JP2012179693A - ワイヤーソー用ローラ、ワイヤーソー用ローラの製造方法及びワイヤーソー用ローラのリサイクル方法 - Google Patents

ワイヤーソー用ローラ、ワイヤーソー用ローラの製造方法及びワイヤーソー用ローラのリサイクル方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、ワイヤーソー用ローラにおいて、円筒状外層体を芯材から容易且つ確実に離脱することができ、容易且つ低コストでリサイクルできるワイヤーソー用ローラを提供することである。
【解決手段】本発明は、略円柱状の芯材、上記芯材の外周面に外嵌されるウレタン系樹脂製の円筒状外層体、及び芯材と円筒状外層体との間に介在される接着層を備え、上記接着層が、芯材との接着力よりも円筒状外層体との接着力の方が大きいワイヤーソー用ローラである。また、上記接着層が、少なくともポリオール成分とイソシアネート成分とを含む反応性接着剤から構成されているワイヤーソー用ローラである。
【選択図】図2

Description

本発明は、ワイヤーソー用ローラ、ワイヤーソー用ローラの製造方法及びワイヤーソー用ローラのリサイクル方法に関する。
インゴット(SiC、サファイヤ、水晶、ガラス、磁性材料、セラミック等)等の各種のワーク(被加工物)を切断するために、ワイヤーソーが用いられている。ワイヤーソーにおいては、複数の円柱状のメインローラが所定間隔おきに平行に配設され、それらのメインローラの外周面には、ワイヤーを掛装可能なように複数のワイヤー溝が所定ピッチで形成されている。
ワイヤーソーによるインゴットの切断加工は、メインローラを回転させて掛装されたワイヤーを走行させながら、そのワイヤー上に砥粒を含むスラリーを供給し、この状態でワイヤーに対してワークを圧接することによって行われる。メインローラに掛装されるワイヤーとしてはピアノ線が広く使用されるが、ダイヤモンドを電着又はボンド等して得られた固定砥粒ワイヤーを使用する場合には、ワイヤー上に水性のクーラントを供給することにより、短時間でインゴットの切断加工をすることができる。
上述のようなワイヤーソーは、例えば結晶系太陽電池の製造に際し用いられる。この結晶系太陽電池の製造にあっては、単結晶又は多結晶シリコンインゴットを、上記ワイヤーソーにより薄く切断してシリコンウエハを作製後、このシリコンウエハの外周面取り、研磨、不純物除去、鏡面研磨及び洗浄の各工程を経て、太陽電池セルが製造されている。この太陽電池において、光を電気に変換するための素子としての機能は、表面から数μm程度の部分が奏するが、上記ワイヤーソーによって切断されるシリコンウエハの厚みは通常180μm〜200μm程度である。上述の太陽電池の制作コストにあっては、約4割がセル(シリコンウエハ)のコストであり、太陽電池の制作コスト低減のためには、インゴットの加工コストや消耗部品のコストを低減する必要がある。
メインローラにおいては、繰り返しの使用によりワイヤー溝の部分の円筒状外層体が摩耗し、加工するシリコンウエハの厚み精度が得られなくなったとき、ワイヤーソー用ローラの円筒状外層体を芯材から削りだし、新たにポリウレタン系樹脂を注型、その外周にワイヤー溝を形成して、ワイヤーソー用ローラの芯材をリサイクルすることが考えられる。
このリサイクルに際しては、まず、芯材から円筒状外層体を離脱する作業が必要であるが、従来のワイヤーソー用ローラにあっては、芯材と円筒状外層体とが強固に接着されているため、円筒状外層体の離脱作業が煩雑且つ困難である。つまり、円筒状外層体の芯材への外嵌は、加硫系接着剤を塗布した芯材を金型に挿入した後、そこに円筒状外層体の原料を注入し、加熱・硬化と同時に加硫接着することにより行われる。そのため、円筒状外層体を離脱するには、旋盤を用いて円筒状外層体を芯材から削り取り、円筒状外層体を削り取った芯材の外周面をブラスト処理して、さらにはブラスト処理後に芯材の外周面を洗浄することが必要である。この作業は工数が多く煩雑であり、また設備投資が必要であるため、メインローラのコスト増加、すなわちシリコンウエハの加工単価の増大につながる。特に、上記のような太陽電池の製造に用いられるワイヤーソー用ローラにあっては、芯材と円筒状外層体とを足し合わせたものは、1本当たり100kg以上の重量物であるため、上記削り取りやブラスト処理等の作業に必要な設備が巨額となり、さらに1時間程度の工程を必要とするため、コスト増加を免れない。また、金型で注型した円筒状外層体は、型内架橋したものを24時間ポストキュアーし、さらに室温で一週間程度保管する必要があり、納期がかかるといった問題点がある。
また、ワイヤーソー用ローラの芯材への円筒状外層体の外嵌に関して、実開平5−41664号公報には、円筒状外層体が挿入され、圧入、接着、圧入・接着等の固定手段により芯材に取り付けられることが記載されている。この実開平5−41664号公報所載の円筒状外層体の取付方法として円筒状外層体を芯材に接着する場合において、上述した加硫系接着剤のような接着剤を用いると、芯材から離脱するに際し、上述したものと同様に、円筒状外層体の削り取りの処理、芯材表面のブラスト処理及び洗浄処理が必要となる。この作業は工数が多く煩雑であり、また設備投資が必要でコスト削減を図ることができないという不都合がある。なお、実開平5−41664号公報所載の円筒状外層体の取付方法のうち、接着を行わずに圧入又は挿入のみにより円筒状外層体を取り付ける場合には、外嵌した円筒状外層体にワイヤー溝を形成する際に、円筒状外層体が芯材の表面を滑ってしまい、的確にワイヤー溝を形成できないおそれがある。
実開平5−41664号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、円筒状外層体を芯材から容易且つ確実に離脱することができ、容易且つ低コストでリサイクルすることが可能であるワイヤーソー用ローラ、ワイヤーソー用ローラの製造方法、及びワイヤーソー用ローラのリサイクル方法を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、略円柱状の芯材、上記芯材の外周面に外嵌されるウレタン系樹脂製の円筒状外層体、及び上記芯材と円筒状外層体との間に配設された接着層を備え、上記接着層が、芯材との接着力よりも円筒状外層体との接着力の方が大きいワイヤーソー用ローラである。
当該ワイヤーソー用ローラは、上記接着層が、芯材との接着力よりも円筒状外層体との接着力の方が大きいため、リサイクルに際して円筒状外層体を芯材から離脱する際に、接着層が円筒状外層体に付着した状態で芯材から剥離されやすく、従来の加硫系接着剤等で固着させたものに比べ、接着剤が芯材に残存し難いという利点を有する。すなわち、円筒状外層体を芯材から離脱する際、接着層は円筒状外層体に接着した状態で離脱され、芯材側には残存し難いため、従来のような芯材からの円筒状外層体の削りだし、芯材のブラスト処理等が必ずしも必要ではない。従って、円筒状外層体を容易且つ確実に離脱することができ、容易且つ低コストで当該ワイヤーソー用ローラをリサイクルすることができる。
なお、ここで、「接着層において、芯材との接着力よりも円筒状外層体との接着力の方が大きい」とは、接着層が芯材よりも円筒状外層体と強固に接着し、円筒状外層体を芯材から離脱した際には、接着層が芯材よりも円筒状外層体により多く接着した状態となることをいう。
また、当該発明は、円柱状の芯材の外周面に、ウレタン系樹脂製の円筒状外層体を外嵌したワイヤーソー用ローラを製造するワイヤーソー用ローラの製造方法であって、上記円筒状外層体を成形する円筒状外層体成形工程、上記芯材の外周面又は/及び上記円筒状外層体の内周面に接着層を形成する接着層形成工程、及び上記接着層形成工程の後に、上記円筒状外層体を上記芯材に外嵌する外嵌工程を備え、上記接着層が、芯材との接着力よりも円筒状外層体との接着力の方が大きいワイヤーソー用ローラの製造方法である。
当該製造方法によれば、本発明のワイヤーソー用ローラを製造することができ、当該ワイヤーソー用ローラと同様の作用効果を奏することができる。
当該発明は、円柱状の芯材の外周面に、ウレタン系樹脂製の円筒状外層体を外嵌したワイヤーソー用ローラをリサイクルするワイヤーソー用ローラのリサイクル方法であって、リサイクル対象であるワイヤーソー用ローラの芯材から、円筒状外層体を離脱する離脱工程、上記円筒状外層体を離脱した芯材の外周面又は/及び新しい円筒状外層体の内周面に接着層を形成する接着層形成工程、及び上記接着層形成工程の後に、上記新しい円筒状外層体を上記芯材に外嵌する外嵌工程を備え、上記接着層が、芯材との接着力よりも円筒状外層体との接着力の方が大きいワイヤーソー用ローラのリサイクル方法も含む。
当該リサイクル方法によってリサイクルされたワイヤーソー用ローラを再度リサイクルする際に、芯材と円筒状外層体とを従来の加硫系接着剤等で固着するものに比して、円筒状外層体を離脱しやすく、芯材からの円筒状外層体の削りだし及び芯材のブラスト処理等が必ずしも必要ではない。このため、当該リサイクル方法によれば、円筒状外層体を容易且つ確実に離脱することができ、容易且つ低コストでワイヤーソー用ローラをリサイクルすることができる。
