JP2012178782A - 受信利得調整方法、受信利得調整装置、及び受信装置 - Google Patents

受信利得調整方法、受信利得調整装置、及び受信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】利得調整を高速に行いながらも、復調可能な振幅情報を保持できる振幅変調信号の受信利得調整方法、受信利得調整装置、及び受信装置等を提供する。
【解決手段】振幅変調信号の受信利得を調整する受信利得調整方法は、第1の有信号状態において、第1の時定数に応じた速度で振幅変調信号の受信利得を調整する第1の有信号状態調整ステップと、第1の有信号状態において、調整後の受信利得で増幅された増幅信号に対応した信号が所与の閾値以上になったとき、調整用時定数に応じた速度で振幅変調信号の受信利得を調整する第2の有信号状態調整ステップとを含む。
【選択図】図7

Description

本発明は、受信利得調整方法、受信利得調整装置、及びこれを含んで構成される受信装置等に関し、特に振幅変調信号の受信利得を調整する受信利得調整方法、受信利得調整装置、及びこれを含んで構成される受信装置等に関する。
従来より、電子キーが送信する鍵データを認証することで、自動車等の車両のドアのロックや解除、エンジンの始動や停止等を許可する制御を行う電子キーシステムが実用化されている。この種の電子キーは、送信回路及び受信回路を備え、高い周波数選択性を有する受信回路により、外乱ノイズがある環境下においても車両からの信号を正しく受信し、送信回路により車両に対して応答信号を送信する。
一般的に、車両からの送信信号(電子キーの受信信号)は、振幅遷移変調(Amplitude Shift Keying:以下、ASK)信号(広義には、振幅変調信号)であり、信号の振幅成分に送信データを重畳させた信号である。電子キーは、この振幅成分を残して復調側に送るために、増幅器の出力を飽和させることなく受信信号を増幅させる必要があり、受信信号の利得調整が重要になっている。
図17に、電子キーが備える一般的な受信回路の構成例のブロック図を示す。
図18に、図17の受信回路の動作説明図を示す。図18において、受信信号の包絡線を模式的に矩形波で表している。
電子キーが備える受信回路10は、増幅器12と、増幅器12により増幅された信号に基づいて増幅器12の利得を調整する利得調整回路14と、利得調整回路14の制御により該受信信号を減衰させる減衰回路16とを備えている。この受信回路10では、増幅器12が増幅した増幅信号の振幅に基づいて、利得調整回路14が、減衰回路16の減衰度を制御する制御信号Contを生成する。図18では、制御信号Contの電位が上がるほど、受信回路10の利得が小さくなるようになっている。利得調整回路14からの制御信号Contを受けた減衰回路16は、制御信号Contに基づいて、受信信号の減衰度を調整する。制御信号Contに応じた減衰度で減衰回路16により減衰させた受信信号は、増幅器12に入力される。こうして、受信回路10において受信される受信信号の利得が調整され、増幅信号の振幅が、所望の振幅となるように制御される。
このような受信回路10では、受信信号としてバースト信号B1が受信される期間において、受信信号の利得が決定される。その後、復調対象となる通信データC1が送られてくる。通信データC1は、エッジ間の長さに対応してデータ“0”又はデータ“1”を表している。通信データC1の受信期間では、バースト信号B1を用いて決定した利得に固定(ロック)して受信信号を増幅することで、車両からの送信信号の強度にかかわらず、ほぼ同じ振幅の増幅信号を復調器側に渡すことができる。以上のように、受信回路10は、通信の冒頭のバースト信号の受信中に受信信号の利得を決定することで、受信信号の利得を調整している。
このような電子キーシステムを構成する電子キーにおける受信信号の利得調整については、例えば特許文献1〜特許文献5に開示されている。
特許文献1には、増幅された中間周波数信号を受けた受信信号強度指示器から出力されるレベルが最大となるように調整電圧を生成し、該調整電圧を整合回路部に供給するようにしたリモートキーレスエントリーシステムが開示されている。特許文献2には、電子キーの照合結果に基づいて受信感度を低下させ、エンジンが停止された際に該受信感度を元に戻すようにした車両用電子キー装置が開示されている。特許文献3には、携帯機側の受信感度切替スイッチの操作に基づいて、受信回路の受信感度を切り替えるようにした車両用電子キーシステムが開示されている。特許文献4には、高感度回路と耐妨害回路とを切り替える受信部を備えるキーレスエントリー装置が開示されている。特許文献5には、背景ノイズが検出されたときに受信感度を下げるようにしたパッシブエントリーシステムが開示されている。
特開2003−18664号公報 特開2005−207083号公報 特開2006−306161号公報 特開2007−39989号公報 特開2010−216142号公報
この種の電子キーシステムでは、低消費電力化を図るため、できるだけ短い期間に、図18のバースト信号を含む信号を送信することが求められる。そのため、電子キーでは、バースト信号を含む受信信号の利得調整をできるだけ速く収束させることが求められる。
その一方、送信側は、バースト信号の後にスペースと呼ばれる無信号状態に設定した後に通信データを送る場合がある。この場合、受信信号の利得調整をできるだけ速く収束させようとすると、バースト信号に基づいて受信信号の利得調整を行っても、無信号状態を検知した後に直ぐに調整前の利得に戻してしまう。
この点、特許文献1〜特許文献5に開示された技術では、受信中は有信号状態及び無信号状態にかかわらず受信信号の利得調整を行う。従って、特許文献1〜特許文献5に開示された技術では、有信号状態では利得を下げ、無信号状態では利得を上げる調整を行う。そのため、特許文献1〜特許文献5に開示された技術では、バースト信号に基づいて受信信号の利得調整を行っても、無信号状態を検知した後に直ぐに利得を元に戻してしまうという問題が残る。その結果、振幅成分に重畳された情報を抽出しにくくなり、復調側で復調できない場合が生ずる。
また、車両と電子キーとの間で、できるだけ短い期間で通信するため、特にバースト信号を短縮化する必要がある。ところが、バースト信号の期間が短くなるほど、受信利得を高精度に調整することが困難になる。従って、この場合にも、振幅成分に重畳された情報を抽出しにくくなり、復調側で復調できない場合が生ずる。
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の幾つかの態様によれば、利得調整を高速に行いながらも、復調可能な振幅情報を保持できる振幅変調信号の受信利得調整方法、受信利得調整装置、及びこれを含んで構成される受信装置等を提供することができる。
(1)本発明の第1の態様は、振幅変調信号の受信利得を調整する受信利得調整方法が、第1の有信号状態において、第1の時定数に応じた速度で前記振幅変調信号の受信利得を調整する第1の有信号状態調整ステップと、前記第1の有信号状態において、調整後の受信利得で増幅された増幅信号に対応した信号が所与の閾値以上になったとき、調整用時定数に応じた速度で前記振幅変調信号の受信利得を調整する第2の有信号状態調整ステップとを含む。
ここで、振幅変調信号は、振幅成分に、送信データを重畳させた信号である。このような振幅変調信号として、例えばASK信号がある。
本態様においては、第1の有信号状態になった当初、第1の時定数で受信利得を調整した後、調整中の利得で振幅変調信号を増幅した増幅信号が閾値以上になったときに、時定数を切り替えて、調整用時定数に応じた速度で受信利得調整を行うようにしている。これにより、受信利得の調整段階に応じた時定数に対応した速度で受信利得を調整することができるので、より短期間に、高精度で受信利得を調整することができるようになる。特に、振幅成分にデータが重畳される振幅変調信号の場合、復調可能な振幅情報を保持したまま、利得調整を高速に行うことができるようになる。
(2)本発明の第2の態様に係る受信利得調整方法では、第1の態様において、前記調整用時定数は、前記第1の時定数より大きい。
本態様によれば、第1の有信号状態における利得調整の前半は、より小さな時定数で高速に受信利得を調整してから、後半は、より大きな時定数で高精度に受信利得を調整することができる。これにより、第1の有信号状態が短い場合であっても、高精度に受信利得を調整でき、振幅成分に重畳された情報が抽出されにくい状況を回避することができるようになる。
