JP2012173365A - 画像形成装置 - Google Patents

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JP2012173365A JP2011032638A JP2011032638A JP2012173365A JP 2012173365 A JP2012173365 A JP 2012173365A JP 2011032638 A JP2011032638 A JP 2011032638A JP 2011032638 A JP2011032638 A JP 2011032638A JP 2012173365 A JP2012173365 A JP 2012173365A
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Abstract

【課題】画像形成時に商用電源の許容電力を従来よりも有効に利用して、定着加熱装置に効率よく電力を供給可能にする。
【解決手段】画像形成装置1は、励磁コイル43の電圧値、ローラ温度、及び励磁コイル43に供給すべき電力に基づいて算出されるテーブル制御により励磁コイル43の高周波電流の周波数を設定する第1周波数制御部411と、上限電力算出部513によって算出された上限電力が、定着電力算出部511によって算出された定着電力を下回った場合には、第1周波数制御部411が励磁コイル43の高周波電流の周波数の算出に用いる上記電力として上限電力を選択し、当該上限電力が上記定着電力を下回っていない場合には、第1周波数制御部411が当該周波数算出に用いる上記電力として上記定着電力を選択する選択部とを備える。
【選択図】図2

Description

誘導加熱方式の定着加熱装置による定着加熱を制御する技術に関する。
励磁コイルに高周波電流を供給して被加熱体を発熱させる誘導加熱方式の定着加熱装置、及びこれを搭載した画像形成装置が知られている。この定着加熱装置は、励磁コイルに供給する高周波電流の周波数を高くするほど定着加熱装置で消費する電力は低くなり、高周波電流の周波数を低くするほど定着加熱装置で消費する電力は高くなる特性がある。当該定着加熱装置では、被加熱体の温度を一定に維持するために必要な電力に近付けるために、実際の加熱時における消費電力をフィードバックし、この消費電力に応じて高周波電流の周波数をPID制御することで安定した電力を供給している。
また、下記特許文献1に示されるように、電源投入時には、定着装置以外で消費する電力量を差し引いた全ての電力が励磁コイルに供給されて加熱されるとともに、複写装置の各構成および複写装置にさらに付加される補助装置が動作するにつれて、入力許容電力から複写装置の各構成および複写装置にさらに付加される補助装置が消費する電力を差し引いた電力が供給されて加熱される複写装置も提案されている。
特開2005−122124号公報
上記特許文献1に示された画像形成装置の場合、当該画像形成装置に接続されたオプション機器等の動作等の如何に応じて、当該オプション機器を含む画像形成装置全体で使用する総電力が頻繁に変化すると、定着加熱装置に供給する電力の変更が当該総電力の頻繁な変化に追い付かなくなり、画像形成装置の総電力が商用電源の許容電力を超えてしまう虞がある。これを解消するために、励磁コイルに供給する電力を、上記総電流が最大値となっても商用電源の許容電力を超えない最も低い値に設定する固定電力制御が行われる。しかし、このように固定電力制御を行うと、オプション機器等の動作如何によって、商用電源の許容電力範囲内で定着加熱装置に供給できる電力に余裕ができた場合であっても、当該余裕分の電力を定着加熱装置に供給しないため、定着加熱装置に効率よく電力を供給できないという問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、画像形成時に商用電源の許容電力を従来よりも有効に利用して、定着加熱装置に効率よく電力を供給可能にすることを目的とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、被加熱体を電磁誘導により発熱させる励磁コイルと、
前記被加熱体の温度を検出する温度検出部と、
当該画像形成装置を駆動制御する本体側制御部と、
前記本体側制御部の制御による当該画像形成装置の駆動に用いられる駆動電流の値を検出する第1電流検出部と、
前記励磁コイルに対して高周波電流をその周波数を変化させて供給する電流供給制御部と、
前記励磁コイルに供給される電流の値を検出する第2電流検出部と、
前記励磁コイルに供給される電源電圧の値を検出する電圧検出部と、
前記温度検出部によって検出される前記被加熱体の表面温度を、画像形成時に用いられる予め定められた表面温度にするために、前記励磁コイルに供給する定着電力を算出する定着電力算出部と、
前記第1電流検出部によって検出される駆動電流値から、予め記憶している商用電源の定格電流値を減算した値を、前記第2電流検出部によって検出された電流値から減算することによって、前記励磁コイルに供給可能な許容電流の値を算出する許容電流算出部と、
前記許容電流算出部によって算出された許容電流値と、前記電圧検出部によって検出された電圧とを乗じて上限電力を算出する上限電力算出部と、
前記電圧検出部によって検出された電源電圧と、前記温度検出部によって検出される前記被加熱体の表面温度と、前記定着電力算出部によって算出された定着電力又は前記上限電力算出部によって算出された上限電力との組合せに対して予め定められた周波数に基づいて、前記電流供給制御部が前記励磁コイルへの供給電力制御に用いる前記高周波電流の周波数を算出して設定する第1周波数制御部と、
前記上限電力算出部によって算出された上限電力が、前記定着電力算出部によって算出された定着電力を下回った場合には、前記第1周波数制御部が前記周波数の算出に用いる電力として前記上限電力を選択し、前記上限電力算出部によって算出された上限電力が、前記定着電力算出部によって算出された定着電力を下回っていない場合には、前記第1周波数制御部が前記周波数の算出に用いる電力として前記定着電力を選択する選択部と
を備えた画像形成装置である。