当該発明にあっては、上記接着層が、少なくともポリオール成分とイソシアネート成分とを含む反応性接着剤から構成されていることが好ましい。ポリオール成分とイソシアネート成分とを含む反応性接着剤は、ウレタン系樹脂との接着性が高いため、接着時にはウレタン系樹脂からなる円筒外層体に十分に接着し、円筒状外層体に力が作用しても円筒状外層体が芯材の表面を滑ることを的確に防止できる。また、ポリオール成分とイソシアネート成分とを含む反応性接着剤は、ウレタン系樹脂と極性が近いことから、ウレタン系樹脂からなる円筒状外層体との接着力がより大きくなる。このことにより、当該ワイヤーソー用ローラをリサイクルするために円筒状外層体を芯材から離脱する際、接着剤が円筒状外層体に接着した状態で剥離されやすく、芯材には残存し難くなるため、円筒状外層体をより容易且つ確実に離脱することができ、容易且つ低コストで当該ワイヤーソー用ローラをリサイクルすることができる。
上記反応性接着剤からなる接着層の表面硬度としては、60以上が好ましい。上記接着層の表面硬度を60以上とすることで、当該ワイヤーソー用ローラをリサイクルするために円筒状外層体を芯材から離脱する際、凝集破壊が起こり難くなり、芯材への接着層の残存をさらに低減することができる。これにより、芯金の再利用に必要な時間を大幅に短縮することができる。
ここで、表面硬度とは、JIS S6050に規定するアスカー硬度計C型で測定した硬度をいう。
当該発明にあっては、上記接着層が、ポリビニルアルコールを含む接着剤から構成されてもよい。また、ポリビニルアルコールを含む接着剤は、芯金との接着力よりもウレタン系樹脂からなる円筒状外層体との接着力の方が大きいことから、当該ワイヤーソー用ローラをリサイクルするために円筒状外層体を芯材から離脱する際、接着剤が円筒状外層体に接着したままで剥離されやすく、芯材に残存し難くなり、円筒状外層体をより容易且つ確実に離脱することができる。
上記ポリビニルアルコールを含む接着剤が、可塑剤としてグリセリンを含み、そのグリセリンの含有量が1質量%以上50質量%以下であるとよい。上記ポリビニルアルコールを含む接着剤がこのようにグリセリンを1質量%以上50質量%以下の濃度で含有することにより、円筒性外層体又は芯材に塗布する際に、ポリビニルアルコール水溶液の粘度を調節して平滑性を高めることが可能となるため、接着層を均一な膜厚に形成することができる。これにより、当該ワイヤーソー用ローラを用いて切断されるシリコンウエハの厚み精度が良好となる。
上記円筒状外層体の内部に包含される微細気泡の密度が、半径方向外方に向かって漸進的に疎になることにより、外周面の周辺で微細気泡の密度が疎になるため、ウレタン系樹脂が本来的に有する高度な耐摩耗性が確実に発揮され、結果として円筒状外層体の剛性の低下が抑制される。
なお、「微細気泡」とは、ウレタン系樹脂の硬化時に空気が内部に閉じこめられることによって形成された気泡(通常は独立気泡である)であって、球形換算直径5μm以上2000μm以下のものを意味する。「微細気泡の密度が漸進的に疎になること」とは、円筒状外層体を均等な所定厚みを有する3つ以上の円筒状体に分断した場合において、それぞれの円筒状体の内部に包含される微細気泡の密度が、内周面側から外周面側に向かって順次に又は断続的に疎になっていくこと(小さくなっていくこと)を意味する。すなわち、円筒状外層体の単位体積あたりの微細気泡の総体積は、円筒状外層体の内周面側より外周面側において小となっている。例えば、微細気泡1つあたりの大きさ(体積)が全て同一であると仮定すれば、単位体積あたりの微細気泡の数は、円筒状外層体の内周面よりも外周面側で少なくなっている。
当該ワイヤーソー用ローラの円筒状外層体は、外周にワイヤー溝が形成されるとよい。このように、円筒状外層体の外周面に、周方向に沿う複数のワイヤー溝が形成される構成を採用することより、この複数のワイヤー溝にワイヤーを架けて、ワークの切断作業を行うことができる。
以上説明したように、本発明のワイヤーソー用ローラは、円筒状外層体を芯材から容易且つ確実に離脱することができるため、容易且つ低コストでワイヤーソー用ローラをリサイクルすることができる。
図1は、本発明のワイヤーソー用ローラを示す図である。 図2は、本発明のワイヤーソー用ローラの断面を示す図である。 図3は、図1のワイヤーソー用ローラの円筒状外層体の外周面周辺を示す部分的な拡大断面図である。 図4は、本発明のワイヤーソー用ローラの製造方法のフローチャートである。 図5は、図4の製造方法において、外嵌工程の前の円筒状外層体及び芯金の斜視図である。 図6は、本発明のワイヤーソー用ローラを備えたワイヤーソー切断装置(ワイヤーソーにおけるワーク切断機構の部分)を示す斜視図である。 図7は、本発明のワイヤーソー用ローラのリサイクル方法のフローチャートである。 図8は、ワイヤーソー用ローラの円筒成形体の外周面周辺を示す偏光顕微鏡による拡大写真である。 図9は、比較例3で得られたワイヤーソー用ローラの円筒状外層体の外周面周辺を示す偏光顕微鏡による拡大写真である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳説する。
<第一形態のワイヤーソー用ローラ>
図1及び図2で示す本発明のワイヤーソー用ローラは、略円柱状の芯金1(芯材)と、芯金1の外周面に外嵌される円筒状外層体2と、芯金1及び円筒状外層体2間に介在される接着層3とを備える。
上記芯金1は、中空の円柱形状を有している。芯金1の厚みは、特に限定されないが、典型的には5mm以上50mm以下である。また、芯金1の外径は、210mmのものを用いているが、10cm以上50cm以下とすることが可能である。芯金1の材料は、例えばクロム鋼及び鋳物から構成することができる。なお、この芯金1の材料は、ワークの加工・切断時にかかる応力に耐えうると共に、回転による振れ精度を十分確保することができる程度の剛性を有するものである限り特に限定されず、例えばモリブデン鋼、ステンレス等の中から適宜選択することが可能である。芯金1の形成方法としては、特に限定されず、鋳造、鍛造、半溶融鍛造等の公知の方法を採用することができる。なお、本願発明にあっては、芯材として上記芯金1のほか、例えばカーボン製の芯材を用いることも可能であるが、本願発明にあっては後述の線膨張係数の観点から上記のような金属製の芯金から構成することが好ましい。
上記円筒状外層体2は、図3に示すように、ワイヤー溝4、仕切壁5を備えている。そして、この円筒状外層体2は、ウレタン系樹脂によって一体的に形成されている。なお、上記のように円筒状外層体2がウレタン系樹脂からなるので、ワイヤーソーの運転時のワイヤーによる円筒状外層体2(ワイヤー溝4)の摩耗を低減することができる。
円筒状外層体2の径方向の厚み(肉厚)は、強度保持及び製造コスト低減の観点から、室温状態において、例えば1mm以上15mm以下とすることが好ましく、1.5mm以上3mm以下とすることがより好ましい。
また、上記円筒状外層体2の線膨張係数が上記芯材1の線膨張係数よりも大きく、室温状態において、上記円筒状外層体2に、この円筒状外層体2の内径が上記芯材1の外径よりも小さくなろうとする縮径力が作用するように設けられている。上述のように、円筒状外層体2がウレタン系樹脂によって形成されていることによって、上記円筒状外層体2の線膨張係数が上記芯金1の線膨張係数よりも大きく構成されている。具体的には、上記円筒状外層体2の線膨張係数は、1.1×10−4であり、芯金1の線膨張係数は、1.15×10−5である。
また、上記円筒状外層体2は、室温状態において、円筒状外層体2の内径が上記芯金1の外径よりも小さくなろうとする縮径力が作用するよう設けられている。具体的には、円筒状外層体2は、芯金1に外嵌装着される前の状態において、その内径が、室温状態で上記芯金1の外径よりも小さく設けられており、具体的には室温状態において内径が210mmのものを用いている。なお、ここで、この室温状態における円筒状外層体2の内径と芯金1の外径との差は、本実施形態においては−0.01mm以上−2mm以下であるが、−0.3mm以上−0.75mm以下(スリーブ厚み1.5〜3.0mmを想定)とすることが好ましく、−0.45mm以上−0.65mm以下(スリーブ厚み2.0〜2.5mmを想定)とすることがより好ましい。
