JP2012175543A - 動きベクトル検出装置、動きベクトル検出方法および動画像符号化装置 - Google Patents
動きベクトル検出装置、動きベクトル検出方法および動画像符号化装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 画質を維持しつつ、動きベクトルを検出する際の演算量の増加を抑制する。
【解決手段】 動きベクトル検出装置は、輝度画素および色差画素を含む2つの画像の不一致の程度を示すコストを、輝度画素を用いて計算し、動画像の符号化処理に必要な動きベクトルをコストに基づいて検出する動きベクトル検出部と、コストの計算に色差画素を用いるか否かを、2つの画像の一方の画像の色差画素の複雑さに基づいて判定する判定部とを有し、動きベクトル検出部は、判定部の判定結果がコストの計算に色差画素を用いることを示すとき、輝度画素および色差画素を用いてコストを計算する。
【選択図】 図6
【解決手段】 動きベクトル検出装置は、輝度画素および色差画素を含む2つの画像の不一致の程度を示すコストを、輝度画素を用いて計算し、動画像の符号化処理に必要な動きベクトルをコストに基づいて検出する動きベクトル検出部と、コストの計算に色差画素を用いるか否かを、2つの画像の一方の画像の色差画素の複雑さに基づいて判定する判定部とを有し、動きベクトル検出部は、判定部の判定結果がコストの計算に色差画素を用いることを示すとき、輝度画素および色差画素を用いてコストを計算する。
【選択図】 図6
Description
本発明は、動きベクトル検出装置、動きベクトル検出方法および動画像符号化装置に関する。
MPEGやH.264等の画像符号化方式では、動画像のデータを、フレーム間およびフレーム内の差分値に基づいて圧縮し、符号化する。この種の画像符号化方式では、フレームの符号化は、例えば、16×16画素のマクロブロック毎に実施される。なお、フレームは、例えば、動画像を構成する1枚の静止画像である。また、動画像の符号化方式で一般的に使用されるYCbCr色空間では、1画素は、輝度信号(Y)および2種類の色差信号(Cb、Cr)を有している。すなわち、1画素は、画面の明るさを示す輝度信号(輝度成分)と色を示す色差信号(色差成分)とを有している。
フレーム間(符号化対象のフレームと参照フレームとの間)の差分値に基づく符号化では、圧縮効率を高めるために、動き補償と呼ばれる技術が用いられる。動き補償では、例えば、符号化対象のマクロブロック(以下、符号化ブロックとも称する)に最も類似するブロック(以下、参照ブロックとも称する)を、参照フレームの中から検出する。そして、符号化ブロックと参照ブロックとの差分画像と、符号化ブロックに対する参照ブロックの位置(以下、動きベクトルとも称する)とが符号化される。
したがって、動き補償を用いた符号化方式では、符号化ブロック毎に、動きベクトルを検出する必要がある。動きベクトル検出処理では、例えば、参照ブロックの候補である複数の候補ブロックにおいて、コストをそれぞれ計算する。そして、動きベクトル検出処理では、最も小さいコストの候補ブロックの位置(符号化ブロックに対する相対的な位置)を、最適な動きベクトルとして検出する。なお、コストは、例えば、候補ブロックの画素と符号化ブロックの画素との差分絶対値和等である。
一般的に、動きベクトル検出処理では、演算量を減らすために、輝度成分のみがコストの計算に用いられる。これは、動画像の符号化方式で一般的に使用されるフォーマットでは、色差成分の解像度が輝度成分の解像度に比べて低いためである。例えば、YCbCr色空間における4:2:0フォーマットでは、色差成分の解像度は、輝度成分の4分の1である。なお、一般に、人間の目は、色差の変化より輝度の変化に敏感である。このため、輝度成分のみをコストの計算に用いても、画質の劣化は、抑制される。しかし、色差成分の複雑さ(テクスチャ等)が輝度成分より大きいときには、動きベクトルの検出精度が低下し、画質が劣化するおそれがある。
近年、輝度成分(Y)と色差成分(Cb、Cr)とを用いた演算をマクロブロック毎に実施して動きベクトルを検出する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、輝度成分と色差成分とを用いた演算を全てのマクロブロックに対して実施する動きベクトル検出処理では、画質の劣化は抑制されるが、演算量および消費電力は増加する。
本発明の目的は、画質を維持しつつ、動きベクトルを検出する際の演算量の増加を抑制することである。
本発明の一形態では、動きベクトル検出装置は、輝度画素および色差画素を含む2つの画像の不一致の程度を示すコストを、輝度画素を用いて計算し、動画像の符号化処理に必要な動きベクトルをコストに基づいて検出する動きベクトル検出部と、コストの計算に色差画素を用いるか否かを、2つの画像の一方の画像の色差画素の複雑さに基づいて判定する判定部とを有し、動きベクトル検出部は、判定部の判定結果がコストの計算に色差画素を用いることを示すとき、輝度画素および色差画素を用いてコストを計算する。
画質を維持しつつ、動きベクトルを検出する際の演算量の増加を抑制できる。
以下、実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、一実施形態における動きベクトル検出装置10の例を示している。
動きベクトル検出装置10は、例えば、動き補償と呼ばれる技術が用いられる動画像符号化装置(MPEGやH.264等に準拠した動画像符号化装置)に搭載される。例えば、動きベクトル検出装置10は、符号化対象のフレームの画像データDIN(以下、原画像データDINとも称する)と参照フレームの画像データRIN(以下、参照画像データRINとも称する)とを受け、動きベクトルMVを出力する。
