを備え、一対の電極線4が、少なくとも先端部に板状に拡がった板状部4aを有し、該板状部4aの中央部で電極膜3と溶接されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば自動車関係等の温度計測に用いられるサーミスタ素子及びその製造方法に関する。
一般に、自動車エンジン周りの触媒温度や排気系温度等を計測する温度センサとして、サーミスタ温度センサが採用されている。このサーミスタ温度センサに用いられるサーミスタ素子は、例えば、上記自動車関連技術、情報機器、通信機器、医療用機器、住宅設備機器等の温度センサとして利用され、大きな負の温度係数を有する酸化物半導体の焼結体の素子を用いている。
近年、低温から高温までの幅広い温度領域で測定可能なワイドレンジサーミスタ素子の要求が増えている。このようなサーミスタ素子の一般的な形としてサーミスタウェハに端子電極として電極膜を塗布形成し、そのウェハを切断しフレーク素子にした後、一対の端子電極にリード線である電極線を接合させ、サーミスタチップ部を絶縁被覆層でモールドするサーミスタ素子が使われている。
電極線との接合にあたっては、白金(Pt)ペーストなどの電極ペーストで固定することなどが主流であり、固着強度が弱いという問題があった。このため、固着強度向上が見込める代替接合技術として、従来、サーミスタ以外の部分にレーザ溶接を用いて電極線を接合するといった方法が提案されている。例えば、特許文献1には、電極膜上にバンプを形成し、そのバンプに引出線(電極線)をレーザ溶接した薄膜温度センサが提案されている。また、特許文献2には、電極線が、厚く成膜されたNiめっき層の途中までレーザ溶接された薄膜温度センサが提案されている。
特開2008−241566号公報 特開2010−197163号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、薄膜サーミスタ技術を用いる場合、サーミスタ薄膜や電極のパターン形成などが必要であり、製造工程が煩雑になってしまう不都合がある。このため、単純にサーミスタフレーク上に電極膜を形成して端子電極とし、電極膜とその上に配した電極線とを、直接レーザ光を照射して溶接する方法が望まれている。しかしながら、図8の(a)〜(c)に示すように、サーミスタ部102と両面で隣り合わせの電極膜3に直接レーザ光Lを照射して電極線104を溶接すると、図8の(d)に示すように、電極線材料が熔融してサーミスタ部102へ溶け込むためにサーミスタの電気特性が悪化してしまう問題があった。すなわち、従来、丸棒状の電極線104が通常用いられるが、この電極線104と電極膜3とをレーザ溶接で熔融させる際に、レーザ光Lのエネルギーの大部分は、電極膜3へ伝わる前に電極線104に吸収されてしまい、図8の(d)に示すように、溶接部分の大部分の電極線104が熔融されて大きな球状となる。このとき、最大熔融部(以下、ナゲットNと称す)がレーザ光Lの照射方向を長軸とした断面楕円状となり、溶接強度を増加させるには、ナゲットNの大きさを増やす必要がある。しかしながら、レーザ光強度を増やすとナゲットNの長軸(深さ)が増加するので、電極膜3の厚さを増加させないと熔融部Mがサーミスタ部102へ到達しまい電極部分のクラックの原因となってしまう不都合があった。特に、溶接部は急昇温および急冷却されるため、クラックが発生し易い。また、単純に熱影響を回避するために電極膜3を厚くするなどの対策は有効であるが、熱影響を回避するために電極膜を一様に厚くした場合には、コストの増大を招くと共に、フレーク素子などに加工する際に切断工程で電極がはがれるおそれもあり、歩留まりが低下する可能性がある。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、簡易な製造工程で作製可能であると共に薄い電極膜でも電極線溶接のサーミスタへの影響を抑制でき、所望のサーミスタ特性が得られるサーミスタ素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のサーミスタ素子は、チップ状のサーミスタ用金属酸化物焼結体と、該サーミスタ用金属酸化物焼結体に形成された一対の電極膜と、一対の前記電極膜に接合された一対の電極線とを備え、一対の前記電極線が、少なくとも先端部に板状に拡がった板状部を有し、該板状部の中央部で前記電極膜と溶接されていることを特徴とする。