上記円筒状外層体2の材料であるウレタン系樹脂としては、公知のものを使用することができる。ウレタン系樹脂の製造方法としては、プレポリマー法、擬プレポリマー法、ワンショット法、擬ワンショット法等が挙げられるが、プレポリマー法が最も一般的である。プレポリマー法においては、典型的に、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを約50〜150℃で反応させることによってウレタンプレポリマーを合成し、このウレタンプレポリマー及び適当量の硬化剤(並びに他の任意成分)を約50〜150℃で加熱し反応・硬化させることによって、ウレタン系樹脂を製造することができる。ウレタン系樹脂は、所望の形状を有する金型に液状の原料(ウレタンプレポリマー及び硬化剤等)を注入し、加熱・硬化させることによって成形することができる。
ウレタン系樹脂を製造する際において、ポリオール化合物の水酸基に対するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基のモル比は、1.0以上とすることが好ましい。ポリオール化合物の水酸基に対するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の当量比率(NCO/OH)が1.0以上となるようにポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させることによって、ワイヤーソー用ローラの円筒状外層体としての使用に好適な弾性及び耐摩耗性を有するウレタン系樹脂を得ることができる。ウレタン系樹脂の表面硬度は、JIS−A硬度(JIS−K6253に準拠して20℃で測定)において、80以上であることが好ましい。表面硬度が高いウレタン系樹脂で円筒状外層体2を形成することによって、後述するワイヤー溝4の間の仕切壁5の剛性をさらに高めることができ、結果として、ワークの切断面が波打つことがなくなり、ワイヤーソーによる加工品の歩留まりを向上させることができる。
ウレタン系樹脂の合成に用いられるポリイソシアネート化合物の例としては、
フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−トリジンジイソシアネート(TODI)、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等の芳香族ジイソシアネート;
シクロペンタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート;
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。
これらのポリイソシアネート化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ウレタン系樹脂の合成に用いられるポリオール化合物の例としては、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール等が挙げられる。これらのポリオール成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの単独又は共重合体;テトラメチレンエーテルグリコールを含んでなる単独又は共重合体;ヒドロキシル基に対して炭素数2〜4のアルキレンオキサイド1〜5モルが付加した付加体等のビスフェノールA又は水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体が挙げられる。
ポリエステル系ポリオールは、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸又はこれらのジアルキルエステル;アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はこれらのジアルキルエステル等から選択された少なくとも1種のジカルボン酸又はこれらのジアルキルエステルと、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の炭素数2〜10のアルカンジオール、ジエチレングリコール等の炭素数2〜10のジ又はトリアルカンジオール等から選択された少なくとも1種のアルカンジオール成分との反応により得ることができる。
アジピン酸をジカルボン酸成分のベースとしたポリエステル系ポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジぺート(PEA)、ポリジエチレンアジぺート(PDA)、ポリプロピレンアジペート(PPA)、ポリテトラメチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)、これらの成分を組み合わせた共重合体等が挙げられる。なお、ポリエステル系ポリオールには、ラクトン類(ε−カプワイヤーソー用ローラクトン、δ−バレワイヤーソー用ローラクトン、β−メチル−δ−バレワイヤーソー用ローラクトン等の炭素数3〜14のラクトン)の単独重合体又は共重合体も含まれる。
ポリカーボネート系ポリオールとしては、例えば、アルカンポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール等のポリオール、ジメチルカーボネート等の短鎖ジアルキルカーボネートとの反応により得られるポリカーボネートジオール等が挙げられる。ポリカーボネート系ポリオールとしては、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネート(PHC)等が挙げられる。
また、ポリオレフィン系ポリオールとしては、例えば、ポリブタンジエンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ひまし油変性ポリオール、ブタジエンとスチレン若しくはアクリロニトリルとの共重合体の末端に水酸基を導入したもの等が挙げられる。
ポリオール化合物の分子量は、数平均分子量400以上10,000以下、好ましくは500以上8,000以下、さらに好ましくは550以上5,000以下である。また、ポリオール化合物は、結晶性であっても非結晶性であってもよい。
ウレタン系樹脂の合成に用いられる硬化剤としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール,ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量400までのポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、分子量400までのポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、分子量400までのポリブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ヒマシ油、4,4’−ジオキシジフェニルプロパン、ジオキシメチルヒロドキノン等の低分子量グリコール(上記のポリエステル系ポリオールと重複しない化合物);
エチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、ポリオキシポロピレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;
4,4’−メチレン−ビス−2−メチルシクロヘキシルアミン等の脂環族ポリアミン;
1,4−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、1,5−ナフタレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1−メチル−3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5’−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(オルト−クロロアニリン)、4,4’−メチレン−ビス―(2,3−ジクロロアニリン)、トリメチレングリコールジ−パラ−アミノベンゾエート、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(2−メチル−6−イソプロピルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、クロロアニリン変性ジクロロジアミノジフェニルメタン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、メチレンジアニリン/塩化ナトリウム錯体、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゼン等の芳香族ポリアミン等が挙げられる。
上記円筒状外層体2の材料であるウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ポリオール化合物及び1,5−ナフタレンジイソシアネート化合物から得られたプレポリマーと、硬化剤とを反応させることによって得られたウレタン系樹脂が最も好ましい。このような組成のウレタン系樹脂は、格段に高い耐摩耗性及び耐荷重性を有し、耐熱性、耐油性等のその他の諸特性も優れている。従って、このようなウレタン系樹脂から形成された円筒状外層体2を用いることにより、ワイヤー溝4の間の仕切壁5の耐久性、ひいては円筒状外層体2の寿命をさらに高め、長期間にわたって加工品の歩留まりを高いレベルに維持することができる。