(3)本発明の第3の態様に係る受信利得調整方法では、第1の態様又は第2の態様において、前記第1の有信号状態に続く無信号状態において、第2の時定数に応じた速度で前記受信利得を調整する無信号状態調整ステップを含む。
本態様においては、第1の有信号状態の後半において調整用時定数に応じた速度で振幅変調信号の受信利得を調整し、第1の有信号状態に続く無信号状態において第2の時定数に応じた速度で該受信利得を調整するようにしている。このように時定数を切り替えることで、第1の有信号状態で調整した利得を無信号状態に続く有信号状態で有効に活用し、第1の有信号状態が短い場合であっても、復調可能な振幅情報を保持できる振幅変調信号の受信利得方法を提供することができるようになる。
(4)本発明の第4の態様に係る受信利得調整方法では、第3の態様において、前記調整用時定数は、前記第2の時定数より小さく、且つ、前記第1の時定数より大きい。
本態様によれば、第1の有信号状態で調整した利得が、無信号状態後の有信号状態の受信利得調整開始時に元に戻ってしまう事態を回避することができる。従って、第1の有信号状態が短い場合であっても、復調可能な振幅情報を保持できる振幅変調信号の受信利得方法を提供することができるようになる。
(5)本発明の第5の態様に係る受信利得調整方法では、第3の態様又は第4の態様において、前記無信号状態の後の第2の有信号状態において、前記調整用時定数に応じた速度で前記受信利得を調整する第3の有信号状態調整ステップを含む。
本態様によれば、無信号状態後の第2の有信号状態では、再び、第1の時定数に応じた速度で、振幅変調信号の受信利得を調整するようにしたので、一度緩やかに受信利得が調整された後、素早く受信利得の調整を再開させることが可能となる。
(6)本発明の第6の態様に係る受信利得調整方法では、第3の態様乃至第5の態様のいずれかにおいて、前記無信号状態の後に、調整後の前記受信利得で前記振幅変調信号を増幅した信号に基づいて所与の開始パターン信号を検出する開始パターン信号検出ステップと、前記開始パターン信号検出ステップにおいて前記開始パターン信号が検出された後、第3の時定数に応じた速度で前記受信利得を調整する第4の有信号状態調整ステップを含む。
本態様においては、無信号状態の後に、受信利得調整後の振幅変調信号の増幅信号に基づいて所与の開始パターン信号を検出したとき、第3の時定数に応じた速度で受信利得を調整するようにしている。これにより、開始パターン信号後の振幅変調信号については、調整用時定数とは異なる時定数で、受信利得を調整することができる。そのため、例えば、より緩やかに受信利得を調整することで、一度、調整した利得を再び調整し直すことで受信が不安定になる事態を回避することができるようになる。
(7)本発明の第7の態様に係る受信利得調整方法では、第6の態様において、前記第3の時定数は、前記調整用時定数より大きい。
本態様によれば、第3の時定数を調整用時定数より大きくしたので、より緩やかに受信利得を調整することで、一度、調整した利得を再び調整し直すことで受信が不安定になる事態を回避することができるようになる。
(8)本発明の第8の態様に係る受信利得調整方法では、第6の態様又は第7の態様において、前記第3の時定数は、無限大である。
本態様によれば、第3の時定数を無限大としたので、開始パターン信号後の振幅変調信号については、固定した受信利得を調整することができる。そのため、一度、調整した利得を再び調整し直すことで受信が不安定になる事態を回避することができるようになる。
(9)本発明の第9の態様に係る受信利得調整方法では、第3の態様乃至第8の態様のいずれかにおいて、前記第2の時定数は、前記第3の時定数と等しい。
本態様によれば、第2の時定数を第3の時定数と等しくしたため、時定数の切り替えを簡素化して、受信が不安定になる事態を回避することができるようになる。
(10)本発明は、振幅変調信号の受信利得を調整する受信利得調整装置が、前記振幅変調信号を増幅する増幅器と、前記増幅器の出力に基づいて、前記受信利得調整装置の利得を調整する利得調整回路と、前記利得調整回路による利得を調整する速度に対応した時定数を設定する時定数設定回路とを含み、第1の有信号状態において、第1の時定数に応じた速度で前記振幅変調信号の受信利得を調整した後、調整後の受信利得で増幅された増幅信号に対応した信号が所与の閾値以上になったとき、調整用時定数に応じた速度で前記振幅変調信号の受信利得を調整すると共に、前記第1の有信号状態に続く無信号状態において、前記調整用時定数より大きい第2の時定数に応じた速度で前記利得を変化させる。
ここで、振幅変調信号は、振幅成分に、送信データを重畳させた信号である。このような振幅変調信号として、例えばASK信号がある。本態様においては、第1の有信号状態になった当初、第1の時定数で受信利得を調整した後、調整中の利得で振幅変調信号を増幅した増幅信号が閾値以上になったときに、時定数を切り替えて、調整用時定数に応じた速度で受信利得調整を行うようにしている。これにより、受信利得の調整段階に応じた時定数に対応した速度で受信利得を調整することができるので、より短期間に、高精度で受信利得を調整することができるようになる。特に、振幅成分にデータが重畳される振幅変調信号の場合、復調可能な振幅情報を保持したまま、利得調整を高速に行うことができるようになる。
(11)本発明の第11の態様に係る受信利得調整装置は、第10の態様において、前記無信号状態の後の第2の有信号状態において、前記調整用時定数に応じた速度で前記利得を変化させる。
本態様によれば、無信号状態後の第2の有信号状態では、再び、第1の時定数に応じた速度で、振幅変調信号の受信利得を調整するようにしたので、一度緩やかに受信利得が調整された後、素早く受信利得の調整を再開させることが可能となる。
(12)本発明の第12の態様に係る受信利得調整装置は、第10の態様又は第11の態様において、前記無信号状態の後に、調整後の前記受信利得で前記振幅変調信号を増幅した信号に基づいて所与の開始パターン信号が検出された後、第3の時定数に応じた速度で前記利得を変化させる。
本態様においては、無信号状態の後に、受信利得調整後の振幅変調信号の増幅信号に基づいて所与の開始パターン信号を検出したとき、第3の時定数に応じた速度で受信利得を調整するようにしている。これにより、開始パターン信号後の振幅変調信号については、調整用時定数とは異なる時定数で、受信利得を調整することができる。そのため、例えば、より緩やかに受信利得を調整することで、一度、調整した利得を再び調整し直すことで受信が不安定になる事態を回避することができるようになる。
(13)本発明の第13の態様に係る受信利得調整装置では、第10の態様乃至第12の態様のいずれかにおいて、前記利得調整回路は、所定のノードの電位を保持する電位保持回路と、1又は複数組の充電用電流源及び放電用電流源を有し、前記所定のノードの電荷を充放電させる電流を切り替える充放電回路とを含み、前記充放電回路により電荷が充放電された前記所定のノードの電位に応じて、前記利得を変化させる。
本態様によれば、非常に簡素な構成で、上記の時定数を切り替えが可能に構成される受信利得調整装置を提供することができるようになる。
(14)本発明は、受信装置が、前記振幅変調信号を受信する受信器と、前記受信器によって受信された前記振幅変調信号の受信利得を調整する上記のいずれか記載の受信利得調整装置と、前記受信利得調整装置によって調整された受信利得で増幅された信号に基づいて復調する復調器とを含む。
本態様によれば、利得調整を高速に行いながらも、復調可能な振幅情報を保持できる振幅変調信号の受信利得を調整する受信装置を提供することができるようになる。
第1の実施形態における電子キーシステムの構成の概要を示す図。 図1の電子キーの機能ブロックの一例を示す図。 図2の受信利得調整部の構成例のブロック図。 第1の実施形態において車両から送られてくる振幅変調信号の説明図。 図4の開始パターン信号の第1の説明図。 図4の開始パターン信号の第2の説明図。 図3の受信利得調整部の動作例のフロー図。 第1の実施形態における受信利得調整部の動作例を示す図。 図17の受信回路において、バースト信号後にスペースを設けて、開始パターン信号が受信される場合の動作例の説明図。 図17の受信回路において、受信信号にノイズが含まれる場合の動作例の説明図。 第1の実施形態において、受信信号にノイズが含まれる場合の動作例の説明図。 第1の実施形態における受信利得調整部の構成例の回路図。 第1の実施形態の変形例における利得調整回路の構成例の回路図。 受信信号強度指示部の構成例の回路図。 第2の実施形態における受信利得調整部の構成例のブロック図。 第2の実施形態における受信利得調整部の構成例の回路図。 電子キーが備える一般的な受信回路の構成例のブロック図。 図17の受信回路の動作説明図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の課題を解決するために必須の構成要件であるとは限らない。