動きベクトルMVは、画像の動き量を推定する情報であり、例えば、M×N画素のブロック毎に検出される。ブロックは、例えば、画面の明るさを示す輝度画素(輝度成分Y)と色を示す色差画素(色差成分Cb、Cr)とを有している。すなわち、原画像データDINおよび参照画像データRINは、輝度画素および色差画素を有している。
動きベクトルMVの検出では、符号化対象のブロック(以下、符号化ブロックとも称する)と参照フレーム内のブロック(以下、候補ブロックとも称する)との不一致の程度を示すコストが評価される。例えば、動きベクトル検出装置10は、最も小さいコストの候補ブロックの位置(符号化ブロックに対する相対的な位置)を、最適な動きベクトルとして検出する。なお、コストは、例えば、符号化ブロックの画素と候補ブロックの画素との差分絶対値和や差分二乗和である。差分絶対値和SADおよび差分二乗和SSDは、式(1)および式(2)でそれぞれ表される。
検出部30は、例えば、原画像データDINと参照画像データRINと判定部20の判定結果を受け、動きベクトルMVを検出する。例えば、検出部30は、動きベクトルMVの検出に色差画素を用いると判定されたとき、輝度画素および色差画素を用いて動きベクトルを検出する。また、例えば、検出部30は、動きベクトルMVの検出に色差画素を用いないと判定されたとき、輝度画素および色差画素のうち、輝度画素のみを用いて動きベクトルを検出する。
例えば、判定部20の判定結果がコストの計算に色差画素を用いないことを示すとき、検出部30は、輝度画素を用いてコストを計算し、最も小さいコストの候補ブロックの位置(符号化ブロックに対する相対的な位置)を、最適な動きベクトルとして検出する。また、例えば、判定部20の判定結果がコストの計算に色差画素を用いることを示すとき、検出部30は、輝度画素のコストおよび色差画素のコストをそれぞれ計算し、輝度画素のコストと色差画素のコストとの和を評価する。そして、検出部30は、最も小さいコストの候補ブロックの位置を、最適な動きベクトルとして検出する。
このように、検出部30は、判定部20の判定結果がコストの計算に色差画素を用いることを示すとき、輝度画素および色差画素を用いてコストを計算する。なお、検出部30は、式(1)の差分絶対値和SADをコストとして計算してもよいし、式(2)の差分二乗和SSDをコストとして計算してもよい。
図2は、YCbCr色空間のフォーマットの一例を示している。なお、図2は、YCbCr色空間における4:2:0フォーマットの概要を示している。例えば、図1に示した原画像データDINおよび参照画像データRINは、図2に示した4:2:0フォーマットに対応している。なお、動きベクトル検出装置10が扱うフォーマットは、4:2:0フォーマット以外でもよい。
4:2:0フォーマットでは、例えば、輝度画素PYは、1画素毎に生成される。色差画素PCbは、例えば、4つの画素(水平方向の2画素および垂直方向の2画素)を平均して算出され、4画素毎に生成される。色差画素PCrは、例えば、4つの画素(水平方向の2画素および垂直方向の2画素)を平均して算出され、4画素毎に生成される。すなわち、4:2:0フォーマットでは、色差画素PCb、PCrの解像度は、輝度画素PYの4分の1である。
したがって、4:2:0フォーマットでは、式(1)等の“K”や“L”は、ブロックのサイズが同じ場合でも、画素の種類(輝度画素PY、色差画素PCb、PCr)によって異なる。例えば、M×N画素のブロックでは、輝度画素PYの水平方向の画素数(式(1)および式(2)の“K”)は、M個であり、輝度画素PYの垂直方向の画素数(式(1)および式(2)の“L”)は、N個である。また、例えば、色差画素PCb、PCrの水平方向のそれぞれの画素数(式(1)および式(2)の“K”)は、M/2個であり、色差画素PCb、PCrの垂直方向のそれぞれの画素数(式(1)および式(2)の“L”)は、N/2個である。
図3は、図1に示した判定部20の判定方法の一例を示している。図3の閾値TH10、TH20は、予め設定される閾値である。例えば、閾値TH10は、閾値TH20より大きい値であり、閾値TH20は、“0”より大きい値である。また、図3の複雑さCPLcb、CPLcrは、符号化対象の画像(例えば、符号化ブロック)の色差画素PCb、PCrの複雑さを示している。図3に示した判定方法1では、例えば、判定部20は、条件1、条件2、条件3のいずれかの条件が満たされるとき、動きベクトルMVの検出に色差画素PCbおよび色差画素PCrの少なくとも一方を用いると判定する。
条件1は、色差画素PCbの複雑さCPLcbが閾値TH10より大きいことである。例えば、判定部20は、条件1が満たされるとき、色差画素PCbの複雑さが大きいと判定する。
条件2は、色差画素PCrの複雑さCPLcrが閾値TH10より大きいことである。例えば、判定部20は、条件2が満たされるとき、色差画素PCrの複雑さが大きいと判定する。
条件3は、色差画素PCbの複雑さCPLcbが閾値TH20より大きく、かつ、色差画素PCrの複雑さCPLcrが閾値TH20より大きいことである。例えば、判定部20は、条件3が満たされるとき、色差画素PCb、PCrの両方の複雑さが大きいと判定する。
このように、判定部20は、例えば、条件1、条件2、条件3のいずれかの条件が満たされるとき、色差画素PCbおよび色差画素PCrの少なくとも一方の複雑さが大きいと判定する。換言すれば、判定部20は、例えば、条件1、条件2、条件3のいずれの条件も満たされないとき、色差画素PCb、PCrの複雑さが小さいと判定する。