なお、上記円筒状外層体2は、芯金1に外嵌装着される前に、上記材料が型内で遠心成型されることによって円筒状に形成されており、このように成型された円筒状外層体2が芯金1に外嵌装着された後に、その外周面にワイヤー溝4が刻設されて上記構成からなる円筒状外層体2が構成されている。
上記ワイヤー溝4は、上記円筒状外層体2の外周面において周方向に沿って形成された環状溝から構成されている。ワイヤー溝4の断面形状は、ワイヤーソーの運転中においてもワイヤーが安定して配置されうる限り特に限定されるものではない。ワイヤー溝4の断面形状の一般的な例としては、底部から上方の開口部に向かって拡張しており、底部が半円状又は所定角度を有する多段状に形成されている断面形状を挙げることができる。またワイヤー溝4の底面周辺及び上部において、開口角度に変化を設けてもよい。
上記円筒状外層体2の外周面には、軸方向に複数の上記ワイヤー溝4が形成され、この複数のワイヤー溝4は本実施形態においては同一ピッチで配設されている。このワイヤー溝4のピッチPは、ワークの切断・加工により製造する加工品の厚みの要求次第で変化させることができる。このように外周面に複数のワイヤー溝4を有する円筒状外層体2は、後述するように、内部に包含される微細気泡6の密度が半径方向外方に向かって漸進的に疎になるように形成されているため、ウレタン系樹脂が本来的に有する高度な耐摩耗性が確実に発揮され、結果として、後述する仕切壁5の剛性低下が抑制され、加工品の歩留まりも向上する。このような仕切壁の剛性低下の抑制は、ウレタン系樹脂の高度な耐摩耗性の発現によって、ワイヤー溝が溝底方向に向かって均等に摩耗することに起因するものと考えられる。従って、このような構造を有する円筒状外層体2の外周面に形成されたワイヤー溝4のピッチPは、100μm以上1000μm以下の程度にまで小さくすることが可能である。このように、加工品の良好な歩留まりを保ちつつワイヤー溝4のピッチPを極めて小さい値にまで短小化することで、近年における太陽電池用のシリコンウエハに代表されるように加工品の薄膜化傾向に十分対応することができる。なお、ワイヤー溝4の底部から開口部までの垂直長さ(溝の深さ)は、特に限定されないが、例えば50μm以上400μm以下とすることができる。
仕切壁5は、ワイヤーソー用ローラの円筒状外層体2の外周面において周方向に形成された複数のワイヤー溝4を隔てる壁部である。仕切壁5は、ワイヤー溝4の各々にワイヤーが配置される際に、各ワイヤーの両側においてワイヤーを接触・保持する。仕切壁5の側面形状は、ワイヤー溝4が形成されることで規定される。また、仕切壁5の厚みは、形成されるワイヤー溝4のピッチP及び同溝の形成角度によって規定される。後述するように、円筒状外層体2は、内部に包含される微細気泡6の密度が半径方向外方に向かって漸進的に疎になるように形成されているため、仕切壁5の剛性の低下が防止され、加工品の厚みのバラツキを抑制することができる。
微細気泡6は、上で定義したとおり、ウレタン系樹脂の硬化時に空気が内部に閉じこめられることによって形成された気泡であって、直径5μm以上2000μm以下のものを意味する。円筒状外層体2内部に包含される微細気泡6の密度は、中心軸から外周面方向に向かって漸進的に疎になる。このように、円筒状外層体2の内部において、半径方向外方に向かって微細気泡6の密度の傾斜が存在し、外周面の周辺で微細気泡6の密度が疎になるため、ウレタン系樹脂の特性である高度な耐摩耗性が十分に発現し、結果として、仕切壁5の剛性の低下が抑制され、ひいては加工品の厚みのバラツキを格段に小さくすることができる。
さらに、円筒状外層体2の外周面から厚さ5mmの表層部分が、直径20μm以上の微細気泡6が存在しない無微細気泡部位に設けられている。このように円筒状外層体2の外周面に比較的近い位置において、有意な大きさの直径を有する微細気泡6が一切存在しないことにより、ワイヤー溝4の摩耗方向をより精度良く溝底方向に向かわせると同時に、仕切壁5の剛性をさらに高めることができる。
このような円筒状外層体2における微細気泡6の密度傾斜は、ウレタン系樹脂の硬化前に遠心成形を行うことによって得ることができる。このようにウレタン系樹脂の硬化前に遠心成形を行うことで、硬化速度の大きなウレタン系樹脂を用いた場合においても、ウレタン系樹脂と空気との密度差及び遠心力を利用することにより、硬化前のウレタン系樹脂の注型液内部に存在する気泡を、円筒状外層体2の外周面の周辺から中心軸方向へと速やかに追いやることが可能となる。すなわち、このような遠心力を利用した方法で円筒状外層体2を形成することによって、内部に包含される微細気泡の密度が半径方向外方に向かって漸進的に疎になる状態、好ましくは外周面から厚さ5mmの表層部分において直径20μm以上の微細気泡が存在しない状態を、効率良く作り出すことができる。
この円筒状外層体2の遠心成形のためには、遠心金型ドラムを用いることができる。遠心金型ドラムは、高速で回転可能な円筒体である。遠心金型ドラムの原理は、ドラム内部に成形原料を入れ、次いでドラムを高速で回転させることによって、成形原料に重力効果Gを与えてドラムの内壁方向に押し付けると共に、成形原料の内部に包含される気体(微細気泡)をドラムの中心軸方向(空気面)に追いやり、微細気泡を含まない成形体を製造するというものである。遠心金型ドラムの寸法は、特に限定されず、所望の成形体の大きさに合わせて設計される。
このように、上記円筒状外層体2は、周方向に形成された複数のワイヤー溝4を外周面に有し、ウレタン系樹脂によって形成されていると共に、内部に包含される微細気泡6の密度が半径方向外方に向かって漸進的に疎になるように構成されている。具体的には、上記のように遠心金型ドラムを用いて成形した円筒状外層体の外周面の周辺断面の偏光顕微鏡写真(100倍;反射モード)を図8に示す。図8から分かるように、円筒状外層体の外周面の周辺からは微小気泡が観察されなかった。また、同様に、円筒状外層体の金型面から中心軸方向に向かって厚さ5mmの位置までは、微小気泡の存在が確認されなかった。このため、この円筒状外層体2を備えたワイヤーソー用ローラにあっては、ワイヤーソー運転時の耐摩耗性及びクーラントに対する耐膨潤性を付与するとともに、仕切壁5の剛性を長期間にわたって高いレベルに保つことができ、得られるシリコンウエハの厚みのバラツキを抑制することができる。
上記接着層3は、接着剤から形成されている。この接着層3を構成する接着剤は、円筒状外層体2が外嵌装着される前に、芯金1の外周面に塗布されて、その後に円筒状外層体2が芯金1に外嵌装着されることによって、芯金1及び円筒状外層体2間に接着層3は介在されている。なお、接着剤の塗布方法(接着層の形成方法)としては、例えば、リング塗工による方法、スタンプローラ(塗工ローラ)による方法、ガンスプレーによる方法、ノズルコーターによる方法、刷毛塗りによる方法、ディッピングによる方法等を用いることができる。
上記接着剤としては、上記円筒状外層体2との接着力より、上記芯金1との接着力が小さくなるよう構成され得る接着剤であれば特に限定されるものではない。すなわち、円筒状外層体2を芯金1から離脱した際に、接着剤が円筒状外層体2に固着した状態で芯金1から離脱されるような接着剤である。具体的には、例えば、ウレタン樹脂系接着剤等を用いることができる。
ウレタン系樹脂接着剤は、主成分として、水酸基を有するポリオール化合物と、イソシアネート化合物との付加反応により生成されるウレタン結合を分子内に有する反応性接着剤である。上記ウレタン系樹脂接着剤は、金属及びウレタン系樹脂との接着性が高いため、圧入接着時には芯金及びウレタン系樹脂からなる円筒外層体2に十分に接着し、円筒状外層体に周方向の力が作用しても円筒状外層体2が芯材の表面を滑ることを的確に防止できる。また、ポリオール成分とイソシアネート成分とを含む反応性接着剤である上記ウレタン系樹脂接着剤は、ウレタン系樹脂と極性が近いことから、芯材との接着力よりもウレタン系樹脂からなる円筒状外層体2との接着力の方がより大きくなる。このことにより、当該ワイヤーソー用ローラをリサイクルするために円筒状外層体2を芯材から離脱する際、接着剤が芯材に残存し難くなり、円筒状外層体2をより容易且つ確実に離脱することができ、容易且つ低コストで当該ワイヤーソー用ローラをリサイクルすることができる。
上記ウレタン系樹脂接着剤に用いられるイソシアネート化合物としては、上記円筒状外層体の材料であるウレタン系樹脂の合成に用いられるポリイソシアネート化合物として挙げた化合物と同様の化合物を挙げることができる。