〔第1の実施形態〕
図1に、本発明に係る第1の実施形態における電子キーシステムの構成の概要を示す。図1では、電子キーシステムが、車両と電子キーとにより構成される例を説明するが、第1の実施形態における電子キーシステムの構成要素は、図1に示すものに限定されるものではない。
電子キーシステム100は、自動車等の車両200と、携帯機器としての電子キー(広義には、電子機器)300とを備えている。車両200は、電子キー300に送信するデータ等を重畳させた第1の周波数の振幅変調信号202を周期的に送信し、電子キー300からの応答を待つ。この振幅変調信号202は、信号の振幅成分に送信データを重畳させたASK信号である。電子キー300は、車両200からの振幅変調信号202を受信すると、車両200に対して第2の周波数の信号204で応答する。その後、車両200と電子キー300との間で信号のやりとりを行い、電子キー300が認証されると、車両200のドアのロックや解除、エンジンの始動や停止等の所定の制御が許可されるようになっている。
電子キー300は、内蔵するバッテリーで動作するようになっており、車両200からの呼びかけに対応するため、低消費電力で動作する必要がある。そのため、電子キー300が受信する振幅変調信号202の第1の周波数は、低い周波数に設定される。また、電子キー300は、車両200が搭載するエンジンやその他の電子部品等の外乱ノイズへの影響をできるだけ小さくするように、信号受信を行う際には高い周波数選択性を備える。従って、受信信号の歪みが大きくなり、復調可能な振幅情報を残したまま復調側へ送るように、電子キー300では、受信信号の利得調整を行う。
図2に、図1の電子キー300の機能ブロックの一例の図を示す。図2において、図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
電子キー300は、受信部(受信装置)310と、通信処理部320と、送信部330とを備えている。受信部310は、同調回路(広義には、受信器)312と、受信利得調整部(受信利得調整装置。広義には、増幅部)314と、復調器316とを備えている。同調回路312は、コイル340と、コンデンサー342とが並列に接続された並列共振回路により構成される。受信利得調整部314には、同調回路312において受信された振幅変調信号、復調器316の復調結果、及び該復調結果を用いて通信処理部320において行われた処理結果が供給される。通信処理部320は、利得調整処理部322と、受信信号強度指示部324とを備えている。送信部330は、変調器332と、送信器334と、送信アンテナ336とを備えている。
車両200からの振幅変調信号202は、同調回路312においてその共振周波数で共振させることにより受信部310で受信される。受信利得調整部314は、利得の調整が可能に構成されており、同調回路312により受信された受信信号としての振幅変調信号を、調整された利得で増幅する。受信利得調整部314は、後述するように、必要に応じて復調器316の復調結果や通信処理部320の処理結果を用いて、切り替え可能な速度(調整速度)で、受信信号の利得を調整することができるようになっている。復調器316は、受信利得調整部314において増幅された増幅信号に対して、送信側で行われた変調処理に対応した所与の復調処理を行い、復調結果を受信利得調整部314及び通信処理部320に対して供給する。受信利得調整部314は、復調器316の復調結果を用いて、有信号状態であるか無信号状態であるかを判別することができる。
通信処理部320は、受信部310によって受信信号の復調結果に対して所与の通信処理を行い、送信部330を介して車両200に対して応答を送信する処理を行う。通信処理部320の利得調整処理部322は、復調器316の復調結果を用いた所与の利得調整処理を行い、利得調整処理結果を受信利得調整部314に対して供給することができるようになっている。この利得調整処理としては、車両200からの通信データの先頭に対応した開始パターン信号の検出処理、車両200からの通信の正常終了又は異常終了の検出処理等がある。受信信号強度指示部324は、受信利得調整部314の所定のノードの電位をモニターしながら、同調回路312によって受信された受信信号の強度を指示する。具体的には、受信信号強度指示部324は、調整後の利得で受信信号が増幅された増幅信号に対応した電圧と、所与の基準電圧Vref2(広義には、所与の閾値)との比較結果に対応した指示を受信利得調整部314に対して行う。受信利得調整部314は、受信信号強度指示部324からの指示に応じた利得調整を行う。
このような通信処理部320の機能は、ハードウェア回路により実現されたり、ソフトウェア処理により実現されたりする。通信処理部320の機能がソフトウェア処理により実現される場合、通信処理部320は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:以下、CPU)及び記憶部を備えている。そして、この記憶部に記憶されたプログラムをCPUが読み出し、該CPUがプログラムに対応した処理を実行することで、ソフトウェア処理が実現される。
変調器332は、通信処理部320に対して行われた通信処理結果を変調する。送信器334は、変調器332によって変調された変調結果に対応した送信信号を、送信アンテナ336を介して送信する。
図3に、図2の受信利得調整部314の構成例のブロック図を示す。図3では、図2の復調器316、利得調整処理部322及び受信信号強度指示部324をあわせて図示している。
受信利得調整部314は、増幅器400と、利得制御回路410と、減衰回路420とを備えている。利得制御回路410は、比較回路412と、利得調整回路414と、時定数設定回路416とを備えている。なお、時定数設定回路416は、受信利得調整部314の外部に設けられていてもよい。
増幅器400は、受信信号としての振幅変調信号を所定の利得で増幅し、増幅信号を復調器316に対して出力する。この増幅信号は、利得制御回路410にも供給される。利得制御回路410は、増幅器400による増幅信号、復調器316の復調結果、利得調整処理部322の処理結果、及び受信信号強度指示部324からの指示に基づいて、制御信号Contを生成する。減衰回路420は、利得制御回路410からの制御信号Contに対応した減衰度で、増幅器400に入力される振幅変調信号を減衰させる。
利得制御回路410において、比較回路412には、基準電圧Vref1が入力されている。比較回路412は、増幅信号と基準電圧Vref1とを比較し、比較結果信号を利得調整回路414に出力する。利得調整回路414は、比較回路412からの比較結果信号に基づいて、受信利得調整部314の利得を調整する。このとき、利得調整回路414は、時定数設定回路416により設定された時定数に応じた速度で、受信利得調整部314の利得を調整する。時定数設定回路416は、復調器316の復調結果、利得調整処理部322の処理結果、及び受信信号強度指示部324からの指示に基づいて、利得調整回路414による利得を調整する速度に対応した時定数を設定する。こうして、利得調整回路414は、時定数を切り替えながら、切り替えられた時定数に応じた速度で変化する制御信号Contを出力することができる。利得調整回路414が出力する制御信号Contは、減衰回路420に対して出力される。
利得調整回路414において、基準時定数に対してより大きい時定数に切り替えられたときは、基準時定数に応じた速度に対してより遅い速度で減衰回路420の減衰度が調整される。そのため、遅い調整速度で、受信利得調整部314の利得が変化するようになる。一方、基準時定数に対してより小さい時定数に切り替えられたときは、基準時定数に応じた速度に対してより速い速度で減衰回路420の減衰度が調整される。そのため、速い調整速度で、受信利得調整部314の利得が変化するようになる。
