JP2012173348A - 波長可変干渉フィルター、光モジュールおよび電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射膜間のギャップを精度よく設定可能な波長可変干渉フィルターを提供すること。
【解決手段】本発明の波長可変干渉フィルター5は、第一基板51と、第二基板52と、第一反射膜56と、可動部521に設けられ、第一反射膜56と光学ギャップを介して対向する第二反射膜57と、第一基板51に設けられた第一電極部541と、第一電極部541に電極間ギャップを介して対向する第二電極542と、を備え、前記第一電極部541は、第一電極5411と、第一電極5411の第二基板52に臨む側の面を覆う絶縁層5412と、絶縁層5412の第二基板52に対向する面を覆い、電極間ギャップを介して第二電極542に対向し、かつ第一電極5411と絶縁された導電性部材5413と、を備える。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の波長可変干渉フィルター5は、第一基板51と、第二基板52と、第一反射膜56と、可動部521に設けられ、第一反射膜56と光学ギャップを介して対向する第二反射膜57と、第一基板51に設けられた第一電極部541と、第一電極部541に電極間ギャップを介して対向する第二電極542と、を備え、前記第一電極部541は、第一電極5411と、第一電極5411の第二基板52に臨む側の面を覆う絶縁層5412と、絶縁層5412の第二基板52に対向する面を覆い、電極間ギャップを介して第二電極542に対向し、かつ第一電極5411と絶縁された導電性部材5413と、を備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、特定波長の光を取得する波長可変干渉フィルター、光モジュール、および電子機器に関する。
従来、複数波長の光から、特定波長の光を取り出す波長可変干渉フィルター(光フィルター素子)が知られている。
波長可変干渉フィルターでは、互いに平行に保持された一対の基板と、この一対の基板上に互いに対向し、かつ一定間隔の光学ギャップを有するように形成された一対の反射膜とを備え、外力により一対の反射膜間の光学ギャップの大きさを変化させるようにしている。光学ギャップの大きさを変化させると光学ギャップの大きさに応じた波長を選択して透過させることが可能となる。ここで、光学ギャップの大きさを変化させる構造としては、半導体のマイクロ加工技術によって作成され、静電アクチュエーターや圧電素子を用いた機構等がある。そして、例えば静電アクチュエーターで光学ギャップの大きさを変化させる場合には、電圧を印加した際における電極間の短絡を防止するために、例えば、電極の一部に絶縁部材を設けた構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
波長可変干渉フィルターでは、互いに平行に保持された一対の基板と、この一対の基板上に互いに対向し、かつ一定間隔の光学ギャップを有するように形成された一対の反射膜とを備え、外力により一対の反射膜間の光学ギャップの大きさを変化させるようにしている。光学ギャップの大きさを変化させると光学ギャップの大きさに応じた波長を選択して透過させることが可能となる。ここで、光学ギャップの大きさを変化させる構造としては、半導体のマイクロ加工技術によって作成され、静電アクチュエーターや圧電素子を用いた機構等がある。そして、例えば静電アクチュエーターで光学ギャップの大きさを変化させる場合には、電圧を印加した際における電極間の短絡を防止するために、例えば、電極の一部に絶縁部材を設けた構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、例えば一方の電極に絶縁部材を設けた場合には、絶縁部材と、他方の電極とでは、電気的特性が異なるため、絶縁部材に付着する水等の荷電粒子の量と、他方の基板の電極に付着する荷電粒子の量との差により、電極部分に帯電が生じる。また、他方の電極から電荷を容易に除去できるのに対し、絶縁部材からは電荷を除去しにくいために、電極部分に帯電が生じたままとなる。そして、このような電極部分での帯電により、電極間に印加する電圧と電極間ギャップとの関係が変化してしまい、印加する電圧による電極間ギャップの制御における精度が低下し、これに伴って反射膜間のギャップを所望の値に設定することが困難となるという課題がある。
本発明は、上述のような問題に鑑みて、反射膜間のギャップ(光学ギャップ)を精度よく設定可能な波長可変干渉フィルター、光モジュール、および電子機器を提供することを目的とする。
本発明の波長可変干渉フィルターは、第一基板と、前記第一基板に対向し、可動部および前記可動部を前記第一基板に対して進退可能に保持する保持部を備えた第二基板と、前記第一基板に設けられた第一反射膜と、前記可動部に設けられ、前記第一反射膜と光学ギャップを介して対向する第二反射膜と、前記第一基板に設けられた第一電極部と、前記第二基板に設けられ、前記第一電極部に電極間ギャップを介して対向する第二電極と、を備え、前記第一電極部は、前記第一基板に設けられた第一電極と、前記第一電極の第二基板に臨む側の面を覆う絶縁層と、前記絶縁層の第二基板に対向する面を覆い、前記電極間ギャップを介して前記第二電極に対向し、かつ前記第一電極と絶縁された導電性部材と、を備えることを特徴とする。
この発明では、第一電極部が、第一電極の第二基板に臨む側の面を覆う絶縁層を備えている。これによれば、第一電極と第二電極との絶縁層が存在するために、駆動時において電極間の短絡を防止できる。
また、この発明では、第一電極部は、絶縁層の第二基板に対向する面を覆い、電極間ギャップを介して第二電極に対向する導電性部材を備える。これによれば、導電性部材に荷電粒子が付着した場合であっても、この導電性部材に付着した荷電粒子と逆極性の電位を与えたり、接地により電荷を逃がしたりすることで、第二電極と同様に、導電性部材からは電荷を容易に除去できる。したがって、第一電極および第二電極の間に電圧を印加して、光学ギャップの寸法を変化させる際に、付着した荷電粒子による静電アクチュエーターの電気特性の変化を抑制でき、光学ギャップを所望の値に精度よく設定することができる。
さらに、例えば、可動部を備える第二基板に絶縁層および導電性部材を設ける場合には、この絶縁層により第二基板に余計な応力が発生して、この第二基板の第二反射膜に撓みが発生する場合がある。これに対し、この発明では、絶縁層および導電性部材は可動部のない第一基板に設けられ、第二基板には設けられていないため、可動部を備える第二基板に余計な応力は発生しない。そのため、第二反射膜における撓みの発生を抑制できる。
また、この発明では、第一電極部は、絶縁層の第二基板に対向する面を覆い、電極間ギャップを介して第二電極に対向する導電性部材を備える。これによれば、導電性部材に荷電粒子が付着した場合であっても、この導電性部材に付着した荷電粒子と逆極性の電位を与えたり、接地により電荷を逃がしたりすることで、第二電極と同様に、導電性部材からは電荷を容易に除去できる。したがって、第一電極および第二電極の間に電圧を印加して、光学ギャップの寸法を変化させる際に、付着した荷電粒子による静電アクチュエーターの電気特性の変化を抑制でき、光学ギャップを所望の値に精度よく設定することができる。
さらに、例えば、可動部を備える第二基板に絶縁層および導電性部材を設ける場合には、この絶縁層により第二基板に余計な応力が発生して、この第二基板の第二反射膜に撓みが発生する場合がある。これに対し、この発明では、絶縁層および導電性部材は可動部のない第一基板に設けられ、第二基板には設けられていないため、可動部を備える第二基板に余計な応力は発生しない。そのため、第二反射膜における撓みの発生を抑制できる。
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記導電性部材は、引出し線を有することが好ましい。
このような引出し線により、導電性部材に荷電粒子が付着した場合であっても、この導電性部材に付着した荷電粒子と逆極性の電位を与えたり、接地により電荷を逃がしたりすることができる。そのため、第二電極と同様に、導電性部材からは電荷を容易に除去でき、荷電粒子による静電アクチュエーターの電気特性の変化を抑制することができる。
このような引出し線により、導電性部材に荷電粒子が付着した場合であっても、この導電性部材に付着した荷電粒子と逆極性の電位を与えたり、接地により電荷を逃がしたりすることができる。そのため、第二電極と同様に、導電性部材からは電荷を容易に除去でき、荷電粒子による静電アクチュエーターの電気特性の変化を抑制することができる。
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記光学ギャップは、前記電極間ギャップよりも大きいことが好ましい。
このように光学ギャップが電極間ギャップよりも大きい場合には、第一電極部と第二電極とを接触させたとしても、第一反射膜と第二反射膜とは接触しなくなる。そのため、この発明では、第一反射膜と第二反射膜との接触を防止でき、接触による第一反射膜および第二反射膜の損傷や貼り付きを防止できる。また、第二電極と導電性部材を接触させることにより、第二電極と導電性部材に付着する荷電粒子の偏りを均一にできる。そのため、第二電極と導電性部材を接触させ荷電粒子の影響をなくすことができ、荷電粒子による静電アクチュエーターの電気特性の変化を抑制することができる。