上記ウレタン系樹脂接着剤に用いられるポリオール化合物としては、上記円筒状外層体の材料であるウレタン系樹脂の合成に用いられるポリオール化合物として挙げた化合物と同様の化合物を挙げることができる。これらのうち、ポリエステル系ポリオールが好ましい。ポリエステル系ポリオールを成分として含むウレタン系樹脂接着剤は、芯材より円筒状外層体により強く接着し、接着剤が円筒状外層体に付着した状態で芯材から剥離されやすく、接着剤が芯材に残存し難い。また、ポリエステル系ポリオールは、耐クーラント性に優れることから、これを上記ウレタン系樹脂接着剤のポリオール成分として用いることで、当該ワイヤーソー用ローラはより耐クーラント性に優れる。
上記ウレタン系樹脂接着剤に用いられるポリオール化合物のOH基とイソシアネート化合物のNCO基の当量比率(NCO/OH)は、接着力の点から1.0以上が好ましい。
上記接着層3の表面硬度としては、JIS S6050に規定するアスカー硬度計C型で測定した硬度が60以上であることが好ましく、70以上であることがより好ましい。表面硬度が60より低い場合、円筒状外層体2を芯金1から離脱した際に、接着層3が凝集破壊し、芯金1に円筒状外層体が残存するためである。
上記接着層の接着力については、上記芯金1との接着力よりも上記円筒状外層体との接着力の方が大きくなるように構成されている。すなわち、接着層が芯材よりも円筒状外層体とより強固に接着し、円筒状外層体を芯材から離脱した際には、接着層が芯材よりも円筒状外層体により多く接着した状態となるように構成されているということである。
<第一形態のワイヤーソー用ローラの製造方法>
本発明のワイヤーソー用ローラは上記構成からなるが、次に、このワイヤーソー用ローラの製造方法について説明する。
当該ワイヤーソー用ローラの製造方法は、図4に示すように、円筒状外層体2を成形する円筒状外層体成形工程S10、芯金1の外周面又は円筒状外層体2の内周面に接着層3を形成する接着層形成工程S20、上記円筒状外層体成形工程S10により得られた円筒状外層体2を接着層形成工程S10の後に芯金1に外嵌する外嵌工程S30、及び、芯金1に外嵌された円筒状外層体2にワイヤー溝4を形成するワイヤー溝形成工程S40を有する。
上記円筒状外層体成型工程S10は、上述したように、遠心成型によってウレタン系樹脂からなる円筒状外層体2を形成する工程である。具体的には、例えば以下の工程により行うことができる。まず、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させることによって得られたウレタンプレポリマーに適当な硬化剤を加え、空気が巻き込まれないように攪拌器(「アジター」と称される。)によって約30〜120秒間、混合・攪拌する。次いで、遠心金型ドラムの内面に適宜離型剤を塗布し、金型温度を約50〜150℃、ドラムの回転数を100〜1、000rpmに設定して、ウレタンプレポリマー及び硬化剤を混合した注型液を遠心金型ドラムに入れる。遠心金型ドラムにこの注型液を全て入れた時点で、ドラムの回転数を約500〜5000rpm(典型的には約900〜3、500rpm)に上昇させて約2〜10分間回転させる。この時のドラムの回転は、気泡の追いやり効果を最大化する観点から、好ましくは約10以上3000以下の重力効果Gを生じるように行われる。次いで、ドラムの回転数を約200〜500rpmに下降させて約60〜120分間回転させる。さらに遠心金型ドラムから脱型し、約50〜150℃で約2〜60時間のアフターキュアを行うことによって、ウレタン系樹脂の成形体を得ることができる。上記の重力効果Gは、数式G=F/W=r(2πN/60)/g(F=遠心力(kg);W=重量(kg);r=半径(cm);N=回転数(rpm);g=重力加速度(980cm/sec))によって算出される無単位の値である。
上記接着層形成工程S20は、芯金1の外周面又は円筒状外層体の内周面に接着剤を塗布して接着層3を形成する工程である。この接着層形成工程S20は、まず有機溶剤を用いて芯金1の外周面を脱脂する工程S21、この脱脂した芯金1の外周面に接着剤を塗布するか、又は円筒状外層体の内周面に接着剤を塗布する工程S22とを有する。上記接着剤の塗布方法としては、リング塗工による方法、スタンプローラ(塗工ローラ)による方法、ガンスプレーによる方法、ノズルコーターによる方法、刷毛塗りによる方法、ディッピングによる方法等を用いることができるが、作業の効率及び容易さを考慮すると、芯金1の外周面に塗布する方が好ましく、塗布方法としては、リング塗工による方法が好ましい。
上記外嵌工程S30は、円筒状外層体2を温めた後に、芯金1に円筒状外層体2を外嵌装着する工程である。ここで、円筒状外層体2及び芯金1を温めるには、例えばシリコンラバーヒーターやオーブンを用いることができる。また、円筒状外層体2のみではなく芯金1も温めることも可能である。上記のように円筒状外層体2を温めることにより、円筒状外層体2の内径が芯金1の外径よりも大きくなりやすく、この状態で円筒状外層体2を芯金1に外嵌装着するため、外嵌装着作業をスムーズ且つ容易に行うことができ、これにより歪の小さい状態で円筒状外層体2を芯金1に外嵌することができる。その後、自然放熱により接着層が硬化する。また、円筒状外層体2の線膨張係数が芯材1の線膨張係数よりも大きく、室温状態において、円筒状外層体2に、この円筒状外層体2の内径が芯材1の外径よりも小さくなろうとする縮径力が作用するため、円筒状外層体2は芯材1に隙間なく強固に接着することができる。
上記ワイヤー溝形成工程S40は、上記のように芯金1に外嵌装着された円筒状外層体2の外周面にワイヤー溝4を、NC旋盤や研削機等の加工機によって形成する工程である。上述のようにスムーズに外嵌装着された円筒状外層体2に歪が小さく、狙いの寸法交差範囲内でワイヤー溝を的確且つ容易に形成することができる。さらに、芯金1及び円筒状外層体2間に接着層3が介在されており、しかも円筒状外層体2の内径が芯金1の外径よりも小さくなろうとする縮径力が円筒状外層体2に作用しているため、このワイヤー溝4の形成に際して円筒状外層体2が芯金1の表面を滑ることを的確に防止でき、正確にワイヤー溝4を形成することができる。
<第一形態のワイヤーソー用ローラの使用方法>
次に、上記ワイヤーソー用ローラの使用方法について説明する。
複数(図中3つを例示)のワイヤーソー用ローラ10を水平配置し、図6に示すように、ワイヤーソー用ローラ10の円筒状外層体2の外周面に設けられた複数のワイヤー溝4にワイヤー8を架け渡すことによって、ワイヤーソー切断装置7(ワイヤーソーにおけるワーク切断機構の部分)が構成される。ワイヤーソー切断装置7の運転においては、このワイヤー8を一方向又は双方向に走行させて、これにワーク(図中ではシリコンインゴット9を例示)を圧接すると共に、ワイヤー8上にスラリー(砥粒を含むクーラント溶液)を供給することによって、ワークを切断することができる。なお、芯金1及び円筒状外層体2間に接着層3が介在されており、しかも円筒状外層体2の内径が芯金1の外径よりも小さくなろうとする縮径力が円筒状外層体2に作用しているため、上記ワーク切断作業等において円筒状外層体2が芯金1の表面を滑ることがない。
ワイヤー8としては、ワークの切断が可能である限り特に限定されるものではないが、一般的に、ピアノ線と称される鋼線が用いられる。また、ワイヤー8として、ダイヤモンドの砥粒がピアノ線の外周面に電着もしくはボンディングされているものを用いてもよい。ワイヤー8の直径としては、使用する円筒状外層体2のワイヤー溝4に安定して配置可能で、かつ断線のおそれがない限り特に限定されるものではないが、例えば50μm以上300μm以下とすることができる。砥粒の例としては、SiC、WC、ダイヤモンド、Al3、等が挙げられる。クーラントとしては、油性又は水性のものを用いることができる。油性クーラントの例としては、鉱物油が挙げられる。また水性クーラントの例としては、水及びジエチレングリコール若しくはプロピレングリコールの混合物が挙げられる。ワイヤー8としてピアノ線を用いる場合には、スラリー(砥粒を含むクーラント溶液)を用いることができる。また、ワイヤー8としてダイヤモンドの砥粒が固定されたピアノ線を用いる場合には、水系クーラントのみを用いることができる。
ワイヤーソー切断装置7によって切断・加工するためのワークとしては、半導体用インゴット、代表的にはシリコンインゴットが挙げられる。また、シリコンインゴットから得られる加工品の例としては、半導体用シリコンウエハ、太陽電池用シリコンウエハ等が挙げられる。太陽電池用シリコンウエハとしては、一般的に約0.15〜0.30mmの厚みを有するものが要求されるため、この厚みにワイヤー8の直径及び砥粒の大きさを加えた程度のピッチを有する円筒状外層体2を備えたワイヤーソー切断装置7が必要とされる。当該円筒状外層体2は、内部に包含される微細気泡の密度が半径方向外方に向かって漸進的に疎になるように構成されているため、ワイヤー溝のピッチを極めて小さくした場合でも、仕切壁の剛性低下及びワイヤーの脱線を効果的に抑制することが可能である。従って、当該ワイヤーソー切断装置7は、太陽電池用シリコンウエハに代表される加工物の薄膜化傾向に十分対応することができる。