また、本発明のサーミスタ素子の製造方法は、上記本発明のサーミスタ素子の製造方法であって、一対の電極膜が形成されたチップ状のサーミスタ用金属酸化物焼結体の前記電極膜に一対の電極線を接合する電極線接合工程を有し、一対の前記電極線が、少なくとも先端部に板状に拡がった板状部を有し、前記電極線接合工程において、前記板状部の中央部で前記電極膜と溶接することを特徴とする。
すなわち、これらのサーミスタ素子およびその製造方法では、電極線が、少なくとも先端部に板状に拡がった板状部を有し、板状部の中央部で電極膜と溶接されるので、レーザ溶接や抵抗溶接時の熱エネルギーは板状部の中央部から平面方向の四方八方に拡がることで熔融部も平面方向に拡がる。また、板状部と電極膜とは面接触しているので、拡がった熱エネルギーが効率的に電極膜に伝わることで、ナゲットが板状部および電極膜の平面方向に長軸を配した断面楕円状となり、熔融した電極線の電極膜への溶け込み量が低減されると共に接合強度も向上する。
また、本発明のサーミスタ素子は、前記板状部が、前記電極膜と略同形状とされていることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ素子では、板状部が、電極膜と略同形状とされているので、電極膜全体に効率的に溶接時の熱エネルギーを伝えることができ、より良好な溶接状態を得ることができる。
また、本発明のサーミスタ素子の製造方法は、前記溶接が、レーザ溶接または抵抗溶接であることを特徴とする。
また、本発明のサーミスタ素子の製造方法は、前記板状部の外縁部近傍の少なくとも1箇所を前記電極膜に押さえ付けた状態で前記溶接を行うことを特徴とする。
従来の丸棒状の電極線を溶接する場合、先端を固定することができずに電極線に反りが生じてしまう場合があるが、本発明のサーミスタ素子の製造方法では、板状部の外縁部近傍の少なくとも1箇所を電極膜に押さえ付けた状態で溶接を行うので、電極線の反りが抑制され、安定した溶接が可能になる。
また、本発明のサーミスタ素子の製造方法は、金属薄板をレーザ切断加工して、前記電極線を作製することを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ素子の製造方法では、金属薄板をレーザ切断加工して、前記電極線を作製するので、金属薄板から様々な形状の板状部を有する電極線を高精度に形成可能である。なお、前述したようにレーザ切断加工により電極線を作製することが好ましいが、金属薄板を打ち抜き加工して電極線を作製しても構わない。なお、板状部の中央部で溶接するので、レーザ切断加工による切断部の酸化の影響を回避することができ、安定した溶接が可能である。また、打ち抜き加工によって切断部にバリが生じた場合、電極膜と電極線との間に僅かな隙間が生じてレーザ熔融熱が均等に伝わらないおそれもあるが、レーザ切断加工は蒸発切断であるので、この問題を回避できる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るサーミスタ素子およびその製造方法によれば、電極線が、少なくとも先端部に板状に拡がった板状部を有し、板状部の中央部で電極膜と溶接されるので、簡易な製造工程で作製可能であると共に薄い電極膜でも電極線溶接のサーミスタへの影響を抑制でき、所望のサーミスタ特性を得ることができる。
本発明に係るサーミスタ素子およびその製造方法の一実施形態を示すサーミスタ素子の平面図、左側面図および正面図である。 本実施形態において、サーミスタ素子における溶接状態を模式的に示す断面図である。 本実施形態において、電極線を示す平面図である。 本実施形態において、レーザ溶接時の状態を説明するための平面図である。 本実施形態において、サーミスタ素子の他の例を示す平面図である。 本発明に係るサーミスタ素子およびその製造方法の実施例において、レーザ溶接部分の拡大断面図である。 本発明に係るサーミスタ素子およびその製造方法の従来例において、レーザ溶接部分の拡大断面図である。 本発明に係るサーミスタ素子およびその製造方法の従来例を示すサーミスタ素子の平面図、左側面図、正面図および断面図である。
