JP2012179421A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】固有の識別情報を有する識別体が取り付けられた遊技機において、識別情報が正規のものか否かの照合作業を簡易的且つ良好に行うことができるようにする。
【解決手段】遊技ホールHにおいて、リーダ装置840は、パチンコ機10のラベルやシール等に近接することにより、非接触の状態で各種ID情報の読み取る。この場合に、主制御装置271に取り付けられたICタグには、自己のID情報が記憶されているとともに、証紙シールなどといった他の識別体のID情報が自己のID情報とは別に記憶されている。そして、リーダ装置840では、ICタグから読み取った複数のID情報と、証紙シールなどから読み取ったID情報とを照合し、その照合結果を表示部851にて表示する。
【選択図】 図47

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機は、遊技制御処理を実行するCPU、遊技制御プログラムが記憶されたROM、遊技の進行により発生する各種データを一時的に記憶するRAM等の各種電子部品が実装された制御基板を備えている。そして、ROMに記憶された遊技制御プログラムに従って、CPUにより遊技機に搭載されている各種遊技機器が制御され、一連の遊技が実行される。
この種の遊技機では、制御基板を正規のものとは異なる不正な制御基板に変更したり、ROM(ROMがCPUと共に1チップ化されている場合には当該チップ)を不正なものに交換したりする等の不正行為の発生が数多く報告されている。
このような不正行為に対処すべく、例えば、制御基板を透明な基板ボックス内に収容して制御基板の状態を外部から容易に視認できるようにする、基板ボックスに封印構造(いわゆる、カシメ構造)を設けて基板ボックスの開封時には破壊等による開封履歴を残すようにする、または基板ボックスを構成する複数のケース体を跨ぐように再貼付不可能でありかつ剥がすと痕跡が残る有脆弱性の封印シールを貼付する等の不正対策が採用されている(例えば特許文献1参照)。これらの不正対策は、基板ボックスが開封された事実や制御基板が交換された事実を目視確認する場合にその確認作業を補助するものであり、またこのような不正対策の存在により不正行為を躊躇させる効果もある。
上記の各種不正対策はいずれも制御基板や基板ボックスを目視確認するものであり、その確認作業は煩雑である。また、封印箇所を目視では確認しづらい程度に巧妙に復元したものを発見するのは大変な作業である。
一方、上記不正対策以外の新たな不正対策として、例えば、制御基板または当該制御基板を収容する基板ボックスに、リーダ装置などの読取装置により読取可能な固有ID等の識別情報を有する識別体を取り付ける構成が考えられる。この識別体としては、識別情報が二次元コード化されたQRコード(登録商標)が付された札片が考えられる。また、これ以外にも、識別情報が記憶されたICチップ部及びアンテナ部を含む電子タグが考えられる(例えば特許文献2参照)。
特開2003−180917号公報 特開2005−143641号公報
上記のような識別体を取り付けておけば、読取装置により識別情報の読取作業を行うことで、制御基板の不正な交換等の発生有無が確認される。例えば、読取装置により識別情報の読取を行おうとしてもそれが行えない場合には、制御基板の不正な交換等が発生したことが確認される。また、識別情報の読取を行えたとしても、その読み取った識別情報が正規の識別情報でない場合にも、制御基板の不正な交換等が発生したことが確認される。このような識別体を用いた不正対策では、読取装置による読取結果により不正発見をすることができることから、封印箇所の目視確認に比べて不正発見のための労力は少ないし、不正の見落としも少なくなることが期待される。
ここで、識別体から読み取った識別情報が正規の識別情報か否かを確認するためには、予め作成された管理データとの照合を行う必要がある。この場合に、当該照合を、管理データを記憶した管理装置において常に行う必要があるとすると、読取装置で識別情報の読取作業を行っただけでは不正な交換等の発生有無を確認することができない。つまり、識別情報の照合を簡易的に行うことができない。そして、かかる照合作業は、遊技機製造メーカにおける遊技機の出荷時、遊技ホールにおける遊技機の設置時及びその後の日々の確認時などに行われ、その都度、管理装置における照合を常に行う必要があるとすると、その作業は煩雑である。
一方、読取装置に管理データを記憶させておく構成も考えられるが、この場合、読取装置に予め記憶させておくデータ量が増加してしまうおそれがある。また、読取装置に管理データを記憶させるためのデータ記憶作業を予め行う必要が生じてしまい、当該記憶作業を行っていない読取装置では照合を行うことができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、固有の識別情報を有する識別体が取り付けられた遊技機において、その識別情報が正規のものか否かの照合作業を簡易的且つ良好に行うことができる遊技機を提供することを主たる目的とする。
請求項1記載の発明は、制御装置などの管理対象に取り付けられ、読取装置により読み取られる識別情報を有する識別体を備えた遊技機において、
前記識別体として、第1識別体と第2識別体とを備え、
少なくとも前記第1識別体は、自己の識別情報を有するとともに、前記第2識別体の識別情報を前記自己の識別情報とは別に有することを特徴とする。
本発明によれば、識別情報が正規のものか否かの照合作業を簡易的且つ良好に行うことができる。
一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。 パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。 本体枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。 本体枠の背面構成を示す斜視図である。 遊技盤の背面構成を示す斜視図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。 第1制御基板ユニットの分解斜視図である。 第1制御基板ユニットの背面構成を示す分解斜視図である。 主制御装置の分解斜視図である。 図10におけるA−A線付近の断面図である。 (a)は封印シールの構成を示す正面図、(b)は封印シールの構成を示す背面図である。 封印シールの構成を示す断面図である。 第2制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第2制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。 第2制御基板ユニットの分解斜視図である。 裏パックユニットの構成を示す正面図である。 裏パックユニットの分解斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 パチンコ機管理システムの概要を示す構成図である。 遊技ホール側の管理コンピュータにより実行されるパチンコ機管理処理を示すフローチャートである。 各メーカ側のデータサーバで実行されるパチンコ機管理処理を示すフローチャートである。 第2の実施の形態における主制御装置を示す斜視図である。 主制御装置の分解斜視図である。 主制御装置に貼り付けられた封印シール周辺を拡大して示す斜視図である。 封印シールの構成を示す背面図である。 (a)は封印シール周辺を拡大して示す正面図、(b)は封印シール周辺を拡大して示す側面図、(c)は封印シール周辺を拡大して示す背面図である。 図31(a)のA―A線断面図である。 第3の実施の形態におけるID情報を説明するための説明図である。 リーダ装置の構成を説明するための概略図である。 遊技ホール側の管理コンピュータにより実行されるパチンコ機管理処理を示すフローチャートである。 認証用情報を説明するための説明図である。 管理データを説明するための説明図である。 各メーカ側のデータサーバで実行されるパチンコ機管理処理を示すフローチャートである。 (a)は新台入替モード用認証処理を示すフローチャート、(b)は板替えモード用認証処理を示すフローチャートである。 (a)は基板替えモード用認証処理を示すフローチャート、(b)は中古替えモード用認証処理を示すフローチャートである。 認証結果情報を説明するための説明図である。 第4の実施の形態におけるID情報を説明するための説明図である。 ICタグの構成を説明するための概略図である。 ICタグの記憶部の構成を説明するための概略図である。 パチンコ機の製造工程を説明するための説明図である。 リーダ・ライタ装置の構成を説明するための概略図である。 パチンコ機管理システムの概要を示す構成図である。 リーダ装置の構成を説明するための概略図である。 リーダ装置のRAMの構成を説明するための概略図である。 ID情報読取処理を示すフローチャートである。 ID情報出力処理を示すフローチャートである。 管理データ認証処理を示すフローチャートである。
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、本実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.制御装置などの管理対象(本体枠12、遊技盤30、主制御装置271)に取り付けられ、読取装置により読み取られる識別情報を有する識別体(証紙ラベル55,245、識別シール345,346、ICタグ333)を備えた遊技機において、
前記識別体として、第1識別体(ICタグ333)と第2識別体(証紙ラベル55,245、識別シール345,346)とを備え、
少なくとも前記第1識別体は、自己の識別情報を有するとともに、前記第2識別体の識別情報を前記自己の識別情報とは別に有することを特徴とする遊技機。
手段1の遊技機では、管理対象に取り付けられた識別体の識別情報を読取装置により読み取ることで、当該管理対象に対する不正の有無などが確認される。
この場合に、識別体として第1識別体と第2識別体とが設けられており、少なくとも第1識別体は、自己の識別情報を有するとともに、第2識別体の識別情報を自己の識別情報とは別に有している。本構成においては、例えば、読取装置により第1識別体から第2識別体の識別情報を読み取り、さらに第2識別体から識別情報を読み取ることで、それらの識別情報の照合を行うことが可能となる。この場合、両者の識別情報が一致しなかった場合には、第1識別体又は第2識別体の少なくとも一方について異常であることを把握することができる。
また、一方の識別体が他方の識別体の識別情報を有する構成であるため、読取装置に管理データを記憶させておく必要はない。したがって、読取装置に予め記憶させておくデータ量が増加してしまうことはなく、さらには読取装置に管理データを記憶させるためのデータ記憶作業を行う必要がない。
以上より、識別情報が正規のものか否かの照合作業を簡易的且つ良好に行うことができる。
また、第1識別体は、第2識別体の識別情報だけでなく、自己の識別情報を有している。したがって、第1識別体の識別情報と第2識別体の識別情報とを管理データと照合することは依然として可能であり、上記のような読取装置による簡易的な照合作業(仮確認、仮照合又は仮認証)だけでなく、管理データを用いた厳密な照合作業(本確認、本照合又は本認証)をも行うことができる。
なお、「識別情報」とは、識別体に設定された固有の情報であって読取装置により読み取られ当該読取装置の演算装置(CPU)にて認識される情報のことをいい、例えば識別体が、QRコードが記された札片の場合、当該QRコードにおける二次元コード化の対象となった情報が識別情報に該当する。これは以下も同様である。
手段2.手段1において、前記第1識別体は第1管理対象(主制御装置271)に取り付けられており、前記第2識別体は前記第1管理対象とは別の第2管理対象(本体枠12、遊技盤30)に取り付けられていることを特徴とする遊技機。
手段2によれば、第1識別体を介して第1管理対象の管理を行うことができ、第2識別体を介して第2管理対象の管理を行うことができる。この場合に、上記手段1の構成を備えていることにより、読取装置により第1識別体から第2識別体の識別情報を読み取り、さらに第2識別体から識別情報を読み取り、それらの情報の照合を行うことで、第1管理対象及び第2管理対象に対する不正の有無を読取装置にて簡易的に確認することができる。
手段3.手段1又は2において、前記第1識別体は、前記自己の識別情報を記憶した自己情報記憶手段(書換え不可記憶部802)と、前記第2識別体の識別情報を記憶した他情報記憶手段(書換え可能記憶部803)とを備えていることを特徴とする遊技機。
手段3によれば、第1識別体に自己情報記憶手段と、他情報記憶手段とが設けられていることにより、第1識別体が、自己の識別情報を有するとともに、第2識別体の識別情報を有する構成とすることができ、上記手段1等の効果を得ることができる。
手段4.手段3において、前記自己情報記憶手段はデータ書換え不可な記憶手段であり、前記他情報記憶手段はデータ書換え可能な記憶手段であることを特徴とする遊技機。
手段4によれば、他情報記憶手段がデータ書換え可能な記憶手段であることにより、第1識別体と第2識別体とを遊技機に取り付けた後であっても、第2識別体の識別情報を第1識別体に記憶させることができる。つまり、本構成によれば、第1識別体と第2識別体とを遊技機に取り付ける場合の作業性の自由度が高められ、かかる作業性を良好なものとすることができる。
一方、自己情報記憶手段がデータ書換え不可な記憶手段であることにより、誤って第1識別体の自己の識別情報が書き換えられてしまうことが防止される。第1識別体の自己の識別情報が書き換えられてしまうと識別体を用いた遊技機の管理を正確に行えなくなってしまうが、本構成によれば、かかる不都合の発生を防止できる。特に、他情報記憶手段に記憶された情報は識別情報の簡易的な照合の際に用いられるのに対して、自己情報記憶手段に記憶された情報は管理データを用いた厳密な照合の際に用いられるものであり、この点から、自己情報記憶手段はデータ書換え不可な記憶手段とすることが好ましい。
手段5.手段3又は4において、前記第1識別体として、前記自己情報記憶手段及び前記他情報記憶手段を有するICチップ(ICチップ333a)と、それら各記憶手段に記憶された識別情報を発信するアンテナ部(アンテナ部333b)とを備えた電子チップタグ(ICタグ333)を用いたことを特徴とする遊技機。
手段5によれば、第1識別体として電子チップタグを用いることで、第1識別体に自己情報記憶手段及び他情報記憶手段を設けることができ、第1識別体に自己の識別情報と第2識別体の識別情報とを記憶させることができる。また、上記手段4のように、自己情報記憶手段をデータ書換え不可な記憶手段としつつ、他情報記憶手段をデータ書換え可能な記憶手段とすることができる。
手段6.手段5において、前記第2識別体として、識別情報が二次元コード化されたコード表示部(QRコード)が記された札片(証紙ラベル55,245、識別シール345,346)を用いたことを特徴とする遊技機。
上記手段1等の効果を得るためには、第1識別体に自己の識別情報を記憶させるとともに第2識別体の識別情報を記憶させるだけでよく、第2識別体が第1識別体の識別情報を有している必要はない。この場合に、手段6によれば、第2識別体として、電子チップタグを用いるのではなく、コード表示部が記された札片を用いることにより、コストの低下を図りつつ、上記手段1等の効果を得ることができる。
手段7.手段1乃至6のいずれかにおいて、前記第1識別体及び前記第2識別体以外にも識別体を備えており、前記第1識別体は、さらに前記第2識別体を含めた全識別体の識別情報を有していることを特徴とする遊技機。
手段7によれば、第1識別体及び第2識別体だけでなく、それ以外にも識別体が設けられていることにより、遊技機の管理をより好適に行うことができる。この場合に、第1識別体は、第2識別体を含めた全識別体の識別情報を有している。これにより、読取装置により簡易的に識別情報の照合を行う場合に、照合の基準となる識別情報の所在が第1識別体に集約化され、当該識別情報の照合を行う際の作業性が高められる。
手段8.データ書換え不可な構成であるとともに自己の識別情報が記憶された自己情報記憶手段(書換え不可記憶部802)及びデータ書換え可能な構成であるとともに前記自己の識別情報とは別の識別情報を記憶可能な他情報記憶手段(書換え可能記憶部803)を有する第1識別体(ICタグ333)を管理対象(主制御装置271)に取り付ける第1識別体取付工程(ICタグ付き封印シールの貼付工程PS2)と、
前記第1識別体とは異なる識別情報を有する第2識別体(証紙ラベル55,245、識別シール345,346)を前記管理対象又はそれとは別の遊技機構成部品に取り付ける第2識別体取付工程(準備工程PS1)と、
前記識別情報を読み取り可能であり且つその読み取った識別情報を前記他情報記憶手段に書き込み可能な読取・書き込み装置(リーダ・ライタ装置810)により、前記第2識別体から識別情報を読み取る読取工程(証紙ラベル及び識別シールからのID情報の読取工程PS4)と、
当該読取工程にて前記読取・書き込み装置により読み取った前記第2識別体の識別情報を前記他情報記憶手段に書き込む書き込み工程(ID情報の書き込み工程PS5)と、
を備えたことを特徴とする遊技機の製造方法。
手段8によれば、読取工程が行われることにより、読取・書き込み装置により第2識別体から識別情報が読み取られ、書き込み工程が行われることにより、第1識別体の他情報記憶手段に読取・書き込み装置により読み取った第2識別体の識別情報が書き込まれる。これにより、第1識別体は、自己の識別情報を有するとともに、第2識別体の識別情報を自己の識別情報とは別に有することとなる。本構成においては、例えば、読取装置により第1識別体から第2識別体の製造番号情報を読み取り、さらに第2識別体から製造番号情報を読み取ることで、それらの情報の照合を行うことが可能となる。また、一方の識別体が他方の識別体の識別情報を有する構成であるため、読取装置に管理データを記憶させておく必要はない。したがって、読取装置に予め記憶させておくデータ量が増加してしまうことはなく、さらには読取装置に管理データを記憶させるためのデータ記憶作業を行う必要がない。以上より、識別情報が正規のものか否かの照合作業を簡易的且つ良好に行うことができる。また、第1識別体は、第2識別体の識別情報だけでなく、自己の識別情報を有している。したがって、第1識別体の識別情報と第2識別体の識別情報とを管理データと照合することは依然として可能であり、上記のような読取装置による簡易的な照合作業(仮確認、仮照合又は仮認証)だけでなく、管理データを用いた厳密な照合作業(本確認、本照合又は本認証)をも行うことができる。
また、他情報記憶手段がデータ書換え可能な記憶手段であることにより、第1識別体と第2識別体とを遊技機に取り付ける前又は第1識別体と第2識別体とを遊技機に取り付けた後のいずれであっても、第2識別体の識別情報を第1識別体に記憶させることができる。つまり、本構成によれば、第1識別体と第2識別体とを遊技機に取り付ける場合の作業性の自由度が高められ、かかる作業性を良好なものとすることができる。一方、自己情報記憶手段がデータ書換え不可な記憶手段であることにより、誤って第1識別体の自己の識別情報が書き換えられてしまうことが防止される。第1識別体の自己の識別情報が書き換えられてしまうと識別体を用いた遊技機の管理を正確に行えなくなってしまうが、本構成によれば、かかる不都合の発生を防止できる。特に、他情報記憶手段に記憶された情報は識別情報の簡易的な照合の際に用いられるのに対して、自己情報記憶手段に記憶された情報は管理データを用いた厳密な照合の際に用いられるものであり、この点から、自己情報記憶手段はデータ書換え不可な記憶手段とすることが好ましい。
また、読取工程及び書き込み工程において、読取・書き込み装置を用いることにより、他情報記憶手段への識別情報の書き込みを良好に行うことができる。
手段9.手段8において、前記第1識別体取付工程及び前記第2識別体取付工程を行った後に、前記読取工程及び前記書き込み工程を行うことを特徴とする遊技機の製造方法。
手段9によれば、第1識別体の他情報記憶手段には、同一遊技機に取り付けられた第2識別体の識別情報が確実に記憶されることとなる。第1識別体取付工程及び第2識別体取付工程の少なくとも一方が、読取工程及び書き込み工程の後に行われる構成を想定すると、第1識別体及び第2識別体のうちの一方を、誤って他の遊技機に取り付けてしまうおそれがある。この場合、第1識別体と第2識別体との組合せが異なるものとなってしまい、読取装置による簡易的な識別情報の照合を行えなくなってしまう。これに対して、本構成によれば、上記のとおり、第1識別体の他情報記憶手段には、同一遊技機に取り付けられた第2識別体の識別情報が確実に記憶されることとなる。
手段10.データ書換え不可な構成であるとともに自己の識別情報が記憶された自己情報記憶手段(書換え不可記憶部802)及びデータ書換え可能な構成であるとともに前記自己の識別情報とは別の情報を記憶可能な他情報記憶手段(書換え可能記憶部803)を有する第1識別体(ICタグ333)を管理対象(主制御装置271)に取り付ける第1識別体取付工程(ICタグ付き封印シールの貼付工程PS2)と、
前記第1識別体の識別情報とは異なり、且つ各遊技機固有の識別情報である製造番号情報を有する第2識別体(証紙ラベル55,245、識別シール345,346)を前記管理対象又はそれとは別の遊技機構成部品に取り付ける第2識別体取付工程(準備工程PS1)と、
前記第2識別体の前記製造番号情報を前記他情報記憶手段に書き込む書き込み工程(ID情報の書き込み工程PS5)と
を備えたことを特徴とする遊技機の製造方法。
手段10によれば、書き込み工程が行われることにより、第1識別体の他情報記憶手段に第2識別体の製造番号情報が書き込まれる。これにより、第1識別体は、自己の識別情報を有するとともに、第2識別体の製造番号情報を自己の識別情報とは別に有することとなる。本構成においては、例えば、読取装置により第1識別体から第2識別体の製造番号情報を読み取り、さらに第2識別体から製造番号情報を読み取ることで、それらの情報の照合を行うことが可能となる。また、一方の識別体が他方の識別体の製造番号情報を有する構成であるため、読取装置に管理データを記憶させておく必要はない。したがって、読取装置に予め記憶させておくデータ量が増加してしまうことはなく、さらには読取装置に管理データを記憶させるためのデータ記憶作業を行う必要がない。以上より、識別情報が正規のものか否かの照合作業を簡易的且つ良好に行うことができる。また、第1識別体は、第2識別体の製造番号情報だけでなく、自己の識別情報を有している。したがって、第1識別体の識別情報と第2識別体の製造番号情報とを管理データと照合することは依然として可能であり、上記のような読取装置による簡易的な照合作業(仮確認、仮照合又は仮認証)だけでなく、管理データを用いた厳密な照合作業(本確認、本照合又は本認証)をも行うことができる。
また、他情報記憶手段がデータ書換え可能な記憶手段であることにより、第1識別体と第2識別体とを遊技機に取り付ける前又は第1識別体と第2識別体とを遊技機に取り付けた後のいずれであっても、第2識別体の識別情報を第1識別体に記憶させることができる。つまり、本構成によれば、第1識別体と第2識別体とを遊技機に取り付ける場合の作業性の自由度が高められ、かかる作業性を良好なものとすることができる。一方、自己情報記憶手段がデータ書換え不可な記憶手段であることにより、誤って第1識別体の自己の識別情報が書き換えられてしまうことが防止される。第1識別体の自己の識別情報が書き換えられてしまうと識別体を用いた遊技機の管理を正確に行えなくなってしまうが、本構成によれば、かかる不都合の発生を防止できる。特に、他情報記憶手段に記憶された情報は識別情報の簡易的な照合の際に用いられるのに対して、自己情報記憶手段に記憶された情報は管理データを用いた厳密な照合の際に用いられるものであり、この点から、自己情報記憶手段はデータ書換え不可な記憶手段とすることが好ましい。
手段11.制御装置などの管理対象(本体枠12、遊技盤30、主制御装置271)に取り付けられ、識別情報を有する識別体(証紙ラベル55,245、識別シール345,346、ICタグ333)と、当該識別体から識別情報を読み取る読取装置(リーダ装置840)とを備えた遊技機の管理システムにおいて、
前記識別体として、第1識別体(ICタグ333)と第2識別体(証紙ラベル55,245、識別シール345,346)とを備え、
少なくとも前記第1識別体は、自己の識別情報を有するとともに、前記第2識別体の識別情報を前記自己の識別情報とは別に有し、
さらに、前記読取装置は、
前記第1識別体及び前記第2識別体のそれぞれから識別情報を読み取る読取手段(QRコード用読取部853、ICタグ用読取部855)と、
当該読取手段にて前記第1識別体から読み取った前記第2識別体の識別情報及び前記読取手段にて前記第2識別体から読み取った識別情報を照合する照合手段(CPU841)と、
その照合結果を報知する報知手段(表示部851)と
を備えたことを特徴とする遊技機の管理システム。
手段11によれば、識別体として第1識別体と第2識別体とが設けられており、少なくとも第1識別体は、自己の識別情報を有するとともに、第2識別体の識別情報を自己の識別情報とは別に有している。当該構成において、読取装置では、第1識別体から第2識別体の識別情報を読み取り、さらに第2識別体から識別情報を読み取ることで、それらの情報の照合を行う。そして、その照合結果が報知手段にて報知される。本構成によれば、読取装置により識別情報の簡易的な照合を行うことができ、作業者は報知手段にて報知された照合結果を確認することで、異常の発生に対して適切に対処することができる。
また、一方の識別体が他方の識別体の識別情報を有する構成であるため、読取装置に管理データを記憶させておく必要はない。したがって、読取装置に予め記憶させておくデータ量が増加してしまうことはなく、さらには読取装置に管理データを記憶させるためのデータ記憶作業を行う必要がない。
以上より、識別情報が正規のものか否かの照合作業を簡易的且つ良好に行うことができる。
また、第1識別体は、第2識別体の識別情報だけでなく、自己の識別情報を有している。したがって、第1識別体の識別情報と第2識別体の識別情報とを管理データと照合することは依然として可能であり、上記のような読取装置による簡易的な照合作業だけでなく、管理データを用いた厳密な照合作業をも行うことが可能である。
手段12.手段11において、前記第1識別体及び前記第2識別体の各識別情報が記憶された管理データを有する管理装置(ホールコンピュータ830)をさらに備え、
前記読取装置は、前記第1識別体及び前記第2識別体から読み取った識別情報を前記管理装置に出力する出力手段(出力部856)をさらに備え、
前記管理装置は、
前記読取装置の出力手段から入力した前記第1識別体及び前記第2識別体の各識別情報と前記管理データとを照合する管理側照合手段(CPU831)と、
その照合結果を報知する管理側報知手段(モニタ部834)と
を備えていることを特徴とする遊技機の管理システム。
上記手段11の構成を備え、読取装置による簡易的な識別情報の照合作業を可能とした構成において、手段12によれば、管理装置において管理データを用いた識別情報の照合作業を行うことができる。つまり、上記のような読取装置による簡易的な照合作業だけでなく、管理データを用いた厳密な照合作業をも行うことが可能である。そして、その厳密な照合作業の結果は、管理側照合手段にて報知される。作業者は報知手段にて報知された照合結果を確認することで、異常の発生に対して適切に対処することができる。
なお、以下の各手段も適用可能である。
手段13.遊技ホール等に設置され遊技に際して各種制御を実施する制御装置(主制御装置271)を搭載した遊技機(パチンコ機10)を管理対象とし、前記制御装置に、当該制御装置を搭載した遊技機又はその制御装置ごとに個別に付与された識別情報を有する札片(ICタグ333や識別シール345,346等)を取り付けておくとともに、前記札片の識別情報を情報読み取り装置(リーダ装置601)により読み取り可能とした遊技機の管理システムであって、
前記遊技ホール等への遊技機の出荷前に遊技機ごと又は制御装置ごとに前記識別情報を付与してその識別情報の管理データを作成しておき、前記遊技機の出荷後において、前記情報読み取り装置により読み取った前記札片の識別情報と、前記識別情報の管理データとに基づいて前記遊技機の管理を実施することを特徴とする遊技機の管理システム。
手段13の管理システムでは、遊技ホール等への遊技機の出荷前において、遊技機又は制御装置が真正品であることを表す識別情報の付与、並びに接着等による札片の取り付けが行われるとともに、その識別情報に関して管理データが作成される。この場合、例えば、遊技機の製造メーカにおいて識別情報の付与、札片の取り付け、管理データの作成が行われる。そして、遊技機の出荷後には、遊技ホール等において情報読み取り装置により札片の識別情報が読み取られるとともに、その読み取り情報と識別情報の管理データとに基づいて遊技機の管理が実施される。なおここで、「遊技機の管理」には、遊技機そのものが真正品であることを管理すること以外に、当該遊技機の構成要素である制御装置類が真正品であることを管理することも含む。
要するに、遊技機の出荷後(ホール納品後)を考えると、その搬送途中や、遊技ホール等の非営業時間帯(夜間、休日など)において遊技機に対して制御装置を不正品に交換するなどの不正行為が行われる可能性がある。この場合、近年の不正行為の高度化に伴い、外観上は何ら変化のない状態で不正行為が行われる(真正品同様、札片も取り付けられた状態とされることが考えられる)。この点上記システムによれば、出荷前に作成された識別情報の管理データとの比較により真正品の判定が可能となる。したがって、外観上は何ら変化のない状態であっても、真正品か不正品かの判定を正しく行うことができる。その結果、遊技ホール等において信頼性の高い遊技機管理を実施することができる。
手段14.前記遊技機の出荷先である遊技ホール等以外で前記管理データを保管するデータ保管機関(製造メーカ、遊技機管理組合等)を定める一方、前記データ保管機関と前記遊技ホール等との間に双方向で通信可能な通信手段を設け、
前記遊技ホール等において前記情報読み取り装置により読み取った前記札片の識別情報を、前記通信手段を通じてデータ保管機関に送信するともに、当該データ保管機関において前記札片の識別情報と前記管理データとを照合して認証を行いその認証結果を前記遊技ホール等に返信することを特徴とする手段13に記載の遊技機の管理システム。
手段14によれば、遊技ホール等とデータ保管機関との間における識別情報のやり取りによって識別情報の照合及び認証が行われる。この場合、札片の識別情報の読み取りは遊技ホール等で適宜行われる一方、識別情報の照合及び認証はデータ保管機関に委託されるため、識別情報の照合及び認証自体を不正に行わせることが抑止できる。また、遊技機の出荷先である遊技ホール等以外で管理データが保管されるため、管理データ自体に不正が及ぶ懸念が払拭される。したがって、遊技機管理の信頼性を高めることができる。
なお、製造メーカ又は遊技機管理組合を「データ保管機関」とすることが考えられる。遊技機管理組合は、複数の製造メーカにより構成される組合組織である。遊技機管理組合をデータ保管機関として定める場合、複数の製造メーカの管理データが統括的に保管されると良い。この場合、遊技ホール等で読み取られた識別情報の送信先が共通となり、システム構成の簡素化が可能となる。
手段15.前記遊技ホール等から前記データ保管機関に前記識別情報を送信する際、製造メーカが同一である遊技機ごとに、又は同一製造メーカごとにメーカ判別データを付加した状態で前記識別情報を送信することを特徴とする手段14に記載の遊技機の管理システム。
手段15によれば、同一の製造メーカ単位で識別情報の送信が行われるため、製造メーカごとに遊技機管理を行おうとする場合に好都合なものとなる。
手段16.前記識別情報は製造メーカを特定するメーカ判別情報(第1識別部)を含み、前記遊技ホール等から前記データ保管機関に前記識別情報を送信する場合、前記遊技ホール等の管理装置(管理コンピュータ602等)は、前記メーカ判別情報により同一製造メーカの遊技機ごとに分類した状態で前記識別情報を送信することを特徴とする手段14に記載の遊技機の管理システム。
手段16によれば、遊技ホール等の管理装置においては、識別情報に含まれたメーカ判別情報によりその識別情報が付された遊技機の製造メーカを特定する。そして、同一製造メーカの遊技機ごとに分類した状態で識別情報の送信が行われるため、製造メーカごとに遊技機管理を行おうとする場合に好都合なものとなる。
手段17.前記データ保管機関は、前記札片の識別情報と前記管理データとを照合した結果、それらが不整合である場合に、前記遊技ホール等に対して再度の情報読み取りを要求することを特徴とする手段14乃至16のいずれかに記載の遊技機の管理システム。
遊技ホール等では、管理者等により情報読み取り作業が行われ、その際、真正品であるにもかかわらず操作ミス等に起因して誤って不正品であると判定される可能性がある。この点手段17によれば、データ不整合(認証NG)である場合に、遊技ホール等に対して再度の情報読み取りが要求される。したがって、仮に情報読み取り時の操作ミス等に起因して認証NGとなった場合において、再度の情報読み取りにより、正しい認証結果が得られるようになる。なお、データ不整合(認証NG)が所定回数繰り返された場合には、以降、再度の情報読み取りを要求しないようにすると良い。
手段18.前記データ保管機関は、前記遊技ホール等から受信した前記札片の識別情報、及び当該識別情報による認証結果を累積的に記憶保持することを特徴とする手段14乃至17のいずれかに記載の遊技機の管理システム。
手段18によれば、データ保管機関において、認証の過去データ(認証履歴)が累積的に記憶保持されるため、遊技機の統計的管理が可能となる。なお、認証の過去データ(認証履歴)を参照して遊技機の認証処理を行う構成とすれば、遊技機管理の信頼性をより一層向上させることができる。
手段19.前記データ保管機関は、前記遊技機の出荷前に作成される前記管理データを初期登録データとして保管するとともに、前記制御装置を単体で出荷する場合にその出荷前に交換登録データを作成して当該交換登録データを保管することを特徴とする手段14乃至17のいずれかに記載の遊技機の管理システム。
遊技機においては、故障などに伴い制御装置の交換が行われる場合があり、その制御装置の交換に伴い、出荷前の管理データとの不整合が生じることが考えられる。この点手段19によれば、初期管理データだけでなく交換登録データが保管されるため、上記のような不整合が生じることはない。
手段20.前記データ保管機関は、前記遊技機の納品時の前記認証に際しては前記初期登録データに基づく第1認証(新台入替モード用認証処理)を行い、前記制御装置の交換が行われる場合における当該制御装置の納品時の前記認証に際しては前記交換登録データに基づく第2認証(基板替えモード用認証処理)を行うことを特徴とする手段19に記載の遊技機の管理システム。
手段20によれば、遊技機の出荷時だけでなく制御装置の単体の交換時においても識別情報の認証が行われる。これにより、制御装置の出荷後においてその搬送途中や、遊技ホール等の非営業時間帯において制御装置が不正品に交換されたとしても、それを把握することができる。
手段21.前記データ保管機関は、前記第2認証を行う場合に、前記交換登録データにより前記初期登録データを更新することで前記管理データを更新登録することを特徴とする手段20に記載の遊技機の管理システム。
手段21によれば、制御装置の交換後には交換登録データにより初期登録データを更新することで管理データが更新登録されるため、その後の認証情報の管理を初期登録データと交換登録データとで別々に行う必要はなく、かかる管理を管理データとして一括して行うことが可能となる。よって、初期登録データと交換登録データとをそれぞれ作成するようにした構成において、データの管理が煩雑となることが抑制される。
手段22.前記データ保管機関は、前記交換履歴データにより前記初期登録データを更新する場合、前記初期登録データにおける更新前の更新前データを保管することを特徴とする手段21に記載の遊技機の管理システム。
手段22によれば、更新前データが保管されるため、交換前の制御装置等が中古品として流通したとしても、更新前データと照合することでその出所が特定される。中古品においても不正品が存在するおそれがあるが、更新前データと照合することで真正品か不正品かの判定を正しく行うことができる。
手段23.前記データ保管機関から前記遊技ホール等に対して管理リクエスト信号を送信する一方、前記遊技ホール等において前記管理リクエスト信号に応じて前記札片の識別情報の読み取り及び該読み取った識別情報の返信を行わせることを特徴とする手段14乃至22のいずれかに記載の遊技機の管理システム。
手段23によれば、データ保管機関から遊技ホール等に対して送信される管理リクエスト信号をトリガとして、札片の識別情報の読み取りが行われ、さらにデータ保管機関への識別情報の返信に伴いデータ照合や認証等が行われる。この場合、遊技ホール等の外部からの管理操作が可能となる。したがって、よりシビアな遊技機管理が実現できる。
手段24.前記情報読み取り装置は前記遊技ホール等に設置された各遊技機の設置箇所情報を登録する情報登録手段(操作部601a)を備え、読み取った識別情報はその遊技機の設置箇所情報と対応付けられることを特徴とする手段14乃至23のいずれかに記載の遊技機の管理システム。
手段24によれば、設置箇所情報を参照することで、読み取った識別情報がどの遊技機のものであるかの特定を正しく行うことができる。