図4に、第1の実施形態において車両200から送られてくる振幅変調信号202の説明図を示す。図4は、説明の便宜上、振幅変調信号202の包絡線を矩形波で表す。
図5に、図4の開始パターン信号の第1の説明図を示す。
図6に、図4の開始パターン信号の第2の説明図を示す。
車両200から電子キー300への通信データの送信に先立って、受信信号としてバースト信号B2が受信される。この受信信号は、バースト信号B2の後、無信号状態であるスペースSP1が設けられた後に、予め決められた開始パターン信号TPを含んで構成される。
開始パターン信号TPは、図5に示すように有信号状態及び無信号状態の組み合わせに対応したパターンとすることができる。或いは、開始パターン信号TPは、図6に示すように有信号状態及び無信号状態の少なくとも一方の長さにより規定されるパターンとしてもよい。なお、図6では、開始パターン信号TPは、有信号状態の長さt1により規定される例を表している。このような開始パターン信号TPは、利得調整後の増幅信号を復調した復調器316の復調結果に対して、通信処理として開始パターン信号の検出処理を行った利得調整処理部322によって検出される。
図4に示す受信信号は、開始パターン信号TPの後、無信号状態であるスペースSP2が設けられた後に、車両200から電子キー300へ送る通信データC2を含んで構成される。通信データC2は、エッジ間の長さに対応したデータ“0”又はデータ“1”により構成される。
このような受信信号を受信した受信利得調整部314は、バースト信号や開始パターン信号に応じて時定数を切り替える。このとき、受信利得調整部314は、短いバースト信号であっても、精度よく受信利得を調整できるように、バースト信号の受信期間においても時定数を切り替える。具体的には、受信利得調整部314は、バースト信号B2の受信開始時には、目標値の付近まで高速に受信利得を変化させた後、低速で、且つ高精度に受信利得を変化させるように時定数を切り替える。その後、受信利得調整部314は、バースト信号B2により受信利得を調整すると、その後のスペースSP1において、調整後の利得をできるだけ維持するようにする。そして、受信利得調整部314は、開始パターン信号TPの検出を条件に、受信利得を固定、又はできるだけ維持しながら調整する。
こうすることで、短いバースト信号であっても、高速で、且つ、精度よく受信利得を調整することができる。更に、バースト信号に基づいて受信信号の利得調整を行っても、無信号状態を検知した後に直ぐに調整前の利得に戻してしまうという事態を回避することができる。
図7に、図3の受信利得調整部314の動作例のフロー図を示す。
まず、受信利得調整部314では、利得調整回路414において、時定数設定回路416により初期値として第1の時定数τ1が設定される(ステップS10)。即ち、受信利得調整部314は、動作開始直後は第1の時定数τ1に応じた速度で、受信信号の利得が調整される。
次に、受信利得調整部314は、受信信号の有無を監視する(ステップS12:N)。受信利得調整部314は、復調器316の復調結果を用いて有信号状態であるか無信号状態であるかを判断することで、受信信号の有無を監視することができる。受信信号が検出されたとき、バースト信号(第1の有信号状態)であると判断する。
ステップS12において受信信号が検出されたとき(ステップS12:Y)、受信利得調整部314は、そのまま第1の時定数τ1に応じた速度で受信信号の利得を調整する(ステップS14、第1の有信号状態調整ステップ)。即ち、ステップS14では、第1の時定数τ1に応じた速度で、減衰回路420の減衰度を変化させることで増幅器400に入力される受信信号を減衰させて、受信利得調整部314の利得を変化させる。
その後、受信利得調整部314は、第1の時定数τ1に応じた速度で調整された利得で増幅された増幅信号に対応した制御信号Contが基準電圧Vref2(広義には、閾値)以上であるか否かを検出する(ステップS16)。
ステップS16において制御信号Contが基準電圧Vref2以上ではないと検出されたとき(ステップS16:N)、受信利得調整部314は、ステップS14に戻り、第1の時定数τ1に応じた速度で受信信号の利得調整を継続する。ステップS16において、制御信号Contが基準電圧Vref2以上であると検出されたとき(ステップS16:Y)、受信利得調整部314は、利得調整回路414において時定数設定回路416により時定数を切り替え、調整用時定数τ1´(第4の時定数)に応じた速度で受信信号の利得を調整する(ステップS18、第2の有信号状態調整ステップ)。調整用時定数τ1´は、第1の時定数τ1よりも大きい(τ1<τ1´)。これにより、ステップS18では、ステップS14と比較して緩やかに受信信号の利得を調整することができ、精度よく、所望の利得に調整することができるようになる。
続いて、受信利得調整部314は、無信号状態であるか否かを検出する(ステップS20)。即ち、ステップS20では、受信利得調整部314は、バースト信号の後のスペースであるか否かを検出する。スペースが設けられたことが検出されると(ステップS20:Y)、受信利得調整部314は、利得調整回路414において時定数設定回路416により時定数を切り替え、調整用時定数τ1´より大きい第2の時定数τ2に応じた速度で受信信号の利得調整を行う(ステップS22)。即ち、ステップS22では、無信号状態調整ステップとして、第2の時定数τ2に応じた速度で、減衰回路420の減衰度を変化させることで増幅器400に入力される受信信号を減衰させて、受信利得調整部314の利得を変化させる。これにより、第2の時定数τ2は、第1の時定数τ1及び調整用時定数τ1´よりも大きい(τ1<τ1´<τ2)、ステップS22では、ステップS18と比較して緩やかに受信信号の利得が調整されるようになる。
ステップS22において、第2の時定数τ2は、無限大であることが望ましい。第2の時定数τ2が無限大のとき、受信利得調整部314の受信利得が固定される。
一方、ステップS20において、スペースが設けられていないことが検出される(ステップS20:N)と、受信利得調整部314は、通信処理部320(利得調整処理部322)からの処理結果に基づき、通信の異常終了であるかを判定する(ステップS24)。異常終了ではないと判定されたとき(ステップS24:N)、受信利得調整部314は、ステップS18に戻る。ステップS24において異常終了であると判定されたとき(ステップS24:Y)、受信利得調整部314は、ステップS10に戻り(リターン)、再び、車両200からの通信の先頭で送られるバースト信号を待つ。
ステップS22に続いて、受信利得調整部314は、有信号状態であるか否かを検出する(ステップS26)。即ち、ステップS26では、バースト信号後のスペースを設けた後の開始パターン信号の入力の有無を検出する。有信号状態であることが検出されたとき(ステップS26:Y)、受信利得調整部314は、ステップS26で検出された有信号状態の信号が開始パターン信号と一致するか否かを検出する(ステップS28、開始パターン信号検出ステップ)。
一方、有信号状態ではないことが検出されたとき(ステップS26:N)、受信利得調整部314は、例えば通信処理部320(又は利得調整処理部322)からの処理結果に基づき、通信の異常終了であるかを判定する(ステップS30)。異常終了ではないと判定されたとき(ステップS30:N)、受信利得調整部314は、ステップS22に戻る。ステップS30において異常終了であると判定されたとき(ステップS30:Y)、受信利得調整部314は、ステップS10に戻り(リターン)、再び、車両200からの通信の先頭で送られるバースト信号を待つ。
なお、ステップS30において、第2の時定数τ2に応じた速度で利得調整が行われている期間を監視し、該期間が所定の期間以上のとき、異常終了として判定するようにしてもよい。このとき、ステップS10に戻り、受信利得調整部314の状態が初期化され、再び、バースト信号を待つようにすることで、異常時の復帰動作を実現することができるようになる。
検出された有信号状態の信号が開始パターン信号と一致することが検出されたとき(ステップS28:Y)、受信利得調整部314は、利得調整回路414において時定数設定回路416により時定数を切り替え、第3の時定数τ3に応じた速度で受信信号の利得調整を行う(ステップS32)。これにより、開始パターン信号の後の所定時間経過後に信号データが送られてくるタイミングを認識することがわかる。ステップS32では、第4の有信号状態調整ステップとして、第3の時定数τ3に応じた速度で、減衰回路420の減衰度を変化させることで増幅器400に入力される受信信号を減衰させて、受信利得調整部314の利得を変化させる。