以下、本発明に係るサーミスタ素子およびその製造方法の一実施形態を、図1および図7を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態のサーミスタ素子1は、図1および図2に示すように、サーミスタ部となるチップ状のサーミスタ用金属酸化物焼結体2と、該サーミスタ用金属酸化物焼結体2の両面に形成された一対の電極膜3と、一対の電極膜3に接合された一対の電極線4とを備え、一対の電極線4が、少なくとも先端部に板状に拡がった板状部4aを有し、該板状部4aの中央部で電極膜3と溶接されている。なお、図1および図2では、レーザ溶接の場合を図示している。
上記サーミスタ用金属酸化物焼結体2は、フレーク型サーミスタチップであり、チップ状(チップ状にはブロック状も含む)とされている。
このサーミスタ用金属酸化物焼結体2は、(La,Ca)(Cr,Mn)O+Yであり、一般式:(1−z)(La1−yCa)(Cr1−xMn)O+zY(ただし、0.0≦x≦1.0、0.0≦y≦0.5、0<z≦0.8)で示されるものが採用される。例えば、サーミスタ用金属酸化物焼結体2は、(La0.9Ca0.1)(Cr0.5Mn0.5)Oを50mol%とYを50mol%とを混合焼結したものである。
なお、サーミスタ用金属酸化物焼結体2が、一般式:(1−z)(La1−yCa)(Cr1−xMn)O+zY(ただし、0.0≦x≦1.0、0.0≦y≦0.5、0<z≦0.8)で示されるものであるので、Cr,Mn系ペロブスカイト型酸化物としてAサイトにLaが配され、抵抗値変化に影響を及ぼす原因であるペロブスカイト型酸化物への酸素の出入りが少なくなると共に、絶縁体材料として添加されたYにより、抵抗値変化率を抑制することができる。
また、サーミスタ素子1の電気特性を示すパラメータであるB定数は、一般式:(1−z)(La1−yCa)(Cr1−xMn)O+zYのx,y,z量を変えることによって調整する。ただし、例えば、B定数が小さくなると、抵抗値も小さくなるので、形状を変えて抵抗調節できない場合は、絶縁体材料を混合焼結し、抵抗値を上げる必要がある。本実施形態では、絶縁体材料をYとするが、これを他の絶縁体材料、例えば、ZrO,MgO,Al,CeOに変更しても構わない。
上記電極線4は、図3に示すように、ステンレス薄板(例えば、SUS310S)から切断されたリード線である。この電極線4は、先端に形成された上記板状部4aと、該板状部4aから板状部4aよりも幅狭で細く棒状に延びるリード部4bとで構成されている。
上記板状部4aは、レーザスポット径よりも十分広い面積で形成され、本実施形態では電極膜3と略同形状の長方形状とされている。
上記電極膜3は、例えばPt電極層が採用される。
なお、本実施形態のサーミスタ素子1は、電極線4が接合された状態でサーミスタ用金属酸化物焼結体2がガラス材(図示略)で封止されている。
本実施形態のサーミスタ素子1では、図2に示すように、板状部4aと電極膜3とが面接触していると共に、板状部4aの中央部に溶接で形成されたナゲットNが板状部4aおよび電極膜3の平面方向に長軸を配した断面楕円状となって電極線4と電極膜3とを接合している。
次に、本実施形態のサーミスタ素子1の製造方法について、図3および図4を参照して説明する。
本実施形態のサーミスタ素子1の製造方法は、まず、上記サーミスタ材料の混合焼結体から構成されるブロック焼結体を作製し、これをウエハ状にスライスした後、該ウエハの両面に電極ペーストとしてPtペーストを塗布し、焼き付けることで電極膜3を形成する。なお、電極ペーストの材料としては、Ptの他に、Au、Pd、Ag等を用いても構わない。また、電極膜3の形成方法としては、スパッタ法を用いても構わない。さらに、上記ウエハを切断してチップ状にすることで、両面に電極膜3が形成されたサーミスタ用金属酸化物焼結体2を作製する。
一方、ステンレス薄板またはステンレス箔等の金属薄板を、図3に示す所定形状にレーザ切断加工して電極線4を作製しておく。
次に、図4に示すように、サーミスタ用金属酸化物焼結体2の電極膜3に一対の電極線4を接合する(電極線接合工程)。この電極線接合工程では、板状部4aの中央部で電極膜3とレーザ溶接または抵抗溶接により溶接する。なお、本実施形態では、グリーンレーザを用いたレーザ溶接(レーザ光によるスポット溶接)で接合させている。そのため、金属薄板の材料として、グリーンレーザを吸収することができるステンレス薄板(例えば、SUS310S)を用いている。その主旨から、金属薄板は、グリーンレーザを吸収することができるインコネル板やFe−Cr系金属板等を用いても構わない。