手段25.前記データ保管機関は、前記管理データを前記設置箇所情報と対応づけて作成する、又は前記管理データの作成後に前記設置箇所情報を反映させることを特徴とする手段24に記載の遊技機の管理システム。
手段25によれば、設置箇所情報を参照することで、読み取った識別情報に対応した管理データの特定が正しく行われる。よって、読み取った識別情報と管理データとの照合を正しく行うことができる。
手段26.前記遊技機ごとに前記札片を複数取り付け、その複数の札片ごとの識別情報をすべて対応づけて前記管理データを作成しておくとともに、前記遊技機の出荷後において、前記情報読み取り装置により前記複数の札片の識別情報を読み取って前記遊技機の管理を実施する構成とし、
さらに、前記遊技ホール等では前記データ保管機関に前記識別情報を送信する場合、同一遊技機ごとに分類した状態で前記識別情報を送信することを特徴とする手段14乃至25のいずれかに記載の遊技機の管理システム。
手段26によれば、複数の札片の識別情報によって遊技機の管理が行われるため、その管理の信頼性を高めることができる。つまり、遊技機ごとに、札片並びに識別情報が複数存在する場合、真正品であると偽ろうとしてもそれが困難なものとなる。したがって、遊技機が真正品であることの信憑性が高められる。
また、遊技ホール等からデータ保管機関に識別情報が送信される場合、同一遊技機ごとに分類された状態で識別情報が送信され、さらに管理データは複数の札片ごとに識別情報がすべて対応づけて作成されている。よって、遊技機単位で識別情報と管理データとの照合が行われ、遊技機ごとに識別情報が複数設定された構成において認証を円滑に行うことができる。
手段27.前記遊技機ごとに前記札片を複数取り付け、その複数の札片ごとの識別情報をすべて対応付けて前記管理データを作成しておくとともに、前記遊技機の出荷後において、前記情報読み取り装置により前記複数の札片の識別情報を読み取って前記遊技機の管理を実施することを特徴とする手段13乃至25のいずれかに記載の遊技機の管理システム。
手段27によれば、複数の札片の識別情報によって遊技機の管理が行われるため、その管理の信頼性を高めることができる。つまり、遊技機ごとに、札片並びに識別情報が複数存在する場合、真正品であると偽ろうとしてもそれが困難なものとなる。したがって、遊技機が真正品であることの信憑性が高められる。
手段28.前記複数の札片において、各札片ごとに付与した識別情報の情報形態が異なるものを含むことを特徴とする手段26又は27に記載の遊技機の管理システム。
手段28によれば、各札片において、識別情報の情報形態が異なったものを含ませることにより、札片の偽造を困難なものとすることができる。
手段29.前記複数の札片として、少なくとも前記遊技機の個別の識別情報が付与された札片(識別シール346)と、前記制御装置の個別の識別情報が付与された札片(ICタグ333、識別シール345)とを含むことを特徴とする手段26乃至28のいずれかに記載の遊技機の管理システム。
手段29によれば、遊技機と制御装置とが対応付けられて遊技機の管理を行うことができる。したがって、制御装置のみが不正品に交換されるような不正行為に好適に対処できる。
手段30.前記複数の札片の識別情報を前記情報読み取り装置を用いて読み取る際、その読み取り順序を表示手段又は音声手段によりユーザに通知することを特徴とする手段26乃至29のいずれかに記載の遊技機の管理システム。
複数の札片が設けられ、その各札片の識別情報を情報読み取り装置により読み取る場合、読み取りの抜けや重複が生じることが考えられる。この点、手段30によれば、読み取り順序が表示手段又は音声手段によりユーザに通知されるため、読み取りの抜けや重複等を抑制することができる。これにより、正規の管理作業を容易に実現できる。
手段31.前記遊技ホール等における遊技機の納品後に前記制御装置の交換が行われた場合に遊技ホール等の管理装置(管理コンピュータ602等)にその交換履歴を記憶保持しておく一方、前記札片の識別情報を読み取って前記管理データと照合する際において、前記交換履歴の有無を確認するとともに、交換履歴が存在していればその交換履歴データを反映して前記識別情報の照合を行うことを特徴とする手段13乃至30のいずれかに記載の遊技機の管理システム。
遊技機においては、故障などに伴い制御装置の交換が行われる場合あり、その制御装置の交換に伴い、出荷前の管理データとの不整合が生じることが考えられる。この点手段31によれば、交換履歴の有無を確認するとともに、交換履歴が存在していればその交換履歴データを反映して前記識別情報の照合を行うため、制御装置の正規な交換に伴い管理データの不整合が生じてもそれに好適に対処できる。この場合、制御装置が正規に交換されたことが反映されず、管理データとの不整合により不正品であると判定されることが回避できる。
手段32.前記遊技機は、所定の入賞に伴い当選状態となった場合に所定の払出を行うものであって、前記制御装置は、当たり抽選機能と払出管理機能とを有することを特徴とする手段13乃至31のいずれかに記載の遊技機の管理システム。
制御装置が当たり抽選機能や払出管理機能を有する場合、その制御装置を対象にして不正行為が行われると考えられる。かかる場合において、上記のように遊技機の管理が適正に行われれば、仮に不正行為が行われたとしてもその不正行為を適正に見つけることが可能となる。
手段33.前記札片として、前記識別情報を記憶保持するICチップ(ICチップ333a)と、その識別情報を発信するアンテナ部(アンテナ部333b)とを備えた電子チップタグ(ICタグ333)を用いたことを特徴とする手段13乃至32のいずれかに記載の遊技機の管理システム。
手段33によれば、電子チップタグにおいて、アンテナ部によって識別情報の送信が可能となっている。この場合、情報読み取り装置によって、非接触で識別情報の読み取りが可能となる。
手段34.前記電子チップタグのICチップは、メモリ領域としてデータ書き替え不可な不揮発性メモリ領域(ROM)を有し、そのメモリ領域に前記識別情報を記憶保持させた手段33に記載の遊技機の管理システム。
手段34によれば、ICチップにおいてデータ書き換え不可のメモリ領域に識別情報が記憶保持されるため、識別情報が不正に改ざんされる等の不都合が抑制できる。
手段35.一方の面に粘着層(粘着層332)を有するベースシート(ベースシート331)の粘着層側に前記電子チップタグを貼り付けてシール部材(封印シール330)を構成し、そのシール部材を前記制御装置に貼り付けたことを特徴とする手段33又は34に記載の遊技機の管理システム。
手段35によれば、シール部材が制御装置に貼り付けられることにより、電子チップタグが同制御装置に取り付けられる。この場合、電子チップタグを、ベースシートに覆われるようにして制御装置に貼り付けることができ、同電子チップタグの保護を図ることができる。
手段36.長尺状をなす前記アンテナ部を直線状、略直線状又は弧状に拡げた状態で前記電子チップタグを前記ベースシートに貼り付ける一方、前記ベースシートを、前記制御装置への貼付状態から剥がす際にその応力に伴い破損が生じる程度の脆弱性を有するものとしたことを特徴とする手段33乃至35のいずれかに記載の遊技機の管理システム。
手段36によれば、ベースシートは一旦貼り付けた後は、剥がす際の応力により破損するため、その破損に伴って長尺状のアンテナ部にも破損が生じる。したがって、シール部材を剥がす場合には電子チップタグの破損を招くこととなり、電子チップタグを取り出そうとする不正行為が抑制できる。
手段37.複数に分割可能な基板ボックス(基板ボックス273)内に制御基板(主基板272)を収容して前記制御装置を構成し、前記基板ボックスの分割部分を跨ぐようにして前記シール部材を貼り付けたことを特徴とする手段36に記載の遊技機の管理システム。
手段37によれば、基板ボックスの分割部分を跨ぐようにしてシール部材が貼り付けられているため、制御基板の取り出しや、基板ボックス内への不正な電子部品の装着などを目的として基板ボックスを開放する場合には、シール部材を一旦剥がさなければならない。そのため、上記のとおりシール部材を剥がすことに伴い電子チップタグの破損が生じ、その後の電子チップタグの使用を不可とすることができる。これにより、不正行為の発見が可能となる。
[第1の実施の形態]
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
図1及び図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えている。外枠11は、全体として矩形枠状をなし、遊技ホールへの設置に際しいわゆる島設備に取り付けられる。外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方側に開放できるようになっている。
本体枠12の前面側の下部位置には前面板14が設けられている。前面板14は、幅方向ほぼ中央部において手前側へ膨出した膨出部15aを有するベース部15と、ベース部15の膨出部15a内側に設けられ下方にくぼんだ皿形状をなす球受皿としての下皿16と、下皿16の奥側の壁面を構成する奥壁パネル17とを備えている。ベース部15には膨出部15aよりも右方に、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル18が設けられている。奥壁パネル17には球排出口17aが設けられており、球排出口17aより排出された遊技球が下皿16内に貯留されるようになっている。
本体枠12の前面側において前面板14を除く範囲には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。前扉枠13の下部位置には、下皿16の上方において手前側へ膨出した膨出部22が設けられ、その膨出部22内側には上方に開口した上皿23が設けられている。上皿23は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置側へ導くための球受皿である。
本体枠12は、外形が前記外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース25を主体に構成されており、樹脂ベース25の中央部には略円形状の窓孔26が形成されている。樹脂ベース25の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。図3に示すように、遊技盤30は略四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース25の裏側に当接した状態で取着されている。すなわち、遊技盤30はパチンコ機10後方より取り付けられ、遊技盤30の前面部の略中央部分だけが樹脂ベース25の窓孔26を通じて本体枠12の前面側に露出した状態となっている。
次に、遊技盤30の構成を図3に基づいて説明する。遊技盤30には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成され、各開口部には一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35等がそれぞれ設けられている。作動口33には、所定の条件下で作動状態(開放状態)となる電動役物が付随的に設けられている。前記一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33に遊技球が入ると、それが後述する検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿23(場合によっては下皿16)に対し所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30の最下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット35には、作動口33への入賞をトリガとして第1図柄(特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置41が設けられている。可変表示ユニット35には、第1図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム43が配設されている。センターフレーム43の上部には、第1図柄表示装置41に対応した保留ランプ44が設けられている。遊技球が作動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ44の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム43の上部中央には、スルーゲート34の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置42が設けられている。センターフレーム43の下部には、第2図柄表示装置42に対応した保留ランプ46が設けられている。遊技球がスルーゲート34を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1図柄表示装置41は液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。第1図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて第1図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして可変表示されるようになっている。なお、第1図柄表示装置41は、液晶ディスプレイ以外に、CRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
第2図柄表示装置42は、例えば「○」、「×」の2種類の第2図柄を表示する表示部45を備えている。そして、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に表示部45の表示図柄(第2図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄(例えば「○」図柄)で停止した場合に、作動口33に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となるよう構成されている。具体的な変動態様は、遊技球がスルーゲート34を通過すると、「○」と「×」の表示が付された部分の背面に内蔵された各LEDが交互に点灯され、最終的に「○」か「×」の一方に対応したLEDのみが点灯されるというものである。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、特別遊技状態(以下、大当たりという)の際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。より詳しくは、作動口33に遊技球が入賞すると第1図柄表示装置41で第1図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなった場合に大当たりが発生する。そして、可変入賞装置32が所定の開放状態となり、遊技球が入賞し易い状態になるよう構成されている。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32内の継続入賞口への入賞を条件として次ラウンドへの移行条件成立とし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成され、内外二重に設けられた内レール部51と外レール部52とを有する。
遊技盤30において表側の右下隅部には、遊技盤用の証紙ラベル55が貼り付けられている。この証紙ラベル55には、製造メーカ名、遊技機製造番号、及びそれらの各データを二次元コード化したQRコード(登録商標)が印刷等により記されている。なお、遊技盤30をパチンコ機10として組み付けた状態では、前扉枠13に設けた小窓107(図1参照)を通じて、パチンコ機前方から証紙ラベル55が視認可能となっている。
また、遊技盤30においてレールユニット50よりも外方の左上部には、前後に貫通した中継端子孔59が設けられており、この中継端子孔59を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60がパチンコ機10前面側に露出されるようになっている。
一方、図2に示すように、樹脂ベース25には、窓孔26の左上部に小窓79が設けられている。この小窓79は、図3で説明した遊技盤30の中継端子孔59に対応する位置にそれとほぼ同一の形状で設けられ、中継端子孔59及び小窓79を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60が本体枠12の前面側に露出される。かかる構成において、前扉枠13側に設けた各種ランプに対しては、本体枠12(樹脂ベース25)の小窓79より露出した接続コネクタ60を介して電気的な接続がなされている。
本体枠12の右下隅部には、外枠11に対する本体枠12の施錠及び解錠、並びに本体枠12に対する前扉枠13の施錠及び解錠を行うための鍵部材としてのシリンダ錠91が設置されている。シリンダ錠91は施錠装置に一体化されており、施錠装置のうちシリンダ錠91だけが本体枠12の前方に突出した状態で設けられている。この場合、シリンダ錠91は、遊技領域の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられている。シリンダ錠91は、本体枠12の施解錠と前扉枠13の施解錠とを共に賄う機能を有しており、鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り方向)に回すと本体枠12の施錠が解かれ、逆にキーを右(時計回り方向)に回すと前扉枠13の施錠が解かれるようになっている。
次に、前扉枠13について説明する。前扉枠13には、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした視認窓としての窓部101が形成されている。窓部101は円形に近い略楕円形状をなし、より詳しくは、その左右側の略中央部が上下側に比べて緩やかに湾曲した形状となっている。
前扉枠13にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり状態時に点灯や点滅を行うことにより大当たり中であることを報知する。また、上皿23周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とがそれぞれ設けられている。
前扉枠13には、窓部101の下方位置に貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で、貸球操作部120によって球貸し操作、カード返却操作及びカード度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機(いわゆる現金機)では貸球操作部120が不要となるが、かかる場合には、貸球操作部120の設置部分に飾りシール等が付されるようになっている。これにより、貸球操作部120を設けた本パチンコ機10の構成において、カードユニットを用いたパチンコ機(いわゆるCR機)と現金機との共用が可能となる。
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。図4はパチンコ機10の背面図、図5はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
まず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面側には、各種制御装置(各種制御基板)が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されるとともに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御装置を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に本体枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御装置271(主基板)と音声ランプ制御装置291(音声ランプ制御基板)とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御装置311(払出制御基板)、発射制御装置312(発射制御基板)及び電源装置313(電源基板)を他方の取付台に搭載してユニット化している。以下においては、便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化され、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて本体枠12又は遊技盤30の裏面に対して展開できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置された場合に隠れた部位を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。実際には、図6の概略図に示すように、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重複する領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201にはパチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に第1制御基板ユニット201が回動可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部すなわち支軸部M1の反対側となる開放端側に、ナイラッチ(登録商標)等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。また、第2制御基板ユニット202にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に第2制御基板ユニット202が回動可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部すなわち支軸部M4の反対側となる開放端側に、ナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。さらに、裏パックユニット203にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に裏パックユニット203が回動可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部すなわち支軸部M6の反対側となる開放端側にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられるとともに、上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
各ユニット201〜203を回動可能に支持する支軸部M1,M4,M6は、各ユニット201〜203をパチンコ機10の裏面から開いた状態で容易に取り外し可能なヒンジ構造となっている。簡単に説明すると、第1制御基板ユニット201については、締結部M2の締結及び係止爪部M3の係止を解除すると共に、当該ユニット201を軸線Aを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203がない前提であれば、第1制御基板ユニット201を取り外すことができる。また、第2制御基板ユニット202については、締結部M5の締結を解除すると共に、当該ユニット202を軸線Bを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、第2制御基板ユニット202を取り外すことができる。さらに、裏パックユニット203については、締結部M7の締結及び係止部M8,M9の係止を解除すると共に、当該ユニット203を軸線Cを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203を取り外すことができる。
ここで、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。この場合、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203に一部重複して設けられるため、裏パックユニット203を開かないことには第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能であり、さらに言うと、第1制御基板ユニット201及び裏パックユニット203が各々逆方向に展開する構成であるため、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能である。従って、第1制御基板ユニット201を取り外すことに着目すると、他のユニット202,203に比べて取り外しが困難な構成となっている。さらに、施錠装置をキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっているため、より一層第1制御基板ユニット201の取り外しが困難なものとなっている。より具体的な構成については後述する。
次に、本体枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。図7は本体枠12に遊技盤30を組み付けた状態でかつ前記各ユニット201〜203等を取り外した状態の構成を示す背面図、図8は本体枠12を後方より見た斜視図、図9は遊技盤30を後方より見た斜視図である。
遊技盤30は、樹脂ベース25に囲まれた四角枠状の設置領域に裏面側より設置され、本体枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって後方へ脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。図7にはロック状態を示す。左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で本体枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、下部1カ所の係止固定具212は合成樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央に配置される可変表示ユニット35には、センターフレーム43(図3参照)を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、第1図柄表示装置41と表示制御手段としての表示制御装置214とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム43に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
遊技盤30の裏面には、可変表示ユニット35を取り囲むようにして集合板ユニット215が設けられている。集合板ユニット215は、薄板状の枠体として例えばABS樹脂等の合成樹脂により成形されるベースを有し、そのベース面が遊技盤30の裏面に当接されるようにして取り付けられている。集合板ユニット215には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット215には、遊技盤30表側の一般入賞口31と対応する位置に入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32と対応する位置に特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223が設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり中に可変入賞装置32へ入賞した遊技球が特定領域に入ったことを判定するスイッチである。特定領域とはラウンドの更新可否を判定するための領域であり、Vゾーンとも称されている。カウントスイッチ223は、可変入賞装置32に入賞した遊技球の数をカウントするスイッチである。また、作動口33に対応する位置には作動口33への遊技球の入賞を検知する作動口スイッチ224が設けられ、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲート34の遊技球の通過を検知するゲートスイッチ225が設けられている。入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続されている。そして、盤面中継基板226及び大入賞口中継基板227が主制御装置271に接続されている。作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置271に接続されている。その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口の開閉扉を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域かその他の領域に振り分けるための振分板を駆動する入賞球振分板ソレノイドとが設けられ、作動口33には、それに付随する電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞検知機構にて各々検出された検出結果は主制御装置271に取り込まれ、該主制御装置271よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信される。そして、払出制御装置311の出力により所定数の遊技球の払出が実行されるようになっている。
集合板ユニット215には、その右上部に盤用外部端子板230が設けられている。盤用外部端子板230には、第1図柄の変動が停止(確定)する毎に信号出力するための出力端子と、大当たり中又は第1図柄の変動時間短縮中に信号出力するための出力端子と、大当たり中に信号出力するための出力端子とが設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して遊技(遊技盤30側の状態)に関する信号が出力される。盤用外部端子板230は、取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられている。なお、図7に示すように、本体枠12裏側の左下部には、打球槌等を備えるセットハンドル228及び発射モータ229が設けられている。
集合板ユニット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる軸受け金具231が設けられ、この軸受け金具231には同一軸線上に上下一対の軸受け孔231aが形成されている。また、遊技盤30において、軸受け金具231の右方には上下一対の被締結孔(具体的にはナイラッチの取付孔)232が設けられ、軸受け金具231の上方には係止爪片233が設けられている。
本体枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、本体枠12にはその右端部に長尺状の軸受け金具235が取り付けられている。軸受け金具235は遊技盤30よりも下方へ延びる長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より後方へ起立させるようにして、下部2カ所に第2制御基板ユニット202用の軸受け部237が形成されると共に、上部2カ所に裏パックユニット203用の軸受け部238が形成されている。これら軸受け部237,238にはそれぞれ同軸の軸受け孔が形成されている。なお、第2制御基板ユニット202用の軸受け部237と裏パックユニット203用の軸受け部238とを各々個別の軸受け金具で構成することも可能である。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)240が設けられている。本体枠12において遊技盤30の左上方、右寄り上方及び右寄り下方の各位置には、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具241,242,243がそれぞれ設けられている。なお、裏パックユニット203は、その上部に大量の遊技球を貯留することから、裏パックユニット203の上部を支持するための固定具241,242に関しては特に十分な強度を持つ構成とするのが望ましく、本実施の形態では回動式の固定具を用いている。
上記の如く本体枠12の左右一側部(図7では右側部)には長尺状の軸受け金具235が設けられる一方、本体枠12の左右他側部(図7では左側部)には施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び本体枠12に固定された基枠247と、その基枠247に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆248とを備え、基枠247の下部に前記シリンダ錠91が一体化されている。連動杆248は、シリンダ錠91の操作により上下いずれかの方向に移動する。連動杆248には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具249が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉鎖した際には、鉤金具249が外枠11側の支持金具(図示略)に係止され、施錠装置により施錠状態とされるようになっている。この場合、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が上方向に移動すると、外枠11に対する本体枠12の施錠が解除される。逆に、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が下方向に移動すると、本体枠12に対する前扉枠13の施錠が解除される。
また、本体枠12において背面側の右下隅部には、枠用の証紙ラベル245が貼り付けられている。この証紙ラベル245には、製造メーカ名、遊技機製造番号、及びそれらの各データを二次元コード化したQRコード(登録商標)が印刷等により記されている。
次に、第1制御基板ユニット201の構成を図10〜図14に基づいて説明する。図10は第1制御基板ユニット201の正面図、図11は同ユニット201の斜視図、図12は同ユニット201の分解斜視図、図13は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図、図14は同ユニット201を構成する主制御装置271の分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす台座部材としての取付台251を有し、取付台251に主制御装置271と音声ランプ制御装置291とが搭載されている。主制御装置271は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板272を具備しており、主基板272が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス273に収容されて構成されている。本実施の形態において、主基板272上には、CPU、ROM及びRAMを1チップ化したマイコンチップ275が実装されている。ただし、CPU、ROM及びRAMを1チップ化せず、それぞれの機能毎にチップ化した構成であってもよい。なお、図14において、符号276は入出力ドライブ用ICチップであり、符号277はラッチ用ICチップである。
マイコンチップ275には、チップ固有の識別番号(チップIDコード)があらかじめ格納されており、主制御装置271に設けられたデータ読み出し端子279に対してデータ読み取り装置を電気的に接続することによりチップIDコードの読み出しが可能となっている。この読み出しは、遊技機認証機関(警察機関等)や製造メーカにおいて専用の読み取り装置を用いて行われる。
基板ボックス273は、略直方体形状のボックスベース281と該ボックスベース281の開口部を覆うボックスカバー282とを備えている。この場合、ボックスベース281が表ケース体であり、ボックスカバー282が裏ケース体である。ボックスカバー282は、ボックスベース281に対してスライド装着される構成となっており、ボックスカバー282に主基板272を組み付けた状態で、ボックスベース281の短辺部片側(図14の右側)からボックスカバー282をスライド装着することで、ボックスベース281とボックスカバー282とが一体化できるようになっている。
ボックスベース281とボックスカバー282とは封印手段としての封印ユニット274によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス273が封印されている(ここでは、開封履歴を残さず開封することが不可であることを意味する)。封印ユニット274としてはボックスベース281とボックスカバー282とを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図14に示すように、ボックスベース281及びボックスカバー282にそれぞれ5つの封印部材283,284を設けた構成となっており、この封印部材283,284の長孔に係止爪を挿入することでボックスベース281とボックスカバー282とが開封不能に連結されるようになっている。