このように光学ギャップが電極間ギャップよりも大きい場合には、第一電極部と第二電極とを接触させたとしても、第一反射膜と第二反射膜とは接触しなくなる。そのため、この発明では、第一反射膜と第二反射膜との接触を防止でき、接触による第一反射膜および第二反射膜の損傷や貼り付きを防止できる。また、第二電極と導電性部材を接触させることにより、第二電極と導電性部材に付着する荷電粒子の偏りを均一にできる。そのため、第二電極と導電性部材を接触させ荷電粒子の影響をなくすことができ、荷電粒子による静電アクチュエーターの電気特性の変化を抑制することができる。
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記導電性部材は、前記第二電極と同一素材により形成されていることが好ましい。
このように導電性部材が第二電極と同一素材により形成される場合には、第二電極とこれに対向する導電性部材とは素材が同一であるために、これらに付着する荷電粒子の量に偏りが生じにくい。そのため、導電性部材および第二電極に荷電粒子が付着した場合であっても、その影響を打ち消し合うことができ、静電アクチュエーターの電気特性の変化をより確実に抑制でき、光学ギャップを精度よく制御することができる。
このように導電性部材が第二電極と同一素材により形成される場合には、第二電極とこれに対向する導電性部材とは素材が同一であるために、これらに付着する荷電粒子の量に偏りが生じにくい。そのため、導電性部材および第二電極に荷電粒子が付着した場合であっても、その影響を打ち消し合うことができ、静電アクチュエーターの電気特性の変化をより確実に抑制でき、光学ギャップを精度よく制御することができる。
本発明の光モジュールは、前記波長可変干渉フィルターと、前記第一電極および前記第二電極に印加する電圧を制御する電圧制御部と、を備えることを特徴とする。
この発明では、光モジュールは、上述したような波長可変干渉フィルターを備えている。そして、前記波長可変干渉フィルターは、駆動時において電極間の短絡を防止でき、かつ帯電による静電アクチュエーターの電気特性の変化を抑制できるため、この光モジュールによれば、光学ギャップを精度よく制御することができ、高精度な検出結果を得ることができる。
この発明では、光モジュールは、上述したような波長可変干渉フィルターを備えている。そして、前記波長可変干渉フィルターは、駆動時において電極間の短絡を防止でき、かつ帯電による静電アクチュエーターの電気特性の変化を抑制できるため、この光モジュールによれば、光学ギャップを精度よく制御することができ、高精度な検出結果を得ることができる。
本発明の光モジュールでは、前記電圧制御部は、前記第一電極に駆動電圧を印加する駆動電圧源と、接地回路と、前記第一電極と前記駆動電圧源とが接続される第一状態、および前記第一電極と前記接地回路とが接続される第二状態を切り替える第一スイッチ回路と、前記接地回路と前記導電性部材との接続状態を切り替える第二スイッチ回路と、を備え、前記第二スイッチ回路は、前記第一スイッチ回路が第一状態に切り替えられた際に、前記接地回路と前記導電性部材とが切断された状態に切り替え、前記第一スイッチ回路が第二状態に切り替えられた際に、前記接地回路と前記導電性部材とが接続された状態に切り替えることが好ましい。
この発明では、第二スイッチ回路は、第一スイッチ回路が第二状態に切り替えられた際に、接地回路と導電性部材とが接続された状態に切り替える。このようにすれば、第二状態では、接地回路と導電性部材とが導通し、接地することができる。これにより、フローティング状態の導電性部材が帯電した場合でも、接地回路により帯電を除去することができる。
本発明の光モジュールでは、前記第二スイッチ回路は、前記接地回路と前記導電性部材および前記第二電極との接続状態を切り替えるものであり、前記第二スイッチ回路は、前記第一スイッチ回路が第一状態に切り替えられた際に、前記接地回路と前記導電性部材および前記第二電極とが切断された状態に切り替え、前記第一スイッチ回路が第二状態に切り替えられた際に、前記接地回路と前記導電性部材および前記第二電極とが接続された状態に切り替えることが好ましい。
この発明では、第二スイッチ回路は、第一スイッチ回路が第二状態に切り替えられた際に、接地回路と導電性部材および第二電極とが接続された状態に切り替える。このようにすれば、第二状態では、接地回路と導電性部材および第二電極とが導通し、それぞれを0電位とすることができる。これにより、フローティング状態の導電性部材が帯電した場合でも、接地回路により帯電を除去することができる。
この発明では、第二スイッチ回路は、第一スイッチ回路が第二状態に切り替えられた際に、接地回路と導電性部材および第二電極とが接続された状態に切り替える。このようにすれば、第二状態では、接地回路と導電性部材および第二電極とが導通し、それぞれを0電位とすることができる。これにより、フローティング状態の導電性部材が帯電した場合でも、接地回路により帯電を除去することができる。
本発明の電子機器は、前記光モジュールを備えることを特徴とする。
ここで、電子機器としては、上記のような光モジュールから出力される電気信号に基づいて、光モジュールに入射した光の色度や明るさ等を分析する光測定器、ガスの吸収波長を検出してガスの種類を検査するガス検出装置、受光した光からその波長の光に含まれるデータを取得する光通信装置等を例示することができる。
この発明では、電子機器は、上述したような光モジュールを備えている。光モジュールは、上記のように、光学ギャップを精度よく制御することができ、高精度な検出結果を得ることができる。したがって、このような光モジュールを備えた電子機器では、高精度な検出結果に基づいて、正確な光分析処理を実施することができる。
ここで、電子機器としては、上記のような光モジュールから出力される電気信号に基づいて、光モジュールに入射した光の色度や明るさ等を分析する光測定器、ガスの吸収波長を検出してガスの種類を検査するガス検出装置、受光した光からその波長の光に含まれるデータを取得する光通信装置等を例示することができる。
この発明では、電子機器は、上述したような光モジュールを備えている。光モジュールは、上記のように、光学ギャップを精度よく制御することができ、高精度な検出結果を得ることができる。したがって、このような光モジュールを備えた電子機器では、高精度な検出結果に基づいて、正確な光分析処理を実施することができる。
以下、本発明に係る第一実施形態について、図面に基づいて説明する。
〔1.光学装置の全体構成〕
図1は、本発明に係る実施形態の測色装置(電子機器)の概略構成を示す図である。
この測色装置1は、本発明の電子機器であり、図1に示すように、測定対象Aに光を射出する光源装置2と、本発明の光モジュールである測色センサー3と、測色装置1の全体動作を制御する制御装置4とを備えている。そして、この測色装置1は、光源装置2から射出される光を測定対象Aにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサー3にて受光し、測色センサー3から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち測定対象Aの色を分析して測定する装置である。
〔1.光学装置の全体構成〕
図1は、本発明に係る実施形態の測色装置(電子機器)の概略構成を示す図である。
この測色装置1は、本発明の電子機器であり、図1に示すように、測定対象Aに光を射出する光源装置2と、本発明の光モジュールである測色センサー3と、測色装置1の全体動作を制御する制御装置4とを備えている。そして、この測色装置1は、光源装置2から射出される光を測定対象Aにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサー3にて受光し、測色センサー3から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち測定対象Aの色を分析して測定する装置である。
〔2.光源装置の構成〕
光源装置2は、光源21、複数のレンズ22(図1には1つのみ記載)を備え、測定対象Aに対して白色光を射出する。複数のレンズ22には、コリメーターレンズが含まれていてもよく、この場合、光源装置2は、光源21から射出された白色光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから測定対象Aに向かって射出する。
なお、本実施形態では、光源装置2を備える測色装置1を例示するが、例えば測定対象Aが発光部材である場合、光源装置2が設けられない構成としてもよい。
光源装置2は、光源21、複数のレンズ22(図1には1つのみ記載)を備え、測定対象Aに対して白色光を射出する。複数のレンズ22には、コリメーターレンズが含まれていてもよく、この場合、光源装置2は、光源21から射出された白色光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから測定対象Aに向かって射出する。
なお、本実施形態では、光源装置2を備える測色装置1を例示するが、例えば測定対象Aが発光部材である場合、光源装置2が設けられない構成としてもよい。
〔3.測色センサーの構成〕