また、本実施形態では、電極ペーストとして、PtやAg等のグリーンレーザの吸収率が低い材料を採用しているが、電極膜3に直接レーザ光が照射されるのではなく、金属薄板の板状部4aにレーザ光が照射され、板状部4aが熔融されることにより、板状部4aと電極膜3とが接合するので、電極膜3を選択するにあたってグリーンレーザの吸収率を特に考慮する必要がない。
このとき、板状部4aの外縁部近傍の少なくとも1箇所を電極膜3に押さえ付けた状態で溶接を行う。例えば、図4に示すように、レーザ溶接される中央部から離れた板状部4aの四隅をそれぞれ押さえピンPで電極膜3に押し付けて固定した状態で、中央部にレーザ光Lを照射して溶接を行う。
この後、サーミスタ用金属酸化物焼結体2全体を板状部4aと共にガラス材(図示略)で封止して、サーミスタ素子1が作製される。
このように本実施形態のサーミスタ素子1およびその製造方法では、電極線4が、少なくとも先端部に板状に拡がった板状部4aを有し、板状部4aの中央部で電極膜3と溶接されるので、図2に示すように、レーザ溶接や抵抗溶接時の熱エネルギーは板状部4aの中央部から平面方向の四方八方に拡がることで溶接部となる熔融部Mも平面方向に拡がる。また、板状部4aと電極膜3とは面接触しているので、拡がった熱エネルギーが効率的に電極膜3に伝わることで、ナゲットNが板状部4aおよび電極膜3の平面方向に長軸を配した断面楕円状となり、熔融した電極線4の電極膜3への溶け込み量が低減されると共に接合強度も向上する。
また、板状部4aが、電極膜3と略同形状とされているので、電極膜3全体に効率的に溶接時の熱エネルギーを伝えることができ、より良好な溶接状態を得ることができる。
さらに、板状部4aの外縁部近傍の少なくとも1箇所を電極膜3に押さえ付けた状態で溶接を行うので、溶接時における電極線4の反りが抑制され、安定した溶接が可能になる。また、レーザ切断加工後や打ち抜き加工後に電極線4を取り出す際、僅かな反りが発生するが、この反りも矯正して溶接することができる。
また、金属薄板をレーザ切断加工して、電極線4を作製するので、金属薄板から様々な形状の板状部4aを有する電極線4を高精度に形成可能である。
なお、上記実施形態では、リード部4bは細く延びる棒状に形成しているが、図5の(a)に示すように、リード部24bも板状部24aと同じ幅にして延ばし長板状にした電極線24でも構わない。
また、上記実施形態のように板状部4aを電極膜3の形状と略同じな長方形状とすることが好ましいが、図5の(b)(c)に示すような他の形態としても構わない。すなわち、図5の(b)に示すように、円形状の板状部34aを有した電極線34としてもよい。また、図5の(c)に示すように、円形状の板状部44aの外周部にさらに電極膜3の四隅に向けてそれぞれ延びた4つの突出部44cが形成された電極線44でも構わない。これら突出部44cは、それぞれ溶接時に板状部44aの外縁部近傍の押さえピンPによる押さえ用として機能する。
次に、図1に示す本実施形態のサーミスタ素子1を実際に作製した実施例について、評価した結果を説明する。
本発明の実施例としてサーミスタ用金属酸化物焼結体2のチップサイズは、0.5mm×0.5mmの平面視正方形状で厚さ0.5mmとし、電極膜3を厚さ30μmのPt膜とした。また、電極線4は、厚さ0.15mmのSUS310S製板からグリーンレーザ光によるレーザ切断加工で切り出したものであり、板状部4aのサイズを0.45mm×0.45mmの正方形状とし、リード部4bのサイズを長さ5mmで幅0.15mmとした。
この本発明の実施例について、レーザスポット径をφ0.10mmとし、2通りのレーザ出力条件A,Bとした場合で、図2に示すように、板状部4aの中央部をレーザ溶接した際の熔融部Mの長さL1、熔融部Mの幅W1および熔融部Mの長軸方向を調べた(表1中の「板状0.45□」)。この結果を、表1に示す。なお、比較例として、直径φ0.15mmの丸棒状の電極線104を用いて、同様にレーザ溶接した場合について同様にして調べた(表1中の「丸棒0.15φ」)。なお、電極線104および板状部4aの深さ方向(厚さ方向)を0.15mmと一定にした条件で比較している。また、比較例において、電極線104と電極膜3との接触長さは、0.3mmとした。この比較例の結果も併せて表1に示す。