この発明では、前記上限電力算出部によって算出された上限電力が、定着電力算出部によって算出された定着電力を下回った場合には、第1周波数制御部によって、電流供給制御部が高周波電流の供給に用いる周波数が当該上限電力に基づいて算出されるので、画像形成装置全体の総電力が商用電源の許容電力を超えるような事態となっても、当該事態を回避可能である。また、上記の上限電力が上記定着電力を下回っていない場合には、電流供給制御部が高周波電流の供給に用いる周波数が当該定着電力に基づいて算出されるので、商用電源の許容電力範囲内において定着加熱装置に供給できる電力に余裕があれば、当該余裕分の電力を励磁コイルに供給可能となる。
また、本発明では、第1周波数制御部は、励磁コイルに供給される電源電圧と、被加熱体の表面温度と、上記定着電力又は上記上限電力との組合せに対して予め定められている周波数に基づいて、励磁コイルへの供給電力制御に用いられる周波数を算出するので、当該算出時点において必要な変動量が加味された周波数を的確に算出できる。そして、例えば、当該励磁コイルに供給される電力のフィードバックによる制御で当該周波数を求める場合と比較して、励磁コイルへの供給電力制御に用いられる周波数を、上記必要な変動量が加味された周波数まで短時間で変化させることが可能である。
このため、本発明によれば、画像形成時に商用電源の許容電力を従来よりも有効に利用でき、励磁コイルを備える定着加熱装置に効率よく電力を供給することができる。
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記第2電流検出部によって検出される電流値及び前記電圧検出部によって検出される電源電圧を乗じて得られる電力の値をフィードバックし、前記定着電力算出部によって算出された定着電力、又は前記上限電力算出部によって算出された上限電力を目標値として、前記励磁コイルへの供給電力を求め、当該供給電力に対応する前記高周波電流の周波数を設定する第2周波数制御部と、
前記第1周波数制御部又は第2周波数制御部のいずれにより前記高周波電流の周波数を設定させるかを切り替える切替部とを備え、
前記選択部は、前記第1周波数制御部又は第2周波数制御部が前記周波数の算出に用いる電力として、前記定着電力又は前記上限電力の前記選択を行い、
前記切替部は、前記選択回路により選択された前記定着電力又は前記上限電力のいずれかについて、前回の値からの変動量が予め定められた値以上である場合に、前記第1周波数制御部により前記周波数を設定させ、当該変動量が予め定められた値未満である場合に、前記第2周波数制御部により前記周波数を設定させる切替を行うものである。
この発明によれば、画像形成装置全体で用いられている総電流が商用電源の定格電流値を超えるような事態となって、励磁コイルへの供給電力を短時間に急激に変化させる必要があるような場合には、第1周波数制御部により励磁コイルに供給する高周波電流の周波数を設定させれば、励磁コイルへの供給電流を短時間で大幅に変動させて、画像形成装置全体で用いられている総電流の値を商用電源の定格電流値内まで即座に下げることが可能である。
また、励磁コイルへの供給電力を短時間に急激に変化させる必要がない場合には、第2周波数制御部により励磁コイルに供給する高周波電流の周波数を設定させれば、励磁コイルに供給する電流の値を、上記フィードバック制御により、過去に用いた周波数及び目標とする周波数に応じた目標値に正確に変更する等の制御が可能になる。
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置であって、前記切替部は、前記電流供給制御部による前記励磁コイルへの前記高周波電流供給の開始時から予め定められた期間は、前記第1周波数制御部により前記周波数を設定させ、当該予め定められた期間の経過後は、前記第2周波数制御部により前記周波数を設定させるように切り替えるものである。
この発明では、切替部により、励磁コイルへの高周波電流供給の開始時から予め定められた期間は、第1周波数制御部により励磁コイルに供給する高周波電流の周波数が設定され、当該予め定められた期間の経過後は、第1周波数制御部により励磁コイルに供給する高周波電流の周波数が設定されるので、画像形成装置の電源投入直後のウォーミングアップ時等、励磁コイルへの供給電力を短時間に増加させる必要があるような場合に、第1周波数制御部により得られた上記周波数が、励磁コイルに供給する高周波電流の周波数となるので、被加熱体としての例えば定着装置の熱ローラを画像定着が可能な温度まで急速に立ち上げること等が可能となる。
また、熱ローラが上記画像定着可能な温度まで立ち上がり、励磁コイルへの供給電力を短時間に増加させる必要がない場合には、第2周波数制御部により得られた上記周波数を励磁コイルに供給する高周波電流の周波数とすることが可能になるので、励磁コイルに供給する電流の値を、上記フィードバック制御により、過去に用いた周波数及び目標とする周波数に応じた目標値に正確に変更する等の制御が可能になる。
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記許容電流算出部は、前記第1電流検出部によって検出される駆動電流値から前記予め記憶している商用電源の定格電流値を減算した値を、前記第2電流検出部によって検出された電流値から減算して得た値よりも、更に予め定められた値だけ小さい電流値を前記許容電流値として算出するものである。
この発明によれば、上限電力算出部によって算出される上限電力を商用電源の定格電力から確実に下回らせることが可能になる。
本発明によれば、画像形成時に商用電源の許容電力を従来よりも有効に利用でき、定着加熱装置に効率よく電力を供給することができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構成を概略的に示した側面図である。 定着装置と、誘導加熱装置と、当該定着装置の制御に関連する本体側制御部の動作機能を説明するためのブロック図である。 複数の周波数変化パターンの例をグラフで示す図である。 定着装置の定着動作時におけるIH制御部による励磁コイルへの供給電流制御を示すフローチャートである。 IH制御部の電力制御による電流変化をグラフにより示す図である。 励磁コイルに供給する電力と、画像形成装置における定着装置以外の各動作機構部で消費される電力と、画像形成装置で消費される総電力量との関係を示した図である。