測色センサー3は、本発明の光モジュールを構成する。この測色センサー3は、図1に示すように、波長可変干渉フィルター5と、波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光して検出する受光素子31と、波長可変干渉フィルター5に駆動電圧を印可する電圧制御部32と、を備えている。また、測色センサー3は、波長可変干渉フィルター5に対向する位置に、測定対象Aで反射された反射光(検査対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー3は、波長可変干渉フィルター5により、入射光学レンズから入射した検査対象光のうち、所定波長の光のみを分光し、分光した光を受光素子31にて受光する。
受光素子31は、複数の光電交換素子により構成されており、受光量に応じた電気信号を生成する。そして、受光素子31は、制御装置4に接続されており、生成した電気信号を受光信号として制御装置4に出力する。
測色センサー3は、本発明の光モジュールを構成する。この測色センサー3は、図1に示すように、波長可変干渉フィルター5と、波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光して検出する受光素子31と、波長可変干渉フィルター5に駆動電圧を印可する電圧制御部32と、を備えている。また、測色センサー3は、波長可変干渉フィルター5に対向する位置に、測定対象Aで反射された反射光(検査対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー3は、波長可変干渉フィルター5により、入射光学レンズから入射した検査対象光のうち、所定波長の光のみを分光し、分光した光を受光素子31にて受光する。
受光素子31は、複数の光電交換素子により構成されており、受光量に応じた電気信号を生成する。そして、受光素子31は、制御装置4に接続されており、生成した電気信号を受光信号として制御装置4に出力する。
(3−1.波長可変干渉フィルターの構成)
図2は、波長可変干渉フィルター5を基板厚み方向から見た平面視における平面図であり、図3は、図2におけるIII−III線に沿って切断した波長可変干渉フィルター5の断面図である。図4は、図2におけるIV−IV線に沿って切断した波長可変干渉フィルター5の断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、図2に示すように、第一基板51、および第二基板52を備えている。これらの2枚の基板51,52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等の各種ガラスや、水晶等、可視光域の光を透過可能な素材により形成されている。そして、これらの2つの基板51,52は、図3に示すように、外周縁に沿って形成される接合面513,523同士が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜53により接合されることで、一体的に構成されている。
図2は、波長可変干渉フィルター5を基板厚み方向から見た平面視における平面図であり、図3は、図2におけるIII−III線に沿って切断した波長可変干渉フィルター5の断面図である。図4は、図2におけるIV−IV線に沿って切断した波長可変干渉フィルター5の断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、図2に示すように、第一基板51、および第二基板52を備えている。これらの2枚の基板51,52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等の各種ガラスや、水晶等、可視光域の光を透過可能な素材により形成されている。そして、これらの2つの基板51,52は、図3に示すように、外周縁に沿って形成される接合面513,523同士が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜53により接合されることで、一体的に構成されている。
また、第一基板51と、第二基板52との間には、第一反射膜56および第二反射膜57が設けられる。ここで、第一反射膜56は、第一基板51の第二基板52に対向する面に固定され、第二反射膜57は、第二基板52の第一基板51に対向する面に固定されている。また、これらの第一反射膜56および第二反射膜57は、ギャップを介して対向配置されている。ここで、第一反射膜56および第二反射膜57により挟まれる空間を光透過領域Gと称す。そして、波長可変干渉フィルター5は、この光透過領域Gで入射光を多重干渉させ、互いに強め合った光を透過させる。
さらに、第一基板51と第二基板52との間には、ギャップの寸法を調整するための、本発明のギャップ可変部である静電アクチュエーター54が設けられている。この静電アクチュエーター54は、第一基板51に設けられる第一電極部541と、第二基板52に設けられる第二電極542とにより構成されている。
(3−1−1.第一基板の構成)
第一基板51は、第二基板52に対向する対向面に、電極溝511およびミラー固定部512が、エッチングにより形成されている。
電極溝511は、図示は省略するが、基板厚み方向から第一基板51を見たフィルター平面視において、平面中心点を中心とするリング形状に形成されている。
ミラー固定部512は、電極溝511と同軸上で、第二基板52に向かって突出する円筒状に形成されている。
第一基板51は、第二基板52に対向する対向面に、電極溝511およびミラー固定部512が、エッチングにより形成されている。
電極溝511は、図示は省略するが、基板厚み方向から第一基板51を見たフィルター平面視において、平面中心点を中心とするリング形状に形成されている。
ミラー固定部512は、電極溝511と同軸上で、第二基板52に向かって突出する円筒状に形成されている。
電極溝511の溝底面には、静電アクチュエーター54を構成するリング状の第一電極部541が形成されている。
この第一電極部541は、図3に示すように、第一電極5411と、第一電極5411の第二基板52に臨む側の面を覆う絶縁層5412と、絶縁層5412の第二基板52に対向する面を覆い、電極間ギャップを介して後述する第二電極542に対向し、かつ第一電極5411と絶縁された導電性部材5413とを備えている。なお、第一電極5411および導電性部材5413の素材としては、導電性物質として公知のものを用いている。また、絶縁層5412の素材としては、絶縁性物質として公知のものを用いている。
この第一電極部541は、図3に示すように、第一電極5411と、第一電極5411の第二基板52に臨む側の面を覆う絶縁層5412と、絶縁層5412の第二基板52に対向する面を覆い、電極間ギャップを介して後述する第二電極542に対向し、かつ第一電極5411と絶縁された導電性部材5413とを備えている。なお、第一電極5411および導電性部材5413の素材としては、導電性物質として公知のものを用いている。また、絶縁層5412の素材としては、絶縁性物質として公知のものを用いている。
また、この第一電極部541は、配線溝に沿って延出される第一電極部線541A(第一電極線5411A、絶縁層線5412Aおよび導電性部材線5413A)が、第一基板51の外周部に向かって形成されている。そして、この第一電極部線541Aの先端である第一電極部端子541Bは、図4に示すように、第一電極線5411Aの先端である第一電極端子5411Bと、絶縁層線5412Aの先端である絶縁層端部5412Bと、導電性部材線5413Aの先端である導電性部材端子5413Bとを備える。また、絶縁層線5412Aは、第一電極端子5411Bの一部が露出するように形成される。導電性部材端子5413Bは、絶縁層端部5412Bの一部が露出するように形成される。そして、第一電極端子5411Bおよび導電性部材端子5413Bが電圧制御部32に接続されている。
また、ミラー固定部512の第二基板52に対向する面には、第一反射膜56が固定されている。この第一反射膜56は、例えばSiO2、TiO2を積層することで構成された誘電体多層膜であってもよく、Ag合金等の金属膜により構成されるものであってもよい。また、誘電体多層膜と金属膜との双方が積層された構成であってもよい。
そして、第一基板51の電極溝511の外方には、第一接合面513が形成されている。この第一接合面513には、上述したように、第一基板51および第二基板52を接合するプラズマ重合膜53が形成されている。
(3−1−2.第二基板の構成)
第二基板52は、第一基板51に対向しない面がエッチングにより加工されることで、形成される。この第二基板52は、基板中心点を中心とした円形筒状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、を備えている。ここで、この保持部522の外周径寸法は、第一基板51の電極溝511の外周径寸法よりも僅かに小さい寸法に形成されている。また、この保持部522の内周径寸法は、第一基板51のリング状の第一電極部541の外周径寸法よりも僅かに大きい寸法に形成されている。
また、第二基板52には、第一電極部端子541Bに対向する領域に切欠部524があり、第一電極部端子541Bが波長可変干渉フィルター5の上面に露出する構成となっている。
第二基板52は、第一基板51に対向しない面がエッチングにより加工されることで、形成される。この第二基板52は、基板中心点を中心とした円形筒状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、を備えている。ここで、この保持部522の外周径寸法は、第一基板51の電極溝511の外周径寸法よりも僅かに小さい寸法に形成されている。また、この保持部522の内周径寸法は、第一基板51のリング状の第一電極部541の外周径寸法よりも僅かに大きい寸法に形成されている。