封印ユニット274による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット274を構成する5つの封印部材283,284のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板272の不具合発生の際や主基板272の検査の際など基板ボックス273を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス273の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス273に残しておけば、基板ボックス273を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、ボックスベース281及びボックスカバー282において、封印部材283,284の逆側の短辺部には、それぞれ略板状をなすシール貼付部285,286が突出形成されている。このシール貼付部285,286は、ボックスベース281及びボックスカバー282を組み付けた状態で当接しかつ前後に重なる形状を有し、シール貼付部285,286が前後に重なった状態でそれら各部に跨るようにして封印シール330が貼り付けられている。図14に示すように、これら両貼付部285,286にはネジ穴285a,286aが形成されており、ネジ287により両貼付部285,286が接合固定されている。
図15は、シール貼付部285,286における封印シール330の貼付状態を示す断面図であり、これは図10におけるA−A線断面図に相当する。図15に示すように、封印シール330は、両貼付部285,286に沿って略コ字状に折り曲げられて貼着されており、そのシール貼着状態において両貼付部285,286のネジ穴285a,286aが封印シール330により覆われるようになっている。
ここで、封印シール330の構成について図16及び図17を用いて説明する。図16は封印シール330の表面側及び裏面側の構成を示す図であり、図17は封印シール330の断面構成を示す図である。
封印シール330は略矩形状のベースシート331を備えており、ベースシート331の背面には粘着剤が塗布され粘着層332が形成されている。また、粘着層332の一部にICタグ333が埋め込まれている。図17においては、粘着層332の背面側に剥離シート334が示されている。この剥離シート334は封印シール330を基板ボックス273に貼り付ける際に剥がされるものであり、剥離シート334を剥がすことにより封印シール330の裏面側において粘着層332が露出し、基板ボックス273へのシール貼着が可能となっている。
ベースシート331は、ポリエステル系フィルムなど、適度な脆性を有する可撓性樹脂フィルムにより形成されており、さらに溶剤や熱に対して反応性を有する。具体的には、粘着層332を構成する粘着剤に対して溶解性を備えたトルエンなどがベースシート331に塗布されると、ベースシート331は変色する。また、粘着層332の粘着力が低下する温度(例えば、50℃)以上の熱が加えられた場合にもベースシート331は変色する。これにより、基板ボックス273から封印シール330を不正に剥がそうとして溶剤がかけられたり、熱が加えられたりした場合、ベースシート331が変色することで当該不正行為の痕跡を残すことができる。
粘着層332の粘着剤は、従来の封印シールと同様に、一旦貼り付けされた後に剥がされる場合にベースシート331から剥離される程度の粘着力を有している。したがって、封印シール330が剥がされた場合には再度貼り付けすることが不可能となり、さらには粘着層の一部が基板ボックス側に残ることとなる。よって、封印シール330を不正に剥がした痕跡を残すことができる。
ICタグ333は、ICチップ333a及びアンテナ部333bより構成されており、長尺状のアンテナ部333bの中央付近にICチップ333aが配置されている。ICチップ333aは集積回路として形成されるものであり、制御部及びメモリ領域を有する。メモリ領域は、データ書き換え不可な不揮発性メモリ(ROM)により構成されており、その記憶容量は例えば128bitとなっている。メモリ領域には、識別データとしてのID情報が格納されている。具体的には、製造メーカ名(又は複数のメーカごとに付されたメーカ固有番号)、遊技機固有のID番号が格納されている。ICチップ333aのメモリ領域はデータ書き換え不可であるため、ID情報が不正に改ざんされる等の不都合が抑制できるようになっている。
アンテナ部333bは、アルミ等の金属薄層で形成されており、その厚みはICチップ333aの厚みよりも薄い。また、アンテナ部333bは、共振周波数が2.45GHz等の一定周波数となるようにアンテナパターンとして作製されている。
ICチップ333aのID情報は、制御部によって呼び出されてアンテナ部333bから発信することができるように構成されており、アンテナ部333bから発信されたID情報を、リーダ装置で受信して読み取ることができるようになっている。詳細には、リーダ装置からは前記周波数の微弱な電波(呼出波)で呼び出しが行われるようになっており、この電波により誘導電磁界が形成される。そして、誘導電磁界内にアンテナ部333bが位置する程度にリーダ装置をアンテナ部333bに近接させると、アンテナ部333bに電磁誘導で起電力が発生する。ICチップ333aではこの起電力を電源として、メモリ領域に格納されているID情報を制御部で呼び出してアンテナ部333bから応答波として送信する。
ICタグ333(アンテナ部333b)は、図16(b)に示すように、ベースシート331においてその一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って斜めに配置されている。詳細には、アンテナ部333bはベースシート331の対角線上にはなく、アンテナ部333bの長手方向がベースシート331の両対角線と交差している。この場合、長尺状のアンテナ部333bはその長手方向がベースシート331のすべての辺方向と交差することとなる。そして、封印シール330が両貼付部285,286に跨って貼り付けられているのに伴って、アンテナ部333bも両貼付部285,286に跨っている。
また、封印シール330には、アンテナ部333bの長手方向に沿って等間隔で並ぶ多数のアンテナ用切り込み335が形成されている。アンテナ用切り込み335は、アンテナ部333bの長手方向に対して略直交する方向に延びる直線状であり、ベースシート331の表面側から粘着層332の背面側まで貫通している(なお、図16(a)ではアンテナ用切り込み335を省略して示している)。ちなみに、アンテナ用切り込み335が延びる方向は、アンテナ部333bの長手方向に対して略直交する方向であるため、ベースシート331のすべての辺方向と交差している。また、アンテナ用切り込み335は、アンテナ部333bに若干掛かる構成となっている。この場合に、アンテナ部333bはアンテナ用切り込み335により分断されていないため、ID情報の送信に関して弊害は生じない。また、アンテナ用切り込み335がアンテナ部333bを挟んで直線状に並ばないように、アンテナ部333bの一側に位置するアンテナ用切り込み335と他側に位置するアンテナ用切り込み335とはずらして形成されている。詳細には、アンテナ部333bの一側に位置するアンテナ用切り込み335と他側に位置するアンテナ用切り込み335とは、アンテナ部333bの長手方向に沿って交互に並ぶように形成されている。
以上説明した封印シール330を貼付部285,286から剥がそうとする場合、その剥がす力に伴う応力がアンテナ部333bの周囲に位置するアンテナ用切り込み335の端部に集中することで、アンテナ用切り込み335を介してベースシート331が破壊され、それに伴ってアンテナ部333bが分断されることとなる。アンテナ部333bが分断されるとID情報がアンテナ部333bから送信されなくなるので、ID情報をリーダ装置で読み取ることができなくなる。よって、封印シール330を貼付部285,286から丁寧に剥がして基板ボックス273を開封し、主基板272に対して不正を行った後に、基板ボックス273を封印して封印シール330を再度貼ったとしても、当該不正行為を容易に発見することができる。
封印シール330の4隅には、ベースシート331の表面側から粘着層332の背面側まで貫通する隅側切り込み336がそれぞれ形成されている。詳細には、隅側切り込み336は、封印シール330の隅角の内側にて当該隅角に沿うようにしてL字状に形成されている。よって、封印シール330がその一辺に沿う方向に剥がされるのではなく封印シール330の隅角側から剥がされたとしても、隅側切り込み336から封印シール330に破壊が生じ、不正行為の痕跡を残すことができる。
封印シール330の外縁には、図16に示すように、外側端部から内側に向けて多数の外縁切り込み337が形成されている。これら外縁切り込み337は、内側から外側に向けて開くようにして鋭角のV字状となっており、さらに封印シール330の外周に沿う方向に等間隔で形成されている。したがって、基板ボックス273の貼付部285,286から封印シール330を剥がそうとすると、この剥がす力に伴う応力が外縁切り込み337の内側端部に集中し、また上記のとおりベースシート331が適度な脆性を有していることにより、封印シール330に破れなどといった破壊が生じる。これにより、封印シール330が剥がされたことの痕跡を残すことができ、主基板270に対して不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
また、ベースシート331の表面には、図16(a)に示すように、インク塗布部341、識別情報部342及び機種情報部343が設けられている。インク塗布部341には、紫外線などといった特定の波長の光が照射されることにより模様が表れる特殊インクが塗布されている。識別情報部342には、複数の英数字(アルファベット又は数字)が記載されており、当該識別情報部342に記載される英数字は遊技機毎に異なるものとなっている。この場合に、識別情報部342に記載される英数字はICチップ333aに格納されているID情報と対応づけて規定されている。例えば、ID情報が数字で登録されている場合には、ID情報の数字と識別情報部342に記載された数字との和が、遊技ホールなどに設置された複数の遊技機において同一となるように規定されている。機種情報部343には、当該遊技機の機種名や当該遊技機の製造メーカ名などが記載されている。
識別情報部342に付される英数字について追記する。封印シール330の製造過程において、当該封印シール330にICタグ333が組み付けられた段階では未だ識別情報部342に英数字が付されておらず、ICタグ333の組み付け後にリーダ装置(リーダ装置)によりタグID情報が読み取られると、その読み取られたタグID情報に関連付けて英数字がレーザ刻印等により印字される。なお、識別情報部342に英数字を印字する作業は、ICタグ333のタグID情報が正常に読み取ることができたことを条件に行われ、仮にICタグ333のタグID情報が正常に読み取れなかった場合には、英数字の印字が行われない。この場合、該当する封印シール330は破棄される。
ここで、封印シール330の図16(a)における上部領域R1は、ボックスカバー282の貼付部286側に貼付される。よって、主制御装置271に正面側からインク塗布部341及び識別情報部342を視認することができ、インク塗布部341及び識別情報部342の確認作業を容易に行うことができる。また、封印シール330の図16(a)における中間領域R2は、両貼付部285,286の側面側に位置している。よって、機種情報部343に記載された内容は主制御装置271を取付台251から取り外すことなく確認することができる。なお、下部領域R3は、ボックスベース281の貼付部285側に貼付される。
以上のようにインク塗布部341及び識別情報部342が設けられていることにより、主制御装置271が不正に交換された場合に、その交換がなされていることを容易に発見することができる。即ち、交換された不正用の主制御装置が正規のものと外観上区別できなかったとしても、インク塗布部341に特有の光を照射し模様が表れないことを確認することで交換されたことを発見することができる。また、不正用の主制御装置の封印シールにICタグが設けられていたとしても、ID情報をリーダ装置で読み取り、その情報と識別情報部342の情報とを確認することで交換されたことを発見することができる。
また、主制御装置271において基板ボックス273のボックスカバー282には、上記の封印シール330(ICタグ333)以外に、情報ラベルとして2つの識別シール345,346が貼付されている。この場合、識別シール345は、主制御装置271(主基板)に関する固有情報(主基板ID情報)を記した情報ラベルであり、具体的には、製造メーカコード、製造番号、及びそれらの各データを二次元コード化したQRコード(登録商標)が印刷等により記されている。また、識別シール346は、パチンコ機10に関する固有情報(パチンコ機ID情報)を記した情報ラベルであり、具体的には、製造メーカ名、機種名、機種コード、及びそれらの各データを二次元コード化したQRコードが印刷等により記されている。各識別シール345,346に付されたQRコードは、QRコード読み取り機能を有するリーダ装置により読み取られる。
音声ランプ制御装置291は、例えば主制御装置271又は表示制御装置214からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス292に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置291上には電源中継基板293が搭載されており、電源装置313の電源が電源中継基板293を介して表示制御装置214及び音声ランプ制御装置291に供給されるようになっている。主制御装置271の基板ボックス273及び音声ランプ制御装置291の基板ボックス292は何れもケース部材に相当する。
取付台251は、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であり、例えば緑や青等に着色されて不透明とされている。但し、取付台251は無色透明又は半透明であってもよい。取付台251の表面には平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は装着部を構成するものであって、縦横に直交する向きに延び、パチンコ機10の前後方向に段差をもって形成されている。基板搭載面252の上縁部及び下縁部にはそれぞれ、基板搭載面252より起立した起立部254が一体成形されている。そして、横長に延びる一方の基板搭載面252上に主制御装置271が配置されると共に、縦長に延びる他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置291が配置される。このとき、主制御装置271は、上下の側部が起立部254にて支えられる。また、音声ランプ制御装置291は、複数箇所でネジ等により基板搭載面253に固定される。
ここで、図12及び図13に示すように、基板搭載面252には、左右2カ所に孔部としての横長形状の貫通孔256が形成されている。一方、主制御装置271の基板ボックス273には、その裏面の左右2カ所に締結部材としての回動操作式の固定具278が設けられている。主制御装置271を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔256に固定具278を挿通させるようにして主制御装置271を載置し、その状態で固定具278を回動操作することで主制御装置271を固定する。これにより、基板搭載面252上にて取り外し不能に主制御装置271が装着できる。この場合、主制御装置271は第1制御基板ユニット201の裏面側から固定具278をロック解除しなければ取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が得られる。
取付台251において、主基板用の基板搭載面252の下方には、基板搭載面252の裏面空間に通じる開口を遮蔽するための遮蔽部257が設けられている。従って、基板搭載面252の下方より取付台251の裏面に手などを差し入れることが阻止され、固定具278のロック状態を不正に解除することができないようになっている。また、第1制御基板ユニット201をパチンコ機10裏面に搭載した状態では、当該ユニット201の上部が裏パックユニット203により覆われるため、やはり取付台251の裏面に手などを差し入れることが阻止され、固定具278のロック状態を不正に解除することができないようになっている。
前述した通り、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ取り外すことが不可能であり、また、施錠装置を正しくキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっている。つまり、本体枠12を開くことができなければ、結果的に第1制御基板ユニット201を回動させたり取り外すことができず、ひいては主制御装置271の取り外しも不可能となる。それ故、主制御装置271の不正な載せ替えや盗難等を効果的に防止することができる。施錠装置を正しくキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放することが、裏パックユニット203を開放するための開放条件となっている。
主制御装置271はパチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置291はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253がパチンコ機10の前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置271及び音声ランプ制御装置291を搭載した状態において各制御装置271,291はその一部を前後に重ねて配置される。つまり、図11等にも見られるように、主制御装置271はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置される。故に、主制御装置271に重なる領域まで音声ランプ制御装置291を拡張することが可能となり、また別の見方をすれば音声ランプ制御装置291に重なる領域まで主制御装置271を拡張することが可能となり、パチンコ機10という限られた大きさの中にあっても、各制御装置271,291の大型化に良好に対処できるとともに、各制御装置271,291を効率良く設置できる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。なお、基板搭載面252の裏面には格子状のリブ258が設けられており、主制御装置271の支持強度が高められている。
取付台251の左端面には上下一対の掛止ピン261が設けられており、この掛止ピン261を前記軸受け金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して回動可能に片持ち支持される。取付台251の右端部には前記被締結孔232にはめ込まれる締結具として上下一対のナイラッチ262が設けられている。取付台251の上端部には前記係止爪片233が係止される長孔263が設けられている。従って、ナイラッチ262を被締結孔232にはめ込むと共に、長孔263に係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、軸受け金具231及び掛止ピン261が前記支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ262が前記締結部M2に、係止爪片233及び長孔263が前記係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、第2制御基板ユニット202の構成を図18〜図20に基づいて説明する。図18は第2制御基板ユニット202の正面図、図19は同ユニット202の斜視図、図20は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311及び発射制御装置312は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われる。また、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、主として遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、主制御装置271と同様、被包手段を構成する基板ボックス315がボックスベースとボックスカバーとを備え、それらが封印手段としての封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、後述する払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。基板搭載面302には、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が横並びとなった状態で搭載され、ネジ等で固定されている。電源装置313の基板ボックス317上には略平板状の台座プレート303が載置されるとともに台座プレート303上に払出制御装置311が搭載され、ネジ等で固定されている。払出制御装置311と電源装置313との間には台座プレート303が介在するため、例えばノイズ除去用の金属プレート等を設置するには台座プレート303に金属プレート等を取り付ければ良く、ノイズ対策が簡単に実現できる。
取付台301には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン305が設けられており、掛止ピン305を前記軸受け部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。取付台301の左端部には締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を前記被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に固定される。なお、軸受け部237及び掛止ピン305が前記支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が前記締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を図21及び図22に基づいて説明する。図21は裏パックユニット203の正面図、図22は裏パックユニット203の分解斜視図である。
裏パックユニット203は、裏パック351と遊技球の払出機構部352とが一体化されることにより構成されている。裏パック351は例えばABS樹脂等の合成樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置291も併せて囲む構成となっている。
裏パック351のベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、タンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には上下方向に延びるケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出制御装置311の制御により払出モータ358aが駆動されて必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置358より払い出された遊技球は払出通路359等を通じて前記上皿23等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFが切り替えられるようになっている。
裏パック351には、その右上部に枠用外部端子板390が設けられている。枠用外部端子板390には、タンク355やタンクレール356で遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、本体枠12の開放時に信号出力するための出力端子、及び前扉枠13の開放時に信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
裏パック351には、枠用外部端子板390に隣接して略四角形状の窓部391が設けられている。従って、裏パックユニット203を本体枠12に取り付けた状態では、窓部391を通じて遊技盤30裏面の盤用外部端子板230が露出し、裏パックユニット203を装着したままで盤用外部端子板230の操作を行うことができるようになっている。前述のとおり、盤用外部端子板230は取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられていることから、盤用外部端子板230の配線を接続したままで、窓部391を介して当該盤用外部端子板230を取り出すことも可能となる。裏パック351の右上部には本体枠12の開放の状態を検出するための本体枠開放スイッチ392が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉じた状態では当該スイッチ392の金属接点が閉じて本体枠12の閉鎖が検知され、外枠11に対して本体枠12を開いた状態では金属接点が開いて本体枠12の開放が検知されるようになっている。
裏パック351には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン385が設けられており、掛止ピン385を前記軸受け部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を前記被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に前記固定具242を挿入した上で当該固定具242を回動操作することで、裏パックユニット203が本体枠12に固定される。また、前記固定具241,243によっても裏パックユニット203が本体枠12に固定される。なお、軸受け部238及び掛止ピン385が前記支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が前記締結部M7に、固定具242及び係止孔387が前記係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が前記係止部M9に相当する。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図23のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置271には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている(上述のマイコンチップ275に相当)。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込み処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
主制御装置271のCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置214や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置271のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込み処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置271のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により、NMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
払出制御装置311のCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置271、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
表示制御装置214は、第1図柄表示装置41における第1図柄(特別図柄)の変動表示と、第2図柄表示装置42における第2図柄(普通図柄)の変動表示とを制御するものである。表示制御装置214は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力側には主制御装置271の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力側には第2図柄表示装置42(表示部45)や、音声ランプ制御装置291が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力側には第1図柄表示装置41が接続されている。
表示制御装置214のCPU521は、主制御装置271から送信される図柄表示コマンドに基づいて第1図柄表示装置41及び第2図柄表示装置42の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第1図柄表示装置41に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第1図柄表示装置41の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第1図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第1図柄表示装置41に表示させるものである。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置271や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置271や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置271のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置271及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置271及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込み処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込み処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置271及び払出制御装置311は、NMI割込み処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置271及び払出制御装置311のバックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、主制御装置271及び払出制御装置311に対してRAM消去信号SG2を出力する。これにより、RAM消去スイッチ323が押された状態でパチンコ機10の電源が投入されると、主制御装置271及び払出制御装置311においてそれぞれのバックアップエリア503a,513aのデータがクリアされる。
ところで、本パチンコ機10においては、上述したようにパチンコ機10ごと又は主制御装置271ごとに各種のID情報(識別情報)が付されており、それら各ID情報により本パチンコ機10及び主制御装置271の管理が可能となっている。各種のID情報についてあらためて以下に記述する。
(1)遊技盤用の証紙ラベル55に記された遊技盤ID情報…同ラベル55は遊技盤30に貼付され、遊技盤ID情報として遊技盤30の製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、遊技機製造番号(例えば、No.1234567)、及びそれらの各データを二次元コ
ード化したQRコードが記されている。
(2)枠用の証紙ラベル245に記された枠ID情報…同ラベル245は本体枠12に貼付され、枠ID情報として本体枠12の製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、遊技機製造番号(例えば、No.1234567)、及びそれらの各データを二次元コード化し
たQRコードが記されている。
(3)識別シール345に記された主基板ID情報…識別シール345は主制御装置271の基板ボックス273に貼付され、主基板ID情報として製造メーカコード(例えば、SY−F)、製造番号(例えば、No.1234567)、及びそれらの各データを二次元
コード化したQRコードが記されている。
(4)識別シール346に記されたパチンコ機ID情報…識別シール346は主制御装置271の基板ボックス273に貼付され、パチンコ機ID情報として製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、機種名(例えば、××物語)、機種コード(例えば、12345A)、及びそれらの各データを二次元コード化したQRコードが記されている。
(5)ICタグ333のタグID情報…ICタグ333は主制御装置271の封印シール330に組み付けられ、タグID情報として製造メーカ名(又は複数のメーカごとに付されたメーカ固有番号)、遊技機固有のID番号が格納されている。
(6)マイコンチップ275に格納されたチップID情報…マイコンチップ275は主制御装置271の主基板272に実装され、チップID情報としてチップ固有番号等が記憶されている。
上記(1)〜(6)の各情報は、製造メーカにおいてパチンコ機10の製造段階ですべてパチンコ機ごとに付与され、ラベル等の貼付が行われる。ただし、上記(6)のチップID情報に関しては、遊技機製造メーカでなく、チップ製造メーカにおいてチップ固有番号等の書き込みが行われる。そしてパチンコ機の組立完了後には、パチンコ機10が梱包され、遊技ホールなど、指定の供給先に出荷される。かかる場合において、上記(1)〜(6)の各情報は、製造メーカでパチンコ機ごとに対応させて遊技機管理データとして登録され、非公開データとして記憶保持される。このとき、遊技機管理データとして、パチンコ機10ごとに出荷先、出荷日時に関する出荷データも併せて登録される。
遊技ホールなどにおいてパチンコ機10を新規に設置する場合には、当該遊技ホールの管理者などによって、製造メーカから出荷され納品されたパチンコ機個々に各種ID情報の確認が行われる。このとき、リーダ装置を用いて各種ID情報の読み取りが行われるとともに、その読み取った各種ID情報が前記遊技機管理データと照合され、パチンコ機10が真正品であるか否かなどの確認(認証)が行われる。これにより、パチンコ機10の搬送途中において当該パチンコ機が不正品に差し替えられたりしても、その不正品の判定が可能となる。また、パチンコ機10の新規設置時以外にも、パチンコ機稼働開始後における定期又は不定期の遊技機チェック時や、主基板交換時、遊技盤交換時(板替え時)などにおいても同様に、上記ID情報の読み取り及び照合などが適宜行われる。
ただし、上記(1)〜(6)の各情報のうち、遊技ホールの管理者などによって読み取られるID情報は(1)〜(5)の情報であり、(6)の情報に関しては、特定の遊技機認証機関(警察機関等)において読み取られる情報となっている。
以下、パチンコ機管理システムの詳細について図面を用いながら詳しく説明する。図24は本実施形態におけるパチンコ機管理システムの概要を示す構成図である。
図24において、遊技ホールHには多数のパチンコ機10が設置されている。パチンコ機10には各々、前述したとおり主制御装置271等においてラベル片等によって各種ID情報が付与されている。リーダ装置601は、ハンディタイプのリーダであり、証紙ラベル55,245や識別シール345,346のQRコード情報を読み取るためのQRコード読み取り機能と、ICタグ333のタグID情報を読み取るためのタグ情報読み取り機能とを有している。リーダ装置601は、上記のラベルやシール等に近接することにより、非接触の状態で各種情報の読み取りが可能となっている。リーダ装置601には、各種ボタン類よりなり管理者等が入力操作を行う操作部601aと、液晶画面等よりなる表示部601bとが設けられている。なお、リーダ装置601の付加機能として、所定の音声アナウンスを発するアナウンス機能を持たせることも可能である。
また、管理コンピュータ602は、パチンコ機10の管理プログラムを有する電子演算装置であり、リーダ装置601に接続されることで同リーダ装置601の読み取り情報(各種ID情報)を読み込むことができるようになっている。図24中、符号603は、遊技ゲーム数や大当たり回数などを表示するためのデータカウンタであり、同データカウンタ603には、遊技ホールHにおいてパチンコ機ごとの台番号が付されている。
ちなみに、遊技ホールHには各パチンコ機10の出玉管理等を行う、いわゆる「ホールコンピュータ」が設けられているが、上記の管理コンピュータ602はホールコンピュータとは別装置として構成されており、例えばノート型パソコンで具現化される。
一方、遊技ホールHには、一般に複数の製造メーカのパチンコ機が設置されており、そのメーカごとに管理サーバ装置が設けられている。本実施形態では、各メーカM1,M2,M3…に管理サーバ装置としてのデータサーバ701が設けられており、遊技ホールH側の管理コンピュータ602と各メーカM1,M2,M3…のデータサーバ701との間で双方向の通信が可能となっている。各データサーバ701には、パチンコ機10の出荷前に登録した管理データ(上記(1)〜(5)の各情報、「初期登録データ」とも言える)が記憶保持されている。管理データには、出荷先の遊技ホール名(店名)、出荷日時の情報も併せて登録されている。なお、遊技ホールで設置する台番号が分かっている場合には、その台番号の情報も併せて登録されると良い。