以下、本発明に係る誘導加熱装置、定着装置及び画像形成装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構成を概略的に示した側面図である。尚、画像形成装置1は、複写機、プリンタ及びファクシミリ機等であり、用紙に載せられたトナー像を加圧・加熱によって定着させるプロセスを持つ画像形成装置であればよい。画像形成装置1は、本体部2、本体部2の左方に配設されたスタックトレイ3、本体部2の上部に配設された原稿読取部4、原稿読取部4の上方に配設された原稿給送部5を備えている。
また、画像形成装置1のフロント部には、操作部6が設けられている。この操作部6には、電源キーやユーザが印刷実行指示を入力するためのスタートキー、印刷部数等を入力するためのテンキー、各種複写動作の操作ガイド情報等を表示し、これら各種設定入力用にタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等からなる表示部9等を有する。
原稿読取部4は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ及び露光ランプ等からなるスキャナ部13、ガラス等の透明部材により構成された原稿台14及び原稿読取スリット15を備える。スキャナ部13は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台14に載置された原稿を読み取るときは、原稿台14に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査しつつ取得した画像データを画像メモリ(不図示)へ出力する。また、原稿給送部5により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット15と対向する位置に移動され、原稿読取スリット15を介して原稿給送部5による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを画像メモリへ出力する。
原稿給送部5は、原稿を載置するための原稿載置部16と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部17、原稿載置部16に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット15に対向する位置へ搬送し、原稿排出部17へ排出するための給紙ローラや搬送ローラ(不図示)等からなる原稿搬送機構18を備える。
また、原稿給送部5は、その前面側が上方に移動可能となるように本体部2に対して回動自在に設けられている。原稿給送部5の前面側を上方に移動させて原稿台14上面を開放することにより、原稿台14の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等をユーザが載置できるようになっている。
本体部2は、複数の給紙カセット19と、給紙カセット19から用紙を1枚ずつ繰り出して画像形成部21へ搬送する給紙ローラ20と、給紙カセット19から搬送されてきた用紙に画像を形成する画像形成部21とを備える。
画像形成部21は、スキャナ部13で取得された画像データに基づきレーザ光等を出力して感光体ドラム22を露光し、感光体ドラム22の表面に静電潜像を形成する光学ユニット23と、静電潜像が形成された感光体ドラム22の表面にトナーを付着することによりトナー像を形成する現像部24と、感光体ドラム22上のトナー像を用紙に転写する転写部25とを備える。
定着装置(定着加熱装置)28は、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に融解定着させる熱ローラ26及び加圧ローラ27を備える。
画像形成部21内の用紙搬送路中には、用紙をスタックトレイ3又は排出トレイ29まで搬送する搬送ローラ対30及び31等が備えられている。
また、用紙の両面に画像を形成する場合は、画像形成部21で用紙の一方の面に画像を形成した後、この用紙を排出トレイ29側の搬送ローラ対30,31にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ対30,31を反転させて用紙をスイッチバックさせ、搬送ローラ対38及び39が用紙を用紙搬送路32に送って画像形成部21の上流域に再度搬送し、画像形成部21により他方の面に画像を形成した後、用紙をスタックトレイ3又は排出トレイ29に排出する。
図2は、定着装置28と、誘導加熱装置10と、当該定着装置28の制御に関連する本体側制御部51の動作機能を説明するためのブロック図である。
本体側制御部51は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)等によって構成され、画像形成装置1の各構成部から入力された指示信号等に応じてプログラムを読み出して処理を実行し、各機能部への指示信号の出力等を行って画像形成装置1を統括的に制御する。
本体側制御部51は、画像形成時に定着装置28に定着動作を開始させる定着指示信号と、駆動回路42による励磁コイル43への高周波電流の供給を停止させる電流遮断指示信号とをIH制御部41へ出力する。
さらに、本体側制御部51は、定着電力算出部511と、許容電流算出部512と、上限電力算出部513とを備える。
定着電力算出部511は、温度センサ44によって検出される熱ローラ26の表面温度に基づいて、熱ローラ(被加熱体)26の表面温度を、画像形成時に用いる予め定められた表面温度(例えば、180〜200℃)にするために定着加熱に用いる定着電力を算出する。
許容電流算出部512は、後述する第1電流検出部48によって検出される画像形成装置1全体の駆動に用いられる駆動電流から、商用電源の定格電流(予め設定された固定値。例えば、15A。定格電力1500W時)を減算した値を、第2電流検出部46によって検出された電流値から更に減算することによって、励磁コイル43に供給可能な許容電流を算出する。