また、第二基板52には、第一電極部端子541Bに対向する領域に切欠部524があり、第一電極部端子541Bが波長可変干渉フィルター5の上面に露出する構成となっている。
可動部521は、撓みを防止するために、保持部522よりも厚み寸法が大きく形成されている。
保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイヤフラムであり、例えば厚み寸法が50μmに形成されている。なお、本実施形態では、ダイヤフラム状の保持部522を例示するが、例えば、可動部の中心に対して点対象となる位置に設けられる複数対の梁構造を有する保持部が設けられる構成としてもよい。
保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイヤフラムであり、例えば厚み寸法が50μmに形成されている。なお、本実施形態では、ダイヤフラム状の保持部522を例示するが、例えば、可動部の中心に対して点対象となる位置に設けられる複数対の梁構造を有する保持部が設けられる構成としてもよい。
可動部521の第一基板51に対向する面には、第一電極部541に所定の間隔をあけて対向する、リング状の第二電極542が形成されている。ここで、上述したように、この第二電極542および前述した第一電極部541により、静電アクチュエーター54が構成される。なお、第二電極542の素材としては、導電性部材5413の素材と同一のものを用いている。
また、第二電極542の外周縁の一部からは、第二基板52の外周部に向かって、第二電極線542Aが形成され、この第二電極線542Aの先端である第二電極端子542Bが、電圧制御部32に接続される。
また、第二電極542の外周縁の一部からは、第二基板52の外周部に向かって、第二電極線542Aが形成され、この第二電極線542Aの先端である第二電極端子542Bが、電圧制御部32に接続される。
可動部521の第一基板51に対向する面には、ギャップを介して第一反射膜56に対向する第二反射膜57が形成されている。なお、第二反射膜57の構成は、第一反射膜56と同一であるため、ここでの説明は省略する。
また、第一反射膜56と第二反射膜57との間のギャップ(光学ギャップ)は、第一電極部541と第二電極542との間の電極間ギャップよりも大きくなっている。そのため、静電アクチュエーター54が駆動することで、第一電極部541と第二電極542とが接触し、電極間ギャップがなくなった場合にでも、図5に示すように、第一反射膜56と第二反射膜57とは接触しない。
また、第一反射膜56と第二反射膜57との間のギャップ(光学ギャップ)は、第一電極部541と第二電極542との間の電極間ギャップよりも大きくなっている。そのため、静電アクチュエーター54が駆動することで、第一電極部541と第二電極542とが接触し、電極間ギャップがなくなった場合にでも、図5に示すように、第一反射膜56と第二反射膜57とは接触しない。
(3−2.電圧制御部の構成)
図6は、測色センサー3(光モジュール)における回路構成を示す図である。
電圧制御部32は、制御装置4の制御により、静電アクチュエーター54の第一電極部541および第二電極542に印加する電圧を制御する。
この電圧制御部32は、駆動電圧源321と、接地回路322と、第一スイッチ回路323と、第二スイッチ回路324と、を備える。
図6は、測色センサー3(光モジュール)における回路構成を示す図である。
電圧制御部32は、制御装置4の制御により、静電アクチュエーター54の第一電極部541および第二電極542に印加する電圧を制御する。
この電圧制御部32は、駆動電圧源321と、接地回路322と、第一スイッチ回路323と、第二スイッチ回路324と、を備える。
駆動電圧源321は、第一スイッチ回路323に接続され、第一電極5411、第二電極542間に印加する駆動電圧を出力する。
接地回路322は、第一スイッチ回路323および第二電極542に接続されている。この接地回路322は、第二電極542を接地する。また、接地回路322は、第一スイッチ回路323および第二スイッチ回路324の接続状態により、第一電極5411および導電性部材5413を接地する。
接地回路322は、第一スイッチ回路323および第二電極542に接続されている。この接地回路322は、第二電極542を接地する。また、接地回路322は、第一スイッチ回路323および第二スイッチ回路324の接続状態により、第一電極5411および導電性部材5413を接地する。
第一スイッチ回路323は、第一電極5411、駆動電圧源321、および接地回路の接続状態を切り替える。具体的には、制御装置4から波長可変干渉フィルター5を駆動させる旨の駆動制御信号が入力された場合には、第一スイッチ回路323は、駆動電圧源321と第一電極5411とを接続する第一状態に切り替えられる。一方、制御装置4から、波長可変干渉フィルター5の駆動を停止し、第二状態に移行する旨の待機制御信号が入力された場合には、第一スイッチ回路323は、接地回路322と第一電極5411とを接続する第二状態に切り替えられる。
第二スイッチ回路324は、接地回路322と導電性部材5413との接続状態を切り替える。
そして、第二スイッチ回路324は、制御装置4から、駆動制御信号が入力され、第一スイッチ回路323が第一状態に切り替えられた際に、接地回路322と導電性部材5413とが切断された状態に切り替えられる。一方、第二スイッチ回路324は、制御装置4から、待機制御信号が入力され、第一スイッチ回路323が第二状態に切り替えられた際に、接地回路322と導電性部材5413とが接続された状態に切り替えられる。これにより、第二状態では、接地回路322と、第一電極5411および導電性部材5413とが導通し、第一電極5411および導電性部材5413を接地することができる。したがって、第一電極5411、第二電極542、および導電性部材5413が帯電していた場合でも、接地回路322で接地することで、帯電を除去することができる。
また、第二電極542や導電性部材5413の帯電が除去されることで、これらの電極層に荷電粒子が付着していた場合でも、荷電粒子が保有する電荷を逃がすことができ、荷電粒子に起因する静電アクチュエーターの電気特性の変化を防止することができる。
そして、第二スイッチ回路324は、制御装置4から、駆動制御信号が入力され、第一スイッチ回路323が第一状態に切り替えられた際に、接地回路322と導電性部材5413とが切断された状態に切り替えられる。一方、第二スイッチ回路324は、制御装置4から、待機制御信号が入力され、第一スイッチ回路323が第二状態に切り替えられた際に、接地回路322と導電性部材5413とが接続された状態に切り替えられる。これにより、第二状態では、接地回路322と、第一電極5411および導電性部材5413とが導通し、第一電極5411および導電性部材5413を接地することができる。したがって、第一電極5411、第二電極542、および導電性部材5413が帯電していた場合でも、接地回路322で接地することで、帯電を除去することができる。
また、第二電極542や導電性部材5413の帯電が除去されることで、これらの電極層に荷電粒子が付着していた場合でも、荷電粒子が保有する電荷を逃がすことができ、荷電粒子に起因する静電アクチュエーターの電気特性の変化を防止することができる。
〔4.制御装置の構成〕
制御装置4は、測色装置1の全体動作を制御する。
この制御装置4としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューター等を用いることができる。
そして、制御装置4は、図1に示すように、光源制御部41、測色センサー制御部42、および測色処理部43を備えて構成されている。
光源制御部41は、光源装置2に接続されている。そして、光源制御部41は、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置2に所定の制御信号を出力し、光源装置2から所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部42は、測色センサー3に接続されている。そして、測色センサー制御部42は、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー3にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号(駆動制御信号)を測色センサー3に出力する。これにより、測色センサー3の電圧制御部32は、制御信号に基づいて、利用者が所望する光の波長のみを透過させるよう、静電アクチュエーター54への印加電圧を設定する。また、測色センサー制御部42は、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー3を第二状態に移行させる旨の制御信号(待機制御信号)を、測色センサー3に出力する。
測色処理部43は、受光素子31により検出された受光量から、測定対象Aの色度を分析する。
制御装置4は、測色装置1の全体動作を制御する。
この制御装置4としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューター等を用いることができる。
そして、制御装置4は、図1に示すように、光源制御部41、測色センサー制御部42、および測色処理部43を備えて構成されている。