遊技ホールH側の管理コンピュータ602とメーカ側の各データサーバ701との間の通信手段は任意であり、汎用の通信回線や専用回線を用いる有線通信、又は無線通信が適宜適用できる。なお、管理データのセキュリティ性を高めるには、データ送信時において送信データの暗号化などの処置が適宜施されると良い。
上記構成の管理システムでは、遊技ホールHにおいて、管理者等によって、リーダ装置601を用いてパチンコ機10の各種ID情報が読み取られる。具体的には、リーダ装置601のQRコード読み取り機能によって、上記(1)〜(4)のQRコード情報が読み取られる。また、同リーダ装置601のタグ情報読み取り機能によって、上記(5)のタグID情報が読み取られる。リーダ装置601によって読み取られたQRコード情報やタグID情報(上記(1)〜(5)の各情報)は管理コンピュータ602に対して逐次送信される。この場合詳しくは、リーダ装置601から管理コンピュータ602へは、パチンコ機10について都度管理対象とされる複数台の読み取りデータがまとめて送信される。このとき、同一機種単位、又は同一メーカ単位で区別されてデータ送信が行われる。ただし、その読み取りデータの送信はパチンコ機10について1台ずつ行われても良い。
ここで、各種ID情報の読み取り時において、各パチンコ機とID情報との対応付けがずれてしまうと、真正確認(パチンコ機の認証)が正確に実施できなくなる。例えば、複数のパチンコ機について連続して情報読み取りを行う場合に、先のパチンコ機について情報読み取りが未完のまま、次のパチンコ機の情報読み取りが開始されると、情報不足が生じたり、複数のパチンコ機間での情報の食い違いが生じたりし、それに起因して真正品か不正品かが誤って判定されるといった不都合が生じる。
そこで、リーダ装置601で情報読み取り作業を行う際、当該リーダ装置601側で読み取り順序を指定し、その指定順序で情報読み取りを行わせる構成とする。具体的には、リーダ装置601の表示部601bに情報読取順序を表示させる。例えば、『証紙ラベル55の遊技盤ID情報』→『証紙ラベル245の枠ID情報』→『識別シール345の主基板ID情報』→『識別シール346のパチンコ機ID情報』→『ICタグ333のタグID情報』といった読み取り順序を表示させる。この場合、各種ID情報について、同一の情報形態のものをまとめて(すなわち連続して)読み取るよう読み取り順序が規定されるのが望ましい。上記例示した順序では、先にQRコード情報をまとめて読み取らせ、その後タグ情報を読み取らせるようにしている。このとき、情報読み取りが完了した情報について、表示部601bの表示態様(表示色、表示フォント、表示の有無/濃淡など)を変更し、管理者等に読み取り済み又は未済であることを分かりやすく通知するとよい。上記読み取り順序と異なる順序で情報読み取りが行われた場合には、読み取り情報を無効化すると良い。
上記のように読み取り順序が表示されることにより、各種ID情報の読み取りミスが解消できる。これにより、読み取り情報の不足や複数のパチンコ機間での情報の食い違いなどに起因して真正品か不正品かが誤判定されるといった不都合が回避できる。
各種ID情報の読み取り過程において、1台ずつの情報読み取りが完了する都度、読み取り完了を表す操作入力をユーザ(管理者等)に行わせるようにしても良い。具体的には、1つの台番のパチンコ機10について全情報の読み取りが完了したら、リーダ装置601の所定ボタン(例えば、ENDボタン)を押し操作させるようにする。なお、情報読み取りの開始時に、リーダ装置601の所定ボタン(例えば、STARTボタン)を押し操作させるようにしても良い。この場合、ユーザの操作入力を処理手続として盛り込むことにより、読み取り間違いの抑止力が生じると期待できる。こうしてリーダ装置601の所定ボタン(STARTボタン、又はENDボタン等)を押し操作を介在させる構成は、上記のように読み取り順序を指定する構成に併せて実現されても良いし、同読み取り順序を指定する構成とは別に実現されても良い。
上記リーダ装置601は、QRコード読み取り機能とタグ情報読み取り機能とが同時に起動できる構成であると良い。こうして2つの読み取り機能が同時に起動されることにより、QRコード情報とタグ情報とを交互に連続読み取りすることが可能となる。この場合、リーダ装置601では、読み取った情報がQRコードかタグ情報かを都度判定し、その判定結果に応じて情報読み取りを実施する。本構成によれば、情報読み取り作業が容易となる。
ただし、QRコード読み取り機能とタグ情報読み取り機能とを同時に起動できないリーダ装置を用いる場合を想定すると、QRコード情報とタグ情報とを交互に連続読み取りするには、2つの読み取り機能を交互に起動させる必要性が生じると考えられる。この場合、読み取り作業が繁雑になり、作業時間が長引いてしまう。その対策として、各種ID情報の読み取り順序を、『都度の情報読み取り対象の全パチンコ機のQRコード情報』→『同じく全パチンコ機のタグ情報』とする。
例えば、台番号#101〜台番号#105のパチンコ機について各種ID情報の読み取りを行う場合、以下の順序にて情報読み取りを実施する。以下は、各パチンコ機の情報読取順序であり、同順序が、例えばリーダ装置601の表示部601bに表示される。『#101のパチンコ機の全QRコード情報』→『#102のパチンコ機の全QRコード情報』…→『#105のパチンコ機の全QRコード情報』…→『#101のパチンコ機のタグ情報』→『#102のパチンコ機のタグ情報』…→『#105のパチンコ機のタグ情報』。
上記のように遊技ホールH側(管理コンピュータ602)で読み取られたパチンコ機10の各種ID情報は、その日時、メーカ名(又はメーカコード)、機種名(又は機種コード)、台番などのデータと共に、管理コンピュータ602内のメモリに格納される。このとき、管理コンピュータ602は、各種ID情報(上記(1)〜(5)の各情報)を解析することで、メーカ名(又はメーカコード)や機種名(又は機種コード)を認識すると良い。かかる場合さらには、管理コンピュータ602は、メーカ名(又はメーカコード)や機種名(又は機種コード)の認識後、メーカごと又は機種ごとに各種ID情報を分別すると良い。ただし、管理者等の入力操作により、同メーカ名(又はメーカコード)や機種名(又は機種コード)を認識する構成であっても良い。
そしてその後、遊技ホールH側(管理コンピュータ602)から製造メーカ側(データサーバ701)に対して各種ID情報の送信が行われる。この場合、送信データには、各種ID情報としての上記(1)〜(5)の読み取り情報に加え、日時、メーカ名(又はメーカコード)、機種名(又は機種コード)、台番などのデータが含まれる。
製造メーカ側(データサーバ701)では、遊技ホールH側から受信した各種ID情報と、登録済みの管理データ(初期登録データ)との照合によりパチンコ機10の認証が行われる。この場合、各種ID情報と管理データとが整合し、認証OKとなればその旨の認証結果が遊技ホールH側に返信される。また、各種ID情報と管理データとで不整合などのエラーが生じると、そのエラー情報が遊技ホールH側に返信される。エラー内容としては以下の事例が想定される。
・店名や台番などで対応付けたデータ照合においてID情報と管理データとが不一致となるエラー(データ不一致エラー)。
・製造メーカ側で未採番の製造番号等が付されているエラー(データ矛盾エラー)。
・同一のID情報が重複して存在するエラー(データ重複エラー)。
・製造メーカ側で認識していない形式のID情報が付されているエラー(形式違反エラー)。
遊技ホールH側(管理コンピュータ602)では、上記のエラー情報を受信すると、そのエラー内容をディスプレイ等に表示する。
次に、遊技ホールH側の管理コンピュータ602、及び製造メーカM1,M2,M3…側のデータサーバ701(同サーバの制御部)で各々実行されるパチンコ機管理処理手順について説明する。図25は、遊技ホールH側の管理コンピュータ602により実行されるパチンコ機管理処理を示すフローチャートであり、図26は、各メーカ側のデータサーバ701で実行されるパチンコ機管理処理を示すフローチャートである。特に図25の(a)は遊技ホールHからメーカへのID情報送信を含む処理であり、同(b)はメーカから遊技ホールHへの認証結果返信を含む処理である。なお、図25及び図26の各処理は、管理コンピュータ602又はデータサーバ701が管理実行モードとされる状態下で繰り返し実行される。
本実施形態では、遊技ホールHにパチンコ機10を新規に設置する場合(新台入替時、新装開店時など)に当該パチンコ機の認証を行うとともに、パチンコ機稼働開始後においても同パチンコ機の認証を行うことができる構成としている。パチンコ機稼働開始後においては、故障発生等に伴う主制御装置271の交換(正規交換)が行われている可能性があり、交換履歴の確認を併せて行うこととしている。なお、主制御装置271等の交換が行われる場合には、その都度交換履歴が管理コンピュータ602に書き込まれるようになっている。
ここで、本管理システムでは、遊技ホールHからメーカへのID情報送信→メーカでの認証処理→メーカから遊技ホールHへの認証結果返信の順に処理が進む。故に以下には、図25の(a)→図26→図25の(b)の順に各処理を説明する。
図25の(a)において、まずステップS11では、リーダ装置601から読み取り情報の受付を許可する。これにより、管理者等の操作に伴いリーダ装置601により読み取られた各種ID情報が管理コンピュータ602に取り込まれる。
その後、ステップS12では、情報読み取り対象となる全パチンコ機について各種ID情報(具体的には、上記の(1)〜(5)の情報)をすべて取得したか否かを判定する。情報取得が未完であれば、そのまま本処理を一旦終了する。また、情報取得が完了していれば、後続のステップS13に進む。なお、情報読み取り対象となるパチンコ機は、管理者等による管理コンピュータ602の入力操作によって定められると良い。
ステップS13では、今回のパチンコ機認証が新台入替に伴うものか否かを判定する。新台入替に伴うものであれば、ステップS14に進む。ステップS14では、メーカ側のデータサーバ701に対して前記取得した各種ID情報を送信する。このとき、製造メーカが同一であるパチンコ機10ごとに、又は同一製造メーカごとにメーカ判別データを付加した状態で各種ID情報を送信する。また、今回認証を行うパチンコ機のメーカ情報(メーカコード)及び機種情報を併せて送信する。
また、新台入替時でない場合、ステップS15に進み、主制御装置271の交換履歴を確認する。交換履歴がなければ(基板交換が行われていなければ)、前述のステップS14に進み、メーカ側のデータサーバ701に対して前記取得した各種ID情報を送信する。これに対し、交換履歴があれば(基板交換が行われていれば)、ステップS16に進み、メーカ側のデータサーバ701に対して、交換履歴を反映させて前記取得した各種ID情報を送信する。
一方、図26において、ステップS31では、遊技ホールH側から各種ID情報を受信したか否かを判定する。情報受信した場合、ステップS32に進み、情報受信していない場合、そのまま本処理を終了する。ステップS32では、今回該当する管理データを読み出す。このとき、遊技ホールH側からの受信情報に含まれるメーカ情報及び機種情報に対応させて管理データの読み出しを行う。
その後、ステップS33では、遊技ホールH側からの受信情報(パチンコ機のID情報)と管理データとを照合することにより、所定の認証処理を実施する。このとき、遊技ホールH側からの受信情報に主制御装置271の交換履歴が含まれていれば、その交換履歴が含まれるパチンコ機については交換履歴を除く識別情報についてデータ照合が行われる。認証結果は、データサーバ701において認証履歴として累積的に記憶保持される。なお、次回以降、認証履歴(認証の過去データ)を参照して認証処理を行う構成としても良い。最後に、ステップS34では、認証結果を遊技ホールH側に送信する。
上記ステップS33の認証処理において、認証結果がNG(ID情報が不整合)となった場合、製造メーカ側から遊技ホールHに対して再度の情報読み取りを要求する構成としても良い。これにより、仮に情報読み取り時の操作ミス等に起因して認証NGとなった場合において、再度の情報読み取りにより、正しい認証結果が得られるようになる。なお、データ不整合(認証NG)が所定回数繰り返された場合には、以降、再度の情報読み取りを要求しないようにすると良い。
また、図25の(b)において、ステップS21では、メーカ側から認証結果を受信したか否かを判定する。認証結果を受信した場合、ステップS22に進み、認証結果を受信していない場合、そのまま本処理を終了する。ステップS22では、認証結果の記憶及び表示を実施する。
以上本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
パチンコ機10の管理システムとして、遊技ホールHへのパチンコ機10の出荷前に、パチンコ機10ごと又は主制御装置271ごとに各種ID情報を付与してそのID情報の管理データを作成しておき、同パチンコ機10の出荷後において、リーダ装置601により読み取った各種ID情報と、前記管理データとに基づいてパチンコ機10の管理を実施するようにした。パチンコ機10の出荷後(ホール納品後)を考えると、その搬送途中や、遊技ホール等の非営業時間帯(夜間、休日など)においてパチンコ機10に対して主制御装置271を不正品に交換するなどの不正行為が行われる可能性がある。この場合、近年の不正行為の高度化に伴い、外観上は何ら変化のない状態で不正行為が行われる(真正品同様、札片も取り付けられた状態とされることが考えられる)。この点本管理システムによれば、出荷前に作成された各種ID情報の管理データとの比較により真正品の判定が可能となる。したがって、外観上は何ら変化のない状態であっても、真正品か不正品かの判定を正しく行うことができる。その結果、遊技ホールHにおいて信頼性の高いパチンコ機管理を実施することができる。
製造メーカをデータ保管機関として定め、製造メーカと遊技ホールHとの間で各種ID情報をやり取りしてパチンコ機10の認証を行うようにした。この場合、各種ID情報の照合及び認証は製造メーカに委託されるため、その照合及び認証自体を不正に行わせることが抑止できる。また、パチンコ機10の出荷先である遊技ホールH以外で認証のための管理データが保管されるため、管理データ自体に不正が及ぶ懸念が払拭される。したがって、パチンコ機10の管理の信頼性を高めることができる。
パチンコ機10ごとに複数のラベルやシール等を取り付け、それらにより複数のID情報(上記(1)〜(6)の情報)を付したため、パチンコ機10の管理の信頼性を高めることができる。つまり、パチンコ機10ごとに、ラベルやシール等並びにID情報が複数存在する場合、真正品であると偽ろうとしてもそれが困難なものとなる。したがって、パチンコ機10が真正品であることの信憑性が高められる。
各種ID情報として、複数の情報形態(QRコード情報と電子タグ情報)とを規定したため、ラベルやシール等の偽造を困難なものとすることができる。
主制御装置271の交換履歴の有無を確認するとともに、交換履歴が存在していればその交換履歴データを反映して各種ID情報の照合を行うようにしたため、主制御装置271の正規な交換に伴い管理データの不整合が生じてもそれに好適に対処できる。この場合、主制御装置271が正規に交換されたことが反映されず、管理データとの不整合により不正品であると判定されることが回避できる。
主制御装置271は、少なくとも当たり抽選機能と払出管理機能とを有しているため、その主制御装置271を対象にして不正行為が行われる可能性が高いと考えられる。かかる場合において、上記のようにパチンコ機10の管理が適正に行われれば、仮に不正行為が行われたとしてもその不正行為を適正に見つけることが可能となる。
主制御装置271において、主基板272を収容するボックスベース281とボックスカバー282とを跨ぐようにして、ICタグ333を有する封印シール330を貼り付ける構成としたため、基板ボックス273を開封するためには、貼付部285,286から封印シール330を剥がし当該貼付部285,286のネジ固定を解除する必要がある。この場合に、封印シール330をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力がベースシート331の隅角部分に集中する。そして、ベースシート331が適度な脆性(封印シール330を剥がす力に伴う応力によって一部が破壊される脆性)を有しているので、ベースシート331が大きく破壊されることとなる。また、封印シール330の外縁に、内側から外側端部に向けて鋭角のV字状に開いた外縁切り込み337を形成したため、封印シール330をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が外縁切り込み337の内側端部(内側に尖った部位)に集中し、ベースシート331の破壊の程度はより大きなものとなる。さらに、封印シール330を貼付部285,286に対して略コ字状に折り曲げて貼り付けたため、封印シール330をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が折り曲げ部分に集中し、同様にベースシート331が大きく破壊されることとなる。この場合、封印シール330が不正に剥がされたこと、即ち、主制御装置271(主基板272)に対して不正が行われたことの痕跡が明確に残ることとなる。
かかる構成を有する場合、主制御装置271(主基板272)に対して不正を行おうとする者は、封印シール330の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って剥がすことで、剥がす力に伴う応力をベースシート331の一辺全体に分散させ、ベース部材が極力破壊されないようにする。この点、アンテナ部333bをその長手方向が封印シール330のすべての辺方向と交差するように配置する構成としたため、封印シール330をその一辺全体から剥がそうとすると、アンテナ部333bの長辺方向と交差する方向に破壊が生じる。そして、アンテナ部333bが長尺状であり、アンテナ部333bの長手方向と交差する方向の寸法は短くなっていることにより、破壊が生じた位置にてアンテナ部333bが分断されることとなる。この場合、遊技ホールの管理者等がリーダ装置によりICチップ333aに格納されたID情報を確認できなくなるため、主制御装置271(主基板272)に対して不正が行われたことを容易に且つ確実に発見することができる。
また、上記のとおり、アンテナ部333bをベースシート331の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるように配置する構成としたため、アンテナ部333bをベースシート331の一辺に沿って設ける構成に比べ、アンテナ部333bの長さ寸法が大きく確保されている。よって、封印シール330が剥がされた場合におけるアンテナ部333bの分断が生じる機会を多く設けることができる。
また、ICチップ333aをアンテナ部333bの長手方向の略中央に配置する構成としたため、上記のとおりアンテナ部333bが封印シール330の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って配置された構成においてはICチップ333aの位置は封印シール330の中央付近となる。よって、ICチップ333aの厚みに起因して封印シール330が剥がし易くなることを抑制することができる。即ち、ICチップ333aは所定の厚みを有するため、封印シール330におけるICチップ333aの周囲と貼付部285,286との間には隙間が生じることとなる。この場合に、ICチップ333aが封印シール330の外縁側にあるとその外縁と貼付部285,286との隙間に指を掛けることで封印シール330が剥がし易くなる。この点、ICチップ333aの位置が封印シール330の中央付近であることにより、ICチップ333aの厚みに起因して封印シール330の外縁と貼付部285,286との間に隙間が生じることはない。
また、ベースシート331におけるアンテナ部333bの周囲にアンテナ用切り込み335を形成する構成としたため、封印シール330が剥がされた場合にアンテナ用切り込み335の端部からベースシート331が破壊されるのに伴ってアンテナ部333bも破壊され、その位置にてアンテナ部333bが分断されることとなる。よって、アンテナ部333bが分断され易くなり、主制御装置271(主基板272)に対して不正が行われた場合の発見をより確実に行うことができる。特に、アンテナ用切り込み335をアンテナ部333bの長手方向及びベースシート331のすべての辺方向に対して交差する方向に延びる線状の切り込みとすることにより、封印シール330がその一辺に沿う方向に剥がされた場合の剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込み335のアンテナ部側端部に集中し易くなる。これにより、封印シール330がその一辺に沿う方向に剥がされた場合のアンテナ部333bの分断をより確実に発生させることができる。なお、アンテナ用切り込み335はアンテナ部333bに達する位置まで形成されているので、封印シール330が不正に剥がされた場合にアンテナ部333bが分断され易い構成となっている。また、アンテナ用切り込み335がアンテナ部333bを挟んで直線上に並ばないように形成されていることにより、例えば、パチンコ機10の製造時における封印シール330の貼り付け作業時などといった不正と関係のない場合にアンテナ部333bを挟んで位置するアンテナ用切り込み335が繋がりそれに伴ってアンテナ部333bが分断されてしまうことを抑制することができる。
また、封印シール330の4隅に、ベースシート331の表面側から粘着層332の背面側まで貫通するL字状の隅側切り込み336をそれぞれ形成する構成としたため、封印シール330がその隅角側から剥がされた場合には、剥がす力に伴う応力が隅側切り込み336の端部に集中し、隅側切り込み336から封印シール330に破れなどといった破壊が生じる。よって、主制御装置271(主基板272)に対して不正が行われたことの痕跡が封印シール330に残り、当該不正が行われたことを容易に発見することができる。また、当該隅側切り込み336を介した封印シール330の破壊を回避すべく、封印シール330の一辺に沿う方向に当該封印シール330が剥がされたとしても、上記のとおりアンテナ部333bの分断が生じるので不正を容易に発見することができる。
粘着層332を構成する粘着剤に対して溶解性を示す溶媒が封印シール330に塗布された場合にベースシート331が変色する構成としたため、溶媒により粘着層332の接着力を弱めアンテナ部333bを分断させることなく封印シール330を剥がして主制御装置271(主基板272)に対して不正行為が行われたとしても、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。また、封印シール330に対して所定温度以上の熱が加えられた場合も同様に、ベースシート331が変色する構成とすることにより、所定温度以上の熱を加えることにより粘着層332の接着力を弱めアンテナ部333bを分断させることなく封印シール330を剥がして主制御装置271(主基板272)に対して不正行為が行われたとしても、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、封印シールに関する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下にかかる構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態との相違点を説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図27は主制御装置401の斜視図、図28は主制御装置401の分解斜視図、図29は主制御装置401に貼り付けられた封印シール421周辺を拡大して示す斜視図、図30は封印シール421の背面図、図31の(a)は封印シール421周辺を拡大して示す正面図、同(b)は封印シール421周辺を拡大して示す側面図、同(c)は封印シール421周辺を拡大して示す背面図、図32は図31(a)のA―A線断面図である。
本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に主制御装置401を備えている。主制御装置401は、上記第1の実施の形態における主制御装置271と同様に、主基板402、ボックスカバー403、及びボックスベース404を備えている(なお、ボックスカバー403又はボックスベース404のいずれか一方を第1カバー、他方を第2カバーと称してもよい)。ボックスカバー403及びボックスベース404は、ポリカーボネート樹脂などといった透明性を有する合成樹脂により形成されている。なお、ボックスカバー403及びボックスベース404が透明性を有するか否かは任意である。
ボックスカバー403及びボックスベース404には、上記第1の実施の形態と同様に5つの封印部材403a,404aが形成されており、これら封印部材403a,404aにより封印ユニットSY(いわゆる、カシメ構造)が形成されている。当該封印ユニットSYの詳細な構成については上記第1の実施の形態にて説明したとおりである。
ボックスカバー403及びボックスベース404には、封印ユニットSYが設けられた側部とは反対側の側部に貼付板部405,406が設けられており、これら貼付板部405,406が締結具(連結具)としての金属製のネジ407,408によって締結されている(連結されている)。このように金属製のネジ407,408によって締結することで、主基板402を不正に取り外すべく両貼付板部405,406を締結する締結具を分断しようとする行為が抑制される。この場合に、かかるネジ407,408による締結の構成は上記第1の実施の形態と異なっている。
かかる締結に関する構成について詳細には、各貼付板部405,406には、それぞれの長辺方向の両端側に各貼付板部405,406を貫通するようにしてネジ孔411a,411b,412a,412bが形成されている。ネジ孔411aとネジ孔412aとはその軸線が同一軸線上に位置するようにして形成されており、これらが連通されて第1ネジ孔411が形成されている。一方、ネジ孔411bとネジ孔412bとはその軸線が同一軸線上に位置するようにして形成されており、これらが連通されて第2ネジ孔412が形成されている。なお、第1ネジ孔411及び第2ネジ孔412は、各貼付板部405,406において上下に並んでいる。
第1ネジ孔411には、貼付板部405におけるパチンコ機10後方を向く面405a(以下、第1貼付面405aともいう)側を段差状に拡径させて頭収容部415が形成されている。これに対して、第2ネジ孔412には、貼付板部406におけるパチンコ機10前方を向く面406a(以下、第2貼付面406aともいう)側を段差状に拡径させて頭収容部416が形成されている。そして、これら頭収容部415,416に各ネジ407,408の頭部407a,408aが収容されるようにネジ407,408が螺着されている。つまり、一方のネジ407(以下、第1ネジ407ともいう)は第1貼付面405a側から螺着されているのに対して、他方のネジ408(以下、第2ネジ408ともいう)は第2貼付面406a側から螺着されている。
各ネジ407,408の螺着に際しては、各頭部407a,408aが各頭収容部415,416の段差部415a,416aに当接するまで螺着される。この場合に、各頭部407a,408aが段差部415a,416aに当接した状態(すなわち、締結が完了した状態)では、各ネジ407,408の頭部407a,408aは開口413,414(以下、取り外し側開口413,414ともいう)に対してX1の距離だけ内側に位置している。つまり、各頭部407a,408aの頂上(先端)の位置は各ネジ孔411,412における軸線方向の途中位置となっている。
各ネジ407,408によって締結された貼付板部405,406には、図29等に示すように、封印シール421が貼り付けられている。この場合に、図29や図32等に示すように、各貼付板部405,406には、その上縁に一連の上側突条409a,410aが一体形成されており、その下縁にも一連の下側突条409b,410bが一体形成されている。そして、各貼付板部405,406が締結されていることにより、各上側突条409a,410aの先端が相互に当接するとともに、各下側突条409b,410bの先端が相互に当接している。また、各貼付板部405,406はそれぞれボックスカバー403の側方端部431及びボックスベース404の側方端部432に対して連続させて形成されており、これら側方端部431,432はそれぞれ各貼付板部405,406の基端側の区画壁を構成する。つまり、上側突条409a,410a、下側突条410a,410b、及び側方端部431,432は囲み部Cとして機能し、貼付板部405,406における貼付面405a,405b,406a,406bは当該囲み部Cによって囲まれている。そして、囲み部Cによって囲まれた貼付面405a,405b,406a,406bに封印シール421が略コ字状に曲げられて貼り付けられている。この場合に、封印シール421の周縁は囲み部Cに近接している。このように囲み部Cが設けられていることにより、封印シール421を剥がそうとしても、その剥がし行為が非常に困難なものとなっている。
封印シール421が貼り付けられていることにより当該貼付面405a,406aのほぼ全域が覆われている。したがって、各ネジ孔411,412における取り外し側開口413,414は封印シール421によって覆われている。
封印シール421は、上記第1の実施の形態と同様に、矩形状のベースシート422と、ベースシート422の背面に形成される粘着層423と、アンテナ付きのICタグ424とを備えている。これらベースシート422、粘着層423、及びICタグ424の基本的な構成は上記第1の実施の形態と同様である。つまり、ベースシート422は適度な脆性を有しており、封印シール421にはアンテナ用切り込み335、隅側切り込み336、及び外縁切り込み337が形成されている。さらには、ベースシート422にはインク塗布部341、識別情報部342、及び機種情報部343が設けられている。なお、図27,図29〜図31においては、これら各種切り込み335,336,337、インク塗布部341、及び各種情報部341,342を省略して示してある。
ICタグ424は、長尺状のアンテナ部425を備えており、図30に示すように、ベースシート422の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って斜めに配置されている。また、ICタグ424は、矩形状のベースシート422の中心に対して点対称となるように配置されている。封印シール421の図30における上部領域R1は貼付板部405の第1貼付面405aに位置し、図30における中間領域R2は両貼付板部405,406の側面側に位置し、図30における下部領域R3は貼付板部406の第2貼付面406aに位置している。そして、ICタグ424が上記のように配置されていることにより、アンテナ部425はその両端部426a,426bがそれぞれ第1貼付面405a及び第2貼付面406aに位置している。
ここで、本実施の形態では、アンテナ部425と各ネジ407,408との位置関係が特徴的なものとなっている。そこで、以下にかかる位置関係について詳細に説明する。
アンテナ部425の両端部426a,426bは、図31等に示すように、第1貼付面405a及び第2貼付面406aにおいて、各ネジ孔411,412における取り外し側開口413,414を跨ぐようにして配置されている。詳細には、アンテナ部425の短手方向の寸法は当該開口413,414の孔径よりも小さくなっており、さらにアンテナ部425はその両端部426a,426bが取り外し側開口413,414を挟んで当該開口413,414の周縁部を架渡すように配置されている。このようにアンテナ部425が配置されていることにより、アンテナ部425の両端部426a,426bは対応するネジ407,408の頭部407a,408aと対峙している。
かかる構成において、上記のとおり、各ネジ407,408の頭部407a,408aの頂上の位置は各ネジ孔411,412における軸線方向の途中位置となっている。すなわち、各ネジ407,408の頭部407a,408aの頂上の位置は封印シール421に対して各ネジ孔411,412内に入り込んだ位置となっている。したがって、アンテナ部425と各ネジ407,408とは、図32に示すように離間されている。また、アンテナ部425と各ネジ407,408との間には両者を介在する介在部材が設けられていない。つまり、アンテナ部425と各ネジ407,408との間には空間Sが設けられている。これにより、アンテナ部425が各ネジ407,408に接触することが防止されている。特に、上記のとおりアンテナ部425が取り外し側開口413,414を挟んで当該開口413,414の周縁部を架渡すように配置されているため、アンテナ部425がネジ孔411,412内に向けて撓みにくくなり、アンテナ部425と各ネジ407,408の頭部407a,408aとを対峙させた構成において両者を確実に離間させることができる。例えば、アンテナ部425が各ネジ407,408に接触すると設定された共振周波数(本実施の形態では、2.45GHz)が変化してしまい、ICチップ427に格納されたID情報がリーダ装置によって読み取れなくなるおそれがあるが、本実施の形態における構成によればかかる不都合の発生を防止することができる。
上記のとおり各貼付板部405,406には囲み部Cが形成されており、封印シール421の周縁は囲み部Cに近接している。したがって、封印シール421の貼り付け作業に際しては、封印シール421が囲み部Cによって囲まれた領域内からはみ出ないように貼り付けることで、アンテナ部425の両端部426a,426bが取り外し側開口413,414を跨ぎ、各ネジ407,408の頭部407a,408aと対峙する。また、図30に示すように、囲み部Cによって囲まれる領域は、封印シール421の面積よりも広くなっている。これにより、封印シール421の貼り付け作業に際しては、貼り付け位置に所定のゆとりが生まれ、貼り付け作業の作業性が向上されている。この場合に、その貼り付け位置のゆとりは、アンテナ部425の両端部426a,426bが取り外し側開口413,414を跨ぎ、且つ各ネジ407,408の頭部407a,408aと対峙する範囲内で形成されている。さらに、上記のとおりICタグ424は矩形状のベースシート422の中心に対して点対称となるように配置されているため、封印シール421を上下逆に貼り付けたとしても、アンテナ部425の両端部426a,426bが取り外し側開口413,414を跨ぎ、且つ各ネジ407,408の頭部407a,408aと対峙する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
各ネジ407,408における頭部407a,408aの頂上の位置が各ネジ孔411,412の軸線方向の途中位置、すなわち、各頭部407a,408aの頂上の位置が封印シール421に対して各ネジ孔411,412内に入り込んだ位置(各ネジ孔411,412におけるネジ取り付け方向側に入り込んだ位置)となるように構成した。これにより、アンテナ部425と各ネジ407,408とを離間させることができ、不正が行われていない場合におけるリーダ装置へのID情報の送信を確実に行うことができる。金属製のネジ407,408とアンテナ部425とが接触しているとアンテナ部425に対して設定された共振周波数が変化してしまい、リーダ装置へのID情報の送信が阻害されてしまうからである。そして、この場合、不正が行われていないにも関わらず識別情報を読み取ることができなくなり、結果的に封印シール421にICタグ424を設けた効果を得ることができなくなってしまう。これに対して、上記のとおりアンテナ部425と各ネジ407,408とを離間させることで、封印シール421にICタグ424を設けた効果を確実に得ることができる。
アンテナ部425を、各ネジ孔411,412における取り外し側開口413,414を跨ぐようにして配置した。これにより、アンテナ部425が各ネジ孔411,412内に向けて撓みにくくなり、アンテナ部425と各ネジ407,408の頭部407a,408aとを対峙させた構成において両者を確実に離間させることができる。
また、上記のとおり各ネジ407,408における頭部407a,408aの頂上の位置が各ネジ孔411,412の軸線方向の途中位置となるよう構成するとともに、アンテナ部425の両端部426a,426bが各ネジ孔411,412における取り外し側開口413,414を跨ぐようにしてアンテナ部425を配置した。これにより、アンテナ部425と各ネジ407,408とを離間させた構成において、アンテナ部425を各ネジ407,408の頭部407a,408aと対峙させることができる。したがって、各ネジ407,408を取り外すべく各頭部407a,408aを露出させるように封印シール421を巧妙に剥がそうとしたとしても、そのためには封印シール421におけるアンテナ部425が配置された部分を剥がす必要が生じる。そして、かかる場合、アンテナ部425が分断されリーダ装置によりID情報が確認できなくなることで、主基板402に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
アンテナ部425の短手方向の寸法を各ネジ孔411,412における取り外し側開口413,414の孔径よりも小さくするとともに、アンテナ部425を取り外し側開口413,414を挟んで当該開口413,414の周縁部を架渡すようにして配置した。これにより、封印シール421を剥がす場合にはアンテナ部425における取り外し側開口413,414の周縁部に対応する位置に封印シール421を剥がす力に伴う応力が集中し易くなる。よって、アンテナ部425の分断が生じる機会を多く設けることができ、主基板402に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