上限電力算出部513は、IH制御部41が励磁コイル43に供給可能な最大電力を上限電力として算出する。上限電力算出部513は、許容電流算出部512によって算出された上記許容電流と、電圧検出部45によって検出された電圧とを乗じて上限電力を算出する。
本体側制御部51は、これら定着電力算出部511及び上限電力算出部513による算出結果に基づいて、熱ローラ(被加熱体)26の表面温度を、画像形成時に用いる上記表面温度にするために定着加熱に用いる定着電力の値を示す定着電力値信号と、商用電力の定格電力の範囲内で励磁コイル43に供給可能な最大電力である上限電力の値を示す上限電力値信号とをIH制御部41へ出力し、IH制御部41に定着動作のための制御を行わせる。
第1電流検出部48は、本体側制御部51の制御による当該画像形成装置1の駆動に用いられている駆動電流の値を検出する。
定着装置28は、熱ローラ26、加圧ローラ27(図2では不図示)、IH制御部41、駆動回路42、励磁コイル43、温度センサ44、電圧検出部45、及び第2電流検出部46を有する。なお、誘導加熱装置10は、IH制御部41、駆動回路42、励磁コイル43、温度センサ44、電圧検出部45、及び電流検出部46を備えている。なお、誘導加熱装置10のうち、励磁コイル43を除く部分は、定着装置28とは別個に画像形成装置1の本体部2に備えられていてもよい。
励磁コイル43は、導電性材料からなる筒状の熱ローラ26の内部に設けられている。なお、本実施形態では、熱ローラ26が特許請求の範囲でいう被加熱体の一例である。
温度センサ(温度検出部)44は、熱ローラ26の表面温度を検出するセンサである。温度センサ44は、検出した当該表面温度を、本体側制御部51に出力する。
電圧検出部45は、熱ローラ26内の励磁コイル43に供給される電源電圧を検出し、検出した電圧値をIH制御部41に出力する。
第2電流検出部46は、熱ローラ26内の励磁コイル43に供給される高周波電流を検出し、検出した電流値をIH制御部41に出力する。
駆動回路42は、IH制御部41による制御で駆動し、IH制御部41から出力されてくる周波数で励磁コイル43に高周波電流を供給する。この電流供給により励磁コイル43に生じた高周波磁界で導電性材料からなる熱ローラ26本体に誘導渦電流が発生し、熱ローラ26が発熱するようになっている。
IH(Induction Heating)制御部41は、CPU等によって構成され、本体側制御部51から出力された指示信号に応じて駆動回路42を制御する。具体的には、IH制御部41は、本体側制御部51から出力された定着指示信号に基づいて熱ローラ26を発熱させるとき、励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数を算出して駆動回路42に出力する。また、本体側制御部51から電流遮断指示信号が出力された場合、IH制御部41は駆動回路42に対して電流遮断制御を行う。この電流遮断制御により、駆動回路42は励磁コイル43に対する高周波電流の供給を停止する。
IH制御部41は、選択部410、第1周波数制御部411、第2周波数制御部412、及び切替部413を備える。
選択部410は、上限電力算出部513によって算出された上限電力が、定着電力算出部511によって算出された定着電力を下回った場合には、第1周波数制御部411又は第2周波数制御部412が励磁コイル43への供給電力制御に用いられる高周波電流の周波数の算出に用いる電力として上記上限電力を選択し、上記上限電力が上記定着電力を下回っていない場合には、第1周波数制御部411又は第2周波数制御部412が上記高周波電流の周波数算出に用いる電力として定着電力を選択する。
第1周波数制御部411は、電圧検出部45によって検出された電源電圧と、温度センサ44によって検出される熱ローラ26の表面温度と、励磁コイル43に供給する電力(定着電力算出部511によって算出された定着電力又は上限電力算出部513によって算出された上限電力。当該電力の選択は選択部410により行われる)との組合せに対して予め定められた周波数に基づいて、駆動回路42が励磁コイル43への供給電力制御に用いる周波数を算出し、算出した周波数をIH制御部41に出力する。
また、第1周波数制御部411は、上記上限電力が上記定着電力を下回った場合には、駆動回路42が励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数を当該上限電力に基づいて算出し、当該上限電力が当該定着電力を下回っていない場合には、駆動回路42が励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数を当該定着電力に基づいて算出する。
第2周波数制御部412は、第2電流検出部46によって検出される電流値及び電圧検出部45によって検出される電源電圧を乗じて得られる電力の値をフィードバックし、定着電力算出部511によって算出された定着電力、又は上限電力算出部513によって算出された上限電力(当該電力の選択は選択部410により行われる)を目標値として、励磁コイル43に供給すべき供給電力を求め、当該供給電力に対応する高周波電流の周波数を設定する。
切替部413は、第1周波数制御部411又は第2周波数制御部412のいずれから得られた周波数を、励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数として用いるかを切り替える。切替部413による切替条件の詳細は後述する。
次に、第1周波数制御部411及び第2周波数制御部412による周波数設定を説明する。
定着電力算出部511及び上限電力算出部513からの出力はそれぞれ、IH制御部41内の第2周波数制御部412に出力される。
第2周波数制御部412は、例えば、(1)選択部410によって選択された上記定着電力又は上限電力の一方の値と、(2)電流検出部46によって検出される電流値及び電圧検出部45によって検出される電圧値を乗算して得た検出電力の値とを比較し、その比較結果に応じて、駆動回路42に出力する高周波電流値の周波数を設定する。すなわち、周波数制御部4122は、上記(1)の電力値が(2)の電力値よりも大きい場合は、駆動回路42に出力する高周波電流値の周波数をそれまでの値から予め定められた値だけ下げる(励磁コイル43に供給する電力を大きくする)。一方、周波数制御部4122は、上記(2)の電力値が上記(1)の電力値よりも大きい場合は、駆動回路42に出力する高周波電流値の周波数をそれまでの値から予め定められた値だけ上げる(励磁コイル43に供給する電力を小さくする)。