光源制御部41は、光源装置2に接続されている。そして、光源制御部41は、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置2に所定の制御信号を出力し、光源装置2から所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部42は、測色センサー3に接続されている。そして、測色センサー制御部42は、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー3にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号(駆動制御信号)を測色センサー3に出力する。これにより、測色センサー3の電圧制御部32は、制御信号に基づいて、利用者が所望する光の波長のみを透過させるよう、静電アクチュエーター54への印加電圧を設定する。また、測色センサー制御部42は、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー3を第二状態に移行させる旨の制御信号(待機制御信号)を、測色センサー3に出力する。
測色処理部43は、受光素子31により検出された受光量から、測定対象Aの色度を分析する。
〔5.本実施形態の作用効果〕
上述したように、本実施形態では、第一電極部541が、第一電極5411の第二基板52に臨む側の面を覆う絶縁層5412を備えている。これによれば、第一電極5411と第二電極542との絶縁層5412が存在するために、駆動時において電極間の短絡を防止できる。
また、本実施形態では、第一電極部541は、絶縁層5412の第二基板52に対向する面を覆い、電極間ギャップを介して第二電極542に対向する導電性部材5413を備える。これによれば、導電性部材5413および第二電極542は導電性を有するため、例えば、上記のような電圧制御部32の接地回路322に接続されることで、電荷を容易に除去でき、電極部分の帯電を除去できる。したがって、導電性部材5413や第二電極542に荷電粒子が付着した場合でも、帯電除去により、付着した荷電粒子の電荷を逃がすことができ、付着した荷電粒子による電気特性の変化を抑制することができる。
上述したように、本実施形態では、第一電極部541が、第一電極5411の第二基板52に臨む側の面を覆う絶縁層5412を備えている。これによれば、第一電極5411と第二電極542との絶縁層5412が存在するために、駆動時において電極間の短絡を防止できる。
また、本実施形態では、第一電極部541は、絶縁層5412の第二基板52に対向する面を覆い、電極間ギャップを介して第二電極542に対向する導電性部材5413を備える。これによれば、導電性部材5413および第二電極542は導電性を有するため、例えば、上記のような電圧制御部32の接地回路322に接続されることで、電荷を容易に除去でき、電極部分の帯電を除去できる。したがって、導電性部材5413や第二電極542に荷電粒子が付着した場合でも、帯電除去により、付着した荷電粒子の電荷を逃がすことができ、付着した荷電粒子による電気特性の変化を抑制することができる。
さらに、例えば、可動部521を備える第二基板52に絶縁層5412および導電性部材5413を設ける場合には、この絶縁層5412および導電性部材5413により第二基板52に余計な応力が発生して、この第二基板の第二反射膜57に撓みが発生する場合がある。これに対し、本実施形態では、絶縁層5412および導電性部材5413は可動部521のない第一基板51に設けられ、第二基板52には設けられていないため、可動部521を備える第二基板52に余計な応力は発生しない。そのため、第二反射膜57における撓みの発生を抑制できる。
本実施形態では、導電性部材5413は、図示しない引出し線を有している。そして、このような引出し線により、導電性部材5413に荷電粒子が付着した場合であっても、この導電性部材5413に付着した荷電粒子と逆極性の電位を与えたり、接地により電荷を逃がしたりすることができる。そのため、第二電極542と同様に、導電性部材5413からは電荷を容易に除去でき、荷電粒子による静電アクチュエーターの電気特性の変化を抑制することができる。
本実施形態では、第一反射膜56と第二反射膜57との間のギャップ(光学ギャップ)は、第一電極部541と第二電極542との間の電極間ギャップよりも大きくなっているために、第一電極部541と第二電極542とを接触させたとしても、第一反射膜56と第二反射膜57とは接触しなくなる。そのため、本実施形態では、第一反射膜56と第二反射膜57との接触を防止できる。また、第二電極542と導電性部材541を接触させることにより、第二電極542と導電性部材5413に付着する荷電粒子の偏りを均一にできる。そのため、第二電極542と導電性部材5413を接触させ荷電粒子の影響をなくすことができ、荷電粒子による静電アクチュエーターの電気特性の変化を抑制することができる。
本実施形態では、導電性部材5413が第二電極542と同一素材により形成されているために、静電アクチュエーター54に電圧を印加した場合に、これらに付着する荷電粒子の量に偏りが生じにくい。そのため、導電性部材5413および第二電極542に荷電粒子が付着した場合でも、これらの導電性部材5413および第二電極542に略等量の電荷が付着することとなり、帯電による電気特性の変化を抑制できる。
なお、本実施形態では、第二電極542が接地回路に接続されることで、0電位に設定される例を示したが、第二電極542にも駆動電圧が印加される構成としてもよい。この場合、荷電粒子の電荷を逃がすことが困難となるが、第二電極542と導電性部材5413とを同一素材により形成することで、より効果的に、荷電粒子の影響を抑制することができる。
なお、本実施形態では、第二電極542が接地回路に接続されることで、0電位に設定される例を示したが、第二電極542にも駆動電圧が印加される構成としてもよい。この場合、荷電粒子の電荷を逃がすことが困難となるが、第二電極542と導電性部材5413とを同一素材により形成することで、より効果的に、荷電粒子の影響を抑制することができる。
本実施形態では、第二スイッチ回路324は、第一スイッチ回路323が第二状態に切り替えられた際に、接地回路322と導電性部材5413とが接続された状態に切り替える。そのため、第二状態では、接地回路322と導電性部材5413とを導通し、接地することができる。これにより、フロート状態の導電性部材5413が帯電した場合でも、接地回路により帯電を除去することができる。また、帯電除去により、付着した荷電粒子の電荷も逃がすことができ、荷電粒子による静電アクチュエーターの電気特性の変化を抑制することができる。
〔他の実施の形態〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、第二電極542および導電性部材5413の素材を同一のものとしたが、これらの素材は異なるものであってもよい。
本実施形態では、可動部521のない第一基板51の第一電極5411に絶縁層5412および導電性部材5413が設けられているが、これに限定されず、可動部521を備える第二基板52の第二電極542に絶縁層および導電性部材を設ける構成としてもよい。また、両方の基板の電極に、絶縁層および導電性部材を設ける構成としてもよい。
第一基板51の頂点2つに、第一電極端子5411Bおよび導電性部材端子5413Bを有する第一電極部端子541Bが設けられる構成としたが、これに限定されない。例えば、第一基板51の1頂点に、第一電極端子5411Bのみが設けられ、第一基板51の他の頂点に導電性部材端子5413Bが設けられる構成としてもよい。
本実施形態では、導電性部材5413が引出し線を有している構成を例示したが、これに限定されず、導電性部材5413が引出し線を有していない構成としてもよい。このような場合、第二電極542と導電性部材541を接触させることにより、第二電極542と導電性部材5413に付着する荷電粒子の偏りを均一にできる。そして、第二電極542と導電性部材5413を接触させ荷電粒子の影響をなくすことができ、荷電粒子による静電アクチュエーターの電気特性の変化を抑制することができる。
本実施形態では、第二電極542が常に接地回路に接続されることで、0電位に設定されている例を示したが、図示は省略するが、第二スイッチ回路324は、接地回路322と導電性部材5413および第二電極542との接続状態を切り替えるものであり、第二スイッチ回路324は、第一スイッチ回路323が第一状態に切り替えられた際に、接地回路322と導電性部材5413および第二電極542とが切断された状態に切り替え、第一スイッチ回路323が第二状態に切り替えられた際に、接地回路322と導電性部材5413および第二電極542とが接続された状態に切り替えるようにしてもよい。
このようにすれば、第二状態では、接地回路322と導電性部材5413および第二電極542とが導通し、それぞれを0電位とすることができる。これにより、フローティング状態の導電性部材5413が帯電した場合でも、接地回路により帯電を除去することができる。
このようにすれば、第二状態では、接地回路322と導電性部材5413および第二電極542とが導通し、それぞれを0電位とすることができる。これにより、フローティング状態の導電性部材5413が帯電した場合でも、接地回路により帯電を除去することができる。