また、アンテナ部425と各ネジ407,408の頭部407a,408aとの間には、両者を介在する介在部材を不具備とした。すなわち、アンテナ部425と各ネジ407,408の頭部407a,408aとの間には所定の空間Sが形成されている。また、各ネジ孔411,412における取り外し側開口413,414を覆うようにして封印シール421が貼り付けられているとともに、上記のとおり開口413,414を挟んで当該開口413,414の周縁部を架渡すようにしてアンテナ部425が配置されている。これにより、不正に各ネジ407,408の締結を解除すべく封印シール421を剥がして各ネジ407,408の頭部407a,408aを露出させようとする場合において、アンテナ部425の分断が生じる機会を多く設けることができる。つまり、封印シール421は取り外し側開口413,414の周縁部を境界として貼付板部405,406に貼り付けられた部分と貼り付けられていない部分とが存在し、これはアンテナ部425においても同様である。この場合に、各ネジ407,408の頭部407a,408aを露出させようとして封印シール421を剥がすと、アンテナ部425(封印シール421)における貼付板部405,406に貼り付けられた部分と貼り付けられていない部分との境界に封印シール421を剥がす力に伴う応力が集中し易くなるからである。よって、主基板402に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
第1ネジ407をパチンコ機10後方を向く第1貼付面405a側から螺着するようにしたのに対して、第2ネジ408をパチンコ機10前方を向く第2貼付面406a側から螺着するようにした。そして、これら各ネジ407,408の頭部407a,408aを覆うようにして封印シール421を貼り付けるとともに、アンテナ部425をその両端部426a,426bがそれぞれ第1貼付面405a及び第2貼付面406aに位置するようにして配置した。よって、不正に各ネジ407,408の締結を解除する作業を煩雑なものとすることができ、さらにはかかる不正な解除作業に際してベースシート422の破壊、及びアンテナ部425の分断が生じる機会を多く設けることができる。第1ネジ407の頭部407a又は第2ネジ408の頭部408aのいずれか一方を露出させることができたとしても、他方を露出させる必要があるからである。
また、例えば、第1ネジ407の頭部407a及び第2ネジ408の頭部408aのいずれもが、両貼付板部405,406の境界に対して同一方向に位置する構成においては、たとえ両貼付板部405,406の境界を跨ぐようにして封印シール421を貼り付け、さらに第1貼付面405a及び第2貼付面406aに位置するようにしてアンテナ部425を配置していたとしても、当該封印シール421における両ネジ407,408の取り外し方向側の部分を剥がすだけで、すなわち、封印シールをすべて剥がすことなく、頭部407a,408aを露出させることができてしまう。この場合、上記のように封印シール421を貼り付け、さらに上記のようにアンテナ部425を配置した効果が好適に発揮されなくなってしまう。これに対して、本実施の形態における構成によれば上記のとおりであるので、当該効果が好適に発揮される。
また、アンテナ部425を、第1ネジ407及び第2ネジ408の両方の頭部407a,408aと対峙するようにして配置した。これにより、不正に各ネジ407,408の締結が解除される場合においてアンテナ部425の分断が生じる機会を多く設けることができる。よって、主基板402に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
アンテナ部425をベースシート422の中心に対して点対称となるようにして配置した。これにより、封印シール421を180°回転させて貼付面405a,405b,406a,406bに当該封印シール421を貼り付けたとしても、第1ネジ407の頭部407a及び第2ネジ408の頭部408aに対してアンテナ部425を対峙させることができる。よって、両ネジ407,408の頭部407a,408aに対してアンテナ部425を対峙させるようにした構成において、封印シール421を貼り付ける場合の作業性を向上させることができる。特に、上記のように囲い部Cが設けられており、さらに封印シール421が矩形状に形成されていることにより、封印シール421の貼り付け作業を行う作業者にとっては、貼付面405a,405b,406a,406bからはみ出ないように封印シール421を貼り付けるだけで両ネジ407,408の頭部407a,408aに対してアンテナ部425を対峙させることができ、封印シール421を貼り付ける場合のさらなる作業性向上を図ることができる。
貼付面405a,405b,406a,406bを囲むようにして囲い部Cを設けた。そして、当該囲い部Cは封印シール421の周縁と近接している。これにより、封印シール421を貼り付ける場合には囲い部Cにより囲まれた領域内に封印シール421を持っていけばよく、封印シール421を貼り付ける場合の作業性を向上させることができる。また、主基板402に対して不正を行うべく封印シール421を剥がそうとしても、封印シール421は囲い部Cに囲まれているためにその剥がし行為が非常に困難なものとなる。したがって、当該剥がし行為に際してベースシート422が破壊され易くなり、さらにはアンテナ部425が分断され易くなる。よって、主基板402に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。さらには、囲い部Cがガイド手段としての機能と封印シール421の剥がし行為を困難なものとする機能とを併せ持つこととなり、構成の簡素化を図りつつ上記効果を奏することができる。
貼付面405a,405b,406a,406bに封印シール421を貼り付ける場合にアンテナ部425が各ネジ407,408の頭部407a,408aと対峙する位置から外れない範囲内で、貼付面405a,405b,406a,406bが封印シール421の面積よりも広くなるように囲い部Cを形成した。これにより、封印シール421を貼付面405a,405b,406a,406bに貼り付ける場合の貼付位置にゆとりが生まれ、囲い部Cを設けた構成において封印シール421を貼り付ける場合の作業性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては上記第1の実施の形態と共通の構成を備えるが、かかる共通の構成により奏する効果は本実施の形態においても得られるのは言うまでもない。
[第3の実施の形態]
本実施の形態におけるパチンコ機管理システムでは、上記第1の実施の形態と同様に、管理対象となる各パチンコ機10に各種のID情報が付されている。また、多数のパチンコ機10が設置された遊技ホールHには、リーダ装置601及び管理コンピュータ602が設けられている(図24参照)。リーダ装置601により読み取られた各種のID情報は管理コンピュータ602にて収集され、その収集したID情報が各製造メーカM1,M2,M3・・・のデータサーバ701に送信される。各製造メーカM1,M2,M3・・・のデータサーバ701では、受信したID情報の認証処理を実行し、管理コンピュータ602に対して認証結果を返信する。当該管理システムにおいて、本実施の形態ではリーダ装置601の構成や、管理コンピュータ602及びデータサーバ701にて実行される処理構成等が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に各構成について説明する。
先ず、各パチンコ機10に付された各種のID情報についてあらためて以下に記述する。
(1)遊技盤用の証紙ラベル55に記された遊技盤ID情報…同ラベル55は遊技盤30に貼付され、遊技盤30の製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、遊技盤30の製造番号(例えば、No.1234567)、及び遊技盤ID情報用のQRコードが記されてい
る。
(2)枠用の証紙ラベル245に記された枠ID情報…同ラベル245は本体枠12に貼付され、本体枠12の製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、本体枠12の製造番号(例えば、No.ABCDEFG)、及び枠ID情報用のQRコードが記されている。
(3)識別シール345に記された主基板ID情報…識別シール345は主制御装置271の基板ボックス273に貼付され、製造メーカコード(例えば、SY−F)、主制御装置271の製造番号(例えば、No.1234ABC)、及び主基板ID情報用のQRコー
ドが記されている。
(4)識別シール346に記されたパチンコ機ID情報…識別シール346は主制御装置271の基板ボックス273に貼付され、製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、機種名(例えば、××物語)、機種コード(例えば、12345A)、及びパチンコ機ID情報用のQRコードが記されている。
(5)ICタグ333のタグID情報…ICタグ333は主制御装置271の封印シール330に組み付けられ、タグID情報が格納されている。
なお、上記(1)〜(5)のID情報の他に上記第1の実施の形態と同様のチップID情報も付されているが、これについては説明を省略する。ちなみに、上記(1)〜(3)のラベル又はシールに付された各製造番号の一部又は全てを同一としてもよい。後述する板替え時には、遊技盤30と主制御装置271とがセットで交換されるため、上記(1)と上記(3)との各製造番号を同一としても支障は生じない。
ここで、上記各QRコードに記憶された各ID情報、及びICタグ333に記憶されたID情報は、アルファベットと数字とからなる識別番号として構成されている。この識別番号として構成されたID情報を図33に示す。
図33(a),(b)に示すように、第1識別部、第2識別部、及び第3識別部が設定されており、識別番号においてはこれら各識別部がハイフン(「−」)により区画されている。第1識別部には製造メーカの情報が付されている。つまり、図33(a)の製造メーカM1の各ID情報に示すように、各ID情報の第1識別部には全て「M1」が付されている。また、図33(b)の製造メーカM2の各ID情報に示すように、各ID情報の第1識別部には全て「M2」が付されている。
第2識別部には、ID情報の種別が付されている。つまり、図33(a),(b)に示すように、各遊技盤ID情報の第2識別部には共に「1」が付されており、各枠ID情報の第2識別部には共に「2」が付されており、各主基板ID情報の第2識別部には共に「3」が付されており、各パチンコ機ID情報の第2識別部には共に「4」が付されており、各タグID情報の第2識別部には共に「5」が付されている。
第3識別部には、製造番号等に関連した各製造メーカにおけるパチンコ機10固有の番号が付されている。したがって、一のパチンコ機10における各種ID情報の第3識別部には、基本的に全て同一の番号が付されている。つまり、図33(a)に示すように、各ID情報の第3識別部には全て「001」が付されている。
以上のように、各ID情報が第1識別、第2識別部、及び第3識別部によって構成されていることにより、各ID情報を固有なものとしつつ、管理コンピュータ602やデータサーバ701において統計的に各ID情報を処理することが可能となる。これら管理コンピュータ602やデータサーバ701における処理については後に説明する。
次に、リーダ装置601について図34の概略図を用いて説明する。
リーダ装置601は、その内部にCPU601cを備えている。CPU601cには、当該CPU601cにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM601dと、そのROM601d内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種の演算データや読み込んだID情報等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM601eが内蔵されている。
リーダ装置601には、上記第1の実施の形態と同様に、各種ボタン類よりなり管理者等が入力操作を行う操作部601aと、液晶画面等よりなる表示部601bとが設けられている。操作部601aにはパチンコ機10の台番号等を入力するためのテンキーが設けられている。また、テンキー以外にも、一のパチンコ機10に付された各種ID情報の読み取りを開始する際に操作される読み取り開始ボタン、一のパチンコ機10に付された各種ID情報の読み取りを終了した際に操作される読み取り終了ボタン、RAM601eに記憶されたID情報を呼び出すための呼び出しボタン、RAM601eに記憶されたID情報を消去するための消去ボタン、RAM601eに記憶されたID情報を管理コンピュータ602に出力するための出力ボタンなどが設けられている。そして、操作部601aはCPU601cに接続されており、操作部601aにおける各種操作はCPU601cにて入力され当該CPU601cではその入力に基づき各種処理を行う。
表示部601bもCPU601に接続されており、CPU601cの制御に基づいて上記第1の実施の形態にて説明した情報読取順序の指定が行われる。この場合に、情報読取順序の指定は、操作部601aの読み取り開始ボタンが操作されることで開始される。また、操作部601aの呼び出しボタンが操作されることでRAM601eに記憶されたID情報が表示される。
リーダ装置601には、QRコード用読取回路601f及びQRコード用読取部601gが設けられており、さらにはICタグ用読取回路601h及びICタグ用読取部601iが設けられている。QRコード用読取回路601f及びQRコード用読取部601gによりQRコード読み取り機能が果たされる。つまり、QRコード用読取回路601fは、CPU601cに接続されており、CPU601cから読み取り開始信号を入力することで、QRコード用読取部601gにデータ読み取り開始を許可する。この場合に、QRコードの読み取りは、上記のラベルにQRコード用読取部601gを近接させて非接触の状態で行われる。そして、QRコード用読取部601gが読み取ったID情報は、QRコード用読取回路601fを介してCPU601cに出力されRAM601eにて記憶される。
また、ICタグ用読取回路601h及びICタグ用読取部601iによりタグ情報読み取り機能が果たされる。つまり、ICタグ用読取回路601hは、CPU601cに接続されており、CPU601cから読み取り開始信号を入力することで、ICタグ用読取部601iにデータ読み取り開始を許可する。この場合に、タグ情報の読み取りは、上記のシールにICタグ用読取部601iを近接させて非接触の状態で行われる。そして、上述したICタグ333からICタグ用読取部601iが読み取ったID情報は、ICタグ用読取回路601hを介してCPU601cに出力されRAM601eにて記憶される。
リーダ装置601には、信号送受信機能を備えた出力部601jが設けられている。出力部601jは、CPU601cに接続されており、操作部601aの出力ボタンが操作されることに基づいてRAM601eに記憶されたID情報が出力部601jから管理コンピュータ602に出力される。ID情報の出力は、有線通信により行われる。但し、このID情報の出力は上記態様に限定されることはなく、無線LANや赤外線を用いて行ってもよい。
出力部601jから出力され管理コンピュータ602にて入力されたID情報は、RAM601eから自動的に消去される。この自動的に消去する構成としては、管理コンピュータ602が正確に入力したID情報について確認信号をリーダ装置601に出力し、リーダ装置601では入力した確認信号に対応したID情報をRAM601eから消去する構成が考えられる。
以上の構成のリーダ装置601におけるID情報の読み取りの流れを簡単に説明する。所定のパチンコ機10に付された各種ID情報の読み取りを開始する際には、先ず読み取り開始ボタンを入力する。これにより、QRコード用読取部601g及びICタグ用読取部601iが読み取り可能状態となる。また、表示部601bでは、台番号の入力を促す表示がなされる。作業者は読み取りを開始するパチンコ機10の台番号をテンキーにより入力する。この入力された台番号は、RAM601eに記憶される。
その後、表示部601bにて上記第1の実施の形態において説明した情報読取順序の指定が表示される。作業者は上記(1)〜(5)の各種ID情報をこの順序で読み取る。この読み取られたID情報は先に入力した台番号に対応させてRAM601eに記憶される。なお、読み取りの順序を間違えた場合などは、呼び出しボタンを操作することで間違えたID情報を呼び出し、消去ボタンを操作することでそのID情報を消去することが可能である。
その後、一のパチンコ機10に付された上記(1)〜(5)の全てのID情報を読み取った場合には、読み取り終了ボタンを操作する。これにより、QRコード用読取部601g及びICタグ用読取部601iが読み取り不可状態となる。そして、以上のID情報の読み取りを複数のパチンコ機10に対して行った後に、管理コンピュータ602にリーダ装置601を近接させて出力ボタンを操作する。これにより、管理コンピュータ602に対してRAM601eに記憶された全てのID情報がまとめて出力される。
次に、遊技ホールHの管理コンピュータ602について説明する。
管理コンピュータ602は、パチンコ機10の管理プログラムを有する電子演算装置であり、その内部にCPUを備えている。CPUには、当該CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM、及びそのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータやリーダ装置601から入力したID情報等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMが内蔵されている。また、遊技ホールHの管理者等によって操作される操作部が設けられている。当該操作部に設けられた開始ボタンの操作に基づいてCPUにおいてパチンコ機管理処理が実行される。以下に、図35に示すフローチャートを用いて遊技ホール側のパチンコ機管理処理を説明する。なお、当該パチンコ機管理処理は、管理実行状態下で繰り返し実行される。
図35において、先ずステップS101では、管理コンピュータ602の操作部に設けられた開始ボタンが操作されたか否かを判定する。操作されていない場合には、そのまま本処理を終了する。操作されている場合には、ステップS102にてリーダ装置601のRAM601eに記憶されている全てのID情報を入力したか否かを判定する。
この判定は、リーダ装置601から出力完了信号を入力したか否かを判定することにより行われる。つまり、リーダ装置601のCPU601cでは、出力部601jからのID情報の出力に際して、RAM601eに記憶された全てのID情報が出力されたか否かを判定し、記憶された全てのID情報が出力されたと判定した場合に、出力部601jから出力完了信号を出力する。
ステップS102にて情報取得が未完であれば否定判定をし、再度ステップS102の処理を行う。その後、情報取得が完了することで肯定判定をし、ステップS103に進む。ステップS103では、取得したID情報を分類し認証用情報を作成する分類処理を行う。
分類処理について図36を用いて説明する。管理コンピュータ602がリーダ装置601からID情報を入力した段階では、管理コンピュータ602のRAMにはリーダ装置601にて情報を読み取った順序でID情報が記憶されている。そこで、分類処理では、最初に第1分類処理として各パチンコ機10に対して設定された台番号に対応させて各ID情報を分類する。
詳細には、リーダ装置601から入力したID情報は台番号に対応させて記憶されているため、その台番号を識別して一のリスト番号に対して一の台番号を設定する。また、リーダ装置601から入力したID情報は、一の台番号に対応させて5つのID情報が存在する。そこで、これらID情報を一のリスト番号に対応させて分類する。この場合に、リーダ装置601では上述した通り所定の順序でID情報が読み取られる。したがって、入力した順序で5つのID情報を並べることで上記(1)〜(5)の順序となる。以上の第1分類処理が行われることで、図36(a)に示すように台番号に対応させてID情報をまとめることができる。
第1分類処理を行った後は、第2分類処理として台番号毎にまとめた各ID情報を製造メーカ毎に分類する。詳細には、各ID情報には、上述したとおり、第1識別部としてメーカ情報が付されている。そこで、第2分類処理では、この第1識別部の情報から製造メーカを識別し、製造メーカ毎に分類する。この場合に、本実施の形態では、台番号毎にまとめた各ID情報のうちの遊技盤ID情報の第1識別部を識別し、製造メーカ毎に分類する。なお、どのID情報を用いて製造メーカを分類するかは任意である。以上の第2分類処理が行われることで、第1分類処理にて台番号に対応させてまとめたID情報を、図36(b)及び図36(c)に示すように製造メーカ毎に分類することができる。特に、図36(a)に示すように、台番号に対して複数の製造メーカのパチンコ機10が交互に設置されている場合には、第1識別部の情報から製造メーカを識別することで、製造メーカの分類を容易に行うことができる。以上の分類処理にて作成された図36(b)や図36(c)に示す情報が認証用情報に該当する。
ステップS103の分類処理を行った後は、ステップS104〜ステップS107のモード判定処理を実行する。モードについて説明すると、本実施の形態におけるパチンコ機管理システムでは、パチンコ機10等が真正品であるか否かなどの認証を行うタイミングが複数パターン存在する。そのタイミングとしては、パチンコ機10の新規設置時(遊技ホールの新規開店時、及び新台の入替時)、遊技盤30と第1制御基板ユニット201と表示制御装置214との組合せからなる板替えユニットの交換時、主制御装置271の交換時、本体枠12や遊技盤30等の中古品との交換時、及びパチンコ機10の稼働開始後における定期又は不定期のチェック時がある。そして、各タイミングに対応させて認証モードが設定されている。つまり、新規設置時には新台入替モード(新規開店モードも含む)で認証が行われ、板替えユニットの交換時には板替えモードで認証が行われ、主制御装置271の交換時には基板替えモードで認証が行われ、中古品との交換時には中古替えモードで認証が行われ、定期又は不定期のチェック時にはチェックモードで認証が行われる。ちなみに、板替えユニットの交換は、本体枠12や前扉枠13は既存のものを使用しつつ、パチンコ機10の機種交換をする場合に行われる。
管理コンピュータ602の操作部には、各モードに対応させてモード選択用ボタンが設けられており、上述した開始ボタンの操作に際してモード選択用ボタンが操作される。したがって、ステップS104〜ステップS107のモード判定処理では、開始ボタンの操作に際して何れのモード選択用ボタンが操作されたか否かを判定する。そして、新台入替モードの場合にはステップS104にて肯定判定をし、板替えモードの場合にはステップS105にて肯定判定をし、基板替えモードの場合にはステップS110にて肯定判定をし、中古替えモードの場合にはステップS111にて肯定判定をし、チェックモードの場合にはステップS104〜ステップS107の全てで否定判定をする。
その後、ステップS108〜ステップS112の情報送信処理にて、分類処理において作成した各認証用情報を対応する製造メーカに送信する。この場合、新台入替モードの場合にはステップS108にて新台入替モードの情報を反映させた状態で認証用情報を送信し、板替えモードの場合にはステップS109にて板替えモードの情報を反映させた状態で認証用情報を送信し、基板替えモードの場合にはステップS110にて基板替えモードの情報を反映させた状態で認証用情報を送信し、中古替えモードの場合にはステップS111にて中古替えモードの情報を反映させた状態で認証用情報を送信し、チェックモードの場合にはステップS112にてチェックモードの情報を反映させた状態で認証用情報を送信する。また、上記各情報送信処理では、遊技ホール情報も反映させた状態で認証用情報を送信する。これらステップS108〜ステップS112の何れかの処理を行った後に、パチンコ機管理処理を終了する。
次に、製造メーカMのデータサーバ701について説明する。なお、以下の説明では、製造メーカM1のデータサーバ701について説明するが、他の製造メーカについても同様である。
データサーバ701は、各遊技ホールH1,H2・・・に設けられたパチンコ機10の管理プログラムを有する電子演算装置であり、その内部にCPUを備えている。CPUには、当該CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM、及びそのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータや管理コンピュータ602から入力したID情報等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMが内蔵されている。この場合、ROMには管理データが記憶保持されている。この管理データを図37に示す。管理データには、図37に示すように、(i)基準データ、(ii)板替えデータ、(iii)基板替えデータがある。
(i)基準データは、管理コンピュータ602から受信した認証用情報の認証に際して基準となるデータである。基準データは、基本的にパチンコ機10の出荷前に登録され記憶保持される。但し、前記板替えユニットの交換や主制御装置271の交換等に際して適宜更新される。基準データには、各パチンコ機10に付された上記(1)〜(5)の各ID情報が、出荷先の遊技ホール名(店名)、その遊技ホールHにおける台番号、及び認証が完了しているか否かの情報と共に記憶されている。ちなみに、図37では、遊技ホールH1の基準データは認証が未完の状態を示し、遊技ホールH2の基準データは認証が完了した状態を示す。
(ii)板替えデータは、前記板替えユニットの出荷前に登録され記憶保持される。つまり、遊技ホールHにおいては上記のとおり板替えが行われることがある。この場合に、板替えデータを記憶保持しておくことで、遊技ホールHに到着した前記板替えユニットが真正品であるか否かなどの認証を行うことができ、搬送途中において当該板替えユニットが不正品に差し替えられたりしても、その不正品の判定が可能となる。板替えデータには、板替えユニットを構成する遊技盤30及び主制御装置271に付された上記(1),(3)〜(5)の各ID情報が、出荷先の遊技ホール名(店名)、その遊技ホールHにおける交換対象の台番号、及び認証が完了しているか否かの情報と共に記憶されている。ちなみに、図37では、板替えデータの認証が未完の状態を示す。また、この板替えデータを用いて基準データが更新される。これについては後に説明する。
(iii)基板替えデータは、主制御装置271の出荷前に登録され記憶保持される。つまり、遊技ホールHにおいては、主制御装置271に対する不正が想定される。この不正としては、主制御装置271の不正な制御装置への交換や、主基板272の不正な基板への交換や、主基板272に設けられたマイコンチップ275の不正なチップへの交換等がある。このような不正行為が行われた場合には、主制御装置271を真正品に交換する必要が生じる。この場合、製造メーカM1においては主制御装置271のみを出荷するため、基板替えデータを記憶保持しておくことで、遊技ホールHに到着した主制御装置271が真正品であるか否かなどの認証を行うことができ、搬送途中において主制御装置271が不正品に差し替えられたりしても、その不正品の判定が可能となる。
基板替えデータには、主制御装置271に付された上記(3)〜(5)の各ID情報が、出荷先の遊技ホール名(店名)、その遊技ホールHにおける交換対象の台番号、及び認証が完了しているか否かの情報と共に記憶されている。ちなみに、図37では、基板替えデータの認証が未完の状態を示す。また、この基板替えデータを用いて基準データが更新される。これについては後に説明する。
なお、遊技ホールHにおいては主制御装置271の基板ボックス273を開封し主基板272の点検などといったメンテナンスを行う場合があり、メンテナンス後はその主制御装置271が再度使用される。この場合、封印シール330は剥がされ、ICタグ333のアンテナ部333bは分断されるため、その基板ボックス273に対して新たな封印シール330を貼り付ける必要がある。よって、製造メーカM1においては封印シール330のみを出荷する必要がある。かかる封印シール330の出荷に際しては、封印シール再発行データとして管理データに登録され記憶保持される。板替えデータや基板替えデータと同様に、この封印シール再発行データを用いて基準データが更新される。
以上説明した管理データを用いてデータサーバ701のCPUではパチンコ機管理処理が実行される。そこで、以下に図38に示すフローチャートを用いてメーカ側のパチンコ機管理処理を説明する。なお、当該パチンコ機管理処理は、管理実行状態下で繰り返し実行される。
図38において、先ずステップS201では、管理コンピュータ602から認証用情報を受信したか否かを判定する。認証用情報を受信していない場合には、そのまま本処理を終了する。認証用情報を受信している場合には、ステップS202〜ステップS205のモード判定処理を行う。モード判定処理では、受信した認証用情報に反映されたモードの情報を解析し、その解析した情報に基づいて今回認証を行うモードの判定を行う。そして、新台入替モードの場合にはステップS202にて肯定判定をし、板替えモードの場合にはステップS203にて肯定判定をし、基板替えモードの場合にはステップS204にて肯定判定をし、中古替えモードの場合にはステップS205にて肯定判定をし、チェックモードの場合にはステップS202〜ステップS205の全てで否定判定をする。
その後、ステップS206〜ステップS210の認証処理において、管理コンピュータ602から受信した認証用情報の認証を行う。この場合、新台入替モードの場合にはステップS206にて新台入替モード用認証処理を行い、板替えモードの場合にはステップS207にて板替えモード用認証処理を行い、基板替えモードの場合にはステップS208にて基板替えモード用認証処理を行い、中古替えモードの場合にはステップS209にて中古替えモード用認証処理を行い、チェックモードの場合にはチェックモード用認証処理を行う。そして、何れかの認証処理を行った後は、ステップS211にて認証結果情報を遊技ホールHの管理コンピュータ602に送信し、パチンコ機管理処理を終了する。
次に、各認証処理について図39及び図40のフローチャートを用いて説明する。図39(a)は新台入替モード用認証処理を示すフローチャートであり、図39(b)は板替えモード用認証処理を示すフローチャートであり、図40(a)は基板替えモード用認証処理を示すフローチャートであり、図40(b)は中古替えモード用認証処理を示すフローチャートである。
新台入替モード用認証処理について説明する。新台入替モード用認証処理では、ステップS301にてROMから今回の認証に対応した管理データを読み出す。詳細には、先ず受信したID情報に反映された遊技ホール情報を解析し、その解析した情報に基づいて今回の新台入替の対象となっている遊技ホールHを特定する。そして、当該遊技ホールHにおいて認証が完了していない基準データを読み出す。
その後、ステップS302では、台数認証処理を行う。台数認証処理では、受信したID情報におけるリスト番号の数と、ステップS301にて読み出した基準データにおける所定のID情報(例えば、上記(1)のID情報)の数とを比較する。その結果、数が一致する場合には、搬送途中においてパチンコ機10が消失していないので、そのままステップS303に進む。一方、数が一致しない場合には、搬送途中においてパチンコ機10が消失したことを意味する。よって、データサーバ701のRAMに消失エラー情報を記憶した後に、ステップS303に進む。
ステップS303では、ID情報認証処理を行う。ID情報認証処理では、受信した認証用情報の各ID情報と読み出した基準データの各ID情報とを比較する。この場合、受信した各ID情報及び基準データの各ID情報は、パチンコ機10毎にまとめられているため、パチンコ機10単位で比較が行われる。この比較を行うパチンコ機10の特定は、パチンコ機10の台番号(設置箇所情報)によって行われる。つまり、製造メーカM1には、予め遊技ホールHから新台入替に関わるパチンコ機10の台番号が連絡され、製造メーカM1ではパチンコ機10の出荷に際して各パチンコ機10と台番号とを対応付ける。そして、その台番号を予め基準データに登録し記憶保持させる。なお、この台番号の登録は、基準データの作成に際して行ってもよく、また作成後に登録しなおすようにしてもよい。この台番号の登録タイミングは、後述する板替えデータや基板替えデータにおいても同様である。
また、製造メーカM1においては、出荷する各パチンコ機10に台番号が記された札などを添えておく。遊技ホールHでは、その札を確認することで各パチンコ機10を島設備における対応する台番号の位置に設置する。以上により、比較を行うパチンコ機10の特定を台番号によって行うことが可能となる。比較を行うパチンコ機10が特定された場合には、上記(1)〜(5)のID情報を比較する。そして、このパチンコ機10の特定と上記(1)〜(5)のID情報の比較を順次行う。なお、この際、読み出した基準データにおける認証完了の欄を、認証が完了していない旨の「×」から認証が完了した旨の「○」に更新する。
但し、遊技ホールHの管理コンピュータ602から送信される各ID情報に付された台番号はリーダ装置601のテンキーを作業者が操作することによって行われる。よって、台番号の入力ミスが生じる場合が想定される。この場合、基準データに登録されていない台番号が存在することとなり、パチンコ機10の特定を行うことができない。そこで、台番号が一致しないパチンコ機10がある場合には、上記(1)〜(5)の各ID情報を比較することで、パチンコ機10の特定を行うとともに、上記(1)〜(5)のID情報の比較も合わせて行う。
ID情報認証処理にて各ID情報が全て一致する場合には、各パチンコ機10が真正品であることを意味するため、そのままステップS304に進む。一方、ID情報が一致しない場合には、搬送途中においてパチンコ機10が不正品に差し替えられたことを意味する。よって、データサーバ701のRAMに不一致エラー情報を記憶した後に、ステップS304に進む。ここで、不一致エラー情報には、不一致となった箇所(例えば、上記(1)〜(5)の何れかの値)も合わせて記憶する。また、台番号のみが異なる場合はリーダ装置601の操作ミスを意味するが、この場合も台番号が異なる旨の情報と合わせて不一致エラー情報を記憶する。
ちなみに、遊技ホールHにおいて一のパチンコ機10における上記(1)〜(5)の各ID情報の読み取り順序が間違っている場合が想定される。この場合、そのパチンコ機10に関しては少なくとも2つのID情報が基準データと一致しないこととなる。そこで、本ID情報認証処理では、一のパチンコ機10に関して2つ以上のID情報が不一致の場合には、各ID情報の第2識別部を確認する。そして、明らかにID情報の読み取り順序が間違っている場合、すなわち、不一致のID情報を並べ替えることで全てのID情報が一致する場合には、RAMに対して読み取り順序が間違っている旨の情報と合わせて不一致エラー情報を記憶する。
ステップS304では、データサーバ701のRAMに消失エラー情報又は不一致エラー情報があるか否かを判定し、それに基づいて認証結果情報を作成する。この認証結果情報を図41に示す。図41(a)は認証結果が正常であった場合の認証結果情報を示し、図41(b)は認証結果が異常であった場合の認証結果情報を示す。
図41(a),(b)に示すように、認証結果情報には、リスト番号、台番号、認証結果、不一致箇所、及び原因の欄が設けられている。リスト番号の欄及び台番号の欄は、管理コンピュータ602から受信した認証用情報(図36(b)参照)におけるリスト番号の欄及び台番号の欄と対応している。但し、消失エラー情報がある場合には、認証用情報にないリスト番号及び台番号を別途登録する。認証結果の欄には、認証結果を「○」又は「×」として登録する。つまり、上記(1)〜(5)の各ID情報が全て一致しており、且つ台番号が一致している場合には、認証結果に「○」を登録する。一方、上記何れか一つでも一致していない場合には、認証結果に「×」を登録する。また、消失エラー情報がある場合には、上記別途登録したリスト番号の認証結果に「×」を登録する。不一致箇所の欄には、不一致となったID情報又は台番号を登録する。原因の欄には、不一致箇所から想定される原因を登録する。
不一致箇所の欄及び原因の欄について詳細には、図41(b)に示すように、例えば、台番号「502」のパチンコ機10に関して上記(1)〜(5)の各ID情報の全てが一致しなかった場合には、不一致箇所の欄には「(1)〜(5)」と登録し、原因の欄には「パチンコ機」と登録する。この原因は、パチンコ機10が不正品に差し替えられたことを表している。また、台番号「509」のパチンコ機10に関して上記(3)〜(5)の各ID情報が一致しなかった場合には、不一致箇所の欄には「(3)〜(5)」と登録し、原因の欄には「主制御装置」と登録する。この原因は、主制御装置271が不正品に差し替えられたことを表している。また、台番号「510」のパチンコ機10に関して上記(5)のタグID情報が一致しなかった場合には、不一致箇所の欄には「(5)」と登録し、原因の欄には「開封」と登録する。この原因は、主制御装置271の基板ボックス273が開封されたことを表している。