この評価結果からわかるように、比較例では、いずれも熔融部の長軸方向が電極膜の厚さ方向に配されて深く溶け込んでいるのに対し、本発明の実施例は、いずれも熔融部の長軸方向が電極膜の平面方向に沿って配されて浅くかつ広い幅で溶け込んでいる。
次に、本発明の実施例についてレーザ溶接部分の拡大断面図(電極線に沿った縦断面図)を図6に示す。この実施例は、レーザ出力条件をCとし、サーミスタ用金属酸化物焼結体2のチップサイズを、0.6mm×0.6mmの平面視正方形状で厚さ0.2mmとし、電極膜3を厚さ20μmのAu膜とした。また、電極線4は、厚さ0.1mmのSUS310S製板からグリーンレーザ光によるレーザ切断加工で切り出したものであり、板状部4aのサイズを0.6mm×0.6mmの正方形状とし、リード部4bのサイズを長さ5mmで幅0.3mmとした。なお、比較例として、丸棒状の電極線104を用いた場合についても、レーザ溶接部分の拡大断面図(電極線の延在方向に直交した縦断面図)を図7に示す。この比較例は、本発明の実施例と同じサーミスタ用金属酸化物焼結体および電極膜とし、直径φ0.2mmのSUS310S製の電極線を用いた。なお、電極線4のリード部4bの断面積は、実施例においては、0.1×0.3=0.03mmとなり、比較例においては、0.1×0.1×3.14〜0.03mmとなることから、電極線のリード部の強度を同じにすることで、実施例と比較例とを比較することができる。
これら拡大断面図からわかるように、比較例では、熔融部が電極膜3を貫通してサーミスタ用金属酸化物焼結体2まで達していると共にクラックも発生しているのに対し、本発明の実施例では、熔融部Mが電極膜3には到達しているが、サーミスタ用金属酸化物焼結体2内部までは達しておらず、クラックも発生していない。このように、本発明では、電極線4(板状部4a)がサーミスタ用金属酸化物焼結体2に影響を与えずに良好に電極膜3に溶接されていることがわかる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態および実施例では、レーザ溶接を採用しているが、抵抗溶接により溶接しても構わない。特に、電極線の溶接部分が板状であるため、抵抗溶接が容易となる。すなわち、圧力を加えながら電気を流すため、溶接ヘッドの形状は通常、面状であり、溶接ヘッドと板状部とを面接触させることができるため、効果的に電流を流すことができる。その結果、効果的に熱が加わって安定した溶接が可能である。
1…サーミスタ素子、2…サーミスタ用金属酸化物焼結体、3…電極膜、4,24,34,44…電極線、4a,24a,34a,44a…板状部、4b,24b…リード部、L…レーザ光

Claims (6)

  1. チップ状のサーミスタ用金属酸化物焼結体と、
    該サーミスタ用金属酸化物焼結体に形成された一対の電極膜と、
    一対の前記電極膜に接合された一対の電極線とを備え、
    一対の前記電極線が、少なくとも先端部に板状に拡がった板状部を有し、該板状部の中央部で前記電極膜と溶接されていることを特徴とするサーミスタ素子。
  2. 請求項1に記載のサーミスタ素子において、
    前記板状部が、前記電極膜と略同形状とされていることを特徴とするサーミスタ素子。
  3. 請求項1または2に記載のサーミスタ素子を作製する方法であって、
    一対の電極膜が形成されたチップ状のサーミスタ用金属酸化物焼結体の前記電極膜に一対の電極線を接合する電極線接合工程を有し、
    一対の前記電極線が、少なくとも先端部に板状に拡がった板状部を有し、
    前記電極線接合工程において、前記板状部の中央部で前記電極膜と溶接することを特徴とするサーミスタ素子の製造方法。
  4. 請求項3に記載のサーミスタ素子の製造方法において、
    前記溶接が、レーザ溶接または抵抗溶接であることを特徴とするサーミスタ素子の製造方法。
  5. 請求項3または4に記載のサーミスタ素子の製造方法において、
    前記板状部の外縁部近傍の少なくとも1箇所を前記電極膜に押さえ付けた状態で前記溶接を行うことを特徴とするサーミスタ素子の製造方法。
  6. 請求項3から5のいずれか一項に記載のサーミスタ素子の製造方法において、
    金属薄板をレーザ切断加工して、前記電極線を作製することを特徴とするサーミスタ素子の製造方法。
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