ステップS32において、第3の時定数τ3は、調整用時定数τ1´より大きい(τ1<τ1´<τ3)。これにより、ステップS32では、ステップS18と比較して緩やかに受信信号の利得が調整されるようになる。より具体的には、第3の時定数τ3は、第2の時定数τ2と等しいことが望ましい。また、第3の時定数τ3は、無限大であることが望ましい。第3の時定数τ3が無限大のとき、受信利得調整部314の受信利得が固定される。
ステップS28において、ステップS26で検出された有信号状態の信号が開始パターン信号と一致しないことが検出されたとき(ステップS28:N)、受信利得調整部314は、ステップS18に戻る。即ち、ステップS18では、第3の有信号状態調整ステップとして、受信利得調整部314は、利得調整回路414において時定数設定回路416により時定数を切り替え、調整用時定数τ1´に応じた速度で受信信号の利得調整を行う。
ステップS32に続き、受信利得調整部314は、通信処理部320からの処理結果に基づいて、正常終了又は異常終了であるか否かを検出する(ステップS34)。ステップS34において、正常終了又は異常終了ではないと検出されたとき(ステップS34:N)、受信利得調整部314は、引き続き、第3の時定数τ3に応じた速度で受信信号の利得調整を行う。
ステップS34において、正常終了又は異常終了であると検出されたとき(ステップS34:Y)、受信利得調整部314は、ステップS10に戻り(リターン)、再び、車両200からの通信の先頭で送られるバースト信号を待つ。
図8に、第1の実施形態における受信利得調整部314の動作例を示す。図8は、包絡線を矩形波で表した受信信号(振幅変調信号)、受信波形、制御信号Cont、復調器316の出力である復調信号を表す。ここでは、説明の便宜上、制御信号Contの電位が高くなるほど、受信利得調整部314の利得が小さくなるものとする。
車両200との間での通信に先立って、受信利得調整部314は、時定数として、初期値である第1の時定数τ1を設定する(T1)。その後、受信信号として第1の有信号状態であるバースト信号B3が検出されると、受信利得調整部314は、引き続き、第1の時定数τ1に応じた速度で受信信号の利得調整を高速に行う。
これにより、第1の時定数τ1に応じた速度で調整された利得で受信信号を増幅した増幅信号のレベルが上がってくる。そして、この増幅信号に対応した制御信号Contが閾値を超えたことが受信信号強度指示部324により検出されると、受信利得調整部314は、調整用時定数τ1´に切り替えて、調整用時定数τ1´に応じた速度で受信信号の利得調整を、低速、且つ、高精度に行う。この閾値は、基準電圧Vref2である。こうすることで、第1の時定数τ1に応じた速度で、粗い精度で、所望のレベルまで高速に増幅した後、調整用時定数τ1´に応じた速度で、高精度で受信利得を調整することができる。この結果、バースト信号B3が短い場合であっても、受信利得を調整でき、振幅成分に重畳された情報が抽出されにくい状況を回避することができるようになる。
その後、バースト信号B3に続き、無信号状態であるスペースSP3が検出されると、受信利得調整部314は、時定数を切り替え、第2の時定数τ2に応じた速度で受信信号の利得調整を行う。第2の時定数τ2は調整用時定数τ1´より大きいため、バースト信号B3で調整した受信利得調整部314の利得が元に戻る事態を回避することができる。これにより、スペースSP3の後の開始パターン信号TP1の受信開始時に、ほぼバースト信号B3で調整した利得で開始パターン信号TP1の受信利得の調整を行うことができるようになる。
開始パターン信号TP1が検出されると、受信利得調整部314は、調整用時定数τ1´に応じた速度で受信信号の利得調整を行う。このように、スペースSP3後の開始パターン信号TP2を検出したときに、受信利得調整部314は、再び、調整用時定数τ1´に切り替えるようにしたので、開始パターン信号TP1の受信時に最適な利得に調整することができるようになる。なお、開始パターン信号TP1が検出されたとき、受信利得調整部314は、第1の時定数τ1に応じた速度で受信信号の利得調整を行うようにしてもよい。
予め決められている開始パターン信号TP1が検出されると、通信データC3の受信開始タイミングを特定することができる。そこで、受信利得調整部314は、開始パターン信号TP1後に、無信号状態であるスペースSP4が検出されると、一度、第2の時定数τ2に応じた速度で受信信号の利得調整を行う。このとき、第2の時定数τ2は調整用時定数τ1´より大きいため、開始パターン信号TP1で調整した受信利得調整部314の利得が調整前の利得に戻る事態を回避することができる。そして、スペースSP4後の第3の有信号状態である通信データC3が検出されると、受信利得調整部314は、第3の時定数τ3に応じた速度で受信信号の利得調整を行う。
第2の時定数τ2及び第3の時定数τ3を無限大とすることで、スペースSP3,SP4の受信時には、それぞれ直前の有信号状態で調整した利得を維持することができる。これにより、車両200からの送信状況にかかわらず受信利得調整部314の利得が調整前の利得に戻ることがなくなる。従って、できるだけ短い期間で車両200から電子キー300に通信するためにバースト信号等が短くなったとしても、復調可能な振幅情報を保持しながら振幅変調信号の受信利得を調整することができる。
次に、第1の実施形態における受信利得調整部314による効果を具体的に説明する。そのため、まず、従来の図17の受信回路10において、バースト信号後にスペースを設けて、開始パターン信号が受信される場合について説明する。
図9に、図17の受信回路10において、バースト信号後にスペースを設けて、開始パターン信号が受信される場合の動作例の説明図を示す。図9は、包絡線を矩形波で示す受信信号(振幅変調信号)、制御信号Cont、増幅信号を表す。
図17の受信回路10では、バースト信号B4を受信したときに調整された利得が、スペースSP5の期間で元に戻り、開始パターン信号TP2を受信したときに、利得が再び調整される(図9のP0)。そのため、開始パターン信号TP2を受信するときには、受信回路10では、増幅器12の利得が最大に設定された状態から、再び開始パターン信号TP2に対して受信利得の調整が行われることになる。従って、開始パターン信号TP2を設けたとしても、図17の受信回路10では、受信が不安定となる。
特に、バースト信号B4とスペースSP5とが同じ長さになると、調整した利得が元に戻ってしまい、開始パターン信号TP2で、再び受信利得の調整が始まり、開始パターン信号TP2の復調が困難になる。これは、同時に、通信データC4の復調についても困難になることを意味する。
これに対して、第1の実施形態では、図8に示すように、バースト信号後に、このバースト信号と同じ長さのスペースが設けられたとしても、受信利得調整部314では、より遅く利得を調整する。そのため、該スペース後の開始パターン信号を受信したときに、利得を再び調整することがなくなり、開始パターン信号の復調が可能となる。
また、第1の実施形態によれば、次のようなノイズに対する耐性も改善される。
図10に、図17の受信回路10において、受信信号にノイズが含まれる場合の動作例の説明図を示す。図10は、包絡線を矩形波で表した受信信号(振幅変調信号)、制御信号Cont、増幅信号を表す。
図17の受信回路10は、バースト信号が受信されると、次に通信データの受信を開始する。このため、図10に示すようなノイズN1があると、例えばタイミングP1で通信データの受信を開始してしまう。そうすると、ノイズN1より正規の信号の方が、振幅が大きい場合であっても、正規の信号を受信することができなくなる。これは、受信回路10の増幅器12が、ノイズN1に追従して利得を上げた状態で固定してしまうからである。そのため、ノイズN1後の正規の信号についても、増幅器12は出力を飽和させてしまう。
図11に、第1の実施形態において、受信信号にノイズが含まれる場合の動作例の説明図を示す。図11は、包絡線を矩形波で表した受信信号(振幅変調信号)、制御信号Cont、増幅信号を表す。
第1の実施形態では、開始パターン信号を設けているため、ノイズN2が受信信号に含まれていたとしても、図17の受信回路10のように増幅器の利得を固定させてしまうことなく、開始パターン信号の受信後(図11のP2)に、利得を固定させることができるようになる。従って、ノイズN2後の正規の信号についても、増幅器は出力を飽和させることなく、正しく復調することができるようになり、ノイズに対する耐性を強化することができる。