<第一形態のワイヤーソー用ローラのリサイクル方法>
次に、上記ワイヤーソー用ローラをリサイクルする方法について説明するが、上述のワイヤーソー用ローラの製造方法と共通する工程については、その説明を省略することがある。なお、リサイクル対象であるワイヤーソー用ローラ(以下、不良品ローラということがある)は、ワイヤー溝のピッチが交差範囲外になったワイヤーソー用ローラの他、ワイヤー溝のピッチは交差範囲であるものの長期間にわたって使用されたワイヤーソー用ローラも含めることも可能である。
本実施形態のワイヤーソー用ローラのリサイクル方法は、図7に示すように、円筒状外層体2を成形する円筒状外層体成形工程S10、不良品ローラの芯金1から円筒状外層体2を離脱する離脱工程S50、上記円筒状外層体2を離脱した芯金1の外周面又は円筒状外層体2の内周面に接着層3を形成する接着層形成工程S20、上記接着層形成工程S20によって外周面に接着層3が形成された芯金1に、上記円筒状外層体成形工程S10により成形された円筒状外層体2を外嵌するか、又は芯金1に、上記接着層形成工程S20によって内周面に接着層3が形成された円筒状外層体2を外嵌する外嵌工程S30、及び芯金1に外嵌された円筒状外層体2にワイヤー溝4を形成するワイヤー溝形成工程S40を有する。
上記離脱工程S50は、不良品ローラの円筒状外層体2に軸方向に沿って切断して、この切断部分から円筒状外層体2を芯金1から剥ぎ取る工程である。当該ワイヤーソー用ローラにあっては、芯金1及び円筒状外層体2間に接着層3が設けられているが、接着層3は、上述のように上記芯金1との接着力よりも上記円筒状外層体との接着力の方が大きくなるように構成されているため、容易且つ確実に円筒状外層体2を離脱することができ、旋盤を用いた円筒状外層体2の削り取りが不要である。しかも、接着層3と芯金1との粘着力よりも接着層3と円筒状外層体2との粘着力の方が大きくなるよう構成されているため、上述のように円筒状外層体2を剥ぎ取る際に接着層3が円筒状外層体2に付着して芯金1から離脱される。これにより、円筒状外層体2を離脱する工程の後に芯金1から残存した接着層3を離脱する作業が不要であり、さらに円筒状外層体2を離脱した芯金1の外周面のウレタン削りだし及びブラスト処理を行う必要がない。
このように当該ワイヤーソー用ローラのリサイクル方法によれば、容易且つ迅速に芯金1から円筒状外層体2を離脱し、この芯金1にブラスト処理等を行うことなく新たな円筒状外層体2を外嵌装着することにより、容易且つ低コストでしかも迅速にワイヤーソー用ローラをリサイクルすることができる。
さらに、当該リサイクル方法によれば、上記円筒状外層体成形工程S10を不良ローラ回収前に予め行うことができるので、多数の円筒状外層体2を用意しておくことで、不良ローラが回収された際に上記円筒状外層体成形工程S10を行う必要がなく、ワイヤーソー用ローラのリサイクルをより迅速化することができる。
<第二実施形態のワイヤーソー用ローラ>
次に、本発明のワイヤーソー用ローラの第二実施形態について説明する。なお、第一実施形態のワイヤーソー用ローラと共通する点については、第一形態と同一符号を用いて説明し、同一の構成についてはその説明を省略することがある。
第二実施形態のワイヤーソー用ローラも、第一実施形態と同様に、芯金1と、円筒状外層体2と、芯金1及び円筒状外層体2間に介在される接着層3とを備えている。この接着層3を形成する接着剤は、円筒状外層体2が外嵌装着される前に、円筒状外層体2の内周面に塗布されて、その後に円筒状外層体2が芯金1に外嵌装着されることによって、芯金1及び円筒状外層体2の間に接着層3が介在され、この接着層3は、芯材1との接着力よりも円筒状外層体2との接着力の方が大きい構成となっている。
第二実施形態のワイヤーソー用ローラにおける接着層3を形成する接着剤としては、ポリビニルアルコール系接着剤等を用いることができる。ポリビニルアルコール系接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分として含有するものであれば特に限定されるものではない。ポリビニルアルコール系樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られるポリビニルアルコール及びその誘導体等が挙げられる。また市販品としては、例えば、商品名クラレポバールPVA−117(株式会社クラレ製)、商品名クラレポバールPVA−124(株式会社クラレ製)等を挙げることができる。
上記ポリビニルアルコール系接着剤は、可塑剤としてグリセリンを含むことが好ましい。このように、上記ポリビニルアルコール系接着剤はグリセリンを含むことにより、円筒状外層体2の内面又は芯材1の外周面に塗布する際の粘度を調節し平滑性を高めることが可能となるため、均一な膜厚の接着層3を形成することが可能となる。これにより、当該ワイヤーソー用ローラを用いて切断されるシリコンウエハの厚み精度が良好となる。そのグリセリンの含有量としては、1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上30質量%以下がより好ましく、10質量%以上20質量%以下がさらに好ましい。
上記ポリビニルアルコール系接着剤は、適度な接着性及び粘度が得られるように、けん価度が98%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましく、重合度が1500以上2500以下であることが好ましい。
上記接着層3の接着力については、第一実施形態と同様に上記芯金1との接着力よりも上記円筒状外層体2との接着力の方が大きくなるように構成されている。すなわち、接着層3が芯材1よりも円筒状外層体2とより強固に接着し、円筒状外層体2を芯材1から離脱した際には、接着層3が芯材1よりも円筒状外層体2により多く接着した状態となる。
<第二実施形態のワイヤーソー用ローラの製造方法>
第二実施形態のワイヤーソー用ローラは上記構成からなるが、次に、このワイヤーソー用ローラの製造方法について説明する。なお、第一実施形態のワイヤーソー用ローラの製造方法と同一構成については同一符号を用いてその説明を省略することがある。
第二実施形態のワイヤーソー用ローラの製造方法は、第一実施形態と同様に、円筒状外層体2を成形する円筒状外層体成形工程S10、円筒状外層体2の内周面に接着層3を形成する接着層形成工程S20、接着層3が形成された後に円筒状外層体2を芯金1に外嵌する外嵌工程S30、及び、芯金1に外嵌された円筒状外層体2にワイヤー溝4を形成するワイヤー溝形成工程S40を有する。
上記接着層形成工程S20においては、円筒状外層体2の内周面に、スタンプローラによる方法、刷毛塗りによる方法、ディッピングによる方法等によって接着剤を塗布して、接着層3を形成する。
上記ポリビニルアルコール系接着剤の溶液を例えば刷毛塗りにより、円筒状外層体2の内周面に塗布し、その後外嵌装着することができる。なお、第二実施形態のワイヤーソー用ローラの製造方法にあっては、上記外嵌工程S30の前に、有機溶剤を用いて芯金1の外周面を脱脂する工程を有している。ここで、ウレタン樹脂製の円筒状外層体2の線膨張係数と、芯金1の線膨張係数の違いにより、接着層3を含む円筒状外層体2の内径を、芯金1の外径より大きくすることができるため、円筒状外層体2を芯金1に容易に外嵌することができる。また、その後のロータリーポンプ等により減圧乾燥を行い、円筒状外層体2と芯金1との間に気泡のない状態で接着させることができる。
<第二実施形態のワイヤーソー用ローラのリサイクル方法>
第二実施形態のワイヤーソー用ローラの使用方法については上記第一実施形態のワイヤーソー用ローラの使用方法と同様であるためその説明を省略し、次に、第二実施形態のワイヤーソー用ローラのリサイクル方法について説明する。なお、第一実施形態のワイヤーソー用ローラのリサイクル方法と同一構成についてはその説明を省略することがある。
第二実施形態のワイヤーソー用ローラのリサイクル方法は、円筒状外層体2を成形する円筒状外層体成形工程S10、不良品ローラの芯金1から円筒状外層体2を離脱する離脱工程S50、上記離脱工程S50によって円筒状外層体2が離脱された芯金1の外周面または上記円筒状外層体成形工程S10によって成形された円筒状外層体2の内周面に接着層3を形成する接着層形成工程S20、上記接着層形成工程S20によって接着層3が形成された後に芯金1に円筒状外層体2を外嵌する外嵌工程S30、及び芯金1に外嵌された円筒状外層体2にワイヤー溝4を形成するワイヤー溝形成工程S40を有する。なお、上記円筒状外層体成形工程S10、離脱工程S50、外嵌工程S30、及びワイヤー溝形成工程S40については、上記第一実施形態のワイヤーソー用ローラのリサイクル方法と略同様の構成からなる。