例えば、第2周波数制御部412は、以下の式に基づいてフィードバック制御(PID制御)を行う。
現状の検出電力F(n)=V*I
V 電圧検出部45により検出される電圧値
I 第2電流検出部46により検出される電流値
目標電力(定着電力又は上限電力)Pt
電力フィードバック制御量
e(n)=Pt-F(n)
E(n)=Kp2*e(n)+Ki2Σe(n-1)+Kd2(e(n)-e(n-1))
PWM周期 Y(n)=Y(n-1)+E(n)
このように、第2周波数制御部412は、上記選択された定着電力値又は上限電力値の増減に応じて、駆動回路42に出力する周波数を変更することにより、励磁コイル43に供給される電力値を変化させ、励磁コイル43に供給される電力値が上記選択された定着電力値又は上限電力値に近付くように制御する。
また、定着電力算出部511及び上限電力算出部513からの出力はそれぞれ、IH制御部41内の第1周波数制御部411にも出力される。
第1周波数制御部411は、定着電力算出部511からの定着電力及び許容電流算出部512からの上限電力に対応する周波数を設定して駆動回路42に出力する。
第1周波数制御部411による当該周波数設定は、例えば、定着電力算出部511から出力されてきた定着電力又は上限電力算出部513から出力されてきた上限電力のいずれかと、温度センサ44により検出された熱ローラ26の表面温度と、電圧検出部45によって検出された電圧値とを用いて直接に、励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数を算出することによって行われる。この場合、第1周波数制御部411は、図略の周波数変化パターン記憶部を有する。周波数変更パターン記憶部は、ROMや不揮発性メモリ等からなり、上記の定着電力又は上限電力に応じて変化させる励磁コイル43への高周波電流の周波数のパターンである周波数変化パターンが、電圧検出部45による検出電圧及び温度センサ44による検出温度に応じて複数記憶された記憶テーブルを有している。なお、本実施形態では、第1周波数制御部411による当該周波数制御をテーブル制御と称する。
図3は、当該複数の周波数変化パターンの例をグラフで示す図である。図3には、例として、表面温度Tが50℃,電源電圧値Vが120(V)の場合に用いる周波数変化パターンを実線で示し、表面温度Tが150℃,電源電圧値Vが120(V)の場合に用いる周波数変化パターンを
破線で示し、表面温度Tが50℃,電源電圧値Vが100(V)の場合に用いる周波数変化パターンを一点鎖線で示し、表面温度Tが150℃,電源電圧値Vが100(V)の場合に用いる周波数変化パターンを二点鎖線で示している。但し、周波数変更パターン記憶部に記憶される周波数変化パターンの数を4つに限定する趣旨ではない。様々な高周波電流の供給開始直前における熱ローラ26の表面温度T及び熱ローラ26に供給される電源電圧値Vに対応すべく、多くの周波数変化パターンが周波数変更パターン記憶部に記憶されていることが好ましい。
第1周波数制御部411は、電圧検出部45による検出電圧及び温度センサ44による検出温度に対応する周波数変化パターンを周波数変更パターン記憶部から読み出し、上記上限電力の値に対応する周波数を、当該読み出した周波数変化パターンから算出し、励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数を、当該算出した周波数に設定する。
なお、第1周波数制御部411は、電圧検出部45による検出電圧及び温度センサ44による検出温度に対応する周波数変化パターンが周波数変更パターン記憶部に記憶されていない場合は、上記周波数変更パターン記憶部に記憶されている周波数変化パターンに基づいた線形補間により、上記高周波電流の周波数を算出する。
第1周波数制御部411による当該線形補間の例として、ベルト温度T=100℃、電源電圧V=110V、上限電力Pt=1000Wの場合の励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数f[V=110,T=100,Pt=1000]を算出する計算式を示す。
上記図3に示す周波数変化パターンより、
f1[V=100,T=50,Pt=1000] = 24.6[kHz]・・・・・式(1)
f2[V=120,T=50,Pt=1000] = 27.1[kHz]・・・・・式(2)
f3[V=100,T=150,Pt=1000] = 23.2[kHz]・・・・・式(3)
f4[V=120,T=150,Pt=1000] = 25.6[kHz]・・・・・式(4)
式(1)、式(2)に基づく線形補間により以下を算出する。
f5[V=110,T=50,Pt=1000] = (110 -100)×(f2 - f1) / (120 - 100) + f1 = 25.8[kHz]・・・式(5)
式(3)、式(4) に基づく線形補間により以下を算出する。
f6[V=110,T=150,Pt=1000] = (110 -100)×(f4 - f3) / (120 - 100) + f3 = 24.3[kHz]・・・式(6)
式(5)、式(6) に基づく線形補間により以下を算出する。
f7[V=110,T=100,Pt=1000] = (100 -50)×(f6 - f5) / (150 - 50) + f5 = 25.1[kHz]・・・式(7)
以上より、第1周波数制御部411は、ベルト温度T=100℃、電源電圧V=110V、上限電力Pt=1000Wの場合には、励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数f[V=110,T=100,Pt=1000]として、上記線形補間により算出した25.1[kHz](式(7))を用いる。
本実施形態では、このように、周波数変更パターン記憶部に記憶されている周波数変化パターンに基づいて、第1周波数制御部411は、テーブル制御により周波数設定制御を行う。