≪受信利得調整部の構成例≫
次に、上記のような受信利得の調整を行う第1の実施形態における受信利得調整部314の構成例について説明する。
図12に、第1の実施形態における受信利得調整部314の構成例の回路図を示す。図12において、図3と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
減衰回路420は、抵抗素子R1と可変抵抗VRとを備えている。抵抗素子R1は、受信信号が入力される端子と増幅器400の入力端子との間に挿入される。可変抵抗VRは、増幅器400の入力端子と接地端との間に挿入される。可変抵抗VRには、制御信号Contが入力され。制御信号Contに基づいて抵抗値の変更が可能に構成される。図12では、制御信号Contの電位が高くなるほど、可変抵抗VRの抵抗値が小さくなり、減衰度が大きくなるものとする。このような減衰回路420は、受信信号が入力されたとき、該受信信号を抵抗素子R1と可変抵抗VRとにより抵抗分割した電圧を出力する。この電圧が、増幅器400に入力される。
比較回路412は、コンパレーターを有し、増幅器400の出力と基準電圧Vref1との比較結果を出力する。
利得調整回路414は、電位保持回路450と、充放電回路452と、充放電電流制御回路454とを備えている。電位保持回路450は、所定のノードNDの電位を保持する。このような電位保持回路450は、一端に接地電圧が供給され他端にノードNDが接続されるコンデンサーCAを備えている。このノードNDの電位が、制御信号Contとして出力される。そのため、ノードNDの電位に応じて、減衰回路420の減衰度が変化し、受信利得調整部314の利得を変化させることができる。
充放電回路452は、時定数に対応して1又は複数組の充電用電流源及び放電用電流源を備えており、ノードNDの電荷を充放電させる電流を切り替える。各組の充電用電流源及び放電用電流源において、充電用電流源の電流値は、対応する放電用電流源の電流値より大きい。こうすることで、ノードNDの電荷を放電しながら、受信信号が受信されたときにノードNDの電位が上昇し、減衰回路420の減衰度が非常に大きくなりすぎることにより利得調整を継続できなくなるという事態を回避することができる。
図12では、充放電回路452は、第1の時定数τ1、調整用時定数τ1´(第4の時定数)、第2の時定数τ2、及び第3の時定数τ3の各々に対応して充電用電流源Ic1〜Ic4及び放電用電流源Id1〜Id4を備えている。
具体的には、充放電回路452には、第1の時定数τ1に対応して、充電用電流源Ic1、放電用電流源Id1、スイッチ素子SWp1,SWn1が設けられる。スイッチ素子SWp1は、充電用電流源Ic1とノードNDとの間に設けられ、スイッチ素子SWn1は、放電用電流源Id1とノードNDとの間に設けられる。充電用電流源Ic1の電流値は、放電用電流源Id1の電流値より大きい。
また、充放電回路452には、調整用時定数τ1´に対応して、充電用電流源Ic2、放電用電流源Id2、スイッチ素子SWp2,SWn2が設けられる。スイッチ素子SWp2は、充電用電流源Ic2とノードNDとの間に設けられ、スイッチ素子SWn2は、放電用電流源Id2とノードNDとの間に設けられる。充電用電流源Ic2の電流値は、放電用電流源Id2の電流値より大きい。また、時定数は((コンデンサーCAの容量値)/電流値)に比例するため、充電用電流源Ic2の電流値は、充電用電流源Ic1の電流値より小さい。
更に、充放電回路452には、第2の時定数τ2に対応して、充電用電流源Ic3、放電用電流源Id3、スイッチ素子SWp3,SWn3が設けられる。スイッチ素子SWp3は、充電用電流源Ic3とノードNDとの間に設けられ、スイッチ素子SWn3は、放電用電流源Id3とノードNDとの間に設けられる。充電用電流源Ic3の電流値は、放電用電流源Id3の電流値より大きい。また、充電用電流源Ic3の電流値は、充電用電流源Ic2の電流値より小さい。
更にまた、充放電回路452には、第3の時定数τ3に対応して、充電用電流源Ic4、放電用電流源Id4、スイッチ素子SWp4,SWn4が設けられる。スイッチ素子SWp4は、充電用電流源Ic4とノードNDとの間に設けられ、スイッチ素子SWn4は、放電用電流源Id4とノードNDとの間に設けられる。充電用電流源Ic4の電流値は、放電用電流源Id4の電流値より大きい。また、充電用電流源Ic4の電流値は、充電用電流源Ic2の電流値より小さい。
充放電電流制御回路454は、充放電回路452によりノードNDの電荷を充放電させる電流を切り替える制御を行う。具体的には、充放電電流制御回路454は、充放電回路452のスイッチ素子SWp1〜SWp4、SWn1〜SWn4のスイッチ制御を行うスイッチ制御信号を生成する。充放電電流制御回路454は、時定数設定回路416の出力に基づいて切り替え対象の時定数を決定し、決定した時定数に対応した組の充電用電流源及び放電用電流源とノードNDとを接続するスイッチ素子をオンする制御を行う。この結果、ノードNDの電荷の充放電特性に対応した時定数に従ってノードNDの電位が変化し、制御信号Contを変化させることができる。
なお、第2の時定数τ2及び第3の時定数τ3を無限大とした場合、利得調整回路の構成は、次のようになる。
図13に、第1の実施形態の変形例における利得調整回路の構成例の回路図を示す。図13において、図12と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
第1の実施形態の変形例における利得調整回路414aは、図12の受信利得調整部314において利得調整回路414に代えて設けることができる。利得調整回路414aは、電位保持回路450と、充放電回路452aと、充放電電流制御回路454aとを備えている。利得調整回路414aが図12の利得調整回路414と異なる点は、充放電回路452aの充電用電流源Ic3,Ic4及び放電用電流源Id3,Id4が省略され、充放電電流制御回路454aがスイッチ素子SWp1,SWp2,SWn1,SWn2のオンオフ制御を行うようにした点である。即ち、第2の時定数τ2又は第3の時定数τ3に切り替えるとき、利得調整回路414aは、スイッチ素子SWp1,SWp2,SWn1,SWn2をオフする制御を行ってノードNDの電荷の充放電を停止させる。こうすることで、制御信号Contの電位を固定(ロック)させる。
このように利得調整回路414,414aでは、ノードNDの電荷を充放電するための電流値を切り替えることで、制御信号Contによる減衰度を変化させるようにしたので、非常に簡素な構成で、受信利得を調整することができるようになる。
図14に、受信信号強度指示部324の構成例の回路図を示す。図14において、図2と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
受信信号強度指示部324は、n型の金属酸化膜半導体(Metal Oxide Semiconductor:以下、MOS)トランジスターnTr1,nTr2と、p型のMOSトランジスターpTr1,pTr2と、インバーター回路INV1とを備えている。MOSトランジスターnTr1は、制御信号Contが供給され、ソースに接地電圧が供給され、ドレインにMOSトランジスターpTr1のゲート及びドレインが接続される。MOSトランジスターpTr1は、ソースに高電位側電源電圧VADDが供給され、ゲート及びドレインにMOSトランジスターpTr2のゲートが接続される。MOSトランジスターpTr2は、ソースに高電位側電源電圧VADDが供給され、ドレインにMOSトランジスターnTr2のドレインが接続される。また、MOSトランジスターpTr2のドレインは、インバーター回路INV1の入力に接続される。MOSトランジスターnTr2は、ゲートに基準電圧Vref2が供給され、ソースに接地電圧が供給される。
このような構成を有する受信信号強度指示部324は、制御信号Contの電位が低く、MOSトランジスターnTr1に電流が流れない場合、MOSトランジスターnTr2に流れる電流によってHレベルを出力する。一方、受信信号強度指示部324は、制御信号Contの電位が高くなると、MOSトランジスターnTr1に電流が流れ、該電流に応じたミラー電流がMOSトランジスターnTr2に流れようとする。その結果、MOSトランジスターnTr2のドレイン電圧が、インバーター回路INV1の論理閾値レベルを超えると、Lレベルを出力し、インバーター回路INV1の論理閾値レベル以下のときにHレベルを出力する。