ここで、複雑さCPL(CPLcb、CPLcr)は、例えば、画素のエッジ強度、画素のアクティビティ、画素値の偏差平方和の少なくとも1つを用いて評価される。なお、エッジ強度は、例えば、Sobelフィルタ等のエッジ抽出フィルタを用いて抽出される。例えば、画素のエッジ強度の累計値STRは、式(3)で表される。また、画素のアクティビティACTおよび画素値の偏差平方和Sは、式(4)および式(5)でそれぞれ表される。以下、エッジ強度の累計値STRをエッジ強度累計値STRとも称する。
したがって、複雑さCPLの評価に画素値の偏差平方和Sを用いることは、複雑さCPLの評価に画素値の分散および画素値の標準偏差の少なくとも1つを用いることも含んでいる。すなわち、複雑さCPLは、画素のエッジ強度、画素のアクティビティACT、画素値の分散および画素値の標準偏差の少なくとも1つを用いて評価されてもよい。
例えば、判定部20は、色差画素PCbの複雑さCPLcbとして色差画素PCbのエッジ強度累計値STRを評価し、色差画素PCrの複雑さCPLcrとして色差画素PCrのエッジ強度累計値STRを評価する。あるいは、判定部20は、色差画素PCbの複雑さCPLcbとして色差画素PCbのアクティビティACTを評価し、色差画素PCrの複雑さCPLcrとして色差画素PCrのアクティビティACTを評価してもよい。
また、例えば、複雑さCPLは、画素のアクティビティACT、画素値の分散および画素値の標準偏差の少なくとも1つと画素のエッジ強度とを組み合わせて評価されてもよい。例えば、画素のアクティビティACTと画素のエッジ強度とを組み合わせて複雑さCPLが評価されるとき、複雑さCPLは、画素のアクティビティACTに対する重みW1および画素のエッジ強度累計値STRに対する重みW2を用いて、式(6)で表される。
判定方法1では、色差画素PCb、PCrの複雑さと予め設定された閾値TH10、TH20とを比較しているため、条件1等を満たすか否かの判定を簡易に実施できる。したがって、判定方法1では、動きベクトルMVの検出に色差画素PCb、PCrを用いるか否かを判定する際の演算量が増加することを抑制できる。
なお、判定部20の判定方法は、この例に限定されない。例えば、判定部20は、条件1が満たされるか否かのみを判定してもよいし、条件2が満たされるか否かのみを判定してもよい。すなわち、判定部20は、色差画素PCbの複雑さCPLcbおよび色差画素PCrの複雑さCPLcrの一方のみを評価し、動きベクトルMVの検出に色差画素PCb、PCrを用いるか否かを判定してもよい。この場合、動きベクトルMVの検出に色差画素PCb、PCrを用いるか否かを判定する際の演算量を削減できる。
図4は、図1に示した判定部20の判定方法の別の例を示している。図4の閾値TH11、TH21は、予め設定される閾値である。例えば、閾値TH11は、閾値TH21より大きい値であり、閾値TH21は、“0”より大きい値である。また、図4の複雑さCPLcb、CPLcr、CPLyは、符号化対象の画像(例えば、符号化ブロック)の色差画素PCb、PCrおよび輝度画素PYの複雑さをそれぞれ示している。
例えば、複雑さCPL(CPLcb、CPLcr、CPLy)は、図3と同様に、画素のエッジ強度、画素のアクティビティACT、画素値の偏差平方和Sの少なくとも1つを用いて評価される。なお、複雑さCPLは、画素のアクティビティACTおよび画素値の偏差平方和Sの少なくとも1つと画素のエッジ強度とを組み合わせて評価されてもよい。
図4に示した判定方法2では、例えば、判定部20は、条件4、条件5、条件6のいずれかの条件が満たされるとき、動きベクトルMVの検出に色差画素PCbおよび色差画素PCrの少なくとも一方を用いると判定する。
条件4は、色差画素PCbの複雑さCPLcbが輝度画素PYの複雑さCPLyと閾値TH11との積より大きいことである。例えば、判定部20は、条件4が満たされるとき、色差画素PCbの複雑さが大きいと判定する。
条件5は、色差画素PCrの複雑さCPLcrが輝度画素PYの複雑さCPLyと閾値TH11との積より大きいことである。例えば、判定部20は、条件5が満たされるとき、色差画素PCrの複雑さが大きいと判定する。
条件6は、色差画素PCbの複雑さCPLcbが輝度画素PYの複雑さCPLyと閾値TH21との積より大きく、かつ、色差画素PCrの複雑さCPLcrが輝度画素PYの複雑さCPLyと閾値TH21との積より大きいことである。例えば、判定部20は、条件6が満たされるとき、色差画素PCb、PCrの両方の複雑さが大きいと判定する。
このように、判定部20は、例えば、条件4、条件5、条件6のいずれかの条件が満たされるとき、色差画素PCbおよび色差画素PCrの少なくとも一方の複雑さが大きいと判定する。換言すれば、判定部20は、例えば、条件4、条件5、条件6のいずれの条件も満たされないとき、色差画素PCb、PCrの複雑さが小さいと判定する。
判定方法2では、輝度画素PYの複雑さに対する色差画素PCb、PCrの複雑さを評価するため、動きベクトルMVの検出に色差画素PCb、PCrを用いるか否かを適切に判定できる。なお、判定部20の判定方法は、この例に限定されない。例えば、判定部20は、条件4が満たされるか否かのみを判定してもよいし、条件5が満たされるか否かのみを判定してもよい。すなわち、判定部20は、色差画素PCbの複雑さCPLcbおよび色差画素PCrの複雑さCPLcrの一方のみを評価し、動きベクトルMVの検出に色差画素PCb、PCrを用いるか否かを判定してもよい。