第二実施形態のワイヤーソー用ローラのリサイクル方法における接着層形成工程S20は、上述した第二実施形態のワイヤーソー用ローラの製造方法の接着層形成工程S20と略同一の構成からなる。
<その他の実施形態>
なお、当該発明は上記の各実施形態の他、種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
つまり、上記各実施形態においては、ワイヤー溝(及びワイヤー溝形成工程)を有するものについて説明したが、当該発明においてワイヤー溝(及びワイヤー溝形成工程)は必須の構成要件ではなく、例えば円筒状外層体にワイヤー溝が形成される前のワイヤーソー用ローラであっても当該発明の意図する範囲内である。
また、接着層を形成する接着剤としては、上記実施形態で使用されるもの以外に、アクリル樹脂系接着剤、α−オレフィン系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン系接着剤等を用いることができる。
また、上記各実施形態において、ワイヤーソー用ローラのリサイクル方法において、円筒状外層体成形工程を有するものについて説明したが、当該リサイクル方法において円筒状外層体成形工程は必須の構成要件ではなく、例えば既に成形されて用意された円筒状外層体を用いてその他の各工程を行うものも当該発明の意図する範囲内である。
以下、実施例によって当該発明をさらに具体的に説明するが、当該発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例において芯金はクロム鋼製の円柱体からなり室温状態において外径210mmで長さ520mmのものを用いた。
[実施例1]
ポリオール成分としてポリエステル系ポリオール(サンエスター2620、三洋化成工業株式会社製)を90℃で2時間減圧脱泡した。ポリオール100質量部に対して、硬化促進触媒としてジメチルスズジラウレート(UL−28、活材ケミカル株式会社製)0.001質量部、架橋剤としてトリメチロールプロパン(TMP)25質量部、イソシアネート成分としてジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(ルプラネートMI、BASFINOACポリウレタン株式会社製)82質量部を、3分間撹拌混合した溶液を接着層として用いた。
有機溶剤(ヘキサン)を用いて、芯金(φ210mmX520mm)を脱脂した。遠心成型により製造した内径213mmのウレタン系樹脂の円筒状外層体と、上記芯金とを、ラバーヒーター(オーエムヒーター社製)を用いて145℃に加温した。加温時間は、ウレタン系樹脂の円筒状外層体は20分以上、芯金は1時間以上とした。
加温した芯金に、上記接着層溶液を、リング塗工により塗布し、ウレタン系樹脂の円筒状外層体を圧入接着した。ここで、リング塗工とは、芯金の外周を取り囲むリング形状の塗工ヘッドを用いて、芯金の外周上にウレタン系接着剤を塗布する工程と、圧入接着する工程を同時に行う塗工方法をいう。圧入接着前に、芯金を145℃に加熱しているため、自然放熱により接着層溶液が硬化し、芯金と円筒状外層体とが接着する。
[実施例2]
ポリオール成分としてポリエステル系ポリオール(サンエスター2620、三洋化成工業株式会社製)を90℃で2時間減圧脱泡した。ポリオール100質量部に対して、硬化促進触媒としてジメチルスズジラウレート(UL−28、活材ケミカル株式会社製)0.001質量部、架橋剤としてトリメチロールプロパン(TMP)18質量部、イソシアネート成分としてジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(ルプラネートMI、BASFINOACポリウレタン株式会社製)65質量部を、3分間撹拌混合した溶液を接着層として用いた。接着層の塗布、及び芯金と円筒状外層体との圧入接着は、実施例1と同様の方法により行った。
[実施例3]
ポリオール成分としてポリエステル系ポリオール(サンエスター2620、三洋化成工業株式会社製)を90℃で2時間減圧脱泡した。ポリオール100質量部に対して、硬化促進触媒としてジメチルスズジラウレート(UL−28、活材ケミカル株式会社製)0.001質量部、架橋剤としてトリメチロールプロパン(TMP)11質量部、イソシアネート成分としてジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(ルプラネートMI、BASFINOACポリウレタン株式会社製)45質量部を、3分間撹拌混合した溶液を接着層として用いた。接着層の塗布、及び芯金と円筒状外層体との圧入接着は、実施例1と同様の方法により行った。
[実施例4]
ポリオール成分としてポリエステル系ポリオール(サンエスター2620、三洋化成工業株式会社製)を90℃で2時間減圧脱泡した。ポリオール100質量部に対して、硬化促進触媒としてジメチルスズジラウレート(UL−28、活材ケミカル株式会社製)0.001質量部、架橋剤としてトリメチロールプロパン(TMP)8質量部、イソシアネート成分としてジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(ルプラネートMI、BASFINOACポリウレタン株式会社製)35質量部を、3分間撹拌混合した溶液を接着層として用いた。接着層の塗布、及び芯金と円筒状外層体との圧入接着は、実施例1と同様の方法により行った。
[実施例5]
芯金(φ210mmX520mm)を有機溶剤(ヘキサン)を用いて脱脂し、超音波振動子を用いて脱泡した70℃〜90℃の温水の中に30分間浸漬した。ポリビニルアルコール(PVA−217、クラレ社製)20gと、イオン交換水80gをビーカーに量り取り、93℃の湯浴中で撹拌しながらポリビニルアルコールを溶解した。ポリビニルアルコールが完全に溶解した後に、グリセリン4gを加え、さらに30分間撹拌を行った。
次に、遠心成型により作製したφ216mmのウレタン系樹脂円筒状外層体の内周面に、上記ポリビニルアルコール水溶液を刷毛塗りにより塗布した。次に、この円筒状外層体を芯金に圧入接着した。
[比較例1]
ポリオール成分として、ポリエーテルポリオール(プレミノール−5050、プレミノール−7012、旭硝子社製)を80℃で2時間、減圧脱泡した。ポリオール100質量部に対して、硬化促進剤としてジメチルスズジラウレート(UL−28、活材ケミカル株式会社製)0.0005質量部、イソシアネート成分としてジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(ミリオネートMT、日本ポリウレタン工業社製)5.5質量部を、3分間撹拌混合した溶液を接着層として用いた。接着層の塗布、及び芯金と円筒状外層体との圧入接着は、実施例1と同様の方法により行った。
[比較例2]
芯金の外周面に加硫系接着剤(Chemlok210、ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド社製)を塗布した後、この芯金を介在させた金型にポリウレタンを注型することによって、円筒状外層体が芯金に外嵌したワイヤーソー用ローラを製造した。
<評価>
実施例1〜5及び比較例1〜2で調製した試験片を用いて、接着性、硬度、芯金へのノリ残り、削り出し及びブラスト処理の必要性、リサイクルに必要な時間を評価した。評価結果は表1に示す。
[接着性]
下記の方法により90度剥離試験を実施することで判断した。
円筒状外層体用のウレタン(幅25mm、長さ200mm、厚み2mm)及び剛板(幅25mm、長さ60mm)をトルエンで脱脂した後、100℃のオーブン1時間加温した。加温したウレタンの先端に幅25mm、長さ25mmとなるようにウレタン接着剤(厚み0.2mm)を塗り、接着面が剛板のほぼ中央となるように接着した。その後、5.6kgfで加圧した状態で、80℃のオーブンに1時間加温し、試験片を作製した。
剛板が水平になるように試験片を試験ジグに取り付け、毎分50mmでウレタンを引張、剥離に必要な力を算出した。このとき、使用した装置は万能引張圧縮試験機(インストロン1176型)である。
[硬度]
実施例1〜4で調製した接着層については、アスカー硬度計C型を用いて硬度の測定を行った。
[芯金へのノリ残り]
90度剥離試験後、芯金へのノリ残りの有無を評価した。さらに、ノリ残りが有る場合には、そのノリ残り部分の芯金からの剥離し易さの程度を合わせて評価し、下記評価基準により総合的に判断した。
○:ノリ残りなし
△:わずかにノリ残りするが(接着面積の10%以下)、容易に剥離可能(芯材に残った接着剤部分を有機溶剤に浸漬し、接着剤を取り除くことで再利用可能)。
×:ノリ残りがあり、かつ容易に剥離できない(旋盤による削りだし及びブラスト処理が必要、または有機溶剤に長時間浸漬する必要性があるもの)。
[削り出し及びブラスト処理の必要性]