このような受信信号強度指示部324が出力する論理レベルは、(Cont>Vref2)の反転レベルに対応する。受信信号強度指示部324の出力信号を用いて、充放電電流制御回路454,454aは、第1の時定数τ1から調整用時定数τ1´への切り替え制御を行う。そのため、基準電圧Vref2を調整することで、第1の時定数τ1から調整用時定数τ1´への切り替えタイミングを調整することができるようになる。
以上説明したように、第1の実施形態においては、第1の有信号状態であるバースト信号の期間において、前半は、より小さな時定数で高速に受信利得を調整してから、後半は、より大きな時定数で高精度に受信利得を調整する。これにより、バースト信号が短い場合であっても、高精度に受信利得を調整でき、振幅成分に重畳された情報が抽出されにくい状況を回避することができるようになる。
また、第1の実施形態では、第1の有信号状態であるバースト信号後に、開始パターン信号を設け、より大きな時定数に切り替えて振幅変調信号の受信利得を調整するようにしている。これにより、第1の有信号状態と開始パターン信号との間の無信号状態の期間で、受信利得が調整前の利得に戻ることなく、開始パターン信号後の通信データについて、例えば受信利得を固定させることで、安定した受信を実現することができるようになる。
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態又はその変形例では、受信利得調整部314において、増幅器400の入力の減衰度を制御することで、受信利得調整部314の利得を調整していたが、本発明に係る実施形態は、これに限定されるものではない。
図15に、本発明に係る第2の実施形態における受信利得調整部の構成例のブロック図を示す。図15において、図3と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図15では、図2の復調器316、利得調整処理部322及び受信信号強度指示部324をあわせて図示している。
第2の実施形態における受信利得調整部(受信利得調整装置。広義には、増幅部)314bは、図2の受信利得調整部314に代えて、図2の受信部310に適用することができる。
このような受信利得調整部314bは、増幅器400bと、利得制御回路410bとを備えている。利得制御回路410bは、比較回路412と、利得調整回路414bと、時定数設定回路416とを備えている。
増幅器400bは、受信信号としての振幅変調信号を、変更可能な利得で増幅し、増幅信号を復調器316に対して出力する。この増幅信号は、利得制御回路410bにも供給される。利得制御回路410bは、増幅器400bによる増幅信号、復調器316の復調結果、利得調整処理部322の処理結果、及び受信信号強度指示部324からの指示に基づいて、制御信号Contを生成する。
利得制御回路410bにおいて、比較回路412には、基準電圧Vref1が入力されている。比較回路412は、増幅信号と基準電圧Vref1とを比較し、比較結果信号を利得調整回路414bに出力する。利得調整回路414bは、比較回路412からの比較結果信号に基づいて、受信利得調整部314bの利得を調整する。このとき、利得調整回路414bは、時定数設定回路416により設定された時定数に応じた速度で、受信利得調整部314bの利得を調整する。即ち、利得調整回路414bは、時定数を切り替えながら、切り替えられた時定数に応じた速度で、比較回路412の比較結果に対応した制御信号Contとして出力する。利得調整回路414bが出力する制御信号Contは、増幅器400bに対して出力される。
利得調整回路414bにおいて、基準時定数に対してより大きい時定数に切り替えられたときは、基準時定数に応じた速度に対してより遅い速度で増幅器400bの利得が調整される。そのため、遅い調整速度で、受信利得調整部314bの利得が変化するようになる。一方、基準時定数に対してより小さい時定数に切り替えられたときは、基準時定数に応じた速度に対してより速い速度で増幅器400bの利得が調整される。そのため、速い調整速度で、受信利得調整部314bの利得が変化するようになる。
このような受信利得調整部314bの動作は、図7に示す受信利得調整部314の動作と同様であるため、説明は省略する。
図16に、第2の実施形態における受信利得調整部314bの構成例の回路図を示す。図16において、図9と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
利得調整回路414bは、電位保持回路450と、充放電回路452bと、充放電電流制御回路454bとを備えている。
第2の実施形態における受信利得調整部314bの構成が図12に示す受信利得調整部314の構成と異なる点は、電位保持回路450の出力が増幅器400bの利得制御に用いられる点である。第2の実施形態では、電位保持回路450の出力である制御信号Contの電位が高くなるほど、増幅器400bの利得が小さくなるものとする。
なお、第2の時定数τ2及び第3の時定数τ3を無限大とした場合、利得調整回路の構成として、図13に示す構成を採用することができる。即ち、図16に示す構成に対して、充電用電流源Ic3,Ic4及び放電用電流源Id3,Id4が省略され、充放電電流制御回路がスイッチ素子SWp1,SWp2,SWn1,SWn2のオンオフ制御を行う。従って、第2の時定数τ2又は第3の時定数τ3に切り替えるとき、利得調整回路は、スイッチ素子SWp1,SWp2,SWn1,SWn2をオフする制御を行ってノードNDの電荷の充放電を停止させる。こうすることで、制御信号Contの電位を固定(ロック)させる。
以上説明したように、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、第1の有信号状態であるバースト信号の期間において、前半は、より小さな時定数で高速に受信利得を調整してから、後半は、より大きな時定数で高精度に受信利得を調整する。これにより、バースト信号が短い場合であっても、高精度に受信利得を調整でき、振幅成分に重畳された情報が抽出されにくい状況を回避することができるようになる。
また、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、第1の有信号状態と開始パターン信号との間の無信号状態の期間で、受信利得が調整前の利得に戻ることがない。そのため、開始パターン信号後の通信データについて、例えば受信利得を固定させることで、安定した受信を実現することができるようになる。
以上、本発明に係る受信利得調整方法、受信利得調整装置、及び受信装置等を上記のいずれかの実施形態又はその変形例に基づいて説明したが、本発明は上記のいずれかの実施形態又はその変形例に限定されるものではない。例えば、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、次のような変形も可能である。
(1)上記のいずれかの実施形態又はその変形例では、受信利得調整部が、図2に示す受信部に内蔵される例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
(2)上記のいずれかの実施形態又はその変形例では、受信利得調整部が、図2に示す受信部に内蔵され、該受信部が送信部と混載される例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図2に示す受信部の機能を有する受信装置に、上記のいずれかの実施形態又はその変形例における受信利得調整部が内蔵されていてもよい。
(3)上記のいずれかの実施形態又はその変形例では、受信利得調整部が、図2に示す受信部に内蔵され、該受信部が携帯機器としての電子キーに内蔵される例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記のいずれかの実施形態又はその変形例における受信利得調整部が、電子キー以外の別の携帯機器(電子機器)に内蔵されていてもよい。
(4)上記のいずれかの実施形態又はその変形例では、受信利得調整部が、図1に示す電子キーシステムに適用される例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の通信システムに適用することができる。