図5は、図1に示した判定部20の判定方法の別の例を示している。図5に示した判定方法3では、図3に示した条件1−条件3と図4に示した条件4−条件6とを組み合わせて、複雑さCPLが評価される。なお、図5および式(7)−式(10)の重みW10、W11、W20、W21、W30、W31は、各条件(図3および図4に示した条件1−条件6にそれぞれ対応する条件)に対する重みであり、0以上1以下の実数である。例えば、重みW10と重みW11との和は、“1”である。また、重みW20と重みW21との和は、“1”である。そして、重みW30と重みW31との和は、“1”である。
また、図5および式(7)−式(10)の閾値TH10、TH11、TH20、TH21は、予め設定される閾値である。例えば、閾値TH10、閾値TH20の条件は、図3に示した閾値TH10、TH20と同じであり、閾値T11、TH21の条件は、図4に示した閾値TH11、TH21と同じである。図5の複雑さCPLcb、CPLcr、CPLyは、符号化対象の画像(例えば、符号化ブロック)の色差画素PCb、PCrおよび輝度画素PYの複雑さをそれぞれ示している。
例えば、複雑さCPL(CPLcb、CPLcr、CPLy)は、図3および図4と同様に、画素のエッジ強度、画素のアクティビティACT、画素値の偏差平方和Sの少なくとも1つを用いて評価される。なお、複雑さCPLは、画素のアクティビティACTおよび画素値の偏差平方和Sの少なくとも1つと画素のエッジ強度とを組み合わせて評価されてもよい。
図5に示した判定方法3では、例えば、判定部20は、条件7、条件8、条件9のいずれかの条件が満たされるとき、動きベクトルMVの検出に色差画素PCbおよび色差画素PCrの少なくとも一方を用いると判定する。
条件7は、条件1と条件4とを組み合わせた条件に対応している。条件7は、図5に示したように、式(7)で表される。例えば、判定部20は、条件7(式(7))が満たされるとき、色差画素PCbの複雑さが大きいと判定する。
判定方法3では、例えば、重みW10、W11、W20、W21、W30、W31を調整することにより、様々な画像に対応できる。なお、判定部20の判定方法は、この例に限定されない。例えば、判定部20は、条件7が満たされるか否かのみを判定してもよいし、条件8が満たされるか否かのみを判定してもよい。すなわち、判定部20は、色差画素PCbの複雑さCPLcbおよび色差画素PCrの複雑さCPLcrの一方のみを評価し、動きベクトルMVの検出に色差画素PCb、PCrを用いるか否かを判定してもよい。
図6は、図1に示した動きベクトル検出装置10の動作の一例を示している。図6の動作は、ハードウエアのみで実現されてもよく、ハードウエアをソフトウエアにより制御することにより実現されてもよい。図6の動作では、判定部20は、動きベクトルMVの検出に色差画素PCb、PCrを用いるか否かの判定を、マクロブロックMB毎に実施する。なお、図6では、判定部20の判定方法が図4で説明した判定方法2のときを例にして説明する。
処理S100では、判定部20は、符号化対象のマクロブロックMB(符号化ブロック)の色差画素PCb、PCrの複雑さを判定する。例えば、判定部20は、マクロブロックMBの色差画素PCb、PCrの複雑さを、エッジ強度累計値STR(式(3))を用いて判定する。例えば、4:2:0フォーマットの16×16画素のマクロブロックMBでは、輝度画素PY、色差画素PCb、PCrのそれぞれの複雑さを示すエッジ強度累計値STRy、STRcb、STRcrは、式(11)、式(12)および式(13)でそれぞれ表される。
また、図4で説明した条件4、条件5および条件6は、閾値TH11、TH21を用いて、式(14)、式(15)および式(16)で表される。閾値TH11、TH21は、図4で説明したように、予め設定される閾値である。例えば、閾値TH11は、閾値TH21より大きい値であり、閾値TH21は、“0”より大きい値である。
ここで、エッジ強度の情報は、例えば、動きベクトル検出装置10が搭載される動画像符号化装置において、イントラ予測のモードを事前に選択する処理等に再利用できる。このため、この実施形態では、動きベクトル検出装置10を含む動画像符号化装置の演算量が増加することを抑制できる。あるいは、動きベクトル検出装置10は、動画像符号化装置のエッジ抽出フィルタ等で抽出されるエッジ強度の情報を、色差画素PCb、PCrの複雑さの判定に再利用してもよい。この場合、動きベクトル検出装置10は、色差画素PCb、PCrの複雑さを判定する際の演算量を削減できる。
処理S110では、検出部30は、例えば、符号化ブロックの動きベクトルMVの候補となる複数の動きベクトルMVから1つの動きベクトルを選択する。
処理S120では、検出部30は、処理S110で選択した動きベクトルMVに基づくブロック(参照フレーム内のブロック)と符号化ブロックとの輝度画素PYのコスト(輝度コスト)を計算する。例えば、検出部30は、式(1)に基づいて、輝度画素PYの差分絶対値和SADを計算する。
処理S130では、検出部30は、処理S100の判定結果(判定部20の判定結果)に基づいて、色差画素PCb、PCrのコストを計算するか否かを判定する。例えば、処理S100で色差画素PCb、PCrが複雑であると判定されているとき(処理S130のYes)、検出部30の動作は、処理S140に移る。すなわち、式(14)、式(15)および式(16)のいずれかが満たされるとき、検出部30は、処理S140を実施する。一方、処理S100で色差画素PCb、PCrが複雑でないと判定されているとき(処理S130のNo)、検出部30の動作は、処理S150に移る。すなわち、式(14)、式(15)および式(16)のいずれも満たされないとき、検出部30は、処理S140を実施せずに、処理S150を実施する。