このように、第1周波数制御部411では、上記定着電力又は上限電力の値の増減に応じて、駆動回路42に出力する高周波電流の周波数を変更することにより、励磁コイル43に供給する電力値を変化させ、励磁コイル43に供給される電力値が上記定着電力又は上限電力の値に一致するように制御する。
なお、上述したように、切替部413が、第1周波数制御部411又は第2周波数制御部412のいずれから得られた周波数を、励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数として用いるかを切り替える。
次に、定着装置28の定着動作時におけるIH制御部41による励磁コイル43への供給電流制御を説明する。図4は、定着装置28の定着動作時におけるIH制御部41による励磁コイル43への供給電流制御を示すフローチャートである。図5はIH制御部41の電力制御による電流変化をグラフにより示す図である。図6は、励磁コイル43に供給する電力と、画像形成装置1における定着装置28以外の各動作機構部で消費される電力と、画像形成装置1で消費される総電力量との関係を示した図である。
例えば本体側制御部51が画像形成動作開始の指示を受け付けると(S1でYES)、定着電力算出部511は、温度センサ44によって検出される熱ローラ26の表面温度に基づいて、熱ローラ26の表面温度を、画像形成時に用いる予め定められた表面温度(例えば、180〜200℃)にするために定着加熱に用いる定着電力を算出し、IH制御部41に出力する(S2)。例えば、定着電力算出部511は、温度センサ44によって検出される熱ローラ26の表面温度Aと、上記画像形成時に用いる予め定められた表面温度Bとを比較し、表面温度Aが表面温度Bに至っていないときは、この時点で励磁コイル43に供給している電力(すなわち、電圧検出部45により検出された電圧及び第2電流検出部46により検出された電流を乗じて得られる検出電力)を、予め定められた値分だけ増加させた値となるような値の電力を定着電力として算出する。
そして、第2周波数制御部412が、上記定着電力算出部511から出力されてきた定着電力を目標値として、電圧検出部45により検出された電圧及び第2電流検出部46により検出された電流を乗じて得られる検出電力と比較し、当該比較による比較結果に応じて、上述したように、駆動回路42に出力する周波数を設定させるフィードバック制御を行い、当該設定された周波数を駆動回路42に出力する(S3)。なお、この場合、選択部410は、励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数の設定に用いる電力として定着電力を選択しており、切替部413は、第2周波数制御部412が励磁コイル43に供給される高周波電流の周波数を設定するように切り替えている。
ここで、許容電流算出部512は、この時点で第1電流検出部48によって検出される画像形成装置1の駆動時における実際の駆動電流値から、予め記憶している商用電源の定格電流値を減算した値を、第2電流検出部46により検出された励磁コイル43に供給されている電流の電流値から更に減算することによって、励磁コイル43に供給可能な許容電流値を算出する(S4)。
例えば、許容電流値Q(n)、画像形成装置1の駆動時における実際の駆動電流値Im(A)、商用電源の定格電流値Imr(A)、励磁コイル43に供給されている電流の電流値Ims(A)、とした場合、許容電流算出部512は、許容電流値Q(n)=電流値Ims−(駆動電流値Im(A)−定格電流値Imr(A))として許容電流値を算出する。
このため、駆動電流値Im(A)が定格電流値Imr(A)よりも大きい場合は、それまで励磁コイル43に供給されていた電流の電流値Ims(A)から、駆動電流値Im(A)と定格電流値Imr(A)との差分を減じた値が許容電流値Q(n)となり、定格電流値Imr(A)が駆動電流値Im(A)よりも大きい場合は、それまで励磁コイル43に供給されていた電流の電流値Ims(A)に、駆動電流値Im(A)と定格電流値Imr(A)との差分の絶対値を加算した値が許容電流値Q(n)となる。
なお、許容電流算出部512は、上記式の電流値Ims−(駆動電流値Im(A)−定格電流値Imr(A))により得られる値よりも、更に予め定められた値(例えば、2(A))だけ小さい電流値を許容電流値Q(n)として算出するようにしてもよい。この場合、上限電力算出部513によって算出される上限電力を商用電源の定格電力から確実に下回らせることができる。
さらに、上限電力算出部513は、許容電流算出部512によって算出された許容電流値と、電圧検出部45によって検出された電圧とを乗じて上限電力を算出し、IH制御部41に出力する(S5)。
IH制御部41の選択部410は、上限電力算出部513によって算出された上限電力が、定着電力算出部511によって算出された定着電力を下回っている場合には(S6でYES)、当該上限電力を、励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数の設定に用いる電力として選択する。一方、当該定着電力が当該上限電力を下回っていない場合には(S6でNO)、選択部410は、当該定着電力を、励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数の設定に用いる電力として選択する。
上記上限電力が、励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数の設定に用いる電力として選択された場合(S6でYES)、さらに、切替部413が、当該上限電力について、前回算出された上限電力又は定着電力の値と今回の上限電力との差分である変動量が、予め定められた値(例えば、100W。或いは、上記許容電流値の前回との差分が0.5Aとなる場合に対応する電力値。商用電源定格電流15A,定格電力1500Wの場合)以上である場合に(S7でYES)、第1周波数制御部411により、当該上限電力を用いて、励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数を設定させ(S8)、上記変動量が上記予め定められた値未満である場合に(S7でNO)、第2周波数制御部412により、当該上限電力を用いて、励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数を設定させる(S9)。