また、図41(b)には示していないが、消失エラー情報がある場合には、不一致箇所の欄への登録は行わず、原因の欄には「消失」と登録する。また、台番号の入力ミスが想定される場合には、不一致箇所の欄には「(1)〜(5)」と登録し、原因の欄には「入力ミス」と登録する。また、読み取り順序間違いが想定される場合には、不一致箇所の欄には一致しなかったID情報の番号を登録し、原因の欄には「読み取り順序間違い」と登録する。
以上のように作成された認証結果情報は、上述したメーカ側のパチンコ機管理処理におけるステップS211にて今回の認証に関わる遊技ホールHの管理コンピュータ602に送信される。これにより、管理コンピュータ602における液晶ディスプレイ等において認証結果情報が表示される。ちなみに、当該認証結果情報において原因の欄に「入力ミス」や「読み取り順序間違い」が表示されていた場合には、当該遊技ホールHにて再度そのパチンコ機10の認証を行うことで、パチンコ機10の管理を好適に行うことが可能となる。なお、この再度の認証におけるモードは、チェックモードとして扱われる。
次に、板替えモード用認証処理について説明する。板替えモード用認証処理では、ステップS401にてROMから今回の認証に対応した管理データを読み出す。詳細には、先ず受信した認証用情報に反映された遊技ホール情報を解析し、その解析した情報に基づいて今回の板替えの対象となっている遊技ホールHを特定する。そして、当該遊技ホールHにおいて認証が完了していない板替えデータを読み出す。
その後、ステップS402では、台数認証処理を行う。台数認証処理では、受信した認証用情報におけるリスト番号の数と、ステップS401にて読み出した板替えデータにおける所定のID情報の数とを比較する。その結果、数が一致する場合には、搬送途中において板替えユニットが消失していないので、そのままステップS403に進む。一方、数が一致しない場合には、搬送途中において板替えユニットが消失したことを意味する。よって、データサーバ701のRAMに消失エラー情報を記憶した後に、ステップS403に進む。
ステップS403では、ステップS401にて読み出した板替えデータを用いて基準データの更新を行う。つまり、製造メーカM1には、予め遊技ホールHから板替えに関わるパチンコ機10の台番号が連絡され、製造メーカM1では板替えユニットの出荷に際して各板替えユニットと台番号とを対応付ける。そして、その台番号を予め板替えデータに登録し記憶保持させる。なお、出荷する板替えユニットには台番号が記された札などが添えられ、遊技ホールHでは到着した板替えユニットが何れの台番号のものかが特定される。
以上のように板替えデータには台番号が特定されているため、基準データにおける該当する遊技ホールHの該当する台番号のパチンコ機10に対応した各ID情報に対して各板替えデータを更新する。この場合、板替えに際して本体枠12は交換されない。したがって、板替えデータには上記(2)の枠ID情報は含まれておらず、板替えデータの更新においては上記(1),(3)〜(5)の各ID情報が更新される。なお、この際、読み出した板替えデータにおける認証完了の欄を、認証が完了していない旨の「×」から認証が完了した旨の「○」に更新する。
ここで、上記更新に際しては、元の基準データは消去されるのではなく、管理データにおいて設定された交換済み管理データに移される。このように交換済み管理データに元の基準データを移すことで、板替えユニットが中古品として出回る場合にその出所などを特定することが可能となる。
ステップS403を行った後は、ステップS404にてID情報認証処理を行う。ID情報認証処理では、受信した認証用情報の各ID情報と更新した基準データの各ID情報とを比較する。このID情報認証処理の認証方法は、上記ステップS303におけるID情報認証処理と同様である。
この場合、上記(1)〜(5)の全てのID情報に対して認証が行われる。つまり、交換されていない本体枠12に付された上記(2)の枠ID情報に対しても認証が行われる。これにより、今回出荷した板替えユニットが搬送途中で不正品に差し替えられていないか否かを認証しつつ、遊技ホールHにおける既存の本体枠12が不正品に差し替えられていないか否かを認証することができる。また、製造メーカM1に連絡することなく遊技ホールHにおいて本体枠12を中古品に交換している場合が想定される。この場合であっても、上記(2)の枠ID情報を、交換済み管理データ等と比較することで中古品の本体枠12が正規品であるか否かを認証することができる。さらには、その中古品の枠ID情報を基準データに更新することで、パチンコ機10の管理を好適に行うことができる。
その後、ステップS405では、認証結果情報を作成する。この認証結果情報の作成は、上記ステップS304における認証結果情報の作成と同様である。そして、作成した認証結果情報は、上述したメーカ側のパチンコ機管理処理におけるステップS211にて今回の認証に関わる遊技ホールHの管理コンピュータ602に送信される。
次に、基板替えモード用認証処理について説明する。基板替えモード用認証処理では、ステップS501にてROMから今回の認証に対応した管理データを読み出す。詳細には、先ず受信した認証用情報に反映された遊技ホール情報を解析し、その解析した情報に基づいて今回の基板替えの対象となっている遊技ホールHを特定する。そして、当該遊技ホールHにおいて認証が完了していない基板替えデータを読み出す。
その後、ステップS502では、ステップS501にて読み出した基板替えデータを用いて基準データの更新を行う。つまり、製造メーカM1には、予め遊技ホールHから基板替えに関わるパチンコ機10の台番号が連絡され、製造メーカM1では主制御装置271の出荷に際して当該主制御装置271と台番号とを対応付ける。そして、その台番号を予め基板替えデータに登録し記憶保持させる。なお、出荷する主制御装置271には台番号が記された札などが添えられ、遊技ホールHでは到着した主制御装置271が何れの台番号のものかが特定される。
以上のように基板替えデータは台番号が特定されているため、基準データにおける該当する遊技ホールHの該当する台番号のパチンコ機10に対応した各ID情報に対して基板替えデータを更新する。この場合、基板替えに際して本体枠12及び遊技盤30は交換されない。したがって、基板替えデータには上記(1),(2)のID情報は含まれておらず、基板替えデータの更新においては上記(3)〜(5)のID情報が更新される。なお、この際、読み出した基板替えデータにおける認証完了の欄を、認証が完了していない旨の「×」から認証が完了した旨の「○」に更新する。
ここで、上記更新に際しては、元の基準データは消去されるのではなく、管理データにおいて設定された異常用データに移される。このように異常用データに元の基準データを移すことで、不正が行われた主制御装置271に付されていた上記(3)〜(5)の各ID情報を異常用データとして管理することができる。つまり、不正が行われた主制御装置271に付されていた上記(3)〜(5)の各ID情報は、不正品の主制御装置に付される可能性がある。したがって、これら各ID情報を異常用データとして管理することで、不正品の主制御装置を発見し易くなる。ちなみに、各認証処理において、遊技ホールHから受信した認証用情報の各種ID情報を最初に異常用データと比較することで、比較するパチンコ機10の特定等を行う前の段階で主制御装置271の差し替えが行われたか否かを判定することが可能となる。
ステップS503を行った後は、ステップS504にてID情報認証処理を行う。ID情報認証処理では、受信した認証用情報の各ID情報と更新した基準データの各ID情報とを比較する。このID情報認証処理の認証方法は、上記ステップS303におけるID情報認証処理と同様である。
この場合、上記(1)〜(5)の全てのID情報に対して認証が行われる。つまり、交換されていない遊技盤30に付された上記(1)の遊技盤ID情報、及び本体枠12に付された上記(2)の枠ID情報に対しても認証が行われる。これにより、今回出荷した主制御装置271が搬送途中で不正品に差し替えられていないか否かを認証しつつ、遊技ホールHにおける既存の遊技盤30及び本体枠12が不正品に差し替えられていないか否かを認証することができる。また、製造メーカM1に連絡することなく遊技ホールHにおいて遊技盤30や本体枠12を中古品に交換している場合が想定される。この場合であっても、上記(1)の遊技盤ID情報、及び上記(2)の枠ID情報を、交換済み管理データ等と比較することで、中古品の遊技盤30や本体枠12が正規品であるか否かを認証することができる。さらには、その中古品の遊技盤ID情報や枠ID情報を基準データに更新することで、パチンコ機10の管理を好適に行うことができる。
その後、ステップS504では、認証結果情報を作成する。この認証結果情報の作成は、上記ステップS304における認証結果情報の作成と同様である。そして、作成した認証結果情報は、上述したメーカ側のパチンコ機管理処理におけるステップS211にて今回の認証に関わる遊技ホールHの管理コンピュータ602に送信する。
次に、中古替えモード用認証処理について説明する。中古替えモード用認証処理では、ステップS601にてROMから全管理データを読み出す。この管理データには、基準データだけでなく、上述した交換済み管理データや異常用データも含まれる。
その後、ステップS602では、認証用情報の各種ID情報のうち中古品に関わるID情報の出所認証処理を行う。詳細には、受信した認証用情報の各種ID情報と、その認証用情報から特定される遊技ホールHにおける台番号の基準データの各種ID情報とを比較する。その比較の結果、一致しないID情報に対応したものを中古品として認定する。例えば、上記(1),(3)〜(5)のID情報が一致しない場合には前記板替えユニットが中古品であると認定し、上記(2)の枠ID情報が一致しない場合には本体枠12が中古品であると認定し、上記(1)〜(5)のID情報が一致しない場合にはパチンコ機10が中古品である認定する。なお、パチンコ機10が中古品であると認定されるパターンとしては、遊技ホールHにおいてパチンコ機10単位で中古品を購入した場合や、本体枠12の中古品と前記板替えユニットの中古品とを別々に購入した場合が考えられる。そして、中古品として認定したものに対応したID情報が管理データの何れか(異常用データを除く)に記憶されているか否かを調べる。その結果、管理データの何れかにある場合には、その中古品は正規品であるため、そのデータを基準データに対して更新する。この際、元のデータは消去することなく交換済み管理データなどに移す。一方、管理データの何れにもない場合には、その中古品は不正品であるため、データサーバ701のRAMに不一致エラー情報を記憶する。
その後、ステップS603では、認証結果情報を作成する。この認証結果情報の作成は、上記ステップS304における認証結果情報の作成と同様である。そして、作成した認証結果情報は、上述したメーカ側のパチンコ機管理処理におけるステップS211にて今回の認証に関わる遊技ホールHの管理コンピュータ602に送信する。
次に、チェックモード用認証処理について簡単に説明する。チェックモード用認証処理では、上述した各種認証処理と同様に先ず今回のチェックに関わる基準データを読み出す。その後、台番号により比較を行うパチンコ機10を特定し、その特定したパチンコ機10について各ID情報の比較を行う。そして、その比較の結果を認証結果情報として作成し、上述したメーカ側のパチンコ機管理処理におけるステップS211にて今回の認証に関わる遊技ホールHの管理コンピュータ602に送信する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に、パチンコ機10の管理システムとして、パチンコ機10、前記板替えユニット、及び主制御装置271(以下、これらを出荷対象品ともいう)の遊技ホールHへの出荷前に、上記(1)〜(5)の各種ID情報を付与してそのID情報の管理データを作成しておき、出荷対象品の出荷後において、リーダ装置601により読み取った各種ID情報と、前記管理データとに基づいてパチンコ機10の管理を実施するようにした。パチンコ機10の出荷後(ホール納品後)を考えると、その搬送途中や、遊技ホール等の非営業時間帯(夜間、休日など)においてパチンコ機10に対して主制御装置271を不正品に交換するなどの不正行為が行われる可能性がある。この場合、近年の不正行為の高度化に伴い、外観上は何ら変化のない状態で不正行為が行われる(真正品同様、札片も取り付けられた状態とされることが考えられる)。この点本管理システムによれば、出荷前に作成された各種ID情報の管理データとの比較により真正品の判定が可能となる。したがって、外観上は何ら変化のない状態であっても、真正品か不正品かの判定を正しく行うことができる。その結果、遊技ホールHにおいて信頼性の高いパチンコ機管理を実施することができる。
リーダ装置601にRAM601eを設け、読み取った各種ID情報をRAM601eに記憶するようにした。これにより、各種ID情報の読み取りに際しては、複数のパチンコ機10から連続して各種ID情報を読み取った後に、その読み取った情報を一括して遊技ホールHの管理コンピュータ602に出力することが可能となる。よって、各種ID情報の読み取り作業の作業性を向上させることができる。
リーダ装置601により読み取られる各種ID情報を、複数の識別部(第1識別部、第2識別部、第3識別部)から構成した。特に、本実施の形態では、所定の識別部(第1識別部)に製造メーカを特定するための情報を付与した。これにより、遊技ホールHの管理コンピュータ602において、その所定の識別部を参照することで、収集したID情報を製造メーカ毎に分類することができる。よって、認証用情報の作成に際して、製造メーカ毎の認証用情報の作成を容易に行うことができる。
管理コンピュータ602におけるパチンコ機管理処理(図35)にて、分類処理を行うようにした。そして、当該分類処理では、パチンコ機単位で各種ID情報をまとめるようにした。これにより、各製造メーカMのデータサーバ701にて行われるID情報認証処理では、パチンコ機単位で各種ID情報の認証を行うことができ、その後の認証結果作成を円滑に行うことができる。
遊技ホールHの管理コンピュータ602では、認証用情報を各パチンコ機10の台番号(設置箇所情報)と対応づけて作成するようにした。また、製造メーカMのデータサーバ701では、基準データの各種ID情報を対応するパチンコ機10の台番号と対応づけて登録するようにした。これにより、データサーバ701における各種ID情報の認証に際して、認証用情報の各種ID情報に対応した基準データ等の特定が正しく行われ、各種ID情報の認証を正しく行うことができる。また、その後の認証結果作成を円滑に行うことができる。
ID情報の認証処理について複数の認証モード(新台入替モード、板替えモード、基板替えモード、中古替えモード、チェックモード)を設けた。これにより、様々なパターンに応じた認証を行うことができ、パチンコ機10の管理を好適に行うことができる。この場合に、遊技ホールHの管理コンピュータ602においては、認証用情報に今回の認証モードの情報を反映させてデータサーバ701に送信するようにした。これにより、データサーバ701においては、認証用情報を解析することで、どの認証モードでID情報の認証を行うかを特定することができる。
データサーバ701に記憶された管理データには、板替えや基板替えが行われた場合に各種ID情報が登録される板替えデータ及び基板替えデータを設定した。板替えや基板替えが行われると初期登録時の基準データだけでは各種ID情報に不整合が生じてしまう。これに対して、板替えデータ及び基板替えデータを設定することで、上記のような不整合が生じることはない。
また、板替えデータ及び基板替えデータを基準データとは別に設定することで、製造メーカMにおいては、前記板替えユニットや主制御装置271を出荷する際に、出荷の対象となるデータを検索し書き換える必要はなく、更新用データを別途作成するだけでよい。よって、製造メーカMにおける出荷時の作業性を向上させることができる。
また、板替えデータ及び基板替えデータにより基準データを更新するようにした。これにより、各種ID情報の管理を複数のデータで別々に行う必要はなく、かかる管理を基準データとして一括して行うことが可能となる。よって、板替えデータ及び基板替えデータを設定した構成において、データの管理が煩雑となることが抑制される。
また、板替えデータ及び基板替えデータを、板替えモード用認証処理(図39(b))や基板替えモード用認証処理(図40(a))において自動的に基準データに更新するようにした。これにより、製造メーカMにおいては社員などが更新用の作業を行う必要はない。
管理データに異常用データを設定し、基板替えが行われた場合にはその基板替えの対象となるパチンコ機10における元の基準データを異常用データに移すようにした。これにより、各認証処理において、遊技ホールHから受信した認証用情報の各種ID情報を先ず異常用データと比較することで、比較するパチンコ機10の特定等を行う前の段階で主制御装置271の差し替えが行われたか否かを判定することが可能となる。
板替えモード用認証処理や基板替えモード用認証処理において交換に関わらないID情報の認証も併せて行うようにした。つまり、板替えモード用認証処理であっても、交換に関わらない本体枠12に付された枠ID情報の認証も併せて行うようにした。これにより、パチンコ機10の管理を好適に行うことができる。
認証結果情報には、認証結果の正否だけでなく、比較の結果、ID情報が一致しなかった不一致箇所、及びその考えられる原因も登録するようにした。これにより、遊技ホールHにおいて認証用情報の認証結果を詳細に知ることができ、その後の対応を適切に行うことができる。つまり、リーダ装置601における台番号の入力ミスや各種ID情報の読み取り順序間違いが不一致の原因であると知ることができれば、再度、各種ID情報を読み取り認証用情報を製造メーカMに送信することができる。この場合、各種ID情報の認証を正確に行うことができる。
[第4の実施の形態]
本実施の形態では、封印シールに関する構成及びパチンコ機管理システムに関する構成が上記第3の実施の形態と異なっている。そこで、以下にかかる相違点について説明する。なお、上記第3の実施の形態と同様の構成については、基本的にその説明を省略する。
パチンコ機10には、上記第3の実施の形態と同様に、各種のID情報が付されている。この各種のID情報についてあらためて以下に記述する。
(1)遊技盤用の証紙ラベル55に記された遊技盤ID情報…同ラベル55は遊技盤30に貼付され、遊技盤30の製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、遊技盤30の製造番号(例えば、No.1234567)、及びそれら製造メーカ名の情報と製造番号の情報
とを含む遊技盤ID情報を二次元コード化したQRコードが記されている。
(2)枠用の証紙ラベル245に記された枠ID情報…同ラベル245は本体枠12に貼付され、本体枠12の製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、本体枠12の製造番号(例えば、No.ABCDEFG)、及びそれら製造メーカ名の情報と製造番号の情報とを
含む枠ID情報を二次元コード化したQRコードが記されている。
(3)識別シール345に記された主基板ID情報…識別シール345は主制御装置271の基板ボックス273に貼付され、製造メーカコード(例えば、SY−F)、主制御装置271の製造番号(例えば、No.1234ABC)、及びそれら製造メーカコードの情
報と製造番号の情報とを含む主基板ID情報を二次元コード化したQRコードが記されている。
(4)識別シール346に記されたパチンコ機ID情報…識別シール346は主制御装置271の基板ボックス273に貼付され、製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、機種名(例えば、××物語)、製造番号(例えば、12345A)、及びそれら製造メーカ名の情報と製造番号の情報とを含むパチンコ機ID情報を二次元コード化したQRコードが記されている。
(5)ICタグ333のタグID情報…ICタグ333は主制御装置271の封印シール330に組み付けられ、タグID情報が格納されている。
なお、製造番号とは、多数製造された同一種の部材(例えば、本体枠12や遊技盤30や主制御装置271)について各部材の製造順番(又は、製造日とその製造日における製造順番)を特定するための番号(又は情報)であり、連続して製造された部材の製造番号は連番となっている。そして、製造番号は、同一種の異なる部材間で同一の番号とならないように設定されている。
上記各QRコードにおいて二次元コード化された各ID情報及びICタグ333に記憶されたID情報は、アルファベットと数字とからなる識別番号として構成されている。この識別番号として構成されたID情報を図42に示す。
図42に示すように、各ID情報には、第1識別部、第2識別部及び第3識別部が設定されており、それら各識別部がハイフン(「−」)により区画されている。
第1識別部には製造メーカの情報が付されている。したがって、同一の製造メーカにおける各ID情報の第1識別部には、同一の情報が付されている。第2識別部には、ID情報の種別が付されている。つまり、図42に示すように、遊技盤ID情報の第2識別部には「1」が付されており、枠ID情報の第2識別部には「2」が付されており、主基板ID情報の第2識別部には「3」が付されており、パチンコ機ID情報の第2識別部には「4」が付されており、タグID情報の第2識別部には「5」が付されている。第3識別部には、製造番号又はそれと同様の番号が付されている。
以上のように、各ID情報が第1識別、第2識別部、及び第3識別部によって構成されていることにより、各ID情報を固有なものとすることができる。なお、各ID情報の態様は、上記のものに限定されることはなく、例えば、タグID情報については、そのICタグ333の製造メーカの情報と固有の識別番号とが付された態様としてもよい。また、その識別番号は、異なるICタグ333間で必ず異なるものとする必要があり、例えば、ICタグ333の製造時においてその製造順で連番の識別番号を付すようにすることで、異なるICタグ333間で識別番号が必ず異なるものとなる。
次に、本実施の形態におけるICタグ333の電気的な構成について、図43及び図44を用いて説明する。図43及び図44は、ICタグ333の電気的な構成を説明するための概略図である。
上記第1の実施の形態において説明したように、ICタグ333はICチップ333aとアンテナ部333bとを備えている。この場合に、本実施の形態では、ICチップ333aに特有の構成を備えている。つまり、図43に示すように、ICチップ333aは、記憶部801を備えており、当該記憶部801には書換え不可記憶部802と書換え可能記憶部803とが設けられている。
書換え不可記憶部802は、データ書換え不可な記憶部であり、具体的にはマスクROMにより構成されている。なお、マスクROMに限定されることはなく、データ書換えが不可であれば、他のROMであってもよい。書換え不可記憶部802には、図44(a)に示すように、上記(5)のタグID情報(「M1−5−001」)が記憶されている。
書換え可能記憶部803は、データ書換え可能な記憶部であり、具体的には不揮発性のRAMにより構成されている。なお、不揮発性であってデータ書換え可能であれば、不揮発性のRAMに限定されることはなく、例えば、EEPROMやフラッシュメモリであってもよい。書換え可能記憶部803には、図44(b)に示すように、複数の記憶領域803a〜803dが設けられており、それら記憶領域803a〜803dにはそれぞれ上記(1)の遊技盤ID情報(「M1−1−001」)、上記(2)の枠ID情報(「M1−2−001」)、上記(3)の主基板ID情報(「M1−3−001」)及び上記(4)のパチンコ機ID情報(「M1−4−001」)が記憶されている。
つまり、本実施の形態におけるICタグ333には、当該ICタグ333固有のID情報だけでなく、本パチンコ機10に取り付けられた各証紙ラベル55,245及び各識別シール345,346の全ID情報が格納されている。ICタグ333では、後述するリーダ・ライタ装置810又はリーダ装置840から発信された呼出波をアンテナ部333bにて受信した場合、書換え不可記憶部802に記憶されたID情報及び書換え可能記憶部803に記憶されたID情報の全ID情報を含んだ情報を応答波としてアンテナ部333bから発信する。
ここで、書換え可能記憶部803にID情報を記憶させる作業は、パチンコ機10の製造工程にて行われる。そこで、パチンコ機10の製造工程について、書換え可能記憶部803にID情報を記憶させる作業に着目して以下に説明する。図45は、パチンコ機10の製造工程を説明するための説明図である。
パチンコ機10の製造工程では、準備工程(PS1)として、本体枠12、前扉枠13、遊技盤30及び主制御装置271等の製造を行う。この場合に、それら各構成部品の製造工程はそれぞれ独立して行われ、それぞれの製造工程において対応する構成部品が次々と製造されていく。
また、各製造工程では、証紙ラベル55,245や識別シール345,346の貼付作業が行われる。具体的には、1の遊技盤30を製造する毎に、当該遊技盤30への証紙ラベル55の貼付作業を行う。また、1の本体枠12を製造する毎に、当該本体枠12への証紙ラベル245の貼付作業を行う。さらには、1の主制御装置271を製造する毎に、当該主制御装置271への識別シール345,346の貼付作業を行う。この場合、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346はそれぞれ予め連番の製造番号が付されており、さらにその製造番号を含むID情報を二次元コード化したQRコードが付されている。そして、それら連番の証紙ラベル55,245及び識別シール345,346が、製造された遊技盤30、本体枠12及び主制御装置271に順次貼付されていく。
また、準備工程では、ICタグ333付きの封印シール330が用意される。この場合、ICタグ333の書換え不可記憶部802には、連番のタグID情報が予め記憶されている。一方、この段階では、書換え可能記憶部803にはID情報は何ら記憶されていない。
その後、ICタグ333付き封印シール330の貼付工程(PS2)を行う。当該貼付工程では、準備工程にて製造され、さらに識別シール345,346が貼付された主制御装置271に封印シール330を貼り付ける。
その後、組み立て工程(PS3)を行う。組み立て工程では、準備工程において製造された各種のパチンコ機構成部品を用いてパチンコ機10の組み立てが行われる。
その後、組み立てが完了したパチンコ機10毎に、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346からのID情報の読取工程(PS4)、ID情報の書き込み工程(PS5)、ICタグ333からのID情報の読取工程(PS6)及び各ID情報の登録工程(PS7)を行う。
ここで、パチンコ機10の製造メーカには、リーダ・ライタ装置が設けられている。このリーダ・ライタ装置は、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346に付されたQRコードからID情報を読み取るためのQRコード用の読取機能及びICタグ333からID情報を読み取るためのICタグ用の読取機能を有しており、さらにICタグ333の書換え可能記憶部803にID情報を書き込むための書き込み機能を有している。
当該リーダ・ライタ装置810の電気的構成について図46の概略図を用いて説明する。
リーダ・ライタ装置810は、ハンディタイプであり、その内部にCPU811を備えている。CPU811には、当該CPU811により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM812と、そのROM812内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種の演算データや読み込んだID情報等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM813が内蔵されている。
リーダ・ライタ装置810には、各種ボタン類よりなり管理者等が入力操作を行う操作部814と、液晶画面等よりなる表示部815とが設けられている。操作部814には一のパチンコ機10に付された各種ID情報の読み取りを開始する際に操作される読み取り開始ボタン、RAM813に記憶されたID情報を消去するための消去ボタン、RAM813に記憶されたID情報をICタグ333の書換え可能記憶部803に書き込むための書き込み開始ボタン、RAM813に記憶されたID情報をメーカ側管理サーバに出力するための出力ボタンなどが設けられている。そして、操作部814はCPU811に接続されており、操作部814における各種操作はCPU811にて入力され当該CPU811ではその入力に基づき各種処理を行う。
表示部815もCPU811に接続されており、CPU811の制御に基づいて情報読取順序の指定などが行われる。この場合に、情報読取順序の指定は、操作部814の読み取り開始ボタンが操作されることで開始される。また、その情報読取順序の指定は、上記(1)〜(4)の各種ID情報を昇順で読み取るように行われる。
リーダ・ライタ装置810には、QRコード用読取回路816及びQRコード用読取部817が設けられており、さらにはICタグ用読取回路818及びICタグ用読取部819が設けられている。QRコード用読取回路816及びQRコード用読取部817によりQRコード読み取り機能が果たされる。つまり、QRコード用読取回路816は、CPU811に接続されており、CPU811から読み取り開始信号を入力することで、QRコード用読取部817によるデータ読取を許容する。この場合に、QRコードの読取は、上記の証紙ラベル55,245及び識別シール345,346にQRコード用読取部817を近接させて非接触の状態で行われる。そして、QRコード用読取部817が読み取ったID情報は、QRコード用読取回路816を介してCPU811に出力されRAM813にて記憶される。
また、ICタグ用読取回路818及びICタグ用読取部819によりICタグ333からID情報を読み取る機能が果たされる。つまり、ICタグ用読取回路818は、CPU811に接続されており、CPU811から読み取り開始信号を入力することで、ICタグ用読取部819からの呼出波の発信を開始する。この場合に、ICタグ333からのID情報の読取は、上記のICタグ333にICタグ用読取部819を近接させて非接触の状態で行われる。そして、上述したICタグ333からICタグ用読取部819が読み取ったID情報は、ICタグ用読取回路818を介してCPU811に出力されRAM813にて記憶される。
リーダ・ライタ装置810には、書き込み回路820及び書き込み部821が設けられている。これら書き込み回路820及び書き込み部821により、ICタグ333の書換え可能記憶部803にID情報を書き込むための書き込み機能が果たされる。つまり、書き込み回路820は、CPU811に接続されており、CPU811から書き込み開始信号を入力することで、書き込み部821を介してデータ書き込みを開始する。この場合に、ID情報の書き込みは、上記のICタグ333に書き込み部821を近接させて非接触の状態で行われる。そして、RAM813に記憶されたID情報は全てICタグ333の書換え可能記憶部803に出力され、それらID情報は書換え可能記憶部803の各記憶領域803a〜803dにて個別に記憶される。
ここで、書換え可能記憶部803へのID情報の書き込みに関する構成を簡単に説明する。書換え可能記憶部803へのID情報の書き込みに際しては、ICタグ333のアンテナ部333bに対応した周波数の電波(書き込み波)がリーダ・ライタ装置810から発信され、この電波により誘導電磁界が形成される。この場合、その電波には、書き込むべきID情報又はそれに対応した情報が含まれている。そして、誘導電磁界内にアンテナ部333bが位置する程度にリーダ・ライタ装置810をアンテナ部333bに近接させると、アンテナ部333bに電磁誘導で起電力が発生する。また、これと同時に、アンテナ部333bではリーダ・ライタ装置810からID情報を含んだ電波を受信する。ICチップ333aではこの起電力を電源として、上記アンテナ部333bにて受信したID情報を書換え可能記憶部803に書き込む。これにより、ID情報の書き込みが行われる。なお、ID情報の書き込みに関する構成は、これに限定されることはなく、他の技術を適用することは当然可能である。
リーダ・ライタ装置810には、信号送受信機能を備えた出力部822が設けられている。出力部822は、CPU811に接続されており、操作部814の出力ボタンが操作されることに基づいてRAM813に記憶されたID情報が出力部822から製造メーカに設けられたメーカ側管理サーバに出力される。ID情報の出力は、赤外線等を用いた無線通信により行われ、出力部822をメーカ側管理サーバに近接させることで非接触の状態で行われる。但し、このID情報の出力は上記態様に限定されることはなく、無線LANや有線通信を用いて行ってもよい。
パチンコ機10の製造工程の説明に戻り、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346からのID情報の読取工程(PS4)では、リーダ・ライタ装置810により、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346に付されたQRコードからID情報を読み取る。この際、リーダ・ライタ装置810では、表示部815にて情報読取順序の指定が表示される。具体的には、上記(1)〜(4)の各種ID情報を昇順で読み取るように情報読取順序の指定が表示される。したがって、作業者は上記(1)〜(4)の各種ID情報を、『証紙ラベル55の遊技盤ID情報』→『証紙ラベル245の枠ID情報』→『識別シール345の主基板ID情報』→『識別シール346のパチンコ機ID情報』の順序で読み取る。この読み取られたID情報はRAM813にて記憶される。
ID情報の書き込み工程(PS5)では、リーダ・ライタ装置810のRAM813に記憶された上記(1)〜(4)の各種ID情報を、ICタグ333の書換え可能記憶部803に書き込む。これにより、ICタグ333の書換え可能記憶部803に、上記(1)〜(4)の各種ID情報が記憶される。
ICタグ333からのID情報の読取工程(PS6)では、リーダ・ライタ装置810により、ICタグ333の書換え不可記憶部802及び書換え可能記憶部803に記憶されたID情報を読み取る。そして、この読み取られたID情報はRAM813に記憶される。但し、上記(1)〜(4)の各種ID情報は既にRAM813に記憶されているため、ここではID情報が重複して記憶されないようにCPU811にて重複回避記憶処理が行われる。つまり、CPU811では、読み取ったID情報とRAM813に記憶されたID情報との照合を行い、重複するID情報についてはRAM813への記憶を行わず、重複しないID情報のみRAM813に記憶させる。したがって、当該読取工程では、ICタグ333の書換え不可記憶部802に記憶されたID情報のみがRAM813に記憶される。
各ID情報の登録工程(PS7)では、リーダ・ライタ装置810のRAM813に記憶されたID情報を、メーカ側管理サーバに出力する。これにより、メーカ側管理サーバにおいて、パチンコ機10の上記(1)〜(5)の各種ID情報が一群の情報として記憶される。この際、RAM813に記憶された上記(1)〜(5)の各種ID情報は消去される。なお、この消去の方法は、任意であり、例えば、リーダ・ライタ装置810の操作部814に消去ボタンを設けておき、その消去ボタンを作業者が操作することにより、RAM813に記憶された情報が消去される構成としてもよい。また、登録操作が行われたタイミングで、RAM813に記憶された情報が消去される構成としてもよい。
そして、上記PS4〜PS7の工程がパチンコ機10毎に行われることで、メーカ側管理サーバでは、製造された各パチンコ機10の上記(1)〜(5)の各種ID情報が、それぞれ一群の情報として区別して記憶され、製造時データが作成される。このように製造メーカにおいて、製造時データを作成することで、製造したパチンコ機10の管理を製造メーカ側にて行うことが可能となる。この管理の態様としては、例えば、上記第3の実施の形態にて示した態様が考えられる。
なお、製造工程は、上記のものに限定されることはなく、PS4の工程及びPS5の工程が、PS3の組み立て工程が完了したパチンコ機10毎に行われ、全てのパチンコ機10に対してPS4の工程及びPS5の工程を行った後に、PS6の工程及びPS7の工程を行う構成としてもよい。この場合、リーダ・ライタ装置810のRAM813に複数の記憶領域を設け、上記(1)〜(5)の一群の情報をそれぞれ区別して記憶可能な構成とすることで、PS6の工程を多数のパチンコ機10に行った後に、PS7の工程にて多数のパチンコ機10における上記(1)〜(5)の一群の情報をまとめて登録することが可能となる。
次に、多数のパチンコ機10が設置された遊技ホールHにおけるパチンコ機管理システムについて説明する。
本実施の形態におけるパチンコ機管理システムでは、図47に示すように、遊技ホールHにホールコンピュータ830及びリーダ装置840が設けられている。そして、リーダ装置840によりパチンコ機10の各種ID情報が読み取られるとともに、そのリーダ装置840にて各種ID情報の認証が行われる。また、リーダ装置840にて読み取られた各種ID情報は必要に応じてホールコンピュータ830にて収集され、その収集したID情報の認証がホールコンピュータ830にて行われる。そこで、以下にかかるパチンコ機管理システムについて説明する。