実施例1〜5及び比較例1〜2において、芯金に外嵌されている円筒状外層体を軸方向に沿って切断し、この切断部分を把持して円筒状外層体を芯金から剥ぎ取り、有機溶剤を用いて芯金の外周面を脱脂することにより、その後リサイクル可能な芯材を得られた場合、旋盤による削り取り及びブラスト処理が不必要であると評価した。上記のように円筒状外層体を芯金から剥ぎ取った後に、ノリ残りが発生した場合であってもそのノリ残りが容易に剥離可能である場合も、旋盤による削り取り及びブラスト処理が不必要であると評価した。また、上記のように円筒状外層体を芯金から剥ぎ取った後に、ノリ残りが発生した場合であって、そのノリ残りが剥離容易ではなく、旋盤による削りだし及びブラスト処理が必要である場合には、削り取り及びブラスト処理が必要であると評価した。
[リサイクルに必要な時間]
上記削り出し及びブラスト処理の必要性を評価する際に、芯金に外嵌されている円筒状外層体を軸方向に沿って切断し始めた時点から、円筒状外層体を再度外嵌することが可能である芯金を得られた時点までに必要とされた時間(分)を測定した。
表1に示す通り、実施例1、2及び5においては、円筒状外層体を芯金から剥ぎ取った後のノリ残りが全く無かったため、その後の旋盤による削りだし及びブラスト処理の必要もなく、リサイクルに必要とされた時間も5分と極めて短かった。実施例3及び4においては、ノリ残りはあったものの、それらを取り除くために旋盤による削りだし及びブラスト処理は必要がなく、芯材に残った接着剤部分を有機溶剤に浸漬し、ふき取ることによりリサイクル可能な状態とすることができた。そのためリサイクルに必要とされた時間も15分と短かった。また、ポリエステル系接着剤を用いた場合には、接着層の硬度及び接着力が高いほど、ノリ残りが起こりにくいため、芯金のリサイクルに必要な時間を大幅に短縮することが可能であった。
[実施例6]
次に、円筒状外層体の成形に関する実施例について説明する。実施例6の円筒状外層体を成形するにあたって、120℃で12時間減圧乾燥したポリエチレンアジペート1,170gに、1,5−ナフタレンジイソシアネート350gを加え、窒素雰囲気下でプレポリマーを合成した。このとき1,5−ナフタレンジイソシアネートが完全に溶解していることを確認した。このプレポリマーに、硬化剤として1,4−ブタンジオール80gを加え、エアーが巻き込まれないように攪拌器(一般的なアジター)を用いて45秒間混合攪拌し、注型液を調製した。内径216mmの遠心金型ドラムを用意し、予め内面に離型剤を塗布して、金型温度を130℃になるように設定した。次いで、金型遠心ドラムの回転数を200rpmに設定し、注型液を遠心金型ドラムに投入した。注型液の投入が終了し遠心金型ドラムに蓋をした時点で、回転数を2,500rpmに設定し、注型液の内部に存在する気泡を、遠心力を用いて空気面(遠心金型ドラムの内側)に追いやるようにした。金型遠心ドラムの半径と回転数とから算出されるこのときの遠心効果Gは、271.64であった。金型遠心ドラムの回転数を2,500rpmに設定してから5分経過後、回転数を300rpmにして90分間回転を続けた。架橋反応によってゴム弾性を有するウレタン系樹脂が得られていることを確認した後に、このウレタン系樹脂を金型から脱型し、次いで110℃で48時間アフターキュアを行い、ウレタン系樹脂の円筒状外層体(厚み約5mm)を作製した。
このようにして成形された円筒状外層体を、芯金に外嵌装着した。次いで、NC旋盤を用いて、0.35mmのピッチで複数のワイヤー溝を形成して、外周面にワイヤー溝を有する円筒状外層体を備えたワイヤーソー用ローラを作成した。
上記アフターキュア後におけるウレタン系樹脂の円筒状外層体の金型面(外周面/遠心金型ドラムの外側)の周辺からは微小気泡が観察されなかった。また、同様に、円筒状外層体の金型面から中心軸方向に向かって厚さ5mmの位置までは、微小気泡の存在が確認されなかった。この結果から、上記方法によって、ウレタン系樹脂原料の注型液の内部に存在する気泡を、ウレタン系樹脂の硬化が完了する前に遠心力により空気面側に効果的に追いやることができたことが証明される。
また、本実施例で得られた円筒状外層体に関して、JIS−K6264−2:2005に準拠して、DIN摩耗試験機及び直径16.0±0.2mm、厚さ6mm以上の円盤状の試験片を用い、直径150.0±0.2mm、長さ500mmのドラムを40回/分で回転させ、荷重1kgfで、摩耗距離を40.0±0.2mとしたときの摩耗量(DIN摩耗量)は、35.2mmであった。JIS−K6255−1996に準拠して、リュプケ式反発弾性試験機及び厚さ12.5±0.5mm、直径29.0±0.5mmの円柱状の試験片を用い、一定の反発高さになるまで3回以上7回以下の連続した衝突を与え、その平均値を算出することによって求められた反発弾性は、49.8%であった。また、JIS−K6253−2006に準拠して、厚さ10mmの試験片について、JIS−Aタイプの硬度計を用い、n=3でJIS−A硬度を測定し、その平均値を算出することによって求められた硬度は、94°であった。
[比較例3]
厚み5mmの円筒状外層体の形状に対応した金型を用意し、予め金型の内面に離型剤を塗布して、金型温度を130℃になるように設定した。次いで、この金型に、比較例2と同じ注型液を投入し、90分間硬化させ、架橋反応によってゴム弾性を有するウレタン系樹脂が得られていることを確認した。その後、このウレタン系樹脂を金型から脱型し、次いで110℃で48時間アフターキュアを行い、ウレタン系樹脂の円筒状外層体(厚み約5mm)を作製した。
このように、遠心成形を行うことなく作製したウレタン系樹脂の円筒状外層体の外周面周辺断面の偏光顕微鏡写真(100倍;反射モード)を図14に示す。図14から分かるように、円筒状外層体の外周面周辺からは多くの微小気泡が観察された。また、この円筒状外層体の外周面周辺以外の箇所においても、同様に多くの微小気泡の存在が確認された。このことから、通常の金型成形によって得られたウレタン系樹脂製の円筒状外層体においては、ウレタン系樹脂原料の注型液の内部に存在する多数の気泡が、ウレタン系樹脂の硬化時にそのまま閉じ込められた状態となっているものと理解される。
本発明のワイヤーソー用ローラは、円筒状外層体を芯材から容易且つ確実に離脱することができ、容易且つ低コストでローラをリサイクルすることができると共に、円筒状外層体を芯材に充分な強度で外嵌させることができる。従って、本発明は、例えば半導体用シリコンウエハや太陽電池用シリコンウエハの製造のために好適に用いることができ、さらには電子写真用ワイヤーソー用ローラ、刃物カット用ワイヤーソー用ローラ等の広範な分野に適用することができる。
1 芯金(芯材)
2 円筒状外層体
3 接着層
4 ワイヤー溝
5 仕切壁
6 微細気泡
7 ワイヤーソー切断装置
8 ワイヤー
9 シリコンインゴット
10 ワイヤーソー用ローラ
P ワイヤー溝のピッチ

Claims (6)

  1. 略円柱状の芯材、
    上記芯材の外周面に外嵌されるウレタン系樹脂製の円筒状外層体、及び
    上記芯材と円筒状外層体との間に配設された接着層を備え、
    上記接着層が、芯材との接着力よりも円筒状外層体との接着力の方が大きいワイヤーソー用ローラ。
  2. 上記接着層が、少なくともポリオール成分とイソシアネート成分とを含む反応性接着剤から構成されている請求項1記載のワイヤーソー用ローラ。
  3. 上記接着層の表面硬度が、60以上である請求項2に記載のワイヤーソー用ローラ。
  4. 上記接着層が、ポリビニルアルコールを含む接着剤から構成されている請求項1に記載のワイヤーソー用ローラ。
  5. 円柱状の芯材の外周面に、ウレタン系樹脂製の円筒状外層体を外嵌したワイヤーソー用ローラを製造するワイヤーソー用ローラの製造方法であって、
    上記円筒状外層体を成形する円筒状外層体成形工程、
    上記芯材の外周面又は/及び上記円筒状外層体の内周面に、接着層を形成する接着層形成工程、及び
    上記接着層形成工程の後に、上記円筒状外層体を上記芯材に外嵌する外嵌工程
    を備え、
    上記接着層が、芯材との接着力よりも円筒状外層体との接着力の方が大きいワイヤーソー用ローラの製造方法。
  6. 円柱状の芯材の外周面に、ウレタン系樹脂製の円筒状外層体を外嵌したワイヤーソー用ローラをリサイクルするワイヤーソー用ローラのリサイクル方法であって、
    リサイクル対象であるワイヤーソー用ローラの芯材から、円筒状外層体を離脱する離脱工程、
    上記円筒状外層体を離脱した芯材の外周面又は/及び新しい円筒状外層体の内周面に、接着層を形成する接着層形成工程、及び
    上記接着層形成工程の後に、上記新しい円筒状外層体を上記芯材に外嵌する外嵌工程
    を備え、
    上記接着層が、芯材との接着力よりも円筒状外層体との接着力の方が大きいワイヤーソー用ローラのリサイクル方法。
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