また、上記定着電力が、励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数の設定に用いる電力として選択された場合(S6でNO)、さらに、切替部413が、当該定着電力について、前回算出された定着電力又は上限電力の値と今回の定着電力との差分である変動量が、予め定められた値(例えば、100W。或いは、上記許容電流値の前回との差分が0.5Aとなる場合に対応する電力値。商用電源定格電流15A,定格電力1500Wの場合)以上である場合に(S10でYES)、第1周波数制御部411により、当該定着電力を用いて、励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数を設定させ(S11)、上記変動量が上記予め定められた値未満である場合に(S10でNO)、第2周波数制御部412により、当該定着電力を用いて、励磁コイル43に供給する高周波電流の周波数を設定させる(S12)。
本体側制御部51がIH制御部41に電流遮断指示信号を出力する状態に至るまで、選択部410、第1周波数制御部411、第2周波数制御部412、切替部413、定着電力算出部511、許容電流算出部512、及び上限電力算出部513は、S4乃至S12の処理を繰り返し(S13でNO)、本体側制御部51がIH制御部41に電流遮断指示信号を出力する状態に至ると(S13でYES)、IH制御部41は、当該励磁コイル43への供給電流制御を終了する。
上記制御によれば、図5に示すように、第1電流検出部48によって検出される画像形成装置1全体での総駆動電流が、商用電源の定格電流以下であって、当該総駆動電流の変動量が小さい場合は、励磁コイル43に供給される高周波電流の値は、第2周波数制御部412による上述した定着電力を用いた周波数制御となるため、急激には上昇せず、PID制御により徐々に、商用電源の定格電流値から各動作機構7の駆動電流値を差し引いた限界値に相当する値まで近付く。一方、各動作機構7の駆動等により、画像形成装置1全体での総駆動電流値が急に上昇して商用電源の定格電流値を超え、当該総駆動電流の変動量が大きい場合は、第1周波数制御部412による上述した上限電力を用いたテーブル制御での周波数制御となるため、即座に超えた分だけ、励磁コイル43に供給される高周波電流の値が下がる。
また、第1電流検出部48によって検出される画像形成装置1全体での総駆動電流が、商用電源の定格電流以下であって、当該総駆動電流の変動量が小さい場合は、励磁コイル43に供給される高周波電流の値(図5の定着電流値)は、第2周波数制御部412による上述した定着電力を用いた周波数制御となるため、急激には上昇せず、PID制御により徐々に、商用電源の定格電流値から各動作機構7の駆動電流値を差し引いた限界値に相当する値まで近付く。
また、図6に示すように、IH制御部41は、当該画像形成装置1における定着装置28以外の各動作機構部によって消費される消費電力に応じて、励磁コイル43に供給可能な最大限の電力(画像形成装置1が商用電源から最大限に受け入れ可能な電力であるピーク電力と、当該画像形成装置1における定着装置28以外の各動作機構部によって消費される消費電力との差)を、励磁コイル43に供給することになるため、励磁コイル43に供給する電力と、定着装置28以外の各動作機構部によって消費される消費電力との合計電力量が、商用電源の定格電力に近付く。これにより、商用電源からの電力を、熱ローラ26の加熱のために最大限に供給可能となり、商用電源から得られる電力を有効に活用することができる。また、励磁コイル43に供給する電力と、定着装置28以外の各動作機構部によって消費される消費電力との合計電力量が一時的に商用電源の定格電力を超えるような場合であっても、当該合計量を迅速に商用電源の定格電力内に戻すことが可能である。
なお、上記各実施形態によれば、画像形成装置1の定着装置28以外の各動作機構7等で必要な駆動電力が頻繁に変化する場合でも、当該画像形成装置1全体の総駆動電力が、常に商用電源の定格電力を超えない状態を平均的に保って、商用電源の電力を効率よく定着装置28での加熱に用いることができる。当該定着装置28に効率よく電力を供給できることにより、熱ローラ26の表面温度を急速に立ち上げ可能となり、画像形成装置1のウォームアップに必要な時間も短縮される。
また、画像形成装置1にオプション機器が追加されて駆動され、画像形成装置1全体での総駆動電力が変化した場合であっても、当該追加されたオプション機器を含めた画像形成装置1全体の総駆動電流値が第1電流検出部48により検出され、上限電力算出部511による上限電力算出に用いられるようにすれば、当該追加されたオプション機器を含めた画像形成装置1全体の総駆動電力が商用電源の定格電力を超えない状態を平均的に保って、商用電源の電力を効率よく定着装置28での加熱に用いることができる。
同様に、画像形成装置1が量産された場合に、各装置固有の部品ばらつきにより各装置の総駆動電流値が異なるような場合でも、上記各実施形態による励磁コイル43への供給電力制御では、各装置毎の総駆動電流値の差を見越したマージンを設定した制御を行わなくてよい。このため、画像形成装置1を、その動作モードや各装置の状態に左右されないロバスト設計することが可能になる。
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、図4に示したS7,S10において、定着電力又は上限電力の変動量が予め定められた値以上である場合にのみ、第1周波数制御部411による周波数制御としているが、これに限られず、当該実施形態の変形例として、定着電力又は上限電力の変動量が予め定められた値以上であるか否かに拘わらず、第1周波数制御部411が定着電力又は上限電力を用いた上記周波数算出を行うものしてもよい。
また、例えば、画像形成装置1の電源投入直後のウォーミングアップ開始時から定着装置28の熱ローラ26が画像形成可能な温度(例えば、180℃)に達するまでの期間(予め定められた期間)が経過するまで、又は当該熱ローラ26が画像形成可能な温度に達するまでの期間に相当する時間(予め定められた期間)が、励磁コイル43への高周波電流の供給開始時から経過するまでは、切替部413が、第1周波数制御部411に上記周波数制御を行わせるようにしてもよい。この場合、上記期間又は時間の経過後は、切替部413は第2周波数制御部412に上記周波数制御を行わせ、図4に示したS4以降の処理(上記変形例を含む)が行われる。