処理S140では、検出部30は、処理S110で選択した動きベクトルMVに基づくブロックと符号化ブロックとの色差画素PCb、PCrのコストをそれぞれ計算する。そして、検出部30は、処理S120で計算した輝度画素PYのコストに、色差画素PCbのコストおよび色差画素PCrのコストを加算する。これにより、輝度画素PYのコストと色差画素PCbのコストと色差画素PCrのコストとの和が、処理S150で評価される。
例えば、検出部30は、式(1)に基づいて、色差画素PCbの差分絶対値和SADおよび色差画素PCrの差分絶対値和SADをそれぞれ計算する。そして、検出部30は、輝度画素PYの差分絶対値和SADに、色差画素PCbの差分絶対値和SADおよび色差画素PCrの差分絶対値和SADを加算する。
処理S150では、検出部30は、コストの大きさに基づいて、動きベクトルMVを更新する。例えば、処理S160でループする前(1回目の動作)では、検出部30は、処理S110で選択した動きベクトルMVおよび処理S120等で計算したコストを保持する。そして、処理S160でのループが実施された後は、検出部30は、ループが実行される度に、処理S110で選択した動きベクトルMVをコストに基づいて評価する。例えば、検出部30は、今回のループの処理S120等で計算したコストと前回のループの処理S150で保持したコストとを比較する。
そして、検出部30は、保持しているコストを値が小さい方のコストに更新するとともに、保持している動きベクトルMVをコストが小さい方の動きベクトルMVに更新する。すなわち、検出部30は、評価済みの動きベクトルMVの中で最も小さいコストの動きベクトルMVを保持する。これにより、評価済みの動きベクトルMVの中で最適な動きベクトルMVが保持される。
なお、処理S150で比較されるコストは、色差画素PCb、PCrが複雑のときには、輝度画素PYのコストと色差画素PCbのコストと色差画素PCrのコストとの和である。したがって、この実施形態では、例えば、色差成分Cr、Cbの複雑さ(テクスチャ等)が輝度成分Yより大きいときにも、動きベクトルの検出精度を向上できる。これにより、この実施形態では、動きベクトルMVを使用して符号化される画像の品質が劣化することを防止できる。
また、色差画素PCb、PCrが複雑でないときには、処理S150で比較されるコストは、輝度画素PYのコストのみである。すなわち、この実施形態では、色差画素PCb、PCrが複雑でないとき、色差画素PCb、PCrのコストの計算は実施されない。これにより、この実施形態では、動きベクトルMVを検出する際の演算量の増加を抑制できる。この結果、この実施形態では、動きベクトルMVを検出する際の消費電力の増加を抑制できる。
処理S160では、検出部30は、動きベクトルMVの探索が終了したか否かを判定する。例えば、検出部30は、符号化ブロック(処理S100で複雑さが判定されたマクロブロックMB)の動きベクトルMVの候補となる複数の動きベクトルMVを全て評価したか否かを判定する。動きベクトルMVの探索が終了したとき(処理S160のYes)、検出部30の動作は、処理S170に移る。
一方、動きベクトルMVの探索が終了していないとき(処理S160のNo)、検出部30の動作は、処理S110に戻る。このように、検出部30は、符号化ブロックの動きベクトルMVの候補となる複数の動きベクトルMVを全て評価するまで、処理S110−処理S160を繰り返す。なお、2回目以降のループの処理S110では、検出部30は、例えば、符号化ブロックの動きベクトルMVの候補となる複数の動きベクトルMVから未評価の動きベクトルを選択する。
処理S170では、検出部30は、符号化ブロックの動きベクトルMVを確定する。例えば、検出部30は、処理S150で更新した動きベクトルMV(評価された動きベクトルMVの中で最も小さいコストの動きベクトルMV)を、最適な動きベクトルMVとして出力する。なお、検出部30は、例えば、最適な動きベクトルMVをメモリ等に記憶してもよい。
処理S180では、検出部30は、動きベクトルMVの検出が全てのマクロブロックMBで終了したか否かを判定する。動きベクトルMVの検出が全てのマクロブロックMBで終了したとき(処理S180のYes)、検出部30の動作が終了し、動きベクトル検出装置10の動作が終了する。一方、動きベクトルMVの検出が終了していないマクロブロックMBが存在するとき(処理S180のNo)、動きベクトル検出装置10の動作は、処理S100に戻る。このように、動きベクトル検出装置10は、符号化対象のフレームの全てのマクロブロックMBの動きベクトルMVを検出するまで、処理S100−処理S180を繰り返す。
なお、動きベクトル検出装置10の動作は、この例に限定されない。例えば、判定部20の処理は、検出部30の処理と並列に実行されてもよい。また、例えば、処理S100では、判定部20は、動きベクトルMVの検出に色差画素PCb、PCrを用いるか否かを、図3で説明した判定方法1や図5で説明した判定方法3に基づいて判定してもよい。さらに、判定部20は、画素のアクティビティACTや画素値の偏差平方和Sを用いて色差画素PCb、PCrの複雑さを判定してもよい。あるいは、判定部20は、画素のアクティビティACTや画素値の偏差平方和Sと画素のエッジ強度とを組み合わせて色差画素PCb、PCrの複雑さを判定してもよい。
また、処理S120、S140では、検出部30は、式(2)に基づいて、画素の差分二乗和SSDをコストとして計算してもよい。さらに、処理S140では、図7に示すように、検出部30は、色差画素PCb、PCrの一方のみが複雑のとき、複雑な色差画素(色差画素PCb、PCrの一方)のコストのみを輝度画素PYのコストに加算してもよい。