本実施形態では、導電性部材5413に接地することで、導電性部材5413の帯電を除去し、かつ、荷電粒子の電荷を逃がして、静電アクチュエーターの電気特性の変化を抑制する構成を例示したが、例えば上述したように、導電性部材5413や第二電極542に対して、付着した荷電粒子を除去するための電圧を印加する構成としてもよい。この場合、例えば、図示は省略するが、電圧制御部32は、荷電粒子除去用電圧源、荷電粒子除去用電圧源と導電性部材5413との接続状態を切り替える第三スイッチ回路、荷電粒子除去用電圧源と第二電極542とを接続状態を切り替える第四スイッチ回路を備える構成とすればよい。
このような構成では、第三スイッチ回路および第四スイッチ回路は、制御装置4から待機制御信号が入力され、さらに、電極に付着した荷電粒子を除去する旨の粒子除去制御信号が入力されると、それぞれ、第二電極542と荷電粒子除去用電圧源とを接続する状態、導電性部材5413と荷電粒子除去用電圧源とを接続する状態に切り替える。また、荷電粒子除去用電圧源は、粒子除去制御信号が入力されると、第二電極542および導電性部材5413に、それぞれ荷電粒子を除去するための交流電圧を印加する。
このような構成では、付着した荷電粒子の電荷の極性とは逆極性の電位を第二電極542や導電性部材5413に印加することで、電気的な斥力により、付着した荷電粒子自体を除去することができる。
このような構成では、第三スイッチ回路および第四スイッチ回路は、制御装置4から待機制御信号が入力され、さらに、電極に付着した荷電粒子を除去する旨の粒子除去制御信号が入力されると、それぞれ、第二電極542と荷電粒子除去用電圧源とを接続する状態、導電性部材5413と荷電粒子除去用電圧源とを接続する状態に切り替える。また、荷電粒子除去用電圧源は、粒子除去制御信号が入力されると、第二電極542および導電性部材5413に、それぞれ荷電粒子を除去するための交流電圧を印加する。
このような構成では、付着した荷電粒子の電荷の極性とは逆極性の電位を第二電極542や導電性部材5413に印加することで、電気的な斥力により、付着した荷電粒子自体を除去することができる。
本発明の電子機器として、測色装置1を例示したが、その他、様々な分野により本発明の波長可変干渉フィルター、光モジュール、電子機器を用いることができる。
例えば、特定物質の存在を検出するための光ベースのシステムとして用いることができる。このようなシステムとしては、例えば、本発明の波長可変干渉フィルターを用いた分光計測方式を採用して特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器などのガス検出装置を例示できる。
このようなガス検出装置の一例を以下に図面に基づいて説明する。
例えば、特定物質の存在を検出するための光ベースのシステムとして用いることができる。このようなシステムとしては、例えば、本発明の波長可変干渉フィルターを用いた分光計測方式を採用して特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器などのガス検出装置を例示できる。
このようなガス検出装置の一例を以下に図面に基づいて説明する。
図7は、波長可変干渉フィルターを備えたガス検出装置の一例を示す概略図である。
図8は、図7のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
このガス検出装置100は、図7に示すように、センサーチップ110と、吸引口120A、吸引流路120B、排出流路120C、および排出口120Dを備えた流路120と、本体部130と、を備えて構成されている。
本体部130は、流路120を着脱可能な開口を有するセンサー部カバー131、排出手段133、筐体134、光学部135、フィルター136、波長可変干渉フィルター5、および受光素子137(受光部)等を含む検出部(光モジュール)と、検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部138、電力を供給する電力供給部139等から構成されている。また、光学部135は、光を射出する光源135Aと、光源135Aから入射された光をセンサーチップ110側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子137側に透過するビームスプリッタ―135Bと、レンズ135C,135D,135Eと、により構成されている。
また、図8に示すように、ガス検出装置100の表面には、操作パネル140、表示部141、外部とのインターフェイスのための接続部142、電力供給部138が設けられている。電力供給部139が二次電池の場合には、充電のための接続部143を備えてもよい。
さらに、ガス検出装置100の制御部138は、図8に示すように、CPU等により構成された信号処理部144、光源135Aを制御するための光源ドライバー回路145、波長可変干渉フィルター5を制御するための電圧制御部146、受光素子137からの信号を受信する受光回路147、センサーチップ110のコードを読み取り、センサーチップ110の有無を検出するセンサーチップ検出器148からの信号を受信するセンサーチップ検出回路149、および排出手段133を制御する排出ドライバー回路150などを備えている。
図8は、図7のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
このガス検出装置100は、図7に示すように、センサーチップ110と、吸引口120A、吸引流路120B、排出流路120C、および排出口120Dを備えた流路120と、本体部130と、を備えて構成されている。
本体部130は、流路120を着脱可能な開口を有するセンサー部カバー131、排出手段133、筐体134、光学部135、フィルター136、波長可変干渉フィルター5、および受光素子137(受光部)等を含む検出部(光モジュール)と、検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部138、電力を供給する電力供給部139等から構成されている。また、光学部135は、光を射出する光源135Aと、光源135Aから入射された光をセンサーチップ110側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子137側に透過するビームスプリッタ―135Bと、レンズ135C,135D,135Eと、により構成されている。
また、図8に示すように、ガス検出装置100の表面には、操作パネル140、表示部141、外部とのインターフェイスのための接続部142、電力供給部138が設けられている。電力供給部139が二次電池の場合には、充電のための接続部143を備えてもよい。
さらに、ガス検出装置100の制御部138は、図8に示すように、CPU等により構成された信号処理部144、光源135Aを制御するための光源ドライバー回路145、波長可変干渉フィルター5を制御するための電圧制御部146、受光素子137からの信号を受信する受光回路147、センサーチップ110のコードを読み取り、センサーチップ110の有無を検出するセンサーチップ検出器148からの信号を受信するセンサーチップ検出回路149、および排出手段133を制御する排出ドライバー回路150などを備えている。
次に、上記のようなガス検出装置100の動作について、以下に説明する。
本体部130の上部のセンサー部カバー131の内部には、センサーチップ検出器148が設けられており、このセンサーチップ検出器148でセンサーチップ110の有無が検出される。信号処理部144は、センサーチップ検出器148からの検出信号を検出すると、センサーチップ110が装着された状態であると判断し、表示部141へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
本体部130の上部のセンサー部カバー131の内部には、センサーチップ検出器148が設けられており、このセンサーチップ検出器148でセンサーチップ110の有無が検出される。信号処理部144は、センサーチップ検出器148からの検出信号を検出すると、センサーチップ110が装着された状態であると判断し、表示部141へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
そして、例えば利用者により操作パネル140が操作され、操作パネル140から検出処理を開始する旨の指示信号が信号処理部144へ出力されると、まず、信号処理部144は、光源ドライバー回路145に光源作動の信号を出力して光源135Aを作動させる。光源135Aが駆動されると、光源135Aから単一波長で直線偏光の安定したレーザー光を射出される。また、光源135Aには、温度センサーや光量センサーが内蔵されており、その情報が信号処理部144へ出力される。そして、信号処理部144は、光源135Aから入力された温度や光量に基づいて、光源135Aが安定動作していると判断すると、排出ドライバー回路150を制御して排出手段133を作動させる。これにより、検出すべき標的物質(ガス分子)を含んだ気体試料が、吸引口120Aから、吸引流路120B、センサーチップ110内、排出流路120C、排出口120Dへと誘導される。
また、センサーチップ110は、金属ナノ構造体が複数組み込まれ、局在表面プラズモン共鳴を利用したセンサーである。このようなセンサーチップ110では、レーザー光により金属ナノ構造体間で増強電場が形成され、この増強電場内にガス分子が入り込むと、分子振動の情報を含んだラマン散乱光、およびレイリー散乱光が発生する。
これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は、光学部135を通ってフィルター136に入射し、フィルター136によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が波長可変干渉フィルター5に入射する。そして、信号処理部144は、電圧制御部146を制御し、波長可変干渉フィルター5に印加する電圧を調整し、検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5で分光させる。この後、分光した光が受光素子137で受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路147を介して信号処理部144に出力される。
信号処理部144は、上記のようにして得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータと、ROMに格納されているデータとを比較し、目的のガス分子か否かを判定し、物質の特定をする。また、信号処理部144は、表示部141にその結果情報を表示させたり、接続部142から外部へ出力したりする。
これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は、光学部135を通ってフィルター136に入射し、フィルター136によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が波長可変干渉フィルター5に入射する。そして、信号処理部144は、電圧制御部146を制御し、波長可変干渉フィルター5に印加する電圧を調整し、検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5で分光させる。この後、分光した光が受光素子137で受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路147を介して信号処理部144に出力される。
信号処理部144は、上記のようにして得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータと、ROMに格納されているデータとを比較し、目的のガス分子か否かを判定し、物質の特定をする。また、信号処理部144は、表示部141にその結果情報を表示させたり、接続部142から外部へ出力したりする。
なお、上記図7,8において、ラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5により分光して分光されたラマン散乱光からガス検出を行うガス検出装置100を例示したが、波長可変干渉フィルター5を用いたが、ガス検出装置として、ガス固有の吸光度を検出することでガス種別を特定するガス検出装置として用いてもよい。この場合、センサー内部にガスを流入させ、入射光のうちガスにて吸収された光を検出するガスセンサーを本発明の光モジュールとして用いる。そして、このようなガスセンサーによりセンサー内に流入されたガスを分析、判別するガス検出装置を本発明の電子機器とする。このような構成でも、本発明の波長可変干渉フィルターを用いてガスの成分を検出することができる。
また、特定物質の存在を検出するためのシステムとして、上記のようなガスの検出に限られず、近赤外線分光による糖類の非侵襲的測定装置や、食物や生体、鉱物等の情報の非侵襲的測定装置等の、物質成分分析装置を例示できる。
以下に、上記物質成分分析装置の一例として、食物分析装置を説明する。
以下に、上記物質成分分析装置の一例として、食物分析装置を説明する。
図9は、波長可変干渉フィルター5を利用した電子機器の一例である食物分析装置の概略構成を示す図である。
この食物分析装置200は、図9に示すように、検出器210(光モジュール)と、制御部220と、表示部230と、を備えている。検出器210は、光を射出する光源211と、測定対象物からの光が導入される撮像レンズ212と、撮像レンズ212から導入された光を分光する波長可変干渉フィルター5と、分光された光を検出する撮像部213(受光部)と、を備えている。
また、制御部220は、光源211の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部221と、波長可変干渉フィルター5を制御する電圧制御部222と、撮像部213を制御し、撮像部213で撮像された分光画像を取得する検出制御部223と、信号処理部224と、記憶部225と、を備えている。
この食物分析装置200は、図9に示すように、検出器210(光モジュール)と、制御部220と、表示部230と、を備えている。検出器210は、光を射出する光源211と、測定対象物からの光が導入される撮像レンズ212と、撮像レンズ212から導入された光を分光する波長可変干渉フィルター5と、分光された光を検出する撮像部213(受光部)と、を備えている。
また、制御部220は、光源211の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部221と、波長可変干渉フィルター5を制御する電圧制御部222と、撮像部213を制御し、撮像部213で撮像された分光画像を取得する検出制御部223と、信号処理部224と、記憶部225と、を備えている。
この食物分析装置200は、システムを駆動させると、光源制御部221により光源211が制御されて、光源211から測定対象物に光が照射される。そして、測定対象物で反射された光は、撮像レンズ212を通って波長可変干渉フィルター5に入射する。波長可変干渉フィルター5は電圧制御部222の制御により所望の波長を分光可能な電圧が印加されており、分光された光が、例えばCCDカメラ等により構成される撮像部213で撮像される。また、撮像された光は分光画像として、記憶部225に蓄積される。また、信号処理部224は、電圧制御部222を制御して波長可変干渉フィルター5に印加する電圧値を変化させ、各波長に対する分光画像を取得する。
そして、信号処理部224は、記憶部225に蓄積された各画像における各画素のデータを演算処理し、各画素におけるスペクトルを求める。また、記憶部225には、例えばスペクトルに対する食物の成分に関する情報が記憶されており、信号処理部224は、求めたスペクトルのデータを、記憶部225に記憶された食物に関する情報を基に分析し、検出対象に含まれる食物成分、およびその含有量を求める。また、得られた食物成分および含有量から、食物カロリーや鮮度等をも算出することができる。さらに、画像内のスペクトル分布を分析することで、検査対象の食物の中で鮮度が低下している部分の抽出等をも実施することができ、さらには、食物内に含まれる異物等の検出をも実施することができる。
そして、信号処理部224は、上述のようにした得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部230に表示させる処理をする。
そして、信号処理部224は、上述のようにした得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部230に表示させる処理をする。
また、図9において、食物分析装置200の例を示すが、略同様の構成により、上述したようなその他の情報の非侵襲的測定装置としても利用することができる。例えば、血液等の体液成分の測定、分析等、生体成分を分析する生体分析装置として用いることができる。このような生体分析装置としては、例えば血液等の体液成分を測定する装置として、エチルアルコールを検知する装置とすれば、運転者の飲酒状態を検出する酒気帯び運転防止装置として用いることができる、また、このような生体分析装置を備えた電子内視鏡システムとしても用いることができる。
さらには、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
さらには、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
さらには、本発明の波長可変干渉フィルター、光モジュール、電子機器としては、以下のような装置に適用することができる。
例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、光モジュールに設けられた波長可変干渉フィルターにより特定波長の光を分光し、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このようなデータ抽出用光モジュールを備えた電子機器により、各波長の光のデータを処理することで、光通信を実施することもできる。
例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、光モジュールに設けられた波長可変干渉フィルターにより特定波長の光を分光し、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このようなデータ抽出用光モジュールを備えた電子機器により、各波長の光のデータを処理することで、光通信を実施することもできる。
また、電子機器としては、本発明の波長可変干渉フィルターにより光を分光することで、分光画像を撮像する分光カメラ、分光分析機などにも適用できる。このような分光カメラの一例として、波長可変干渉フィルターを内蔵した赤外線カメラが挙げられる。
図10は、分光カメラの概略構成を示す模式図である。分光カメラ300は、図10に示すように、カメラ本体310と、撮像レンズユニット320と、撮像部320とを備えている。
カメラ本体310は、利用者により把持、操作される部分である。