また、上記実施形態で示したフィードバック制御は単なる一例に過ぎず、本発明で行うフィードバック制御を上記に示した内容に限定する趣旨ではない。
また、上記実施形態では、励磁コイル43への供給電流制御に用いる各種電流値及び各種電力の算出は、本体側制御部51で行うものとしているが、この構成は単なる一例に過ぎず、例えば、当該各種電流値及び各種電力の算出をIH制御部41において行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、被加熱体の例として励磁コイル43及び熱ローラ26を示し、また、本発明に係る誘導加熱装置が適用される例として定着装置28及び画像形成装置1を示しているが、本発明をこれらに限定する趣旨ではない。
また、図1乃至図6に示す構成及び処理は、本発明に係る誘導加熱装置10、定着装置28及び画像形成装置1の構成及び処理の一実施形態に過ぎず、本発明に係る誘導加熱装置10、定着装置28及び画像形成装置1を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
1 画像形成装置
10 誘導加熱装置
26 熱ローラ
27 加圧ローラ
28 定着装置
41 IH制御部
410 選択部
411 第1周波数制御部
412 第2周波数制御部
413 切替部
42 駆動回路
43 励磁コイル
44 温度センサ
45 電圧検出部
46 第2電流検出部
48 第1電流検出部
51 本体側制御部
511 定着電力算出部
512 許容電流算出部
513 上限電力算出部

Claims (4)

  1. 被加熱体を電磁誘導により発熱させる励磁コイルと、
    前記被加熱体の温度を検出する温度検出部と、
    当該画像形成装置を駆動制御する本体側制御部と、
    前記本体側制御部の制御による当該画像形成装置の駆動に用いられる駆動電流の値を検出する第1電流検出部と、
    前記励磁コイルに対して高周波電流をその周波数を変化させて供給する電流供給制御部と、
    前記励磁コイルに供給される電流の値を検出する第2電流検出部と、
    前記励磁コイルに供給される電源電圧の値を検出する電圧検出部と、
    前記温度検出部によって検出される前記被加熱体の表面温度を、画像形成時に用いられる予め定められた表面温度にするために、前記励磁コイルに供給する定着電力を算出する定着電力算出部と、
    前記第1電流検出部によって検出される駆動電流値から、予め記憶している商用電源の定格電流値を減算した値を、前記第2電流検出部によって検出された電流値から減算することによって、前記励磁コイルに供給可能な許容電流の値を算出する許容電流算出部と、
    前記許容電流算出部によって算出された許容電流値と、前記電圧検出部によって検出された電圧とを乗じて上限電力を算出する上限電力算出部と、
    前記電圧検出部によって検出された電源電圧と、前記温度検出部によって検出される前記被加熱体の表面温度と、前記定着電力算出部によって算出された定着電力又は前記上限電力算出部によって算出された上限電力との組合せに対して予め定められた周波数に基づいて、前記電流供給制御部が前記励磁コイルへの供給電力制御に用いる前記高周波電流の周波数を算出して設定する第1周波数制御部と、
    前記上限電力算出部によって算出された上限電力が、前記定着電力算出部によって算出された定着電力を下回った場合には、前記第1周波数制御部が前記周波数の算出に用いる電力として前記上限電力を選択し、前記上限電力算出部によって算出された上限電力が、前記定着電力算出部によって算出された定着電力を下回っていない場合には、前記第1周波数制御部が前記周波数の算出に用いる電力として前記定着電力を選択する選択部と
    を備えた画像形成装置。
  2. 前記第2電流検出部によって検出される電流値及び前記電圧検出部によって検出される電源電圧を乗じて得られる電力の値をフィードバックし、前記定着電力算出部によって算出された定着電力、又は前記上限電力算出部によって算出された上限電力を目標値として、前記励磁コイルへの供給電力を求め、当該供給電力に対応する前記高周波電流の周波数を設定する第2周波数制御部と、
    前記第1周波数制御部又は第2周波数制御部のいずれにより前記高周波電流の周波数を設定させるかを切り替える切替部とを備え、
    前記選択部は、前記第1周波数制御部又は第2周波数制御部が前記周波数の算出に用いる電力として、前記定着電力又は前記上限電力の前記選択を行い、
    前記切替部は、前記選択回路により選択された前記定着電力又は前記上限電力のいずれかについて、前回の値からの変動量が予め定められた値以上である場合に、前記第1周波数制御部により前記周波数を設定させ、当該変動量が予め定められた値未満である場合に、前記第2周波数制御部により前記周波数を設定させる切替を行う請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記切替部は、前記電流供給制御部による前記励磁コイルへの前記高周波電流供給の開始時から予め定められた期間は、前記第1周波数制御部により前記周波数を設定させ、当該予め定められた期間の経過後は、前記第2周波数制御部により前記周波数を設定させるように切り替える請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記許容電流算出部は、前記第1電流検出部によって検出される駆動電流値から前記予め記憶している商用電源の定格電流値を減算した値を、前記第2電流検出部によって検出された電流値から減算して得た値よりも、更に予め定められた値だけ小さい電流値を前記許容電流値として算出する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
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