図7は、図1に示した動きベクトル検出装置10の動作の一例を示している。図7の動作は、ハードウエアのみで実現されてもよく、ハードウエアをソフトウエアにより制御することにより実現されてもよい。図7の動作では、判定部20は、動きベクトルMVの検出に色差画素PCb、PCrを用いるか否かの判定を、ピクチャ(1フレームの画像)毎に実施する。例えば、図7の動作では、図6の動作に処理S102、S132、S134、S142、S144が追加され、処理S100の代わりに処理S104が実施される。図6で説明した処理については、詳細な説明を省略する。なお、図7では、判定部20の判定方法が図3で説明した判定方法1のときを例にして説明する。
処理S102では、判定部20は、符号化対象のピクチャの色差画素PCb、PCrの複雑さを判定する。例えば、判定部20は、ピクチャの色差画素PCb、PCrの複雑さを、アクティビティACT(式(4))を用いて判定する。アクティビティACTは、例えば、動きベクトル検出装置10が搭載される動画像符号化装置において、ビットレートを制御する処理等に再利用できる。このため、この実施形態では、動きベクトル検出装置10を含む動画像符号化装置の演算量が増加することを抑制できる。
あるいは、動きベクトル検出装置10は、例えば、動画像符号化装置でアクティビティACTが算出されるとき、動画像符号化装置で算出されるアクティビティACTを色差画素PCb、PCrの複雑さの判定に再利用できる。この場合、動きベクトル検出装置10は、色差画素PCb、PCrの複雑さを判定する際の演算量を削減できる。
なお、色差画素PCb、PCrの複雑さをアクティビティACTで判定する場合、図3で説明した条件1、条件2および条件3は、アクティビティACTcb、ACTcr、閾値TH10、TH20を用いて、式(17)、式(18)および式(19)でそれぞれ表される。アクティビティACTcb、ACTcrは、ピクチャの色差画素PCb、PCrのそれぞれのアクティビティであり、式(4)に基づいてそれぞれ算出される。また、閾値TH10、TH20は、図3で説明したように、予め設定される閾値である。例えば、閾値TH10は、閾値TH20より大きい値であり、閾値TH20は、“0”より大きい値である。
処理S104では、検出部30は、例えば、動きベクトルMVの検出対象のマクロブロックMB(符号化ブロック)を選択する。処理S110−S130では、検出部30は、図6で説明した動作を実施する。なお、処理S130の判定結果後(処理S130のYes)に実施される処理は、図6と相違している。図7の動作では、検出部30は、処理S102で色差画素PCb、PCrが複雑であると判定されているとき(処理S130のYes)、処理S132を実施する。
処理S132では、検出部30は、処理S102の判定結果(判定部20の判定結果)に基づいて、色差画素PCb、PCrの両方のコストを計算するか否かを判定する。例えば、処理S102で色差画素PCb、PCrの両方が複雑であると判定されているとき(処理S132のYes)、検出部30の動作は、処理S140に移る。すなわち、式(19)が満たされるとき、検出部30は、処理S140を実施する。
一方、処理S102で色差画素PCb、PCrの一方が複雑でないと判定されているとき(処理S132のNo)、検出部30の動作は、処理S134に移る。すなわち、式(19)が満たされないとき、検出部30は、処理S140を実施せずに、処理S134を実施する。
処理S134では、検出部30は、処理S102の判定結果(判定部20の判定結果)に基づいて、色差画素PCbのコストを計算するか否かを判定する。例えば、処理S102で色差画素PCbのみが複雑であると判定されているとき(処理S134のYes)、検出部30の動作は、処理S142に移る。すなわち、式(17)が満たされ、かつ、式(19)が満たされないとき、検出部30は、処理S142を実施する。
一方、処理S102で色差画素PCbが複雑でないと判定されているとき(処理S134のNo)、検出部30の動作は、処理S144に移る。すなわち、式(18)が満たされ、かつ、式(19)が満たされないとき、検出部30は、処理S144を実施する。
処理S140では、検出部30は、処理S120で計算した輝度画素PYのコストに、色差画素PCbのコストおよび色差画素PCrのコストを加算する。これにより、色差画素PCb、PCrの両方が複雑であるときには、輝度画素PYのコストと色差画素PCbのコストと色差画素PCrのコストとの和が、処理S150で評価される。
処理S142では、検出部30は、処理S110で選択した動きベクトルMVに基づくブロックと符号化ブロックとの色差画素PCbのコストを計算する。そして、検出部30は、処理S120で計算した輝度画素PYのコストに、色差画素PCbのコストを加算する。これにより、色差画素PCb、PCrのうち、色差画素PCbのみが複雑であるときには、輝度画素PYのコストと色差画素PCbのコストとの和が、処理S150で評価される。
処理S144では、検出部30は、処理S110で選択した動きベクトルMVに基づくブロックと符号化ブロックとの色差画素PCrのコストを計算する。そして、検出部30は、処理S120で計算した輝度画素PYのコストに、色差画素PCrのコストを加算する。これにより、色差画素PCb、PCrのうち、色差画素PCrのみが複雑であるときには、輝度画素PYのコストと色差画素PCrのコストとの和が、処理S150で評価される。