先ず、ホールコンピュータ830について説明する。
ホールコンピュータ830は、パチンコ機10の管理プログラムを有する電子演算装置であり、その内部にCPU831を備えている。CPU831には、当該CPU831により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM832、及びそのROM832内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであるRAM833が内蔵されている。ROM832はデータ書換え可能な不揮発性メモリであり、管理データが記憶されている。
この管理データは、遊技ホールの新装開店時に多数のパチンコ機10が納品された段階で作成され、さらには新台入替時において更新される。また、管理データへの各パチンコ機10の上記(1)〜(5)の各種IDデータの登録は、納品されたパチンコ機10についてその製造メーカから受け取った製造時データをホールコンピュータ830に入力することにより行われる。この際、設置する台番号と関連付けて上記(1)〜(5)の各種IDデータの登録が行われる。なお、台番号は、遊技ホールHにおいて遊技ゲーム数や大当たり回数などを表示するためのデータカウンタ835に付されている。
また、ホールコンピュータ830には、モニタ部834が設けられている。モニタ部834はCPU831に接続されており、当該CPU831による表示制御により、各種の情報がモニタ部834にて表示される。
次に、リーダ装置840について図48の概略図を用いて説明する。
リーダ装置840は、ハンディタイプであり、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346に付されたQRコードからID情報を読み取るためのQRコード用の読取機能及びICタグ333からID情報を読み取るためのICタグ用の読取機能を有している。つまり、リーダ装置840は、上記のリーダ・ライタ装置810と異なり、ID情報の書き込み機能を有していない。
リーダ装置840の構成について詳細には、その内部にCPU841を備えている。CPU841には、当該CPU841により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM842と、そのROM842内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種の演算データや読み込んだID情報等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM843が内蔵されている。
ここで、RAM843は、図49に示すように、QRコード用記憶部845と、ICタグ用記憶部846と、台番号用記憶部847とを備えている。
QRコード用記憶部845は、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346に付されたQRコードから読み取ったID情報を記憶する機能を有している。また、QRコード用記憶部845は、複数の記憶領域845a〜845dを有している。そのうち第1記憶領域845aは証紙ラベル55に対応した上記(1)のID情報を記憶するための機能を有し、第2記憶領域845bは証紙ラベル245に対応した上記(2)のID情報を記憶するための機能を有し、第3記憶領域845cは識別シール345に対応した上記(3)のID情報を記憶するための機能を有し、第4記憶領域845dは識別シール346に対応した上記(4)のID情報を記憶するための機能を有している。
ICタグ用記憶部846は、ICタグ333から読み取ったID情報を記憶する機能を有している。また、ICタグ用記憶部846は、複数の記憶領域846a〜846eを有している。そのうち第1〜第4記憶領域846a〜846dは、ICタグ333の書換え可能記憶部803に記憶されたID情報を記憶するための機能を有し、第5記憶領域846eは、ICタグ333の書換え不可記憶部802に記憶されたID情報を記憶するための機能を有している。
第1〜第4記憶領域846a〜846dについてより詳細には、第1記憶領域846aは書換え可能記憶部803に記憶されたID情報のうち証紙ラベル55に対応した上記(1)のID情報を記憶するための機能を有し、第2記憶領域846bは書換え可能記憶部803に記憶されたID情報のうち証紙ラベル245に対応した上記(2)のID情報を記憶するための機能を有し、第3記憶領域846cは書換え可能記憶部803に記憶されたID情報のうち識別シール345に対応した上記(3)のID情報を記憶するための機能を有し、第4記憶領域846dは書換え可能記憶部803に記憶されたID情報のうち識別シール346に対応した上記(4)のID情報を記憶するための機能を有している。
台番号用記憶部847は、識別情報の読取を行う対象のパチンコ機10の台番号を記憶する機能を有している。ID情報の読取に際して入力された台番号は、当該台番号用記憶部847にて記憶される。なお、台番号用記憶部847に代えて、遊技ホールHにおいてパチンコ機10を特定するための他の識別情報を記憶するための遊技機特定情報記憶部を設けてもよい。但し、遊技機特定情報記憶部に記憶させる情報は、管理データとの照合に際して基準となる情報である必要があり、例えば遊技機特定情報記憶部に記憶させる情報としては、ホールコンピュータ830の管理データにおいて設定された台番号以外のリスト番号が考えられる。この場合、当該リスト番号はパチンコ機10に付されている必要がある。
また、RAM843には、QRコード用記憶部845、ICタグ用記憶部846及び台番号用記憶部847の他に、管理データ認証用記憶部848が設けられている。この管理データ認証用記憶部848には、管理データとの認証を行うためのID情報が台番号の情報と対応付けて記憶される。ちなみに、管理データ認証用記憶部848には、複数の記憶領域が設定されており、管理データとの認証を行うためのID情報を複数のパチンコ機10について記憶することができる。
リーダ装置840には、各種ボタン類よりなり管理者等が入力操作を行う操作部850と、液晶画面等よりなる表示部851とが設けられている。操作部850にはパチンコ機10の台番号等を入力するためのテンキーが設けられている。また、テンキー以外にも、一のパチンコ機10に付された各種ID情報の読み取りを開始する際に操作される読み取り開始ボタン、一のパチンコ機10に付された各種ID情報の読み取りを終了した際に操作される読み取り終了ボタン、RAM843に記憶されたID情報を消去するための消去ボタン、RAM843に記憶されたID情報をホールコンピュータ830に出力するための出力ボタンなどが設けられている。そして、操作部850はCPU841に接続されており、操作部850における各種操作はCPU841にて入力され当該CPU841ではその入力に基づき各種処理を行う。
表示部851もCPU841に接続されており、CPU841の制御に基づいて上記第3の実施の形態にて説明した情報読取順序の指定が行われる。この場合に、情報読取順序の指定は、操作部850の読み取り開始ボタンが操作されることで開始される。この情報読取順序の指定は、上記(1)〜(5)の各種ID情報を昇順で読み取るように行われる。
リーダ装置840には、QRコード用読取回路852及びQRコード用読取部853が設けられており、さらにはICタグ用読取回路854及びICタグ用読取部855が設けられている。
QRコード用読取回路852及びQRコード用読取部853によりQRコード用の読取機能が果たされる。つまり、QRコード用読取回路852は、CPU841に接続されており、CPU841にて読取開始処理が実行されることで、QRコード用読取部853を介したQRコードの読取が許容される。この場合に、QRコードの読み取りは、上記の証紙ラベル55,245及び識別シール345,346にQRコード用読取部853を近接させて非接触の状態で行われる。そして、QRコード用読取部853が読み取ったID情報は、QRコード用読取回路852を介してCPU841に出力されRAM843のQRコード用記憶部845にて記憶される。
ここで、QRコード用記憶部845は、上記のとおり第1〜第4記憶領域845a〜845dを備えている。この場合に、QRコード用読取部853を介して読み取った上記(1)〜(4)のID情報は、CPU841にて第2識別部の値が「1」〜「4」のいずれであるかが判定され、「1」の場合にはそのID情報は第1記憶領域845aに記憶され、「2」の場合にはそのID情報は第2記憶領域845bに記憶され、「3」の場合にはそのID情報は第3記憶領域845cに記憶され、「4」の場合にはそのID情報は第4記憶領域845dに記憶される。これにより、第1記憶領域845aには証紙ラベル55に対応した上記(1)のID情報が記憶され、第2記憶領域845bには証紙ラベル245に対応した上記(2)のID情報が記憶され、第3記憶領域845cには識別シール345に対応した上記(3)のID情報が記憶され、第4記憶領域845dには識別シール346に対応した上記(4)のID情報が記憶される。
なお、QRコードから読み取ったID情報の記憶の仕方は、上記のものに限定されることはない。例えば、第1〜第4記憶領域845a〜845dには、第1記憶領域845a→第2記憶領域845b→第3記憶領域845c→第4記憶領域845dの順序で読み取ったID情報の記憶を行うようにしてもよい。当該構成であっても、表示部851においては上記のとおり情報読取順序の指定が行われ、QRコードについては上記(1)〜(4)の各種ID情報を昇順で読み取るように情報読取順序の指定が行われる。したがって、その順序でQRコードからのID情報の読取作業が行われることで、第1記憶領域845aには証紙ラベル55に対応した上記(1)のID情報が記憶され、第2記憶領域845bには証紙ラベル245に対応した上記(2)のID情報が記憶され、第3記憶領域845cには識別シール345に対応した上記(3)のID情報が記憶され、第4記憶領域845dには識別シール346に対応した上記(4)のID情報が記憶される。但し、当該構成においては、読取順序を間違えると本来記憶されるべき記憶領域とは異なる記憶領域にID情報が記憶されてしまうため、ID情報の記憶の正確性を高める点では、第2識別部を判定して行う上記の構成が好ましい。
ICタグ用読取回路854及びICタグ用読取部855によりICタグ用の読取機能が果たされる。つまり、ICタグ用読取回路854は、CPU841に接続されており、CPU841にて読取開始処理が実行されることで、ICタグ用読取部855からの呼出波の出力が開始される。この場合に、ICタグ333からの情報の読み取りは、ICタグ333にICタグ用読取部855を近接させて非接触の状態で行われる。そして、上述したICタグ333からICタグ用読取部855が読み取ったID情報は、ICタグ用読取回路854を介してCPU841に出力されRAM843のICタグ用記憶部846にて記憶される。
ここで、ICタグ用記憶部846は、上記のとおり第1〜第5記憶領域846a〜846eを備えている。この場合に、ICタグ用読取部855を介して読み取ったID情報は、CPU841にて第2識別部の値が「1」〜「5」のいずれであるかが判定され、「1」の場合にはそのID情報は第1記憶領域846aに記憶され、「2」の場合にはそのID情報は第2記憶領域846bに記憶され、「3」の場合にはそのID情報は第3記憶領域846cに記憶され、「4」の場合にはそのID情報は第4記憶領域846dに記憶され、「5」の場合にはそのID情報は第5記憶領域846eに記憶される。これにより、第1記憶領域846aには書換え可能記憶部803に記憶されたID情報のうち証紙ラベル55に対応した上記(1)のID情報が記憶され、第2記憶領域846bには書換え可能記憶部803に記憶されたID情報のうち証紙ラベル245に対応した上記(2)のID情報が記憶され、第3記憶領域846cには書換え可能記憶部803に記憶されたID情報のうち識別シール345に対応した上記(3)のID情報が記憶され、第4記憶領域846dには書換え可能記憶部803に記憶されたID情報のうち識別シール346に対応した上記(4)のID情報が記憶される。また、第5記憶領域846eには書換え不可記憶部802に記憶されたICタグ333に対応した上記(5)のID情報が記憶される。
なお、ICタグ333から読み取ったID情報の記憶の仕方は、上記のものに限定されることはない。例えば、ICタグ333の書換え可能記憶部803にも第1〜第4記憶領域を設定しておき、第1記憶領域には証紙ラベル55に対応した上記(1)のID情報を記憶し、第2記憶領域には証紙ラベル245に対応した上記(2)のID情報を記憶し、第3記憶領域には識別シール345に対応した上記(3)のID情報を記憶し、第4記憶領域には識別シール346に対応した上記(4)のID情報を記憶する構成とする。そして、ICタグ用記憶部846の第1〜第4記憶領域846a〜846dには、ICタグ333の第1〜第4記憶領域のうちそれぞれ順番が対応する記憶領域に記憶されたID情報を記憶するようにしてもよい。但し、当該構成においては、ICタグ333の第1〜第4記憶領域のそれぞれに正確にID情報が記憶されていないと、本来記憶されるべき記憶領域とは異なる記憶領域にID情報が記憶されてしまうため、ID情報の記憶の正確性を高める点では、第2識別部を判定して行う上記の構成が好ましい。
リーダ装置840には、信号送受信機能を備えた出力部856が設けられている。出力部856は、CPU841に接続されており、操作部850の出力ボタンが操作されることに基づいてRAM843に記憶されたID情報が出力部856からホールコンピュータ830に出力される。ID情報の出力は、赤外線等を用いた無線通信により行われ、出力部856をホールコンピュータ830に近接させることで非接触の状態で行われる。但し、このID情報の出力は上記態様に限定されることはなく、無線LANや有線通信を用いて行ってもよい。
次に、遊技ホールHにおいてリーダ装置840を用いた不正発見作業が行われる場合における、リーダ装置840のCPU841及びホールコンピュータ830のCPU831にて実行される各種処理について説明する。
先ず、リーダ装置840のCPU841にて実行される処理について説明する。リーダ装置840のCPU841では、ID情報読取処理とID情報出力処理とが繰り返し実行される。
ID情報読取処理では、図50のフローチャートを示すように、先ずステップS1001にて操作部850の開始ボタンから開始信号を入力したか否かを判定する。開始信号を入力していない場合には、そのまま本ID情報読取処理を終了する。開始信号を入力している場合には、ステップS1002に進む。
ステップS1002では、台番号入力の要求処理を実行する。詳細には、表示部851を表示制御し、当該表示部851にて「台番号を入力して下さい。」といった台番号の入力を促す表示を行う。続くステップS1003では、台番号の入力が行われたか否かを判定する。この台番号の入力は、操作部850のテンキーが操作されることで行われる。台番号の入力が行われていない場合には、ステップS1003にて否定判定をし、再度、ステップS1003の処理を行う。つまり、台番号の入力が行われるまでステップS1003にて待機する。台番号の入力が行われた場合には、ステップS1003にて肯定判定をし、ステップS1004に進む。
ステップS1004では、入力された台番号を台番号用記憶部847に記憶させる。なお、台番号用記憶部847の代わりに、遊技機特定情報記憶部が設けられた構成においては、入力された遊技機特定情報を遊技機特定情報記憶部に記憶させる。
続くステップS1005では、読取順序表示処理を実行する。詳細には、表示部851を表示制御し、当該表示部851にて情報読取順序を表示させる。具体的には、『証紙ラベル55の遊技盤ID情報』→『証紙ラベル245の枠ID情報』→『識別シール345の主基板ID情報』→『識別シール346のパチンコ機ID情報』→『ICタグ333のタグID情報』といった読み取り順序を表示させる。
続くステップS1006では、読取開始処理を実行する。当該読取開始処理が実行されることにより、QRコード用読取部853を介したQRコードの読取が許容され、さらにはICタグ用読取部855からの呼出波の出力が開始される。
続くステップS1007では、ID情報を受信したか否かを判定する。具体的には、証紙ラベル55,245又は識別シール345,346に付されたQRコードの読取が行われたか否かを判定するとともに、ICタグ333から応答波を受信したか否かを判定する。ID情報を受信していない場合には、ステップS1007にて否定判定をし、再度、ステップS1007の処理を行う。つまり、ID情報の受信が行われるまでステップS1007にて待機する。ID情報の受信が行われた場合には、ステップS1007にて肯定判定をし、ステップS1008に進む。
ステップS1008では、ID情報記憶処理を実行する。具体的には、QRコード用読取部853にてQRコードからのID情報の読取が行われた場合には、当該ID情報の第2識別部の値が「1」〜「4」のいずれであるかを判定し、QRコード用記憶部845の第1〜第4記憶領域845a〜845dのうち、その第2識別部の値に対応した記憶領域にID情報を記憶させる。また、ICタグ用読取部855にてICタグ333から応答波を受信した場合には、その応答波に含まれる複数のID情報の第2識別部をそれぞれ判定し、ICタグ用記憶部846の第1〜第5記憶領域846a〜846eのうち、その第2識別部の値に対応した記憶領域にそれぞれID情報を記憶させる。
なお、ID情報記憶処理にてID情報の記憶が行われた場合には、CPU841により表示部851が表示制御されることにより、ID情報の記憶が行われたこと、及びそのID情報の記憶が証紙ラベル55,245、識別シール345,346、ICタグ333のいずれについて行われたかが表示部851にて表示される。これにより、作業者は、いずれのID情報の読取が完了したかを把握することができる。
続くステップS1009では、操作部850の終了ボタンから終了信号を入力したか否かを判定する。終了信号を入力していない場合には、ステップS1007に戻る。これにより、ステップS1007〜ステップS1009の処理が繰り返される。一方、終了信号を入力した場合には、ステップS1010に進む。
なお、ID情報の読取を繰り返し行ったにも関わらず、ID情報の読取を行えない場合には、何らかの不正が行われたことを意味する。例えば、ICタグ333にリーダ装置840を近接させているにも関わらず、当該ICタグ333からのID情報の読取を行えない場合には、主制御装置271の不正交換が行われICタグ333が取り付けられていない又は基板ボックス273の不正開封が行われICタグ333が破壊されていることを意味する。そして、作業者はICタグ333からID情報の読取を行えないことを確認することで、上記不正などが行われていることを把握することができる。
ステップS1010では、読取終了処理を実行する。当該読取終了処理が実行されることにより、QRコード用読取部853を介したQRコードの読取が禁止され、さらにはICタグ用読取部855からの呼出波の出力が停止される。
続くステップS1011では、認証処理を実行する。この認証処理では、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346の各QRコードから読み取った各ID情報と、ICタグ333の書換え可能記憶部803から読み取った各ID情報とを照合し、それらが一致するか否かを確認する。
詳細には、QRコード用記憶部845の第1記憶領域845aに記憶されたID情報とICタグ用記憶部846の第1記憶領域846aに記憶されたID情報とが一致するか否かを確認する。これにより、証紙ラベル55に対応した上記(1)のID情報の認証が行われる。また、QRコード用記憶部845の第2記憶領域845bに記憶されたID情報とICタグ用記憶部846の第2記憶領域846bに記憶されたID情報とが一致するか否かを確認する。これにより、証紙ラベル245に対応した上記(2)のID情報の認証が行われる。また、QRコード用記憶部845の第3記憶領域845cに記憶されたID情報とICタグ用記憶部846の第3記憶領域846cに記憶されたID情報とが一致するか否かを確認する。これにより、識別シール345に対応した上記(3)のID情報の認証が行われる。また、QRコード用記憶部845の第4記憶領域845dに記憶されたID情報とICタグ用記憶部846の第4記憶領域846dに記憶されたID情報とが一致するか否かを確認する。これにより、識別シール346に対応した上記(4)のID情報の認証が行われる。
ステップS1011における認証処理の結果は、ステップS1012にてCPU841が表示部851を表示制御することにより、当該表示部851にて表示される。この表示部851における表示内容を確認することで、作業者は異常(不正)の有無を把握することができる。
ここで、認証処理の結果としては、大別として以下のものが考えられる。
(i)全てのID情報が一致する。
(ii)一部のID情報が一致しない。
(iii)全てのID情報が一致しない。
そして、上記(i)〜(iii)のうち、(i)の場合には何ら異常が発生していないことを意味する。(ii)の場合にはその一致しないID情報に対応した構成部品にて異常が発生していることを意味する。(iii)の場合には主制御装置271の不正交換などとが発生していることを意味する。作業者はこれらを確認することで、その異常に対して適切に対処することができる。
続くステップS1013では、管理データ認証用情報設定処理を実行する。管理データ認証用情報設定処理では、CPU841が表示部851を表示制御することにより、今回の認証に関わるID情報を管理データと認証を行うために記憶させておくか否かの確認を表示させる。
この場合に、操作部850における出力ボタンが操作された場合には、現在、QRコード用記憶部845の第1記憶領域845a〜第4記憶領域845dに記憶されている各ID情報と、ICタグ用記憶部846の第5記憶領域846eに記憶されているID情報とを一群の情報として、その一群の情報が台番号用記憶部847に記憶されている台番号の情報と関連付けて管理データ認証用記憶部848に記憶させる。その後、QRコード用記憶部845、ICタグ用記憶部846及び台番号用記憶部847に記憶されている各情報を全て消去する。
一方、操作部850における消去ボタンが操作された場合には、そのままQRコード用記憶部845、ICタグ用記憶部846及び台番号用記憶部847に記憶されている各情報を全て消去する。当該ステップS1013の管理データ認証用情報設定処理を実行した後に、本ID情報読取処理を終了する。
次に、リーダ装置840のCPU841にて実行されるID情報出力処理について、図51のフローチャートを用いて説明する。このID情報出力処理は、リーダ装置840のRAM843の管理データ認証用記憶部848に記憶された管理データ認証用情報をホールコンピュータ830に出力するための処理である。
ID情報出力処理では、先ずステップS2001にて操作部850の出力ボタンから出力信号を入力したか否かを判定する。出力信号を入力していない場合には、そのまま本ID情報出力処理を終了する。出力信号を入力している場合には、ステップS2002に進む。
ステップS2002では、管理データ認証用情報をホールコンピュータ830に出力する。この場合、管理データ認証用記憶部848に記憶されている管理データ認証用情報を全てホールコンピュータ830に出力する。
続くステップS2003では、情報消去処理を実行する。情報消去処理では、管理データ認証用記憶部848に記憶された管理データ認証用情報を消去する。その後、本ID情報出力処理を終了する。
次に、ホールコンピュータ830のCPU831にて実行される管理データ認証処理について、図52のフローチャートを用いて説明する。この管理データ認証処理では、リーダ装置840から入力した管理データ認証用情報の認証を、ROM832に記憶された管理データを参照することで行う。
管理データ認証処理では、先ずステップS3001にて、管理データ認証用情報を入力したか否かを判定する。管理データ認証用情報を入力していない場合には、そのまま本管理データ認証処理を終了する。管理データ認証用情報を入力している場合には、その入力した管理データ認証用情報をホールコンピュータ830のRAM833に記憶させた後に、ステップS3002に進む。
ステップS3002では、管理データ認証情報に含まれる台番号の情報から、その管理データ認証情報がいずれのパチンコ機10のものかを特定し、その特定したパチンコ機10における管理用の上記(1)〜(5)の各種ID情報を管理データから読み出す。そして、その読み出した各種ID情報と、管理データ認証情報に含まれる上記(1)〜(5)の各種ID情報とがそれぞれ一致するか否かを確認する。
続くステップS3003では、ステップS3002における認証結果を、ホールコンピュータ830のモニタ部834にて表示する。作業者はこれを確認することにより、いずれのID情報が異常か否かを正確に把握することができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ICタグ333のICチップ333aに書換え不可記憶部802と書換え可能記憶部803とを設けた。そして、書換え不可記憶部802に自己のID情報(タグID情報)を記憶させるとともに、書換え可能記憶部803に証紙ラベル55,245及び識別シール345,346のID情報を記憶させた。これにより、リーダ装置840によりICタグ333から証紙ラベル55,245及び識別シール345,346のID情報を読み取り、さらに証紙ラベル55,245及び識別シール345,346からそれぞれID情報を読み取ることで、それらのID情報の照合を行うことができる。そして、両者のID情報が一致しなかった場合には、本体枠12、遊技盤30及び主制御装置271などの管理対象に対して不正などが行われていることを把握することができる。
また、ICタグ333が証紙ラベル55,245及び識別シール345,346のID情報を記憶した構成であるため、リーダ装置840に管理データを記憶させておく必要はない。したがって、リーダ装置840に予め記憶させておくデータ量が増加してしまうことはなく、さらにはリーダ装置840に管理データを記憶させるためのデータ記憶作業を行う必要がない。さらにまた、リーダ装置に管理データを記憶させておく必要がない構成とすることにより、リーダ装置840はQRコードからのID情報の読取機能と、ICタグからのID情報の読取機能と、それら読み取ったID情報を認証する機能とを有する構成であればよく、リーダ装置840の汎用性が高められる。
以上より、ID情報が正規のものか否かの照合作業を簡易的且つ良好に行うことができる。
また、ICタグ333は、上記のとおり、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346のID情報だけでなく、自己のID情報を記憶している。したがって、ホールコンピュータ830にて、証紙ラベル55,245、識別シール345,346及びICタグ333のID情報と管理データとを照合することは依然として可能であり、上記のようなリーダ装置840による簡易的な照合作業だけでなく、管理データを用いた厳密な照合作業をも行うことができる。
ICタグ333の自己のID情報を書換え不可記憶部802に記憶させるとともに、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346の他のID情報を書換え可能記憶部803に記憶させた。自己のID情報を書換え不可記憶部802に記憶させたことにより、誤って自己のID情報が書き換えられてしまうことが防止される。自己のID情報が書き換えられてしまうとICタグ333を用いたパチンコ機10の管理を正確に行えなくなってしまうが、本構成によれば、かかる不都合の発生を防止できる。特に、他のID情報はリーダ装置840によるID情報の簡易的な照合の際に用いられるのに対して、自己のID情報は管理データを用いた厳密な照合の際に用いられるものであり、この点から、自己のID情報は書換え不可記憶部802に記憶させることが好ましい。
また、他のID情報を書換え可能記憶部803に記憶させたことにより、パチンコ機10の製造工程において他のID情報の書き込みを行うことができる。他のID情報が書換え不可記憶部802に記憶させる構成を想定すると、パチンコ機10の製造工程において他のID情報の書き込みを行うことができないため、1台のパチンコ機10に取り付ける証紙ラベル55,245、識別シール345,346及びICタグ333の組合せを、それらをパチンコ機10に取り付ける前、すなわち、ICタグ333の製造時において定めておく必要が生じてしまう。そうすると、パチンコ機10の製造時においては、各証紙ラベル55,245、識別シール345,346及びICタグ333の取り付けをその組合せが異なるものとならないように入念的に行う必要が生じ、その作業が手間となる。また、組合せが異なるものとなってしまった場合には、ICタグ333に記憶された他のID情報と、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346に記されたQRコードのID情報とが不一致となり、リーダ装置840におけるID情報の簡易的な認証を行えなくなってしまう。これに対して、本実施の形態のように他のID情報を書換え可能記憶部803に記憶させたことで、上記のような不都合が生じることはない。
また、パチンコ機10の製造工程において、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346をパチンコ機10に取り付け(準備工程PS1)、さらにICタグ333をパチンコ機10に取り付けた(ICタグ付き封印シールの貼付工程PS2)後に、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346からのID情報の読取工程(PS4)とID情報の書き込み工程(PS5)とを行うようにした。上記の各取り付け工程の少なくとも一方が、読取工程及び書き込み工程の後に行われる構成を想定すると、証紙ラベル55,245、識別シール345,346及びICタグ333のいずれかを、誤って他のパチンコ機10に取り付けてしまうおそれがある。この場合、証紙ラベル55,245、識別シール345,346及びICタグ333の組合せが異なるものとなってしまい、リーダ装置840による簡易的なID情報の照合を行えなくなってしまう。これに対して、本実施の形態における構成によれば、ICタグ333の書換え可能記憶部803には、同一パチンコ機10に取り付けられる証紙ラベル55,245及び識別シール345,346のID情報が確実に記憶されることとなる。
複数ある識別体のうち、ICタグは1つのみとした。そして、ICタグに比べ、QRコードが記された札片はコストが低い。これにより、コストの低下を図りつつ、上記効果を得ることができる。
[他の実施の形態]
上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
・上記第1,第3の実施の形態は、遊技ホールH側のパチンコ機管理装置として、リーダ装置601と管理コンピュータ602とを設けたが、この構成を変更する。例えば、上述した管理コンピュータ602の管理処理機能をリーダ装置601に付加する構成としても良い。この場合、リーダ装置601に通信機能を持たせ、メーカ側のデータサーバ701との間で双方向通信を行わせると良い。
・上記図24に示すシステム構成では、製造メーカ(M1,M2,M3…)をデータ保管機関として定め、そのメーカごとにデータサーバ701を設置したが、これを変更する。例えば、複数の製造メーカにより構成される遊技機管理組合をデータ保管機関として定め、その遊技機管理組合のデータサーバにより、各メーカの管理データを統括管理すると良い。つまり、データ保管機関として製造メーカではないデータ管理用の第3者機関を設け、当該第3者機関にて各メーカの管理データを統括管理すると良い。この場合、遊技ホール等で読み取られた識別情報の送信先が共通となり、システム構成の簡素化が可能となる。
また、かかる構成において、上記(1)〜(5)の各種ID情報に遊技機管理組合などのデータ保管機関の情報も登録するようにしてもよい。この場合、各種ID情報の認証に際してその情報があるか否かを判定することで、簡易的にID情報の認証を行うことが可能となる。
また、かかる構成においては、遊技ホールHの管理コンピュータ602にて製造メーカ毎に認証用情報を分類する必要が生じない。つまり、上記第3の実施の形態における分類処理においては、第2分類処理を行う必要がない。
なお、第4の実施の形態において、上記のようなデータ保管機関の情報をICタグ333の記憶部801に記憶させる構成としてもよい。具体的には、パチンコ機10の製造時やその後の出荷時又は納品時に、ICタグ333の書換え可能記憶部803に、データ保管機関の情報を書き込むようにしてもよい。
・上記第1,第3の実施の形態では、各種ID情報の管理データを製造メーカや遊技機管理組合(遊技ホール以外のデータ保管機関)で保管しておき、当該製造メーカ等において、保管した管理データに基づいてデータ照合及び認証を行ったが、これを変更する。例えば、製造メーカ等において、各種ID情報の管理データをディスク媒体等の記憶媒体に書き込み、パチンコ機10の出荷時にその記憶媒体を同パチンコ機10と共に遊技ホール等に納品する。この場合、遊技ホール等において、前記記憶媒体に書き込まれた管理データに基づいてデータ照合及び認証を行うことができる。また、当該構成において、管理データを遊技ホールの管理を行うホールコンピュータに記憶させ、当該ホールコンピュータにてデータ照合及び認証を行う構成としてもよい。また、管理データをリーダ装置に記憶させ、当該リーダ装置にてデータ照合及び認証を行う構成としてもよい。
・上記第1,第3の実施の形態において、製造メーカや遊技機管理組合等のデータ保管機関から遊技ホール等に対して管理リクエスト信号を送信する一方、遊技ホール等において管理リクエスト信号に応じて各種ID情報の読み取り及び該読み取ったID情報の返信を行わせる構成としても良い。この場合、遊技ホール等の外部からの管理操作が可能となる。したがって、よりシビアなパチンコ機の管理が実現できる。
・上記第3の実施の形態において、新台時や板替え時などにて納品されたパチンコ機10などの上記(1)〜(5)の各種ID情報が全て正常であると判定された後は、定期又は不定期の各種ID情報のチェックを遊技ホールHにて単独で行うようにしてもよい。
具体的には、新台時や板替え時などにおけるID情報の認証を製造メーカにて行う場合は、例えば、図36(a)に示すような認証済みの収集情報を管理データとしてホールコンピュータやホール側の管理コンピュータに保管し、その管理データを基準として定期又は不定期の各種ID情報のチェックを行う構成としてもよい。また、上記収集情報のような管理データをリーダ装置に記憶させ、リーダ装置のみで定期又は不定期の各種ID情報のチェックを行う構成としてもよい。
また、製造メーカ等において、各種ID情報の管理データをディスク媒体等の記憶媒体に書き込み、パチンコ機10の出荷時にその記憶媒体を同パチンコ機10と共に遊技ホール等に納品し、新台時や板替え時などにおけるID情報の認証を遊技ホールにおいて上記記憶媒体を用いて行う場合が考えられる。この場合には、その記憶媒体との認証のために収集した収集情報を管理データとしてリーダ装置に記憶させ、当該リーダ装置のみで定期又は不定期の各種ID情報のチェックを行う構成としてもよい。
これらの場合、定期又は不定期の各種ID情報のチェックを、遊技ホールH単独で行うことができるため、かかるチェック作業の効率を高めることができる。
・上記第1,第3,第4の実施の形態では、リーダ装置601,840を用いてパチンコ機10の各種ID情報を読み取らせる際、表示部601b,851に読み取り順序を表示する構成を説明したが、これを以下のように変更する。音声アナウンス機能を有するリーダ装置を適用する場合において、音声により読み取り順序をアナウンスすることも可能である。例えば、各ID情報の読み取り前に、「次は、証紙ラベル55の遊技盤ID情報を読み取って下さい」、「次は、証紙ラベル245の枠ID情報を読み取って下さい」、「次は、識別シール345の主基板ID情報を読み取って下さい」などの音声案内を行わせる。
・情報読み取り装置(読取装置)としてのリーダ装置は、単一の情報形態のみを読み取り可能なものであっても良い。この場合、QRコード読み取り機能を有するリーダ装置と、ICタグ情報読み取り機能を有するリーダ装置とを個別に用意する。
かかる構成を上記第4の実施の形態に適用した場合、QRコードからのID情報の読取とICタグ333からのID情報の読取とが別々のリーダ装置にて行われることとなるため、上記第4の実施の形態にて示したようなリーダ装置における認証処理を行うことができない。そこで、本構成においては、QRコードから読み取ったID情報をQRコード用のリーダ装置の表示部にて表示させるとともに、ICタグ333から読み取ったID情報をICタグ用のリーダ装置の表示部に表示させるようにする。つまり、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346のQRコードから読み取ったID情報はQRコード用のリーダ装置にて表示され、ICタグ333から読み取った当該ICタグ333の書換え可能記憶部803に記憶されたID情報はICタグ用のリーダ装置にて表示される。この場合、作業者は両リーダ装置にて表示されたID情報を見比べることで、それらID情報の認証を作業者自身で行うことができる。