(5)上記のいずれかの実施形態又はその変形例では、振幅変調信号としてASK信号を例に説明したが、本発明はASK信号に限定されるものではなく、振幅情報を信号に重畳させるものに適用することができる。
(6)上記のいずれかの実施形態又はその変形例において、カウンターを設けて、通信データのパターンのビット数をカウントするようにしてもよい。このカウンターにより所定のカウント数を超えた異常パターンが検出されたときには、受信利得調整部の調整を初期化して、再び、第1の時定数τ1又は調整用時定数τ1´に切り替えてバースト信号の受信を待つようにしてもよい。このようなカウンターは、通信処理部320(利得調整処理部322)や受信部310に設けることができる。こうすることで、通信データの異常時に、受信利得調整部を初期化して、再び、バースト信号の受信を待つことができるようになる。
(7)上記のいずれかの実施形態又はその変形例において、各充電用電流源又は各放電用電流源とノードNDとの間に1つのスイッチ素子を設ける例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。各充電用電流源又は各放電用電流源とノードNDとの間に設けた1つのスイッチ素子の機能を、複数のスイッチ素子により実現するようにしてもよい。
(8)第1の実施形態又はその変形例において、減衰回路は、直列に抵抗素子R1を挿入した構成を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、減衰回路において抵抗素子R1に代えてコンデンサーを挿入することによりハイパスフィルター回路を構成し、ハイパスフィルター回路のカットオフ周波数をずらすことで、受信信号を減衰させるようにしてもよい。
(9)上記のいずれかの実施形態又はその変形例において、本発明を、受信利得調整方法、受信利得調整装置、及び受信装置等として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記のいずれかの実施形態又はその変形例における受信利得調整方法を実現するプログラム、該プログラムが記録された記録媒体であってもよい。また、例えば、上記のいずれかの実施形態又はその変形例における受信装置の受信方法、上記のいずれかの実施形態又はその変形例における受信装置を含む携帯機器(電子機器)等であってもよい。
10…受信回路、 12,400,400b…増幅器、
14,414,414a,414b…利得調整回路、 16,420…減衰回路、
100…電子キーシステム、 200…車両、 202…振幅変調信号、
204…信号、 300…電子キー、 310…受信部(受信装置)、 312…同調回路(受信器)、 314,314b…受信利得調整部(受信利得調整装置)、
316…復調器、 320…通信処理部、 322…利得調整処理部、
324…受信信号強度指示部、 330…送信部、 332…変調器、
334…送信器、 336…送信アンテナ、 340…コイル、
342…コンデンサー、 410,410b…利得制御回路、 412…比較回路、
416…時定数設定回路、 450…電位保持回路、
452,452a,452b…充放電回路、
454,454a,454b…充放電電流制御回路、
B1,B2,B3,B4…バースト信号(第1の有信号状態)、
C1,C2,C3,C4…通信データ、 CA…コンデンサー、 Cont…制御信号、
Ic1〜Ic4…充電用電流源、 Id1〜Id4…放電用電流源、
INV1…インバーター回路、 ND…ノード、
nTr1,nTr2,pTr1,pTr2…MOSトランジスター、 R1…抵抗素子、
SP1,SP2,SP3,SP4,SP5…スペース(無信号状態)、
SWn1〜SWn4,SWp1〜SWp4…スイッチ素子、
TP,TP1,TP2…開始パターン信号、 VR…可変抵抗、
Vref1,Vref2…基準電圧、 τ1…第1の時定数、
τ1´…調整用時定数(第4の時定数)、 τ2…第2の時定数、 τ3…第3の時定数

Claims (14)

  1. 振幅変調信号の受信利得を調整する受信利得調整方法であって、
    第1の有信号状態において、第1の時定数に応じた速度で前記振幅変調信号の受信利得を調整する第1の有信号状態調整ステップと、
    前記第1の有信号状態において、調整後の受信利得で増幅された増幅信号に対応した信号が所与の閾値以上になったとき、調整用時定数に応じた速度で前記振幅変調信号の受信利得を調整する第2の有信号状態調整ステップとを含むことを特徴とする受信利得調整方法。
  2. 請求項1において、
    前記調整用時定数は、
    前記第1の時定数より大きいことを特徴とする受信利得調整方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第1の有信号状態に続く無信号状態において、第2の時定数に応じた速度で前記受信利得を調整する無信号状態調整ステップを含むことを特徴とする受信利得調整方法。
  4. 請求項3において、
    前記調整用時定数は、
    前記第2の時定数より小さく、且つ、前記第1の時定数より大きいことを特徴とする受信利得調整方法。
  5. 請求項3又は4において、
    前記無信号状態の後の第2の有信号状態において、前記調整用時定数に応じた速度で前記受信利得を調整する第3の有信号状態調整ステップを含むことを特徴とする受信利得調整方法。
  6. 請求項3乃至5のいずれかにおいて、
    前記無信号状態の後に、調整後の前記受信利得で前記振幅変調信号を増幅した信号に基づいて所与の開始パターン信号を検出する開始パターン信号検出ステップと、
    前記開始パターン信号検出ステップにおいて前記開始パターン信号が検出された後、第3の時定数に応じた速度で前記受信利得を調整する第4の有信号状態調整ステップを含むことを特徴とする受信利得調整方法。
  7. 請求項6において、
    前記第3の時定数は、前記調整用時定数より大きいことを特徴とする受信利得調整方法。
  8. 請求項6又は7において、
    前記第3の時定数は、無限大であることを特徴とする受信利得調整方法。
  9. 請求項3乃至8のいずれかにおいて、
    前記第2の時定数は、前記第3の時定数と等しいことを特徴とする受信利得調整方法。
  10. 振幅変調信号の受信利得を調整する受信利得調整装置であって、
    前記振幅変調信号を増幅する増幅器と、
    前記増幅器の出力に基づいて、前記受信利得調整装置の利得を調整する利得調整回路と、
    前記利得調整回路による利得を調整する速度に対応した時定数を設定する時定数設定回路とを含み、
    第1の有信号状態において、第1の時定数に応じた速度で前記振幅変調信号の受信利得を調整した後、調整後の受信利得で増幅された増幅信号に対応した信号が所与の閾値以上になったとき、調整用時定数に応じた速度で前記振幅変調信号の受信利得を調整すると共に、
    前記第1の有信号状態に続く無信号状態において、前記調整用時定数より大きい第2の時定数に応じた速度で前記利得を変化させることを特徴とする受信利得調整装置。
  11. 請求項10において、
    前記無信号状態の後の第2の有信号状態において、前記調整用時定数に応じた速度で前記利得を変化させることを特徴とする受信利得調整装置。
  12. 請求項10又は11において、
    前記無信号状態の後に、調整後の前記受信利得で前記振幅変調信号を増幅した信号に基づいて所与の開始パターン信号が検出された後、第3の時定数に応じた速度で前記利得を変化させることを特徴とする受信利得調整装置。
  13. 請求項10乃至12のいずれかにおいて、
    前記利得調整回路は、
    所定のノードの電位を保持する電位保持回路と、
    1又は複数組の充電用電流源及び放電用電流源を有し、前記所定のノードの電荷を充放電させる電流を切り替える充放電回路とを含み、
    前記充放電回路により電荷が充放電された前記所定のノードの電位に応じて、前記利得を変化させることを特徴とする受信利得調整装置。
  14. 前記振幅変調信号を受信する受信器と、
    前記受信器によって受信された前記振幅変調信号の受信利得を調整する請求項10乃至13のいずれか記載の受信利得調整装置と、
    前記受信利得調整装置によって調整された受信利得で増幅された信号に基づいて復調する復調器とを含むことを特徴とする受信装置。
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