このように、図7の動作では、色差画素PCb、PCrのうち、複雑でない色差画素のコストの計算は実施されない。これにより、この実施形態では、動きベクトルMVを検出する際の演算量の増加を抑制できる。なお、処理S120、S140、S142、S144では、検出部30は、画素の差分絶対値和SAD(式(1))をコストとして計算してもよし、画素の差分二乗和SSD(式(2))をコストとして計算してもよい。
処理S150−S180では、検出部30は、図6で説明した動作を実施する。なお、処理S180の判定結果後(処理S180のNo)に実施される処理は、図6と相違している。図7の動作では、動きベクトルMVの検出が終了していないマクロブロックMBが存在するとき(処理S180のNo)、例えば、検出部30の動作は、処理S104に戻る。
なお、動きベクトル検出装置10の動作は、この例に限定されない。例えば、検出部30は、図6に示したように、処理S132、S134、S142、S144を省いて実施してもよい。あるいは、判定部20は、処理S102において、色差画素PCb、PCrの複雑さの判定をピクチャ内のマクロブロック毎に実施してもよい。そして、判定部20は、各マクロブロックの判定結果(複雑と判定したマクロブロックの数等)に基づいてピクチャの色差画素PCb、PCrの複雑さを判定してもよい。
また、例えば、処理S102では、判定部20は、動きベクトルMVの検出に色差画素PCb、PCrを用いるか否かを、図4で説明した判定方法2や図5で説明した判定方法3に基づいて判定してもよい。さらに、判定部20は、画素のエッジ強度や画素値の偏差平方和Sを用いて色差画素PCb、PCrの複雑さを判定してもよい。あるいは、判定部20は、画素のアクティビティACTや画素値の偏差平方和Sと画素のエッジ強度とを組み合わせて色差画素PCb、PCrの複雑さを判定してもよい。
図8は、図1に示した動きベクトル検出装置10が搭載される動画像符号化装置ENCの一例を示している。動画像符号化装置ENCは、例えば、MPEGやH.264等に準拠した動画像符号化装置である。
動画像符号化装置ENCは、動きベクトル検出装置10、インター予測部40、イントラ予測部50、選択部60、差分算出部70、直交変換部80、量子化部90、可変長符号化部100、逆量子化部110、逆直交変換部120、加算部130およびフィルタ部140を有している。
インター予測部40は、例えば、原画像データDIN(符号化対象のフレームの画像データDIN)と、参照画像データRIN(参照フレームの画像データRIN)と、動きベクトル検出装置10により検出された動きベクトルMVとを受ける。そして、インター予測部40は、例えば、動きベクトル検出装置10により検出された動きベクトルMVに基づいて動き補償処理を実施し、フレーム間予測画像を生成する。
イントラ予測部50は、例えば、原画像データDINと、加算部13からのデータとを受ける。そして、イントラ予測部50は、例えば、フレーム内予測を実施し、イントラ予測画像を生成する。
選択部60は、例えば、フレーム間予測画像およびイントラ予測画像の圧縮率等の情報に基づいて、インター予測部40の出力(フレーム間予測画像)およびイントラ予測部50の出力(イントラ予測画像)のいずれかを選択する。差分算出部70は、原画像データDINと選択部60により選択された予測画像との差分を算出する。
直交変換部80は、差分算出部70から受けたデータ(差分画像)を直交変換する。これにより、離散信号が周波数領域の信号に変換される。量子化部90は、直交変換部80から受けたデータを量子化する。量子化部90により量子化されたデータは、逆量子化部110および可変長符号化部100に出力される。可変長符号化部100は、量子化部90から受けたデータを可変長符号化する。これにより、出力ストリームDOUT(符号化された画像)が生成される。
逆量子化部110は、量子化部90から受けたデータを逆量子化する。逆直交変換部120は、逆量子化部110から受けたデータを逆直交変換する。加算部130は、逆直交変換部120から受けたデータと選択部60により選択された予測画像とを加算して、ローカルデコード画像をフィルタ部140に出力する。
フィルタ部140は、例えば、加算部130から受けたローカルデコード画像に対して、マクロブロック等のブロック境界を平滑化するためのデブロッキングフィルタ処理を実施する。フィルタ部140によりフィルタ処理されたローカルデコード画像LOUTは、次のフレームを符号化する際に参照される。すなわち、フィルタ部140から出力されたローカルデコード画像LOUTは、次のフレームを符号化する際に参照フレームとして用いられる。
なお、動画像符号化装置ENCの構成は、この例に限定されない。例えば、インター予測部40は、動きベクトル検出装置10を含んで構成されてもよいし、動きベクトル検出装置10の一部(例えば、検出部30)を含んで構成されてもよい。
以上、この実施形態では、動きベクトル検出装置10は、動きベクトルMVの検出に色差画素PCb、PCrを用いるか否かを色差画素PCb、PCrの複雑さに基づいて判定する。そして、動きベクトル検出装置10は、色差画素PCb、PCrの少なくとも一方が複雑であるとき、色差画素PCb、PCrの少なくとも一方のコストと輝度画素PYのコストとの和に基づいて、動きベクトルMVを検出する。これにより、この実施形態では、色差画素PCr、PCbの複雑さが大きいときにも、最適な動きベクトルMVを検出できる。この結果、この実施形態では、動きベクトルMVを使用して符号化される画像の品質が劣化することを防止できる。