また、上記構成に代えて、QRコード用のリーダ装置にて読み取ったID情報と、ICタグ用のリーダ装置にて読み取ったID情報とをホールコンピュータ830に出力し、当該ホールコンピュータ830にて認証を行う構成としてもよい。
・リーダ装置を用いたID情報の認証(又は照合)の方法は、上記第4の実施の形態におけるものや上記のような2台のリーダ装置を用いるもの以外にも、ICタグ情報読み取り機能を有するリーダ装置のみを用いてID情報の認証(又は照合)を行う方法が考えられる。具体的には、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346の表面には、それらに個別に設定されたID情報であって、ICタグ333の書換え可能記憶部803からID情報をリーダ装置にて読み取った場合にそのリーダ装置にて表示されるID情報を、視認可能な状態で付しておく。また、リーダ装置においては、ICタグ333の書換え可能記憶部803から読み取ったID情報を表示部にて視認可能な状態で表示するようにする。本構成の場合、リーダ装置の表示部にて表示されたID情報と、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346の表面に付されたID情報とを見比べることで、それらID情報の認証を作業者自身で行うことができる。
・上記各実施の形態では、ICタグ333を有する封印シール330を、主制御装置271の基板ボックス外面に貼り付ける構成としたが、この構成を変更する。例えば、同基板ボックスの内面側に貼り付けても良い。また、基板ボックス273を構成する樹脂材にICタグ333を埋設しても良い。さらに、ICタグ333を有するシール部材を基板部材に直接貼り付けても良い。
・封印シール330において、ICチップ333aから延びる長尺状のアンテナ部333bを直線状とする以外に、細かなうねりや凹凸を有する略直線状としたり、弧状としたりすることも可能である。また、封印シール330の形状を、菱形状、円形状(楕円状を含む)、三角状、L字状、十字状などに変更することも可能である。
その他、封印シール330の別形態として、ベースシート331に形成したアンテナ用切り込み335、隅側切り込み336、外縁切り込み337の形状や大きさなどを変更したり、それらの少なくともいずれかを無くしたりした構成としても良い。
・上記各実施の形態では、封印シール330に所定の溶媒が塗布されたり、所定温度以上の熱が加えられたりした場合には、ベースシート331が変色する構成であったが、ベースシート331が変質する構成としてもよい。具体的には、ベースシート331が溶ける構成とする。当該構成によっても、封印シール330に所定の溶媒が塗布され、又は封印シール330に所定温度以上の熱が加えられて、封印シール330が剥がされ、主基板270に対して不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
・上記第2の実施の形態におけるICタグ424に関して次のように変更してもよい。
ICタグ424のアンテナ部425が、ネジ孔411,412の取り外し側開口413,414を跨いでいなくてもよい。つまり、アンテナ部425の端部が取り外し側開口413,414におけるその幅方向の途中位置にある構成としてもよい。また、アンテナ部425の短手方向寸法を、ネジ孔411,412の取り外し側開口413,414の孔径よりも大きくしてもよい。また、両方のネジ407,408の頭部407a,408aに対峙するようにアンテナ部425を配置するのではなく、一方のネジの頭部にのみ対峙するようにアンテナ部425を配置してもよい。
以上のいずれの構成であっても、ボックスカバー403やボックスベース404等のケース体を相互に締結する締結具の頭部とアンテナ部とが対峙しているため、締結具による締結を解除するためには、封印シールにおけるアンテナ部が配置された部分を剥がす必要が生じる。そして、この場合、アンテナ部が分断されリーダ装置によりID情報を読み取ることができなくなる。よって、主基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
なお、アンテナ部を締結具と対峙させた構成の技術的思想は次のものとなる。「分離可能な複数のケース体(ボックスベース404、ボックスカバー403)と、これら複数のケース体により形成される内部空間内に収容される制御基板(主基板402)とを有する制御基板装置(主制御装置401)を備え、前記ケース体間の境界を跨ぐようにしてシール(封印シール421)を貼り付けた遊技機において、前記シールが貼り付けられるケース体を相互に締結する締結具(ネジ407,408)を設けるとともに、当該締結具の少なくとも一部を覆うようにして前記シールを貼り付け、当該シールは、背面側に粘着剤層(粘着剤層423)が設けられ、シールを剥がす力に伴う応力によって一部が破壊される程度の脆性を有する略四角形状のベース部材(ベースシート422)と、ベース部材の背面側に設けられ、識別情報(タグID情報)が格納されたICチップ(ICチップ427)と、同じくベース部材の背面側に設けられ、前記シールを剥がす力に伴う応力によって一部が破壊される程度の脆性を有し、前記ICチップに格納された識別情報を読取体(リーダ装置)に対して送信可能とするアンテナ(アンテナ部425)とを備え、当該アンテナを、その長手方向が前記ベース部材のすべての辺方向と交差し、前記ベース部材とともに前記ケース体間の境界を跨ぐように前記ベース部材の一辺側から他の一辺側に亘って延び、さらに前記締結具における前記シールに覆われる部分と対峙するようにして配置したこと。」
また、ICタグ424のアンテナ部425が、各ネジ407,408の頭部407a,408aと対峙していなくてもよい。かかる構成であっても、アンテナ部が金属製の締結具に対して離間されるため、不正が行われていない場合におけるリーダ装置へのID情報の送信を確実に行うことができる。
なお、アンテナ部を締結具に対して離間させた構成の技術的思想は次のものとなる。「分離可能な複数のケース体(ボックスベース404、ボックスカバー403)と、これら複数のケース体により形成される内部空間内に収容される制御基板(主基板402)とを有する制御基板装置(主制御装置401)を備え、前記ケース体間の境界を跨ぐようにしてシール(封印シール421)を貼り付けた遊技機において、前記シールが貼り付けられるケース体を相互に締結する金属製の締結具(ネジ407,408)を設けるとともに、当該締結具の少なくとも一部を覆うようにして前記シールを貼り付け、当該シールは、背面側に粘着剤層(粘着剤層423)が設けられ、シールを剥がす力に伴う応力によって一部が破壊される程度の脆性を有する略四角形状のベース部材(ベースシート422)と、ベース部材の背面側に設けられ、識別情報(ID情報)が格納されたICチップ(ICチップ427)と、同じくベース部材の背面側に設けられ、前記シールを剥がす力に伴う応力によって一部が破壊される程度の脆性を有し、前記ICチップに格納された識別情報を読取体(リーダ装置)に対して送信可能とするアンテナ(アンテナ部425)とを備え、当該アンテナを、その長手方向が前記ベース部材のすべての辺方向と交差し、且つ前記ベース部材と共に前記ケース体間の境界を跨ぐように前記ベース部材の一辺側から他の一辺側に亘って延びるようにして配置し、さらに前記締結具に対して離間させて配置したこと。」
また、ICタグ424のアンテナ部425が、各ネジ407,408の頭部407a,408aと対峙していない構成であっても、第1ネジ407をパチンコ機10後方を向く第1貼付面405a側から螺着するようにしたのに対して、第2ネジ408をパチンコ機10前方を向く第2貼付面406a側から螺着するようにした。そして、これら各ネジ407,408の頭部407a,408aを覆うようにして封印シール421を貼り付けるとともに、アンテナ部425をその両端部426a,426bがそれぞれ第1貼付面405a及び第2貼付面406aに位置するようにして配置するのが好ましい。これにより、不正に各ネジ407,408の締結を解除する作業を煩雑なものとすることができ、さらにはかかる不正な解除作業に際してベースシート422の破壊、及びアンテナ部425の分断が生じる機会を多く設けることができる。第1ネジ407の頭部407a又は第2ネジ408の頭部408aのいずれか一方を露出させることができたとしても、他方を露出させる必要があるからである。
なお、締結具の取り付け方向に関する構成の技術的思想は次のものとなる。「分離可能な複数のケース体(ボックスカバー403、ボックスベース404)、及びこれらケース体により形成される内部空間内に収容される制御基板(主基板402)を有する制御基板装置(主制御装置401)と、前記各ケース体の外周部に設けられ、相互に対向する板面を有する貼付板部(貼付板部405,406)と、前記板面に対して略直交する方向に延び、前記両貼付板部における両者の境界を跨ぐようにして形成された連通孔(ネジ孔411,412)に挿通された状態で前記両貼付板部を締結する締結具(ネジ407,408)と、前記各貼付板部の境界を跨ぐようにして、それら貼付板部に貼り付けられるシール(封印シール421)とを備えた遊技機において、前記締結具として、前記各貼付板部の境界に対して一方の貼付板部側への方向を取り外し方向とする第1締結具(第1ネジ407)と、その反対方向を取り外し方向とする第2締結具(第2ネジ408)とを設けるとともに、前記シールを、前記第1締結具及び前記第2締結具の両方の取り外し方向側の端部(頭部407a,408aの頂上)を覆うようにして貼り付け、さらに前記シールは、背面側に粘着剤層(粘着剤層423)が設けられ、シールを剥がす力に伴う応力によって一部が破壊される程度の脆性を有する略四角形状のベース部材(ベースシート422)と、ベース部材の背面側に設けられ、識別情報(ID情報)が格納されたICチップ(ICチップ427)と、同じくベース部材の背面側に設けられ、前記シールを剥がす力に伴う応力によって一部が破壊される程度の脆性を有し、前記ICチップに格納された識別情報を読取体(スキャナー)に対して送信可能とするアンテナ(アンテナ部425)とを備え、当該アンテナを、その長手方向が前記ベース部材のすべての辺方向と交差し、且つ前記ベース部材とともに前記両貼付板部における対応する締結具の前記取り外し方向側の面(第1貼付面405a、第2貼付面406a)に位置するように前記ベース部材の一辺側から他の一辺側に亘って延びるようにして配置したこと。」
・上記(1)〜(4)の各種ID情報をシール345,346やラベル55,245に付したQRコードに登録したが、シール345,346やラベル55,245の全てにICタグを設け、そのICタグに上記(1)〜(4)の各種ID情報を登録するようにしてもよい。当該構成において、リーダ装置601,840から所定周波数の電波を出力し各種ID情報の読み取りを一括して行う場合には、各種ID情報の読み取りを正確に行うべくパチンコ機10を島設備に取り付ける前に各種ID情報の読み取りを行うのが好ましい。
また、本構成を上記第4の実施の形態において適用する場合、いずれか1つのICタグの書換え可能記憶部に他のICタグのID情報を全て記憶させる構成としてもよく、各ICタグの書換え可能記憶部に他のICタグのID情報を全て記憶させる構成としてもよい。当該構成であっても、リーダ装置840におけるID情報の認証を行うことができる。但し、ICタグはQRコードが記された証紙ラベルや識別シールに比べコストが高いため、コスト面では上記第4の実施の形態における構成が好ましい。そして、上記第4の実施の形態ではコスト面を良好なものとしつつ、ID情報の認証について同様の効果を得ることができる。
また、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346のうちの1つ又は一部に、ICタグを設け、そのICタグにID情報を登録するようにしてもよい。本構成を上記第4の実施の形態において適用する場合、いずれか1つのICタグの書換え可能記憶部に他のICタグのID情報及びQRコードのID情報を全て記憶させる構成としてもよく、各ICタグの書換え可能記憶部に他のICタグのID情報及びQRコードのID情報を全て記憶させる構成としてもよい。
・上記第3,第4の実施の形態では、上記(1)〜(5)の各種ID情報の全てに第1識別部を設定したが、そのうちのいずれか一つに、又はそのうちの一部にのみ第1識別部を設定してもよい。また、QRコードやICタグに識別番号として製造メーカの情報を記憶させるのではなく、製造メーカ名として記憶させてもよい。この場合、各ID情報をリーダ装置601,840で読み込むと、製造メーカ名(例えば、(株)××物産)がそのまま読み込まれる。なお、上記(1)〜(5)の各ID情報において、一部を第1識別部のように識別番号で製造メーカを特定し、その他を製造メーカ名そのままの情報で製造メーカを特定するようにしてもよい。
・上記第4の実施の形態では、一のパチンコ機10における上記(1)〜(5)の各種ID情報の第3識別部に全て同一の番号を付す構成を示したが、これに限定されることはなく、一のパチンコ機10において各種ID情報の第3識別部に全て異なる番号が付された構成としてもよい。特に、上記(5)のタグID情報について第3識別部の番号を異ならせることで、パチンコ機10の製造工程において、証紙ラベル55,245、識別シール345,346及びICタグ333の取り付けを良好に行うことができる。つまり、一のパチンコ機10における各種ID情報の第3識別部の番号を間違いなく全て同一のものとする構成においては、ICタグ333の製造時において証紙ラベル55,245、識別シール345,346及びICタグ333の組合せを決めておく必要が生じ、さらにはその組合せを確実に一のパチンコ機10に取り付ける必要が生じるからである。
・上記第3の実施の形態では、リーダ装置601のRAM601eに記憶されたID情報は、管理コンピュータ602に出力されることで消去される構成としたが、これを変更してもよい。例えば、リーダ装置601の操作部601aに全消去ボタンを設け、当該ボタンが操作されない限りRAM601eに記憶されたID情報が消去されないようにしてもよい。また、リーダ装置601の電源がOFF状態となったとしても、RAM601eに記憶されたID情報が消去されないようにしてもよい。この場合、リーダ装置601にデータ記憶保持用電源手段(例えば、データ記憶保持用コンデンサ)を設けることで、RAM601eに記憶されたID情報を保持させることができる。また、リーダ装置601にEEPROMを設け、そこに読み込んだID情報を記憶させるようにしてもよい。なお、本構成を、上記第4の実施の形態におけるリーダ・ライタ装置810やリーダ装置840に適用してもよい。
・上記第3,第4の実施の形態において、上記(1)〜(5)の各種ID情報が読み取られる場合に、読み取り順序に間違いが生じた場合には、リーダ装置601,840にてそれを認識し、読み取り順序の指定を修正するようにしてもよい。例えば、リーダ装置601,840に、各種ID情報に設定された第2識別部の情報を判定する情報判定機能と、当該判定機能の判定結果に基づいて読み取り順序の正否を判定する正否判定機能と、当該正否判定機能の判定結果に基づいて読み取り順序の指定を修正する修正機能とを設ける。
・上記第3の実施の形態において、管理コンピュータ602にて上記(1)〜(5)の各種ID情報に設定された第2識別部の情報を判定し、管理コンピュータ602において認証用情報を作成する際に、パチンコ機10毎の各種ID情報を上記(1)〜(5)の順序で並べて分類するようにしてもよい。この場合、リーダ装置601による読み取り順序が間違っていたとしても、製造メーカMのデータサーバ701に認証用情報が送信される際にはそれが修正されることとなるため、データサーバ701における認証用情報の認証処理にとって好都合なものとなる。
また、上記のように管理コンピュータ602にて第2識別部の情報を判定するようにすることで、第2識別部が設定されていないID情報や、あるはずのない番号が第2識別部に付されているID情報を認識した場合には、不正品への差し替えが行われたことを遊技ホールHにて把握することができる。この場合、管理コンピュータ602にてエラー表示などを行うようにすることで、不正品の差し替えに対して迅速に対応することが可能となる。
・上記第3の実施の形態において、管理コンピュータ602からデータサーバ701に認証用情報を送信する場合、認証用情報にその送信の日時の情報を反映させて送信するようにしてもよい。これにより、製造メーカMにとっては、遊技ホールHにて中古品への交換が行われた日時を把握することができ、パチンコ機10の管理において好都合なものとなる。
・上記第3の実施の形態では、管理データにおける基板替えデータにおいても遊技ホールHの情報を登録するようにしたが、基板替えデータにおいては遊技ホールHの情報を登録しないようにしてもよい。この場合であっても、基板替えデータには、出荷した主制御装置271に付された上記(3)〜(5)の各種ID情報が登録されるため、それら各種ID情報の認証を行うことで遊技ホールHに納品された主制御装置271が正規品か不正品かの判定を行うことができる。
・上記第3の実施の形態において、製造メーカMのデータサーバ701にて上記(1)〜(5)の各種ID情報の認証を行った結果、リーダ装置601によるID情報の読み取り順序が間違っていると判定された場合には、不一致エラーとしないようにしてもよい。つまり、ID情報の読み取り順序間違いのみがあった場合には、その認証を異常として扱うのではなく正常として扱う。
・一の遊技ホールHにおいてリーダ装置601を複数台設けてもよい。この場合、遊技ホールHにおいて各パチンコ機10における上記(1)〜(5)の各ID情報の読み取りを素早く行うことが可能となる。但し、本構成においては、リーダ装置601の読み取りが同時に複数箇所で行われるため、管理コンピュータ602において各リーダ装置601から読み取ったID情報が収集された状況では、複数の製造メーカMにおけるID情報が不規則に並ぶおそれがある。この場合、上記第3の実施の形態によれば、各ID情報には第1識別部が設定されており、製造メーカMの分類を容易に行うことができる。
・上記第3の実施の形態では、遊技ホールHの管理コンピュータ602において認証のモードを選択するようにしたが、このモードの選択をリーダ装置601において行う構成としてもよい。この場合、リーダ装置601において、読み込んだID情報に対してモード識別用の識別部を付加することで、管理コンピュータ602やデータサーバ701においてモードの判定を容易に行うことができる。
・上記第3の実施の形態では、分類処理にて製造メーカ毎に各ID情報を分類したが、この分類をパチンコ機10の機種毎に行ってもよく、また同一機種における型式毎に行ってもよい。この場合、各ID情報に第1識別部のような機種用又は型式用の識別部を設定しておくことで、機種毎の分類や型式毎の分類を容易に行うことができる。
・上記第3の実施の形態では、遊技ホールHから製造メーカMに送信される認証用情報、及び製造メーカMから遊技ホールHに送信される認証結果情報にリスト番号を付したが、当該リスト番号を設けずに台番号をリスト番号として使用してもよい。また、上記(1)〜(5)の各ID情報における所定のID情報(例えば、上記(5)のタグID情報)をリスト番号として使用してもよい。これらの場合、認証用情報及び認証結果情報に含まれる情報量の削減を図ることが可能となる。
・上記第3の実施の形態では、板替えモード用認証処理や基板替えモード用認証処理において交換に関わる板替えユニットや主制御装置271に付された各ID情報だけでなく交換に関わらない本体枠12や遊技盤30に付された各ID情報の認証を行う構成としたが、交換に関わる各ID情報だけの認証を行う構成としてもよい。例えば、板替えモード用認証処理においては、上記(1),(3)〜(5)の各ID情報の認証を行い、上記(2)のID情報の認証を行わない。また、基板替えモード用認証処理においては、上記(3)〜(5)の各ID情報の認証を行い、上記(1),(2)の各ID情報の認証を行わない。これらの場合であっても、出荷した板替えユニットや主制御装置271の認証を行うことができ、搬送途中において不正品に差し替えられていないか否かの認証を行うことができる。
・上記第3の実施の形態では、板替えモード用認証処理や基板替えモード用認証処理において、交換に関わるパチンコ機10の基準データを板替えデータや基板替えデータを用いて更新するようにしたが、更新するのではなく、基準データに変更履歴を残すようにしてもよい。そして、その変更履歴には、参照すべき板替えデータや基板替えデータの情報を登録しておく。かかる構成であっても、チェックモード用認証処理などにおいて交換履歴が反映された状態で上記(1)〜(5)の各ID情報の認証を行うことができる。
・上記第3の実施の形態における認証結果情報にて、遊技ホールHにおける認証モードの選択ミスの可能性を示唆するようにしてもよい。上記のとおり、認証モードの選択は、遊技ホールHの管理コンピュータ602においてモード選択用ボタンを操作することにより行われるため、認証モードの選択ミスが発生するおそがある。そして、認証モードの選択ミスが発生すると、製造メーカMにおいて認証用情報の認証を正確に行うことができない。例えば、板替えモードを選択しなければならないのに基板替えモードを選択した場合には、データサーバ701において基板替えモード用認証処理が行われ、管理データ読み出しに際して基板替えデータを読み出そうとする。しかしながら、実際には板替えモード用認証処理を行わなければならないので、管理データに対応する基板替えデータは存在しない。よって、データサーバ701においては認証モードの選択ミスが発生したと認識することができ、その旨を認証結果情報に登録する。このように認証結果情報にて認証モードの選択ミスの可能性を示唆することで、遊技ホールHに対して再度の認証処理を促すことができ、パチンコ機10の管理を好適に行うことが可能となる。
なお、上記認証結果情報に細かな不一致箇所や細かな原因を登録しずに、「○」か「×」かの認証結果のみを登録するようにしてもよい。この場合であっても、遊技ホールHにおいては認証結果を把握することができる。
・上記第3の実施の形態では、データサーバ701におけるID情報認証処理において比較を行うパチンコ機10の特定を台番号により行う構成としたが、これを変更してもよい。例えば、上記(1)〜(5)の所定のID情報を用いてパチンコ機10の特定を行う構成としてもよい。
・上記第3の実施の形態において、データサーバ701における各ID情報認証処理において上記(1)〜(5)の全てのID情報が不一致なく認証された場合には、そのパチンコ機10、前記板替えユニット、及び主制御装置271に対して認証完了シールの貼付などといった認証完了履歴を残す構成としてもよい。これにより、認証が完了しているか否かを容易に把握することができる。この場合に、パチンコ機10等を中古品として流通させるには、認証完了履歴が残されていることを条件とすることで、不正品の流通を抑制することが可能となる。
・上記第3の実施の形態において、遊技ホールHにてパチンコ機10や主制御装置271を廃棄する際には、遊技ホールHはその廃棄するものに付された上記(1)〜(5)の各種ID情報を認証用情報として製造メーカMに送信し、製造メーカMでは認証用情報にある各種ID情報を基準データから削除するようにしてもよい。また、その削除する各種ID情報を上述した異常用データに登録し保管するようにしてもよい。廃棄品が不正品として使われた場合には、それを容易に特定することができる。
・遊技ホールHにおいてはパチンコ機10の設置場所を変更することが想定される。この場合、その変更情報を製造メーカMに送信するようにすることで、その後のパチンコ機10の管理を好適に行うことができる。
・上記第4の実施の形態において、ICタグ333の記憶部801に書換え不可記憶部802と書換え可能記憶部803とをそれぞれ設ける構成に代えて、書換え不可記憶部802のみを設ける構成としてもよい。そして、その書換え不可記憶部802に自己のID情報を記憶させるとともに、QRコードのID情報を記憶させる。当該構成であっても、リーダ装置840によるID情報の簡易的な認証を行うことができるが、パチンコ機10の製造工程においてQRコードのID情報の書き込みを行うことができない。したがって、1台のパチンコ機10に取り付ける証紙ラベル55,245、識別シール345,346及びICタグ333の組合せを、それらをパチンコ機10に取り付ける前、すなわち、ICタグ333の製造時において定めておく必要が生じてしまう。そうすると、パチンコ機10の製造時においては、各証紙ラベル55,245、識別シール345,346及びICタグ333の取り付けをその組合せが異なるものとならないように入念的に行う必要が生じ、その作業が手間となる。また、組合せが異なるものとなってしまった場合には、ICタグ333に記憶された自己以外のID情報と、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346に記されたQRコードのID情報と不一致となり、リーダ装置840におけるID情報の簡易的な認証を行えなくなってしまう。以上の点から、上記第4の実施の形態のように、ICタグ333の記憶部801に書換え不可記憶部802と書換え可能記憶部803とをそれぞれ設ける構成とすることが好ましい。
また、書換え可能記憶部803のみを設ける構成としてもよい。そして、その書換え可能記憶部803に自己のID情報を記憶させるとともに、QRコードのID情報を記憶させる。当該構成であっても、リーダ装置840によるID情報の簡易的な認証を行うことができる。また、ID情報の書き込みを行うこともできるため、パチンコ機10の製造時における作業を良好に行うことができる。但し、本構成においては、ICタグ333の固有のID情報が誤って書き換えられてしまうおそれがあり、この場合、ICタグ333を用いたパチンコ機10の管理を正確に行えなくなってしまう。以上の点から、上記第4の実施の形態のように、ICタグ333の記憶部801に書換え不可記憶部802と書換え可能記憶部803とをそれぞれ設ける構成とすることが好ましい。
・上記第4の実施の形態において、封印シール330にICタグ333を設けずに、代わりに、封印シール330にID情報が二次元コード化されたQRコードを記す構成としてもよい。この場合、当該封印シール330のQRコードにおいて自己のID情報の他に、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346のQRコードにおいて二次元コード化されたID情報を含めておくことで、上記第4の実施の形態と同様に、リーダ装置840におけるID情報の簡易的な認証を行うことができる。但し、本構成では、他のID情報の書き込みを簡易的に行うことができないのに対して、上記第4の実施の形態ではリーダ・ライタ装置810を用いることで他のID情報の書き込みを簡易的に行うことができる。したがって、この点について、上記第4の実施の形態における構成の方が好ましい。
・上記各実施の形態において、QRコードを記した札片を取り付ける対象は、遊技盤30、本体枠12及び主制御装置271に限定されることはなく、そのうちの一部又は他の遊技機構成部品に取り付けてもよい。例えば、払出制御装置311や払出装置358等は遊技球の払い出しに関わる装置であるため、不正品に差し替えられえるおそれがある。また、一般入賞口31(入賞口スイッチ222)、可変入賞装置32、及び作動口33(作動口スイッチ33)は入賞に関わる装置であるため、不正品に差し替えられるおそれがある。これに対して、これら装置にQRコードを記した札片を取り付けることで、不正品の差し替えを容易に発見することができる。
また、当該構成を上記第4の実施の形態に適用する場合、ICタグ333の書換え可能記憶部803に全てのQRコードのID情報を記憶させておくことで、上記第4の実施の形態と同様に、リーダ装置840におけるID情報の簡易的な認証を行うことができる。
・払出制御装置311への不正対策として、上記実施の形態における封印シール330を、払出制御装置311を構成する基板ボックス315に貼り付け当該基板ボックス315を封印する構成としてもよい。また、払出制御装置311の基板ボックス315と当該払出制御装置311が搭載される取付台301とを跨ぐようにして封印シール330を貼り付ける構成としてもよい。払出制御装置311では遊技球の払い出しに関わる制御が行われるため、払出制御装置311に対して不正が行われると遊技ホールなどに多大な被害を与えるおそれがある。これに対して、上記構成のように、払出制御装置311に対して封印シール330を貼り付ける構成とすることで、払出制御装置311に対する不正行為を容易に発見することができ、遊技ホールなどに被害が発生することを抑制することができる。なお、主制御装置271や払出制御装置311以外に、遊技球の払い出し(特典の付与)に関わる制御を行う制御装置が設けられる構成においては、当該制御装置の基板ボックスに上記実施の形態における封印シール330を貼り付ける構成とするのが好ましい。
また、当該構成を上記第4の実施の形態に適用する場合、ICタグが複数存在することとなる。この場合、いずれか1つのICタグの書換え可能記憶部に、QRコードのID情報を記憶させるとともに、他方のICタグのID情報を記憶させる構成としてもよい。本構成によれば、ICタグを複数備えた構成であっても、リーダ装置におけるID情報の簡易的な認証を行うことができる。また、各ICタグの書換え可能記憶部のそれぞれに、QRコードのID情報を記憶させるとともに、他方のICタグのID情報を記憶させる構成としてもよい。この場合、リーダ装置にてQRコードのID情報の認証を行うことができるだけでなく、両ICタグのID情報の認証を行うことができる。
・上記第4の実施の形態では、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346のID情報を全てICタグ333に記憶させる構成としたが、これに代えて、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346のうちの1つのみ又は一部のID情報をICタグ333に記憶させる構成としてもよい。当該構成であっても、ICタグ333及び当該ICタグ333にID情報が記憶された識別体については、リーダ装置840による簡易的なID情報の認証を行うことができる。また、本構成においては、上記第4の実施の形態よりもICタグ333に記憶させておくデータ量の削減が図られる。
・上記第4の実施の形態におけるリーダ装置840によるID情報の簡易的な認証を、製造メーカからの出荷時に行う構成としてもよい。この場合、製造メーカからの出荷段階において、パチンコ機10に対して不正などが行われていないか否かを確認することができる。さらには、その確認を簡易的に行うことができる。
・上記第4の実施の形態におけるリーダ装置840によるID情報の簡易的な認証を、遊技ホールへ納品した際に行う構成としてもよい。この場合、遊技ホールへの納品段階において、パチンコ機10に対して不正などが行われていないか否かを確認することができる。さらには、その確認を簡易的に行うことができる。特に、パチンコ機10に対する不正は製造メーカから遊技ホールへの輸送時において行われることがあるため、この点、遊技ホールへの納品時段階でID情報の認証を行うことが好ましい。また、上記第4の実施の形態では、ホールコンピュータ830における管理データは、製造メーカにて作成された製造時データを入力することにより作成されたが、本構成においては、納品段階でリーダ装置840によるID情報の認証を行うとともに、そのリーダ装置840にて読み取ったID情報により管理データを作成する構成としてもよい。
・上記第4の実施の形態におけるリーダ装置840によるID情報の簡易的な認証を、島設備に設置した際に行う構成としてもよい。この場合、島設備への設置段階において、パチンコ機10に対して不正などが行われていないか否かを確認することができる。さらには、その確認を簡易的に行うことができる。また、上記第4の実施の形態では、ホールコンピュータ830における管理データは、製造メーカにて作成された製造時データを入力することにより作成されたが、本構成においては、設置段階でリーダ装置840によるID情報の認証を行うとともに、そのリーダ装置840にて読み取ったID情報により管理データを作成する構成としてもよい。
・上記第4の実施の形態では、証紙ラベル55,245、識別シール345,346及びICタグ333の取り付けを、パチンコ機10の製造工程において、パチンコ機10の組み立て工程(PS3)前に行う構成としたが、それらを当該組み立て工程後にまとめて取り付ける構成としてもよい。
・上記第4の実施の形態では、パチンコ機10の製造工程においてリーダ・ライタ装置810を用い、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346から読み取ったID情報をICタグ333の書換え可能記憶部803にようにしたが、これを変更してもよい。例えば、上記のようなID情報の読取工程を行うことなく、ID情報の書き込みを行うようにしてもよい。具体的には、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346の表面にそれらのID情報を付し、さらにID情報の入力操作部付きのライタ装置を用いるようにする。そして、証紙ラベル55,245及び識別シール345,346の表面に付されたID情報を、入力操作部を用いてライタ装置に入力し、その入力したID情報をICタグ333の書換え可能記憶部803に書き込むようにする。
また、このようなライタ装置を用いる場合、例えば、製造メーカにおける製造管理コンピュータにて証紙ラベル55,245及び識別シール345,346のID情報を表示するようにし、その表示されたID情報を、入力操作部を用いてライタ装置に入力し、その入力したID情報をICタグ333の書換え可能記憶部803に書き込むようにしてもよい。
また、入力操作部付きのライタ装置に代えて、データ受入部付きのライタ装置を用いる構成としてもよい。この場合、データ受入部を介して上記製造管理コンピュータから証紙ラベル55,245及び識別シール345,346のID情報を受け入れるようにし、その受け入れたID情報をICタグ333の書換え可能記憶部803に書き込むようにする。
上記いずれの構成であっても、ICタグ333の書換え可能記憶部803に他のID情報が記憶されることとなるため、リーダ装置840における簡易的なID情報の認証を行うことができる。但し、上記各構成の場合、パチンコ機10の製造時においてID情報の手入力などを行う必要が生じるため、この点、かかる手入力を要しない上記第4の実施の形態における構成が好ましい。
・上記各実施の形態では、チップID情報(上記(6)のID情報)が格納されたマイコンチップ275を設けたが、当該チップID情報が格納されていないマイコンチップを設けてもよい。この場合、主基板272においてチップID情報読み取り用の端子(例えば、コネクタ)が不要となる。
・上記各実施の形態において、ICタグ333から発信されるID情報を専用のリーダ装置以外で読み取ることができないように、当該ID情報に暗号化技術を適用するようにしてもよい。この場合、ICタグ333からID情報を不正に読み取り、ICタグを偽造しようとする行為を阻止することが可能となる。
・上記各実施の形態における各構成を、相互に組合せて適用してもよい。例えば、上記第4の実施の形態の構成に上記第3の実施の形態における構成を適用する場合、上記第4の実施の形態におけるホールコンピュータ830に上記第3の実施の形態における管理コンピュータ602の機能を付加する。つまり、ホールコンピュータ830が製造メーカのデータサーバ701との間で情報の送受を行えるようにする。本構成によれば、上記第4の実施の形態における効果と上記第3の実施の形態における効果とを同時に得ることができる。
・上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも適用できる。この場合に、上記第4の実施の形態を適用する場合、スロットマシンの主制御装置にICタグを取り付けるとともに、例えば前面扉といった主制御装置以外の部位にQRコードが記された札片を取り付ける。そして、ICタグの記憶部に自己のID情報だけでなく、QRコードにて二次元コード化されたID情報を記憶させておく。これにより、遊技ホールなどにおいてリーダ装置によるID情報の簡易的な認証を行うことができる。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機(球使用回胴遊技機)にも適用できる。
10…パチンコ機、12…本体枠、30…遊技盤、55…第2識別体としての証紙ラベル、245…第2識別体としての証紙ラベル、271…主制御装置、333…第1識別体としてのICタグ、333a…ICチップ、333b…アンテナ部、345,346…第2識別体としての識別シール、802…自己情報記憶手段としての書換え不可記憶部、803…他情報記憶手段としての書換え可能記憶部、810…リーダ・ライタ装置、830…ホールコンピュータ、831…管理側照合手段を構成するCPU、834…モニタ部、840…リーダ装置、841…照合手段を構成するCPU、851…表示部、853…QRコード用読取部、855…ICタグ用読取部、856…出力部。

Claims (1)

  1. 制御装置などの管理対象に取り付けられ、読取装置により読み取られる識別情報を有する識別体を備えた遊技機において、
    前記識別体として、第1識別体と第2識別体とを備え、
    少なくとも前記第1識別体は、自己の識別情報を有するとともに、前記第2識別体の識別情報を前記自己の識別情報とは別に有することを特徴とする遊技機。
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