撮像レンズユニット320は、カメラ本体310に設けられ、入射した画像光を撮像部320に導光する。また、この撮像レンズユニット320は、図10に示すように、対物レンズ321、結像レンズ322、およびこれらのレンズ間に設けられた波長可変干渉フィルター5を備えて構成されている。
撮像部320は、受光素子により構成され、撮像レンズユニット320により導光された画像光を撮像する。
このような分光カメラ300では、波長可変干渉フィルター5により撮像対象となる波長の光を透過させることで、所望波長の光の分光画像を撮像することができる。
図10は、分光カメラの概略構成を示す模式図である。分光カメラ300は、図10に示すように、カメラ本体310と、撮像レンズユニット320と、撮像部320とを備えている。
カメラ本体310は、利用者により把持、操作される部分である。
撮像レンズユニット320は、カメラ本体310に設けられ、入射した画像光を撮像部320に導光する。また、この撮像レンズユニット320は、図10に示すように、対物レンズ321、結像レンズ322、およびこれらのレンズ間に設けられた波長可変干渉フィルター5を備えて構成されている。
撮像部320は、受光素子により構成され、撮像レンズユニット320により導光された画像光を撮像する。
このような分光カメラ300では、波長可変干渉フィルター5により撮像対象となる波長の光を透過させることで、所望波長の光の分光画像を撮像することができる。
さらには、本発明の波長可変干渉フィルターをバンドパスフィルターとして用いてもよく、例えば、発光素子が射出する所定波長域の光のうち、所定の波長を中心とした狭帯域の光のみを波長可変干渉フィルターで分光して透過させる光学式レーザー装置としても用いることができる。
また、本発明の波長可変干渉フィルターを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた、血管や指紋、網膜、虹彩などの認証装置にも適用できる。
また、本発明の波長可変干渉フィルターを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた、血管や指紋、網膜、虹彩などの認証装置にも適用できる。
さらには、光モジュールおよび電子機器を、濃度検出装置として用いることができる。この場合、波長可変干渉フィルターにより、物質から射出された赤外エネルギー(赤外光)を分光して分析し、サンプル中の被検体濃度を測定する。
上記に示すように、本発明の波長可変干渉フィルター、光モジュール、および電子機器は、入射光から所定の光を分光するいかなる装置にも適用することができる。そして、本発明の波長可変干渉フィルターは、上述のように、1デバイスで複数の波長を分光させることができるため、複数の波長のスペクトルの測定、複数の成分に対する検出を精度よく実施することができる。したがって、複数デバイスにより所望の波長を取り出す従来の装置に比べて、光モジュールや電子機器の小型化を促進でき、例えば、携帯用や車載用の光学デバイスとして好適に用いることができる。
さらに、光モジュールとしては、波長可変干渉フィルター5により取り出された光を受光素子31により受光することで、ガス特有の吸収波長を検出する吸収波長検出モジュールとして用いることもでき、電子機器として、吸収波長検出モジュールにより検出された吸収波長からガスの種類を判別するガス判別装置として用いることもできる。
さらには、例えば、光モジュールは、例えば光ファイバーなどの光伝達媒体により伝送された光から所望の波長の光を抽出する光通信モジュールとしても用いることができる。また、電子機器として、このような光通信モジュールから抽出された光からデータをデコード処理し、光により伝送されたデータを抽出する光通信装置として用いることもできる。
さらには、例えば、光モジュールは、例えば光ファイバーなどの光伝達媒体により伝送された光から所望の波長の光を抽出する光通信モジュールとしても用いることができる。また、電子機器として、このような光通信モジュールから抽出された光からデータをデコード処理し、光により伝送されたデータを抽出する光通信装置として用いることもできる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
1…測色装置、3…測色センサー、5…波長可変干渉フィルター、32…電圧制御部、51…第一基板、52…第二基板、56…第一反射膜、57…第二反射膜、321…駆動電圧源、322…接地回路、323…第一スイッチ回路、324…第二スイッチ回路、521…可動部、522…保持部、541…第一電極部、542…第二電極、5411…第一電極、5412…絶縁層、5413…導電性部材、G…光透過領域。
Claims (8)
- 第一基板と、
前記第一基板に対向し、可動部および前記可動部を前記第一基板に対して進退可能に保持する保持部を備えた第二基板と、
前記第一基板に設けられた第一反射膜と、
前記可動部に設けられ、前記第一反射膜と光学ギャップを介して対向する第二反射膜と、
前記第一基板に設けられた第一電極部と、
前記第二基板に設けられ、前記第一電極部に電極間ギャップを介して対向する第二電極と、を備え、
前記第一電極部は、
前記第一基板に設けられた第一電極と、
前記第一電極の第二基板に臨む側の面を覆う絶縁層と、
前記絶縁層の第二基板に対向する面を覆い、前記電極間ギャップを介して前記第二電極に対向し、かつ前記第一電極と絶縁された導電性部材と、を備えた
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項1に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記導電性部材は、引出し線を有する
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項1または請求項2に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記光学ギャップは、前記電極間ギャップよりも大きい
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記導電性部材は、前記第二電極と同一素材により形成されている
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の波長可変干渉フィルターと、
前記第一電極および前記第二電極に印加する電圧を制御する電圧制御部と、
を備えたことを特徴とする光モジュール。 - 請求項5に記載の光モジュールにおいて、
前記電圧制御部は、
前記第一電極に駆動電圧を印加する駆動電圧源と、
接地回路と、
前記第一電極と前記駆動電圧源とが接続される第一状態、および前記第一電極と前記接地回路とが接続される第二状態を切り替える第一スイッチ回路と、
前記接地回路と前記導電性部材との接続状態を切り替える第二スイッチ回路と、を備え、
前記第二スイッチ回路は、前記第一スイッチ回路が第一状態に切り替えられた際に、前記接地回路と前記導電性部材とが切断された状態に切り替え、前記第一スイッチ回路が第二状態に切り替えられた際に、前記接地回路と前記導電性部材とが接続された状態に切り替える
ことを特徴とする光モジュール。 - 請求項6に記載の光モジュールにおいて、
前記第二スイッチ回路は、前記接地回路と前記導電性部材および前記第二電極との接続状態を切り替えるものであり、
前記第二スイッチ回路は、前記第一スイッチ回路が第一状態に切り替えられた際に、前記接地回路と前記導電性部材および前記第二電極とが切断された状態に切り替え、前記第一スイッチ回路が第二状態に切り替えられた際に、前記接地回路と前記導電性部材および前記第二電極とが接続された状態に切り替える
ことを特徴とする光モジュール。 - 請求項5から請求項7のいずれかに記載の光モジュールを備えることを特徴とする電子機器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011032433A JP2012173348A (ja) | 2011-02-17 | 2011-02-17 | 波長可変干渉フィルター、光モジュールおよび電子機器 |
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JP (1) | JP2012173348A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015031942A (ja) * | 2013-08-07 | 2015-02-16 | セイコーエプソン株式会社 | 光フィルター、光学モジュール、電子機器および光フィルターの製造方法 |
-
2011
- 2011-02-17 JP JP2011032433A patent/JP2012173348A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015031942A (ja) * | 2013-08-07 | 2015-02-16 | セイコーエプソン株式会社 | 光フィルター、光学モジュール、電子機器および光フィルターの製造方法 |
US10007106B2 (en) | 2013-08-07 | 2018-06-26 | Seiko Epson Corporation | Optical filter, optical module, electronic apparatus, and method of manufacturing optical filter |
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