また、動きベクトル検出装置10は、色差画素PCb、PCrが複雑でないとき、色差画素PCb、PCrのコストを用いずに、輝度画素PYのコストに基づいて動きベクトルMVを検出する。これにより、この実施形態では、動きベクトルMVを検出する際の演算量の増加を抑制できる。したがって、この実施形態では、画質を維持しつつ、動きベクトルMVを検出する際の演算量の増加を抑制できる。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずであり、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。
10‥動きベクトル検出装置;20‥判定部;30‥検出部;40‥インター予測部;50‥イントラ予測部;60‥選択部;70‥差分算出部;80‥直交変換部;90‥量子化部;100‥可変長符号化部;110‥逆量子化部;120‥逆直交変換部;130‥加算部;140‥フィルタ部;ENC‥動画像符号化装置
Claims (13)
- 輝度画素および色差画素を含む2つの画像の不一致の程度を示すコストを、前記輝度画素を用いて計算し、動画像の符号化処理に必要な動きベクトルを前記コストに基づいて検出する動きベクトル検出部と、
前記コストの計算に前記色差画素を用いるか否かを、前記2つの画像の一方の画像の前記色差画素の複雑さに基づいて判定する判定部とを備え、
前記動きベクトル検出部は、前記判定部の判定結果が前記コストの計算に前記色差画素を用いることを示すとき、前記輝度画素および前記色差画素を用いて前記コストを計算すること
を特徴とする動きベクトル検出装置。 - 前記判定部は、前記一方の画像の前記色差画素の複雑さと前記一方の画像の前記輝度画素の複雑さとを比較し、比較結果に基づいて、前記コストの計算に前記色差画素を用いるか否かを判定すること
を特徴とする請求項1記載の動きベクトル検出装置。 - 前記色差画素は複数種であり、
前記判定部は、前記複数種のうちの少なくとも1種類を用いて、前記一方の画像の前記色差画素の複雑さを評価すること
を特徴とする請求項1記載の動きベクトル検出装置。 - 前記判定部は、前記一方の画像の前記色差画素の複雑さと予め設定された閾値との比較結果に基づく判定条件と、前記一方の画像の前記色差画素の複雑さと前記一方の画像の前記輝度画素の複雑さとの比較結果に基づく判定条件とを組み合わせて、前記コストの計算に前記色差画素を用いるか否かを判定すること
を特徴とする請求項1記載の動きベクトル検出装置。 - 前記判定部は、画素のエッジ強度、画素のアクティビティ、画素値の分散および画素値の標準偏差の少なくとも1つを用いて、前記一方の画像の前記色差画素の複雑さを評価すること
を特徴とする請求項1記載の動きベクトル検出装置。 - 前記判定部は、前記アクティビティ、前記分散および前記標準偏差の少なくとも1つと前記エッジ強度とを組み合わせて、前記一方の画像の前記色差画素の複雑さを評価すること
を特徴とする請求項5記載の動きベクトル検出装置。 - 動画像の符号化処理に必要な動きベクトルを検出する動きベクトル検出方法において、
輝度画素および色差画素を含む2つの画像の不一致の程度を示すコストの計算に、前記色差画素を用いるか否かを、前記2つの画像の一方の画像の前記色差画素の複雑さに基づいて判定し、
前記コストの計算に前記色差画素を用いないと判定したとき、前記輝度画素を用いて前記コストを計算し、
前記コストの計算に前記色差画素を用いると判定したとき、前記輝度画素および前記色差画素を用いて前記コストを計算し、
前記コストに基づいて前記動きベクトルを検出すること
を特徴とする動きベクトル検出方法。 - 前記一方の画像の前記色差画素の複雑さと前記一方の画像の前記輝度画素の複雑さとを比較し、比較結果に基づいて、前記コストの計算に前記色差画素を用いるか否かを判定すること
を特徴とする請求項7記載の動きベクトル検出方法。 - 前記一方の画像の前記色差画素が複数種の場合、前記複数種のうちの少なくとも1種類を用いて、前記一方の画像の前記色差画素の複雑さを評価すること
を特徴とする請求項7記載の動きベクトル検出方法。 - 前記一方の画像の前記色差画素の複雑さと予め設定された閾値との比較結果に基づく判定条件と、前記一方の画像の前記色差画素の複雑さと前記一方の画像の前記輝度画素の複雑さとの比較結果に基づく判定条件とを組み合わせて、前記コストの計算に前記色差画素を用いるか否かを判定すること
を特徴とする請求項7記載の動きベクトル検出方法。 - 画素のエッジ強度、画素のアクティビティ、画素値の分散および画素値の標準偏差の少なくとも1つを用いて、前記一方の画像の前記色差画素の複雑さを評価すること
を特徴とする請求項7記載の動きベクトル検出方法。 - 前記アクティビティ、前記分散および前記標準偏差の少なくとも1つと前記エッジ強度とを組み合わせて、前記一方の画像の前記色差画素の複雑さを評価すること
を特徴とする請求項11記載の動きベクトル検出方法。 - 動画像の符号化処理に必要な動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置と、
前記動きベクトル検出装置により検出された前記動きベクトルを用いて、予測画像を生成する予測部とを備え、
前記動きベクトル検出装置は、
輝度画素および色差画素を含む2つの画像の不一致の程度を示すコストを、前記輝度画素を用いて計算し、前記動きベクトルを前記コストに基づいて検出する動きベクトル検出部と、
前記コストの計算に前記色差画素を用いるか否かを、前記2つの画像の一方の画像の前記色差画素の複雑さに基づいて判定する判定部とを含み、
前記動きベクトル検出部は、
前記判定部の判定結果が前記コストの計算に前記色差画素を用いることを示すとき、前記輝度画素および前記色差画素を用いて前記コストを計算すること
を特徴とする動画像符号化装置。
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